運営「行政手続オンライン化法案の審議

(平成14年11月19日参議院総務委員会会議録より抜粋)


(前略)
○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
  まず、委員の異動について御報告いたします。
  去る十四日、加藤修一君が委員を辞任され、その補欠として木庭健太郎君が選任されました。

     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
  行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官村田保史君、内閣官房内閣審議官藤井昭夫君、人事院事務総局人材局長石橋伊都男君、警察庁刑事局長栗本英雄君、総務省自治行政局長芳山達郎君、総務省情報通信政策局長高原耕三君、総務省総合通信基盤局長鍋倉真一君、総務省政策統括官稲村公望君、総務省政策統括官大野慎一君、財務大臣官房審議官加藤治彦君、財務省主計局次長杉本和行君、国税庁長官官房審議官大西又裕君及び経済産業省商務情報政策局長林洋和君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
  三案の趣旨説明は去る十四日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○森元恒雄君 おはようございます。自民党の森元恒雄でございます。
  ただいま上程されております行政手続オンライン化関係三法案について、今日はいろいろな点でお聞きをしていきたいと思います。
  今、政府は五年以内、二〇〇五年までに世界最先端のIT国家の実現を目指すという大きな目標の下に、いろんな面で社会経済のIT化というものを進めておるわけでございますが、その中でも今議題になりましたこの行政手続オンライン化、いわゆる電子政府あるいは電子自治体の実現というものは大きなその柱の一つになっておるというふうに承知をしております。
  超高速のインフラを作るとか、あるいは電子商取引をもっと促進するとか、あるいはこのセキュリティーを高めるとか、そういうものと比較して、並べて、同時に電子政府、電子自治体を大きな柱に据えたと。このねらいはどこら辺にあるのかということについて、まず大臣からお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、森元委員言われましたように、e―Japan戦略というのを去年の一月に作りまして、二〇〇五年までに我が国を世界で最も進んだIT先進国にすると、こういうことをやっておりますが、それに大きい柱が四つあるんですよ。
  その中の一つが、行政の情報化といいますか電子政府、電子自治体でございまして、これは簡単に言いますと、今とことこ役所まで行って、文書の書類で届出をしたり申請をしたりして、添付書類も自分で整えて出してと、こういうやつを自宅あるいは職場からインターネットを使ってすぐ電子用として届出や申請ができる。それを役所の方も受け付けまして処理すると。一つは、そういう意味では国民の利便の向上と、もう一つは行政の効率化ですね。同時に、私は併せて行政の業務改革やそういうこともこの際電子政府、電子自治体に合わせてやるべきだと、こういうふうに思いますし、また同時に、透明性の向上にも資するんじゃなかろうかと、こういうふうに思っております。
  そこで、今は我々が当面やろうと思っておりますのは、今言いました届出や申請の電子化ですけれども、その次には電子調達、物を買ったりするやつね。
  せんだって、各省庁の中で総務省が一番早く電子調達の仕組みを取り入れました。来年はもう全省庁やるんです。物を買うのに地方からでも参加できるようになる。役所の方が買うわけで、いろんなそういう民間の方はそういうことの参加ができると。あるいは電子入札ですね。今、国土交通省が一部始めておりますが、地方自治体も始めておりますけれども、あるいは電子申告、電子納税、あるいは電子投票、そういうことをずっとやっていくということが全体の電子政府や電子自治体の計画でございますけれども、国民の利便の向上と行政の合理化、効率化が大きなねらいであります。
