質問「『防衛政策のあり方について』他

(平成12年3月14日参議院外交・防衛委員会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 両大臣の所信表明になるべく沿って質問していきたいと思います。
  同僚議員の質問の内容も事前通告等に含まれておりますが、なるべくそれは省いていきたいと思っております。
  今、外務大臣は席にいらっしゃらない状況ですので、まず防衛庁関係の方を中心に質問をさせていただきたいと思います。その前に、こういった委員会の議論を深める観点から、単に私の質問に答えるというだけでなくて、私の質問の内容自体に、価値観的でもいいですし立論点でもいいんですが、疑念等があれば積極的にそちらの方から御指摘いただくということはむしろ大歓迎でございますので、御遠慮なく発言していただければと思っております。
  ただ、時間の関係もございますものですから、その際の答弁あるいは発言等はできるだけ簡潔にお願いしたいということです。まず、こちらの方の基本認識という点から発言をさせていただきたいと思います。
  御承知のとおり、ことし巷間言われましたミレニアム、二〇〇〇年、二十世紀から二十一世紀への橋渡しの年であるというふうに言われておりまして、我が国の外交、防衛を取り巻く環境というものも、大きな変化を必然的に起こすであろう、起こす可能性があるという状況が取り巻いております。
  もちろん、私どもの日本においてはことしじゅうに確実に衆議院の総選挙がある。アメリカでは大統領選挙がある。そして今週末には、一番ある意味では中期的に日本の周辺の中で問題となり得る中台関係を大きく左右する台湾の総統選挙がある。あるいは韓国で総選挙がある。またロシアでも大統領選挙がある。こういうふうに、我が国自体だけでなくて周辺も大きな変化の年になろうとしております。
  そういった中で、まず防衛庁長官の所信表明の中に、我が国を取り巻く中において、多くの国々が経済力の拡大などに伴い軍事力の拡充、近代化に努めてきたと。残念ながら、ポスト冷戦後いろいろな問題を抱えておりますが、そういったような状況にあるわけでございます。
  そしてまた一方、外務大臣の所信の中においては、人類は民族、宗教といったそれぞれの帰属意識の相克を乗り越え、対話と協調により問題を解決していかなければならない、このような観点からの発言がございました。
  そういった点からいって、これは後で質問の形で触れさせていただきますけれども、我が国を取り巻く東アジアの軍事情勢といいますか、そういった安全保障体制をどうするかという基本的な問題、それに我が日本がどう対応していくのかということをこの際もう一度考え直してみる時期ではなかろうか。ちょうど中期防の締めくくりのときでもあります。
  また、国民の感情といいますか、先ほども同僚議員から出てきた自分たちの気持ちの問題をどうするかというところをもう一回振り返った場合に、やはり我が国が、憲法自体を考えようという問題も国会内において行われるようになったということもございますけれども、今一番ある意味で大きな問題というのは、平和というものに関して、戦後我々はまさに敗戦国の国民として、しかもその戦争を起こしたということが世界じゅうから正義ではないというふうな指摘を受けたことに対しての総括をずるずる延ばしてきた。これの一種の総括としての表現が日本国憲法であったんでしょうけれども、その問題点が今まではある種のタブーとしてなかなか表面化してこなかったものが、半世紀を経てこれでいいのかね、もう一回考えようという時期に来たということが一番大きな背景としてあるんではないかと思っております。
  そして、そこのところで、外交問題を含めて一番基本的にあるのは人の命、人命が大切だということの位置づけであると思っております。人の命は地球より重い、巷間そういった説がありますけれども、もちろん国家というものは人が存在しなければ成り立たないわけですから、人の命というものは極めて大切なものであることは間違いないし、私どもも日本人として、戦後特にそういった点での教育あるいは世間的な風潮というものをほぼ確立しております。あるいは、西洋においてもそういった歴史的な背景で出てきてはおります。
  しかしながら、限られた人の命というものよりも、もっと重要なものがあるのではないかということの方で事を起こされたときにどう今の国際社会、現代社会が対応するのかということに関しては極めて脆弱な対応しかないというふうなことが、私自身、長期的に見て今現在解決しなければならない、あるいは解決までいかなくても真剣に考えなければならない問題だと思っております。その一つの例が私は中台問題であろうと思っております。
  台湾が独立宣言をしたら必ず戦争になる。人命が失われない戦争というものはあり得ないわけです。台湾の独立を黙認すれば、少なくとも中国大陸あるいは台湾における人命というものは損なわれることはない。しかしながら、中国政府はそういったことを、台湾側が今回の総統選挙で直というふうには思いませんけれども、宣戦布告する、戦争をやると言っているんです。すなわち、一つの中国というものは限られた人命よりも大切だという価値観を彼らは明白に世界に対して発信しているわけでございます。
