質問「『不審船舶の検査について』他

(平成11年5月12日参議院日米防衛協力のための指針に関する特別委員会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 御苦労さまでございます。
  きょうは、修正部分の集中を主にやりたいということでございます。各会派の方々、代表してでも結構でございますが、あえて指定する以外のときはどなたか適当な方がお答え願えればと思います。
  その前に、一つ二つ外務省の方に、この船舶検査、いわゆる一般的な船舶検査のことでお伺いしておいて、これはまた各会派の衆議院の方がつけ加えることがあればつけ加えていただく、そしてまた各会派の方にお聞きしたことについて、外務省ないし防衛庁の方でつけ加えたいことがあればつけ加えていただくという形で御答弁願えればと思います。
  まず最初に、国連決議の問題でございますが、我々、国連決議と言う場合もあれば、国連安保理決議と言う場合も二通りあるんですが、これは違っているのか同じなのかという点をまずはっきりさせていただきたいと思います。
  そして、その場合、旗国の同意を得ることなく、国連安保理決議があれば政府案においては船舶検査が可能であるという言い方をされていましたが、その対象船舶が国連の非加盟国を旗国とする場合、あるいは無国籍、国籍が判明しない場合、そういった場合は国連安保理決議の効力はどうなるのかということからお話を伺いたいと思います。

○国務大臣(高村正彦君) 我々が普通に国連決議と言った場合には安保理決議のことでございます。参加国に拘束力を持たせる決議、安保理決議でございます。
  国連に加盟していない国はどうか、無国籍船はどうかということでありますが、今日の国際社会における国際連合の普遍性及び国際連合が国際の平和と安全のために果たす役割にかんがみれば、国連非加盟国であったとしても国際の平和と安定の維持、回復を目的とする国連安保理決議の趣旨を尊重することが求められていると考えております。したがって、国連非加盟国がかかる国連安保理決議を尊重しないということは想定しがたいことでございます。
  船舶検査の実施を求める国連安保理決議につきましても、国連非加盟国は同決議の趣旨を尊重するものと思われます。したがって、自国を旗国とする船舶の検査に異議を唱えることは現実の問題としては想定されないと考えます。そういった場合に、当該船舶に対して検査を行うことは可能であります。
  無国籍の船舶については、公海上において排他的な管轄権を有する旗国は存在せず、我が国が当該船舶に対して船舶検査活動を行っても旗国主義との関係で国際法上問題は生じないと考えております。
○山崎力君 その問題でもう一つ二つお聞かせ願いたいんですが、そうしますと、旗国主義ということを考えると、対象船舶が日本国籍の場合、これは国連決議がなくても公海上で旗国である我が国が船舶検査をすることは可能でしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 我が国の国籍を有する船舶については、公海上においても我が国が排他的な管轄権を有するわけでありますから、船舶検査の実施を求める国連安保理決議が存在しない場合に船舶検査活動を行ったとしても国際法上の問題は生じないわけであります。
  ただ、当初の周辺事態安全確保法案で想定されていた経済制裁の実効性を確保する措置の一環として、自衛隊の部隊等により実施される船舶検査活動につきましては、かかる活動実施の根拠を定めた国内法が整備されていない状況では実施することはできない、これは当然のことでございます。
○山崎力君 船舶検査をなぜするかということになると、した場合の実効性の問題からすれば、それをかいくぐって封鎖したところに行きたい、こういうことに相なるわけで、それをどう防ぐかということが実際上の問題だろうと思います。そういう点からいけば、あえて無国籍を装うということも十分可能でありますし、今いみじくもおっしゃられましたが、国内法が整備されていないから、国連決議があっても公海上で我が国の船舶は船舶検査することができない、こういう実態があるわけでございます。
  例えて言えば、我が国からその対象国である周辺事態の発生するもととなったところへ向かう船舶が、今回この法律ができなければ、船舶検査に関する法ができなければ外国の船に臨検されることになる、こういうことになって非常にやりづらくなるというふうに私自身今の答弁を聞いて感ずるんです。
