質問「『中心市街地法の評価システム』ほか

(平成10年5月21日参議院国土・環境委員会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 改革クラブの山崎でございます。
  今までずっと先生方の意見あるいは委員からの質問等に対するお答えを聞いてきまして、時間も短いものですから、質問は四参考人一括という形でさせていただいて、御感想を伺うという形にさせていただきたいと思います。
  その前提として、私の考え方、受け取り方なんですけれども、印象として非常に難しい問題である。特に、私もはっと思ったんですが、日本の国民性の問題も入ってきていますし、この問題に関して見れば、まさに日本人の土地に対する執着といいますか、これはもう戦前からずっと、我々が知っている範囲で言えば後藤新平の震災後の帝都復興計画、その時点からですし、それから近いところでは戦後の名古屋の都市計画。ということは逆に言えばほかのところはほとんど戦災復興計画自体、これは建設省が戦災復興史という大部の書籍を出しまして、それぞれの仕事で、どこが焼けた、どこが戦災になった、それをどうしたんだというような書籍を出したのを僕もどこかでかいま見た、今からもう二、三十年前の話だと思いますけれども。記憶にあるだけのそういったものがあったけれども結果として現状はなっている。それでモータリゼーションの進展。
  現実に私の地元のことをこの問題に関して見ても、財源の問題があるよ、これは解決できないでしょうと。一括して市町村にやってそれでいいのか。マスタープランというお話もありますけれども、いろいろな実態を見ると、自前でマスタープランができる地元の自治体がどの程度あるんだ。要するにコンサルタント会社に金を流すだけじゃないのという話もあるわけです。
  それから、もう一つ言えば、私がこの問題で一番難しいと思う問題は、確かにいいマスタープランをつくるためにはこれは地元参加、地元自治体が中心になった地元のやる気のある人たちの、しかもやる気のある人だけじゃなくて、周辺の商店主だけじゃない住民も含めた参加が必要である、それをやらないとうまくいかないと。おっしゃるとおりだと思うんですが、これは上からのと違いまして極めて時間のかかる作業だろうと思っております。時間を区切って半年とか一年とかでつくっちゃえというふうにはなかなかいかない問題だろう。としますと、今ここで問題となっている中心市街地の商店の歯抜けでもいいですしそういった問題点が、できたときにはもう御臨終というようなこともあり得る。それをやっていて時間的に間に合うんだろうかという問題も感じるわけです。
  それで、私の地元のところで言いますと、目端のきいた大商人はといいますと、中心市街地にある程度の規模の大規模店舗を構えていた、ところが駐車場その他がないので、あるいはほかのところが出てきたときに今ある規模では品ぞろえができない、そういった理由でそれを売り払いまして、というか閉店しまして、その金で郊外のショッピングセンター的なものをつくって生き延びた。そのかわり中心市街地はその部分のあれがなくなってという部分が、一つにとどまりませんで複数あります。もっと言えば、中心市街地の目端のきいた商店主は中心市街地はあきらめましてショッピングセンター的なところに自分の出店を構えることができるかできないかが生存可能かどうかの基礎になっている。
  そういった背景の中で、質問になりますけれども、今回の法律、私の感じでは反対する必要はない。だけれども、賛成してこれが可決されて制度化されても、いわゆる予算に見合うという表現が適当かどうかわかりませんけれども、そういった効果があるんだろうかないんだろうかという基本的な疑問があるわけでございます。もっとありていに言えば、既存商店街の香典とは失礼ですけれども退職金がわりに使われるんじゃないんだろうかという気持ち、これだけ金をやって知恵も出してやって制度をつくったんだからやれと。だけれども現実問題、先生方の話だと問題山積みで、まあ百あるうち幾つそれをうまくやってくれるかと。だめなところはだめでしょうがないと。だけれども、それを行政が見捨てたと言われると嫌だから、お金とあれをやって、これだけやったんだから皆さん退職金がわりだと思ってやってくださいよということにならないかという疑問を持っているんですが、その辺について四参考人から、そういう考え方はけしからぬのか、意外と的を射ているのかということをお聞きしたいと思います。

○参考人(井上繁君) 山崎先生のお話、承りました。