  もっと古い私どもの若い時代のことでいえば、民族の独立は何物にもかえがたいということにおいて、当時の北ベトナムは南のベトコンと称された人とともに世界のアメリカに対してあれだけの犠牲を払いながらベトナム戦争を戦い抜いた、こういう事例も現実にあるわけでございます。
  そういった中で、これからどうしたらいいかということで、私の基本的な考え方から発した質問をこれからさせていただきたいと思います。
  まず最初の問題ですが、確かに経済力をつけた東アジア、特に中国の軍事力の近代化、拡充とは言いませんが、近代化はある意味で目をみはるものがございます。そういった点について、防衛庁長官の基本的な御認識から伺っていきたいと思います。

○国務大臣(瓦力君) 山崎委員にお答えをいたします。
  今、委員からお話がありましたように、ミレニアムといいますか、大きな音を立てて冷戦後の国際的な軍事情勢あるいは経済情勢に変化が見られるわけでございまして、今御指摘のように、アジアにおきましての変化というものをどうとらえるかということは極めて重要な課題だと認識をいたしております。
  不安定な要因も数々ございますが、アジア太平洋地域の多くの国々におきましては、振り返ってみますと、一昨年以降の通貨・金融危機などの影響を考慮する必要がございますが、それまで著しい経済成長がこの地域で見られたわけでございます。そして、このような成長を背景にいたしまして、国防費の増額あるいは軍事力の拡充、近代化が行われてまいりました。
  とりわけ中国は、軍事力において量から質への転換を図り、核戦力及び海空軍を中心とした全軍の近代化を行いつつあります。近代戦に対応できる正規戦主体の体制へ移行しつつあるわけでもございます。しかしながら、中国は経済建設を当面の最重要課題といたしておりますことや財政赤字に直面していることなどから、軍事力の近代化は今後も漸進的に進むものと、かように見られます。
  いずれにいたしましても、このような各国の軍事力近代化の動向につきましては、私どもとして今後とも注目しておく必要がある、かように考えるわけでございます。
○山崎力君 それで、具体的な話に入っていきたいと思いますが、自衛隊の次期防と言っていいと思いますけれども、来年度予算その他含めて、これからの自衛隊をどうするかといったときに一つ大きな問題は、これだけ動いている近代化、動きの速くなった近代化、といってもちょっと旧来の近代化とは違いますが、そういった中でどのように自衛隊の装備あるいは訓練あるいは国民との会話というものをしていくか、情報交換をしていくかというのが、いわゆる従前のことをそのまま遅滞なくやっていればよろしいという形の行政手腕ではなかなかうまくいかなくなった。ほかの省庁でも、そういった部分でぼろが出てきてその立て直しに四苦八苦している、こういう状況にあるわけです。
  そういった中での具体的な問題でいえば、さきの東海村の事故のときに原子力災害に対して自衛隊が対応できなかった、そういったことでどうするんだということが現実にございました。また、ゲリラコマンド攻撃あるいはNBC、もちろんその中のNの核というのは先ほどの東海村と密接に関連するわけですけれども、そういう点、今までどのような点が不足というか問題があったのか、そして今後どのようにそれに対して対応していこうという考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。

○政務次官(依田智治君) お答えさせていただきます。
  自衛隊の任務というのは、あくまでも正面はやっぱり防衛、しかし必要に応じて公共の秩序維持に当たるという任務を持っておりまして、今、山崎委員御指摘のように、東海村のような原子力事故、治安は警察、防衛は自衛隊、しかしゲリラコマンドというのはそのすき間に生ずるような事案でございます。そういう点で、従来の自衛隊の装備とか訓練という面ではやや不足しておった。ややというか、むしろ大幅に不足しておった面があるということでございます。
  まず、御指摘の原子力災害、中性子線等に対応できなかったというような問題もございまして、十一年度補正予算では百五十二億というような予算を計上していただきまして、検知器材、防護装備、情報収集、緊急医療、除染、住民避難支援、こういったような予算をつけていただき、また十二年度予算においても、化学防護車や除染車の増強とかいろいろ教育体制の整備等、さらにNBC対処というようなことで、それに絡む研究とか装備の充実というのに努めておるところでございます。
  正面は防衛と言いながら、その持てる力を、いざ大災害とか通常の警察力等によって対応できないようなものはやはり自衛隊がバックアップできるしっかりした体制をつくるということが大変重要だというようなことで、今努力しておる状況でございます。
○山崎力君 この問題が非常にやっかいなのは、単に軍隊同士の戦闘に使われるというよりも、むしろNBCというのは民間人を巻き込む前提の兵器と考えなければいけないところがございます。
  そういった中での民間防衛、そういった体制というものはどちらが対応するのか。防衛庁がやるのか警察がやるのか、そういった点もこれから真剣に取り組めば取り組むほど大きな課題として出てくると思います。そういった点も含めて、これからの次期防の中でどこまでやれるかどうかわかりませんが、真剣に御議論願いたいし、あるいはその成果を早いところ我々あるいは国民の前に明らかにして、協力、理解を得るという姿勢をとっていただきたいと思います。