○森元恒雄君 今、大臣からは、国民にとっても便利になるし、今役所の方もいろんな事務作業が非常に簡素効率化するというお話、そこに大きな効果があるというお話ですが、私は確かにそれは一番直接的な目的だし、実際そのとおりになるだろうというふうに思いますが、もう一つ併せて、この電子政府、電子自治体をなぜe―Japanの柱に据えているかというのを私なりに考えますと、これはやっぱり行政がいろんな手続をデジタル化し、あるいはオンラインですべて処理できる、いわゆる紙、書類を一切なくしていこうということは、役所がそういうリードしてそういう体制を整えますと、民間の企業活動を含めてそういうものがすべて電子化、デジタル化、オンライン化に変わっていく大きなきっかけになるんじゃないかと。
  逆に、ある意味では民間の方が進んでいる部分があって、今民間の人は自分たちはふだんはパソコンですべて仕事しているんだけれども、役所に書類出すためだけにもう一度それを打ち出して印刷してというふうなことをやっていて、そういうことが一切なくなって、あるいは民間が若干後れている部分があるとすれば、役所がリードすることによってそういうものもこの際こういうものをきっかけにして大きく変わっていくんじゃないか。
  特に、今、大臣がおっしゃられた、調達、入札、納税、この辺の部分についてはそういう効果が非常に大きいと思いますが、この点について、念のため、そういう点についてどう評価しておられる、考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、これも森元委員言われましたように、ペーパーレスにすると、こういうことには確かになると思いますね。今、特に電子自治体で我々が大きな効果が、波及効果があると思いますのは、今度はこれで電子情報で受け付けるということになりますと、民間も全部電子化してくると思うんですよ、役所とかかわりのあるところは。そういう意味で、行政がまず主導して、行政がそういう仕組みを入れることによって民間にも広がっていくと、こういう効果は大いに期待されるのじゃなかろうかと、こういうふうに思っておりますね。
  そういう意味で、幸い私どもの方は、公のそういう情報化をやる、国の方は旧総務庁、地方の方は旧自治省がやっておりましたし、民間の方は旧郵政省がやっていますので、そういう意味ではこういうこのIT化、電子情報化についてはうちの庁が率先してやる、まず行政でやってみると、行政がやることによって民間にも波及していくと、そういう意味での委員が御指摘のような効果は大変大きいものがあると思います。
○森元恒雄君 分かりました。
  是非、大いにそういう方向で進めていただきたいと思いますが、この電子政府あるいは電子自治体は二〇〇三年度までに実現する、図ると、こういうふうにされておるわけでございます。そういうこともあって法律が今、提案、上程されているわけでございますが、そういう制度ができるだけで電子政府とか電子自治体が実現できるんじゃなくて、これを実際に実行していくとなりますと、いろんな面で従来の仕事のやり方を改めるとか、あるいは環境基盤を整えるとか、あるいはシステムを開発するとかいうような、いろんな準備が相当手間暇掛かるんじゃないかなというふうに思うわけであります。
  二〇〇三年ということは来年でございますので、仮に法律が施行されたとしても、そのほかの条件整備が果たして順調に来年度から実施できるようなふうに今進んでいるのかどうか、その点についてお聞きをしておきたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 今御指摘のように、オンライン手続を進めますためには様々な共通基盤の整備が必要でございます。
  例えば、政府の認証基盤、これにつきましては今年度中に整備をするというふうになっておりますし、また、個別の受付システムを作るのではなくて汎用の受付システムの構築、これも各省庁におきまして年度内を目途に進めているところでございます。
  そして、私どもの法案の中の公的個人認証でございますけれども、これも法案が成立しますれば、来年度中には電子署名というものが個人の方ができるという仕組みが間に合うわけでありまして、こうしたことを進めるとともに、アクションプランというものを作っておりまして、政府の手続、申請届出が約一万三千強ございますけれども、このうちの六千七百、つまり五割強につきましては、何とか十四年度中に国民の方々にサービスを提供するべく準備を進めているところでございます。
○森元恒雄君 ちょっと今のお答えの中で一点確認的にお聞きしますが、そうしますと六千七百ぐらいは今年中に動き出すと、こういうお話ですね、今のは。
