運営「国家公務員給与法改正案の審議・採決ほか

(平成14年11月14日参議院総務委員会会議録より抜粋)


(前略)
○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
  まず、委員の異動について御報告いたします。
  昨日、木庭健太郎君が委員を辞任され、その補欠として加藤修一君が選任されました。

     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
  一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律及び二千五年日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官兼行政改革推進事務局公務員制度等改革推進室長春田謙君、内閣法制局第三部長梶田信一郎君、人事院事務総局勤務条件局長大村厚至君、総務省人事・恩給局長久山慎一君、総務省自治財政局長林省吾君、財務省主計局次長杉本和行君、厚生労働大臣官房審議官青木豊君及び厚生労働省政策統括官青木功君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山崎力君) 次に、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律及び二千五年日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
  両案の趣旨説明は去る十二日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○山下栄一君 公明党の山下でございます。
  本来、質問順序は自民党さんの方からだったんですけれども、私の質問に対する答弁、根本副大臣に御無理をお願い申し上げましたことがありまして、質問順番変わりましたこと、御了解いただきたいと思います。
  私は、この給与法の改正なんですけれども、公務員給与の前提となります本来の人事行政の在り方につきまして今日は確認させていただきたいという、それ一点で今日は質問させていただきたいと思います。
  この人事行政における公正中立性の確保、これは大変重要であるというふうに言われておるわけです。人事行政また内閣の執行、これは行政権、行政の執行については公正中立を旨とすると。
  ところが、私が感じますのは、去年の十二月末に出されました公務員制度改革大綱閣議決定、ここでちょっとその辺が若干ぼやけているのではないかなということを感じますので、原点でございますこの公正中立性の確保、この根拠ですね、なぜそういうことが大事なのかということにつきまして、もちろん法律の要請があるからだと思いますけれども、この点について人事院総裁にお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 大変難しいといいますか、基本的な問題でございます。
  この問題についてお答えするときに必ず触れておかなければならないのは、日本の官僚制というものの歴史、その中において、特に幹部公務員がどういう生きざまをしてきたかと、そのことによってどのような弊害が生じたかということをしっかり認識しておかなければ、この公正中立性の議論というのができない、またそれが理解できないということだと思います。
  やはり戦前の幹部公務員、当時の言葉で言いますと官僚ということになるわけですが、時には政友会、時には憲政会、そういう政党と非常に密接に結び付いて、政権が替わるたびに大幅な幹部公務員の人事異動が行われたと。そのことによって行政の継続性とか中立性が失われていったという歴史があるわけでございまして、そしてまた政党の力が徐々になくなってきますと、今度は官僚は軍部と結託したと、そしてまた時には財界と結び付いたと。そういうような歴史がありまして、そういうような特定の勢力と結ぶことによって日本の政治、行政の方向性がゆがめられたんじゃないかという反省の歴史があるわけでございます。
  そこで、そういう歴史の反省の上に立ちまして、憲法では十五条で公務員は全体の奉仕者であるということで、特定の勢力、特定の分野の利益というものに中立でなきゃならないという規定が設けられました。そして、この憲法の十五条の全体の奉仕者性というものをより具体的に担保していくために国家公務員法が制定されたということでございます。
  そして、国家公務員法におきましては、もう先生の方がよく御存じかも分かりませんけれども、その中で人事院というものを設置いたしまして、人事院に公正中立性の重要な役割を担わせておるというのが今の公務員法の体系だというふうに御理解いただきたいと思います。
○山下栄一君 公正中立性の確保は憲法が要請するものだと、憲法十五条、公務員は全体の奉仕者だと、一部特定の勢力の奉仕者じゃないという。また、国家公務員法という法律も公正中立の確保ということを大事にしているという今お話がございました。
  だから、これ公正中立というのは、時のそういう政権、政治勢力から距離を置くという、その中立性だという。また、先ほど、何でしたか、企業の話もされましたけれども、そういう私的な利権、それからも公正でなきゃならないという、そういうことだというふうに今思いました。改めて確認させていただきたいと思うわけですけれども。
  ちょっと今、総裁も触れられましたけれども、その中立公正を確保するために公務員の、また人事行政の中立公正を確保するための制度的保障、これを法律はどういう形で担保しているのかということについて、もう触れられたんですけれども、もう一回確認させてください。
○政府特別補佐人(中島忠能君) それを担保するために国家公務員法というものが制定されたと。そして、国家公務員法では、その第一条に書いてございますように、民主的にして能率的な、効率的な行政というものを確保していこうということでございます。そして、国家公務員法の第三条でございますけれども、第三条で人事院に、人事行政の公正の確保及び職員の利益の保護等に関する事務を人事院につかさどらせるというふうに規定しておるわけでございます。それを具体的に国家公務員法の中では、政治的行為の制限についての定めとか、あるいはまた営利企業への就職についての定め、あるいはまた身分保障、分限とか懲戒の基準を定めさせると。分限とか懲戒というのは戦前はかなり乱用されることもあったということで、その基準というのを中立機関に定めさせるというようなことが行われたし、それ自身が大切に現在されておるということでございます。
  現在議論になっております採用試験についてもそうでございますけれども、やはり採用の段階において、公務員というものは中立公正な仕組みの中で採用されなきゃならないというので、採用試験というものを人事院の所管にしておると。もちろん、企画立案も人事院の所管にされておるということでございます。
  そういうような全体の仕組みの中で御理解いただきたいというふうに思います。一部分だけ取り上げて議論されますと、どうも議論が矮小化されていくということでございまして、公務員法全体の中の仕組みで中立公正性というものがどのように確保されようとしているのかというところを全体として御理解いただきたい。また、そういう御説明を申し上げなきゃならないというふうに思います。
○山下栄一君 根本副大臣にもちょっと後から確認させていただきますけれども、今、総裁から、人事行政は公正中立でなきゃならないと、そのための組織として人事院が作られたんだということだったというふうに思うわけですけれども。ということは、人事行政の中心、国家公務員法でも、中央人事行政機関として人事院と、第三条、「内閣の所轄の下に」という言葉で書いてあるわけですけれども、第二項に人事院の人事行政の中身について、今も触れられましたけれども、書いてございます。ということは、人事行政制度、日本の人事行政制度は中立公正性を確保するために人事院中心にやるんだということが国家公務員法の要請だと。
  このことについては、行革担当副大臣も共有されていますんでしょうか。
○副大臣(根本匠君) 私も、人事院が公正公平の立場から人事行政をやる、これは私もそのとおりだと思います。
  ただ、私も今日初めて答弁をさせていただきますが、今回の公務員制度改革のいろんな議論を通じて、私も私なりに、これはどういう整理をすればいいのか、どういう頭の整理をすればいいのかと実は考えておりました。ただいまも人事院の総裁の言葉にありましたが、一部だけで議論するんではなくて公務員制度全体の仕組みの中で考えてもらいたいと、そういう御答弁がありましたが、実は私も同じようなことを考えております。公務員制度、今回の公務員制度改革の発端が実はどういう考え方から来ているのかと、私はこの全体のグランドデザインが必要だろうと、こう思っております。
  実は、これまでの行政改革の取組ですが、多少長くなって恐縮ですが、平成九年の行政改革会議最終報告、この報告の中では、自由かつ公正な社会を形成するにふさわしい二十一世紀型行政システムを作ろうと、こういう大きな方針を打ち立てておりまして、総合性、戦略性、あるいは機動性、透明性、効率性、簡素性の追求と、こういうものをまず打ち出しました。これを受けて、中央省庁再編改革が典型でありますが、内閣機能の強化を始め、中央省庁の再編、情報公開、政策評価制度等の整備が行われ、内閣総理大臣、内閣が広い権限と明確な責任を持って大胆かつ機動的な行政運営を遂行しようと。さらに、行政の執行や行政組織間の作用を対外的に透明にし、常に内閣総理大臣、内閣、各主任大臣の責任が国民から問われる内閣主導の枠組みの構築が図られてきております。
  実は私は、今回の公務員制度改革というのは、そういう大きなこれからの日本の二十一世紀型行政システムをどう構築するかと、これが実はこの原点だと思います。中央省庁改革で言わばハードウエアの改革をしたわけですが、今回、我々が公務員制度改革で提起しているのは、人に着目して、言わばソフトウエアの改革として公務員の意識や行動原理を改革しようと、正に行政改革の中心的な課題の一つとして位置付けております。
  そういう観点から、公務員制度というものはそもそも行政運営の基盤、実は、いかに効率的な、機動的な、国民に信頼される行政を展開するかという、私はそのある意味で手段だと思っておりますので、国民に対して行政運営の責任を有する内閣自身が、制度の中立性、公平性をきちんと確保しながら、その在り方を企画立案することが適当であると考えておりまして、その意味で今回の公務員制度改革の様々な具体的な案を提示しているわけでありまして、私は、その点では、この議論をする場合には、人事院の総裁がおっしゃられましたように、お互いに公務員制度全体の仕組みをどうするかという中で議論すべき問題だと、こう思います。
  その意味で、人事院は、中立性、公正性の観点からこの制度論に対して具体的な意見を言っていただいて、議論していくと、こういう位置付けになるんだと私は考えております。
○山下栄一君 ちょっと今、私が最初ずっと確認させていただいたことと違う話が出てきていると私は思うんですけれどもね。内閣が公正中立を確保できるのかと。内閣総理大臣も政治家ですし、使用者の代表でもあるという観点もあると思うんです。公正中立性の確保ということは大前提で、憲法の要請、国家公務員法もそのために作られておると。国家公務員の魂は公正中立にあるんだというふうに、今そのことは共有するとは言われたけれども、内閣主導でという言葉も出てきたので、この人事院と内閣の関係ですね、特に公正中立性の観点から、もちろん、内閣もじゃ人事行政に口出ししているのかというと、そうでもないとは思います。各省ももちろん人の配置その他やるわけですけれども。
  人事院と内閣の関係、公正中立性確保の観点から、このことについてちょっと、基本的なことかも分かりませんが、大事なことだと思います。その辺がちょっとあいまいになってきているのではないかという感じがしますので、総裁並びに副大臣、それぞれお考えをお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 少し大きな問題に飛躍していきましたけれども、公務員制度とか人事管理制度、人事行政について内閣と人事院の関係というものを御議論いただくときに見ていただきたい条文があります。必ず目を通してくださいという条文が幾つかあります。それは、憲法で申し上げますと、やはり六十五条、そして七十三条の第四号と、この二つの条文は、今、先生がおっしゃいました、人事管理、人事行政について目を通していただきたい条文だというふうに思います。それから、国家公務員法で申し上げますと、十八条の二という条文と十九条、そして二十条と、この三つの条文はやはり基本的に目を通していただいて、頭を整理していただく必要があるんじゃないかというふうに思います。
  少し具体的に御質問にお答えいたしますと、まず、人事行政、人事制度の公正中立性の確保に関して、内閣と人事院というのは、お互いに指揮命令をする、あるいは指揮命令を受けるという関係にはございません。それが一つ。そしてもう一つは、今申し上げました条文をお読みいただくと分かりますけれども、中立公正性の確保に関して、具体的に内閣ないし内閣総理大臣に直接的な権限というか責務というものが与えられた条文がないということでございます。具体的には、やはりそれを確保するための制度というものについての具体的な権限というのか責務というのは人事院に与えられておるということでございます。
○副大臣(根本匠君) 私は、先ほども申し上げましたように、公務員制度というのはそもそも行政運営の基盤でありまして、ある意味で手段であるとも申しましたが、国民に対して行政運営の責任を有する内閣自身が制度の中立性、公平性を確保しながらその在り方を企画立案することが適当であると、こう考えております。内閣が国会のコントロールの下で行政を執行する議院内閣制の下におきましては、国民に対して行政運営の責任を有する内閣が責任を持って人事制度の企画立案を行うことが基本だと私は考えております。その旨を閣議決定でも決めておりますが、私は基本はそこにあると思っております。
  もとより、第三者機関である人事院が中立性、公平性の観点からチェックを行うことは私も重要だと思いますが、内閣も中立性、公平性を確保しながら行政を執行する使命を有しておりますので、私はそういう整理だと思います。
  それから、一昨年十二月に閣議決定されました行政改革大綱では、中央人事行政機関が事前かつ個別、詳細にチェックする仕組みを見直す旨定めておりまして、それは取りも直さず人事院の役割そのものを見直すことにもなることになることからも、内閣が公務員制度改革の検討を進めることが大事だと思います。
  私はここは、人事院が公務員制度改革のすべてを、国家公務員に関する制度のすべてを企画及び立案をする、すべてを人事院がやるということではないと思います。やはり、内閣は全体に国民に対して責任を持っているわけですから、国家公務員に関する制度の企画立案機能、これは私は当然に内閣が持っているものだと思っております。
○山下栄一君 公務員の人事行政について人事院が全部握っているというようなことは私、言っていないわけで、根本副大臣に確認しますけれども、公正中立性の確保ということが憲法の要請だと、国家公務員法もそういうことを明示していると、人事行政の中心は人事院であると、公正中立を確保する観点からそうなっているんだと。今、副大臣は、内閣は中立性、公正性を確保しながら人事行政についての企画立案をするということをおっしゃったわけですけれども、その根拠はどこにあるのかなと。
  今、閣議決定の話をされましたけれども、僕は閣議決定よりも法律の方が上位だと思いますので、その辺のことがちょっとあいまいになってきているんじゃないかなというふうに思うんです。内閣が中立性、公正を確保しながら企画立案するという、そういうことはどこに根拠があるのかなというふうに思うんですけれども。
○副大臣(根本匠君) 私は、第三者機関である人事院が中立性、公平性の観点からチェックする、これは必要だと思うんです、これは人事院の機能そのものですから。ただ、内閣が、行政運営の基盤たるべき公務員制度をすべて人事院が企画立案までする、これは私はおかしいんではないかと。やはり、内閣が国会のコントロールの下で行政を執行する議院内閣制の下にありますから、国民に対して行政運営の責任を有する内閣が責任を持って人事制度の企画立案を行うことが基本であると思いますが、根拠といえば、総務省設置法の中には、第四条一号に「国家公務員に関する制度の企画及び立案に関すること。」と。要は、内閣が国家公務員に関する制度の企画及び立案に関することというのは根拠規定があるということで、私はここに、設置法に根拠があると思います。
○山下栄一君 僕は、冒頭申しましたように、人事行政は公正中立性を確保するんだ、旨とするんだということ、このことがちょっとやっぱりぼやけてきていると、機動性、弾力性確保の方が何か主流になってきて公正中立性ということが陰に隠れつつあるんじゃないかという、ちょっとそういう非常に危機意識がありましたので今お聞きしたわけです。
  私は、人事院総裁のお考えと根本副大臣のお考えはずれておると、ずれがあるというふうに思います。
  公正中立性を確保するため、人事院は内閣の指揮命令を受けるのではないということを先ほど総裁はおっしゃいました。内閣が統括しないで、したがって、それを国家公務員法では「内閣の所轄の下に」という言葉で言っているというふうに思うんです。命令を受けませんよと、そういうことによって公正中立性を確保していると、企画立案の主役は人事院なんだということを言っているのが国家公務員法であるというふうに思うんです。今、総務省設置法の話もされましたけれども、大前提はそこにあることを確認しないと、これはぼやけてしまうと国民の側に立った公務員制度改革ができないのではないかと、こういうふうに思いますもので、この今おっしゃったずれは大事なずれだと思いますので、これは具体的なことでちょっとお話ししていかないかぬと思うんですけれども。
  例えば採用試験。これはもう公務員の一番最初のスタートのところです。これは、今、企画立案は人事院がやっていると、それを今度は行革事務局というか行革担当大臣の下に移すというような案が出ているというふうに認識しているわけです。また、それと天下り、再就職の問題についても、再就職の最終決定を各省大臣に移すみたいなことになっていると。だけれども、この企画立案、基準を示すということを私はきちっと人事院がやるべきだというふうに思いますし、それを各大臣が仕切ってしまったら、これはもうますます国民の側に立てないというふうに思っているんです。
  大事な部分についても人事院の権限を弱めようとする流れが出てきていることを見て非常に危惧を抱いているわけですけれども、このことについて、総裁、副大臣、それぞれお考えをお聞きして終わってしまいます。済みません。
○政府特別補佐人(中島忠能君) この問題を考えるときの必要な基本的認識というものは何かということをしっかり頭の中にたたき込んでおく必要があるだろうというふうに思います。やはり、現在の内閣というのは政党内閣制──議院内閣制というのは政党内閣制でございます。したがいまして、政党内閣制の下にどこまでのとにかく中立公正性に関する権限を与えるかということは厳しい議論を一遍していただく必要があるだろうというふうに思います。
  私は、片山大臣とか、ここにいらっしゃる根本副大臣のような立派な方ばかりが内閣を構成されるとは限らないと。やはり、こういう制度というのは、人に頼っては駄目なんだと、制度に頼るようにしておかなきゃならないというのが基本だと思います。
  そこで、私が申し上げておるのは、やはりそういう制度をきちんと作って、どういう人がその衝に就いても中立公正性が担保できるような制度にしておく必要があるということが基本でなきゃならないというふうに思います。
  ただ、内閣がすべてどういう場合においても関心を持つべきではないとか、あるいは発言をすべきでないと、そういうことは私は申し上げません。やはり、時代が変わり国民の世論というものが変わってくると、内閣もある一定の範囲で関心を持たれるし、そしていろいろ発言をなさることもあるだろうと。それをどういうふうに担保していくかということを細かい議論をしていただく必要があるだろうというふうに思います。