  そして、その具体的な中身で、次期防の整備計画の問題でございますけれども、今検討中ということで具体的なアウトラインというのはなかなか見えてきていないと思いますが、ただ、今までの情報といいますか報道等でも、空中給油機をどうするんだ、偵察衛星にどこまで関与するんだ、あるいは弾道ミサイル防衛をどうするんだというような大きな、プロジェクトと言うと言葉が変ですけれども、課題が山積みしている状況にございます。
  その辺について、今の現状、どの程度検討されているのか、明らかにできる範囲で結構ですから、お知らせ願いたいと思います。

○国務大臣(瓦力君) お答えいたします。
  現行の中期防衛力整備計画、いわゆる中期防は、平成十二年度で委員御承知のとおり終了するわけでございます。次期防は、十三年度以降、中期的な防衛力整備ということになるわけでございまして、今後の政府の検討に係るものであり、現在お答えできる段階にはございませんが、今、委員から御指摘の例えば空中給油機能につきましては、昨年十二月十七日の安全保障会議におきまして、次期防において速やかに整備を行うこととすること等が了承されたところでございます。防衛庁としましても、これを踏まえて適切に対応していきたいと考えております。
  また、弾道ミサイル防衛についてもお尋ねがございましたが、平成十一年度から海上配備型上層システム、NTWDを対象とした日米共同技術研究に着手し、平成十二年度も引き続き所要の予算計上をしているわけでございます。なお、開発段階への移行、配備段階への移行につきましては、これも委員御案内のとおり、別途判断をするということといたしております。
  さらに、自衛隊の情報収集態勢につきましては、防衛大綱にもありますとおり、情勢の変化を早期に察知いたしまして機敏な意思決定に資するための高度の情報機能を保有しておくことが重要と、かように考えているところでございます。
  なお、情報収集衛星の導入は、内閣官房を中心として政府全体で取り組んでいるところでございまして、防衛庁としては、これまでの画像情報業務を通じまして得た知見を活用しまして、情報収集衛星の運用態勢の整備等の面におきまして積極的に協力していきたいと考えております。
  いずれにいたしましても、中期的な防衛力整備につきましては、自衛隊に与えられた任務を適切に遂行するという観点から、防衛庁としてもしかるべく検討してまいりたい、かように考えております。
○山崎力君 続いて、防衛庁の省への昇格問題について一言お尋ねしておきたいと思います。
  この議論というのはいろいろ今まで言われてきて、皆さん方議員各位並びに当局においても、議論の論点というものはすべからく出尽くした感がございます。問題は、いわゆる形式的な庁から省にということと同時に、それがある種の日本の軍事力強化というものの意思表示として外国に伝わるのではないだろうか、あるいは周辺諸国、そういったものだけでなくて国民にもそういった不安感を与えるのではないかという議論がございます。それが一つの大きな難点。
  ただ、実質的にそれじゃどうなのかということになると、非常にみみっちい話をすれば、六本木から市ヶ谷に移って防衛庁の住所が変わるときに名前も変われば、後で変わるよりも印刷代が少なくて済むねというようなことも言えるわけでございます。後でちょっとお金の話は触れさせていただきます。
  そういった誤解が、誤解と言えるかどうかは別として、懸念をいかに払拭して省に昇格させるかということは、これはやはり行政当局として考えなければならない、我々とまた別の立場で考えなければいけないことだと思いますが、どのようにその辺のところ努力される予定なのか、お聞かせ願いたいと思います。

○国務大臣(瓦力君) 委員十分御案内のことでございますが、行革会議の最終報告におきまして、これは平成九年十二月三日でございますが、「別途、新たな国際情勢の下におけるわが国の防衛基本問題については、政治の場で議論すべき課題である。」、かようにされたわけでございます。
  私といたしましては、政治の場で速やかに真剣な議論がなされることを期待しておる旨累次申し上げてきたところでございますが、いろいろ議員立法の動きも一面にはございまして、政治の場での議論がある面では活発に行われ、深められておるというぐあいに考え、望ましいことと思っておるわけでございますが、でき得れば広く国民の支持が得られるような、そういう体制でなければならぬと考えております。
  防衛庁が省に昇格する場合におきましても、専守防衛に徹して他国に脅威を与えるような軍事大国にはならない。我が国の防衛政策に変わることはございませんし、また国民や周辺諸国に誤解が生ずることはないと考えておるわけでございますが、私どもとしましては、十分にこれらのことも踏まえて広報活動にも気を使っていかなければならないと思っております。
  いずれにいたしましても、我が国の庁から省への昇格の問題というのは、アジアの安定のために資するこれからの努力、そういったものも踏まえ、また多くの国民の理解、支持を得て、庁が省として動き得るような体制は望ましい姿である、私はかように考えておりまして、御理解が得られるように努力を続けたい、こう考えておるところでございます。
