意見交換「対外経済協力のあり方について

(平成10年4月15日参議院国際問題に関する調査会会議録より抜粋)


(前略)
○会長(林田悠紀夫君) ただいまから国際問題に関する調査会を開会いたします。
  国際問題に関する調査を議題といたします。
  本調査会では、さきの国会に引き続きまして対外経済協力に関する小委員会を設置し、そこで長期的視野に立ち対外経済協力のあり方等について調査を進めてまいりましたが、小委員長から、会長のもとに最終報告として調査報告書が提出されました。
  本日は、まず小委員長から報告を聴取した後、対外経済協力に関する件について委員相互間で自由討議を行いたいと存じます。
  それでは、まず、調査報告書の概要につきまして、小委員長から報告を聴取いたします。対外経済協力に関する小委員長板垣正君。
○板垣正君 対外経済協力に関する小委員会における調査の概要について御報告申し上げます。
  本小委員会は、長期的視野に立ち対外経済協力のあり方等について調査検討するため、さきの国会の昨年十月に設置され、十二月に同国会の調査の概要をまとめた中間報告を調査会長に提出し、引き続き今国会におきましても、去る一月に設置されたものであります。
  小委員会においては、政府開発援助が現在大きな転換期を迎えていることを背景に、二十一世紀に向けたODAのあり方について調査を行いました。
  小委員会では、ODAの理念、援助実施体制などのODAのあり方、国会とODAとのかかわりについて、小委員間の意見交換を中心に調査を進め、あわせて、外務省当局からの説明聴取、参考人からの意見聴取に基づく質疑を行いました。
  まず、ODAの理念については、小委員から、被援助国の国民の立場に立ち、人道的立場を重視する援助が重要であるとの意見、人道主義は必要であるが、同時に、ODAは外交政策の重要な柱の一つであり、日本の国益、世界の安定に結びつける援助も大切であるとの意見などが述べられました。
  本小委員会としては、ODAの理念をめぐる論議を踏まえ、ODA大綱策定後における地球環境問題の深刻化などの新たな動きに対応し、ODA大綱の見直しに着手すべきであることなどの提言を行うことといたしました。
  次に、ODAのあり方については、ODAの量の確保と質の向上、多国間援助と二国間援助など各援助形態のバランス、援助案件の形成過程、援助実施体制などについて活発な論議がなされました。
  本小委員会としては、二十一世紀に向けたODAのあり方を示すため、国民参加型援助の推進を強化すべきこと、NGOを通じた援助が諸制度の拡充によりODA全体額の五%程度を将来目標として拡充できるよう努力するなど、NGOとの連携を強化すべきこと、援助実施体制について一元化の方向で見直しに向けて検討に着手すべきことなどを提言することで意見の一致を見ました。さらに、ODAの量の確保への配意、ODAの質の向上と人材育成・知的支援の推進、環境ODAの重視と人材の確保、保健・医療・教育等の社会開発分野の重視、国別援助計画の策定、開発教育の推進、開発協力に携わる人材の育成・確保などの提言を行うことで合意いたしました。
  国会とODAとのかかわりについては、小委員の意見交換を通じて、ODAに対する国会の関与を強め、政治のリーダーシップを発揮すべきであるとの方向で共通の認識が形成されたことを踏まえ、ODA関係資料の内容の充実と議院または委員会への提出、委員会審査の充実などを初めとして、国会のODAに対する恒常的な関与の拡充強化が図られるべきであるとの提言を行うことといたしました。
  さらに、ODA基本法の制定については、国会で具体的に踏み込んだ論議をすべき時期に至っているとの一致した認識のもと、活発な論議がなされ、ほとんどの小委員からは立法化に向けて積極的な意見が述べられました。
  具体的には、国民のODAに対する意識を高めるとともに、日本型のODAを実施する決意を発信する上でも、理念法であっても基本法が必要であるとの意見、国会の関与を強め、実施体制の一元化を行うためにも基本法の制定が必要であるとの意見、理念、基本原則を明確にするとともに、政府から年次報告の国会提出を求めてODAの透明性を高めることが大切であるとの意見などであります。
  他方、基本法の必要性については十分理解し得るが、現段階では審議の充実など国会の関与の強化の方がODA政策全体から見てベターであるとの意見も表明されました。また、外務省当局からは、ODAは外交政策の一環として柔軟、機動的な実施が必要であり、基本法の制定はそれを阻害することを懸念するとの発言がなされました。
  本小委員会では、小委員間の活発な意見交換を通じて、国会とODAとのかかわりをさらに明確化していくため、国際開発協力の本旨、国際開発協力の基本原則、国会に対する報告、NGOとの連携の強化、国際開発協力に携わる人材の育成・確保から成るODA基本法案の骨子を基本法の立法化に向けての論議のたたき台として提起することを提言とすることについて、共通の認識を形成することができました。
  本小委員会は、さきの国会において設置されて以来、十一回にわたる調査検討の結果を全会一致をもって取りまとめ、去る四月八日、調査会長に
最終報告を提出いたした次第であります。
  本小委員会の提言を含む最終報告が国際問題に関する調査会の最終報告に反映されることを要望いたしまして、報告を終わらせていただきます。
○会長(林田悠紀夫君) ありがとうございました。
  以上で小委員長からの報告の聴取は終わりました。
  これより自由討議に入ります。
  ただいまの報告をもとにいたしまして、二十一世紀に向けたODAのあり方について、委員の皆様方で午前十一時五十分を目途に自由に意見交換を行っていただきたいと存じます。発言を希望される方は挙手を願い、私の指名を待って御発言をお願いいたします。
  なお、意見交換を活発に行うため、発言時間を一回五分以内に制限いたしたいと存じますので、御協力をお願い申し上げます。
  それでは挙手をお願いいたします。
○馳浩君 自由民主党の馳浩です。
  私もこの小委員会の一員としてずっと議論に参加させていただいてまいりまして、この提言がまとめられたということは大変画期的ですばらしいことだと思います。
  けさ、会館へ参りまして日本経済新聞を読んでおりましたら、今般の経済対策で八百億円にわたるODA予算が積み増しされるであろうという記事が載っておりました。それは、今年度予算でODA予算が一〇%も削減されたという現状においては八百億円の積み増しというのはまあまあすばらしいことなのかなと、喜ぶべきと思いながらも、私は、今回の議論を続けてきて、こういうことであってはいけないのではないかなという気持ちも持ちました。
  といいますのも、日本の経済状況がよいときもあればもちろん悪いときもありますけれども、それによってODA予算の額が大きく左右されるということは、まさしく被援助国にとって正直言ってこんなに不安なことはなく、もっと正直に言えば迷惑なことはない。日本としてちゃんと理念に基づいて、法に基づいてODA予算が意味のある使い方をなされることが、国民の払っている税の中からのODA予算でありますから、必要なのではないかということをこの小委員会の中でもずっと一貫して主張してきたわけであります。
  この提言の中にもありますように、国会として法をつくり、基本法に基づいて、そして意味のあると言うと変ですけれども、国民の皆さんにもODAの役割を理解していただいて、そして本当に世界に貢献できる日本の姿を見せていくことが必要であるということをこの調査会からも大きな声で主張していく時期であると私は思っております。
  基本法の中身については、今の報告の最後の方にもありましたように、外務省当局からの一抹の不安というのはありますけれども、まさしくこれは外交の機動性、柔軟性を縛るための基本法ではなくて、理念法としてODAに対する日本の姿を世界に向けて見せる、そして国内に向けて強調していくという意味のある基本法として、私はこの作業を進めていくべきであるというふうに認識をしております。
  以上であります。
○魚住裕一郎君 公明の魚住裕一郎でございます。
  今、小委員長の御報告を受けました。昨年来から十一回にわたる調査検討をなされ、このような御報告をされたことに深く敬意を表します。
  今、日本の経済、長引く景気低迷の中で、中小企業者の中から自殺者も出るというような中で、本当にODAを行う必要があるのかと、その十分な説明をもらいたいという人が多くあるだろうと思います。
