質問「『三K職種での日本人雇用状況』ほか

(平成11年3月15日参議院労働・社会政策委員会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 参議院の会の山崎でございます。
  それでは、大臣を中心に議論を進めてまいりたいと思いますが、まず最初に、いろいろ言われておりますけれども、労働者の問題として、今はやりのことではないんですが、昔からの問題として出稼ぎ問題、あるいは季節労働者というような形の問題がございました。そういったものが今どういう現状にあるのか、まずその点からお伺いしたいと思います。

○政府委員(渡邊信君) 平成九年度の数字ですけれども、出稼ぎ労働者は全国で約十万人でございます。出身地別に見てみますと、青森県が最も多くて二万八千百人、二八%ぐらいになるかと思いますが、以下、北海道、岩手県、秋田県、沖縄県となっておりまして、北海道、東北地方で全体の七五%を占めております。これは平成七年度ですが、就労地域別に見ますと、東京を含む南関東が最も多くて約六〇%、産業別には建設業が六七%となっていまして最も多い状況、こういうふうな状況でございます。
○山崎力君 私の選出県である青森が出稼ぎ日本一であるということはもう前々から言われておりまして、そういった面でも、県の方の資料から見ますと、昭和四十九年度八万人を超えていた出稼ぎ者が、今の御指摘にもありましたように二万八千人強という、かなり減ってはきているわけです。
  いろんな事情がそこにはあるわけですけれども、そういったところで、一つの労働市場といいますか、そういった点から考えて、かつてのバブル期が大きな原因になったのかならないのか。今バブルの後遺症に労働市場が悩んでいるということから考えると、一つの示唆に富む点ではなかろうかと思うんですが、そのバブル前後、そういった点でどのように変わってきているかということを教えていただきたいと思います。

○政府委員(渡邊信君) 全国の出稼ぎ労働者数は、いわゆるバブル経済期、この当時は約二十万人ぐらいおられましたが、現在では、先ほど申しましたように、十万人に減少しております。
  なお、出稼ぎ労働者の数という点で見ますと、バブル期以前、昭和四十年代が大変多くございまして、そのピークは昭和四十七年度の約五十五万人ということになっておりまして、以後毎年減少を続けております。
  バブル期とどういうふうに状況が変わったであろうかということですが、まず出稼ぎ労働者の高齢化現象が一つ見られます。六十歳以上の方が例えば昭和六十二年の一〇%から平成八年には一七・六%に増加をする、あるいは専業的な出稼ぎ労働者の割合が増加をするというようなこと。あるいは出稼ぎ者自身の意識の変化というものがありまして、地元に就労機会があればやめたいと、こう考えておられる方が昭和六十二年には四三%ぐらいでしたが、平成八年には六割ぐらいの方ができれば地元で仕事をしたいと、こういうふうな意識でございます。
  こういったところで、出稼ぎ労働者の意識にも、それから構成といいますか、そういった点でもかなりの変化が見られているというふうに考えております。
○山崎力君 高齢化ということなんですけれども、これは私の方から解説するのもなんですが、それではなぜ後追いの人が出稼ぎに来ないのかということを考えたときに、農業の構造改善的な問題がございます。
  先ほどの答弁にもありましたように、北海道、東北が七五%である。これは、冬の間農業ができないから、その間遊んでいるよりはということからスタートをした。もちろんそれだけの収入が得られないという前提があるわけですけれども、それがいまだに続いているんです。そういったところとまた別の次元でのところを考えてみますと、老齢者になってきたときに地元に戻らなきゃいかぬのだという気持ち、帰巣本能というとおかしいですが、帰属意識の強い世代がだんだん老齢化してきて実態的に数が少なくなってきた。もう東京の方あるいは先ほどの南関東に就職して、そこでいいところはいいと。
  逆に言えば、あの当時の、私の若いころのことを言いますと、子供たちが田舎の家にいておじいさん、おばあさんがそこを面倒見ている、だから中核の働き手の人たちが冬期間出稼ぎに出る、これが典型的な形態でありました。奥さん連れの方もいれば単独の方もいらっしゃるというのがあったわけです。そういった人たちがみずから老齢化して、子供さんたちがどういうふうな状況にあるか、その子供さんたちが余り出稼ぎしなくていいという状況になってきたというのが現状だろうと思います。