○副大臣(根本匠君) 私も、人事院とそれから内閣の役割をきちんと定める、ルールで定める、これは非常に重要なことだと思います。ですから、総裁と私が言っていること、基本的に言っていることは変わりませんが、立脚している内閣の果たすべき役割と中立性、公平性の観点から果たすべき人事院の役割が、そこが十分に整理し切っていないということなんだと思います。
  ただ、今、採用の問題やあるいは再就職の問題もありましたが、要は、採用の問題は、各省が行政ニーズに即した有為な人材を確保することが重要であるとの考え方に基づきまして内閣がその企画立案しましょうということでありますし、再就職につきましても、公務員制度改革大綱においては、再就職の承認基準については内閣の命令、政令できちんと定めるということにいたしました。これは、職員の適切な服務管理と行政の公正な運営に一義的な責任を有する人事管理者が行う承認の基準、これは内閣自身が厳格かつ明確な基準を定めることが適当だと、こう考えていることで、こういうルールにしようということであります。
  また、人事行政の公正の確保及び職員の利益の確保の観点からは、内閣が政令で定める承認基準に対して人事院が意見の申出を行うことができる、こういう人事院の関与をルールとして定めようということにしております。
○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋良充でございますが、私は、今回の人勧と給与法で明らかになっています二つの問題、すなわちマイナス人勧と減額調整措置を中心に政府と人事院の見解をただしてまいりたいというふうに思っております。
  まず、総務大臣、マイナス給与改定が景気に与える影響についてでありますけれども、この給与法案が成立をいたしますと、国、地方合わせて人件費の削減が六千九百三十億円ぐらいだろう、そういうふうに試算をされているわけであります。これは、総務省の家計調査で試算をしてみると、約四千億円消費が減少するのではないかというふうに言われているんですね。
  さらに、これが年金にスライドをされるということにもしなりますと、年金受給者を始めとして国民生活にも多大な影響を及ぼすと、こういうことになるわけですけれども、このマイナス改定が現在の消費不況をより一層深刻化させるということになると思うんですけれども、総務大臣としてはどのような認識をお持ちですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 御承知のように、公務員の給与の決め方というのは、国家公務員の場合だと、人事院が民間の状況を調べて、官と民との間に較差があればそれを埋めると。今までは大体民間の方が良くて官の方が低かったケースが多いですから、給与は引き上げてきたわけですね。
  今回は本俸まで下げるという大変異例の事態ですけれども、しかし民間がそういう状況ですから、公務員の給与は民間準拠ですから、官民のバランスを取る、こういうことで勧告がなされ、それを完全実施ということで我々は受けて、給与法の御審議をお願いしているんですけれども、経済、景気にどういう影響を与えるか。プラスかマイナスかというと、それは私はプラスじゃないと思いますよ。どれだけの影響があるかはいろんな試算がありまして必ずしも定かではありませんが、プラスではない。しかし、プラスでないからといって人事院の勧告を無視する、民間が、高いのに民間にそろえないということじゃ、これは国民の納得は得られない。
  だから、給与改定の方は給与改定でやらせていただいて、景気回復、消費の増強だとかいろんなことについてはまた総合的な対策を取ってやると。こういう二本立てというんでしょうか、そこのところはそう考えさせていただかなきゃならないのではないかと思っております。
○高嶋良充君 私は何も公務員の賃金が民間準拠であることを否定をしているわけではないんですけれども、ただ、大臣、マイナス人勧の要因が政府の経済政策から出てきたデフレだというのが一番やっぱり大きな要因だというふうに思っているんですよ。景気が悪化をして、先ほど大臣も言われましたけれども、民間の賃金が下がるんだと、それに準拠して公務員の給与も下がると、更に人勧に準拠する形で国民の生活が低下をするという、こういう悪循環になっているわけですよね。
  私が言いたいのは、こういう悪循環が消費を停滞をさせてデフレを一層深刻化させているのではないかと。これはやっぱり、こういう悪循環を作り上げてきた政府の経済失政にあるんだということを、これはまずきちっと指摘をしておきたいというふうに思っています。
  そこで、大臣にお願いをすることは、やっぱり一刻も早く景気を回復させるということが政府の責任ではないか。そのためには、デフレ克服のための大型の補正予算を早急にやっぱり組んでいくということも含めた積極的な総合政策を実施をすべきではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) このデフレは本当に始末が悪いというか、なかなか難しいですね。ただ、これは大変複合的な要因でできていまして、今、世界同時デフレなんですよ。同時不況、同時デフレ、同時株安なんですね。だから、そういうことの中でやっぱり日本は一生懸命頑張らなければなりませんが、なかなか難しい点があるということは是非御理解を賜りたい、こういうふうに思っておりますが。
  十月の三十日に景気の根っこの言わばガンとも言うべき不良債権の処理を加速しようと。そのためには、いろんな副作用が出るといかぬので雇用や中小企業についてのセーフティーネットを整備しよう、これが一つ。それから、デフレについては総合的な対策を取ろう、こういうことを決めました。だから、これを着実に実行していくことによって不良債権の処理も進んでいくし、デフレも抑えられるんじゃないかということなんですが。
  そこで高嶋委員、大型の補正予算と、やかましいですね、これは。国会の内でも外でも、マスコミも毎日毎日こういうことを言っておりますが、いずれにせよ、税収が国も地方もかなり落ち込むんですよ。そういうことになりますと、それは埋めないというわけにはいかぬですから、税が落ちるんですから。いずれにせよ、そういう意味ではそれを埋めることを含めての予算での対応は取らざるを得ないし、セーフティーネットについても予算上の対応は必要ですから、そういうことは今十分な検討と議論をされておりますので、近々に政府としてはどういうこれについての態度を明らかにするかということになろうと、こういうふうに思っております。
○高嶋良充君 私は、雇用対策も含めて大型の補正予算を早急に組むべきであると再度大臣に要請をしておきたいというふうに思います。
  次に、大臣、本題に入りますけれども、四月からの年間給与の均衡を図るんだと、こういうことで十二月の期末手当で減額調整措置というようなことを講じられようとしているわけですけれども、これはどうでしょうね、不利益不遡及の原則に抵触をしているというふうに私は考えているんですけれども、政府の見解を示していただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) こういうことなんですね、人事院さんのお考えは。官民の均衡は年間給与で取る、官民の均衡は年間給与で取ると。したがって、今回の減額は今まで払ったものを返せというわけじゃない、これから支給すべき期末手当で調整をする、これは不利益不遡及の原則に抵触するわけではない、法律的にもそれはちゃんと説明できると。こういうことで御勧告いただいたものですから、我々も給与関係閣僚会議でその点は議論して、内閣法制局の見解も承って、これは法律上は不利益遡及ではない、こういうことで完全実施を決めさせていただいたわけでございます。
○高嶋良充君 どうも大臣の答弁を聞いていると、主体的にやったのではなしに、人事院の勧告があったからだと、こういうことなんですが、人事院総裁、見解はどうですか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) これは衆議院でも随分御議論いただきまして、御説明をさせていただきましたけれども、平たい言葉で言いますと、プラス勧告のときには四月にさかのぼって差額支給をしたと。そして、たまたまマイナスになったときには、今まで四月から十一月まで適法に支給されたんだからそれは知らないよと。おれはもうそんなこと知らないというふうに公務員が外部に言って、それでとにかく世の中が通るかというと、今の非常に厳しい環境の中ではそれは通らないだろうと。
  そこで、通らないということを前提に考えた場合にどういう調整の方法があるだろうかということを私たちは考えて、法律的にも可能だと。そして、それぞれの公務員にとっても一番打撃が少ない、給与事務を処理する人たちにとっても手続がそれほど掛からないということで期末手当で調整させていただいた、そういう案を勧告したということでございます。
  私たちは、この内容については、減額調整そのものに仮に高嶋先生が反対ということでございましたら、幾ら説明しても、右の耳から入って左の耳に抜けていくとよく言いますけれども、そういうことではない。もう右の耳にも入らないと、頭の上をただ流れていっているだけだと、私の言葉がですね。そういうようなことにもなりかねませんので、反対するという立場に立たずにひとつよくお聞きいただいて、ああ、これがやっぱり法律的に可能な、一番とにかく各公務員にとっては打撃が少ない方法なんだということを是非とも御理解いただきたいというふうに思います。
○高嶋良充君 私は、何も年間の給与を均衡することを否定をしているわけではありませんし、そのこと自身に反対をしているわけではないんですね。
  人事院総裁が言われたけれども、プラスの改定のときには四月にさかのぼってもらっておいて、それでマイナスになったらそれは駄目だというのはおかしいと、こういう理屈なんだけれども、プラスのときにやる部分についてはこれは政策的な決定でやられてきて、法的に何も問題がないわけです。しかし、マイナスは不利益を遡及するから、これは法律的に問題があると、そのことを私は指摘しているのであって、その問題について議論をさせていただきたいというふうに思うんです。
  じゃ、内閣法制局が来ていただいていますが、伺います。
  衆議院の総務委員会の審議で、内閣法制局は、減額調整は遡及適用ではないと、そういう趣旨の法解釈を行ったと聞いているんですが、改めて見解をここで示してください。
○政府参考人(梶田信一郎君) 今回の給与法改正案の本年十二月期におきます期末手当の調整措置についてでございますが、この措置は法律の施行日以後の将来の給与であります期末手当の額を調整するものでありまして、改正後の給与法を遡及適用いたしまして、既に適法に支給された給与をさかのぼって不利益に変更するものではございません。したがいまして、法律の遡及適用に伴う問題はないと考えております。
○高嶋良充君 ということは、法制局としては、適法に支払われた給与を不利益には変更できないんだと、裏返して言えばですよ、そういう見解を持っておられるというふうに受け止めてよろしいですね。
○政府参考人(梶田信一郎君) 十二月期の期末手当をめぐる今回の調整措置、これは、ただいまも申し上げましたように、遡及適用に当たることではないということはお答えしたとおりでございます。
  それで、今の御質問は、仮に、給与の引下げを内容とする法律の規定を既に支給済みの給与についても遡及して適用いたしまして、支払われた給与の一部の返還を求めるようなことが法的に許されるかどうかというような御趣旨のお尋ねになるというふうに思いますけれども、一般論としてこのような財産権に関する法令の規定の遡及適用の問題について申し上げますと、この点につきましては昭和五十三年七月十二日の最高裁の判決がございます。
  この最高裁の判決は、旧農地法に基づいて農地の旧所有者が有していた買収農地の売払いを求める権利について、事後の法律により売払い価格が引き上げられたことが争点になった事案ではございますが、この判決におきましては、法律でいったん定められた財産権の内容を事後の法律で変更しても、それが公共の福祉に適合するようにされたものである限り、これをもって違憲の立法と言うことはできないというふうにしております。
  その上で、その財産権の変更が許容されるかどうかについては、いったん定められた法律に基づく財産権の性質、その内容を変更する程度及びこれを変更することによって保護される公益の性質などを総合的に勘案し、その変更が当該財産権に対する合理的な制約として容認されるべきものであるかどうかによって判断すべきであるとしているところでございます。
  御質問の問題につきましても、こうした最高裁の判決で示された考え方を踏まえて、慎重に判断すべきものであるというふうに考えます。
○高嶋良充君 どうもよく答弁分からないんです。言っておられることは、相当の理由があれば遡及も可能だと、そういうことで、端的に言えばそういうことですか。
○政府参考人(梶田信一郎君) 今、一般論として申し上げました。今回の給与法の措置は、先ほども度々答弁を申し上げましたように、さかのぼってその法律を遡及適用するというようなことではございませんので、そういったさかのぼって適用をして、既に支給された給与の返還を求めるというようなことにつきましては検討はいたしておりません。
○高嶋良充君 私が聞いているのは、今の、既に適法で支払われた給与でない、将来発生する給与から、期末手当から引き去るんだから、これは遡及適用ではないというのは先ほど言われましたね。
  じゃ、一般論として、四月にさかのぼって給与を遡及すると、こういうことにした場合は、それはできるんですか、できないんですかと。先ほどは、何か相当の理由があればできるかも分かりませんと、慎重にと、こういうふうに言われたと思うんですが、そういうことですかと聞いているんです。
○政府参考人(梶田信一郎君) ただいま申し上げましたように、支給された給与につきましてさかのぼって法律の規定を適用して給与の返還を求めるというようなことは、実は考えておりませんといいますか、今回の案でもございませんし、考えておりませんので、具体的な検討はしているわけじゃございませんが、一般的に言いまして、国民の権利、利益を侵害するような遡及適用につきましては、刑罰法規につきましては憲法三十九条によりましてこれは禁止しておりますが、刑罰法規以外につきましても、やはり法的安定性等の観点から見まして、みだりに行うべきではないというふうに考えております。
  具体的なケースが出ましたら、先ほど申し上げました最高裁の判決等に即しまして、これは慎重にも慎重に検討すべきであろうというふうに考えております。
○高嶋良充君 私も法律の専門家ではないんで勉強してきたんですけれども、有斐閣が発行している新法律学辞典では、不利益不遡及という、そういう定義はないんですよね。法律の不遡及という定義があるんですけれどもね。そこで言うと、新法の方が関係者に有利な場合はもとより、既得権を大して侵害しない場合や、既得権をある程度侵害してまで新法を遡及させる必要がある場合には、この原則が破られることもあると。本来は破ってはならないんです。しかし、破られることもあると。しかし、それは、革命はその顕著な場合であるが、新しい理念に基づく制度の改革の場合などはそういう例があると。例として、第二次大戦後の民法改正、昭和二十二年、こういう例はあると、こう言っているんです。
  だから、そういうことから言っていくと、今回の給与法を、給与をさかのぼって遡及するということは、基本的にはできないんだと、そういう理解を人事院はされたんだというふうに思うんですが、人事院総裁、どうですか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) そのそこの法律論というのは私たちはそんなに詰めてしたわけではございません。先ほど、非常に平凡な言葉で申し上げましたけれども、国民感情に沿うようにとにかく処理できる法律的な方法はないかということで今回の提案になったということでございます。そのそこを詰めて議論するということになりましたら、やはり内閣法制局を中心にしてきちんとした議論をさせていただきたいというふうに思います。
○高嶋良充君 しかし、いずれにしてもやっぱり法的な部分は当然総裁の頭の中にあって、こういう第二次的な、二義的な方法を取られたんだというふうに私は思うんですよ。そうでなければ、何も施行日が十二月一日を想定されるような勧告を行うということ自体がまたおかしいわけですから、本来はいつも四月一日でやっておるわけですから、その辺の部分も含めて聞いていきたいんですが、そういう観点からいうと、私が言いたいのは、四月にさかのぼって給与の調整を遡及をするというこの行為自体が法律不遡及の原則に反しているんではないかと、そういうことを言いたいわけです。
  そこでお聞きをいたしますが、これは総務省ですかね、いずれにしても、法律不遡及という法の趣旨というのは、先ほども言いましたように、既得権尊重が大前提なんですよ。ということは、公務員の給与は基本的に現行給与法によって適法に支払われなければならないということは、これはもう法の趣旨からいってもそのとおりで、先ほども法制局の方から言われています。だから、所要の調整措置を講じたんだというふうに政府は言われているわけですけれども、しかし、一度支払われた賃金を調整の口実で後日に取り戻すということは既得権の侵害だということになるんではないか。そして、この公務員の賃金は、そういう形でとらまえていくと、あくまでも四月から十一月までは仮払いで払っておいたんだよと、こういうふうにも理解をされるわけですね。
  いずれにしても、このような方法というのはやっぱり不利益の遡及ということになるんではないかと、そういうふうに思っているんですけれども、見解を聞かせてください。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。
  国家公務員の給与の改定方式につきましては、国家公務員法に定めます情勢適応の原則に基づきまして四月の給与から改定する方式が長年にわたって定着してきておるところでございますが、このことによりまして四月からの年間給与において官民の均衡が図られてきておるところでございます。
  本年は俸給について引下げが必要になるところでございますが、今回の給与改定におきましては、既に支給された給与をさかのぼって不利益に変更する措置は行わないとの考えの下に、法施行日以降に支給される期末手当の額の調整を行うことによりまして従来どおり四月からの官民の年間給与の均衡を図ることといたしておりまして、このことは情勢適応の原則に照らしまして十分合理性があるものと考えておるところでございます。
○高嶋良充君 それは局長、詭弁ですよ。
  給与改正後の将来に発生する給与から減額するのだから遡及適用ではないと、あくまでも期末手当からやるんだと、こういうことのようですけれども、では聞きますけれども、今回の減額調整をされる減額の計算方法と、もし四月に遡及した場合の計算方法と、減額される金額はどうなんですか、同じですか、違いますか。
○政府参考人(久山慎一君) 今回の俸給引下げに伴います十二月期の期末手当による調整措置でございますが、本年四月から十一月までの期間について支給される給与の額と、同期間について改正後の給与法の規定により算定された場合の給与の額との差額によりまして調整するということにしているところでございます。
○高嶋良充君 全く同じだということでしょう。
○政府参考人(久山慎一君) ただいまの答弁のとおりでございます。
○高嶋良充君 びた一文違わないんですよね。
  確かに、形式論としては、既に支給された給与を直接減額調整するものではないということは、これは形式論としては分かります。しかし、計算方法では、四月からの賃金に遡及適用した場合と実質的に同じ効果を持つことになっているということなんです。同じ金額を減額するということは不利益の遡及と同様の効果があるということ、これは形式論ではなしに実質的な考え方としてそういうことになっているわけですね。
  問題の本質は、不利益の遡及と同様の効果がある減額調整措置が法的に許されるのかどうか、そこの部分もきちっと検討されたかということを聞いているわけです。私は、判例からいってもそれは許されるべきではないと、やる以上は脱法行為ではないかと、そう思っているんですが、いかがですか。
○政府参考人(久山慎一君) 今回の給与改定におきましては、既に支給されました給与をさかのぼって不利益に変更する措置は行わないとの考え方の下に、法施行日以降に支給される期末手当の額の調整を行うことによりまして四月からの官民の年間給与の均衡を図ることといたしておりまして、このことは情勢適応の原則に照らし十分合理性があるものというふうに考えております。