  しかし、認証の方は、政府認証は今年中にできるけれども個人認証は来年だと、こうなりますと、今年中に動くその六千七百のシステムの認証はどういうふうにされるのか、ちょっと確認的にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 今申し上げましたように、私どもが考えております公的個人認証の制度が今年度中にはできないわけでございますので、既にあります商業登記に基礎を置く電子認証システムでありますとか、個人につきましては、電子署名法に基づきます民間認証局の電子署名もありますので、これを使っていただくなり、あるいは電子署名によらない形でのIDとかパスワードによって申請をしていただくような、そういった工夫を前提としたシステム開発を今年度中に進めておりますので、それによって稼働をせしめるということになるわけでございます。
○森元恒雄君 分かりました。
  認証については、ちょっとまた後でお聞きをしたいと思います。
  それでは、先ほど大臣のお話の中にありました、いずれ、当面はまず窓口事務、申請とか届出の窓口事務だけれども、早晩、入札、調達、納税、投票というようなことまで電子化したいというお話でございますが、これは調達とか入札の場合にはあれでございましょうか、実際やるときは設計図面等を含めて一式を、一切合財をすべて電子上で情報提供して、それに手を挙げようと思う人はそれを見た上でまたパソコン上で応札するというようなことになるんでしょうか。
  その仕組みを簡単に御説明いただいて、いつごろから本格的にそういうものが実行されるのかということをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) ただいまの、特に公共事業でございますけれども、既に平成十三年度から国土交通省におきましては一部直轄事業につきまして電子入開札を進めております。その上で、先般、e―Japanの重点計画の二〇〇二というものを決めておりますけれども、公共事業につきまして、今、議員御指摘のような形でのいわゆる公共事業の支援統合情報システム、CALS・ECと、こう言っておりますけれども、これを来年度中に構築するということで作業を進めることになっております。
○森元恒雄君 そうしますと、あれでしょうか、実際問題として、電子入札という形で入札が行われるように変わりますと、設計図面とか、そういうようなものは一切紙では存在しなくなると、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) そのとおりでございます。
○森元恒雄君 そうしますと、建設現場、土木現場の作業員一人に至るまでパソコンを使えないと作業、仕事ができないということになるんじゃないかなと私は思うんですね。そういう体制を実際、末端の、末端というのは失礼ですが、一人一人の作業員の方にまで習熟させないと、入札はしたけれども仕事はできませんと、極端に言えばなりかねないんじゃないかなと。
  そこら辺も含めて、そういう体制ができつつある、あるいはそういう準備をするということになっているんでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) 今おっしゃられますように、現場の作業員のレベルまでは私もちょっと承知をいたしておりませんが、入開札のインターフェースの部分で、今、議員おっしゃったような形で、設計図書から始めてすべて電子的にできるようにするということでございますので、作業を請け合う会社におきましても実際の作業については電子的に情報をやり取りするということがなければこれも不可能なことでありますので、すべての作業員まで使えるかどうか分かりませんが、多くの面でIT技術を活用した作業風景になっていくものというふうに承知をいたしております。
○森元恒雄君 私は、やっぱりこの電子政府、電子自治体の意義というのは、しかし正にそこであると思うんですね。役所がリードすることによって社会全体がシステムが変わっていくと。したがって、それに対応できるように、国の役人だけじゃなくて地方団体の一人一人の担当者、そしてまたそれを実際に仕事をする民間の人を含めて、そういう人の再教育といいますか、研修、訓練というものが非常にこの電子政府、電子自治体が実効の上がるものになるかどうかと、一つの大きなポイントになると思います。
