質問「『派遣法改正に労働者メリットはあるか』他

(平成11年5月27日参議院労働・社会政策委員会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 参議院の会の山崎でございます。
  非常に私、この問題に正直言って疎いものですから、基礎的なといいますか基本的なことを一つ一つまずお伺いするということで、今までも言われたことの再確認になる部分多いと思いますが、できるだけわかりやすく御答弁願えればと思います。
  まず、いろいろ言われているんですけれども、法律というのはいろいろな側面がありまして、細かく微に入り細にわたり切り分けていくところもあれば、大きな方針でどさっというふうにやるところもあろうかと思うんですが、今回これがどっちなのかなと。意外に影響が全体と見ればないのかもしれない、逆にそういった場合でもある部分に関しては物すごくしわ寄せ的に集中的に影響が出てくる部分もあるかもしれない、その辺が見えてこないなというのが最初の実感でございます。
  そういった中で、まずお伺いしたいのは、いろいろ言われておりますけれども、いわゆる働く側にとって働き場所その他自分が働きたいということの選択肢、選び方が多くなるのではないかというふうに言われているんですが、本当に逆に労働者にそういった要望があるだろうかというところが見えてこない部分があるわけでございます。ですから、労働者の立場に立って今回の派遣法の改正がどういう要望のもとにあったんだろうか、それとも別の雇用者側とかそういったものからの要望なんだろうか、その基本的なところをまずお教え願いたいと思います。

○政府委員(渡邊信君) 派遣の適用対象業務の拡大ということにつきましては企業の方からも要望があるわけでありますが、今御質問の労働者側にとってどうであろうかということにつきまして、既に現行行われております二十六業務、この派遣に従事する労働者の方から平成九年に実態調査を行ったものがあります。
  これは複数回答ですけれども、派遣労働というものを選んだ理由としてメリットとして挙げていただいた理由の高いものから申しますと、まず、働きたい曜日や時間を選べるから、こういった理由が一番多くなっております。それから次に、働きたい仕事の内容を選べるからというふうなものから、仕事の範囲、責任が明確である、働く期間を限って働ける、それから働く企業、職場を選べる、あるいは会社の人間関係に煩わされたくない、こういったものもあります。こういったように、これは複数回答でございますが、特にこれは登録型に強い希望かと思いますが、自分の技能、特技を生かして働きたいときに希望する職場で働ける、こういったことについてメリットを感じておる派遣労働者が多いというふうに見ております。
○山崎力君 それはそういうことのあれだろうと思うんですが、私がその点についてお聞きしたいのは、今までの二十六業務に関するところはそういうことでしょうけれども、それを広げて、先ほどから言葉で言えばネガティブリスト化、そういったことにする、そういった要望が労働者側からどういうふうに出ていたんだろうかという意味なんですが。
○政府委員(渡邊信君) 今申しましたのは確かに現行派遣が認められておる二十六業務に従事する方ですが、ここで述べられました働きたい曜日時間を選べる等々の派遣を選ぶ理由というものは、これは現行二十六業務に限らず一般的に派遣という働き方があればそういったものに対するメリットとして挙げられる理由ではないかと思います。
  現在二十六業務だけですから、これを拡大したときにどういうふうになるだろうかということはなかなか予測しがたい面が確かにあるんですけれども、現在いろんな多様な働き方が生じてきておるのは確かでありまして、例がいいかどうかでありますが、フリーアルバイター、フリーターというような方も大変現在多くなっています。
  失業率四・八の中身を見ますと、百万人ぐらいは失業の理由というのがその他ということで、これは業を失うというよりはこれから仕事を探す、求職活動をしていて失業者に計上されている方ですが、このその他の約百万人という方は、通常家庭の主婦でこれから仕事に出ようという方だというふうに言われているんですが、実際には半分くらいは男性なんです。ということは、今まで仕事をしていなかったけれどもこれから働こうという、そういった約五十万人ぐらいの男性の中には相当のいわゆるフリーターというような働き方をしている人もいるというふうに見ております。
  したがって、そういった仕事を現在しておる方から見ると、派遣の登録ができれば、一々その都度事業場を訪ねたり一々安定所に来ることなしに、登録をしておればそこで訓練も受けられ派遣も受けられる、そういった潜在的な需要というのは相当数あるのではないかというふうに考えております。
