答弁「地震防災緊急事業5ヵ年計画について

(平成13年3月28日参議院災害対策特別委員会会議録より抜粋)


(前略)
○谷林正昭君 いろいろ事情、理由はあるというふうに思いますが、先般、総務庁の方からいただきましたけれども、総務庁が平成八年十二月から平成九年三月までの四カ月間にこの震災対策に関する行政監察というのが入っております。勧告がそのあと十年一月に出されております。
  そのときに、一点例に出させていただきますと、防災無線の関係が勧告をされております。ところが、その防災無線の内容につきまして、このかさ上げ事業の中に実は入っておるわけでございます。そういうことを考えたときには、私は、この地域地域の独自性というものを大切にしなきゃならぬと思いますけれども、防災に強い町づくりのためには、少なくともこれだけは早目にやりなさいよという、そういう連携も私は政府として必要ではないか、そういうふうに思いますので、指摘をさせていただきたいと思います。
  次に行きますが、今度新しい計画をこれから集約されるというふうに思いますが、取りまとめた金額がほぼ十三兆七千億円というふうに出ておりますけれども、この次期計画策定に向けまして、関係団体、自治体とどういうふうに連携をとるのかというふうに思います。
  私は、基本的には、先ほども何回も言っておりますように、上から締めつけるのではなくて、その地方地方の考え方や状況に合った独自の防災計画づくりが大切だということを前提にお話をさせていただきますけれども、まず、かさ上げ適用事業をどう進めていくのか、そういう連携をこの後とるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(山崎力君) お答え申し上げます。
  今回の地震防災緊急事業五カ年計画、これは本来、各都道府県が地域の防災計画を定めておるはずでございまして、それについて特に都道府県が緊急を要するというもの、あるいは地震防災施設について事業をやりたいというものを国の方で補助していきましょう、こういう考え方でございます。特にかさ上げについてはそういう考え方でございます。
  ということで、こう言ってはなんでございますけれども、一応ここで切れる前提でございますので、これを延ばしたいということで、正式にはこの法律が通ってからの新しい計画でございますが、それはもう既に動いておりまして、現在、各都道府県においてその計画を作成中でございます。本法律の改正を受けまして具体的にそれが始まる、こういう形で着手していただく予定になっております。
  それで、それがまとまり次第、今度は内閣総理大臣の同意を得る、こういうものでよろしいという同意を、内閣総理大臣が一応チェックをして、同意を得ていただいて、それから、その際に具体的内容、どういうものをやられるのか、あるいは本当に必要なものなのか、あるいは本当に実効性のあるものだろうかというようなところで都道府県側と連携を図って協議させていただいて、そして着実にこれを実行、完成させていきたいというふうに思っております。
  そういった中で、私どもとしては、国側、関係省庁が一丸となってその辺のところは支援を図っていきたい、そういうふうに考えております。

○谷林正昭君 私は指導という言葉を使いたくないものですから、連携という言葉を使わせていただいておりますので、ぜひひとつよろしくお願いしたいというふうに思います。
  そこで、一つ気がかりになったのは、過去五年間の中で進捗率を見ましたところ、まさかそういうことはないと思いますけれども、どうもこの特措法に便乗して地域の、不急不要とは言いませんけれども、生活関連の公共事業といいますか、防災からかけ離れた公共事業が行われて、それが防災のためだよというふうに申告を、まあそんなことはないと思いますけれども、便乗されているのではないかというふうな懸念がございますので、その辺の、ないならない、指摘したところは指摘した、こういうことを、実態を明らかにしていただきたいと思います。
○大臣政務官(山崎力君) 何をもって便乗と言うかというのは、非常にこれは難しゅうございます。しかも、こういった被害あるいは被害を予防するための対策でございますので、ただそういう御懸念もあろうかという気もいたしております。
  そういった意味で、前の五カ年計画には含まれておりませんでしたが、今度の計画作成に当たって、長期的整備目標の設定をしていただくとか、あるいは各整備の整備状況の把握をまずやっていただくとか、あるいは整備の必要性、緊急性を明確化していただくということを昨年四月に都道府県に通知したところでございます。そういった中で連携、調整という形でこれからやっていけるものと思っております。
  ただ、そこのところ、便乗ではないかどうかと改めて言われましても、国側としてこれが便乗だというふうにはなかなか言いにくいところもございますが、こういった形でなるべくそういった御懸念のないような形のこれからの事業にしていきたいというふうに考えております。