  それで、やっぱり大事なことは、みずからがそこで頑張っていこうという自助努力の物の考え方ではないかと思っております。国の制度あるいは財源に頼るということはあくまでも従であって、主はやはりみずからの力をどう発揮していくかということではないかと考えております。
  先生が今途中で御指摘になったように、新法から旧法に切りかえるときに、これは下手をすると、うまいやり方をしないと一種の混乱のようなものが起きかねない。例えば、駆け込みのいろいろな事柄であるとか、それからどうしても都市計画の方でこれを考えていく場合に、時間的な要素が相当かかってくると思います。そこをどううまく軟着陸させるかというのが大事な課題であろうかと思っております。
  そうはいいましても、各地でいろいろ意見交換をする機会も多いんですけれども、市民一般の地域に対する参加意識というものは、徐々にではあるけれども盛り上がっているなと。それから、今回の関係法の改正も、もちろん一〇〇%ではないけれども、今のようなああいう大店法による規制よりはやはりよほどいいと私は評価しております。
  以上でございます。
○参考人(五十嵐敬喜君) 町の真ん中がすっぽり死んだような状態になっているというのは、何かの病気だと思います。病気は病気なりにやっぱり原因があるわけでありまして、幾つかの原因は少しずつわかってきていると思うんです。
  それで問題は、それに対する薬とか治療方法についていろいろ悩ましいわけでありまして、先生がおっしゃるようなところも半分私もそういう気がいたします。
  ただ、国会は国会なりに、学者は学者なりに、市民は市民なりに、それぞれ病気に対して立ち向かわなきゃいけないわけです。今回の法案もその治療薬の一つとして出されているわけでありまして、重要なことは効くか効かないか、もっと効く薬はないか、これを点検していくということが必要だというふうに思います。日本の法制度全体を見ていきますと、一たんつくったらなかなか変えられないというのが日本の宿命みたいになっておりまして、これを土台にして、随時こういう委員会を時々開いていただいて、いろんな全国の国民の声を、あるいは外国人の方もいいんですけれども聞いていただいて、どこが誤っているかを絶えず点検していくということをどうぞこの問題についてはしていただいて、よりよい方向に持っていきたい。
  多分、日本国民全体として頑張れば、このままではなくて、どこかで立ち上がっていくだろうと私は期待しております。
○参考人(岩澤孝雄君) 私も、今言われたことを一〇〇%否定はできないと思います。
  もう既に言われましたが、今回の大店法の廃止と都市計画法、これは何となくグローバルスタンダードに近づいたかなという印象を持っています。
  今度はこの中身がいいか悪いかという問題ですが、私は、立っている者は親でも使え、おいしいとこどりでいきましょうというのが率直なところです。
○参考人(伊藤公一君) 先生がおっしゃいました、すぐに地方でそういう自治体で計画ができるか、こういう御意見で、コンサルを喜ばせるだけではないか。そのおそれは十分ありまして、市場の失敗を反省して計画をつくったんですが、今度は計画の失敗ということになりかねない、この問題が非常に重要だと一つは思います。
  それから、大規模小売店舗立地法、それから中心市街地、原案のままいけば私は本当に不十分で、中心市街地活性化には悲観的でございます。だから、先生がちょっとおっしゃいましたけれども、本当に生きているときの香典みたいな感じになりかねない。これをぜひとも活用しないといけないので、ここが一頑張り、もうちょっと制度的にもやっていただきたい、こういうふうに願っております。
○山崎力君 いろいろニュアンスの違う、しかしある程度共通したお答えをいただいたと思います。
  非常にロマンチックに言えば、民家が消えていくことは残念だけれどもいたし方ない、建築の問題でいけば、そういった旧来の集落が。そういった面があるんですが、今度の新しい法体系の中で、結局最後に出てくるのは、日本の都市計画自体がもう惨たんたる経過をたどってきた。行政側は自分に十分な予算も与えられずに一般住民からの要望といいますか、それにこたえるのにきゅうきゅうとしてきて、その結果が今の日本の都市であり、そしてそれを動かしてきた経済が今度のバブルの崩壊以降、ますます分裂した車社会の中での新しい形態になってきて、そこのところで中心市街地の空洞化、要するに町の顔がなくなるという時代になってきているという認識はあるわけです。