  それは、もうそれこそ、これまた柱を一つ立てて、そういう仕組みをきちっと作るというようなことが必要じゃないかなという気がいたしますので、これは是非、政府においてもそういう力を入れていただきたいということを私の方からも是非お願いをしておきたいと思います。
  それで、次に、この電子政府、電子自治体というものを実施に入った段階を考えましたときに、じゃ、ある日突然すべてが変わるか、すべて紙が全くなくなってオンラインで処理できるようになるかと、これは難しいと思いますね。しばらくの間といいますか、いつまで続くかちょっとなかなか想像できませんが、紙とオンラインというのが併存するということが続いていくだろうと思います。
  そうしますと、先ほどの大臣のお話のように、窓口事務も二つ体制を整えないといけない。片一方は機械ですからそれはそれでいいと思いますが、問題はそのバックヤード、バックオフィスと言われている、窓口でオンライン化されたものをできるだけ後の関連の仕事の方の電子化あるいは効率化につなげていくというふうにした場合に、オンラインでしか仕事が流れていなければそれはスムーズに転換、そこもできますが、両方からあるとかえってやりにくくなる面があるんじゃないか、あるいは役所の方で、紙で出てきたものをいったんパソコンに打ち直さないといけないんじゃないかと、こういうふうに思うんですけれども、その辺はどういうふうに進められることになるのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 御指摘のように、私どもの今提出しております法案では、従来どおり書面でも受け付けるわけでございますが、インターネットを使ったオンライン申請でもいいと、こういうことでございまして、窓口におきましてはハイブリッドな形での処理になるわけでございますが、内部の事務処理におきまして、御指摘のように、電子情報で来たものはペーパーレスで流せばいいわけですが、紙の書類のものにつきましても、例えば技術を使いまして電子的に読み取らせる、いわゆるOCRと言っていますけれども、そういったものによってペーパーレスに処理するような工夫を当然これはもうしていくべきだろうし、しなければならないと。
  先ほど大臣申し上げましたように、国民にとって質の高いサービスを提供すると同時に、行政の業務改革、手続も簡素化する、単純にする、決裁過程も単純にするというふうなことを当然志向しておりますので、今御指摘の点、十分踏まえながら、技術の面で様々な工夫をやっていかなければならないと、このように思っております。
○森元恒雄君 分かりました。
  それで、こういう新しい制度とか仕組みが取り入れられても、なかなかそれにすぐには対応し切れないという人がどうしても出てくるわけだと思うんですね。特に、お年寄りの方とか障害、体に障害を持っておられるような方々はキーボードを見るだけでもうんざりしちゃうということだと思いますので、そういう方々にやっぱり行政としてはいろんな形での配慮というものが必要じゃないかな。
  そういう面で、何か工夫をすることになっているのかどうか、お考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 一昨年、十二年度の末から十三年度にかけましてIT講習というのをやったんですよ、五百五十万人、全国で。これは主として、今言いましたように高齢者の方だとか専業主婦の方だとか、そういうことを念頭にやりまして、大変好評でございました。私は効果もあったと思います。何しろ無料ですからね。教える人が一番若くて、教わる方がみんなお年寄りだと、こういうあれでございましたが。
  これが終わりましたんで、あとどうするかということなんですが、本年度から住民サポートセンターというのを、市町村の公民館や図書館を使いまして、パソコンなんかを置いてそこで一種の講習をやったり、実際に触ってもらうと。しかし、そうはいっても、やっぱり高齢者の方は今言いましたように、キーボードだとかマウスだとかクリックだとかというと、聞いただけでもう嫌がるんですよね。だから、そういう意味では、相当これからもそういう普及や研修をやらにゃいかぬと思いますけれども、同時に、端末の方がワンタッチで替わるとか、テレビが端末になるとか、そういう機器の開発をやってもらう必要があると思うんですよ。そういうことで、関係の業界の方にもお願いしておりまして、そういうことになれば、ワンタッチか声でできるようになれば相当変わってきますからね。是非、今後ともデジタルデバイドがないように、特に高齢者や障害者の方が利用できるようなことに努力していきたいと、こういうふうに思っております。