○山崎力君 先ほど言いましたお金の問題について、余りお金のことについてどうこうということは言いたくない部分もあるんですけれども、やはり国防も予算と無関係でないどころか大いに関係のある部門でございます。国民側とすれば、これは保険と同じですけれども、最小の掛金で最大の効果があるようにというのはだれでも思うものでございます。
  そういった中で、自衛隊・防衛庁その他についてもここずっと同じような形でやってきて、本当にその辺の行財政改革の一環としての見直しが進められているんだろうかということについての疑問というものは、先ほど同僚議員からの発注の問題にもございましたけれども、その疑念というのが沸き上がっている。それをどうしたらいいかというのはなかなか見えてこない部分もあろうかと思います。そのことについては後で外務省さんの方にもお尋ねしますが、一つは在日米軍の駐留経費の問題あるいは普天間基地の移設の問題、これも金額的にいうと莫大な金額になるわけでございます。
  これは申しわけないんですが、国防の意味での自衛隊という立場からすれば、これは別枠でなければならないはずでございます。その辺のところをどういうふうにやっていけるのか。財政当局に防衛庁としてはお願いする立場ですから、その辺のところは努力するとしか言いようもないことはわかって、質問することではないんですけれども、例えば十五年の問題にしても、そこに幾らお金がかかって十五年で割ったら幾らになるんだということも、十五年のよしあしは別としても計算上出てくるわけでございます。十五年でなくなるものにこれだけの金をかけるのかということは当然出てくるわけでございます。
  それから、駐留軍の経費にしても、年間何千億もの金をかけるのであれば、その分で防衛力の整備をしたらどの程度のものができるんだ、核以外にアメリカに頼るものがあるのか、あるいはそれ以上のことをアメリカにしているのではないか。これは先ほど同僚議員の日米関係、同盟関係の強化、第一義的ということとずれますけれども、そういったことの検討を踏まえた上での同盟の強化でなければならないはずでございます。
  ですから、アメリカに言われるままに、これだけかかったんだからそのうちの七割なら七割、六割なら六割自動的に日本が払え、これは余りにも主権国家同士の対等な関係ではないということは言わずもがなでございまして、その辺のことを踏まえた上での対応をしていただいて、その対応の結果を国民の前に明らかにするという姿勢は、これだけはどうしてもどんな立場でもお願いせざるを得ないといいますか、当然の国民の声としてお聞き願わなければならないことだと思っております。
  そういった意味で、残念ながら今までの対米交渉に関して、その辺のところが国民の側にいま一つ満足する、納得するような、腑に落ちるような形の答弁が足りなかったのではないかという気がしておりますが、その辺について、御見解があれば伺いたいと思います。

○国務大臣(瓦力君) 私は、常々考えておるわけでございますが、防衛庁、国防にかかわる省のあり方でありますとか、あるいは将来に向けての予算のあり方というものにつきまして、国会や国民から多分に批判を受けることは、民主政治の場合はこれはありがたいことだと思っております。ある面では巨額の財政を必要といたしますし、また、若き青年を訓練していかなければなりません。
  よって、そのことにつきまして、疑惑、疑念を生むということは不幸なことでございますから、あらゆる面において合理化を図り、効率化を図り、また透明度も深めていく努力をしなければなりません。また、事柄の性質上、すべてそれでいいというわけにもいきませんが、あらゆる面におきましてそういう日ごろの努力というものがなければならぬと考えておるわけであります。
  よって、これからの厳しい財政事情を受けましても、それらのことを心得まして効率的に運営される、防衛あるいは予算につきまして私どもも国民に堂々と答えができるようなそういう体制づくりのために努力をしてまいりたいと考えておるわけであります。
  なお、ただいま委員からホスト・ネーション・サポートにつきまして御質問がございました。これは日米同盟における重要な問題と心得ております。
  この同盟関係につきましても、私が官房副長官のときに、大平総理が同盟関係というのを言葉でお使いになり、また鈴木内閣におきまして同盟という言葉をたしかステートメントに残したわけでございまして、それは共有する価値観、いわゆる自由でありますとかあるいは民主主義でありますとか、そういったものを大切にする国のかかわり、これをもって同盟関係と称して今日に至っておるわけであります。
  我々は、我が国の安全、また周辺の安全のためにこれから尽くしていかなければなりませんが、その中でホスト・ネーション・サポートは日米安保体制の中で重要な役割を果たしてきておる、かように考えております。
  コーエン長官からは、これまでの支援レベルを継続することが重要である旨発言がございました。また私から、この春でございますが、財政事情等の変化を踏まえる必要がありますが、また日本国民の理解を得る必要がありますが、これらの重要性については心得ておるということを申し上げたところでございます。
  納税者の理解を得られるような内容にする努力を行う必要がありますこと、また負担額の問題もございましょうが、削減といったようなことは実は述べてもおりませんが、これから国民の理解を得るためにいろいろ話し合いを詰めまして、ホスト・ネーションの取り組みを明確にしていきたいと、こう考えております。