  この点については質問通告していないのでなんですけれども、そういう点、今の外務大臣の答弁を聞いての私の印象というのは間違いないんでしょうか、もしお答えできるならば。

○国務大臣(高村正彦君) この法案が通らないと、国連決議があっても我が国の自衛隊によって船舶検査はできないわけであります。
  まさに今、議員が臨検という言葉を使われました。臨検ではありませんけれども、船舶検査活動は、ともかくこの法案がないと、あるいは別建ての法案でも構わないんですが、国内法的根拠がなければ、国連決議があっても日本の自衛隊が船舶検査をすることはできない、よその国の軍艦が検査をすることはあり得べし、こういうことでございます。
○山崎力君 日本から出た船をほかの国の軍隊といいますか、そういったものが船舶検査をして、我が国がそれを事実的に阻止できないということになると、これも非常に問題であろうと思うんですが、これは一にかかって国内法が整備されていないからだということがさきに大臣の口から言われました。その辺のところも、やっぱりここでもかなというのが私の偽らざる心境でございます。
  続いて、各会派の衆議院の先生方にお伺いしたいんですが、まず、この船舶検査活動というものの目的は何か。恐らく経済制裁であろうと思うんですが、そのほかに何があるかどうか。
  それとあわせて、今臨検という言葉を私は使ってしまいましたが、臨検という言葉も古来ございます。その辺の臨検とか船舶検査とかそういうものの種類というものがあるのかないのか。それで、そういうものがあるとすれば、今回この法案で想定されたものというのはどこに相当するのかという点をお伺いしたいと思います。

○衆議院議員(中谷元君) 私の認識によりますと、船舶航行の世界は古くから国際慣習という世界がございますが、新しくは国連海洋法条約というのがございまして、それによりますと、海上警察行動というのがございます。それによりますと、海賊行為とか非常識な行為においては軍艦が取り締まりを行うことができる。また、戦時臨検というのがありまして、交戦中の国においては敵国の船舶が領海に侵入したときに検査をするのも国連海洋法条約に書かれていると思います。
  今回言う国連の経済制裁に係る船舶検査におきましては、国連の禁輸を目的とした行動でございまして、国連決議に基づいて船舶の積み荷、目的地を検査、確認し、必要に応じ当該船舶の航路または目的港もしくは目的地の変更を要請するということになっております。
  ですから、国連が決議をいたしまして、国連禁輸執行活動というふうに位置づけられておりまして、主に経済制裁を実行するための手段として行われている国際的な活動というふうに認識しております。
○山崎力君 今そういうふうにおっしゃられたんですが、僕のミスかもしれませんが、国連のいわゆる経済禁輸措置にかかわるということが前の政府案その他にも明示されていなかったような気もしますし、決議によってというふうな表現で、そこまで踏み込んだ中身だったのかな、ほかの決議も、国連の安保理決議もあり得るんじゃないのかなと、こういう気がするんですが、その辺は検討されたんでしょうか。僕の読み違いでしょうか。
○衆議院議員(中谷元君) もう一度説明をさせていただきます。
  船舶検査活動とは、過去、国連安保理決議のもとで三度の実績を有する国連禁輸執行活動と米国が言うところの海上阻止活動と同等の活動であり、禁輸品の積載の疑いのある船舶に対して、積み荷、目的地を検査し確認する活動並びに必要に応じ当該船舶の航路または目的港もしくは目的地の変更を要請する活動ということでございます。
○山崎力君 それで、国連というふうなものの意味合いが一般にもある程度わかってきたと思うんですが、そうした場合、ここのところで二つの、先ほどから同僚委員の質問等にも答えられていましたけれども、要するにそれだけの国連のあれがあってやるんだよということになれば、国連の活動に日本が協力するといった考え方から出てきたものなのか、それとも日米防衛協力のためにこの船舶検査活動をするのか、位置づけが極めて違ってくると思うわけです。
  私の考え方では、もし国連の協力活動という、国連の決めた禁輸措置に協力するんだということになれば、日本周辺にこだわらないといいますか、とらわれない、まさにPKOと同じで、世界各国でそこのところを経済封鎖しようと国連が決めたことに日本が協力する、こういう形になろうと思うんです。