○高嶋良充君 だれも納得していないじゃないですか。だから組合だって納得していないんですよ、そんなことを言っておるから。
  じゃ、もう一度聞きますけれども、これは、先ほども公務員制度改革で公明党の山下委員からも発言がありますけれども、権利問題からいっても法改正後の将来発生する給与からの減額であれば問題なしと、こういうふうに言われるのであれば、突き詰めれば、給与法定主義だから給与法さえ改正すれば何でもやれるんだという理屈になってしまうんですよ。それでは、労働基本権制約の代償措置としての人事院の位置付けを含めて一体どうしてくれるんだという、これは職員側は開き直ることができるわけですから、その辺についてはどう考えていますか。
○政府参考人(久山慎一君) 政府といたしましては、去る八月八日に人事院勧告を受け取りまして、同日の給与関係閣僚会議におきまして国家公務員の給与の取扱いの検討に着手いたしまして、その後、政府部内において事務的な検討を進めてきたところでございます。九月の二十七日の第二回給与関係閣僚会議におきましては、この間の政府部内におきます検討をも踏まえ、人事院勧告制度尊重の基本姿勢の下に国政全般との観点から議論を行った上で、本年の給与改定を人事院勧告どおりとする旨の方針を決定したところでございます。その後、給与法を所管する当省におきまして鋭意、給与改正法案の作成作業を進め、本臨時国会の冒頭に法案を提出したところでございます。
○高嶋良充君 全く私の質問に答えていないというんですか、もう時間の関係もありますから、次に進みます。
  私は、何もマイナスの場合の官民給与の年間均衡を取るなというふうに言っているんじゃないんですよ。だれが見ても不利益の遡及としか認識できないような方法は理解と納得が得られないですよということを主張しているんです。もう議員さん全員が、これに理解と納得できないという失笑も起こっていましたけれども、そういうことなんですよ。
  それで、人事院にお伺いしたいんですけれども、民間企業では協約を改定した時点からの引下げであって、こんな方法は考えられませんよね。これはもうそのとおりなんです。さらに、同じ公務員でも、この間出ました仲裁裁定もありますけれども、国営企業の関係については、どのように引き下げるか労使で協議して決定するようにと、こういうことを仲裁でも求めているわけですね。
  私が言いたい重要なことは、労使協議で決定をすると、こういうとりわけマイナスで減額しなければならないというようなことについてはやっぱり職員団体側の納得を得るべきだと、こういうことを言っているんですけれども、人事院総裁に伺いますけれども、本当に年間給与を均衡させるのにこんな方式しか、今、給与法案で出ておるこのような方式しか考えられなかったのかどうなのか。ほかにいろんなことがあったんではないかというふうに私は思うんですが、どうでしょう。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 先ほど御答弁申し上げましたように、今私たちが勧告いたしました方法が一番職員にとっていいだろうということでこういう勧告をしたわけでございますけれども、調整の方法として今回私たちが勧告したその方法以外にないかというと、それはあると思います、私は。考え方としていろいろあると思います。しかし、先ほどもるる申し上げておりますように、職員にとって一番とにかく打撃が少ない、また、給与事務を処理する人たちにとっても手続が一番とにかく煩瑣でないと、そういうことを考えて私たちはこういうような方法を提案したということでございます。
  ただ、先ほど労使協議の話がありましたけれども、私たちは、仮に労働団体が今回の場合でも初めから減額調整することについて同意されたと、そしてその同意の下にどういう方法がいいかということについて話合いに乗っていただけるというのなら、私たちは話合いをしたと思いますよ、これは。しかし、そこまでの話に行かなかったということでございますので、今回こういう議論があるということは、私は将来に非常にプラスだと思います。
  ただ、来年も減額調整があるかどうか、それは分かりませんけれども、将来の減額調整の方法について労働団体ととにかく話をして、一番労働団体の人たちも納得性の高い方法を取ろうじゃないかということなら、私たちはその交渉をするというか、そういう方たちとお話をすることについて否定的ではありません。
○高嶋良充君 衆議院の答弁では、何か職員側と百回も会ったと、こういう答弁をされたようですけれども、何回会っても、いろんな意見も聞いて、そして政府側、人事院側にもそれをやっぱり取り入れて聞く耳持たないと、理解だけではなしに納得も得てもらわないかぬという、そういうことですから、そこはきちっとしてもらわないかぬ。
  じゃ、総裁、伺いますけれども、本改正案が十二月一日以降に成立をすると、こういうことになりましたらこの方式はもう取れないわけですよね。どういう方法を取ろうというふうに考えておられるんですか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) この法律が今月の末までに成立しないということは、実は考えたことはございません。そういうことは恐らくないだろうというふうに考えていますので、調整の、違った調整の方法について議論したこともございませんし、ひとつそういう議論がないように、この法律を成立させていただきたいというふうにお願いします。
○委員長(山崎力君) ちょっと速記を止めてください。
    〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
  今の高嶋委員の質問に対する中島人事院総裁の答弁をもう一度、ちょっと誤解のないように繰り返していただきたいと思います。

○政府特別補佐人(中島忠能君) 御議論を今いただいておるわけでございますけれども、十分御議論いただきまして、是非ともできるだけ早く成立をお願い申し上げたいと思います。
○高嶋良充君 国会審議の催促的なことを言われると、これはもう越権行為ですから了解できないんですけれども、いずれにしても、この法案が十二月一日までに成立するかどうかというのは我々側のサイドの問題でありまして、それは言ってもらう必要がないんだと。もし成立しなかったらどうかと、仮定の話はできませんと、こういうことですけれども。
  地方自治体では十二月条例化ができないようなところも一杯あるわけですよ、そうでしょう。この法案が審議されてからもまた地方自治体はやっていくわけですから。じゃ、その場合に十二月の一時金から差っ引くことができるんですかということになるわけですから、人事院は地方自治体のことなど知りませんと、それでいいけれども、総務省は、とりわけ旧自治省の関係は、そういうところは目配りをせにゃいかぬわけですから、そういうことも含めて、ほかにいろいろ考えられる方法がないんですかと、こういうことを聞いたわけです。
  私は、いろんなやり方がやっぱりあったと思いますよ。例えば、別途労使で協議をして、昨年の特例一時金のように一人当たりの月数を出して三月に調整措置を講じるという方式だって考えられたんではありませんか。そうでしょう、昨年はそういうことをやっておられるわけですから。
  いずれにしても、人事院が勧告した方法というのは不利益不遡及という法的問題を発生させる一番まずい方法を選択をされたと、そういうことをまず強調しておきたいというふうに思います。
  そこで、総務大臣に伺いますけれども、衆議院の審議で国営企業の問題を尋ねられたときに、大臣は次のように答弁をされています。国営企業職員には団体交渉権があって普通の公務員には団結権しかないから仲裁裁定で差があったんだと、こういうふうに述べられていますけれども、私はそのとおりだと思うんですね。
  ということは、地方公務員の場合において見ると、地方公営企業労働関係法を適用又は準用される職員は労働協約の締結については権利を持っておるわけですから、国営企業職員と同様の考え方としてとらまえてよろしいですね。
○国務大臣(片山虎之助君) 地方の場合は地方公営企業労働関係法を適用又は準用される職員と、こういうことになりますが、その給与は、高嶋委員御承知のように、種類と基準は条例で決めて、その具体的な給与の額等については、団体交渉の結果による労働協約かあるいは企業管理者が定める企業管理規程によると、こういうことになっておりますから、それは大いに話し合っていただければいいんですが、我々としては一般に準じてと、こういうふうに考えております。
○高嶋良充君 分かりました。大臣の言われるとおりだというふうに私も思います。
  そこで、再度伺いますけれども、地方公務員、とりわけ地方公営企業法を適用又は準用される職員、今言われましたけれども、この給与決定というか、今回の調整方法もそうですけれども、それに当たっては国営企業方式等も参考に労使協議を重視をして、いろいろな官民均衡方式が検討されてしかるべきだというふうに私は考えているんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) それは当該団体の労使で大いに議論していただいて合意をしてもらえればいいと思いますが、私どもの方としては、基本的には特段の事情がない限り、その団体の一般の普通の公務員に準じた方がいいのではないかと思っております。
○高嶋良充君 何も一般の地方公務員、行政職員と別の給与を決めるべきだと、そういう意味で言っているんではないですよ。だけれども、労働法的には現業、公営企業の職員の方が優位性を持っているわけですから、そこをやっぱり大臣としては認識をしておいていただきたいということでございます。
  時間が大分、ちょっと一つ、大臣の分もあるんですけれども、飛ばします。
  総務大臣に伺いたいんですけれども、いずれにしても、今回の最大の問題は公務員組合が納得をしていないというところが一番やっぱり大きいと思うんですね。先ほどからも言っていますけれども、私が労使協議を強調するのは、とりわけこのような既得権を侵害するような減額調整の方法を一方的に取るということは、これはやっぱり問題が更に大きくなるんではないかと。もし個人の労働債権だ、それを侵害されたと、そういうことで職員一人一人が政府や自治体当局を訴えるということにだってなりかねないわけですよ。そうなれば、労使関係の安定どころか、正にこのことをやることによって労使紛争の種を政府側がまいたと、そういうことになる、そういう事態にだってなりかねないわけですから。
  そういう観点からいってみても、やっぱりこの種の問題はしっかり公務員組合と協議をすると、職員団体等の意見を十分に聴取をして、納得を得るような最大限の努力をやっぱり政府、人事院は払うべきだというふうに思いますが、総務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) そうですね。今回の勧告は大変厳しい内容ですね、本俸まで下げるというのは。そういう意味では、私も誠意を持って職員団体の代表の皆さんと話しましたし、人事・恩給局長以下はもうそれは百回ぐらい会っているんです。回数だけがいいわけじゃないと、それはそうですよ。それは回数も回数ですけれども、相当誠意を持って話しておりますので、その辺は相当話したんですが、やっぱり基本的には減額ということですから、なかなか、最終的には御納得を得ていないかもしれませんが、今後とも職員団体の皆さんとは十分話合いを努めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○高嶋良充君 大臣、もう一つ確認をさせてください。
  今回の減額調整措置、これは公務員の賃金、労働条件の決定システムそれ自体からくる私は、この特有のものというか、固有のものだというふうに理解をしておるわけですけれども、ということは、このことによって民間などに波及をする、あるいはさせてはならないと、波及するものではないと、そういうふうにとらえているんですけれども、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 民間は、労働基本権が制約されていませんから、労使の十分な話合いでお決めいただければいいんで、この給与決定方式は公務員特有のものですから、民間に波及されるべきではないと、こういうふうに私は思っております。
○高嶋良充君 分かりました。
  じゃ、大臣、やっぱり今回の問題の本質は、先ほども言っていますけれども、公務員の賃金決定の仕組みに問題があるというふうに思っているんですね。今までのように、右肩上がりで賃金が少しでも上がっているときにはこういう問題というのは起こらなかったわけですけれども、しかし、今年のように賃金が下げなければならないというときに、勧告は人事院の専権事項なんだと、そしてそれを実施するのは政府の権限だと、こういうことだけで一方的に決めるという仕組みそのものが今やっぱり見直していく必要があるんではないかと。とりわけ、職員団体から納得を得られるような方向で見直すべきではないかと、こういうふうに思っているんです。
  人勧制度そのものが、いつも大臣言われますけれども、労使関係の安定に寄与しているんだと、人事院総裁もそういうふうにいつも言っておられます。しかし、逆に今のような時代状況では労使紛争を誘発する要因になるんではないかなというふうに私は危惧をしているんです。是非この機会に労働側が賃金決定に関与できる仕組みに改めるべきだというふうに思っているんですが、大臣の見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 公務員に対する労働基本権の在り方をどうするかというのは大きい問題ですね。
  私は、やっぱり公務員というのは全体の奉仕者、国家公務員は国民全体の奉仕者、地方公務員は地方団体全体の住民の皆さんの奉仕者と、こういう公務員の地位の特殊性と仕事の職務の公共性からいうと、やっぱり団結権を認める、団体交渉はできるけれども、労働団体協約の締結権はちょっとそれは御遠慮いただく、争議権は駄目と、こういう仕組みは、これは私はやむを得ないのではないかと。その代わり代償措置として、権威ある中立公正な人事院がありまして、私は人事院が本当にいろんなことをよく考えて勧告していると思いますよ、今までも今回も。だから、この点はやっぱり人事院制度というのを堅持していくと、人事院勧告制度を守っていくということは私は必要じゃないかと、こう思っておりますが、一方、職員団体の皆さんとのコミュニケーションは幾らやってもこれはやり過ぎることはないんで、こういう意味ではなお努力を我々もさせていただきたいと、こう思っております。
○高嶋良充君 もう大臣の方から基本権問題も含めて争議権はということだけれども、しかし協約権ぐらいはと、こういう話もありました。私は、そういうことも含めてきちっとやっぱり議論をしていく、政府側として、あるいは政府側としても議論をしていく必要があるんではないかというふうに思っているんです。それを前提にしてお伺いをします。
  今、片山総務大臣が言われたような方向で公務員制度改革が進んでおれば我々は何も危惧をしないわけですけれども、内閣府、どうですか。今、進んで今やっておられるのは、全くそれに逆行しているんじゃないですか。
  内閣府にお尋ねをしますけれども、十月中旬に、新たな人事制度の設計の考え方、議論のたたき台というやつですね、こういうぺーぺーを各府省庁それから組合にも提示されたというふうに聞いておりますけれども、このペーパーは人事院と内閣の権限の切り分けを書いたものというふうに私は読めると思うんですが、それでいいですね。
○政府参考人(春田謙君) お答え申し上げます。
  今お尋ねの公務員制度改革大綱に基づく公務員制度改革でございますが、今お話にございました新たな人事制度の設計の考え方ということで、これはあくまでも私ども関係者との間での議論を深めるためのたたき台ということで、議論のたたき台ということで御提示をさせていただいているものでございます。
  私ども、このたたき台につきましては、労働基本権の現行の制約を維持した上で新たな人事制度、具体的な仕組みを考えるに当たりまして考慮すべき事項といたしまして、政令あるいは人事院規則といった、いわゆる法律に基づくところの下位規範、こういうものをどういうふうに設定をしていくのかということについての正に議論のたたき台という形でお示しをさせていただいたものでございます。
  今後、このたたき台の議論を幅広く関係者との間で行わさせていただきまして、国家公務員法の改正の検討作業につなげていきたいというように考えております。
○高嶋良充君 内閣と人事院の機能分担というか、そういうことではないかというふうに聞いているんですけれども、今の答弁からいうと、大体そういうことだろうというふうに理解をいたします。
  じゃ、お尋ねしますけれども、労働基本権制約の代償措置の確保というふうにこのペーパーの中に書かれていますね、たたき台の中に。これは、この意味するところはどういうことなんでしょうね。私は、公務員制度改革大綱、昨年の末に閣議決定されましたけれども、その中にある労働基本権制約に代わる相応の措置という言葉があるんですけれども、この代償措置の確保というのと相応の措置というのは同じことを意味しているんだなというふうに理解してよろしいですか。
○政府参考人(春田謙君) 今御指摘の労働基本権の制約の関係でございますが、昨年末の閣議決定におきまして記述がございますのは、公務の安定的・継続的な運営の確保の視点、国民生活へ与える影響の観点などを総合的に勘案し、公務員の労働基本権の制約について、今後もこれに代わる相応の措置を確保しつつ、現行の制約を維持することとしていると、こういう文言で閣議決定がなされたわけでございます。
  私ども、御指摘の先ほどの議論のたたき台の中で、労働基本権制約下における人事制度の仕組みというものを今御提示させていただいているものでございますが、この中で、公務員の労働基本権制約の代償措置につきましては今後とも確保するということとしております。
  具体的には、最高裁判決で示されております代償措置の内容でございます勤務条件が法律で定められているということ、それから勤務条件について人事院の国会及び内閣に対する勧告、報告が義務付けられていること、それから人事院に対して職員の行政措置要求及び不服審査請求の道が開かれていること、これにつきまして、今般の公務員制度改革におきましてもこれらの措置を引き続き維持をするということにしているものでございます。
○高嶋良充君 詳しく答弁いただいたんですが、私が聞いているのは、相応の措置と同じかと、こう聞いたんですが、相応の措置という公務員制度改革大綱を具体的にしたのが代償措置の確保だと、こういうふうに理解をさせていただきます。
  そこで、これがそういうことであれば、中身的には今ちょっと説明を受けましたけれども、やっぱり余りにひどい内容じゃないかというふうに思うんですね、相応の措置だということであれば。たたき台では、勤務条件にかかわるものまで法律と政令で一方的に使用者で決めていいんだと、あるいは決めると、こういうことになっているわけでしょう。そして、しかしその一方では、人事院の機能については縮小するんだと、そういうふうにしているじゃありませんか。
  今回の行革推進事務局のたたき台は、今の全農林の最高裁判決のことを言われましたけれども、全農林判決で言う代償機能さえ満たしていないというふうに私は思いますよ。明らかに憲法問題を惹起することになるんじゃないですか。
  人事院総裁は、そのことについてどう考えますか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) たたき台の話が出ましたが、たたき台の中にいろいろ書いてございまして、理論的に首尾一貫しないところもございますし、勤務条件をああいうふうに三つに分けるというのもかなり議論としては未成熟だなというふうに思います。
  その上で、今、先生がおっしゃいますように、代償措置というものが十分機能しないような仕組みになっておりますので、これは議論としては非常にこれから深めていただく必要がある内容だなという認識を持っております。