  その出稼ぎしなくなってきた条件というのが、一つには、地元である程度農業と離れたところの雇用機会でやる。冬期間もそこで働ける。そこのところには公共事業というのが大きな割合を占めるわけですけれども、逆に言えばその若い方たちがもう農業を継がなくて離れてしまった。よってもってその地元からの出稼ぎの人数にカウントされなくなった、こういう状況があるわけでございます。
  そういった中で、私が何を申し上げたいかというと、そういう季節労働者、いわゆる労働力の移動、そういったものがかつての日本経済、日本の労働市場において大きな割合を占めていたのが、現状ではバブル期のところで多少の変化、影響はあったけれども、全体として低下傾向にあると。これは老齢化その他の、今説明のあったとおりですけれども、そういったことがこれから日本の将来の労働環境に対してどういう影響があるのかないのか。ただ単にどんどん薄まっていって数が少なくなればこれで済むと思っているのか。それとも、地方経済あるいは全体の労働市場に対してどのような影響があるのかということが問題になろうかと思うわけですけれども、その辺のお考えはいかがでしょうか。余り影響ないとお思いでしょうか。それとも何かボディーブローのような形の影響が出てくるとお思いでしょうか。

○政府委員(渡邊信君) 先ほどからお話ありますように、出稼ぎ労働者の方自体の数は大変減ってきまして、現在全体でも十万人という規模でございまして、私どもできるだけ、一定期間にしろ家族から離れて生活をする、そこで生活の糧を得るということは本来望ましいことではないのではないか、できれば家族の方と一緒に地元での雇用が開発されるということが一番望ましいというふうに思っておりまして、労働行政といたしましても、通年雇用していただく事業主に助成金を払って、できるだけ通年で雇用できるように努力をしていただくこととか、あるいは不況な地域につきましてはこれを指定いたしまして、そこの地域で立地をする企業に対して助成をするといったふうなことで、地域対策というふうなことにも力点を置いているわけであります。
  したがって、少なくともこの問題について申し上げますと、出稼ぎ労働というのはできるだけ地元での就職を最優先していただいて、この問題は何とか地元就職ということで解決をしていきたいというふうに考えているところであります。
○山崎力君 本来の例えば雇用条件の問題であるとかあるいは賃金、それもこの昨今の情勢からいくと不払い等が多い。そういった昔からあった問題はまだそのまま残っている部分がございますので、その辺は御努力をいただくとして、その関連でというと非常に差しさわりがあるかもしれませんが、いわゆる外国人労働者、これもある意味では外国からの出稼ぎ問題だと考えれば非常にわかりやすい。特に出稼ぎの問題を身近に感じていた人間にとっては非常に類似性がある問題だろうと思っておるわけでございます。
  そういった外国人労働者の、先ほど同僚議員からもその辺に関連した質問が出ておりましたけれども、今のこの現状それから受け入れのあり方、そういった点について労働省としてどのように考えておるか、あるいはその予算措置等を含めてどのような方針で臨んでおられるのか、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(甘利明君) 平成九年現在でいいますと、我が国で就労する外国人労働者は、労働省の推計でありますが、専門的、技術的分野の労働者の方が約十万七千人、それから日系人等で就労する方、二世三世までですね、この方が二十三万四千人でありますから、合法的に就労されている方が約三十八万六千人であります。それから、それ以外に不法就労がもちろんあるのでありますが、この数は正確には把握はできないと思うんですが、推計二十七万七千というふうに言われていました。ちゃんと個別事業所ごとに把握しているのであるならば、労働省は不法就労は取り締まる立場ですからここにありましたといって見ているわけにはいかないものですから、これは推計になるんですが、ですから両方合わせますと合法不法で六十六万人と推計をされます。
  先ほどの御質問にもありましたけれども、外国人労働者の受け入れに関しては、基本的に専門的分野、技術的な分野について受け入れる、日系人はまた別な取り扱いでありますけれども。そういうことにしておりまして、いわゆる単純労働者についてはこれは基本的に受け入れないということでありまして、雇用面だけじゃなくて経済社会全般にいろんなことを考えなくちゃいけないということでありますから、慎重に対応していくということでございます。