  そこのところでいろいろな問題点があろうかと思うんですが、これは両方とも成り立つ考え方でございまして、そこのところはどちらなんだということを詰めていただかないとはっきりした判断ができない、逆に言えばそこのところがこの間の三会派の協議で詰まらなかったのかなとも思うんですが、その辺についてはいかがでしょうか。

○衆議院議員(中谷元君) 普通の国でしたら、世界各国の活動において参加するかしないかという判断だと思います。ところが、日本の場合は過去全くそのような活動をしてこなかったという点がございます。四、五年前に北朝鮮で核開発の疑惑が起こった際、国連も非常に重大な問題だという認識で非常に緊張した時期に、国連の活動の一環として経済制裁をするのか、また日米間で経済制裁をするのかというところからガイドラインが非常に整備されて、この船舶検査が出てきた問題であります。
  当面は我が国周辺地域の安全に資するという見地でございますが、現実には今コソボにおいてあのような国際社会がかかわった紛争処理の活動をしているわけでございますので、この点におきましても、日本の皆さんが、日本がどういうかかわり合い方をしていくかという点については議論をする価値はあると私は思っております。
    〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
○山崎力君 法の形式論からいけば、まさにそこが一番の問題でして、我々は国連に対して協力するんだ、国連が経済制裁をすることを、安保理ですけれども、国連国連と言って恐縮ですが、決めたんだ、それに日本が協力するんだということであれば一つの考え方。それが日本の周辺であったからやる、別に地球の反対側まで来て協力してくれというケースはそれほど多くないだろう、やっぱり近場のところで協力できる国が経済封鎖に入る、これは、常識的にやれば、日本がその辺で国連に協力できるのは日本の近いところでそういった事態があったからかな、こういうふうに感じるわけです。
  今度の周辺事態関連法の中で、ここのところだけ国連安保理決議というものを持ってきて、それで周辺事態でそこだけ国連に協力すると。いかにも私は取ってつけたような感じがするので、私からすれば、やるならやるで国連全体でやる、ただしどこの経済封鎖に協力するかは、これは日本政府の判断でいいのではないかというふうな考え方の方がすっきりすると思うんですが、その辺についてはいかがでしょうか。三会派の考え方はその辺についてまとまっておりますでしょうか。

○衆議院議員(中谷元君) その辺については、まさに集団的安全保障の問題です。国連の決議がありましたら、国連の参加国が実施しているような普通の行動、武器の使用、武力の行使等もやるかどうかという点でございます。
  この点については、憲法問題、また国際的安全保障、集団的安全保障という見地で結論を出すべき時期が来ているんじゃないかというふうには思いますが、この法案をつくった時点におきましては、憲法が禁止する武力行使に当たるおそれのあるということで、警告射撃やらヘリの強制乗船においては見送ったということでございます。
○山崎力君 ということは、やはり国連が一般国に要望している経済封鎖、禁輸措置の遂行の船舶検査の中身、そこに着目すると、それに協力することは集団的自衛権の行使に当たる、こういうふうに皆さん方は判断された、こういうふうに解してよろしいんでしょうか。
○衆議院議員(中谷元君) この法案をつくった時点ではそれに抵触するおそれがあるということでございますので、全くだめだということではなくて、結論を見送ったわけでございます。
  しかし、自由党さんが主張しております国際的安全保障というのは、集団的自衛権の世界ではなくて国連活動でございますので、我が国の意思による武力の行使ではなくて、国際社会の正義を守る秩序の活動のための国権を離れた武力行使になるのではないかなという概念でございますので、この点についても議論を深めなければならない問題だと思います。