○森元恒雄君 次に、システムの開発とかあるいは導入の面でちょっとお聞きしたいと思いますが、国の事務もそうですし、地方団体の事務もかなりの部分が共通ベースになっている部分があると思います。
  先ほどちょっとお話ありましたが、そういうものは汎用型のシステムを開発をするというお話でございますが、是非パッケージ型にして、多少部分修正さえすればそれがいろんな部署で使えるというように効率化していただきたい。更に進んで言えば、その一つのシステムですべて対応できると、今は技術が進んでそういう仕掛けもあるわけでございますので、是非そういうふうにしてもらいたいと思いますが、この辺はそういうふうに順調にいっているのかどうか、お聞きをしておきたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 今御指摘のございました点で、まず、例えば国の方で申し上げますと、人事とか給与のシステムを作ります場合に、これはできるだけ共通化して開発をした方がいいわけでございまして、そういう取組にするということで来年度の予算の要求もなされておりますが、特に電子自治体のシステムを構築する場合には、かねてから大臣の方から共同化して、今、委員御指摘のように共同化してシステム開発をする、できれば運営も共同化する、これを民間のIT企業にアウトソーシングする、こういうふうなことで、全般的な経費の節減合理化を図り、かつ十分なセキュリティー技術というものも活用するというふうな施策を進めておりまして、来年度予算要求もしております。
  また、御指摘のように、ある一つの、一回の申請でいろんな手続、例えばライフイベントの中で出生とか死亡時における様々な手続をシングルウインドーでできるというふうなことも大変大事でございますので、こういったシステムの開発にも取り組むということにいたしたいと考えております。
○森元恒雄君 もう一点、私はネットワークについてこれは是非お願いをしたいと思いますが。
  今、霞が関のお役所は霞が関WAN、それから地方団体の間はLGWANというようなものを作っていこうということになっているというふうに聞いておりますが、しかしそれを、霞が関の中央省庁は共通のそういう基盤がありますし、また地方団体間もそういうのがありますが、各省と出先、それから地方団体も、その中で県と出先あるいは市町村というふうになりますと、独自のまたネットを張ることになっていくんじゃないかなと。しかし、それはかなり全国的に見れば重なる部分がありますし、特に国であろうが地方であろうが、ネットは、言ってみりゃ、どっちが持っていないといけないということでないわけでございますので、是非共通化、共通で利用できるような仕組みにこれは是非していただきたいと、お願いだけしておきたいと思います。
  もう一点、次にお聞きしたいのはセキュリティーの点ですけれども、今回の電子政府、電子自治体は、要するに個人であろうが企業であろうが、家庭なりオフィスでいながらにしてインターネットを通じて役所とアクセスするということですから、オープンなネットを使って役所と個人、企業は直接結び付くというふうになりますね。そうすると、専用線あるいは専用端末で閉鎖されたクローズなネットワークじゃないわけですから、いろんな形での不都合が出てくる。特に、ビールス、ウイルスが入り込むとか、あるいは情報の改ざんとか、あるいは情報の窃取とかいうような形で、そういう安全対策というものを従来のシステムよりも一段と強化しないといけないと思いますが、そういう点についての対策というものは盤石の措置が講じられるのかどうか、その点いかがでございましょうか。
○政府参考人(大野慎一君) 御指摘のように、電子政府なり電子自治体の構築をいたします場合に、セキュリティーの確保あるいは国民の方々の個人情報の保護ということは大変重要な課題でございまして、セキュリティー技術を十分活用しながら、しかもこの運用面に当たる職員につきましても、セキュリティーポリシーに基づいた様々なマニュアルによりましてアクセスできないことについてはアクセスできないようにするといったようなことで、技術面と運用面、併せましてシステム面でございますが、万全の対策を取るようにいたしているところでございます。
