答弁「『災害情報の国際共有策について』他

(平成13年3月8日衆議院災害対策特別委員会会議録より抜粋)


(前略)
○田中(和)委員 時間の関係で、質問というよりもちょっとこの部分については要望しておきたいと思うのです。
  まず、有珠山の激甚災の指定についてですが、大臣から御答弁あったように、当然指定は受けて対応されると思いますけれども、地元からの率直な声として申し上げておきたいと思うのです。
  実は、ゾーニングの問題なんですけれども、八物件ほど買い上げの地域から外れたのがあるんだそうです。これはどうしても、諸般の事情から考えて、地元では何とか買い上げてほしい、このように言っておられるようでございまして、御検討願いたいと思っております。
  もう一点は、実は保証協会の審査等、厳正にやっておられるようでございまして、いろいろと特別な融資制度を考えて対応していただいているんですけれども、なかなか融資に至らない、何とか工夫ができないものだろうか、こういう話がございます。
  それから、観光の振興については、北海道内の方々あるいは台湾などからもお客さんは見えていただくんだけれども、本州のお客さん、特に修学旅行の子供さんたちの来客が非常に少なくて、何とか方策がないものか、こういうようなお話もあったわけでございまして、ぜひひとつ関係の皆様方に御指導いただいて、期待にこたえてあげることができれば、このようにお願いをしておきたいと思っております。
  それから、住宅再建支援制度については、確かにまだまだ議論の渦中にあるわけでございますけれども、大きいものは大きいなりに、小さいものは小さいなりに一つの基準を設けながらも、やはり国民が安心して過ごすことができるということは極めて重要でございまして、私は、民間の損保保険の制度なんかももっとうまく活用すればいろいろいい知恵が出るんじゃないか、このように思っておるわけでございまして、ぜひ前向きにお願いをしたいと思っております。
  それからもう一点、実は、これは私はお役人のOBの方から聞いたんですけれども、災害の査定官がいろいろと役所から行っておやりになるのでございますが、どこまでどのような指定をすればいいのかということで悩むし、陳情も大変な量だそうでございまして、できれば、国が直接査定をするよりも、基準をきちっと設けて、ある程度地方にやらせた方がいいんじゃないかという話もあったんです。私は、やはり国ももちろん責任を持つべきであると思っている者の一人なんですが、そういう面の工夫も少しあっていいのかな、細かく聞きましたときにこう思いましたので、あわせて御検討をしておいていただければと思っております。
  続きまして、災害における国際貢献やその経験を生かしての国内災害への対応についてお尋ねをしてまいりたいと思います。
  三宅島の亜硫酸ガスの排出量は、世界的に前例のない大規模なものだそうでございます。一般の活火山の十倍の量だということを聞きまして、私もびっくりいたしております。
  このように、我が国では、事災害に関しては世界じゅうでも大変厳しい国土条件ですが、だからこそどの国よりも災害対策に熱心に取り組み、そのノウハウを蓄積しているはずであります。したがって、我が国の自国内の災害のみならず、世界じゅうでいざ災害が発生したときには一刻も早く対応できるようにすることが、災害対策先進国日本の国際貢献の視点からも肝要ではないかと私は思うのでございます。
  特に、去る一月二十六日に発生したインド西部大地震の場合、我が国のその対応をめぐって各方面より批判が寄せられ、災害時の国際貢献については抜本的な対策の見直しを迫られているとの見方もございます。
  そこで、お伺いしますが、今般のインドの事例に触れながら、諸外国で災害が発生した場合に、迅速かつ的確な支援を行っていくためにどのような施策やシステムを準備しているのか。改善の余地を含めて、わかりやすくお聞かせをいただきたいと思います。
  また、逆に、政府としては、世界じゅうの主要な災害について事後の調査や情報収集を行っていると思います。その成果を各省庁や自治体間で共有し活用することが大切でありますけれども、外国の情報の整理やその活用についてどうしているのか、我が国の防災施策への反映について伺っておきます。
  特に、世界のどこでも、災害時の主役は軍隊であります。我が国では、阪神・淡路大震災が、極めて残念ですが、自衛隊の出動がおくれ、反省すべき代表的な事例となりました。我が国の災害時の自衛隊の活用上、二度と失敗が許されないと思いますけれども、さらに改善すべき余地はないか、伺っておきたいと思います。
○山崎大臣政務官 お答え申し上げます。