○山崎力君 これは、同僚議員からこの問題、いろいろ指摘がございましたので、これ以上踏み込みませんが、やはり今までの経過とまた別の視点も必要であろうということで御努力願いたいと思います。
  そして、具体的にといいますか、装備品調達の問題、お金の問題でいくと、結局この問題の行き着くところは我が国の自衛隊が調達している主に武器類でございますが、単価が非常に高い、高単価であるという問題がつとに指摘されているところでございます。
  これは、武器輸出ができないということで、どうしても少量生産になってしまう。いわゆる大量生産のコスト削減ができないという手かせ足かせがあることは事実ですけれども、その事情は理解した上でも余りにも単価が高過ぎる、あるいは少量過ぎる、もう少し何とかならないか。あるいは、競争がないから、もう防衛庁が買ってくれるのはわかっているからこういうふうな形になるんで、外国製品とのいわゆる競争もしていいのではないか、こういう議論も当然出てくるわけでございます。
  そういった中で、いろいろ議論があった上で、一見してどうしてもこれはちょっとと思うのは、ちょっと私のあれでいけば、陸上自衛隊が一番わかりやすいのですが、八七式自走高射機関砲、これは調達両数が十年度、十一年度で一両ずつ。それから八九式装甲戦闘車、これは二両ずつ。年に一両、年に二両という形のものが果たして適当な調達数なんであろうかと。
  たくさんつくればいいというわけでもない、ある程度の製造プラントといいますか生産ラインの維持というために適正な両数というのはあるわけで、これはもう明らかに製造ラインを維持するために発注しているとしか思えない部分でございます。
  そういった点、もう少しめり張りのきいたといいますか、十年以上もかかって細々とつくり続けるということが、これは今までのやり方であればそういうことにならざるを得ないということはよくわかるんですが、将来、経済情勢、財政情勢がよくなる、非常によくなるとも思えません。ますますある意味においてはコスト計算といいますかコスト管理を充実させなければいけないときに、その辺のところはもう少し検討されてもいいと思うんですが、いかがでございましょうか。

○政務次官(依田智治君) 山崎先生、この防衛装備品というものは、やはり一挙に調達なり生産してやれば、その時点におければ単価は安くなると。
  しかし、これは少なくとも、例えば国産の場合等を考えました場合には、そういう防衛技術基盤を維持し、修理とかその他いろいろ、潜水艦なんかいい例ですが、やっぱりああいう特殊な技術というものをずっとつないでおく、技術者自体を確保していくということが安全保障上非常に重要だというような視点もあって、割合計画的に年次的にやっておるという要素があるわけでございます。
  単価的に見れば一挙に調達した方が早いという面があるんですが、そういう抗堪性の維持、防衛技術基盤の維持という視点に立った場合に、やはりある程度細く長くやることが安全保障的に重要だというような面もありまして我々は現在そういう政策をとっているんですが、このあたり、一括して導入する、じゃ買う方も日本からぽんと注文して他の国をとめて日本だけくれるというわけにもいきませんし、そのあたりをむしろ、どういう装備品、今ちょっと例が挙がりましたが、それだって大量に一挙につくれる生産工程を輸入先が持っているわけでもないというような場合にどうしたらいいのかなと。
  私が今述べたような視点に立って見た場合に、先生のもうちょっと突っ込んだお考えを伺えればありがたいと思うんですが。
○山崎力君 この問題、いろいろ防衛庁サイドに立てば言いたくても言えない部分がある。
  私が想像するところによれば、幾ら中期防とはいえ、予算的に単年度主義であるという大きな限界はあるわけで、その辺のところに余りにもとらわれ過ぎているんではないか。逆に、その点で言えば、こういった形で兵器、武器等の購入をしている国が諸外国にほとんど見当たらないということが言えると思います。
  例えば、ドイツにしろ、アメリカはちょっと量が多過ぎるのであれですけれども、イギリスにしろ、ある程度のまとまった時間で主要装備品は購入している。アメリカなんぞは、先ほど出てきた護衛艦なんかのあれももう一括してある造船所に何十隻も発注する、それを何年かに分けてやるというような形をして、そこで非常にコスト計算を重視したことをやっております。天下の大アメリカ軍ですらそれをやっているのに、そういうことにおいていろんな制約はあるとはいえ細々とライン確保のために発注すると。
  これが、もし日本しかできないものであればいいんですが、そうではない、諸外国に半額あるいは四分の一程度で同等の兵器があるというものに対して見れば、それこそ部品その他の問題あるいは修理の問題があるとはいえ、倍のものを買っていって半分デッドストックにしておいて部品をとった方が、四分の一の価格なら予算的には半分でできると。そっちの方が戦力的にはアップするんではないだろうかという感覚もできるわけです。
  そういった意味で、まさにここのところから突っ込んでいって、限られた製造業者と役所との癒着があるとは言いませんけれども、それが生じるおそれもあるわけです。ですから、そういった意味で非常に製造業者といいますか製造者が会社的にも少ない、逆に言えば護衛艦の場合はかえって多過ぎるという部分もあるのかもしれませんが、その辺をもう一回精査しないと、これからの予想される緊縮財政のもとで十分な装備すらできなくなるのではないかと。