  例えば、総理府の外交に関する世論調査でも、積極的にODAを進めるべきだという意見が減少しているというふうに聞いております。また、そういった中、昨年のいわゆる財革法によりODA予算が削減され、新聞記事等でも、国際機関や途上国から悲鳴が上がったというふうに聞いておりますが、国内論議では余り大きな議論にはならなかったというふうに思います。また一方で、外務大臣の諮問機関である二十一世紀に向けてのODA改革懇談会から報告がなされたり、また先般、NPO法案が成立いたしましたけれども、これも国際協力の分野で活躍しているNGOの組織づくりにも大いに役に立つのではないかというふうに思われます。
  こういうようなODAの大きな転換期を迎えている中で、この小委員会が設置されて二十項目に上る提言を行ったことは大変に意義が深いし、またタイムリーであったというふうに考える次第であります。とりわけ、国民の税金また郵便貯金等を原資にしているODAについて、国民の代表であります国会がかかわりを一層強めていくべきである、また、そのためにもODAの理念、基本原則を明確にして国会に対する報告を求める、そういうODA基本法案の骨子を今後の立法化に向けた論議のたたき台として提起されて各会派の総意として提言に盛り込まれたことは、大変大きな意義を持つと考える次第であります。どうかこの調査会の討議を経て本調査会の最終報告にもぜひ盛り込まれることをお願いしたいと存じます。
  小委員会の報告を読ませていただきましたけれども、二十一世紀に向けたODAの理念、あり方についてさまざまな意見があったというふうに認識をしております。数多くの具体的な提言もなされておりますが、人道主義それから広い意味での国益との両立ということも考えていくべきではないか。宇宙船地球号の乗組員が平和で繁栄のうちに暮らしていけること、そういうことを原点に置いて考えた場合に、紛争の芽をあらかじめ摘んでいくというような意味で、人間の安全保障という観点からODAが一層用いられてもいいのではないかというふうに思っております。例えば、放置された地雷の除去でありますとか、あるいは戦乱によって荒廃した国土の復興支援、また市場経済への移行に努力している国々に対する協力、そういうこともODAの活躍の場面というふうに考えるべきではないだろうか、そういうふうに考えました。
  以上で終わります。
○山本一太君 板垣小委員長のもとで十一回小委員会をやらせていただきまして、なかなかこれだけ集中的にODAのことを協議する機会というのは今まで国会でもなかったのではないかというふうに私は参加をさせていただいて思いました。また、この報告書も、いろんな意見は出たんですが、小委員会の報告書としてはかなり踏み込んだ内容になったのではないかというふうに議論に参加していて思いました。この小委員会の報告書がこれからの日本のODA政策について一つのシーズといいますか、大きな方向性のきっかけになるような形にして生かしていくことが必要なんじゃないかというふうな気がいたします。
  一番議論の集中した点は、国会とODAのかかわりというところで、馳委員の方からもお話があったODA基本法の話だったんですが、ODA基本法は確かに、ODAに対する認識を高めるとか、あるいは世界に対して日本のODA政策をきちっとしたメッセージとして発信するという一つの考え方といいますか、有力な方法であると思うんですが、もちろん基本法の問題についてはまたこれをもとに検討を重ねていくべきだと思います。
  同時に、国会とODAとのかかわりというのは、基本法の部分だけではなくて、今回の報告書にも入ったんですが、ODAの審議を委員会で活性化させるということもやっていかなければいけないのではないかというふうに感じました。今回、参議院の方にできた行政監視委員会なんかもODA調査の一つの場所になり得るのかなと思いました。
  それと同時に、国会議員のイニシアチブでODAにかかわっていくという活動も、この中に入っていますが、大事なのではないかというふうに思います。ODA案件の視察については、議員の海
外派遣を活発にするとか、評価の調査団への参加、こういったことも考えていくべきではないか。あるいは、NGOとか国際開発協力に関心のあるジャーナリストの方々との非公式な協議みたいなものも進めながら、やはり国会におけるODAに対する認識というのを深めていくことも必要なのではないか。
  そういったもろもろのいろんなことを総合的に考えながら国会とODAとのかかわりというのを進めていくべきではないかということを十一回の議論の中で感じましたので、一言だけコメントさせていただきたいと思います。
○南野知惠子君 対外経済協力小委員会の最終報告を今読ませていただいておりますが、大変共感するところが多いわけでございます。ODAの改革が求められております現在におきましても時宜を得た報告であるのではないかというふうに思います。取りまとめられた板垣小委員長初め小委員の先生方の御努力には敬服いたしております。
  最終報告で取り上げられました小委員のさまざまな御意見、国会がODAの問題についていろいろな角度から真剣に論議した貴重な記録であるというふうに思っております。また、現段階における国会の議論の集大成でもあろうかというふうに思っております。
  この議論の中から、小委員の先生方の認識を一致させていただくことにより取りまとめられた二十にも及ぶ提言というものは、これは各会派の総意をもって、二十一世紀に向けたODAのあり方、ODAに対する国会の関与の強化について、国会から発信していこうとする大変意欲的なものであるというふうに思っております。この調査会におきます討議を経まして、調査会の最終報告というものに盛り込んでいただけるならば、この調査会の三年間にわたる活動のすばらしい成果になるものと信じております。
  小委員会の最終報告をさらに発展させていくという観点から、二つの観点をちょっと申し上げてみたいと思っているわけですが、一つは、十ページにございます提言八の社会開発分野の重視というところでございます。
  私は、保健、医療、看護、ケア、そういった分野を通してどのようにアジアの方々に対して協力できるのかと、いろいろな今までの個人的な経験も踏まえながら検討し、また実際にベトナムなどでは体験してまいりました。
  その経験から申し上げるならば、世界じゅうで三十五億人もの人が何らかの形で感染しているというふうに思われます。ベトナムでは女性の感染症ということも大きな形で取り上げられており、女性の健康、リプロダクティブヘルス・アンド・ライツというようなところにもこれが影響してくるわけですが、一般に開発途上国というならば寄生虫の問題であろうと思います。そういった寄生虫予防のために、医療技術の提供または人材養成、特に上下水道の設備などの衛生環境の改善などで途上国の支援を進めていくということが、開発途上国の人々の今、暮らしを守る経済活動の基礎づくりに役立つだけではなく、先進国も途上国から持ち込まれる寄生虫病を防ぐ効果というものもあるのではないかなと思っております。
  経済の発展や国民生活の安定、ひいては平和な国づくりの第一歩が社会開発の分野に対する支援の充実にあると思います。最終報告の提言にございますように、途上国の人々が待ち望む医療、保健、教育、そういったものを中心とする社会開発分野に一層重点が置かれますことを希望いたしたいと思っております。
  第二の問題点でございますが、これは報告でも、国民参加型援助の推進、顔の見える援助、または情報公開、広報活動の充実、ODAに関する教育の推進というものについて触れてまいりましたけれども、経済や財政の厳しさを反映しましてか、国民の気持ちが今内向きになっているような現在でございます。そういうときに、十月六日、これは国際協力の日でございましょうか、それを中心に、学校でも家庭でも、それから職場でも、多くの人々が国際協力の大切さを考えることができるように行動していかなければならないというふうに思っておりますが、政府の施策の充実ということも求めていきたいというふうに思っております。
  以上でございます。
○高野博師君 公明の高野でございます。
  この最終報告書は大変立派なものができておりまして、私も、ODAの理念とかODA大綱の見直し云々ということで、基本的には賛同しております。
  一つ、私のアイデアとして、このODAが、先ほど馳委員からもお話があったように、日本の経済状況によって予算が左右されるということがありますので、戦後日本が円借款をやって相当の額になっていると思うんですが、詳しい数字は持っておりませんが、これが今償還の時期に入って返ってくると思うんです。この円借款で貸したお金で返ってくるものをもとにして、ODAのファンドというか基金みたいなものができないかなと。