  それから、予算措置のことでありますが、今申し上げたのは基本方針でありますが、外国人求職者への職業紹介機能の強化であるとか、外国人労働者の雇用管理の改善、それから不法就労対策を含む適正就労の推進、これらの実施に十一年度予算でいいますと十二億二千万円を計上して、ただいま御審議をいただいているというところでございます。
○山崎力君 なかなかそこのところが、表面上の建前の部分とそうでない部分、具体的に言えば不法就労者、それがある意味においては三K職種に集中している。建前論からいけば外国人労働者がいわゆる三K職種に就労するということは非常に難しいはずなんですね。ところが、現実にはかなりの方がいらっしゃっている。もちろん就学という、学校へ入るということでアルバイトでやっているよということも、表面上はそうなっている方もいらっしゃるわけですし、現実にそうしている方もいる。それから、ドロップして学校の方へなかなか行かないでお金稼ぎの方へ行っている方もいらっしゃる。その辺のところの判断というのは非常に難しい問題がありますし、それから、これは管轄が違うわけですけれども、いわゆるオーバーステイの問題がございます。
  そういった中で、これからの日本の労働力人口が減っていく中で、外国人の労働力を当てにしないで本当に日本の経済が成り立つのかという基本的な問題がございます。これはいわゆる大企業ではなくて特に三K職種の中小企業でそういう話をよく聞くわけでございます。
  そういったところで、もちろん労働省だけの問題ではないんですけれども、雇用状況を見るときに、今非常に厳しいという状況の中だけれども、本当にいわゆる在来の三K職場に人が集まっているのかどうか、そこら辺が非常に私は疑問なところもないとはしないわけです。地域によっても違うでしょうし、同じ三Kといっても業種によって違うかもしれないんですけれども。そういった意味で、この三K職種の中での日本人労働者の雇用状況、そういったものはどうなっておるか、資料ございますでしょうか。

○政府委員(渡邊信君) 三Kというのもなかなか公式の定義というものがあるわけではございませんで、この職種は三Kであるというよりは、どのような職種にしましても運用といいますか、実際の労働条件によって三Kにもなりならなかったりするということではないかというふうに思います。思いますが、仮に通常よく言われるような例として、技能工や建設作業員について見てみますと、平成六年と十年を比較すると、こういった分野では四十四万人の労働者の減少がありますし、単純な労務作業者について見ますと、この間二十二万人増加しているというふうな状況がございます。
○山崎力君 その辺のところは逆に言えば中小のところが多くて、今の不況をもろに受けているところがあって、そういう意味でいえばぜい肉を落とさなければやっていけない、そのときに日本人ですら雇い切れないところでというところもある。しかし、かつて不法労働者だった人が陰に隠れてオーバーステイで予備軍になったり戻れなかったり、そういったことが都市部を中心に周辺部でいまだちょくちょくそういった話は聞かないわけではないんです。まだ世間的な、全国的な問題にはなっておりませんけれども、将来この不況が長く続く、あるいは好況になって労働力不足が生じる、そのどちらの時点でも問題化してくるのは私は必然だろうと思うわけです。
  その辺についてしっかりした十全の対応策を労働省だけでなくて政府全体としてどうやるんだと。逆に言えば通産省の方は、ないところで仮に埋まって生産力が上がればいいやと思うかもしれませんし、そういうふうな点、ドイツの例が御存じのとおりあるわけです。それが今となってみればなかなか根の深い問題となっている。そこのところに今私たちの日本の状況、労働力という点からいくとあるんだろうと思うんです。
  ですから、その辺のところを労働省として、どのように労働力市場というものをとらえ、将来その辺のところをやるかというのはそろそろ打ち出さないと、後手後手に回るんじゃないかなというような感じを持っているんですけれども、その辺について何かお考えございますでしょうか。

○国務大臣(甘利明君) 外国人労働者、特に単純労働に関する要望というのはかなり前から経済界からは上がってきているんですね。これは私が聞いたところによると、もう石田労働大臣のころ経団連から話が出たということを聞いております。
  先ほども少し申し上げましたけれども、どうしてもいわゆる三K職場には日本の労働者は行かない傾向になる。これは日本に限らず先進諸国はみんなそうだと思いますし、そこの部分を外国人労働で埋めようとしてなかなか悩み多い状態になっている国が多いわけであります。