○高嶋良充君 総裁、私はもう一つ聞いているのは、憲法問題としてはどうですかということなんです。その辺はどうでしょうね。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 今のたたき台のままで憲法問題はどうだということになりますと、やはり労働基本権を制約する、その制約することに伴う代償措置という面からいうと不十分だと言わざるを得ない。そうすると、憲法上かなり重要な議論が出てくるだろうというふうに思います。
○高嶋良充君 総務大臣、人事院総裁からも、使用者の立場に立つ内閣が勤務条件を、これを政令で定めるというふうなことをやっていくと、やっぱり憲法上の疑念が生じるんではないかと、労働基本権との関係で、そういう見解を示されているわけですね。これは、この間、十一日に参議院の行政監視委員会で石原行革大臣と中島人事院総裁から、両方から報告を受けましたけれども、その中でもそういうことが言われていました。
  総務大臣に伺いたいんですけれども、総務大臣は先ほどの答弁を聞いていてもやっぱり閣内の中では総理以上に公務員制度を熟知をした大臣だというふうに認識をしているんですけれども、その大臣が、この行革推進事務局のたたき台では私は代償機能の発揮という人勧制度の前提がまず崩れるのではないか、大臣はいつも人勧制度がベターなんだと、こういうふうに言っているようなんですけれども、その前提が崩れるのではないかというふうに思うんですね。
  今の人事院総裁と行革推進事務局の考え方を聞いておられて、その所感をお聞きをしたいというふうに思います。見解でも結構です。
○国務大臣(片山虎之助君) 私は、先ほども言いましたが、労働基本権を制約しているんだから、その代償措置についてはこれはしっかりせないかぬと。そのために人事院があるんで。
  そこで、その代償措置はどこまでかという議論ですね。勤務条件ですよ、主として。勤務条件というのはぎりぎりどこまでで、それから、そこは勤務条件にストレートではないということの仕分が要ると思うんですね。
  そこで、今、内閣が何でこういうことをやっているかというと、基本権の代償措置はいいんですが、もう人事行政、公務員行政、全部人事院にやってもらって、おんぶにだっこに肩車ですよ、内閣の方が。だから、それじゃ国民、国会に対して責任を持つ内閣というものの在り方、あるいは任命権者の在り方が問われるという反省なんですよ。だから、人事院にやってもらわにゃいかぬところはやってもらわにゃいけませんよ。しかし、任命権者、内閣として、国民、国会に責任があるわけですから、そこはちゃんと機能させるように仕分をもう一遍考え直そうということですよ。
  だから、私はこのたたき台を十分研究しているわけじゃありませんが、たたき台ですから、しょせん、たたきゃいいんです、たたきまくれば。その結果、いい案をみんなで合意形成していくということがこれから必要だろうと。あそこで、何とか事務局で作っていますけれども、できたら私の方が責任持つんです、公務員行政は。国家公務員も地方公務員も私のところの所管ですから。ただ、私の方が手一杯であるということと、特命で今公務員制度改革をやってもらっているんですよ、石原さんや何とか室、局か室か知らぬけれども。
  だから、そういうことについては、十分私も今後は注意して必要なことは言っていきます。ただ、基本的にはそうですよ、全部人事院に丸抱えというのは良くない。そこは、やっぱり内閣が責任持つところはぴしゃっと持たないかぬと私は思っております。
○高嶋良充君 正に労働基本権問題がこれから焦点になってくるんですが、その辺も含めて、内閣と人事院の機能と労働基本権と、それが憲法に対してどうなのかということをやっぱりきちっと議論をしていってもらわないかぬ。
  ただ、今回のようなたたき台は、大臣も言われましたけれども、たたけばいいんだと。それはたたいてもらって結構です。できたら、たたいて、たたいて、たたいて、石原大臣にたたき返してほしいと、そういうふうに要望しておきたいと思いますし、これからやっぱり国家公務員も地方公務員も、約四百二十万人、総務大臣のところで今まではずっとやってこられたわけですから、これからも、一応内閣府でもやらすけれども、総務省としてやっぱりどう考えているんだと、総務大臣としてこうなんだと、これはやっぱり人事院とも調整しながらきちっとしたやつをやっぱり出していただくということが必要だというふうに思いますよ。それだけの力を持っておられる片山大臣なんだから、お願いをしておきたいというふうに思っております。
  そこで、時間もありませんが、厚生労働省、来てもらっていましたかね。──はい。
  十一月八日の毎日新聞の朝刊に記事が載っておりました。この問題で連合などがILOに提訴をしているんですけれども、その勧告がこの十一月末にまとまるだろうと。その記事によると、勧告案は、日本の公務員のスト権一律禁止などを国際労働基準の原則違反と指摘をして、政府に労働側との十分な協議を踏まえた法改正を求めていくだろうと、こういうふうに書かれているんですが、政府はこの事実関係をどの程度把握されておりますか。
○政府参考人(青木豊君) 今、御質問がございましたILOでは、結社の自由委員会で我が国公務員制度改革について非公開で審議をされております。
  その勧告案については、今月の十九日から二十二日まで開催されるILO理事会で採択の後、公表されるというふうに聞いております。したがって、現時点ではその内容については承知しておりません。
○高嶋良充君 そういう答弁になるんでしょう。非公開だから、承知をしていてもここでは言えないと、こういうことなんですけれども、私は、個別に入手した情報で言うと、この記事は非常に真実性があるというか事実性が高いと、そういうふうに聞いています。
  そこで、総務省に伺いたいんですが、このILOの勧告が今言われたように月末に行われると、こういうことですから、もし私が先ほど言ったような新聞記事のような勧告が出れば、日本政府にとっては、この勧告に沿って公務員に労働基本権を付与する方向で法律の改正をまとめていくということにするのか、それとも現在批准しているILO八十七号条約を国際世論を無視して破棄するということになるのかの二つの選択肢しかないというふうに思っているんですけれども、総務省の考え方はどうですか。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。
  公務員制度改革等につきまして、日本労働組合総連合会と全国労働組合総連合会等からILO結社の自由委員会に対しまして申立てが行われているところでございます。
  結社の自由委員会の審議は非公開でございまして、その報告書は十一月の十九日から二十二日に開かれますILO理事会、本会議の承認を経て公表されるため、審議内容については日本政府は現時点では一切承知しておらないところでございます。
  仮に何らかの勧告が出された場合でございますが、その場合には、その詳細を確認の上、必要に応じまして関係各省と協議しながら適切に対応していく所存でございます。
○高嶋良充君 出てから検討すると、こういうことでしょうけれども、いずれにしても、ILOの勧告は重い意味を持っているわけですから、尊重するのは当然ですけれども、それをやっぱり実施をするという、そういう方向で前向きな検討を是非お願いをしておきたいというふうに思っております。
  最後に、総務大臣、決意を述べておいていただきたいんですけれども、今回の減額調整措置は、先ほどからも言っていますように、やっぱり現行の公務員制度、とりわけこの賃金・勤務条件の決定システムの在り方に起因をしているということだというふうに思うんです。もう一つは、今も言いましたILOの勧告で、労働基本権問題はこれからは避けて通れないということになるのではないかと。
  いずれにしても、これらのことは、公務員制度改革、先ほども言っておりますけれども、公務員制度改革の中でやっぱり職員団体と十分に意見交換をして職員団体の納得を得る形で進めていく、あるいは抜本的に改革をしていくと、そういうことにこれからも是非この透明性をも含めてやっていただきたいというふうに思っているんですが、その決意をお願いをします。
○国務大臣(片山虎之助君) 今の公務員制度改革の方向は、労働基本権問題には恐らく触らないと、今のままで労働基本権を制約させていただいて代償措置を保障すると、こういうことで私、済むと思いますけれども、もし仮に労働基本権に波及するようなら、これはもう職員団体と十分な協議、議論をしないといかぬと思いますね。
  それ以外についても私は職員団体の皆さんの意見を十分聞くことは必要だと、こう思っておりますので、我々はもちろん、今、公務員制度を所管して運用している我々としてはやりますし、今、公務員制度の新しい改革の案を検討されている石原大臣なり、来られた室長ですか、そういうところにも十分な話合いをするように私の方からも助言をしていきます。
○高嶋良充君 終わります。
○椎名一保君 自民党の椎名でございます。
  給与法案につきましては高嶋先生の質問に若干重複するかもしれませんけれども、お許しをいただきたいと思います。
  給与法案の内容についての質問に入る前に、給与法案の提出者であります片山総務大臣に、本年の人事院勧告を受けてから政府として人事院勧告どおりに給与改定を行うことを決定し、今回給与法案を提出するに至った経緯についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 人事院勧告は八月八日に内閣と国会に対して出されまして、同日の給与関係閣僚会議におきましてこの勧告をどう取り扱うか検討に着手しまして、そのうち関係の省庁の事務的な検討をずっと重ねてまいりました。そこで、臨時国会も十月半ばには開かれるということでございますので、九月二十七日の給与関係閣僚会議におきまして、事務的な積み重ねた検討の結果を見まして、人事院勧告制度は尊重すると、これが政府の基本的な姿勢でございますので、景気の状況その他いろんなことも議論がありましたが、本年の給与改定については人勧を完全実施すると、こういう方針を決めたわけでございまして、その完全実施ということで給与関係二法案を作らせていただいてこの国会で御審議をいただいていると、こういう状況でございます。
○椎名一保君 続きまして、人事院総裁にお伺いいたします。
  政府から本年の人事院勧告どおりの給与改定を内容とする法案が提出され、現在審議を行っているところでありますが、人事院勧告制度創設以来初めて俸給等の引下げ勧告を行うことになったことに対する所感についてお伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 御指摘のように、本俸のマイナス勧告というのは初めてでございますし、職員にとっても非常に大きな問題だというふうに思います。私も非常に心が痛むわけでございますけれども、ただ、情勢適応の原則というのがございまして、公務員の給与というのは民間の労働者の給与に均衡させていくという原則がございまして、この原則に基づいて従来から公務員の給与を定めさせていただいておるわけでございます。
    〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
  そこで、私たちは今年の四月現在の民間の労働者の給与というものを調べました。これは、よく新聞で報道されますように、春闘のベア率というのがよく出ますけれども、その場合にはベアしたところの企業だけのアップ率というものを平均して出すわけでございますけれども、私たちはベアしたところもベアしないところも、賃金を切り下げたところも切り下げていないところも全部調査いたしまして、その時点における給与水準というものを把握いたしまして公務員の給与水準と比較するということを行っております。特に、民間企業というのは、七千四百の事業所というものを抽出いたしましてそれを調査する、都道府県の人事委員会と協力してそういう調査をいたしておるわけでございます。
  そこで、この公務員の給与の水準というものを決めるときに私たちは二つのことを常に念頭に置いております。一つは、やはり何といいましても、公務員の賃金というのは国民の税金というものによって賄われておりますので、国民が納得していただくような調査をすると、そして国民が納得していただくような内容でなきゃならないということを心掛けております。もう一つは、やはり賃金でございますので、それを受ける国家公務員労働者というものが、やはりこれはやむを得ない勧告だということを内容を御説明したときに思っていただけるようなプロセスというものがなければならないというふうに考えております。
  その二つのプロセスを経まして、丁寧に私たちは調査をさせていただきまして、いろいろな中小企業の人たちの意見も全国にわたって聞きましたけれども、いろいろな方の御意見を聞いて今回の勧告内容というものを決めさせていただきました。
○椎名一保君 それでは、給与法案の内容についてお伺いいたします。
  まず、扶養手当についてですけれども、今回、配偶者を持つ職員に支給する扶養手当を引き下げる一方で三人目以降の子供を持つ職員に支給する扶養手当を引き上げることとされておりますが、厳しい給与改定においてめり張りのある改定だと私は考えます。特に、少子化の問題を考えますと子供の手当額の引上げは良いことだとは思っておりますけれども、人事院はどのような判断の下、今回の扶養手当の改定内容について勧告を行ったのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(大村厚至君) 扶養手当につきましては、従来から、民間における家族手当の支給状況、それと職員の家計負担の実情などを考慮して改定を行ってきたところでございます。本年は、官民較差がマイナスとなる状況の下で、本俸を引き下げるとともに、扶養手当についても、民間の支給状況を考慮しまして配偶者に係る手当を引き下げる、それと同時に、言わばこれによって影響を受ける特に多子世帯における生計費等の負担を考慮しまして、配偶者の手当額を引き下げる一方、三人目以降に係る子についての手当額を三千円を五千円に二千円引き上げたところでございます。
○椎名一保君 続きまして十二月期の期末手当による調整措置の法的整理についてお伺いしようと思ったんですが、先ほどの高嶋委員の御議論をお伺いしておりまして、これはベストではないけれども、右肩上がりから右肩下がりの状況になった環境においてベターな、苦肉の策と申し上げてよろしいかと思いますけれども、私は、実質的な不利益の遡及という声もありますけれども、そうではないと理解したところでございます。
    〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
  続きまして、民間企業退職金実態調査の結果につきまして御質問させていただきたいと思います。
  本年の国家公務員の給与につきまして人事院勧告どおり改定する旨の閣議決定を行った際、国家公務員の退職手当についても支給水準を見直すこととされたものと承知しております。
  この点に関しまして、本年九月に総務省から民間企業退職金実態調査の結果が公表されましたが、その調査の内容及び調査結果の概要をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。
  本年九月に公表いたしました調査でございますが、これは、国家公務員の退職手当の水準等の見直しに資するために実施したものでございます。企業規模百人以上の民間企業約六千三百社の退職金制度及び当該企業を退職した約二万三千人の退職金支給実額を調査したものでございます。
  その調査結果でございますが、民間企業従業員の退職金の水準を一〇〇といたしますと国家公務員の退職手当の水準は一〇五・六でございまして、国家公務員が民間企業従業員を五・六%上回っているということでございます。
○椎名一保君 ただいま局長から、民間企業退職金実態調査の概要について答弁をいただきました。民間企業従業員の退職金の水準を一〇〇とした場合、国家公務員の退職手当の水準が一〇五・六であるとのことでございました。
  私は、給与だけでなく退職手当についてもできる限り民間の水準に合わせていくことが必要であると考えますが、この民間企業退職金実態調査の結果を踏まえ、今後どのような取組を行っていくのか、総務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(片山虎之助君) こういう結果が出ましたら、やっぱり退職手当の水準も考えなきゃいかぬと。見直すということを政府としては一応決めておりますから、幾らどうするのかということを細部を詰めまして所要の法改正案を次の通常国会に出したいと。二十三年ぶりなんですよ。それまでずっと退職手当はいじってこなかったんですが、ちょっと今のこういう状況ではそういうふうに考えております。
○椎名一保君 続けて総務大臣にお伺いいたします。
  現在、公務員制度改革につきまして、内閣官房を中心に法制化等の具体化に向けた検討が進められていると伺っておりますが、今回改正案を提出している給与法を含めまして、国家公務員法、退職手当法等の国家公務員制度を所管する立場から、総務大臣の公務員制度改革に向けた抱負をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 行政をやっているのは公務員ですから、やっぱり公務員の意識、行動原理というものを直していかにゃいかぬと。
  今般の公務員制度改革は、能力、業績を反映した人事制度を作るということが一つと、多様な人材を確保するということと、適正な再就職ルール、退職管理ですね、こういうものを確立することを目標にしながら今検討しているんですが、これは行革担当大臣が特命ということで、公務員制度改革もその事務局が、室があって、そこで今議論されておりまして、あるべき公務員制度を目指して直していって、それによって行政の在り方そのものもできれば改革していこうと、こう考えておりますが、ここでもいろいろ議論がありますように、公務員は労働基本権制約されておりますから、その代償措置としての人事院制度、人事院勧告制度、これは堅持していかにゃいかぬと思います。
  しかし、そういうところでないところの人事行政、人事管理について、内閣がもう少し責任を持ってもいい、各省庁の大臣、任命権者がもう少しやってもいいようなところがあれば、それはやっぱり国会や国民に責任を持っているわけですから、内閣は、選挙で選ばれていますから。そういうことで、私は、その分野をきちっと整理して、必要なものは内閣や任命権者にやらせると、こういうことも十分あり得ると思います。
  いずれにしても、たたき台が示されまして、このたたき台を軸にいろんな検討をしながら、もちろん人事院とも協議する、職員団体の意見も聞かなきゃなりませんけれども、そういうことの中で具体的な制度設計をやり、次期通常国会かその次になるか知りませんが、場合によっては法律の改正案を出す、こういうことで進めてまいりたいと思っております。
○椎名一保君 最後の質問になりますけれども、先ほど、公務員の給与を決定する場合、国民にまず納得をしていただくということ、人事院総裁のお言葉にございましたけれども、やはり行政コストを納得してもらうということは、常に行政改革、特に私は地方議員でございましたので、地方分権が急務だと思います。それにつきまして、先月の三十日に地方分権改革推進会議がまとめられた意見について質問をしたいと思います。
  大臣におきましては、五月に五・五兆円規模の国庫支出金の削減と税源移譲を内容とするいわゆる片山プランを発表されました。その後、六月に取りまとめられた骨太の基本方針二〇〇二では、その考え方が取り入れられ、国庫補助負担金、交付税、税源移譲の三位一体で改革に取り組むということが閣議決定されたわけでございます。総理からは、改革の一歩となる国庫補助負担金の廃止等の原案作成を地方分権改革推進会議に要請されたわけでございます。
  こうした流れは誠に時宜を得たものでありまして、日本の閉塞感を打開する一手として私は大いに期待しておったわけでございます。その第一歩となる分権会議の報告を心待ちにしておったわけでございますけれども、ところが出てきた内容は、いろいろ議論されておりますけれども、私は愕然としたわけでございまして、国庫補助金の廃止等の原案としての体を成していない。そして、年内をめどに結論を出すこととされている三位一体の改革の入口である国庫補助金の廃止、縮減ができず、税源移譲に結び付く改革がとんざするんではないかという思いで一杯でございます。