  これはどのくらいの額でどのぐらいかかって基金ができるのかわかりませんが、もしそういうものができるのであれば、この基金の運用益でいろんなODAができないかなと。そういう議論がされたかどうかわかりませんが、もしそういうことが可能であれば、これはぜひ検討していただきたいというアイデアを私は持っております。
  以上です。
○岡崎トミ子君 民主の岡崎でございます。
  今回のこの調査の報告書ですけれども、三年間の調査の成果ということですが、私は昨年の暮れから参加をさせていただきましたので、これまで私自身が問題としてきたことについて、きょうは日本のインドネシア緊急支援策とODA大綱ということについて触れたいと思っております。
  先週、IMFとインドネシア政府との間で経済改革策についての合意が成立いたしました。その結果、延期されておりましたIMFによる第二次の融資と連動しました日本による支援策が動き出すことになったわけでございます。
  ところで、最近インドネシアを訪問したアメリカの人権団体、ヒユーマン・ライツ・ウォッチのスタッフによりますと、インドネシアで政治改革と民主化を求める人々は、スハルト体制下では公正な経済制度、金融制度が構築される可能性はないと見ておりまして、経済危機に対応した国際機関あるいは二国間の支援、援助はスハルト政権を延命させるだけの結果に終わるのではないかという無力感にさいなまれているということでございました。
  インドネシアの通貨や経済危機に対して金融あるいは財政支援を行うことは、その混乱の影響の大きさにかんがみて、必要なことだと私自身も思っております。しかし、もしここでODA大綱の精神に立ち返るならば、過去及び現在における最大の資金供与国として日本はどのようにしなければいけないか。その提言でありますけれども、まずは、危機管理に関する日本政府の責任をどのようにしていかなければならないか。今回の危機の構造的要因と言われておりますインドネシア政府のガバナンス、統治管理の弱さについて、日本はどのような調査と研究を行ってきたのかということです。
  四月八日に行われた朝日新聞社の緊急シンポジウム「アジア経済再生と日本の役割」でも指摘されておりましたが、日本はアジアの高い成長率に幻惑されて、例えば公共部門の効率的かつ公正な運営、あるいは政府の責任性としては、あらゆるルールの明確化と腐敗、汚職の防止、開発のための法的枠組みの整備として、民営化法、銀行法、破産法、会社法など経済法規の整備、そして情報の透明性、これは政府の経済、財政に関する情報公開、公共調達の情報、機会の公開ということですけれども、こうした構造的な問題を無視してきたのではないかというふうに思います。
  九四年に世界銀行がスハルト大統領のファミリービジネスについてインドネシア協議グループに向けて調査報告書を提出しましたときに、私の
事務所といたしましてもこの開示を求めましたけれども、世界銀行が内部資料の扱いをしているという理由で出してもらえませんでした。日本はこういう問題を知りながら実は放置してきたのではないかというふうに私は考えます。
  そういうときに、情報公開とモニタリングへの協力ということでNGOが動き出しております。
  今回のこの報告書の中でも、提言一四でNGOとの連携強化について触れておりますけれども、現在、インドネシアのNGOは、経済危機救援関連ということで援助汚職監視委員会を設立しようとしております。援助物資が横流しされたり、融資を受ける際に大統領一族や側近の縁者が優遇されることをチェックするためであります。こういう動きに対して、援助供与国の国からも、日本からも協力してほしいという要請が来ております。
  まずは情報公開が必要だというふうに思います。支援パッケージの構成や個別の支援策の仕組みや融資条件などに関する情報がインドネシアの国民に公開されるべきでありますし、この原則は援助の条件に組み込まれるべきだというふうに思います。特に、どういう方法でモニタリングを行うのか、日本とインドネシア政府との合意内容を具体的に知りたいという声が多数寄せられております。
  そしてまたもう一つ、日本の支援策に政府対民間、民衆の部分を確保することが大事だというふうに思われます。
  危機関連で組まれました日本の支援策で、昨年度の予算分ではすべてが政府向けでありました。ことしからは少しあるようですけれども、草の根無償で危機関連の援助が組み込まれているかもしれません。しかし、まだまだだというふうに思っておりますが、現在のような政治危機状況においては援助は多角化されるべきであろうというふうに思っております。殊に、現場の人々と活動してきたインドネシアのNGO、国際NGO、そしてユニセフや国連開発計画、ジェンダープログラムや人材育成で大変豊富な経験を持っておりますこうした人たちへの援助を拡大すべきであろうというふうに思います。
  女性の支援ということも大事だということが書かれてありましたけれども、そういう意味でもジェンダー専門家の登用もぜひしていただきたい。日本の中でのNGOの専門家、そして非公式の懇談会を設けて民間の見解を生かすことが大変大事ではないかというふうに思っております。
  いずれにしましても、日本の理念を明らかにするためにもODA基本法をつくることが大事であろうというふうに考えております。
  以上、よろしくお願いいたします。
○福本潤一君 私もODA小委員会の一員でございましたので、この報告書について板垣小委員長とともども責任を負うものだと思います。
  それで、先ほどから御議論のあったまず基本的な理念のところ、ここに関しては我々ある意味では、魚住委員からも若干ありましたが、国内の経済情勢等々もあるけれども、いじましく絡めてODAをやるんではなくて、国際貢献とか大きな意向を二十一世紀に向けて、日本の外交、防衛では余り力を発揮できないにしても、こういうODAのところで国際貢献しようという流れがあったと思います。
  そこで、先ほど高野委員から、予算の絡みで言うと円借款返済の資金をもとにODA基金を運用益としても活用できるようにしたらどうかという、これは議論の中に余り出てきませんでしたけれども、新しい提案があったと思います。
  こういう、ある意味では国会とODAの絡みを具体的な小委員会の一つの大きな流れ、成果として今後、一つは一元化という問題、一つはODA基本法という問題、これに関してつくり上げていく。そして、基本法に関しましては、先ほど馳委員の方から理念に基づく基本法ということで、ある意味では基本的な合意はまとまったんではなかろうかという御意見がありました。
  この基本法に絡む話に関しましては、外務省の大島賢三経済協力局長に二度も三度も政府側の立場として我々の意見聴取の中にも来ていただきました。そういう討議の中で、参考人の中には基本法に関して賛成の人、反対の人おられましたけれども、反対の人が私も賛成に移ったということで、大島局長はショックを受けて帰られて、早速、帰られた暁には新聞紙上でODAの二ページ見開きの、キャンペーンかもわかりませんけれども、対談記事を載せておられました。
  そういうような一つのODA基本法に関する流れが、この小委員会で取りまとめたように基本的には進めていく方向でいこう、中にはODA小委員会のメンバーで、議員立法としてやれるような形で進んでいったらどうかという意見まで出ておりますので、御紹介させていただいておけばと思います。
  それと、官庁の一元化に関しましては、ドイツが、基本法はないけれどもODA開発庁のような庁を一元化しまして、今回我々も行革絡みで省庁再編ありますけれども、政府の中で一つの庁を設けるという形で運用していることによって、国会が庁の対応、審査をするという形で絡めていけて、基本法がなくてもある意味では大綱みたいなものはあるわけですが、うまくいっているという国も具体的にある。
  ただ、こういう実施体制が、外務省一つあってあと十七省庁ぐらいに細かい予算は分かれているという中でありますと、今回来ていただいた方にJICAの方もおられますし政府の方もおられましたけれども、かなり熱心に情報公開は実際上されておる。白書も出されたり、いろいろなところでやっておられる。ただ、それが国会での審議とか具体的な形でないために見えにくいという現実があるというのが、私もこの小委員会に参加してさらに認識を深めたところでございます。
  こういう意味では、一遍にODA開発庁とかいかないにしても、一元化というのは全委員の基本的な一致でしたので、例えばODA特別委員会とかそういうような委員会が参議院の方からでもスタートしてできると、次のステップでそういう、外務省にとっては基本法の方が反対のようでございましたから、省庁の一つの庁ができるステップにもなり得るかなというふうに思いますので、その点も含めて、参加した者として御紹介がてら提案させていただきたいと思います。