○森元恒雄君 しかし、何というのかな、これはある一種の技術比べ、知恵比べみたいなところがあって、幾ら高度なものをやっても、さらにまたその上を行くような人がどうしても出てくるおそれがあるんじゃないかと。だから、そういうことを考えると、やっぱりシステムそのものが持っている強靱さといいますか、安全さというものがより強いことが望ましいんだろうと思うんです。
  今海外、外国ではそういう点から、いわゆるオープンソース方式というようなもののオペレーションシステム、OSを採用した方がセキュリティー対策を講じやすいんじゃないか、パワーアップするんじゃないかということが言われ、一部そういうもの、方向を取り入れようという動きがあるように承知しておりますし、またe―Japan特命委員会からもそういう申入れがなされておると思いますが、これについて政府としてどう取り組んでいくのかという考え方をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、海外の動きでオープンソース導入の動きがあると言われましたが、ヨーロッパを中心にそういう検討はかなり進んでいますね。
  それから、日本でも識者からかねがね指摘がございましたし、私どもの方の今総務審議官やっていただいております月尾先生は東大の教授のころからそういうことの指摘をされておりまして、考えてみますと、やっぱり、特定の社の名前を出してはいけませんが、今の日本の役所がほとんど使っているものは言いましたようなオープンソースじゃないので、これについては安全上いろんな議論がございますので、このメリット、デメリットを客観的に評価する、そういう調査研究をやろうではないかと、こういうことにしておりまして、本年度はその準備をやりまして、来年度予算に要求しておりますので、来年度から大々的にということが適当かどうか分かりませんが、オープンソース導入についての具体的な調査研究を始めたいと、こういうふうに考えております。
○森元恒雄君 分かりました。じゃ、是非そういうふうに早急にこれは進めていただきたいというふうに思います。
  次に、認証の関係で一点お聞きしたいのはいわゆる漢字コードであります。
  住民基本台帳ネットワークの場合も、漢字コードが足りないとか、メーカーごとに漢字のコードが振り方が違うというようなことで、その調整をどうするかというのが課題になっていたんじゃないかと思いますが、住基の場合は、最後はイメージデータでも用が足りましたから、ある程度そういう問題というのはクリアしやすかったのかと思いますが、今度の電子政府、電子自治体で個人を特定するための認証というものを電子上でやるという仕組みが取り入れられるわけですね。そうしますと、すべての漢字をデジタル化しないと正確に個人を特定することが難しいんじゃないかなと私は思うわけです。
  その際に、今の日本のJISコードですと、聞きますと、一万二千字ぐらいしかまだコードが振られていないと、あるいはパソコンで対応できる漢字は七千字ぐらいしか今のソフトではないと言われていますが、実際に、特に人の名前なんかは非常に微妙なところで違う字が一杯あるわけで、五万字ぐらいやっぱり対応できるようなシステムでないと不十分じゃないかと、こういう意見が非常に強いわけですね。
  しかも、隣の中国なんかは、もう既に独自の方式でそういうものを組み込まれたソフトでなければ中国政府は使わないよと、こういうことさえやっておるというふうに聞いておりますし、ここは日本文化を、我々が何千年と伝えてきたものを更にこれから後世もきちっと伝えていくという意味でも極めて私はこれは重要な問題じゃないかなというふうに思います。
  この漢字については、やっぱりISOとの関係とかもありますけれども、余りにそこにこだわっていると……
○委員長(山崎力君) 時間ですので、おまとめ願います。
○森元恒雄君 独自の文化というものは作れないという面があると思いますので、この辺について考え方をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 御指摘の点につきましては、現在、総務省なり法務省、文化庁、そして経済産業省で連携取りながら整理、体系化をするということにしておりますので、委員御指摘の点踏まえましてこれからも検討を続けてまいりたいと思っております。
○森元恒雄君 終わります。
○高橋千秋君 民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。よろしくお願いいたしたいと思います。