  まず、インドの地震のケースでございますけれども、我が政府といたしましては、外務省を中心として対応に当たりまして、災害発生後直ちに国際緊急援助隊医療チームを派遣いたしました。その後、物資の供与、緊急無償資金援助、そういったものでやっておりまして、内閣府としても、調査団の一員として職員を派遣しております。これは一応、災害の内情を調べるといいますか伺う専門家ということでございます。さらに、復旧に必要な物資の購入等のために資金協力を今後実施するとともに、復興プロジェクトのための調査団を派遣し、あるいはNGOによる人道支援に対する資金援助を行うことといたしております。
  さらに、内閣府として、国際防災の十年、これは一九九〇年代が国際防災の十年というふうになっておりますが、その際に設立されたアジア防災センター、これは兵庫県に設置されておりますが、そこを通じて、災害情報の収集、資金提供を行うことによって復旧復興が適切に行われるようにというふうに支援しているところでございます。
  そのほか、インドだけではなくて、最近では、モンゴルの雪害であるとか、エルサルバドルの地震であるとかいうところでいろいろなことをさせていただいております。
  そのほか、今のところでございますけれども、自衛隊に関しましては、やはり大きな教訓として、これから軍隊の活用というものが重要なものであるということは認識しておりまして、その辺のところの調整をどのようにするかというのも、今後の私たちの課題になっておると思います。どうしても、御案内のとおりの事情がございますので、そこまで行くかどうかというところが、国というふうに言えるのかどうか。と申しますのは、御承知のとおり、自衛隊の出動要請というのは、地元の地方公共団体の首長、知事の一応お願いする事例というふうになっていることもございますので、その辺をお含みおき願えればと思います。
  それから、諸外国の災害について、今度は我々が参考にする番ということでございますけれども、そのいろいろな情報を得て、それをまた共有することによって、災害防止あるいは復興の役に立てるということが非常に重要であるとの認識はしておりまして、まず国連の人道問題調整事務所というところが国際的な、世界の災害情報を集めるところでございますので、そういったところから報告を受けて、我が国の方からは調査チームを派遣して、その状況を把握し、またそれに応じた必要な援助を行うことの活動を行っております。
  そのことに関してみれば、インドの西部地震については、二月二十六日から三月六日にかけて政府調査団を派遣いたしました。内閣府、国土交通省の職員が主な構成員でございます。それで、この支援策を決定するとともに、教訓を今後、地震国である私どもも含めて活動していきたいと思っております。
  各国のそういった災害を通じて得られた情報については、報告書の形で取りまとめまして、関係機関に送付したり、あるいは広報活動を通じて、インターネット等、そういった形で情報の共有化に努めているところでございます。
  その点に関しまして、防災アジアフォーラム、世界防災会議二〇〇一という場、せんだって淡路島で開かれた会議でございますが、そういう場でも十分そういった情報の共有化というもので、各国から集まった専門家の方々のいろいろな討議といいますか、話し合いの場を持ちまして、広めているところでございます。

○北原政府参考人 御答弁申し上げます。
  ただいま山崎内閣府政務官から御答弁いただきましたが、若干敷衍して御説明をさせていただきたいと思っております。
  私ども防衛庁、自衛隊に対します災害派遣の国民の期待というものが非常に高まっております。また、先ほど先生おっしゃいましたように、阪神・淡路の教訓、経験等も踏まえまして、私どもといたしましては、より迅速かつ適切に対処していくということが何よりも大事だということで、いろいろな形で災害派遣体制の充実強化に努めております。
  とりわけ災害対処につきましては、第一義的な責任は先生御承知のように地方公共団体が有しているわけではございますが、こうした地方公共団体との間で、いわば災害対処についての共通の頭づくりと申しますか、そういったことを実施いたしまして、連携強化を一層進めていくことが重要と考えております。
  こうしたことから、私ども防衛庁といたしましては、何よりも常日ごろから各自治体それから防災関係機関とのコミュニケーションを密にいたしますとともに、毎年、都道府県等が実施しております防災訓練にも積極的に参加しているところでございまして、阪神・淡路以降、都道府県が実施します防災訓練、四十七でございますが、すべてに参加をしてきているところでございます。
  ただ、こうしたいわゆる実動訓練というのは、それなりに極めて有用ではございますけれども、やはりできることが限られておりますので、私どもといたしましては、これに加えまして、いわゆる図上の防災訓練、これも極めて重要であるということで、各都道府県等に対しまして、その実施というものを積極的に働きかけていきたいと思っております。
