質問「ODA改革提言への取組みについて

(平成13年11月7日参議院国際問題に関する調査会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 山崎でございます。長い御報告、ありがとうございます。
  最初でございますので、大まかなところからお話を伺いたいと思いますが、我々の先輩がこの提言を、国際問題調査会として提言書をまとめて公表いたしました。それに対して、それに基づいてどのようなことを外務省その他なさってこられたかというのが今の御報告でございますが、手前みそになるかもしれませんけれども、ちょっと答えにくいかもしれないんですが、そこのところの問題。
  すなわち、この提言というものが実質的にどの程度の効果があったのか。一番、ないということからいけば、言われなくてもやっておったわいというようなことから、実質総ざらいで提言が来たということは、自分たちの今やっていることについての少なくてもチェックの機能、この提言に対してはこれはどうなっているかいなと、これはやっているのだとしたらどの程度やっているか、あるいは気がつかなかったのか、その辺のところをまずお伺いしたいと思います。五分、一問一答で答えていただいていきたいと思いますが。

○政府参考人(西田恒夫君) 今の御質問、まことにありがとうございます。
  今まさに先生から御指摘がありましたように、今回の御提言は非常に包括的なものであったというのが特徴ではないかと思います。それからもう一つは、提言の中身が非常に具体性に富んでいるということで、委員会等々からいただく提言としては非常にユニークなものだというふうに考えております。
  そのような御提言をいただきましたので、先ほどかいつまんで御説明しましたけれども、関係の各省それぞれ協力をさせていただきまして、できる限りの対応をさせていただくという姿勢で臨んできたつもりでございます。その意味では、もちろん満点では毛頭ございませんが、それなりの具体的な改善というものができたのではないかと考えておる次第でございます。
○山崎力君 そういったところで、今の御報告で、私なりに報告ということができていないというか、それはもう難しい問題だとは思うんですが、二点お答え願って、次の方に譲りたいと思います。
  一つは、相手国援助のときのいろいろな論調があるんですけれども、要するに援助の相手先が政府なのかいわゆる国民、住民なのかというところの焦点の絞り方がその都度その都度決まってきている。それは国情にもよるでしょうけれども、この辺のところの御指摘が、提言にもなかったのかもしれませんけれども、陰ながらあったと私どもは思っておりますが、その辺の御回答というか、報告がなかったんではないかというのが一点。
  それからもう一つは、援助の仕方で、コモンバスケット方式とそれから個別二国間というのが若干ございましたけれども、これは非常に難しい。簡単に言えば、コモンバスケットでもいいんだけれども、そこで一番金出している日本が、トンビに油揚げじゃないけれども、わずかしか出していないところに鼻面引き回される可能性があるというその不安ですね、国民に説明つかない。この辺のところの現状と、課題といいますか、将来的な見込みをどう考えているか、この二点、お伺いしたいと思います。

○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
  まず第一番目の政府あるいは国民どちらに視点を置いているのかということでございますが、もちろん究極的な視点といいますのは、その国の構成しております国民の一人一人というものの生活がより安定して、より安全なものであり、幸せにもなるということがODAの究極の目標だというふうに考えております。
  しかしながら、ODAは、ODAと言っている以上、政府、基本的にはGGベースで行われておりますので、いわゆる要請主義という理念もそうでございますが、先方が考えますやはり優先順位、開発ニーズというものは十分にそんたくをさせていただいて、まさに政策対話を通じまして十分なすり合わせを行って、当国の開発、ひいては国民の幸せにつながる援助はどうなのかという努力をいたしてきております。
  ただ、スキームとしましては、先生御案内のように、例えば草の根というように、必ずしも中央政府を相手にすることなく、先方の地方自治体でありますとかNGOと直接話をしまして、直接国民に裨益するような、そういう草の根のスキームというものを持っておりまして、これは大変高い評価をいただいていることは御案内のとおりでございます。
  それから二番目の、いわゆるコモンバスケット等でございますが、コモンバスケットというのは今の段階では、非常に粗っぽい言い方をすれば、まだ基本的には理念、考え方ということでございまして、そういう意味では非常に試行錯誤の段階であろうというふうに我々は考えさせていただいております。
  御指摘のように、特定の状況にあります特定の国の開発問題に対応するのにコモンバスケット方式というものがあるいはよりすぐれているということは、これは可能性と、あるいは理論的にはあり得るものというふうに我々も認識をいたしておりますが、しかし他方、やはり各国の援助需要にきめ細かく対応する、かつなお、その中において日本の顔が見えるというために、果たしてこのようないわばユニホームみたいな形の援助方式というものが適切かどうかということについては、日本政府としては基本的には慎重に考えているというところでございます。
(後略)