○谷林正昭君 私の考えは、災害に強い町づくりというのは五年後にやるよりも今やった方が国民の財産、生命の安全のためにはいいんです。計画を立てて、これは十年後に回そうとか七年後にやろうとかということは、それだけ危険が増すというふうに私は思います。
  したがいまして、せっかく阪神・淡路大震災の教訓の中から特別措置法をつくったんですから、それをまた延長してくださいという要望や意見書も来たということも延長の理由の一つになっています。そういうことを考えたときに、より密接な連携をとりながら、早くやるべきものは早くやる、しっかりやるべきものはしっかりやるということをぜひお願いしたいというふうに思っております。
  そこで、きょうは総務省の方から来ていただきました。私の手元に震災対策に関する行政監察の勧告、回答、その後の改善状況の対照表というのがございます。
  総務省にお伺いいたします。
  私、今十二年十月の報告書を持っておりますが、これが一番直近なのかどうか、もし直近だとしたら、今後この震災にかかわる行政監察をやる考えがあるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(塚本壽雄君) ただいま委員御指摘のところでございますが、この監察につきましては平成十年一月に勧告をいたしまして、お手元のものはその後、その改善状況等について報告を求め、把握をすることによって実効性を確保する、そのプロセスの最新のものでございます。
  そこで、今後どうするかということでございますけれども、総務省におきましての行政監察、これは省庁改革の中で政策評価制度が入りまして、行政評価・監視という呼び名になりますけれども、向こう三カ年間の計画をあらかじめ定めてその中で執行していく、こういうことにしているところでございます。ことしの一月に新たな三カ年の行政評価等プログラムと申すものを決めたところでございます。
  これは平成十五年までを展望しておりますが、この中では、今申し上げましたように、勧告、改善状況の把握という一連の手順を昨年の十月に取り終わったばかりという状況でもございますので、今のところはこの三カ年計画に震災対策については盛り込んでおりません。いましばらく各府省におきます状況を見守らせていただきたい、こう考えている次第でございます。
○谷林正昭君 私は、この行政監察報告を、勧告とそして回答、その後の改善状況の対照表を見させていただきました。これは旧省庁の枠組みで勧告をされ、回答をされております。そういうことになってきますと、省庁再編が成りまして、もちろん大臣の目にはこれはもう入っているというふうに思いますが、これをしっかりと見ていただいて、統括をしていただいて、そしてそのチェックというものがこれから一つ大きな大臣の役割になっていくのではないかというふうに思いますので、これは通告はしてございませんが、この十二年十月に出されたものについて、大臣、何か所感があればお願いいたします。
○国務大臣(伊吹文明君) これはもう言うまでもなく新しい省庁、新省庁体制が発足する前の監察結果でございますのでそういうことになっていると思います。
  この内容について、先ほど来先生のお話を伺っておりまして、大変言葉を選んで苦労して御質問になっているというのは私よくわかります。防災無線は必要だからやらせねばならない、しかし事業主体はあくまで地方自治体で、地方の自主性を尊重しなければならない。その辺のバランスをどうするかということですね。
  あくまで事業主体は地方でございますから、地方がやってきた、便乗という言葉は適当じゃないと思いますが、地方が持ってきたものの中で緊急性が防災の観点から一番高いものにどう移していくかということ。これは、指導という言葉がお嫌いで、私も余り好きじゃないんですが、連携をしてやっていかないと仕方のないことだと思いますので、よく今の御意見も大切にしながらやらせていただきます。
○谷林正昭君 ありがとうございました。
  ぜひ、強力なリーダーシップを一方で発揮していただきたいというふうに思います。
  この勧告をされた内容、これを一方では五カ年計画に生かすように連携をとっていただきたいと思いますが、もう一言御決意をいただきたいと思いますが、政務官の方でひとつ。
○大臣政務官(山崎力君) 確かに、平成十年の一月、旧総務庁行政監察局から行政監察指導、いろいろなことが指摘されております。避難地七十三カ所中三十一カ所で液状化や輻射熱の危険性があるというようなこともある。調べてみればわかることなんですが、一番そういった地元の事情で明るいはずの自治体の作成したところにそういうものがあると。
  そういうものに対して我々がどう対処すべきかということの、これは科学的な部分もございます、いろんな事情はあると思いますけれども、最終的にはそこを避難地として選ばれた方にまさかの際に悪い影響が出ると、こういうことは当然共通の認識になるわけでございますから、そういった点で五カ年計画をこれからつくっていただいて、それを私どもと調整という形で連携をとりながらやらせていただく中で、できるだけそういった点、そういった点でいけば、財政面を除けばそういう具体的なことについてのことは科学的に調整できると思いますので、その辺のところを心してこれからもやっていきたいと思っております。

○谷林正昭君 ぜひひとつよろしくお願いいたします。
(後略)