  もう地方公共団体からも大変反発の声が出ております。そのことに対しまして大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 先般出されました地方分権改革推進会議の意見は、事務配分や権限移譲の方は割に良くできているんです。それで、今、委員が言われましたように、椎名委員、千葉県の県議さんとしても活躍されてお詳しいわけですが、この国庫補助負担金の方が不十分なんですよ、言っているんですけれども。
  まず、我々から見て困るのは、幾ら国庫補助金を、国庫補助負担金を整理合理化するかという総額が示されていないんです。それから、固有名詞も出ているんですけれども、たくさん出ていないんですよ。ちょろちょろと出ている。したがって、これから各省庁に自分のところの国庫補助負担金をどう整理合理化するかの検討をしてもらうわけでしょう、具体的な。その基準、基本的な理念、基準がないと、各省庁は元々やりたくないんだから、やりませんよね。
  そこのところが不十分でございまして、そこで固有名詞が出ているのは義務教育の国庫負担金なんですよ。義務教育の先生方の給与は、国が半分、地方が半分持っているんです。三兆五百億円あるんですよ。だから、我々は、これも少し、この国庫補助負担金の率を下げたり額を落として、地方にも少し自主性を持たせたらどうかと。学級編制や教職員の定数配置は基本的には国が法律で決めればいいんですが、アローアンスがあってもいい、裁量の部分があってもいいと。
  そこで、全体を考え直せというときに、義務教育の先生方の給与の中で、退職手当と共済負担金だけ、それじゃ補助金やめましょうと、これ、約五千億。しかし、こんなものは裁量の余地なんかありませんよ。退職手当は条例で決まっている、共済組合の負担金は法律で決まっているんですよ。ツケ回しでしょう、国が持っているものを地方に持ってくれという。だから、みんな、あちこちの知事さんが皆怒っているわけですね。そこで、彼らに言わせると、それが第一歩で、これからやるんだということだけれども、道筋が定かでない。そこで、私は経済財政諮問会議でもかなり厳しく指摘しました、新聞にちょっと載っておりましたけれどもね。
  そういうことで、この案のままでは三位一体が、特に三位一体というのは地方に税源移譲する、その代わりに国の補助負担金を整理合理化して、地方の自立性や自主性を高めると同時に、地方交付税も見直すと。三つ、三位一体ですよね。三位一体の改革の突破口が国庫補助負担金なんだから。
  これではやや不十分なものですから、私はこの諮問会議でも提案しまして、内閣官房と総務省と財務省で案を作ろうと、こういうことに一応決まったわけでありまして、そして総理は、三位一体の改革は是非やりたいというのと、来年度予算から緒に就けたい、それからもう一つは地方の自主性、裁量権を増やしたい、この三つは譲らないと。昨日も実は総理とその他のことを含めて話しまして、その点は確認しておりますから、そういうことで今後進めていきたいと思います。
○椎名一保君 国に先んじまして地方では情報公開法がかなり一生懸命やられておりまして、ですから、地域社会を形成する自治体に対してあらゆる情報公開の要求が起きているわけでございます。そこで、権限がない、財源がない、自治体がもうもたなくなっているんです。ですから、一刻も早いこれは速度で分権を進めるべきだと私は思います。よろしくお願いいたします。
  ありがとうございました。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
  まず、法案の内容に関連して、扶養手当の改正について伺います。
  第二子までの手当額が六千円なのに、三人目以降の子供に対する手当額は五千円ですが、同じ子供なのになぜ差別があるのか、お示しください。
○政府参考人(大村厚至君) 一般職の国家公務員の扶養手当につきましては、民間の支給状況等を参考に改定してきたところでございます。こういう民間の状況に合わせるときに、どういうところと合わせるかというのが一つございます。したがいまして、公務員の世帯の場合、配偶者と子二人、いわゆる四人世帯が標準的な世帯でございますので、こういうところに手当を付けるときに、限られた給与原資でございますので、できるだけ二人目までの手当額について従来配慮して改定をしてきたところでございます。
  したがいまして、その結果として、二人目と三人目が差ができていると。世帯全体で見ますと、二人目まで改定しますと当然三人以上お子さんを持っているところにも恩恵を受けるわけでございますので、そういうことでやってきたということでございます。
  本年の場合、配偶者の手当額を引き下げることとなったわけでございますので、これによる影響を受ける多子世帯、そこに対する配慮という意味で、今回、少ない原資を工夫しまして二千円引き上げて五千円としたところでございます。
○八田ひろ子君 少子化問題が深刻になっている中で、少なくとも第一子、第二子と同等に引き上げる必要があったのではないかと私は思うんですが、将来的にはそういう改善のお考えがあるんでしょうか。
○政府参考人(大村厚至君) 子供の扶養手当につきましては、本年勧告時にも表明いたしましたが、更に改善を図っていく方向で、民間の支給状況とか公務員における扶養の実態等も見ながら検討してまいりたいというふうに考えております。
○八田ひろ子君 今回のこの問題に関していえば、配偶者の扶養手当百六十億を削減をして、子供の扶養手当を四十億円増額、差引き百二十億円の削減を行うという較差マイナス、どう削減するかを考えるという中でのお考えなんですけれども、私はせめて第三子差別をやめるべきだと。これは国が率先すべきで、地方公務員にもそのまま横並びでいくわけですから、そういうお考えをきちんと表していただきたいというふうにお願いしたいと思います。
  次に、公務員職場で蔓延する長時間残業、サービス残業について伺います。
  大臣、霞が関国家公務員労働組合協議会、霞国公が毎年中央省庁で働く公務員労働者の勤務、残業実態について調査を行っています。この委員会でも、前々年ですか、伺いましたが、今年の調査によりますと、月平均残業は五十・九時間、一か月百時間以上の残業があるとの回答者は一二・四%です。これは皆さんのところに資料をお届けをしておりますけれども、資料のDというのがそれであります。
  資料Eなんですけれども、昨年十二月に厚生労働省が発表した新しい過労死認定基準、残業時間が一か月四十五時間を超えると業務と発症の関連性が徐々に強くなり、黄信号がともるということですね。八十時間で赤の点滅、百時間になりますと過労死の危険性が非常に高い、こういうのが出されております。
  この霞国公のアンケートでは、過労死の危険を感じると答えた人は実に三人に一人であります。組合員の家族からも、私、これを拝見させていただいたんですけれども、毎日帰宅が零時を過ぎ、休暇も取れないので体調が心配です、残業手当が支給されているわけでもないなどという深刻な訴えがたくさん寄せられています。また、平日の夕食を家族と一緒に取れるのかという質問に対しては、三四・七%の人が全くない、週のうち一日か二日を含めますと六四・四%が平日に家族との夕食をほとんど取ることができない状態に置かれています。
  これでは男女共同参画社会基本法にあります家族的責任、日本が批准しておりますILO百五十六号条約の責任も果たせませんし、労働基準法で言うところの人たるに値する生活とはとても言えないんですね。
  この状態の上に、更にこれらの残業の多くに超過勤務手当が支払われていない。これ、資料Cを見ていただきますと、円グラフでありますけれども、この調査で全額超過勤務手当が支払われている、こういう回答はわずか一割であります。七割以上が不払があるんだと答えているわけなんですね。
  大臣、こういうサービス残業、ただ働き残業の現状をどうするんですか。
○国務大臣(片山虎之助君) いつも八田委員から御指摘をいただいているんですが、職員の勤務時間の管理というのは各任命権者が責任を持ってやっていただかにゃいかぬので、本当の超過勤務ならやっぱり命令を出して、超過勤務したんなら手当を払うと、これは当たり前のことであります。
○八田ひろ子君 無論ただ働きは違法です。大変に厚労省も極悪なこういうただ働き残業を撲滅ということで今取り組んでいるんですけれども、公務の職場で現実にあるということを私は大臣が認識をしてきちんとやるべきだというふうに思うんですね。
  長時間勤務の上に残業代も支払われないサービス残業が横行している現実があるのに、公務員一人平均で年間十五万円もの大幅賃下げ、今回の法案、これに対して深い広い怒りが広がっているのは私は当然だと思うんです。
  これは中央官庁だけじゃありません。霞が関だけじゃありません。私、地方でも愛知へ行ったときにいろいろと公務員職場で聞いてきました。今回のこの法案、人勧の勧告、どう受け取っているか、こういう聞き取りもしてきました。なかなか皆さんはっきりはおっしゃいませんけれども、職場で本当に生活できるのかと突っ込んでいろいろと皆さんに聞いていきますと、実は住宅ローンがあるので二十万円も年額が落ちると支払ができない、どうしたらいいんだろうかという声、あるいは子供の学費とか当てにしている、生活に支障が出るんだけれども、どうするのか、こういう切実な声も出ているんですね。
  こういう声に対して、総務大臣、胸が痛みませんか。
○国務大臣(片山虎之助君) 給与の問題はまたちょっとあれですが、この超過勤務手当というのは、命令を本当にちゃんと出しているかどうか、超過勤務の実態というのがなかなかもうひとつ私ども判然としないところがあるので、ここは各任命権者でちゃんとやっていただくと。
  そこで、できるだけ残業をしないようにと。例えば全省庁一斉定時退庁というのをやってくれと。私どもの方の総務省は水曜日なんです。昨日はもう全員一斉に定時に出ている。ところが、なかなか国会があるとそうはいかないですね。明け方までになっちゃう。ひとつやっぱりみんなで超過勤務を減らすということに私は努力しないとなかなか難しい。特に国会があるときで、予算、予算は昔に比べると相当合理化されましたけれども、そういうふうに思っておりまして、今後とも、この超過勤務を縮減することについては、公務員制度の運用の上での大きな問題として認識して、業務の徹底した見直しや適切な勤務時間管理の徹底に努めてまいりたいと、こう考えております。
  給与の方は、るる申し上げましたように、人事院の勧告の完全実施でございますので、是非御理解を賜りたいと思います。
○八田ひろ子君 胸が痛まないということですかね。私は本当にすごいなと思いますよ。
  今の残業のことでいいますと、ちゃんとこの資料に、皆お届けしていますけれども、定時退庁できない理由というのは、断トツに多いのが定員不足、業務量が多いというふうに出ているんですよ。皆さんごらんくだされば分かります。大臣でも分かります。そういうのでごまかして、国会が遅くなるというだけでは、地方の公務員の残業だってただ働きになっている部分があるという訴えがあるんですよ。だから、まじめにきちんと受け止めていただくことが大事だというふうに私は思うんですよ。
  そもそも、この人勧というのは民間準拠だって言いますけれども、あなたたち政府の経済失政によって民間の賃金がダウンする、景気が悪くなっている、だからこの人勧も下げるんだという。不利益不遡及と言いながら、実際には四月にさかのぼって賃下げをする。先ほど来の議論があったんですけれども。しかも、これで四年連続ダウンをしているということなんですよね。それに対して全く胸も痛まない、人勧どおりやっていますと。人勧が上げるときには値切ることだってあったのに、こういうときには平気で自分のせいじゃないというのを、私はどうかと思うんですね。
  さらに、労働団体、職員団体との話合いのこともそうですけれども、今回の法案というのは、戦後初めて俸給表を全面的に改定をして大幅な賃下げ、深刻な内容だということは大臣もおっしゃっていますけれども、この問題での職員団体との話合い、どのように行われたのか。回数でなく内容だとかいろいろ言われていますけれども、大臣、衆議院の委員会でも、また今日も、二回話し合ったというふうに聞いています。
  それで、私、来ていただいて教えていただいた、調査しましたけれども、二回とも同じ団体なんですね。どうしてもう一つのナショナルセンターに属する団体に会わないのか。人事院勧告に直接かかわる国家公務員の組織人数というのは、大臣が会わなかった方が多いそうですね、総務省に聞きますと。それが不思議なんですけれども、大臣は、きちんとそういった職員団体に会って、こういう問題もきちんとこれからも話をされるという、そういうおつもりは本当にあるんですか。──大臣に聞いているんですよ。大臣が会っているのは二回しかないんです。
○国務大臣(片山虎之助君) これは、職員団体との会見というのはもう長い歴史があって、どういう形でだれに会うかというのは、これは大問題なんですよ、正直言いまして。そこで、慣行に従って人事局がいろいろ考えて、人事局なり自治行政局の公務員部が考えてやっているものですから、それに従って私は二回会わせていただきました。しかし、人事局なりその他のところは、先ほども言いましたように百回以上会っている、いろんな団体といろんなレベルで。だから、そこは誠意を持って対応したということにしていただきたいと思うんです。
  私は忙しいものですから、国会もありまして、いろんな行事があったり。そこで、なかなかそういう時間が取れないということと、やっぱり慣行があって、今までのずっとやり方、いろんな団体との合意という、会うことについてのそういうルールがあるものですから、それに従ってやっておりますが、今後とも誠意を持って対応するということは、基本的にはそれでやりたいと、こう思っております。
○八田ひろ子君 慣行と言いますが、人事院のこういう勧告は初めてですし、公務員制度が戦後始まってこのような事態になるというのは、私はこんな異常事態は初めてなんですよ。天下の一大事です。そういうときに、お忙しいのは分かりますよ、しかし、忙しいとか慣行とかいうのは口実にならないと思います。
  次に移りますが、人事院勧告が発表されますと、これは新聞記事でありますけれども、民間、年金、飛び火恐々、消費者心理に冷や水懸念、こういうようなマイナス人勧が日本経済に与える悪影響を心配する報道もあります。
  そこで、人事院に伺いますが、この法案が施行された場合、影響を受ける人員はどれくらいになると見ていますか。その内訳と、それから影響額はどのように調査をされているのか、お示しください。
○政府特別補佐人(中島忠能君) これは平成十年に私たちが調査したものですけれども、人事院勧告というのは、直接には四十八万人の非現業の一般職員に勧告しているわけですが、これが国家公務員の現業の方にも少し影響を与えるでしょうし、特別職の国家公務員にも影響を与えるでしょう。地方公務員にも影響を与えるというので、公務員の世界では大体四百十万人ぐらいじゃないかと。
  それから、特殊法人や公益法人等の職員が大体五十万人ぐらい影響を受けるだろうと。私立の学校とか民間の病院等、福祉施設に勤務しておられるような人も含めまして大体百二十万人ぐらいだろうと。恩給受給者が百六十万人ぐらいということで、重立ったところを合計しますと七百四十万人ぐらいかなというふうに思います。
  この影響を受ける人たちのマイナスの、どれくらいマイナスかというのは、そういうところの給与水準というのを把握しておりませんので、計算はちょっとできませんですね。
○八田ひろ子君 調査されたと言うけれども、影響額は把握していないと。
  私は、人勧を発表するとどうなるのかというのは人事院には関係ないのかと何度も伺って非常に愕然としたんですけれども、職員団体に対しても、今日も、衆議院でも、国会に対しても、反対している人に説明しても納得してもらえないとおっしゃっているんですけれども、正に労働基本権の代償措置というのとは全く乖離しているなという感想を持ちます。
  そこで、金額の面ですが、総務省と財務省に伺いますが、国家公務員と地方公務員の賃下げに対する財政額、これをお示しください。
○政府参考人(杉本和行君) 今回の人事院勧告の財政への影響額でございますが、一般会計で申しますとマイナス二千三百億円程度と試算しております。一般会計と特別会計を合わせました純計で申し上げますとマイナス二千四百十億円程度と試算しております。
○政府参考人(林省吾君) 地方財政への影響額についてでございますが、今回の人事院勧告に準じて地方公務員の給与改定を実施いたしました場合、特定財源の減少額を控除いたしました一般財源ベースでの実質的な影響額は四千五百二十億円程度となる見込みでございます。
○八田ひろ子君 国と地方公務員に対する影響額だけでも七千億ですね。先ほど人事院にお答えいただいたそのほかの特殊法人だとか恩給等とか、こういうのを足しますと一兆円を超すと思われるんですけれども、総務省の方は全体の、この七百四十万の全体の金額の影響は調査されているんでしょうか。
○政府参考人(久山慎一君) ただいま答弁のありました国家公務員、地方公務員以外の、民間におきます人件費への影響額につきましては、残念ながら総務省として把握することは困難でございまして、承知しておりません。
○八田ひろ子君 どなたに聞いても日本経済にどの程度の影響があるのか調べもしないと。だけれども、こういう方針は出すというのは私は無責任だというふうに思うんですね。
  今回の法案による公務員給与の引下げが、民間労働者の賃下げにも大きく影響する賃下げの悪循環が心配をされています。これは、愛知県の労働組合の十九単産が、民間労働者の賃下げと一層の消費不況、悪魔のサイクルに拍車を掛ける公務員賃金の引下げに反対だという共同アピールを出しているんですけれども、この中で、公務員も賃下げだからと来年の春闘、民間の賃金、労働条件が更に引き下げられる、これが悪魔のサイクルだというふうに訴えているわけです。
  総務大臣は、民間に波及されるべきではないというふうに言われますけれども、実際にこういう心配に対してはどうお答えになるんでしょう。
○国務大臣(片山虎之助君) 民間の給与は労使でよく決めていただく。それは、例えば企業なら企業の収益がどうだとかいろんなことの議論の上で決めていただければいいと思いますし、公務員の方は、国は人事院、都道府県は人事委員会、そこの勧告を受けてやると、こういうことでございますので、直接私は連動はしないと、こう思っておりますが。
  しかし、それよりも何よりも景気を良くすることですね、経済を活性化すること。それによれば、民間の方の給与も上がりますし、民間の給与が上がれば公務員も上がるんですから。そのために今、総合的なデフレ対策だとか不良債権処理の加速化だとか雇用や中小企業のセーフティーネットの整備だとか、その辺努力しているわけでありますし、特に地方経済が大変疲弊しておりますから、私は地方におけるやっぱり新しい産業の創出、雇用の確保あるいは地場産業の振興ということを総合的に取り組むべきではないかと。
  そういう意味で、今回の総合デフレ対策の中にも、地方の役割ですね、そういうことを含めて少し書き込んでもらっておりますので、今後とも関係の省庁と連携をして、地方経済の活性化に努力してまいりたいと思っております。
○八田ひろ子君 日本経済団体連合会の奥田会長が十一月の一日にこんなことをおっしゃっています。来年の春闘のことですけれども、公務員に賃下げの勧告が出ていることを取り上げまして、経営者がどう出るかは私の口から言わなくても分かるだろう、こういうふうに述べているんですね。公務員の賃下げが民間労働者の賃下げへ、賃下げの悪循環が現実のものとして、財界のリーダーがそういうふうに言っているじゃないですか。こういう問題があるから、民間の労働者も非常に心配をして、これで大丈夫だろうかと。
  大体、今の不況、今の景気が悪いというのをさっき片山大臣は何かよそ事のように言われているんですけれども、やっぱり私は今の小泉政策、これの失政ですよ。こんな負担増をすごくさせて、そして賃下げがどんどんと進んでいって公務員までこんなふうになってしまうということです。
  ニッセイ基礎研究所が、公務員労働者の賃下げだけで国内総生産を〇・一から〇・二%押し下げる、こういうふうに試算しています。国公労連では、日本経済への影響額、これを、消費性向を産業連関表の生産誘発係数を使って計算をして、六千八百十五億円の国内総生産の減少、マイナスの影響が出ていると。