  以上です。
○笠井亮君 昨年十月以来、大変に忙しい中で十一回にもわたって議論を重ねられてこういう形で最終報告をまとめられたということで、小委員長初め小委員の方々に敬意を表したいと思います。
  特に、ODAのあり方あるいは国会の関与強化ということで、それを軸にしながら議論がされたということでこの報告書も注目して読ませていただきました。
  今も御意見ありましたが、さまざまな意味でODAに関する国民の関心というのがある中で、そしてさまざまな問題が議論されている中で、今回の小委員会の議論というのは大変に重要だったなということを改めて痛感しております。
  ODAの理念、あり方をめぐっては、開発途上国の人間中心の開発あるいは発展の権利、自助努力への支援を自主的に行う方向というのが、現状ではやはりアメリカの戦略に従う援助だとか大企業の海外進出の支援的な傾向が強い中でいよいよ大事になっているということを感じながら、さまざまな議論を経た今回の提言というのを全体として私は受けとめさせていただいております。
  特に、国会とのかかわりということでさまざまな角度から議論されたということでありますが、拝見しますと、ODAに関する国会の関与を恒常的に高めて政治のリーダーシップを発揮すべきことについて小委員の間で認識の一致を見たということが明記されていること、そしてそれを踏まえて、基本法の骨子ということで提言の二〇で提起されているということですけれども、このことは大変に高く評価されるべきことだというふうに感じております。
  今、福本委員からも流れができつつあるというお話がありましたけれども、まさにここでの提起
を軸にしながら、いよいよ立法化ということに向かって議論をさらに進めて作業を進めるという段階に来ているということで、お互いの努力が必要なのかなということを感じていることを申し上げて、意見としておきたいと思います。
○上田耕一郎君 私は、外交・総合安全保障調査会時代の前回の七項目の合意、あのときの小委員をいたしまして、今回も小委員をさせていただいたんですが、あの七項目合意もその後の政府の大綱にも積極的な貢献をするなど大きな役割を果たしたんですけれども、今回の小委員会の調査報告書はあのとき以上の積極的な内容を持っているものだと、自分が小委員なのに自画自賛みたいになるとまずいと思うんですが、小委員長初め小委員の努力、それから委員部、調査室も大変な努力をしてくださっていいものができたというふうに思うんですね。
  と申しますのは、南北問題の解決というのは二十一世紀に非常に大きな課題になっていると思うので、その中で日本のODAがよりよいものになることは、単に日本のためだけでなくて国際的にも非常に大きな役割を果たすと思うんですね。
  この報告書の三ページに六行目からこういう意見、これは私の意見なんだが、「他方、小委員からは、米国の世界戦略に追随するような援助や大企業の海外進出の支援的な傾向を是正し、開発途上国の人間中心の開発、発展の権利、その自助努力への支援を自主的に行うという方向に理念をうたう必要があるとの意見も表明された。」と。私の問題意識というのはこの三行に実際尽きるんですね。
  と申しますのは、ソ連の崩壊でいわゆる東西問題というのはなくなったというか解決されたというか、そうするとやっぱり南北問題というのが全地球的な課題として、そのほかにもありますけれども、非常に大きな課題になっているんですね。
  ところが、この南北間の格差というのはむしろ拡大しているんですね。例えば、八〇年代には、失われた十年というふうに言われたように、アフリカ、南アメリカ等々は格差はむしろ非常に拡大、深刻化する状況になっている。その中で、例外的にアジア地域は世紀の奇跡と言われるような発展を遂げていたのが、最近の通貨危機で、ホットマネーの急激な流入から流出で明から暗に暗転するというような状況になっているわけですね。
  私たちは、マルクス主義の理論的立場からも、この南北問題、発展途上国の低開発をどういうふうに理論化し解決を目指すかというのでさまざまな議論がありまして、例えば有名なものとしては、フランク、サミール・アミンの従属理論とかウォーラーステインの世界システム論とかが衝撃を与えるような理論的、実践的影響を与えた時期もあるんですね。
  これは一言で言いますと、単におくれというんじゃなくて、こういう発展途上国の低開発というのは、北の先進資本主義国からの計画的な不等価交換、物すごい剰余価値の搾取、だから北の発展の条件に発展途上国の低開発がされているんで、そういう現代資本主義、現代帝国主義のシステムそのものを改善しないと、直さないと低開発というのはもう解決できないんだという理論的枠組みで、私は必ずしも賛成していませんけれども、そういう理論が非常なショックを与え、受け入れられる状況が南北問題にはあるんですね。
  その中で、日本のODAというのは、私がここで指摘しているような、残念ながらアメリカへ追随した戦略援助、それから戦後賠償から生まれていったために日本の大企業の海外進出への経済的支援という、二つの基本性格を引き継いだまま進んでいった。だから、日本の援助では、人道的援助、アフリカに対する食糧援助等々の性格、比重が非常に弱い特徴を残念ながら持っている。
  ですから、私は今度の報告の、例えば基本法案の骨子というのが二十二ページにありますけれども、ここにあるような「国際開発協力の本旨」、「人類の共生と連帯の精神に基づき、開発途上地域における飢餓と貧困の問題が克服され、住民に人の尊厳に値する生活が保障されるような支援を行うことにより、国際社会における地域格差の是正を図り、世界の平和と人類の福祉に貢献するとともに、開発途上地域の政府、住民の自助努力を支援することを旨として行われること。」と、私はもうこれに全面的に賛成なんですよ。こういう方向で基本法がつくられ、日本のODAがこういう理念と原則に基づいて実施されるということになれば、これまでの、また現在の日本のODAの質がやっぱり変わると思うんですね。
  板垣小委員長の先ほどの報告の中の二ページに、「日本型のODAを実施する」と書かれているんですけれども、こういう日本型のODAが行われれば、世界の先進主要国の中にもこういうODAを実際にやっているところはないんですから、やっぱりそれぞれの外交政策に基づいて国益に基づく特殊な型のODAを各国が実施していまして、ここでうたわれているような理念、原則を本格的、全面的に実施している国というのは実際はないんです。
  アメリカのODAというのは、みずから法律で決めているぐらい軍事的援助、軍事援助の性格がもう歴然としていまして、公然とそれでやっています。日本のようなこういうアメリカの戦略援助に追随、自国の資本の進出を旨とするのは、ドイツもやっぱりそういう型なんですね。イギリスのは大英帝国のところに対する支援が主です。フランスは、アフリカなどを中心にもとの自分の植民地のところへ主にやっている。
  ですから、それぞれの国が自分の国の国益に基づいてそれぞれの型のODAを実施しているという現状の中で、世界で一、二を争う日本のODAが本当に発展途上国の自助努力を支援すると、そして南北問題の解決に役立つようなODAをやるということは非常に大きな役割を果たすと思うんですね。発展途上国にとってはこのODAの占める比重というのは大変大きくて、発展途上国に対する資金移転の半分に達するぐらいの比重を持っているわけなんです。
  だから、そういう意味で、きょうのこの報告が本当に採択されて本報告に入ることを望んでいるんですけれども、これが基本法を制定の方向に国民世論それから国会を実際に動かして、日本に初めてODAの基本法がこういう骨子に描かれたような方向でつくられれば、これは日本のODAの歴史にとってもやっぱり画期的なことになりますし、それから世界の二十一世紀の南北問題の解決にも少なからぬ役割を果たすことになるんじゃないだろうかという期待を持っているんです。
  以上で発言を終わります。
○広中和歌子君 私も、この小委員会に参加させていただいて一年間でございましたが、大変にすばらしい体験をさせていただいたと思っております。
  多くの委員の方の卓越した意見、その中に私も発言の機会をたくさんいただいたわけですが、国会という場所がどちらかというと議員同士のディベートがないと言われる中で、こうした小委員会が存在するということはもうちょっとマスコミなどに知られてもいいんじゃないかなと。そして、少しは皆さん方、外部の方も積極的に見学にいらしていただいたらいいんじゃないかなと思った次第でございます。