○山崎力君 そういうふうな御答弁ですと、幸か不幸かせっかく今回の法案から削除されたということでございますから、この問題について改めて三会派間で討議されて今国会中にも、私はちょっと無理だろうというふうに思っておりますが、そこのところを詰めてやられないと、結論を、そういった微妙な、近い将来いつかは国連協力、日本がどこまでするかという極めて重要な問題点、しかもPKOの問題も含めてあるわけですから、その辺のところを詰めた上で法案を提出する予定なのかどうか、お伺いしたいと思います。
○衆議院議員(中谷元君) この国会の会期が現在のところ六月十七日でございます。ガイドライン法案におきましてはこういう国会日程の中で参議院で非常に精力的に行われておるわけでございますので、この参議院の審議を通じまして、それぞれの三党の担当者、また幹部も含めまして精力的に結論を出すように頑張りたいと思います。
○山崎力君 と申しますと、結局これもまだペンディングで、一言で言えば懸案の先送りではないかなと思っておるわけです。
  こういった中で、非常に急いで、ほかの問題も含めてですけれども、今回のガイドライン関連法案をやりたいという政府の当初のもくろみと大分違ってきている。しかも、単に文章上の問題だけではなくて、表現上の問題だけではなくて、今回の船舶検査に関しては本当にこの法律というものの置き場所といいますか、体系上のどこに位置づけるのかということが、集団的自衛権の行使に当たるか当たらないかというまたぞろの問題と絡めてまだ決まっていない、こういうふうな実態であろうというふうに判断するわけでございます。
  これは、かなりやはり詰めるところは詰めていただかないと、一たん決まってしまえば、この国連安保理決議によりというのを入れるにしろ入れないにしろ、少しずつそごが出てくる可能性があると私は思います。はっきりさせた上で、できるんだ、あるいはここまでやれるんだということを私としてはせっかくつくるからにはつくっていただきたいと要望しておきたいと思います。
  続いて、ちょっとずれてしまうんですが、これとちょっと絡みもあるものですからお伺いしたいと思うんですが、外務省さんの方になろうかと思います。
  国際法上、これはコソボのことも若干頭に入っているんですが、いわゆる無差別爆撃とか攻撃、故意に民間人あるいは施設をねらったということでございますけれども、同じことの意味なんですが、これは今の国際法上許されているのか許されていないのか、そしてそれが相手方からそういうふうなことを受けた報復であるというような場合は許されるのか許されないのか、お答え願いたいと思います。

    〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕
○政府委員(東郷和彦君) お答え申し上げます。
  現下の国際法におきましては、文民保護というのが一つの基調になっております。その観点から、敵対行為に際して戦闘員と文民、軍事目標と民用物をそれぞれ峻別し、軍事行動はその対象を戦闘員と軍事目標に限定すべきであると。したがいまして、今日の国際法におきまして、委員御質問の無差別爆撃、これは文民や民用物を無差別に攻撃するということになるわけでありまして、原則として許されないというふうに考えます。
  ただし、この軍事目標の具体的内容が何か、それから無差別爆撃の具体的態様をどういうふうに考えるかと、こういうことに関しては必ずしも十分に明らかになっておりませんので、個々の事案に関しましては個々に判断する必要が生ずるということでございます。
  それから第二点でございますけれども、このような無差別爆撃、これが報復という観点でどう考えたらよいかということでございますが、対抗措置、報復、それから復仇等、国際法上幾つかの概念がございます。
  概略を整理して申し上げれば、国際違法行為ということがあったときに、これに対して国家は何らかの対抗行動をとり得る、それを全般的に対抗措置と考え、その措置の中には合法的な行動、これを一般に報復といい、違法な行動ではあるけれどもほかの国が違法な行動をとったことによってその違法性が阻却される、そういうような行動を一般に復仇というふうにいうのではないかと思いますが、その復仇の一つの形としまして、敵の交戦法規違反をやめさせその遵守を確保するために他の手段のないとき、やむを得ずみずからも交戦法規違反に訴える、これを戦時復仇というふうに一般的には呼んでおります。今日の国際法上、こういう戦時復仇というものは一般的に禁止されてはいないということでございます。