  そういった中で、今回の一連の法改正が方向としては悪くない、ただ使い方が非常に難しい、これだけじゃちょっと最終的に効かないかもしらぬというような、そこのところを努力するのが我々国民あるいはそれぞれの立場の人間だろう。理屈はすべてそうだろうということで、私もそんなに違った感じは持っていないわけです。
  最後に、結局本当のところはどこへ行くかといえば、思い切った土地の利用制限といいますか土地の所有権制限、これは憲法の財産権にもかかわってきますし、もっと端的に言えば、バブルの反省として土地の移動だけでの金もうけはもう国民としてしちゃいかぬのじゃないかという気持ちで国民合意ができるかどうかというところに最終的にはこの問題はかかっていると思うんです。その辺について簡単で結構ですが、そうだからその方向に行くべきだ、それは無理だから別の方策を考えるべきだという考えを四参考人、一言ずつお答え願いたいと思います。それで私の質問を終わらせていただきます。

○参考人(井上繁君) 土地について、これは大事な問題なわけですけれども、私は実はこんなふうに思っているんです。
  土地というものは寝かせておくものではない、やっぱりそれを活用しなければいけない、基本的にそう思うんです。ところが、今の例えば土地流動化の議論を聞いておりますと、土地というものは何か動かせばいい。動かすというのは有効活用するための一つの手段であって、それ自体は本来目的ではないと思うんです。ですから、私個人としては流動化という言葉にはやや賛成しかねるような面がございます。むしろそれを活用するということが大事なのである。
  以上です。
○参考人(五十嵐敬喜君) 中心市街地の今の状態は、やっぱり都市計画の敗北だということを認識したらいいと私は思います。
  ぜひ今国会以降、この問題に先生方の御努力を得て、福祉と町づくりを合体したような、もっと言いますと、冒頭に申し上げましたいろんなマスタープランがもう環境も農業も都市も福祉も商店もみんな自治体に来ていますので、これを合体して自治体が独自に町づくりできるような新しい都市基本法の制定を準備し、御検討いただけるようにしていただきたいと思います。
○参考人(岩澤孝雄君) 実際に中心商店街の再開発みたいなものをやるときに、一番ネックになるのが私権の問題なんです。具体的にどうしろということはよくわかりませんが、基本的には所有権と利用権は分割すべきだ。その方法にはいろんな方法があるだろうと思いますが、いずれにしても所有権と利用権あるいは活用権というんですか、これは分けないとどうにもならぬというふうには思います。
○参考人(伊藤公一君) 非常に部分的なことを申し上げますが、イギリスでタウンセンター、中心市街地がよみがえったと申しましたが、よみがえりにくいところ、苦闘しているところがあります。そういうところに対して、イギリスはどういう指示を出しているかというと、何とコンパルソリーパーチャシブ、強制収用を活用すべし、こういうところで、実に日本では驚天動地でございますが、やはりこれぐらいやらないときちっとした都市計画はできないという一つの証左だと思います。
  私はこれはできると思いませんけれども、さすがにやろうと思うととことんまでやってしまうという気がいたしますので、日本はあちらを立ててこちらを立てて、こうやってやっていますと結局何もできない、こういうことになりがちだと思います。
  以上でございます。
○山崎力君 どうもありがとうございました。
(中略)
○山崎力君 最後の質問者になります。今までいろいろ論議されてきた中で概括的なところ、本当に締めくくりの形で主に大臣にお答え願えればと思うんです。
  まず、先ほどの参考人からのいろいろなお話を伺いまして、一言で私なりに総括しますと、今回の一連の法律改正によっての方針は、方向としては非常にいいのではないか。ただし、その結果が意図したものにまでといいますか、そういう意図した結果が出るのは極めて困難であろう。物すごくそれに対する種々今までのしがらみでの制度というものがあって、むしろ悲観的な部分が多い。しかし、そうは言っていられないからいいところを見つめてそこのところを伸ばす足しにはなるんではないか、こういうのが参考人の方々の話であったように私なりに受けとめております。