  私が一つ強調したことの中に、なぜODAなのかということがございます。それは、何人かの御意見がございましたように、今、日本の経済が縮小しつつある中でなぜ海外にODAなのかと、自分の地元にODAが欲しいよというような地元の意見もあるという中で、国民にODAをサポートしてもらう、そのためにいろいろな努力が必要だろうと思います。
  一つの理念として、私は、地球市民として先ほど上田先生がおっしゃった南北問題であるとか地球規模問題の解決に貢献するのは当然の義務であるという、その側面というものは強調し過ぎても強調し過ぎることはないんじゃないかと思います。
  そして今、日本は経済的に困難な状況にありますが、それでも我々の経済規模に応じた応能負担
をすることは、それは例えば我が国国内において累進課税ということをやっておりますけれども、応能負担で国全体の公正公平ということを保とうとしていることと同じでございます。それを地球規模に広げていく、このスタンスを続けていくことは、そして静かに長期にわたって続けていくことは私どもにとって誇りになるべきことですし、世界からも評価されるんじゃないかと思います。
  我が国のODAが他国に比べてどうかということですが、国益優先のアメリカとかヨーロッパの例をおっしゃいましたけれども、ヨーロッパの中にも本当に人道的な援助に特化している国も少なくないわけで、またカナダとかオーストラリアみたいな国もすばらしい。そして、アメリカの場合でも小規模支援に四〇%を目標にやっているということでございます。この小規模支援というのは、どちらかというと国民参加というか市民参加のODAで、そういうことでアメリカが一部、何というんでしょうか、軍事・政略的な支援もないわけじゃないかもしれませんけれども、こうした側面もあるということで、そのいい部分は私たちも学んでいったらいいんじゃないかと思います。
  ちなみに、我が国の小規模支援というのはもう本当にピーナツみたいなものでございまして、少なくともアメリカとかカナダ、カナダは五〇%ぐらいが小規模支援、NGOの人たちと一緒に草の根支援をやっているわけで、そういうものを見習っていくということは大切なんじゃないかなと思います。
  私たちのディベートの中で、基本法のことと非常にたくさん国会の関与が出てきたわけですけれども、私は、むしろそれ以上に大切なのは執行の場合の一元化の問題だろうと思っております。今後、省庁再編が行われる中で、ODAの一元化が一つの省になるか庁になるか、あるいはどういう形になるか、ともかくこの問題は、今後、国会のさまざまな場面で審議される省庁再編の中でいつも、少なくともここに御出席の方は関心を持っていただければありがたいなと思うわけでございます。
  それから、ちょっと話は前後いたしましたけれども、要するに地元の人たちに喜ばれる支援ということを考えますときに、どうしても地域研究というのが非常に大切でございまして、日本の国内の中にも、そうした各大学などが地域研究をさらに盛んにするような予算がつけばいいなと思います。そして、そこでの学者それから学生たちが相手国の、こういう学者の人たちは国際的な交流があるわけでございますから、そういう交流のネットワークを通じながら新たなすばらしい案件、本当に国民、地元の人が必要としている案件なんかの発掘もすることができて、今の非常に少ない体制で行われておりますODAの執行に対して多くの貢献ができるんじゃないかと思います。
  どうもありがとうございました。
○大脇雅子君 今回の対外経済協力に関する小委員会の調査報告書を拝見いたしまして、何回も、しかもすべての問題を網羅して英知が集積された報告書となりましたことに敬意を表したいと思っております。とりわけ、国会のリーダーシップを発揮する形で、今までのODAが国会関与のもとで基本法制定に向かって歩み出したということについても大きな喜びを感じます。
  私どもも、長い間、ODA基本法というものの制定を求めてまいりました。その中で、やはりODAは、これからはこれまでの物、箱物中心よりも人間中心のいわばODAへ、そしてODAを外交の施策の中心に据えるべきだという御提言にとりわけ賛意を表するものであります。
  私どもは、例えばフィリピンなどで、電力などの設備を充実するODA、あるいは港湾をしゅんせつし整備するODA、そして道路を拡幅するODAに関しまして、必ず住民の側の人たちから、その開発の中における住民の声を無視して生活を破壊されるという人々のアピールというものを聞くことが多いわけであります。それで、何とかこうしたODAのやり方について国会の中で物申してほしいということは本当に数限りなくあったわけです。
  そうした中で、ここの提言の中で、NGOとの連携の強化というようなことを言われております。そうした開発の中で、住民の声を聞くシステムというものを取り入れてODAをまたしていくというようなことがあれば、これはいわばODAで援助をする相手国の民政、政府の民主化への間接的な援助になっていくのではないかと思います。
  私どもは、やはりそうした住民参加の民主的な手続というものが世界規模で確立されるということはとりわけ低開発国においては必要だと思われますので、ぜひそうしたシステムを、きちっとこちらが相手国にODAとともに言っていけるというようなことは大切なことではないかというふうに思います。
  そして、NGOもまた一つの援助の組織であります。本来ならば、そこの国のいわば国民といいますか市民の自立へそれがつながっていかなければいけないので、今、NGOからPOへ、ピープルズオーガニゼーションということですけれども、そういったことが唱えられているようなこともございますので、やはりこれは私どもも大きな貢献としてできることではないかというふうに思います。
  とりわけ、このところまた無償援助がふえておりまして、非常にきめの細かいものが始まっております。これはもう私どもも、各国から非常に感謝を受けるODAが多くなってきております。こういうことも進めていきまして、この中で、人材の確保という形でさらに教育問題へつなげていくという提言がされておりますことをとても歓迎したいと思います。
  それから、先ほど岡崎議員がジェンダーの視点からのODAということを言われましたけれども、一九九五年、北京で行われました世界女性会議の中で、北京綱領は二〇・二〇という原則を提案しております。これは、ジェンダーの問題に各国が支援する場合には、その全体の支援のトエンティーを確保する。そして、それを受ける国もまた、その予算の中でそのトエンティーをジェンダーの視点の政策に充てるということでございます。私どもも、このODA基本法をつくっていただきますときには、この原則を組み入れていただけたらとても世界の女性に対するメッセージになるというふうに思いまして、意見を言わせていただきました。
  ありがとうございました。
○永野茂門君 私はこの小委員会のメンバーでありましたけれども、前半の方は参加せずに後半の方から参加したものであります。
  後半で参加したときから感じていたことでありますけれども、小委員会の委員となられた方々は大変な御努力で、またもともと立派なお考えをお持ちの方ばかりでございましたので、大変に立派なものを最終的にまとめていただいたことに本当に感謝をし、そしてまた、ある意味では大変に驚きを持ってこの報告を受け入れたものであります。
  私は、一つだけ、これは大事だな、そしてまたこういう観点を特に強調しておきたいなと思うことを申し上げます。
  全般に申し上げまして、とにかく非常に立派なものができております。したがって、その内容について私が特に改めて意見を申し上げるようなことはありません。
  私は、二十二ページのODA基本法案の骨子の最初の「国際開発協力の本旨」、報告の粋がここに集約されていると思うわけでありまして、この精神をもって日本のODAが遂行されるならば、本当に世界のために役に立ち、また、日本の物の考え方、世界に貢献の仕方を発信することができる、こういうように感ずるものであります。
  先ほど上田先生も触れられましたけれども、小委員会のディスカッションの中では必ずしも強調はされなかった、文章として非常に立派にまとまっておりますけれども私が参加したディスカッションの中では余りディスカッションがされな
かった、しかしここに書かれておるように基本的な問題であると思いました。
  そして、先ほども申し上げましたように、私が特に力説をしていただきたいと思うことは、世界で開発途上国といいますか、あるいは貧困、飢餓に大変悩んでいる国を眺めますと、ほとんど変わらないんですね。そこから脱却して新しく中進国になり先進国になっていくという、アジアの大部分のようなところはありますけれども、例えばアフリカでありますとかこれは国内問題になるわけですけれども、中国の中の一部の地域だとか、あるいは中米の一部の地域でありますとか、こういう国はいつまでたっても残されてさっぱり抜け出てこない。