  確かに、国内で製造してその技術を持つのはいいけれども、それがために高額になって、十台必要なところが二台、三台しか装備できないよりは、やはり輸入品であれ何であれ十台装備した方が、私は防衛力という点からいえばその方が上ではないかというふうに考えている次第ですが、お考えはいかがでしょうか。

○政務次官(依田智治君) 先生にいろいろ御指摘いただきましたけれども、防衛庁ではいろんな調達事案も踏まえまして、いわゆる調達の単年度主義等も踏まえて、やはり適正な調達のあり方というのをどうするかというのを真剣に大臣の御指示もあって検討しておる状況でございますので、先生のただいまの御意見等も十分念頭に置きながら適正な防衛調達のあり方を検討していきたい、このように考えております。
○山崎力君 外務大臣がお戻りになられたようですので、ちょっと外交の所信表明に関してお伺いしていきたいと思います。
  私自身、最近の経験でおやっと思ったことがございました。というのは、世の中、我々の教わったようなすんなりしたものではないなということは、実はオーストリアの新政権誕生に対するヨーロッパ、EU諸国の反応でございました。悪く言えばネオナチ政権だという非難もあったくらいでございます。
  それはともかくといたしまして、少なくとも極右とか右翼とか言われている政党、そういった思想の持ち主が当時党首を務めている政党、それが国民の投票により、民主的な選挙により政権の座に着いたということに対して、周辺の国が寄ってたかってと言うとオーバーかもしれませんが、嫌がらせといいますか不快感を表明したと。まさにある意味においては典型的な内政干渉的な行為であったわけですが、これはいわゆる二十世紀的といいますか、十九世紀的といいますか主権国家、国家主権の尊重、内政不干渉という考え方からすると、おいどうなっているんだというような、あの先進民主主義国家群のEUですらという気がしたわけでございます。
  先ほど御不在のときに、私の基本的考え方の中で、国民の全部とは言いませんが、ある程度の、人命以上の価値を国家は持っているんだと、それは中台関係のことで申し上げたわけですが、いわゆる我が国の人道的という感覚と、あるいは民主主義的、話せばわかるという感覚と世界がちょっと違っているんじゃないかという気がしているんですが、この辺の国民あるいは世界との関係について、その仲立ちと言える外交当局の責任者としてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。

○国務大臣(河野洋平君) オーストリアの問題は我々にいろんなことを示唆したと思います。もちろんオーストリアに対するEUの反応というのは、オーストリア自身がEUのメンバーであって、EUができ上がるときにEUの中で人権の尊重とかいろいろな項目での合意を確認しているわけで、そのEUの合意、EUの確認から見ればいささか少し違うなという感じを他のEU各国が持ったというのも不思議ではないと思います。それは、EUメンバーでない我々とEUメンバーである彼らとの間にはやはり受けとめ方の違いがある、これはやむを得ないことだと思います。
  もう一つは、ヨーロッパにおいてナチスが行ったあの行為というものをヨーロッパの中で許さない、これを再び許すわけにいかないという強い、そして深いこの問題に対する思いがあるということもまた我々は理解しなければ、この問題に対するEUの反応を理解できないことだというふうに思います。
  さらに、我々にとっては、アメリカが非常に強い反応をこの問題にいたしました。アメリカの強い反応は、やはりアメリカ社会の中に多くのユダヤ人社会というものが大変強い発言権を持って存在するということがこれの一つの理由であったかもしれません。いずれにしても、こうした極右と申しますか、歴史を引きずった問題について非常に強い反応をヨーロッパの諸国が起こしたということは、我々にやはり教えるものもあったように思います。
  また一方で、先ほど来からお話が出ておりますように、国家主権と人権の関係というものをどこで調整するかということは大変難しい問題でありますけれども、突きつけられた問題であって逃げられないということも事実です。
  私が先般アメリカへ参りましたときに、古いアメリカの先輩にお目にかかって話を聞きましたときには、このアメリカの先輩政治家は、自分は今のアメリカの反応は強過ぎるように思うとこの大先輩は言っておられました。しかし、これはあくまで個人的な考えだがと前置きをしての御意見でございましたが、アメリカにも、恐らくEUのあちこちの国の中にもいろいろな意見が実はあったんだというふうにつくづく思いました。
  ただ、繰り返しになりますが、EUはEUとして地域統合を進めていく上で、やはりそれぞれが確認し合ったルールといいますか約束事はきちんとしていかなきゃいけないということに多くの人たちは多くの配慮をしたんだろうというふうに思います。
  しかし一方で、ちょっと長くなって恐縮ですが、今お話がありましたように、極右政党とはいえ民主的な選挙を通じて一定の議員の当選を見たということは、これまた民主主義といいますか、民主的手続による国民の評価でございますから、それをすべて否定するというわけにはいかないところもあるだろうというふうに思います。適当な例でないかもしれませんけれども、しかし、かつてナチスのヒトラーは当初は民主的な手法によって選ばれた人であったわけでございまして、そういうことを語る関係者もおられるということでございます。