  そういった中で、一つ一つの点でいけば、まず中心市街地の問題からいけば、これは人が集まってそこで金を落としてくれるという町づくりをどうするかということでございまして、ごく少数のお金持ちが大金を使うような商店があったとしてもこれは無理なわけで、やはりとにかく人が集まってくれるような形にしなきゃいかぬ。そのためには、建設サイドの町づくりも十分必要であろうし、あるいは輸送という意味でのアクセス、そういった面からいえば運輸の問題も出てくるだろう。あるいはどういう引きつける商売をするか、今はやりの言葉で言えば情報発信のあるものを、どこにどういったものを見つけてくるか。そして、それをある人に言わせるとネットワーク化、あるいは集中化してその質を高める、こういうふうなことだろうと思うんです。
  そこで、はてそこでということになったときに、先ほどの参考人の意見もこれありで、非常にお聞きしにくいことなんですが、要するにそこまでやらなきゃいかぬということはわかるんだけれども、コストに見合う効果が上がるということなんだろうかというのが最終的に今回の法律それから関連する予算について出てくる問題だろうと思うんですが、その辺、胸を張ってこれだけの金をかけるとこれだけのものができると予想されているのでぜひやりたいんだというふうなことがございましたら、お聞かせ願いたいんですが。

○政府委員(木下博夫君) 予算だけですべてが片づくものではないと私は思っております。きょうの参考人の御意見の中で退職金という表現があったのは、私は担当している立場から少し寂しい思いをしましたが、そうならないようにもちろんしなきゃいけないと思っております。問題は今まであった予算の性格をそう急激に変えることはなりません。しかも、ことしの予算は当初予算で言えば公共事業費は国費ベースで七%減でございますから大変厳しいものであろうと思っております。
  今お話のございましたように、コストに見合うかどうかということは、その地域の目標あるいはその事業の役割というものをしっかり見定めた上での重点配分ができるかどうかにかかってきていると思いますので、決して退職金にならなくてむしろ励まし料になるぐらいにこの予算を使っていけると私は思っております。そのためにはこの法案、中心市街地法あるいは都市計画法を通していただいた上で、早目にそれぞれの出してきた基本計画を国としてむだのないチェックをした上で早く実現の方向に動かすことが必要じゃなかろうか、こう思っております。
○山崎力君 御答弁は確かにそういったことで、非常に申しわけない誘導的な形にこれからの質問はなると思うんです。
  とするのであれば、まさに評価システムというものをどうするかという問題があります。これは最終的に言えば、ここの地域においてこれだけの金額のこういう計画をしてやった、その結果こういうふうな形になって、人が従来に比べて何割増し集まるようになり、商店街の売り上げがこれだけふえた、あるいは失敗した、どこに原因があるんだ、どういうアイデアがあるんだということを事後の再評価をして、そこのところを、これは全国一遍にできるわけじゃありませんから、そういったことを中央官庁とすれば、これは地元にやってもらうことなんですけれども、それを中央官庁の目として専門家として評価するシステムを、これがある程度立ち上がってくる時点、結果が出る時点までにはつくる必要があるんじゃないかというのが一点。
  もう一点言えば、その前の計画の段階で、先ほどの参考人の話からいきますとマスタープランが大事だと言っていましたけれども、どういう順番かはともかく、恐らくかなり多数のマスタープランが各市町村あるいは県、そういったところから出てくると思います。その中で建設省としてチェックをする、それにチェックをつけて予算をつけるわけでしょうから、何がポイントでチェックをしてこのマスタープランについてはかくかくしかじかの問題点あり、あるいはいいアイデアあり、そういったものを役所として公にする体制というのは、私はこれからのことを考えると必要ではないかと思うんですが、その辺のところはいかがでしょうか。

○政府委員(木下博夫君) 御指摘、基本的に私は異存はございません。問題は、そのおっしゃられたような理想型に対してまだまだ手法が十分準備できていないというのは私自身残念ですし、そういう努力は怠りなくやってまいりたいと思います。
  若干くどくなりますが、公共事業そのものがいろんな御指摘なり御意見をいただいておりまして、建設省だけではございませんが、政府を挙げて今公共事業の評価システムをつくったりしております。これは、個々の事業についての評価システムは、例えば十年度の当初予算の箇所づけなどでもかなり私は実行できたと思っております。例えば今のような町づくりになりますと、そういう個々の事業評価だけでなくもう少し他の事業との関連性を含めて、あるいは何かのテーマ、それは環境とかあるいは景観とか商業面、そういうものでどう結びついていくかという、もう少し副次的なといいますか、そういうものをつくっていく必要があるように思います。これは気持ちを申し上げております。