  いつか私はこの委員会でちょっと触れたことがありますけれども、例えば私どもが、二十一世紀の、既に始まっている情報化社会について研究会等でいろいろお互いに発言して、よりよいものを開発し、よりよいシステムをつくっていく。我々先進国の方はもうどんどん進んでいくけれども、それじゃそういうことはアフリカの田舎の方のいろんな国々にどういう影響を与えるんだと。科学技術そのものをどんどん発展させていくというのは人類にとって大事でありますけれども、一体それがこういう開発途上国あるいはもうはっきり言って後進国にいつまでも居座っている国にどういう影響を与えるんであろうか。ちっともよくなっていかない、いつまでたっても途上国の姿でおる。したがいまして、ここに向かって近代文明といいますか、これをどうやって移転していくかということは非常に大事なことであり、そこに工夫を要します。
  それから、さらに申し上げますと、あるレベルに達している国は種を植えつけるだけ、あるいは自助努力を助けてあげる、これが一番大事なことはここに書いてあるとおりでありますけれども、それをやるだけで途上国から中進国へ、さらにその上にと進んでいくことができる。この最低のところをどうやって引き上げるかということにおいて我々は工夫をしなきゃいけない。その工夫がまだ確立されていないと思うわけであります。したがって、その引き上げについて、とにかくまさに知恵を積み上げて我々はやっていかなきゃいけない。日本はそういう国を自助努力ができるような国に仕上げていく、あるいは民族をそういうようなレベルまで上げていくという工夫の一番先頭に立ってやっていく。私は、そういう工夫をすること自体が広い意味の科学技術の大変重大なところであろうと思うわけであります。
  環境会議なんかへ出てみましても、環境会議で先進国と途上国との葛藤があります。この葛藤あたりは途上国がいろんなことを言っていますが、人類としてこの格差は許容される程度のものでありますけれども、さらにもう一つ下にある、下にあるという表現はよくないんですけれども、経済発展のレベルから言えばもう一つ下にあるレベルのところに対してどういうように働きかけていくかどういう工夫をもって自助努力ができるようなところに持っていくかということについて、これから我々はそういうものの技術、技術というのは広い意味の技術ですね、テクニックという意味ではなくて、そういうことを開発していくことが極めて重大ではないか。ここ二年ぐらい、そういうことをあっちこっちへ行って感じているものですから、改めて申し上げておきたいと思います。
  以上です。
○寺澤芳男君 私はこの小委員会のメンバーではなかったわけですが、この報告書をちょっと読ませていただきまして、すばらしい内容の報告書を何回ものいわゆるディベートあるいはディスカッションを通じて作成された小委員長を初めとしたメンバーの方々、委員部の方々に敬意を表します。
  その間、いろんな話し合いてもう既に私が今から申し上げることは討議を尽くされたのかもしれませんが、一つには人口問題。つまり、大ざっぱな数字で間違っていたらあれなんですが、今六十億人ぐらい地球上に人類がいて、仮に十億人が援助国で五十億人が被援助国だと。そんな遠い将来でなく、百億人ぐらいに人口がふえても被援助国が多分九十億ぐらいで、援助国の十億というのはさしてふえないだろうと。だから、どなたか先ほど言われた、東西問題がある程度解決してこの次に人類が当面するのは南北問題であるというふうに私も日ごろ考えておりまして、ODAを含めた南北問題というのは非常に大きな問題になってくるのではなかろうかということが一つ。
  それから二番目は、この種のODAの国民の理解を得ることとか、あるいはいろんな工夫をこれからしなければならないということで、特に参議院が例えば特別委員会のようなものをつくってそれに積極的にかかわっていくということは、非常に意義のあることであると私は思います。やっぱり国会、特に参議院がディベートを通じて常に審議をしていくということは非常に意義があると思います。
  それから、自助努力のことが永野先生からも言われていましたが、全くそのとおりでありまして、貧しい国に魚をたくさんやっても食べてしまえばなくなってしまって、なくなったらまた豊かな国から魚がもらえるものだと思っているような国だとすると困るわけでして、やはり自分で魚の釣り方を覚えて、おなかがすいたら自分で魚を釣って食べると、そういう比喩がよく使われますが、自助努力ということがないと非常に問題であろうと。
  そのためには、今世界銀行が直面している問題、御存じのように世界銀行というのは発展途上国の経済開発の仕事をしているわけですが、発展途上国の政府に直接お金を貸す、あるいは政府が保証しているプロジェクトに直接お金を貸すということで、発展途上国の政府が常に相手方になっている。
  ところが、やはりワシントンにIFCというのがありまして、国際金融公社と訳されておりますが、これはそうではなくて、発展途上国の民間のいろんな団体とか会社に直接金を貸す、あるいは株を買う、投資をする。今のワシントンのブレトンウッズの中で非常に気を吐いているのがIFC。だから、発展途上国の方もプライバタイゼーション、民有化等々の問題で、政府が直接かかわっていない民間の機関が非常に強くなるような傾向に当然なってくると思います。
  ですから、このODAの場合も、相手方を必ずしも政府というふうに限らなくてもいいのではないか。あるいは政府がかかわり合いのないところでということになると、ますますこちら側の調査とかそういう機能が必要になってくるような気がいたします。要するに、発展途上国の方が健全な市場経済が発達してくると、必ずしも常にオフィシャルな政府関係ではないところに援助をしていくという姿が出てくるんじゃないかと思っております。
  そういうのが僕の感想です。以上です。
○板垣正君 私は今度のODAの小委員長を仰せつかりまして、報告書の提出、御報告を申し上げた次第でございますが、ほとんどの方からこの内容につきましても高い評価をいただいておりますことは、大変ありがたいことでございます。
  このODAの問題は、改めて申し上げるまでもありませんが、やはり今大きな転換期に来ている、そういう意味合いでこの調査会全体がこの問題に長年取り組んでまいりました。そういう中で、タイミングよくこの小委員会が設けられたということが言えると思うわけでございます。
  同時に、メンバーの方々も長年この問題に国会活動を通じて携わってこられた、あるいはもう国際社会、現場でこうした問題を担当してきた、あるいはこの調査会としても東南アジア七カ国を、林田会長初め、現場を視察した経緯というようなものも生きてきたと思います。
  いずれにいたしましても、それは大変熱心な御討議でございまして、委員長というのは大体もう黙って座っているだけの仕事でございますけれども、それはもう時間が毎回足りない、次から次からこの報告書に盛り切れないくらいのいろんな討
議が、しかもいろんな角度から、また参考人の方、外務省当局も真剣に論議を行われたという点ではタイミングよく、しかも大変な熱意で取り組んでいただいた。また、これに対応しまして、委員部、調査室も実によく機能を発揮していただきました。そういうものが相まってこうした報告書の作成に至った、こう思うわけでございます。各委員の大変な御精進に対しまして、小委員長として厚く御礼を申し上げる次第であります。
  私は、やはりこのODAの問題はこれからの外交の一環というよりはもう外交そのものではないのかと。決定的にこの相互依存関係の中で日本の国の存立、繁栄、活力を持っていかなきゃならない。その際に、やはり対外的といいますか相互依存の中で、ODA活動と、もう一つはやはりPKO活動だと思うんですね。PKO活動についてももっと積極的に、これは平和をつくり上げていく、守っていく、紛争を防止していこうという活動でありますから、我が国は国際社会に比較すると非常に憶病で消極的ではないのか。この問題も、根底にありますのは、やはり今のもろもろの問題を抱えた地球社会の相互協力の中で、しかも日本の役割を果たしていくという意味合いにおきましては、相並んで取り組んでいくべき問題だと思いますね。