  しかし、さっき申し上げた大先輩、アメリカの先輩政治家は私に、随分今は状況が違うよ、情報化社会になったし、周辺はNATOに加盟している国々が周りにいっぱいいるじゃないか、そんな昔のことを持ってきて恐れおののいているわけにもいくまいよというようなことをおっしゃったこともございます。
  少し回りくどくなりましたが、もう一度我々は、やはり国家主権、そして人権というものをどういうふうに調整するか、これは恐らく歴史的な経緯とか、それから民族的な意識とかそういうものがあって、ヨーロッパにおける主権と人権の関係はアジアにおいても必ずしも同じであるかどうか。こういう言い方をすると、それじゃダブルスタンダードなのかというおしかりをいただくかもわかりませんが、その辺のところは慎重に調整をする努力が必要であろうというふうに思います。
○山崎力君 今の大臣の考え方、わかるところでございますけれども、ただ、私がこの問題で、いらっしゃらないときも申し上げたところがあるんですが、一番の問題はむしろその辺のところではなくて、我々は民主主義とはこういうものだよということを戦後教わってきた民主主義と違ったものが、感情論としてといいますか民族としての気持ちとか、あるいは宗教的な背景もあるのかもしれませんが、そういったものがあのヨーロッパですら国民の意識として内在しており、そしてそれに対応して政府が動いてしまった、国によってそれが違いますけれども。
  そういった民主主義というのは、僕たちの習ってきた、日本国民が教わってきた民主主義と違うんじゃないのと。少なくとも、いろんな考え方がある人たちはそれはそれで認められるべきだし、逆に言えば、野党でいる間はいいけれども、与党になったら許さないよというような政治という、政党というものが存在するんだということを西洋の国が対外的に明らかにしてしまった、そういう意味では非常に根の深い問題。それに輪をかけて、先ほども大臣がおっしゃられた我がアジア周辺においてをやと。こういった中で対話と協調で我が国平和外交をしていくんだと言いながら、非常に今まで以上に論が通りにくくなってきたのではないかなという懸念を持っているわけでございます。
  そういった中で、この問題というのは本当に底が深くていつまでやっていてもあれですが、そこのところで出てくるのがやはり我が国の外交でいえばODAの問題であり、あるいはそれに近い形としての北朝鮮への米支援の問題であろうかと思います。
  北朝鮮の米支援でいえば、今その賛否あった問題が決定とともに一応動き出しているということで、非常に明るい展望に立っております。それに水を差すつもりは全くありませんけれども、少なくとも、今回のことで動いたという外交判断は現時点においては正しかったと評価がなされていると思いますが、これは一面で、ここまで行ってもとのもくあみになれば国民に対して非常に大きな失望感を与えるという危険性を持っているというふうに申し上げたいと思っております。
  そこはそれとして、それでは日本のODAという、軍事力なく文化的に影響力なければ、一番のあれはお金であり技術であるという外交手段しか、ツールしか持たない我が国とすれば、その最大の武器というとおかしい、まさにツールとしてのODAがどのように使われているかということは、これは我が国外交にとって、単に金額、手法の問題ではなくて、一つの方策としては根幹にかかわる問題であろうと。その辺の検討をもう一回しなくてはいけないのではないかという気持ちを私は持っております。ということは、逆に言えば我が国が国として、対象国に対しての国家意思の表現としてのODAという考え方を持ってきてもそろそろいいのではないか。
  実例を挙げることでいいかどうかわかりませんが、例えば、レバノンで今拘留中の岡本公三という、テロリストとあえて言わせていただきますが、その人の問題についてレバノン政府も苦慮しているようでございます。あるいは引受国も苦慮している可能性がある。その原因というのに我が国のODAの発動のあれがあってもいいのではないかという考え方も出てくる。まさに、それが日本国家としての一番平和的な国家意思の表現ではないだろうかという考え方があると思うんですが、その辺についていかがお考えでございましょうか。

○国務大臣(河野洋平君) ODAについてはこれまた幾つか考え方があるのだと思います。
  今、議員がおっしゃるように、国家意思としての表現あるいは外交手段としてのツール、そういう意味でのODAというものが一つあると思います。それからもう一つは、やはり何といっても国際社会に対する貢献という意味でのODAというものがあると思います。
  日本の国がこの五十年間、ここまで経済成長を遂げてきた。しかし、考えてみるとその前半の五分の一ぐらいはやはり世界各国からの支援によって我々はあの焼け野原の中から立ち上がったわけです。その我々が今こうして経済的に経済的先進国と言われているのは、やはり国際社会の恩恵というものを我々は忘れてはならないということを考えれば、我々はまた国際社会に対して相当な貢献をする必要があるという意味でのODAというのもあると思うんです。