  そして、こうした訓練を通じまして、何よりも大事だと思っておりますのは、私ども、また各自治体が持っております防災にかかわる計画、これを策定しただけではなくて、常にそれを検証して、チェックして、改善していくといったことに努めております。
  それから、私どもは、こうした訓練あるいは過去の体験等を踏まえまして、昨年の十一月でございますが、都市部それから山間部また島嶼部での災害、さらには原子力災害等の特殊災害といったものに係ります災害派遣活動ごとの留意すべき事項につきましてマニュアルも作成をいたしまして、これを部内、陸海空自衛隊に徹底することはもちろんでございますが、各部隊を通じまして、各都道府県にも周知をさせていただいております。
  その際、あわせまして、これもまた大事なことでございますが、都道府県の自衛隊に対します災害派遣要請の一層の便宜を図るといった観点から、都道府県別の災害派遣の連絡窓口、こういうものをつくりまして、これも各部隊から各都道府県に周知をしたところでございます。
  そして、先ほど先生も御指摘いただきました、有珠山あるいは三宅島、さらには愛知県の豪雨、鳥取県の地震等、いずれも該当するわけでございますが、災害が発生した場合に、都道府県等が必要とするニーズというものを的確かつ速やかに酌み取りまして、ニーズに沿った対応を迅速かつ十分にやっていくことが何よりも大事といった観点から、私ども防衛庁といたしましては、災害が発生した場合には、自衛隊に対します災害派遣要請がなされる以前におきましても、都道府県の災害対策本部等に連絡員を積極的に派遣いたしまして、十分な情報あるいは意思疎通を図るといった努力もしているところでございます。
  それから、先ほど先生、失敗は許されないという御指摘をいただきました。阪神・淡路のときの教訓からは、例えば、自衛隊が効率的な災害派遣活動をする上では、出動いたしましたヘリコプターの場外離着陸場の確保あるいは部隊の集結地の確保といったものが何よりも大切になってまいります。したがいまして、こういった観点から、私どもは、警察あるいは消防等との連携ともあわせまして、今積極的に各地方自治体との間で鋭意確認等の作業をやっているところであります。
  なお、これにあわせまして、自衛隊の装備等につきまして充実強化、あるいは即応体制の強化といったことを図っていることはもちろんでございます。
  いずれにいたしましても、国民の自衛隊として、国民の皆様の信頼にこたえるように努力してまいりたい、そのように考えております。
○田中(和)委員 時間が参りましたので、終わります。もう少し質問項目がありましたが、またの機会に譲らせていただきます。
  ありがとうございました。
(中略)
○西委員 実務に即して各地を回られながら、仕組みを、今後のことを考えながらという大臣のお話がありました。新しい省庁のもとでの初の担当大臣でいらっしゃいますので、今後またさらに、緊急事態に対して即応できるような体制をぜひおつくり願いたい、こう思います。
  先日の予算委員会の質問で、私、このえひめ丸関連のことで少し御質問を申し上げたんですが、森総理はそのときの状況を、首相官邸の危機管理センターの直通番号を知らなくて代表電話でというようなお話が急に出たものですから、私も若干びっくりしたんですが、緊急事態、危機管理体制の問題が図らずも露呈されたというふうな気がいたしました。
  私は、従来から、災害、緊急事態などの初動体制で一番問題となるのは、どういう状況であろうが、まず一番に、連絡をとる方法、これを確保すべきだというふうに考えております。総理やまた防災担当大臣など、危機管理センターに直通の緊急事態電話、もちろん普通の電話でも一向に構わないわけですが、その意識で、いついかなるときでもきちっと対応できるような、そんなラインを必ずつくるべきだ、今回の教訓をもとにお願いをしたい。もちろん政府の場合もありましょうし、内閣府はもちろんのこととして、そのほかの省庁の中にも緊急事態に対応する部署があり得るんではないか。そのことについてのラインをきちっと総理、担当大臣には確保していただきたい。
  このことについてお伺い申し上げたいと思います。
○伊吹国務大臣 ここは災害特別委員会でございますので、防災担当大臣を私はいたしておりますが、今先生の御質問のことは、この前の御質問にも関係してくるんですが、大規模な災害から生ずる国家危機をも含めて、危機管理大臣という立場からすると、私は実は内閣官房の大臣になっちゃうんですね。ですから、本来なら副長官か何かが来てここの場はお答えするのが適当だと思うんですけれども、委員長のお許しをいただいて、危機管理大臣としてお答えをさせていただきたいと思います。