  ODA基本法の問題は、随分集中的な御意見もございました。これは長い経緯がございまして、何回も国会の場でも基本法案までまとめて、条項文でまとめて論議をされるとか、いろんな経緯を重ね重ねて、今度の流れの中でやはり文字どおり総意で、論議を尽くし尽くした中で、この際はもう基本法まで踏み切って国会のかかわりにおける責任を果たしていく、これがまた国民の関心、国民の理解、これなくしては成り立たないし、NPO法の成立、NGO等の協力、こういう国民参加のODA活動というのがこれからの非常に大きな問題だと思います。
  そういう意味合いで、感想みたいなことになりましたけれども、これを本調査会の報告書に反映させていただいて、かつ今後のODA活動においてこれが本当に生かされる方向で、単なる作文に終わらないように、ぜひ今後の調査会としても御努力をお願い申し上げたい。
  以上、申し上げます。
○魚住裕一郎君 二回目で恐縮でございますけれども、ちょっと気づいた点だけ述べさせていただきたいと思います。
  提言の十四番目に、NGOとの連携の強化というものがあります。私も全く賛成であります。特に、NGO・外務省定期協議会の拡充とか、あるいはフォローアップまで含めた形のNGOの参加というようなことまで具体的に提言されておりまして、私も全くの賛成でございますが、さらに一歩進んで、例えばODAの事業の業務委託ということも考えられるのではなかろうか、そしてその場合にどういうふうにやっていくかということも踏まえた議論を問題提起としてここに出しておきたいと思います。
  それから、昨年の十一月十七日の小委員会に杉山さんが参考人として出席されました。現場からということで御報告しておられますが、最後の方で、特に単年度予算での問題点ということの指摘があったと思います。もちろんODAについて、例えば繰越明許や事故繰り越しの制度で普通の予算執行よりも緩やかになっているというふうに聞いておりますが、現場から見ると、やはりぶつ切り状態みたいになってしまっているというような思いがあるのだろうというふうに思います。
  この単年度予算主義、これはもう財政民主主義の根幹でもありますけれども、であるがゆえに現場との協調の中で国会の関与というものがこれからもっともっと重要になっていくのではなかろうかというふうに思いますので、この単年度予算主義の緩和との関連でもさらに議論を進めていただきたいなというふうに思いました。
  感想を申し上げました。
○松前達郎君 ODA基本法の問題、いよいよ機が熟したような感じを持っています。これは小委員会、板垣小委員長を初め、皆さん大変熱心に御討議いただいたというふうなことを伺っております。
  まさに、ODA基本法というのは、先ほど板垣小委員長がおっしゃったように、昔は外務委員会でもやり、あるいはその後の調査会でもやりと、いろいろやってきたわけですね。結論として基本法を何とか制定する方向で提案をしようということも何回も繰り返されてきたわけですが、その成果はなかったわけであります。
  しかし、その当時と今とでは先ほどお話がありましたように時代が随分変わってきているわけでありまして、とりわけ世界の対立というものが、いわゆる冷戦構造というものが崩壊をしている。そういう中で、やはり新しい二十一世紀への意義をこのODAが持つ時代がやってきただろう、こういうふうに私も思っておるわけであります。そのときに国会議員が中心となる基本法を制定していくということですから、これは非常に喜ばしいことであり大いに推進をしなければいけない、こういうふうに思っておるわけです。
  かつての議論の中では、やはり一番議論する中で、特に政府との間の議論では内容がさっぱりわからなかったのです。いわゆる情報公開というものに対して非常に消極的だっただろうと思います。一たんお金を渡してしまえば、その国の自主性に基づいてそれを使うのだから、そこから先、我々日本としては内容に関与するわけにいかないのだというので逃げられてしまっていた。そういう論議がかつては行われていたわけです。
  そういうことから考えますと、この提言の中の幾つか、これは大変な進歩だろうと思いますが、提言の一一と一五と一六ですね、はっきり言うと外務省が一番抵抗するのはここではないかと思うのですが、援助実施体制の見直し、それから援助評価活動の充実、それと情報公開です。この辺が盛り込まれているということはもう非常に大きな進歩だろう。ただし、これはいわゆるODAを実施する当局に対して批判をするような意味の内容ではないと思うんです。そういう意味で、やはり国民のお金が注入されるわけですからそれなりの情報も開かなきゃいけない、そうしますとそれなりに国民が理解していく、そういうことだろうと思いますので、この一一、一五、一六というのは非常に重要だろうと私は感じております。
  それともう一つ、自助努力ということなんですが、それぞれの国の経済発展が恐らく目標の一つになっていると思うのです。そうしますと、ただ単に箱物あるいはインフラについての整備に対するお金を供与するということだけではだめなんで、やはりその国が経済的に発展するための何らかの援助をしなければいけないだろう。私はかねがねそれは人材の育成だというふうに考えておりました。ただし、教育というものに触れるとなるといわゆる国の自主性というのがございますから、そういった意味での人材育成ではなくて、ある意味でいうと相当レベルの高い専門的な知識を持った人材を育成していく。これもやはりその国が自分自身の力で立ち上がっていくための大きな力になるんじゃないか、こういうことも感じていたわけでございます。
  いずれにしましても、先ほど申し上げたように、こういうふうなODAの提言といいますか、基本法案の骨子もこういうふうにできておりますし、これをでは今後一体どういう形で法律にしていくかというのは大変な努力が要るんじゃないか、こういうふうに思っております。大綱はありますけれども、この大綱というのは古いんですね。やはりこれからの時代のODAというもののあり方を基本的に決めるべき基本法というものをぜひともこの際制定するという努力を皆さんとやっていきたいというふうに思っております。私はきょう小委員会の報告を伺いまして大変結構な報告だ、また同時に、ODA基本法の問題についてもほぼ合意をされているというふうに伺っておりますので、まさに機は熟したという感じを私は抱いているところであります。
  以上であります。
○上田耕一郎君 二回目の発言になりますが、二点、補足的に発言したいと思います。
  第一点は、私、先ほど現在の国際的なODAのタイプについて他国の批判もしたんですけれども、あれは主に大国のODAについてで、広中委員から、いや、いいのもあると言われたので、例えば小国と言うと悪いけれども、北欧のODAなんかはかなり人道支援が貫かれたものが現在でも行われているということはちょっとつけ加えておきたいと思います。
  二点目は、ODAの金額の問題なんですけれども、私は、本当に今の例えばアメリカの戦略援助追随のようなところを是正すれば、人道主義に基づく、発展途上国の自助努力に日本の積極的な援助を進めていくODAの場合は、今ほど巨額でなくてもやれるだろうと。巨額でなくても、額は少なくなっても、役割としては実質的にはさらに大きなものを演ずることのできるものにできるんじゃないかと思うんです。国民の間からもこの財政危機の中で一兆円以上の金額をなぜというような声もあるという状況もありますので、本当に質を変えれば、今ほど巨額でなくても今以上の役割を果たすことができる力を日本は持っているように思うんです。
  先日、大学審議会の会長さんの議論を新聞で読んで、あっと思ったんですが、日本の大学の数は戦前二十足らずだったのに今六百を超えているというんですね、なるほどそんなかと思ったんですが。高校進学率は今九六%あるし、大学進学率も四十数%で五〇%近いほどの現状になっていますし、そういう意味では日本の持っている非軍事的な分野での国際的な貢献の力、可能性というのは非常に大きなものがあるだろうと思うんです。技術力、産業力、国民の勤勉さ、今の教育レベル等々を含めましてね。
  ですから、板垣さんからPKOの話もありましたが、私は非軍事的な分野で日本が二十一世紀に国際的な貢献を最もできる可能性のある国に大いになり得るんじゃないかと思うので、そういう意味でも、きょういろいろ発言がありましたが、国会が主役を演じて非常にすばらしいODAの基本法を生み出すように心から期待したいと思います。
  以上です。
○山崎力君 今回の報告、皆様方の御協力で本当にまとまったものができたと思っております。
  ただ、皆様方も読んでおわかりのとおり、一番の問題点が残っているというのは、外務省、政府側の外交一元化のもとに対するいわゆる手足を縛られたくないという一つの価値観、それに対して我々がどう対処していくべきなのかという点がある意味では未解決の問題、その間を埋める一つの成文、文章になったものとしての基本法的なものをつくったらいいんではないかという合意、それがポイントだろうと思っております。