  景気を良くするのが私は内閣の、政府のやらなければならない仕事だと思うんですよ。だけれども、これ景気を悪くしていく方向じゃないですか。そういうのを出して、それで何か、考えでは、地方の経済が疲弊していますと。疲弊しますよ。山間地域へ行ったら、公務員の賃金とか年金というのが一番のあれでしょう、収入じゃないですか。そういうものが両方とも削られていっちゃって本当に私は地方も大変だと思うんですけれども、そういうようなますます不景気になるようなやり方というのは、今のときに、それは私はあなたの責任だと思うんですけれども、どうなんですか。
○国務大臣(片山虎之助君) それじゃどっどどっど公務員の給与、国も地方も上げりゃいいんですか。国民がそれで納得しますか。公務員というのは国民全体の奉仕者なんですよ。公務員を雇っているのは国民なんですよ。上げればいい、景気が良くなる、それは幾らか影響はありますよ。しかし、公務員の給与はちゃんとした仕組みで決まるようになっているんですよ。それに従って我々は意思決定して、みんな自分の給料が下がってうれしい人おりませんよ。国会議員も全部一割カットなんですから、御承知のように。
  だから、どうやって今景気を回復しようか、経済活性化しようか、みんなで努力しているところですよ。批判だけするのは簡単ですよ。是非、それじゃ、共産党としていい対案を出していただきたい。そして、それを国民の支持を得て、正式な政策にしてください。
○八田ひろ子君 私どもはちゃんと緊急政策を出していますよ。それで、そういうのを国会の中でも提案しているじゃないですか。それと反対のことをやっているのが片山大臣、あなたのところの内閣じゃありませんか。
  大体、不況が深刻化する中で、国民に負担増を求める医療制度の改革をやって、国民生活を押し下げるわけでしょう。これじゃ将来不安があって消費だって引っ込むじゃないか、そんなことはだれだって言っていることじゃないですか。財政危機を取り繕うというんですけれども、公共事業なんかどんどんと進めていって、大きいのはやめようとしないじゃないですか。そういうのでは全く駄目ですよ。だから、そういうことを私は言っているわけなんです。
  今回、今日は時間がありませんが、人事院の勧告というのは、公務労働者の労働基本権を奪っている代償措置として労働者の利益を守る役割を担ってきたというふうに言われていますけれども、今回のように生活を悪化させる賃下げ勧告を、労働組合の意見は聞かないで出す。その役割を放棄するものとして私は存在を問われると思います。給与のマイナス、賃下げが給与の改善と言えるんだろうか。賃下げを勧告するような制度をスト権の代わりと呼べるのかと、こういう根本的な声は出ています。
  先ほどもありましたように、この労働基本権については全労連と連合、二つの労働ナショナルセンターからILOに提訴をされ、国際的にも厳しい批判を受けています。政府はこの批判を、大臣も政府全体として受け止めていただいて、労働基本権回復に向けて労働団体と真剣な交渉、協議を行っていただきたいと申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(山崎力君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
    午後零時十五分休憩
      ─────・─────
    午後一時三十分開会
○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
  休憩前に引き続き、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律及び二千五年日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○渡辺秀央君 午前中の同僚議員の質疑も承りまして、なるべく重複しない観点からというふうに思いますが、同時に、先般の大臣の所信表明のときに人事制度についての私の考え方も申し述べたりして御意見を承ったわけでありますが、今日も若干、いわゆるその中でもキャリア制度ということを、私なりの考え方も申し上げながら、大臣と人事院総裁の考え方をお聞きしたいというふうに思います。
  私は、十月三十一日の本委員会でも総裁と、今問題になっているT種試験の合格者の数や採用手順の透明化について私の考え方を元に議論させてもらいましたけれども、今日はその根幹である今申し上げたこのキャリア制度に関して質問をさせていただきたいと思っています。
  前回も申し上げましたが、我が国においては、明治以来百三十年近くに及ぶこの言わば官僚制度という仕組み、その中でもいわゆるこのキャリアという問題について、私は極端に言うなら、徳川幕府の時代から国内の有能な人材を登用して時の国家に対する、国民あるいはまた政府の仕事を十分にやってもらえる、能力を発揮しながら、そういう条件、環境というのを作ってきた。そういう歴史的な背景も私はあって、この国の基本はそういう意味では、言うならばキャリアに依存しているとかそういうことだけではないけれども、しかしこれは見逃してはならない一つの我が国の政治、行政をやっていく特徴があるある意味においてはいい点であると、長所でもあると。
  しかし、だけれども、今言われているキャリア制度というものが批判をされているということは、これはもちろん、数々の大蔵省の不祥事だとか、あるいはまた厚生省の薬害エイズだとか農林水産省のBSEの問題だとか、更には昨今、外務省の一連の不祥事、そういうようなことは根っこはキャリア制度にあるというふうに言われておりますけれども、私は、これは全く九九・九%、もっと有能な人、まじめに国家公務員として責任と使命を考えて、かつまたキャリアとしての特徴ある大きな責任、意識の中で行政に携わってきているというのが九九%以上そういう人たちであることはもう疑う余地もないことだと思うし、これはもう我々政治に携わる者たちがひとしく官僚諸君に対する信頼を置いていかなかったら政治は成り立たないと思うんですね。さっきも、午前中にも同僚議員の中でも質疑ありましたし、大臣もまあまあその反対ではなくてという話もあった。それはそのとおりだと思う。
  しかし、やっぱり政治には、我々も政治学を学んでみて、思い出してみると、多数決原理というのがあると同時にケルゼンの言う多数少数者理論というのがあるわけですね。そういう意味では、やっぱり少数者の意見というのも聞いていかなきゃいかぬ、あるいは耳を傾ける、かつまた政権はおごりがあってはいけないということの中で、私はこの問題について率直にこれから大臣あるいは総裁と意見の交換をしてみたいというふうに思うわけです、あるいは議論をしてみたいと思う。
  冒頭に、私はこの法案については賛成をいたします。今日的に考えてもやむを得ざることであるというふうに思います。必ずしも百点満点とは言い難くとも、しかしここにまつわる公務員制度の改革、この給与の問題はおいておいて、公務員制度の改革という問題について、これは後で同僚議員があるいは指摘あるのかも分かりませんが、国際的にもILOの関係する問題になっているという問題点もこれありで、やっぱりこれまで百年以上続けてきた、軍事独裁政権の中でもあるいは戦後の民主主義の中でも続いてきたこの、日本の誇るべき公務員制度と言っていいでしょう、こういうものについて取り組むときにはやっぱり粗製であってはいかぬ、乱造であってはいけない、あるいはまた極めて早急、性急なことであってもいかぬと思うんですね。とりわけこのキャリアの問題については私はそういうことが言えるのではないかと。
  総裁は絶えず議論をしてということを言っておられるが、正に、来年がどうとかこうとかということもあるけれども、私はやっぱり議論をすることが大事だと。これは、悪いけれども、いつもここで悪口言うようなことで犬の遠ぼえみたいに聞こえると困るが、政権というのは、それはいつまでも一党支配ということではないわけですよ。いや、百歩譲っても、一党支配であったにしても人間が替わればそれは政策の理念あるいは哲学が変わるわけですから、そういう意味では、一つの政党政権下におけるこういう国の根幹という問題について早急な、性急な議論、あるいはまた結論ということではなくて、慎重な議論が必要ではないかと。あるいは、大方の国民の同意、同感というものが、共鳴ということが得られてこそ政治に対する信頼も置かれ、かつまた政権を維持している政党に対する信頼も維持できるということになることが本当だろうと思うんですね。
  そういう意味で私は、まだ演説やっていると終わっちゃうから終わりますけれども、質問に入りますけれども、総務大臣として、人事院総裁に、このキャリアシステムの功罪ということについて、果たして今日、その役割あるいはまたマイナス面、現時点でどういうふうに考えておられるか、特にお二人からそれぞれ意見を承りたいというふうに思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、渡辺委員からキャリア制度の功罪、これについて意見を言えというお話がありましたが、明治以降、日本のやっぱり官僚といいますか公務員に対する国民の信頼は大変厚かったと思いますね、特に明治時代、上の方の人は別ですけれども、政治任用の。普通の公務員というのは本当に清潔でございましたし、一生懸命でありました。「坂の上の雲」ですね。
  そういうことで、ずっと私はそういう意味での国民の信頼があったと思いますけれども、渡辺委員お話しのように、このところいろんな不祥事が続きまして、やっぱりそういう意味では官僚への信頼も大変揺らいでいると。是非、今、信頼回復が行政にとっても官僚制度にとっても必要だと、こう思っております。
  キャリア制度は、幹部を育てるという意味で、そういう幹部教育、エリート教育をすることによって大変行政能力を高めて、広い視野を持って、そういう人材を育ててきたと思いますね。私は、そういう意味ではキャリア制度は大変なメリットがあったと、こう思いますけれども、同時にその一握りの官僚だけが特権的で、しかもその相互乗り入れがなくて、キャリアになったらずっとそこそこまで行って、そうでない人とは大分差ができると。閉鎖的というんでしょうか、そういうことはやっぱり問題であったと、こういうふうに思いますので、今のT種、U種、V種という、仮にT種をキャリア、幹部養成とするのなら、その仕組みは残しながらU種、V種と相互乗り入れというんでしょうか、優秀な人はU種でもV種でもT種的に扱う、キャリア的に扱うということが必要ではなかろうかと、こういう気がいたしておりますが、それじゃ三つも要るのかどうかというのもまた一つ議論ございまして、そういうことは公務員制度改革の中でこれから衆知を集めて議論していけばいいんではなかろうかと、こういうふうに思っております。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 大きな組織で重要な使命を背負っておる、しかも迅速に対応しなければならないということになりますと、どうしても政策エリートというものを採用し、養成していく必要があるだろうというふうに言われておりますし、そのように私たちも認識しております。
  そこで、日本のいわゆるキャリアと言われるグループの歴史を見てみますと、広い世界から、広い分野から優秀な人間を集めるということでスタートした当初の採用方針というのはそれなりに高く評価されたということだと思います。ただ、終戦に近づいてきますと、これが特権性というものを非常に発揮してきた、政治的中立性を失ってきたということで批判が出てきたということだと思います。
  今、片山大臣の答弁にもありましたように、やはりこのキャリアシステムによって構成されておる政策エリートというのは、特権的な意識を持ってはいけない、またセクリョナリズムの中核的な存在になってはいけない、あるいは閉鎖的になって、民間から人材を導入しても本当の官庁の政策企画部門に入れないという、そういうようなことであってはいけないということで、弊害が指摘されておる。そして、もう一つ弊害が指摘されておりますのは、そういう特別な採用、特に、今T種と言われるのは、大学四年生のときに一回だけ受ける試験によりまして特別なコースに乗っていく、そして特別な処遇、特別な研修、そして退職するときには特別な天下り先が用意されるということになりますと、組織の中で不公平感というものが生まれてきておるというような状況ですから、このキャリアシステムというのは、現在のキャリアシステムというのはやっぱりこの際見直していく必要があるだろう、基本的に議論していく必要があるだろう、広く多くの人材から参加していただいて議論していく必要があるだろうというふうに認識しております。
○渡辺秀央君 こう言うとやゆ的に聞こえちゃ困るけど、それは大臣にしても中島総裁にしたってキャリアだ。そういう意味では、だからキャリアが、かつてはキャリアだったわけですから、そのキャリアの制度というものと、それにまつわることと言っていいかな、そういうことだと思うんですね。
  私は、戦後と言ったら古い言葉になっちゃうが、あの戦争に敗れて、その当時の軍隊に行った、そして国破れて山河ありで帰ってきたその人たちが、みんなそれぞれ、役所にまた戻る人は戻って、あるいはまた地域に帰る人は帰って、この日本復興をやったという、そのことを僕も目の当たりにしている。一々言いませんけれども。また、そのことを指導した人もおられました。それは、私は誇れる人として、元東大の政治学の教授であった矢部貞治先生という人は、むしろ自分の教え子をみんな集めて、今、自分たちの立身出世を考えるときじゃない、国のこの窮状を見て何と思うかということで政治家を志させたり経済活動を志させたりされた。昔で言うなら松下村塾でしょう。そういうことを私は、矢部先生本人の一番最後の不肖な弟子として、そういう実際のことを全部聞いている。今、現存している人たちも大勢おられる。
  そういう意味で、私はこのキャリア制度というものの見直しは結構であるし、あるいは改善、改革はいいけれども、じゃ、キャリアということについて全面的に否定したり批判をしたりした場合に、一体全体、有能な人材、責任、使命というそういうものを持って、勇躍、役人として国民のために働こうとしてきた若い青年諸君は一体どうなるのかねということも考えますと、なかなかこれは難しい、今おっしゃるとおり難しいことであると思うんです。
  特権意識を持ち続けて、たった一回だけの試験で死ぬまでのことを保障されるというようなことは、これはこの公務員のキャリア制度ばっかりじゃないじゃないですか。日本全体の中に、それは司法試験だって同じだ、やり直したらいいじゃない、中間で一回ぐらいは。大学の教授だってそうだよ。あるいは医者にしてもあるいはあるかも分かりませんよ。日本のいわゆる、合格した者は死ぬまでという制度というと、そういういろんな、言うならば日本の社会構造というか、そういうものもやっぱり考えの中に入れていかないと根本的な解決にならぬということは私は指摘していいと思うんです。
  ただし、今の段階では公務員制度の改革と言っておられるから、言うならば、取りあえずのキャリアという問題について見直しが必要だということを人事院あるいはまた総裁は内閣と国会に報告しておられるわけであります。
  具体的に、今の特権意識だとか何とかいうことと、T種試験の一回だけの合格で人生のすべてが、極端に言うなら灰になるまでのところが決まっちゃったみたいな、そんなことが一体いいのかどうかという問題点とかそれぞれお持ちでしょうが、具体的に何かありますか。どういうことが、どういう点を見直そうというようなことがあったら、人事院総裁、例えばどんなことですか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) このキャリアシステムを見直すときのポイントというのは、私は三つあるだろうと考えています。
  一つは、やはり選抜の仕方だと思います。先ほど先生がおっしゃいましたように、大学四年生のときに受ける一回限りの試験でその人の人生の大半が決まるというその選抜の仕方は駄目だろうと。だから、大学卒業して採用される、そして五年とか十年使ってみて、やはり知識の面においてもあるいはまたいろいろな実務の面においても、これはこの組織を背負うにふさわしい人間だということをいろいろな人が評価して選んでいく、その選抜の仕方というのがもう少し民主的である必要があるというのが一つだと思います。
  第二番目は、やっぱり育成の仕方だと思います。結局、その人たちに特別な研修コースを用意して、その人たちに外国で研究させる、あるいは国内でも特別な大学に行って研究させるとか、あるいは同じ省内でも非常に勉強になるポストを用意してそこを歩ませるということでは駄目なんで、やはりそういうこともやりながら、やはり節目節目では現場を経験させる、その現場を経験させることによって国民的な視点、国民的な常識というものを育成させる、持たせるということが二番目に必要だというふうに思います。
  三番目は、やはり僕は処遇だと思うんです。現在T種職員に用意されている処遇というのは確かにいい処遇なんですけれども、私は本当にその組織というものを背負うキャリア、エリートというものにはもっといい処遇があってもいいと思っているんです。だから、その処遇の仕方というものもやっぱり衆知を集めて考えるべきだというふうに思います。
○渡辺秀央君 私もその最後のところの総裁の意見は賛成なんです。またそういうことも触れてみたいと思ったんですが、フランスは典型的なものがありますわな。アメリカだって大統領研修制度というのがある。あるいはイギリスはもちろんある。そういう点を考えると、ある意味では日本のキャリアというのはあるいは多いのかなという感じもしないわけではない。いっそのこともっと絞って、途中で絞っていいんじゃないですか。例えば、総裁、途中で、T種試験を受けた後、途中でどんどん絞っていく。そういう意味で、今おっしゃるような処遇を考えていくということにより、研さんを、お互い入省してから努力する、それは学問だけじゃない、人間的にも大きな物を見ていく目を養っていく、そういうことは必要だろうと思うんですね。
  特に私は、大臣、大変恐縮だが、私もよく知っている皆さんばっかりだが、とにかくちょっとおごりじゃないかと思うんだ、僕は。その考え方の中に、内閣に中枢に採用するための。人事院が今までやってきて何の問題があるんですか。しかも、順調に来ているんじゃないですか。たった、先ほど言った幾つかの問題ですべて悪いみたいな発想よりも、それは私はやっぱり内閣のおごりだと思うんですよ。大統領制じゃないんだから、先ほどだれだったか言っていた議院内閣制じゃないですか。議院内閣制の中で、この公明にして正大で、中立でしかも透明性なんというようなものは、これは議院内閣制においてはやっぱり第三者機関ですよ、少なくとも。しかも、そこには総理の発言もないわけじゃないんだから。そうでしょう。それを政府の機関の中に置いて内閣府に持ってきて、そこで企画、試験の企画立案までやるみたいな、そんなばかな話はどこの国に行ったって考えられないよ。僕は本当にそう思うね。これでもって国家公務員がやる気になったらお目に掛かりたいと思っている、本当に。
  だから、是非、これは制度そのものを全部私は正しいと、何回も言いますけれども、言いません。だけれども、今の考えていることは是非再考願いたいというふうには思いますが、激動する国際社会の中にあって国益をしっかり守るために使命感や責任感を堅持している有能な公務員、これはもう絶対に必要だと、特に昨今においてはそういうことが言えると思うんですね。
  下手な話が、命懸けで公務員として国家公務員、我々政治家が命懸けだなんて言ったって、ここで議論をしたりあるいはSPが付いたりだ。国家公務員なんて、外国へ行って例えばやったってSP付きますかな、命懸けじゃないですか。そういうことを考えたって、それは、余りまたやっている時間がもうなくなってきたからやめるけれども、国民から余りにも、何というか偏った考え方の中で、この国の心臓部に当たる改革というのを慎重にやるべきだというふうに私は思いますよ。
  そういう中で、先ほど申し上げた、国民の前で堂々とこの問題を議論する、それから時間掛けてみる、そして国民に結論を明らかにすることが私は大切だと、理解が得られるということを前提。押し付ける、先ほども、要するに多数派だから、多数決だから、与党だからそれが通ればやれるじゃないかということであったんでは、私はこの問題については、一政策によるという意味合いと違いますねということを指摘しておきたいというふうに思います。