  しかしながら、この復仇というのは厳格な条件のもとで認められるものでございまして、敵国の違法行為をやめさせるため他にとるべき手段がないこと、それから復仇措置は敵の事前の違法行為との均衡を失するほど過度のものではないこと等の条件が満たされる必要があると考えます。
  また、個別の条約において、主として人道的な観点から、特定の復仇行為は明示的に禁止されている。例えば、一九四九年のジュネーブ諸条約によれば、この条約で保護される戦争犠牲者は復仇の対象としてはならないということになっておりますので、無差別爆撃が許容される場合でも、これは非常に限定的に考えられるべきだろうというふうに考えます。
○山崎力君 そういった中で、私が今回のことでちょっと気になっていたのは、先般来私の中でも出ているんですが、日本の国内法の整備が非常におくれておりまして、例えば国際法上、相手国の兵隊といいますか軍隊が我が国内で、どこの国でもいいんですけれども、今言ったような違法な戦闘行為をした場合、これをどう取り締まるのか。
  よく言われておりますけれども、いわゆる民族浄化作戦的なことをやるとかということに対してですが、警察権で対抗するのか、それとも軍隊が何らかの対応をとるのか、この辺が非常にわからないところなんですが、国際法上ではそういう点どのように考えておられますでしょうか。

○政府委員(東郷和彦君) お答え申し上げます。
  ただいま申し上げましたように、現下の国際法におきまして、国家間の武力紛争において戦闘員と文民を峻別する、これが基本的な原則でございまして、そこで私人の違法行為の取り締まりを任務とします文民警察官、これが相手国軍隊の構成員に警察権を行使したり戦争犯罪の取り締まりを行うということを目的としてこうした戦闘行為に参加することは想定され得ないということでございます。
  他方におきまして、武力紛争ということに相なれば、紛争当事国の軍隊構成員は、国際法上許容される範囲内で相手方軍隊の構成員を殺傷し、その装備兵器を破壊する等の戦闘行為を遂行するということになるわけでございまして、ただいまの委員の御質問に対しましては、一義的には軍隊の方が対処するということになると考えます。
○山崎力君 そうしますと、自衛隊の方の仕事になってくるということなんですが、これは防衛庁、今の自衛隊で法律的に対抗できるんでしょうか。いわゆる軍人ではあるけれども、やっていることは違法行為であって、何ら一般人の刑事犯罪行為と違わない、ただ向こうの軍人として日本に来ている。こういった中で、そういった者を警察官が取り締まれないとすれば、今外務省の方からお答えがあったように、軍隊、我々の常識で言えば自衛隊が対応するということなんですが、それは対応できる状況になっているんでしょうか。
○政府委員(柳澤協二君) 今の自衛隊法の中の規定で申しますと、防衛出動を命ぜられました場合に、自衛隊は必要に応じ公共の秩序を維持するための行動をすることができるとされておりまして、その際に治安出動時と同等の権限を与えられることになっております。
  したがいまして、戦闘行為として対応するのは、これはいわゆる犯罪の取り締まりとはちょっと異なると思いますが、こういうケースで、例えば犯罪の取り締まりという観点でどうするかといえば、そういう治安出動時並みの権限を持って相手の身柄を拘束するといった程度のことは可能であると思います。
  しかし、一般的に自衛官は司法警察職員とは異なりますので、いわゆる逮捕状を持っての逮捕といったような権限はございません。その辺はやはり警察機関とよく連携をとらなければならないんだろうというふうに思っております。
○委員長(井上吉夫君) 時間です。
○山崎力君 ということになりますと、戦争の最中に相手国の軍人が刑事犯罪を犯して、殺せばこれは別かもしれませんけれども、傷つけても、あるいは降伏したというか逮捕しても、その者を戦時捕虜としてではなくて刑事犯罪人として警察官を探して引き渡さなきゃいかぬ。その辺のところが、非常にやはりシビアな問題になってきたときに、そういうことが果たしてできるんだろうかなという気もいたしております。
  いずれにしろ、もう時間ですのでやめますが、どうもやはり一つ一つこの周辺事態の問題から想定されることを考えていきますと、日本有事には法体系がなっていないということが明らかになってまいりました。その点をこれからも少しずつ詰めながら、よりよい方向に持っていけたらと思います。
  以上、終わります。
(拍手)
(後略)