  その意味において、私は、ここには自明のこととして書かれておりませんけれども、我々の立場からすれば、非常に言い古された言葉ではありますけれども納税者の理解を得る手段としてという表現、納税者の理解を得るということが我々の大きな一つの義務であるという点を踏まえた行動がこれから一番重要になってくるんではないか。その視点をある意味においてはこれから出てくる基本方針あるいは基本法の考え方にどういうふうに反映させていくかというのがこれからの使命だろうというふうに思っております。
  その考え方が基本になければ、やはりそれぞれのところの問題点というのはまたまた出てくるんではないだろうかというふうな気がしております。そこにいつでも立ち返れるということが一番重要ではないかなというふうに考えております。
  そこで問題なのは、どうしたら納税者に理解してもらえるか。納税者といっても個人個人の集まりでありまして、一人一人が理解するという意味ではもちろんないわけですけれども、総体としての国民の理解を得ると。事お金の問題ですから、お金というは非常に効用がある反面、限界もあります。ですから、我々として、そういった意味の国内的な人たちが納得のできるようなことを対外的にどうするか。その対外的なところのギャップというものは、国内と違った差というものはどうしても出てまいりますので、その辺をどういうふうに納得してもらうのかということが、そういう視点がやはり国内的な問題だと。
  皆様方のお話を聞いていてちょっと思ったんですが、要するに、こういうふうな扱い方をしたらいいんじゃないか、ああいうふうなアイデアがあるということで、もちろんそれは大切なことで、実効性のあることだと思いますけれども、その意味とは違った意味で国内の納税者に対する気持ちをつなぐ。国外の援助を受けられる国の国民の方々の考え方と国内の税金を払っている日本国民の考え方、そのギャップをどうやって埋めていくかというのが、本来なら政府の仕事なのかもしれませんが、そこの今までの経緯その他を考えてみますと、今の日本の国情を考えてみますと、やはりそれが議員としての仕事ではないかなという点が私が今回の作業を通じて一番感じたところでありますので、皆様方に一つの御報告という形で、印象という形で述べさせていただきました。
  以上であります。
○山本一太君 もう時間なので、なるべく簡潔に申し上げたいと思うんです。
  きょうの最初の発言は、一応小委員に入っているものですから、何か自画自賛みたいになってはいけないと思って非常に遠慮していたんですが、笠井先生がさっきおっしゃった、この報告書の中のポイントはODAと国会の恒常的な関与を確保する、そしてその上で政治のリーダーシップを確立することだというお話があったんですけれども、私、まさに今回の小委員会の意義というのはそこにあったんじゃないかというふうに思います。我田引水みたいになっちゃうんですが、この報告書は、小委員会のこの手の報告書としては非常に珍しく、両論併記ではなくて基本的に大きな方向を一つ打ち出したという意味では、私は小さなブレークスルーじゃないかなというふうに思っています。
  私の同僚の衆議院の河野太郎という元気な議員がいまして、この間外務委員会で、外務委員会というのは何をやっているんだ、条約の審議は大事だけれどもこんなことばかりやっていていいのか、何かいろんな問題があったときに参考人を呼んだり、国家の大事な問題を議論する場所が委員会じゃないかという発言をしていまして、私も全く同感だなと思いました。例えば外務委員長とか国際問題調査会の会長は十年ぐらいやって、常に議会の方からもきちっと外交に対して物を言っていくという姿勢が必要なんじゃないかと思います。政治家になってから委員会は本当につまらないなと思ったんですが、こういうフリーディスカッションの場所がどんどんこれからふえていくべきじゃないかと、さっき広中先生のお話も聞いて思いました。
  私の発言のポイントは、ODAの問題については、この提言にもあるんですが、小委員会を設置するとか、外交・防衛委員会のもとの小委員会でもいいと思うんですけれども、恒常的な小委員会を設置していろんな議論をフォローしていく必要があるんじゃないかと思います。私自身、一つだけこの議論の中で不十分だと思ったのが、日本が外交としての戦略的ODAを考える中でマルチとバイの援助をどうやって組み合わせていくのか、これについての議論を実はもっとやりたかったなというのもあります。そして、さまざまな問題を、ここの小委員会で芽を残したものを育てる意味で、やっぱりフォローする場所をつくっていった方がいいんじゃないかなというふうに思いました。
  あと、基本法は、山崎先生から、未解決の問題があると、タックスペイヤーの納得をいかに得ていくか、そこら辺にいろんな限界もあるというお話もあったんですが、私は委員会の中ではむしろ慎重な立場から発言をしてまいりました。松前先生から、外務省の方はいろんな懸念があって、特に外交政策の足かせになるんじゃないかというお
話もあったわけなんですが、これがもし一つの流れとなって、さっき松前先生がおっしゃった国際関係も変わる中で機が熟したということがもし真実であるとするならば、基本法をつくる場合には、外交政策を縛るとかそういうネガティブな発想ではなくて、むしろ基本法をつくることによって一元化の問題を解決していく、基本法をつくることによって例えば馳委員から出たODAの量の問題を解決していく、答えを出していく、やはりそういうマインドで、もしODA基本法の作成という方に進むんであれば、文章を練り上げていく必要があるんではないかなというふうに思いました。
  それだけちょっとコメントを。
○福本潤一君 今、山本一太先生が慎重な立場から大いに小委員会では発言されていたというお話もありました。私は積極的にODA基本法を推進する方の立場でかなり発言をさせていただいたものですが、先ほど上田先生また永野先生、寺澤先生、松前先生の方から南北問題も絡めて、今後自助努力のできる可能性をはかっていく、そういった援助である方向性というのがまた一つの大きな課題になっていくだろうというお話がありました。
  そして、寺澤先生の方から、今後百億人になっていくと、十億人の人が九十億人の人を援助していくというような形で、何か日本の年金のような大変な人を援助していくようなお話等々も出てまいったわけでございます。
  私は、この小委員会に参加して最初の一つの大きな驚きといいますか、フリーディスカッションでしたので、さまざまな御意見、先人の御苦労を聞かせていただいたわけです。日本自体が今支援国になっておると。世界一のODA大国と言いながら、被支援国だった戦前戦後、かなりの援助を受けた上で自立が可能になって、支援国になっていった歴史背景というのはきちっと押さえておく必要があると思いますし、これが今後、国会でODAとの絡みがあるときに、自立した形で各国がやれていくような可能性のある援助ということが審議の中にも一つの中身として大きく入ってくるんではなかろうかと思います。
  日本でも現在、経済不況の問題、例えばこの前、沖縄振興法の問題があったときも、沖縄は自立した経済というのがなかなか成り立ちにくい、基地の問題、さまざまな問題があるという状況の中で極力自立した方向へというお話も出てきておるわけでございます。このODAに関しても、ただ援助して、被援助国の中にもうちは援助を受けてやるんだぐらいの国まであるような状況も生まれてきておりますので、アメリカとは違って我が国は軍事援助ではなくて、そういう援助の中で自立して、今度はその国がまた日本と同様に援助国になれるくらいの支援をしていくという方向を大きく打ち出していけるのが、ある意味では基本法並びに支援体制の一元化ではなかろうかというふうに思います。
  小委員長には熱心にしていただきましたし、優秀な小委員長でしたから今回こういう報告書にまとまったというふうに思いますので、この報告書の方向で、今後次のステップの行動、活動に結びついていけたらいいなというふうに思います。
  以上です。
○会長(林田悠紀夫君) ありがとうございました。
  それでは、予定した時間が参りましたので、本日の意見交換はこの程度とさせていただきます。
  なお、小委員長から概要説明のありました調査報告書につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(林田悠紀夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
  本日はこれにて散会いたします。
    午前十一時四十二分散会