  十分な議論を尽くさないままに現在のキャリア制度を維持することを決めているということも良くない。国民からかえって不信の目を向けられることになりかねないから、是非ひとつ今の改革ということを考えてやっていただきたいと思うのであります。内閣として、公務員制度改革大綱にこだわらず、もう一度このキャリア制度についてその功罪を見極めながら真摯に見直しを検討してもらいたいと思います。総務大臣の御意見を伺いたい。
  そして、人事院総裁には、先日も私は述べたように、T種試験の、あるいはまた、今日は指摘する、もうちょっと詳しく本当は言いたかったんですが、T種試験の志望者がどんどん減っている。そして、しかも今度は二・五倍採ってみたと。減っているのに二・五倍採って、誠にもってちぐはぐな話だが、その質の低下を心配する、私だけではないと思うんですね。決して今年入った人が質が低下しているという意味じゃないですよ。しかし、そういうことを懸念するということを申し上げたい。
  合格者を四倍にするとか内閣は公務員試験の企画立案を行うとかいう、正に我が国の議院内閣制と大統領制を錯覚しているような間違った方向に持っていくことではなくて、本当に国家、将来のことを考えた、国民の役に立つ、国を支える人材を確保する。これは、悪いけれども、小泉内閣が確保するんじゃないんだよ。自民党、連立内閣が確保するんじゃないんだよ。国家が確保するんですよ。そこを間違わないで、私は一層の、人事院に対して、そのような観点から努力をしていただきたいということを、人事院総裁の決意をもう一度伺って、時間が来てしまいましたので、それぞれの御答弁をお願いしたいというふうに思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 渡辺委員るる言われましたが、公務員制度を決めるのは内閣でも人事院でもないんです、国会なんですよ。国会なんですね、憲法に基づいて公務員制度を決めるのは。そこで、今大部分が人事院でやっているので、それはそれでいいのかなと。
  代償機能的なことはやってもらわなきゃいけません。しかし、それ以外のほとんどすべてのことを人事院がやるのがどうかなと。内閣や各省庁、任命権者がやることもあるんではないかと。その方がかえって任命権者としての責任も自覚も持ち、責任を持つんではないかという発想が一つあるわけでありましてね。採用試験も、制度の企画立案は内閣がやる。やるのは人事院なんです、試験や何かは。今でも試験は人事院がやって、各省が採用しているのは各省ですからね。各省庁の人事当局がやっているので、そこのところをもう一遍見直して整理をしてみようではないかと、こういう発想で今始まっているわけでありまして、これからいろんな議論の中でいい制度に私は仕組んでいけばいいなと、こう思っております。
  それから、公務員というのは日本はメリットシステムで、試験で入って、成績によって偉くなっていくという、表向きはそういう制度ですよ。アメリカは完全な政治任用ですから、スポイルズシステムで、共和党が大統領になればうわっとブレーンが入る、民主党が勝てば民主党のブレーンが入る。民主党が勝っていたときは共和党のブレーンはみんな待機していますよ、いろんな研究機関や何かで。
  どういうやり方がいいのかなという議論はあるんですけれども、大統領制と議院内閣制は違いますけれども、私は今のメリットシステムは基本的にはいいと思いますけれども、もう少し政治任用があってもいいと思うんです。政党内閣ですから、議院内閣制ですから。そこで、今、政務官や副大臣がかなり入っておりまして、野党の中にはもっと入れろと、百人ぐらい入れろ、百何十人入れろという議論もあるので、この辺はこれから私はやっぱりいわゆる成績によって上がる、試験によって採って、こういう仕組みと、政治任用と、外からもどっと入れて相互交流が官と民ができると。そういう多様な人事制度があってもいいと私個人は考えておりまして、これも今後の研究課題ではないかと。ちょっと脱線しましたけれども、そういうふうに考えております。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 現代の行政というものを時代の変化に応じて機敏に弾力的に実施していく必要がある、そのための人事制度でなければならないというのはそのとおりでございますし、各大臣にそういう人事管理をやっていただくということは非常に重要だと思います。ただ、そういうことをねらいにしながら、中立公正性と代償機能というものをそれぞれ中立機関がきちっと行いながら公務員制度を作っていくというのが現代に課せられた私は非常に大きな課題だというふうに思います。
  したがいまして、この中立公正性に関することと代償機能に関すること、このことがやはり制度の本来の趣旨に従って中立機関で行われるということを確保しながら当初の目的を達成していくというそういう制度でなければならない、そういうような議論をしていきたいというふうに思います。
○渡辺秀央君 時間が終わりましたので、なくなったのでこれで終わりますけれども。それは是非、大変恐縮ですが、私は何回も言うが、それは大臣は一生末生大臣やっているわけじゃないので、次の大臣もいるわけだ。その自分が採用した人間が、私もこの間、実は私が大臣のときに入省して大臣室で訓示した人間が図らずもいましてね、いや本当に、よく覚えていてくれた。だけれども、そんなフォローアップできるわけないですよ、政治家が。大臣にいた一年や二年やそこらやったところで、一生懸けてやっているわけですから、相手は。だから、第三者機関でむしろ、それは介入を避けるべきだというのが私の考えです。
○委員長(山崎力君) 渡辺委員、そろそろおまとめ願います。
○渡辺秀央君 以上、終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。
  午前中来の同僚議員からもありましたように、今年の二・〇三%のマイナス勧告によって、十二月の一時金で四月分からの月例給やあるいは勤勉手当などまで減額調整をするというこの措置は、不利益不遡及の原則に抵触するのではないかということについては、さきの私、決算委員会でも申し上げましたので、今日はこのことについては触れません。
  そこで、大臣にお伺いしたいんですが、こうした問題が発生をする原因といいますか、正に今日の人事院勧告制度の制度的な欠陥、元々予定をしていなかった、こういう問題に由来をしているのでありますから、それならば基本に戻って労働基本権の制約を解除することが条理だと、こうなると思うんですね。しかし、一足飛びにそこに行かないまでも、せめて最低限労使協議でこの減額調整の手法については理解と納得を得る努力が、そういう意味では大変従来以上に必要だったのではないか、こう思うんですが、その点はいかがですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 私は何度もこの委員会でも答弁させていただいておりますように、今の公務員の給与決定の仕組みはこれはこれで正しいと、こう考えておりまして、今回の人事院勧告が給与の切下げの勧告だったから労働基本権の回復ということは、なかなかそこは私は結び付かぬのじゃないか。上がるときは黙っておいて、下がるときだけけしからぬと。
  しかし、民間準拠、官民均衡というのは大原則ですから、給与決定の。しかも、労働基本権は制約せざるを得ない、公務員の特殊性から。そういうことで、代償機関である人事院がいろいろ調べて言われる。それを受け入れると、下がるのはけしからぬ、労働基本権の回復だと、こういうことに私はなるのかなと思っておりまして、これでもし労働基本権を回復して全部労使交渉で決める、場合によってはストライキをやる、サボタージュをやる。こうなったら、国民全体への奉仕者、地域の住民の全部の奉仕者ということの使命が私はこれは達成できないと思いますね。
  だから、公務員というのはそこはもう我慢せにゃいかぬのですよ。労働基本権は制約される、そういうことを前提で公務員になってもらうわけですから。その代わり、人事院や人事委員会がきちっと勧告したのはそれは尊重すると、こういうことでございますので、お気持ちはよく分かりますしお腹立ちも分かりますけれども、ここは是非御理解を賜りたいと思います。
○又市征治君 大臣、あなたはちょっと先の方だけそう取っちゃ駄目なんですよ。私が聞いているのは、せめてこういう減額調整の措置について労使でもっと理解と納得ができるような努力をすべきだったのじゃないのかと、こう聞いているのに、そこのところは全然お答えがないんです。それは先ほどもありましたから、大体分かりましたからいいですよ。
  そこで、ちょっと横へそれて、さっきもあったんですが、毎日新聞の報道によれば、ILOは連合などからの公務員制度改革大綱に関する提訴にこたえて勧告案をまとめたと、結社の自由委員会に、十人の委員がいるそうですが、これに全部配付をしたと、こう伝えている。その内容は、当然政府側も取っておられるんだろうと思うけれども、とぼけておられるんですが、労働側の訴えを支持し、政府に労働側との十分な協議に基づく法改正を求めているというふうに今、報道しているわけですね。特にスト権、団交権については、結社の自由はすべての国に一律に適用される、こういうふうにして、政府が改善措置を避けてきた各国の個別事情という主張を退けている、こういうことになっているわけですね。
  そこで大臣、ILOからこの勧告、多分今月の二十日にも決定をするというふうに私は聞いています。そういう格好で出れば、政府は当然これを受け入れる用意があるのかどうか、これについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 午前中の御質問にも人事・恩給局長の方から、審議内容については日本政府は現時点では一切承知していないと、表向きはそうなっておりまして、漏れ聞くぐらいのことは我々も分かっておりますが、今お話しのように、最終的な勧告は二十日前後だろうと。
  これが出ましたら、中を見まして詳細に検討して日本政府としてどういう態度を取るか。今、委員、結社の自由と言われましたね、これはもうずっと委員が痛いように御承知の消防職員の団結権の問題なんですよ。これは消防職員委員会というのを作りまして、今、労使でそのコミュニケーションの場も作っているわけですから、我々としては、どういう勧告が出るか知りませんが、認めろと言われてもなかなか、さようでございますかというわけに今の段階では私はいかないと、こう思っておりますが、いずれにせよ、勧告が出てから十分な検討をいたします。
○又市征治君 これは大変重要な問題でして、ILOは、労働基本権は各国の歴史的、社会的事情にかかわらず一律に適用されると、こう言っているので、今度こそは日本の特殊事情という口実は通用しないわけです。つまり、この五十年間の公務員制度の総決算がつまり八十七号条約違反だと、こういう形で国際的な審判として出されようとしているわけですよね。
  ですから、今の大臣の答弁、それはいただけませんよ。出てから検討というのは、それは分かりますよ、今の段階では。つまり、これは、政府に新勧告に沿って公務員諸法を改正をするのか、それともILO八十七号条約から脱退するのかということを突き付ける内容になってくる可能性が非常に高い。そういうことなんですから、いやいや今のままと、個別事情をまだおっしゃっている、これではいただけませんよ。もう一度、少しそこら辺のところを回答をいただきたいと思います。
  もう一つ、行革担当副大臣、こういう新勧告が出れば、勤務条件については労働側との協議の上で、そしてその納得を得て公務員制度改革案を出し直す必要があると思うんですが、この点はいかがですか。
○副大臣(根本匠君) ILOの勧告につきましては、既に御承知のとおり、今月十九日から二十二日まで開催されるとされるILO理事会の採択を経て公表されるものと承知しておりますが、結社の自由委員会の審議は委員会を構成する政労使の委員のみで開催され、その議事については非公開とされておりますので、現段階ではどのような勧告が出されるかは私は承知しておりません。
  公務員制度改革につきましては、昨年十二月に公務員制度改革大綱を閣議決定し、これに基づき、来年じゅうを目標に国家公務員法等の改正案を提出すべく、検討作業を行っているところであります。
  いずれにいたしましても、公務員制度改革を進めるに当たりましては、職員団体を始めとする関係者の皆様と今後とも誠実に協議をしていくつもりであります。
○国務大臣(片山虎之助君) 勧告が出ましたら、詳細に内容を検討して政府としての対応を決めますが、ILOの言うことも、それはもうこれ昔から大体似たようなことをずっと言ってこられているわけで、我々もそれについて相当な工夫をしながら対応をしてまいったわけでございまして、出ましたものについて十分な検討をし、誠意ある対応をいたしたいと、こういうふうに思っております。
  もちろん、職員団体の皆さんの意見を聞くということは当然だと、こう考えております。
○又市征治君 もう本当に一週間足らずで出るんですよね。そのときにこのような答弁されたことは大変残りますよ、これ。大変重大な問題です。そのことだけ御指摘して次に移りますが、あと一点、厚生労働省からも来ていただいていますから、この人勧から翌年の民間への逆波及の問題についてちょっとお伺いしたいと思うんです。
  ちょうど今から二十年前の例でお伺いしますが、この年、人事院は五・二三%の勧告を出したわけですが、政府はこれを凍結、つまりベアゼロにしたわけですね。企業側はこれ待ってましたとばかりに、当時の経団連の稲山会長は、公務員が凍結なのだから民間もゼロにすべきだと、こう公言をされた。これが翌八三年の春闘にもろに影響して、春闘相場は前年比で二・五九ポイント下がった。これは人事院、十分御承知のとおりです。
  正に、人勧凍結が賃金のデフレスパイラルを生んだわけですね。ましてや今は大不況なわけで、来年の賃金全体への逆波及、あるいは政府主導の賃金デフレスパイラル、こういう状況の中で不当な賃下げあるいは不払い、解雇などを食い止めるこういう政策というのはどういうふうに考えておられるのか、厚生労働省から伺いたいと思います。
○政府参考人(青木功君) デフレ対策の問題につきましては、御案内のように、政府は現在の我が国の経済情勢にかんがみ、様々な対策を講じてきております。特に、今般、政府は改革加速のための総合対策を取りまとめまして、日本経済を再生するための政策強化を行い、デフレを克服しながら民間主導の自律的な経済成長の実現を目指すということといたしております。
  また、去る十二日には、産業再生・雇用対策戦略本部を設置をしたところでございまして、これにより、産業再生と雇用対策を一体的に推進する体制が整ったものと考えています。
  賃金問題は、これは民間、それぞれ労使が自律的に決定をされる問題であるというふうに承知をいたしておりますけれども、厚生労働省としては、これらの総合対応策に盛り込まれた雇用のセーフティーネットにかかわる事項を誠実に実行をするとともに、政府の一員として現在の状況に積極的に対処してまいりたいというふうに考えております。
○又市征治君 何か心もとないですね。さっき、総務大臣だって、こういうものはもう民間に波及されるべきではないと、こう言明しているわけで、そこら辺のところはもうちょっと明確に、あなた担当なんだからやってもらわなきゃ駄目ですね。ちょっと不十分ですが、その点だけ申し上げて、次に移りたいと思います。
  さて、今ほど同僚の渡辺先生からも出た公務員の採用問題についても触れておきたいと思います。
  前回も実はお伺いをしたんですが、今年は二・五倍に増やした結果がせんだって出されております。採用者を見ると、東大などの有名大学に偏らないで地方大学などから幅広く人材を採るという、こんな結果には全くなっていないわけですね。にもかかわらず、今度は、政府は更に最終合格者を四倍にしようとしている。
  私は、先日来、大学の就職担当責任者から話を直接お伺いしようということで聞きました。ヒアリングに際して、人事院と行革事務局、大分意見が違うようですから、それぞれからこのヒアリング先を是非推薦をしてほしいというふうにお願いしたんですが、行革事務局からは、やめてほしいということで断られてしまいました。いかがなものかなと、こういうのは。自分たちは聞いて、我々国会議員が聞くのに、その推薦はやめてくれというのは、これはどういうことなのか、大変、ちょっと疑問に思うんですが、一応、いずれにいたしましても、私の方でも幾つか調べまして、地方の国立大学や私立大学から意見を伺いました。
  少しその内容を、せっかくのこういう機会ですから、各委員の皆さんにもお知りいただきたいという意味で御披露申し上げたいと思うんですが、まず、この四倍化については、ある教授は、二倍が限度で四倍はむちゃだ、なぜなら、今でも最終合格とは名ばかりの足切り試験で、実質的に別のところで選考がやられている、合格が報われずに不採用の先輩を見れば失望が広がり、結局は母集団、つまり受験者の質が落ちていく、さっきのお話と一緒だと思うんですが、と言っておられるわけです。また、別の教授は、外務省不祥事などでT種キャリアの魅力が薄まっている、東大、早稲田、慶応に偏重しているとの風聞、空気が学生の嫌気を誘っている、官庁訪問の拘束が長く、地方の者は宿泊、交通費など、費用が十万から十五万掛かる。経済、家計の厳しさも加わって、早く決めるか二年生から受験勉強するか悩んでいる、その末に四倍合格しても採用されないのでは持ちこたえられないと批判的に述べておられます。
  これらはT種受験者、教授らの共通の悩みだろうと思うんですが、この問題は人事院と何か政府の権力争いのごとく面白く報道されている向きもありますけれども、私は、どうも本質は違うと言わざるを得ない、こう思います。
  これは、公務員制度改革大綱の一部であって、エリート官僚集団が国民から隔離したところで後継者を養成をし、そして官僚天国を言わば自己増殖していると指摘せざるを得ません。天下り規制の緩和案もしかりでありますし、能力評価の導入あるいは幹部養成コースの新設もしかりです。そのために権限を第三者機関から内閣あるいは各省に戻そうと、こういう格好に今なっているんだろうと思うんですね。ですから、与党内でも、この新聞に、昨日の新聞にも出ておりますけれども、心ある人たちは憂慮しているというふうに報じられているわけです。
  こうした不透明な内々定で各省に都合のよい草刈り場を広げるための四倍化ではなくて、国民の立場に立ち返って、地方を含め、国民各層の子弟を代表、代弁できるような幅広い人材を採用するシステムにすべきだろうということを改めて申し上げたいと思います。
  例えば、ある大学の教授は私に、関西枠だとか東北枠なども作れと、なかなか合格しないじゃないかと、こういうふうに言われています。また、ある大学は、省庁別の採用ではなくて、省庁別の面接を加味した人事院採用にせよと、こういうふうに注文もされているわけです。
  採用は最大の権力的な行為であるだけに、そういう意味では、民主的なチェックの可能な中立公正なシステムであるべきだろうと思います。そういう意味で、私は四倍化はやめるべきだと、こんなふうに思いますけれども、再度行革本部、この間のときはちょっと御意見をお伺いできませんでしたから、先ほどのなぜ私どもの聞くのをお断りになったのか、そのことも含めて行革本部と人事院の見解をそれぞれお伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 今年は二・五倍の合格者を出しました。これは以前にも御説明したことがあると思いますが、合格者を出した大学は四十一大学から五十八大学に増えました。しかし、内定をもらった大学数は去年も今年も二十五大学でございます。内定者をもらわなかった大学は十六大学から三十三大学に増えました。したがって、二・五倍にするという目的は何であったのか、それは広く人材を各地から求めようということが非常に大きなねらいであったというふうに言われております。したがいまして、今の数字から見ますと、その目的は達成されていないというふうに私は判断をいたします。
  したがいまして、そのときに、議論されたときに片山大臣が、いや、やっぱり地方の大学から、あるいは地方の私立大学から合格した人を総務省は採用するようにしましょう、来年は、というふうに、こういうふうにおっしゃいました。私は、非常にいいそれは発言だと思います。