○山崎力君 もう一点、今回の改正ですが、ILOの百八十一号条約ですか、そういったことの批准と絡んで国際的な動向に沿うものというふうな御説明のようであります。
  そういったところで、国際条約ということで世界の流れといえば流れなんでしょうが、先ほども同僚議員からも一部重なる質問が出ておりましたけれども、労働市場として見た場合、欧米の市場と我が国の従来の市場というものが相当違ったものであるというふうに、事実そうかどうかわかりませんけれども、意識として我々の中にそういうふうな意識がある、思いがある。我々の言う年功序列、生涯雇用という、そういったものが欧米ではそれほどなっていない。非常に労働力の流動性が高い。
  そういった中で、日本の市場がそっちの方向に行く可能性があるので、それに沿ったものだろうというふうなこともあるとは思うんですけれども、それでは、具体的に今回の改正で、労働者にとって労働者のこういった派遣を非常に広げるということがどのようなメリットがあるか。先ほどの御答弁でいろんな雇用形態が選べるということはわかりましたけれども、そのほか何かメリットがあるんでしょうか。

○政府委員(渡邊信君) 派遣労働は、特に若い方を中心にして現在も就労者が多いわけでありますが、そういったことだけではなくて、例えば高齢者の方について、なかなか再就職が難しいし、安定所に来る求人も若い人に年齢を絞っているというような例が多いわけでありますが、例えば高齢者の方がこれから自分の知識、経験を生かして広い分野で働こうというときに、例えば派遣は一つの働き方になるのではないかというふうに思っています。そういった派遣の形態を通じながら、派遣先の企業で高齢者の雇用が行われるというふうな点も例えば考えられるのではないかというふうに見ております。
○山崎力君 今の二つの私の質問に対するお答えを通じてちょっと見えてこないのが、それだったらば本当に全部ネガティブリスト化すればいいじゃないか、何ゆえに二十六業務を残したんだと。それから、それだけではなくて、港湾運輸、建設、警備というものも外したんだと。用意ドンでやるなら全部きれいに外して全部ネガティブリスト化してやればいいんじゃないかというような考え方が出てこようかと思うんです。
  あるいは、二十六業務というものが今までの流れの中で決まっていった。それとは別に、今回ネガティブリスト化するということなんですが、二十六とはちょっと違った形になってきているわけですね。両業種といいますか、ネガティブリスト化されたほかのところと二十六業種はまた違った扱いをされている。それだったら、今度広げるところの業種、何があるかは別として、そこを選んで、二十六業種の今までの従来の業種にプラスして三十とか五十とかにしてもいいのではないか、あるいは二十六を減らして十五とか十にしてもいいのではないか、当然そういうふうなことが考えられるわけですが、その辺の理由をちょっとお聞かせ願いたいと思います。

○政府委員(渡邊信君) 派遣労働について、これから検討してこれから新規立法するんだということになればこういった形には恐らくならなかっただろうというふうに私ども考えておりますが、この派遣労働は専門的な労働等につきましてまず出発をした。それについては、労働市場において、常用労働の代替等の問題はないのではないか、あるいは専門的な能力を即戦力としてすぐに活用したい、こういった企業のニーズもあるのではないか、こういったことで、いわゆるポジティブリストとして二十六、これも途中でつけ加わって二十六業務になったわけでありますが、専門的なもので認めていくものについてこれを列記するという形で始まって現在二十六業務。
  先ほどからお話がありましたが、八十六万人くらいの方、複数登録もあるので実際には数十万の方が現在の派遣労働に従事をしておられると考えるわけでありますが、この二十六業務の扱いについては、既にそういった方がその労働市場で働いておられるというふうなこと、あるいは専門的能力の活用、臨時の活用という要望自体は現在もあるわけですから、これを廃止するという考えにはならなかったわけであります。それではそれを一つずつまた拡大していく方向ももちろんあるでしょう。ただ、ILOにおける国際的な議論も踏まえ、また我が国における短期労働市場での需給の調整の必要性、こういったことから、今回の立法過程におきましては常用代替の防止あるいは派遣労働者の保護充実、こういったことを行いながら、派遣労働については短期労働力として広く適用対象とするという考え方に大きく転換をしたわけでございます。
  ただ、その中でも港湾、建設あるいは警備の業務、こういったものについては除外をし、さらに政令でも除外できるもの、余地を開いておりますが、これはそれぞれ、例えば港湾運送業務については別個の法律によりまして需給調整システムがあるとか、建設業務については残念ながらいわゆる手配師の横行がまだ見られる状況にある、こういったこと等それぞれ勘案されまして、原則自由にするけれども一部こういったものについてはなお禁止をする、こういったふうな改正案の内容となっているわけであります。