  それから、国民の皆さんからいただいた税金を使っているということからすれば、目に見える援助と申しますか、そういうものが必要だと。どこに使ったかよくわからぬという援助ではなくて、やはり目に見えなければならぬという御指摘もあると思うんです。それらはいずれも私は重要なことだというふうに思います。
  確かに、先ほど来お話がありましたように、コソボに参りましても、どこに参りましても、日本からの支援かどうかわからないということでいいのかということを言われれば、それはもうまさにそのとおり。しかし、一方で、とにかく持っていくものは全部日の丸を張っていけと、あるいは日本からのものだと大書して持っていけということだけでいいかどうかということになると、必ずしもそうでない部分もあると思うんです。
  例えば、アフリカの国の疾病率を下げるというためには、日本一国ではなかなかできない。国際社会がみんなで協力してこの疾病率を下げる仕事をしようと。金を出す人もいる、医者を出す人もいる、あるいはそれをコントロールする人もいる。それが世界各国が集まって、結果的にアフリカの疾病率が下がったと。これはやっぱり国際社会に対する貢献であって、そのときにはどこに日の丸を張るかといっても、それはそういうことができない場合もあるわけです。日の丸を張れないから嫌だというわけにはいかない部分もあると思うんですね。
  したがって、国民の皆様からお預かりをした税金の使い方として、ODAの使い方にはいろいろな種類があるということをまず考えなければならないと思います。そして、今、議員がおっしゃったように、日本の外交政策、外交手段のツールとしても使うべきだというのは、私はそれもそういう部分もあるだろうと思います。アフリカにおいて、あるいは中央アジアにおいて、あるいは南米において、我が国が最も重要視するパートナーとしてもいいような国により多くのODAを実施するということもまた必要なことであろうというふうに思います。
  議員は、レバノンのことをお話しになりましたけれども、レバノンの問題については依然として状況はまだ動いておりません。いや、岡本問題でございますが、状況は動いていないと承知しております。この問題は、今極めて機微なちょうど時期でございますから、この問題については発言を控えさせていただきますが、一般的に言って、外交手段として使うということも私は否定いたしませんということだけ申し上げたいと思います。
○山崎力君 この問題については時間がありませんので、質問というよりも希望だけ申し上げておきたいと思いますが、やはり私はこのODAが一番効果的な外交のツールである、それしかないんだと。軍事力も使えなければ、文化的に日本の文化で世界を教化してなんということもないわけでございます。
  そういった意味において、言われるままにお金を出しているというふうにやゆされるようなことだけは、これはもう絶対に避けなければいけない。国民のタックスペイヤーの立場からすれば、それに対するいら立ちというものは若干あろうかと思うわけです。それがある意味においては北朝鮮の拉致疑惑に対する被害者家族の行動にもあらわれている。その辺のところだけは、まず今まで以上にその辺のところを、国民が納得する道具としてこれだけのお金を使っているんだという説明が必要だということ。
  それと同時に、その使い方においては、エンドユーザーというとおかしいんですが、その使ったお金あるいは物、そういったものが最後にどういった形で使われた国においてなされているのかということを、私は内政干渉ということになりかねない部分があるのは重々承知の上で、外交当局としてもできるだけ協力して見せてもらうと。逆に言えば、そうじゃなくて、政府によこして、あとはこっちでやるから、それ以上日本が介入してくるのは内政干渉だというような国にはその分減らすというくらいの発想の行動が必要ではないかなというふうに思っております。
  時間の関係で最後に一言だけ。別の次元ですが、今度のWTOの新ラウンドの交渉、これは前回決裂と言っていいような状況で終わっているわけですが、次回もう一回決裂覚悟でやるのか、これはアメリカが前回同様の対応をしたという前提ですが、それとも何らかの対応策を考えて臨まれるのか、農産物も含めての形になろうかと思いますが、一言で結構ですからお答え願って、私の質問を終わりたいと思います。

○国務大臣(河野洋平君) 前回、シアトルにおきますWTOの閣僚会議は、残念ながら合意を見ることができませんでした。
  しかし、アメリカを初めとして各国ともに、各国というのは自由貿易体制を大事にしようと考えている各国は、できるだけ早くWTOを立ち上げようという気持ちがあるようです。アメリカも、大統領の任期も近いからという向きもありましたけれども、クリントン大統領御自身が非常に強くWTOの閣僚会議の立ち上げを急げという指示を出されたというふうに私ども聞いておりますし、EUにおきましてもそういう気持ちを持っていると聞いております。
  したがいまして、私どももWTOの閣僚会議をもう一度立ち上げることに協力をいたしますということを考えているわけでございますが、そのためには、前回の失敗の轍を踏んではいけない、やはり譲るべきところは譲って、先進国同士でも十分話し合うし、開発途上国の気持ちを十分にくみ上げるということがなければ同じ轍を踏むことになるだろうというふうに思いまして、我々は、前回の経験を生かす、そして立ち上げのための努力をする、こういう気持ちで今対応しているところでございます。

(後略)