  ただ、今までに中心市街地法など、あるいは都市計画法を改正するに当たって多少勉強したことで申し上げると、例えばある町の中心地に年間でどのくらいの人が入ってこられたか、あるいは区画整理をすることによってその市町村に固定資産税でどのくらいの税がふえたかというようなことも、実は計量的には把握したりして勉強を始めておりますので、これは先生の御質問のあったことにちゃんと適応しているかどうかわかりませんが、しっかりとそういう意味での評価をしないとばらまきになるぞ、あるいは各公共団体が自分勝手な計画をつくってきたときにおまえたちは戸惑わないのかという御指摘に対しては我々も十分、地方のやる気をそいではいけませんけれども、そういう意味での検討あるいはチェックというものはやらなきゃいけないと思っております。
○山崎力君 ありがとうございます。
  そういった中で、それを役所内部だけでなくて、ある意味では非常に厳しいんですけれども、だめな計画を出してきたところには、そこのところがここがだめだというようなことを地方自治体に知らせ、それを住民の人たちに自分たちの選んだ地域の地方公共団体の計画はだめであったと、よってはねられたということが、ここがこういうことだという理由がしっかりすればこれは本当に反省材料になるわけでございます。ただ、どういうわけだか知らぬけれども予算のつき方が悪かった、向こうの方はよくついた、だから向こうの計画がいいんじゃないかというような従来の自治体間における横並び姿勢というものが、一種のそれも護送船団方式だったと私は思うんだけれども、その辺のところがこれからの町づくりにおいてはもう完全な競争社会になる。いいところは伸びていいじゃないのという地域間競争もそれはやらざるを得ない。これは気の毒な人も出てくるしあれなんだけれども、そういう割り切り方の時代にならざるを得ないんじゃないかなという気がしております。
  そこで、この間の私の質問でも述べさせていただきましたが、そういうふうな姿勢はよろしいし、あるいはそういうふうなことを勉強しているというのもいいんだけれども、今までの反省からいって、何回も申し上げて恐縮だけれども、日本の都市づくりというのは惨たんたる結果で明治以来戦後来ている、結果として、残念なことですけれども。そこのところで、役所の立場からすれば、まさに住民の意向をできるだけ効率的に果たしていこうということに追いまくられて基本的なコンセプトができないまま日本の都市が巨大化したり、あるいはよかったと思ったところが今の御時勢の中で地方中核都市の中心市街地の空洞化あるいはスプロール、地方におけるドーナツ化あるいは過密過疎化というところに来ている。
  そういったことに対して、確かに一つの今はやりの言葉で言えばこの法律案はツールだと思うんだけれども、それではうまくこれを使えばこうやってうまくいくんだなというのがなかなか全体として見えてこない、そこが一番腹立たしいというかいらいらすることだと思うんです。この法案に賛否という意味ではなくて、賛成なんだけれども、ということです。
  それで、最後に建設大臣にお伺いしたいんですけれども、大唐法の問題はいろいろあります。いわゆる都市計画区域外における出店規制をどうするんだ、そっちの方がむしろ地方の実情からいけばそこがポイントだよと言う商店街の人たちもおります。
  そういった中で、今回の法律が国民生活において、この逼迫した予算の中においてこれだけの予算を使う、一兆円と聞かされていますが、それが将来にとってペイするんだ、よしんばその投資が当初の目的を果たせないとしても、いわゆる都市基盤整備として当面の対策にはならないとしても三十年先五十年先の日本の町づくりにとって最低限一つの先行投資であったと、そういうものであったというふうな方針くらいは、方針といいますか考え方くらいはあっていいんじゃないかと思うんですが、そういった点を含めて御感想といいますか、最後の締めくくりの御意見をいただければと思います。

○国務大臣(瓦力君) 山崎委員の御質問に十分答えられますかどうか。私は質問を聞きながら、山崎さんも力だし私も力だし、同じようにダブル力みたいなものでございます、名前が。
  ちょっとロマンチックに過ぎるかわかりませんが、やはり我が国の基本的な都市基盤、基盤といえば基本的なことでございますが、道路にいたしましても、また下水道等のことを考えてみましても、大変立ちおくれておることは間違いないわけでございまして、これらを一つは整備をしつつ、文化なり環境なり、また住民の多様なニーズにこたえて取り組んでいく、そして都市が、国が安全で、また美しい都市である、町であるということが重要であると思うわけでございます。