○山崎力君 その事情はわかるんですが、法律をこういうふうにつくるということになれば、一つ一つ事情があるのは除いておいて、あとのところはこういうふうにやっていきましょう、こういうことであるということは私でもわかるわけですけれども、最初に特殊なものといいますか例外的なものがぼんぼんぼんと。港湾運輸から始まったそれぞれの大きな業種の抱えた問題点、それを解決するための個別法があって、その次にポジティブリストの二十六業種があると。それで、ほかのところで全体的にいろいろな問題があるかもしれないけれども、流れがこうなっているから今回ネガティブリストでどんと、ほぼ特殊なものを除いてはやっていきましょう、そういうふうな方向ですというふうに言われているわけです。今、それがいいか悪いかというのが非常に難しいところに今回のこの問題の難しさがあろうかと思うんですが。
  先ほどもおっしゃったんですが、ILOの条約のことの論議の中でこういうふうな方向になったということなんですが、本条約、ILOの総会で採択になったわけでしょうけれども、ILOというのは、大体西欧先進国が中心になっていろいろ労働条件その他そういった問題を討議して方向づけをしているところであるとは思うんですが、もうちょっとその辺の、今回の背景になったILOの論議、その経過というものを教えていただけませんですか。

○政府委員(渡邊信君) 従来のILOにおきます民間職業紹介事業等に対する考え方は、これは日本も批准をしております九十六号条約というところにあらわされているわけですが、民間の職業紹介、こういったものについてはいろいろと弊害が大きいというふうなことで、従来はILOにおいては、こういった民間職業紹介といったものは漸進的に廃止をしていくとか、あるいはこれを禁止するんだ、こういった方向でありました。
  しかし、戦後長い期間たちまして、各国における状況ももちろん変わってきました。こういった状況を踏まえて国際的にも、むしろこれは民間の活力を活用するというふうな方向に大きく転換をし、採択をされたのが一昨年の百八十一号条約というふうになっているわけでありまして、そういった点では国際的にも、民間の例えば職業紹介機関、さらに今般は職業紹介だけではなくて労働者派遣も含めて、そういった条約の内容になったわけでありますが、こういったものを広く活用して失業対策、失業の防止に努めようではないか、こういった思想で大変大きな転換をしたんだというふうに思います。
  あわせて百八十一号条約では、労働者の保護というふうなことに十分留意をすべきであるという規定を入れまして、民間の活力といったものの活用とそれに従事をする労働者の保護、こういったものを大きな二つの柱にして、世界でこういった基準が適用されるように、そういった趣旨で採択をされ、我が国の政労使もこの条約については賛成をした、こういった経緯がございます。
○山崎力君 その辺のところはある程度の理解はしているところでございますけれども、ただ、これはひとり言といいますか、お答えはしなくて結構ですけれども、そういうふうなお答えをいただくと、そういえばILOの条約というのはたくさんあって、そのうち全部日本はまだ批准しているわけではないですよね、中身についてはあれですが。
  それで、随分今回のことに関してはすんなりこう、それで法改正に持ってきたな、何かそこにあったんだろうかと。今のお話でも、世界の流れというのはもう少し、民間に任せておいてはいかぬというのを、今までと違ってこれからは民間をもっと信用して、そういうふうなものも許すべきではないかという中身だ、大きな転換であったと。はやり言葉的に言えば、民活という言葉にも持ってこれそうに思うわけですけれども、民間活力をやるためにいわゆる労働者の派遣業務についてもやってもいいんじゃないか、そうだそうだと。そういうような感じで来たんじゃなかろうかなというふうに受けとめてしまうわけです。
  そこのところで問題になるのは、常用雇用の場を減少させる可能性がある、これは可能性ですからあるといえばあるわけですが、そういうおそれを抱いている方はかなりおられるわけです。別に常用雇用が少なくなるということ自体が悪いかどうかというのは、終身雇用制という我々の今までの慣行が薄れていく、それがある種のグローバル化にもつながるからむしろいいんだという考え方もあろうかと思うんです。
  ただ、普通に言われている常用雇用の場を減少させるというのは、それが低賃金あるいは労働条件の悪化につながる、あるいは安心して働けない、いつ首切られるかわけわからぬというような形につながりかねないという不安が、これはどうしても可能性としては十分あるわけでございまして、それを消すといいますか打ち消すメリットというものがあるとすれば、こういう新しい民活的なことをやることによって、今まで雇用のないような人、先ほどもおっしゃっていらしたが若年とか高齢者、そういった方たちに雇用の場を創出する効果があるのかもしらぬ。こういうふうなことは考えられるわけですけれども、今回の改正でどの程度それが現実化していくものだというふうに労働省はお考えなんでしょうか、そのバランスについて。