  したがいまして、今年は二・五倍でやって何のとにかく地方大学に対する影響がなかったけれども、今の片山大臣の話のようなことを各省が申し合わせて、特に行革推進事務局は二・五倍ということをおっしゃったわけだから、行革推進事務局が各省に呼び掛けて、地方大学から採用しようじゃないか、やっぱり合格者の中で地方大学の占める合格者の比率というものがあるじゃないですか、その比率を目標に採用していこうと。岡山大学からも広島大学からも合格者が出ているけれども採用されていない、新潟大学からも採用されていないということですから、やっぱりそういうことがないようにしていこうということをみんなが申し合わせて採用していくということをもう一度私は来年やっていただきたいと思います。
  したがって、私はもう一度、来年は二・五倍でもう一遍やってみたいと思うんです。そして、そういうような効果が出てくれば、私は、二・五倍というものをやった効果が地方大学にも及んだ、皆さん、地方におられる方々も喜んでいただけたというふうに思います。
  これは大変難しいことだと思いますけれども、やっぱりそういう努力というものを重ねていって、とにかく今はほとんど地方大学から採用されない国家公務員の幹部が地方大学から採用されるように、片山大臣の言葉によりますと、試行錯誤を重ねていって努力していこうということですから、私は、来年はもう一度二・五倍でやらせていただきたいというふうに考えています。
○副大臣(根本匠君) 私は、合格者を四倍に増加することについては、そうすべきだと思っております。
  昨年末の公務員制度改革大綱では、意欲と能力を持った有為な人材を広く多様な人材ソースから公務部門に採用すべきだとの考え方を採用しております。
  なお、新規学卒者についても私は、基本的な考え方は、試験に余りに重点を置くのではなくて、やはり公務員として意欲と能力を持った人間にやってもらいたいわけですから、総合的な人物評価を重視するべきではないかと。従来にも増して多様で質の高い人材を採用して、効果的に育成、活用していくことが必要だと思いますから、その意味では私は、採用枠を広げた方がよりいい人材が、試験だけに得意な人材ではなくて総合的な人物評価を重視した人材が採れると、こう思います。
  今回の十四年度の試験結果をどう判断しているかということでありますが、地方大学を含む多様な大学の学生から人材を採用することができるという点で、合格者の規模を今年度二・五倍にしたことは評価をしております
  平成十四年度の試験結果を見ますと、確かに合格者を出しても内定者がいない大学数が昨年に比べ増えております。ただ、この中身を見ると、合格者が一人という大学が多く、これは、今回合格者を初めて出したり、あるいは久しぶりに出したりしている大学が多いんですね。これらの大学については、確かに今年は採用につながらなかったかもしれませんが、業務説明や採用面接の時期を公表するなど、官庁訪問の透明性、公正性の確保を図るためのルールが定着していけば、きちんとこういうことを大学関係者と意見交換をし、ルールを説明していけば実際の採用につながるケースが増えてくると私は思います。
  それから、先ほど先生から御指摘のあった、今回我々も地方に出向いて大学関係者から率直に現場の声を意見交換したわけでありますが、言わば本音を聞きたいということでヒアリングを行いましたので、だれが何を言ったかと具体的に名前を特定するということで聞いておりませんので、そこは、言った方に迷惑が掛かる可能性がありますので、固有の特定の名前を挙げることは差し控えさせていただいたということであります。
  ただ、ヒアリング結果で、どういう大学が参加し、どんな議論が交わされたか、どんな意見があったか、それはまとめてございます。
○委員長(山崎力君) 時間ですので、おまとめ願います。
○又市征治君 時間が参りましたから終わりますが、私だってそれはさっきから一つも名前を挙げていないわけで、そんなの常識ですよ。
  問題は、いろいろとあなた方からも推薦の大学を挙げてほしいと言っただけのことであって、いずれにしましても、どうも大分意見も、見解が違いますから、是非しっかりとそこら辺は調整を取ってもらって、受ける側の立場というものもやっぱり考えないと駄目だと思うんですよ。そのことを申し上げて、終わりたいと思います。
  ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
  両案の修正について高橋君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。高橋千秋君。

○高橋千秋君 ただいま議題となりました両修正案について、民主党・新緑風会及び社会民主党・護憲連合を代表して、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
  このたびの政府案にある平成十四年十二月に支給する期末手当及び期末特別手当に関する特例措置は、公務員労働者の既得の利益を過去にさかのぼって侵害するに等しいものであります。このような措置を国会が容認すれば、公務員労働者だけでなく民間労働者等に影響が及ぶことは必至であり、到底認められません。
  また、今回のような実質的に不利益遡及と同様の効果を有する措置については、現行法上これを許す明文の規定がなく、人事院勧告制度の下でのいわゆるルール変更に当たるものであります。職員が全く関与できない状況で一方的に不利益遡及を法定化することは、不当と言わざるを得ません。
  そこで、私どもは、官民均衡を図りつつ年間給与について何らかの調整措置を講ずるとの立場から、新たに職員の意見を踏まえた年間給与減額調整措置を設けるとともに、政府案の年間給与減額調整措置についてはこれを削除することが必要であると考え、両修正案を提出することとした次第であります。
  次に、両修正案の内容の概要について御説明申し上げます。
  両修正案では、政府は平成十五年三月三十一日までに、平成十四年度分として支給する給与の額と同年度分として支払われる民間における給与の額との権衡を図るための必要な措置を職員の意見を聞いた上で講ずるものとするとともに、平成十四年十二月に支給する期末手当及び期末特別手当に関する特例措置に係る規定を削除し、平成十四年度三月期及び十二月期に係る改正規定を改めることといたしております。
  以上が両修正案の提案理由及び内容の概要であります。
  何とぞ、速やかに御審議の上、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(山崎力君) これより両案並びに修正案について討論に入ります。
  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

○宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております一般職給与法等の改正案に反対、特別職給与法等の改正案には賛成の討論を行うものです。
  一般職給与法改正案に反対する理由の第一は、これが小泉内閣のゼネコン奉仕の無駄な公共事業など財政赤字の根源には一切手を付けないままで、国民にだけ痛みを強いている逆立ち政治の一環だからです。
  今、小泉内閣が社会保障分野で進めている三兆円の負担増、国民と中小企業への増税計画によって、長引く不況は一段と深刻さを増し、全くその出口すら見えないという状況になっています。そこへ更にこの公務員給与の引下げを押し付けることは、人事院が公式に認める七百四十万人ばかりでなく、年金受給者や民間企業の賃金水準にも波及するものであり、これによってGDPが〇・一から〇・二%押し下げられるという試算も示されています。国民の消費の拡大による不況の打開が痛切に求められているときに、このような大規模な給与所得の減少が日本経済に取り返しの付かない結果をもたらすことは明らかではありませんか。それにもかかわらず、あえてこれを強行しようとしている小泉内閣には日本経済のかじ取りをする資格も能力もないと言わなくてはなりません。
  反対理由の第二は、これが国家公務員、地方公務員の生活向上の願いに背くばかりではなく、既に述べたように広範な国民の所得の低下をもたらすからです。公務員給与が下がっているという事実が広範な民間企業の賃金水準に波及すれば、それは更に後の年度の官民比較調査に反映することにもなり、昨今の経済環境の下では、公務と民間の際限のない賃下げの悪循環をもたらしかねないものです。
  日本共産党は、公務員労働者の生活を守る立場からも、国民全体の所得の向上を目指す立場からも、このような賃金抑制政策を容認することはできません。
  反対理由の第三は、これまでの支給済みの給与の民間との較差分を十二月期末手当から差し引くという調整の手法が不利益不遡及の原則に触れる脱法行為だからです。この問題は、法律論としても重大であるばかりでなく、人事院制度の根幹にかかわる原理原則が問われる問題でもあり、到底看過できないものです。
  なお、特別職の給与は一般職に比べて高額の水準にあり、従来からこれ以上の引上げには反対との態度を取ってきました。その経緯を踏まえて、法案には賛成するものですが、事実上の不利益の遡及となる措置には同意できないことを明確にしておきます。
  民主党及び社民党提出の修正案は、問題の十二月期末手当による調整を削除するものですが、来年三月末を期限として年間の官民較差の均衡を図るために必要な措置を講ずることを政府に義務付けるものであり、厳密には不利益変更の遡及がなくならないものです。しかし、この点について労使で話し合う場を設けることの意義は認められるため、あえて反対はいたしません。
  最後に、今後も日本共産党は、国民本位の公務員制度の確立と、公務員が安心して働ける労働環境の実現、公務員の生活の擁護のために努力を続けることを申し添えて、討論といたします。
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりましたいわゆる一般職給与法改正案及び特別職給与法改正案につきまして、民主党・新緑風会、社会民主党・護憲連合提出の修正案に賛成、政府原案に反対の立場から討論を行います。
  反対の第一の理由は、両法律案が勧告史上初のマイナスベアを踏まえており、公務員労働者の生活にとってのみならず、政府の社会的給付に依存する多くの国民の消費生活や、地方における中小・未組織労働者に与える影響も大きく、現下の不況を更に深刻化するものだからであります。
  第二の理由は、四月からの官民逆較差分の差額について、不利益不遡及の原則によって、四月実施ではなく給与法改正後の減額であると言いながら、四月から法施行日までの給与を基礎に算定した額が十二月の期末手当で調整されることになっており、期末手当の性格を変更し、実質的に不利益不遡及の原則に抵触する疑いが強いものと言えることです。このような措置は民間労働者への影響も大きく、到底認められるものではありません。
  第三の理由は、仮に官民の均衡を図るための何らかの調整措置が必要であるとしても、調整の仕方について政府が一方的に十二月支給の期末手当及び期末特別手当で調整すると決めるのは問題があるということです。職員が全く関与できない下で減額調整措置が一方的に法定化されることは大きな問題があります。
  社民党は、従来、人事院勧告の完全実施を主張してきましたが、今回のマイナス人勧は、制度上はあり得るものであるとしても、労働基本権制約の代償措置たる人事院勧告制度が本来想定していなかったものであり、デフレ下での減額調整によってむしろ労働基本権制約という現行の公務員制度の基本的な問題が浮き彫りにされているものと考えます。
  私たちの修正案は、不利益不遡及の原則に立って、実質的な四月遡及を削除し、調整措置については新たに職員の意見を聞いた上で講ずるものとするもので、労働基本権を尊重し、労使協議による賃金決定システムの実現のための第一歩ともなるものです。
  なお、人事院勧告と併せて出された人事院の報告では、セクショナリズム、キャリアシステム、天下りに対する国民の批判に留意すべきとの強い指摘がなされました。この指摘は世論を正しく反映しており、今後の公務員制度改革の実現に生かされることを期待しています。
  最後に、民間及び公務員の給与引下げの悪循環、賃金デフレスパイラルを断ち切るには、何よりも公務員労働者、民間労働者の運動の強化、再構築が不可欠であり、官民労働者の一層の奮起を強く願って、討論を終わります。
○委員長(山崎力君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
  これより採決に入ります。
  初めに、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の採決を行います。
  まず、高橋君提出の修正案の採決を行います。
  本修正案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 少数と認めます。よって、高橋君提出の修正案は否決されました。
  それでは、次に、原案全部の採決を行います。
  本案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  この際、伊藤君から発言を求められておりますので、これを許します。伊藤基隆君。

○伊藤基隆君 私は、ただいま可決されました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
  案文を朗読いたします。
     一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
   政府及び人事院は、本法施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
  一、今回の月例給の引下げが公務員の士気や民間給与・経済に与える影響等を重く受けとめ、公務員の適正な処遇の確保に努めるとともに、デフレ克服のための積極的な総合施策を一刻も早く実施すること。
  二、年間における官民給与を均衡させる方法等を決定するに当たっては、職員団体等の意見を十分聴取し、納得を得るよう最大限の努力をすること。
  三、今回の給与の減額調整措置は、公務員給与の改定時期が民間と乖離している人事院勧告制度特有の在り方に起因していることから、民間等へ影響を及ぼさないよう十分留意すること。
  四、公務員制度改革に当たっては、人事院勧告制度が労働基本権制約の代償措置であることにかんがみ、職員団体等の意見を十分聴取し、納得を得るよう最大限の努力をすること。
    右決議する。
  以上でございます。
  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(山崎力君) ただいま伊藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 全会一致と認めます。よって、伊藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
  ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣。

○国務大臣(片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(山崎力君) 次に、特別職の職員の給与に関する法律及び二千五年日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の採決を行います。
  まず、高橋君提出の修正案の採決を行います。
  本修正案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 少数と認めます。よって、高橋君提出の修正案は否決されました。
  次に、原案全部の採決を行います。
  本案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣。

○国務大臣(片山虎之助君) ただいま議題となりました行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案等三法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
  初めに、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案について御説明申し上げます。
  この法律案は、昨年三月に高度情報通信ネットワーク社会形成基本法に基づき作成されたe―Japan重点計画において、行政手続のオンライン化に伴う法令の見直し等を行うものとされたことを受けて立案し、このたび御提案することとしたものであります。その目的は、国の行政機関、地方公共団体、独立行政法人等の行政手続等に関し、情報通信の技術を利用する方法により行うことができるようにするための共通する事項を定めることにより、電子政府及び電子自治体の実現に向けて、国民の利便性の向上を図るとともに、行政運営の簡素化及び効率化に資することとしております。
  この法律案の要点は、第一に、行政機関等は、行政手続等のうち他の法令の規定により書面により行うこととしているものについては、手続の性質等により電子情報処理組織の使用になじまないものと考えられる法律上の行政手続等を除き、電子情報処理組織を使用して行わせることができることとしております。
  第二に、行政手続等における情報通信技術の利用の推進を図るため、国は、情報システムの整備等に関し必要な措置を講じるよう努めなければならないこと、地方公共団体は、情報システムの整備及び条例等に基づく行政手続について必要な措置を講じるよう努めなければならないこととしております。
  引き続きまして、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について御説明申し上げます。
  この法律案は、既に電子情報処理組織による手続等について規定整備を行っている法律と、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律との適用関係を整理するとともに、電子情報処理組織を使用して手続を行う場合の手数料の納付の特例規定、オンライン化に伴う手続の簡素化の規定、歳入又は歳出の電子化のための所要の規定等を整備するものでございます。
  最後に、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案について御説明申し上げます。
  この法律案は、行政手続のオンライン化に際して必要な署名及び押印に代わる本人確認の手段を、地理的条件等による利用格差が生じないよう提供するために、市町村と都道府県とが連携して実施する高度な個人認証サービスの構築に関する所要の措置を講じようとするものであります。
  この法律案の要点は、第一に、住民基本台帳に記録されている者は、市町村の窓口において都道府県知事の発行する電子証明書の提供を受けることができるとともに、都道府県知事は、電子証明書等の通知を受理した行政機関等からの求めに応じ、当該電子証明書の失効情報を提供することとしております。
  第二に、本法案により構築される制度の運営に当たりましては、取り扱う利用者の個人情報につき、目的外利用の禁止及び関係職員等の秘密保持義務等、適切な措置を講じ、厳重に保護するとともに、都道府県知事は総務大臣の指定する法人に電子証明書の発行に係る電子計算機処理等の事務を委任することができることとしております。
  第三に、総務大臣は、地方公共団体の認証業務に係る技術の評価に関する調査及び研究を行うとともに、都道府県及び市町村並びに利用者に対し必要な情報の提供、助言その他の援助を行うよう努めることとするほか、認証業務等の実施について必要な技術的基準を定めることとしております。
  以上が、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案等三法案の提案理由及びその内容の概要であります。
  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(山崎力君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
  三案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。

    午後二時三十八分散会