  情報集約センターからは、連絡のやり方としては、私は三カ所勤務場所があります、国家公安委員長と防災担当大臣と危機管理大臣。それから私の自宅、それから選挙区へ帰りました場合の自宅、これにすべて警察電話、防災電話その他の連絡がとれるものが設置してあるわけですが、問題は、先生も御理解いただけるように、みんな政治家でございますから、事務所に座っているわけではないんで、常に動きます。そういう場合の連絡が一番大切でございますので、私が携帯を持つと同時に、例えば自動車電話の登録をする、そしてもう一つ秘書官が持っている電話がある、それから警護官、SPさんが持っている電話がある、これだけのもので実は身を固めて私たち動いておりますので、国家危機の場合にはそういうことはほとんど生じない、新幹線や車に乗っておってトンネルとか地域の関係はあると思いますが、それ以外では連絡がとれないということはございませんのです。
  ですから、常にそういうものが入ってくるぞという気構えを持って、ガセネタが非常に多うございますけれども、私の場合も一週間に二度ぐらいは真夜中にたたき起こされるというような今状況になっておりますので、むしろ持っている者の心構えということに私はあるんじゃないかと思います。
○西委員 実態も踏まえて御答弁いただきました。まさしく心構え、ゴルフをなさるのも結構でしょうが、常に心構えということを忘れずに事態に備えていただきたい、こう思っております。
  次に、災害が出てから対処するより、まず被害を出さないという点では、災害対策としてはまず防災事業が最重要課題である、こう位置づけられております。政府は大地震に備えてふだんから防災都市づくりを進めていく、これが肝要ではなかろうかと思います。とりわけ、木造密集市街地の改善を進めていくためには、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律が制定されておりますし、財政的な支援としては、地震防災対策特別措置法が制定されて、地震防災緊急事業五カ年計画を策定して、国庫補助率のかさ上げなど、地震防災施設等の整備が推進をされております。
  一方、災害の復興に関しては、被災市街地復興特別措置法が制定されて、被災した市街地が緊急に復興されるよう法制度が整備されました。また、非常災害時における市街地再開発事業や土地区画整理事業などの予算補助率がかさ上げされることになっております。
  これまでの災害復旧事業は個々の公共施設などの原状回復を原則としてやってまいりましたけれども、災害復興事業では、復旧ではなくて復興事業では、被災した町を復興させる、そのための基盤整備ということに、いわば町づくりに力点が置かれている、こうなっております。
  阪神大震災では、阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織に関する法律、または阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律、こういう特別立法がなされておりまして、より安全に配慮した、地域振興のための基礎的な条件づくりがなされました。もちろん、まだ途中の部分もあると思います。そして、被災地復興の計画的な実施、それから地域経済の復興対策、三つ目に、被災者の自立した生活再建対策などに配慮して、法律、税制、予算などさまざまな措置が講じられてまいりました。
  私は、防災とともに災害復興を災害対策基本法の重要な柱として今こそ位置づけて、そして関連する法制度の整備を図っていくべきではないか、こう思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○山崎大臣政務官 お答え申し上げたいと思います。
  災害対策基本法の中では、第二条第二号におきまして、先生おっしゃられたように、災害予防措置、それから応急対策、緊急対策、それと並んで災害からの復旧というものも、この防災という観点からの重要な柱、三つの柱というふうに位置づけているわけでございます。まず、幹の部分で三つの方針が出ている、その中の一つに含まれているというふうにお受け取り願えればと思います。
  それから、同じ第八条第三項において、「国及び地方公共団体は、災害が発生したときは、すみやかに、施設の復旧と被災者の援護を図り、災害からの復興に努めなければならない。」これは努力規定でございますが、一応精神的な気持ちの部分も、こういったところに法律的にはなされているということでございます。
  その点で、それに絡んで申しますと、九十七条でのいわゆる激甚災ということから激甚災害法も、この中の幹から出た枝として出ているというふうにお考え願えればと思います。
  ただ、先生御指摘のように、それでは、ほかに必要な法律、まとまった形のものがあってもよいのではないかという御趣旨だと思いますが、その辺のところは、一つ一つの復興の事態がそれぞれ違いますものですから、それに合わせて特別法をつくっていいのではないかという考え方と、ある程度基本的なところは法的なもので事前に整備しておいた方がよいのではないかという、その辺の御議論がこれからあるのではないかと承知しております。

(後略)