○国務大臣(甘利明君) 今まではどちらかといいますと専門的な分野、業務に限られていたものを基本的に解禁するということになります。それが雇用創出効果がどれくらいあるか、あるいは常用雇用、正規雇用をむしろ減じてしまうようなマイナス効果はないか、その両方を足し算引き算してみるとどういうことになるのかという御指摘かと思いますが、私はこう考えているんですが、ある部分で一時的、臨時的に補強をしたい、だけれども、こういう厳しい環境下だし正規雇用で補強するにはとてもお金が払い切れない、だからあきらめるという部分の雇用創出効果というのはあると思います。ただし、それも諸外国の例を見て、べらぼうに派遣の比率がふえていくということはあり得ないですから、今の失業率を改善するのに飛躍的に役に立つとは正直言って思っておりません。ただ、そのことによって企業が新たな展開ができる、競争を勝ち抜くことができるという効果はあるかと思いますし、それによってその後に正規雇用が拡大するという効果もあるかもしれません。
  一方で、正規常用雇用が取ってかわられてしまう、それは実は衆議院での議論でもいろいろ御指摘をいただきましたし、参議院でも先ほど来、その点が非常に心配だという御指摘をいただいております。私ども、一人もありません、完璧にということまでは言えませんけれども、極力そういうことが起こらないような工夫をしていくと。衆議院での修正もいただきまして、そういう懸念が極力少なくなるような穴埋め策をしていくということで対処をしていくつもりでありまして、プラス・マイナスしてみれば雇用創出効果は当然プラスに働くというふうに思っております。
○山崎力君 そうあっていただきたいわけですけれども、その辺のところ、費用対効果の問題というのをこういうことで持ってくるのはいかがかと思うんですけれども、いろんな工夫でそういうふうな常用雇用の減少に歯どめをかけたいとおっしゃる、それはもう立場になればそうするのは当然なんですが、その辺の工夫のコストというのはかなり必要ではないだろうかという気もするわけです。そのコストを別の方向で使えば、逆に言えば、変な言い方をすれば、もっと職業安定所の方に振り向けた方がある意味では雇用をふやす効果があるのかもしれないということも言えるわけですね。
  ですから、その辺のところの計算といいますか、今回のやったことというのは、いろんな流れの中で出てきたというのはよくわかるんですが、じゃ、これはこのためにやっていいことですね、みんなこの方向でこれから国じゅうがやっていきましょうというような形のものではない。いい面もあるかもしれないけれどもかなり不安定な面がある。その辺を手当てしなければいけないんだ、そこまではみんな共通だろうと思うんです。
  ある意味では、その問題点の方が大きいからこれはやめろという意見も当然出ているわけですが、進めるべきだという人もその問題点があるということは重々認識してきめ細やかな対応策をとらにゃいかぬと。非常にそういう意味では厄介な今回のこの問題だろうと私は思っております。
  今回のあれでいけば、まずこれをやったときに、私どもの何十年か前、最近もそう変わらないと思うんですが、企業が、今就職試験のシーズンでいろいろリクルートを大学生がやっている、あるいは高校のところもやっている、そういった中でどうやって採るんだろうというようなことも、昔とは大分違ってきているような部分はありますけれども、これもつぶやきとしてお聞き願いたいんですが、自分が本当に大量な人を雇わにゃいかぬ大きな企業の人事責任者だったらどうするかなと。
  今回できたら、そうだ、うちの子会社で人材派遣会社をつくろう。そこへ我が社に入る予定の希望者を全部入れよう。そこから今までの新入社員のような形で我が社に入れて様子を見よう、一年間だと。一年間たって、使えそうな人は正規に採用する、そうじゃない人はお引き取り願う。あとは人材派遣会社で適当に、その方はほかの会社に行くなら行く、切りかえると。そうすると半年間の試用期間、それも特段の事情がない限り試用を取り消すことはできないという判決をクリアすることができるというようなことも頭に浮かぶわけなんです。
  そういった点で、非常にこれ、いいこともあるのかもしれないけれども、この道具、ツールという言葉を使いますが、この法律は今みたいな使い方もできるんじゃないかなと。逆に言うと、そういうのがこれからの企業のあり方の一つの時代だ、それが世界の中で我が国の企業を生き残らせるための一つの手段であるというふうにもとれるところが難しいなと思うところなんです。