  都市でございますから、人間の息遣いがいろいろあって喜怒哀楽もそれぞれがしみ込んだようなところが町として、私はこれから欧米社会のようにつくり上げていくまた一つの機会でもあろうと思っておるわけでございまして、地域の方々のそれぞれの要望を集めながら、市民の価値観でありますとか、どういう町をつくろうという意欲でありますとが、そういったものが反映されまして、文化なり自然なり社会的な環境、そういったものを織り込んで経済力が旺盛になっていくというようなことを期待したいわけでございます。
  欧米社会と違って我が国は都市の成り立ちの歴史が違いますので、非常に市民の中でも都市意識というものが生まれておりますから、これらの支援をすることにつきましてはこの機会は大切な機会だと、こういったことをお答えもさせていただいておるわけでございます。
  そういう中で、京都であるとか奈良であるとか、歴史の中であるような町もありますが、恐らくこれからいろんな形の町が出現してくると思うわけでございますが、それらが歴史を経て、それに耐えて世界からも高く評価されるような町、また個性的で豊かな自立的な町が生まれてくることが私どもとして期待されるわけでございますので、積極的にこの法律をもって支援してまいりたいと思うわけでございます。
  確かに、委員も述べられたように大型店舗とかいろんな付随品がございますが、基本的にはやはり町をどうするかということをベースにしっかり考えていくことが今大切かな、こういう考え方を持っておるわけであります。
○山崎力君 時間ですので、国土庁長官、最後に一言だけあれなんですが、逆に言えば町のことばかり今までやってきたような気がするんですが、全国的に見れば逆の村という部分もございます、自然環境という点もありますが。
  今回とは若干ずれますけれども、まさに町があればその地域以外のところはすべて村と言ってもいいようなところです。その辺のところの余波がやっぱり村社会にも来ているという部分で、全国総合開発担当者として、その辺のこの問題に対する意識を簡単で結構ですから御答弁願えればと思います。

○国務大臣(亀井久興君) 山崎委員、既に御承知のとおり、先般新しい全国総合開発計画、二十一世紀の国土のグランドデザインと呼んでおりますが、策定をしたばかりでございまして、その目指すものは今までの全総でも掲げたことでございますがやはり均衡ある国づくりをしたいということでございます。人口にいたしましても経済にいたしましても情報にいたしましても余りにも今一部に偏り過ぎている、これを何とか均衡ある状態につくりかえていきたいという思いを込めておるわけでございます。
  今御指摘になりました、日本の各地にございます町そして村、農山漁村それぞれに個性があるわけでございます。その個性を十分に発揮しながら、まず自分の足もとをしっかりと見つめ直して、そのよさを生かしながらお互いに連携していく。その小さい町や村だけでなかなか自立した生活を確保するということも難しいわけでございますから、それに近い中小都市、そうしたところをまた拠点都市として十二分な都市機能も充実させていかなくてはいけないわけでございます。
  今度の全総では参加と連携ということを一つのキーワードにしているわけでございますけれども、そうした各地域が連携を深めながら、そしてまた行政だけに任せるということではなくて、その地域に住まいをしておられる方々、企業で働いておられる方々、あるいは各種の市民団体とかボランティア活動をしておられるような方々とか、そういう多様な主体に参加をしていただくということによって個性的な地域を創造していこう、そういう考え方を込めているところでございます。
  大都市圏の整備充実ということももちろん重要でございますけれども、言ってみれば日本の国土面積の約半分は過疎地と言ってもいいわけでございます。そこにわずか六・二%、約半分のところに六・二%の人口しかいない、そういう現状でございます。狭い日本と言っておりますけれども、私は決して日本という国は狭いのではなくて広い日本だと、もっともっと広く使うことを考えるべきではないか。全国バランスよく快適な居住環境というものがつくられていけば、美しい日本というものが必ず二十一世紀においてでき上がっていくのではないか、このように考えておるところでございます。
(後略)