  基本的に嫌な仕事はよその人にやらせるということについてはいろいろ問題があると思いますが、ここではそのことは一応置いておくといたしまして、仮にそういうところをどう埋めていくか。
  今、オン・ザ・ジョブ・トレーニングというので、研修をしながら就労を一定期間だけするという制度があります。苦肉の策だと思うんですね。ローテクの技術移転を図りながら、しかし生産現場にも資するという、なかなか苦肉の策としてあると思うんですが、これは基本的には習得して一定実務期間を終わったらちゃんと帰ってもらうといいますか引き取ってもらうということがちゃんとできていないと、いろんな問題を解決しなきゃならぬことになると思うんです。
  ですから、政府機関というか準政府機関、公的機関同士でちゃんとその辺のやりとりをしていないと、向こうから来る人も、いつも同じ人が行くんじゃ不公平だよとか、ローテーションを組めとかいうような、送り出す側にもいろいろ問題があるようでありますし、大前提は、単純作業の就労は認めないということは崩せないと思いますから、そういう政府機関、準政府機関、公的機関同士のしっかりとした、期間限定で、習得したらちゃんと帰るし、引き取るということをしっかりしないと、これはなし崩しになっちゃうのかなということを心配いたしております。
  今、部分的に行われているようでありますけれども、成田、羽田に着いた途端にいなくなっちゃったとか、いろんな問題がありますから、送り出す方と受け取る機関はちゃんとしたところがやりとりをするべきなんだろうなというふうに思っております。
○山崎力君 時間の関係で、この問題はこれで打ち切りたいと思いますけれども、それこそ研修でこっちの方は教えながら、少し給料も払いながらやろうと思って連れてきた人が、ある期間で来た途端にどこかへ消えちゃうという事例があるわけで、あるいはまた、直接はこれと関係ないんですけれども、密入国者がたくさんまだ見つかっているというのも、結局は仕事で来るという部分がございます。そういった面での配慮というものを、労働省だけではないわけですから、今のお言葉のように関係各機関は心配しているというふうに大臣から言われると、こっちも余計心配せざるを得ないわけで、心配ないですよというような答弁をこれからできるように御努力を願いたいと思います。
  続きまして、雇用保険の問題を一点だけお尋ねしたいんですけれども、いろいろ収支状況が非常に悪くなって、単年度の収支で赤がずっと出ておる、保険料の見直し等をどうするんだという報道もありました。そういった中で、一言で言えば、おい大丈夫なのかい、どうなるんだという問題があるわけですけれども、その点についてお考えを伺いたいと思います。

○国務大臣(甘利明君) おい大丈夫かいと問われれば、御心配なくというところまでなかなか正直行かないのでありまして、先生も御承知のとおり、十年度が終わりますと積立残高というのは約三兆円になるわけでありまして、十一年度予算でも収支マイナスでありますからこれを取り崩す、九千八百億ぐらい、一兆円弱取り崩す、そうすると、そのペースでいうと三年しかないじゃないかと、それはどう言い逃れもできない現実であります。
  ただ、突然こういう状況になってきたというのは、それは景気とダイレクトにリンクをして、雇用保険の受給者が急激にふえているからであることは間違いないわけでありまして、急激に改善してくれればこれはさわらず危機を乗り切れると思いますけれども、タイムリミットまでに改善してくれるかどうかということになるのでありまして、正直、今検討しているかと問われれば、今は検討しておりません、指示も出していませんし、担当の事務方もこの検討にもまだ入っておりません。
  私としては、劇的な変更をしなくていいように、なるべく早くこういう情勢から立ち直ってもらいたいと思うのでありますけれども、もしこのままの状況がまだしばらく続くのであるならば、ある時点になったら各方面にいろいろ御相談をしなくちゃいけないとは思っておりますけれども、きょうの時点ではまだそういう意思はございません。
○山崎力君 今の時点がいつまで続くかということなんでしょうけれども、常識的に考えてこれから劇的に日本経済が回復するというのはまあ無理という、政府見通しでも現実に来年度〇・五%プラスというようなことですから、少なくとも十一年度中にはよくなることはない。となればあと三年、現実にはあと二年ですから、それを検討して判断してこのくらいということになると、今の時点はという言葉が、それ以上はおっしゃれないのはわかるんですけれども、早急にこれは何らかの対策をとらにゃいかぬ時期に来ていますし、これは早過ぎるということもないと思うんです。ある程度今までの習性をどうするかという考え方の問題ですから、その辺のところは当然御努力願えるものと思っていますけれども、よくある懸案先延ばしという姿勢からいくととんでもなくおくれる可能性もございますので、その辺は御配慮といいますか、御注意お願いしたいと思います。