  そういった点で考えてみれば、企業が少なくても直接採用してその責任を持つ、採用した責任、人を見る責任を企業が今まで相対の関係で持たなければいけなかったある種のパートタイムとか臨時雇用というものがこういった派遣労働に置きかえられてくることだけはこれは間違いないんじゃないか。労働省はそれでいいと考えているのか、いや、そこはちょっと別の問題だと考えているのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。

○政府委員(渡邊信君) 今御指摘のようなケースは、新たに人を採用するときに、例えばそういう手段として使う、あるいはそういったことだけではなくて、今までいた常用労働者を子会社の方に移してそこから専ら派遣を受けるというようなケースが実際にも想定されるわけであります。現行法におきましても、そういった専ら特定の企業にだけ派遣をすることを目的とする派遣会社の設立、これは禁止をされておりまして、労働大臣がそういうものがあった場合には改善の勧告をできるというふうになっているわけであります。
  今般の改正でそういった点も懸念されるところから、許可の基準の中に、専ら特定の企業にだけ派遣をするという企業についてはこれは許可の基準から外す、許可をしないということに新たに規定をしておりますし、運用におきましても、許可をするときにそういった派遣をしないということを許可の条件にするということにしようというふうにしておりますので、そういった事例があった場合には条件違反ということで直ちに許可を取り消す、こういったことで臨みたいというふうに考えておるわけでありまして、派遣がそういったことの手段に使われるということについては厳にこれを抑制したいというふうに思います。
○山崎力君 私の質問、ひとり言の方に答えていただいて、そうじゃないところの方には、質問の方には答えていただけなかったんですけれども、ひとり言に今せっかくお答えいただいたんですが、そんなわかるような形で、今の労働省がわかるような形でやりませんよ。
  例えば、持ち株会社があって、企業といったって、会社、幾つ一つの会社であるんですか。三菱系統の会社、全部それをやって、採用して、その三菱系統の何十社、何百社あるところへそれをばらまいてそれでやろうとしたときに、特定の企業と言えますか。あなたの企業は三菱系でそこのところへやっているんだからと。三菱という言葉は、これはどこでもいいんですけれども。一社だけやればそれはだれだってわかるんだけれども、それが五社、十社、二十社、企業グループでそれをやったら、あなたの人材派遣会社はそこの特定の企業にやっているから違反だと言えますか。そういうことをわかりやすく非常に単純に言ったからそういうふうに言ったので、しかも私はそのことはそういうことを含めた上で、お答えいただかなくても、いただくような筋じゃないから私はひとり言ですと言ったんです。
  私の質問は別のところにあったということは御記憶なかったですか。

○政府委員(渡邊信君) 大変失礼をいたしました。
  ただ、先ほどの点について少し追加いたしますと、複数の企業でありましても、その複数の企業が特定されているというふうな場合にはこれに該当するというふうに考えております。
  それから、試用ということにつきましては、これは一般論になるかと思うんですけれども、派遣先で働いてみて双方がこれはなかなかいいというようなことで意思が合致をしてその会社に就職をするということはあり得ると思いますし、今般も一年を超えて働いたときには労働大臣がそういう雇用の勧告をするという仕組みをつくったわけであります。
  ただ、一般的に申しますと、先ほどの議論に出ておりましたが、派遣、特に登録型の派遣労働者というのはその就労についてメリットをいろいろ感じて、みずから志向して登録型派遣の道を選んでいるという方も大変多いわけでありますから、一般的に言ってこれが試用期間代替というふうなことにはならないかと思います。
  ただ、派遣労働者の中には、正社員になれないから派遣をやっているという方ももちろんおられるわけでありまして、そういった方について、これも一般論ですが、そういったことを通じながら正社員になっていくというふうな道はあろうかというふうに思います。
○山崎力君 時間ですので終わりますが、私の質問は、直接雇用、企業が今までの相対で労働者を雇うという、企業の責任で雇うというのでなくて、そういったパートタイム労働でなくて、そういった人たちを、採用責任といいますか、そういった責任を回避するためにこういった派遣会社を使うようになるんではないかという、それについて、そういったことの方向に行ったとしても労働省はそれでいいと思っているんですか、悪いと思っているんですかというのが私の質問でありまして、今のお答えも私のひとり言に対する御回答だということで、質問を終わらせていただきます。
(後略)