  時間の関係で最後になると思いますが、訓練制度についてちょっとお伺いしたいんです。
  要するに、企業が必要とする人材というのは当然あるわけで、歩どまりの問題だと思うんです。ほっておいても企業に必要のある人、必要というか、企業がいい人だなと思う人は何割からいらっしゃるわけで、幾ら訓練しても、申しわけない、ちょっとお引き取り願いたいという人もかなりいらっしゃる。その中間にかなりの部分が、適正な訓練を施せば企業としても喜んで雇える、その歩どまりをいかによくするかというのが訓練制度のあり方だろうと思うんです。
  私が一番問題だと思うのは、在来型の企業訓練ではなかなか時代の需要に追いつかないと、皆さんわかっているんですが、では新しい企業が求めるこれからの労働力、労働者の能力というのはどんなものなんだろうということが非常に幅広くなってなかなか見つけにくくなってきているのではないか。その辺で、どのように労働省としては教育といいますか、そういった訓練をするつもりなのか。さっきから、余り使いたくないんですけれども、ミスマッチという言葉がありますけれども、せいぜい後追いで、本当に時代の最先端を行く、引っ張る企業に必要な人材を、そもそもそういった教育ができるのだろうかという根本的な疑問もあるんですけれども、その辺いかがお考えでしょうか。

○国務大臣(甘利明君) ミスマッチという先生がお嫌いな片仮名を使われるぐらいですから、相当な危機感で臨んでいかなければならないわけでありますが、私が労働大臣に就任をしまして、幾つか一週間以内に指示をしたことがありまして、そのうちの一つが今の職業訓練、これは訓練校とそれから訓練施設、ポリテクセンターのようなもの、それから県が行っているもの、これを一回総点検をしてもらいたいという指示を出しました。それは何かというと、全く時代的要請はないような古い講義講座が相変わらずないのか、それから、必要とされるところの定数がうんと少なくないかとか、見直しをしてもらいたいという指示を出しました。
  そこで、先生の御指摘ですが、どういう分野に関する職業能力をつけていくのか、どう労働省は選択するのかということでありますが、やはりこの起点になるのは成長する十五分野、将来、雇用の受け皿となり得る十五分野というのが二、三年前の閣議の行動計画として決定されていますが、そこの伸びる分野にいかに適切に人材供給ができるかということでありますから、そこが中心になると思います。
  ただ、私が悩ましいのは、民間と公共とがどう連携を、すみ分けをしていくかということがちょっと悩ましい問題でありまして、基本的には、民間が持ち得ないような大きな設備投資を必要とするもの、それは公的機関がやっていかなくちゃならないだろうと。ただし、そう大きな設備投資を必要としないで機動的に人材訓練ができるものについては民間が中心にですが、その先導的役割はやっぱり公的機関が果たさなきゃならない。そこで先導的役割をして民間が立ち上がってきたものは民間に渡していく。では、そこにどう公的と民間との関係があるかといえば、委託訓練というような制度を今回私の思いでかなり広げましたけれども、委託費を払って民間活力を使うというスタイルでやっていくべきかなというふうに漠然と仕分けを考えております。
○山崎力君 時間ですので、ちょっと質問を残しましたが終わらせていただきますけれども、確かにいろいろな方向はあるんですけれども、例えば、特殊能力が欲しいねと、需要があるねといっても、例えば通訳がこれから必要だからといって語学研修を全部国の面倒見でやらせるのかとか、先ほどの例で言えば、特殊機材の運転資格をそれじゃ職業訓練で持たせた場合、いわゆるドライビングスクールとの関係はどうなるかとか、いろいろあるわけです。ひどいことで言えば、私は医者になりたいという需要があれば医学教育まで職業訓練でするのかということ、極論からすればそこまで行く話で、非常に難しい問題ですが、その辺御理解いただいた上で、問題はいかにそれを実効あるようなことを実行するかということとそれの点検作業だと思いますので、その点、御配慮をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
(後略)