  今日のこの議題となっています法案については、私は避けて通れないものだなとは思っております。イメージ的に考えると、ある朝起きると、携帯電話のメールにあなたの免許の更新時期が迫っていますというメールが来て、それにはたと気が付いて、携帯電話に付いているデジタルカメラで自分の写真を撮って、それを送りながら免許更新の予約を入れて、ついでに電子納付でその手数料等を払う、当日行くと、違反がないような場合、簡単な講習を受けたらぱっと免許証が出てくると、そういうようなイメージになってくるのではないかなというふうに思うんですが。
  そういうことになれば確かに便利ですし、すばらしい社会になっていくのかなというふうに思いますが、一方で、今回行われている、審議が行われている内容については、先ほども自民党の委員の方からお話ありましたが、大変危険な中身も多く含んでいるというふうに思います。その点も含めていろいろ御質問をしたいというふうに思っています。
  ただ、今回のこの法律、先国会で七月の三十一日に参議院のこの方に付託をされたということで、結局その前、八月五日住基ネットの稼働、これは非常にいろいろなところで疑念もあって問題になったわけでありますけれども、その稼働の前にそれの、住基ネットを更に利用を拡大していくというようなことを決めるというのはいかがなものかということで継続という形になったと思うんですけれども、七月三十一日にぎりぎりのところで付託をされて、今日初めて参議院の方で先議ということで審議をするわけでありますけれども、私は、まだまだこういう内容についてはもっと慎重に議論を重ねるべきだと思います。
  我々の会派としては、本会議での代表質問も要求をしてまいりました。私たちとしては非常に急いでいるように思いますし、拙速のように思うんですが、この点をまず大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 急いでいることは急いでいるんですよ。
  何でかといいますと、これはe―Japan戦略を去年の一月に決めまして、それに基づくアクションプランというのを三月に決めたんですよ。その中に、今、先ほど言いましたように、四つ大きい柱がある、一つが行政の情報化、電子政府、電子自治体の実現なんですけれども。そのアクションプランの中で、とにかく二か年で申請、届出は全部電子化しよう、オンライン化しようと、こういうことをアクションプランで決めたんですよ。
  それはおまえ、政府だけ決めて、こっちは知ったことじゃないという、そういう御意見はもちろんあるかもしれませんけれども、政府としてはそれを国の一つの大きな政策課題としてやろうと、こういうことになったわけです。そこで、我々は行政手続オンライン化三法案を通常国会に出させていただいたんですが、いろんな事情で継続審査になったと。
  それで、住基ネットとは関係があるようでないんです、ないようであるんですけれどもね。ここがなかなか難しいんですが、今の住基ネットは、特定の行政機関が、例えば簡単に言うと、今の九十三事務で言いますと、例えば公務員の共済年金だとか恩給だとか労災保険だとか、こういうものを出す場合、全部申請をさせて届出をするんですけれども、その際に住民票その他の添付書類を全部義務付けているんですよ。そうでなきゃ本人確認できないから。だから、これについてまず本人確認を、それぞれの労災や恩給や共済を出す機関が本人確認を住基ネットにすれば、そこでもう本人確認の情報をもらえて、本人自身は申請、届出に添付書類なくてもやれると。紙情報を一つ念頭に置いていた、紙情報を、住基ネットの方は、本人確認情報の提供ですよ。
  ところが、今度はそれを紙情報じゃなくて、紙でもいいんだけれどもオンラインで、インターネットでやりたい人はそうやってくださいと、こうなるわけですね、本来の申請、届出を。それをオンラインでやる場合に、それを添付書類だけを紙で出せなんということになったら、何のためのオンライン化かということになりますから、そういうものについてはこの際拡大をして、本人確認情報を住基ネットに行政機関がすれば、今度は例えば厚生年金、国民年金だとか、あるいは不動産登記だとかパスポートだとか、そういうことを考えていますから。そういうものはもう本人確認を行政機関と住基ネットの間で終わるようにしようと、こういうことでございまして、住基ネットは、これはもう二年以上前の法律が通って、そこで決まって今年の八月からやると。これは電子政府、電子自治体が全く念頭になかったとは言えませんけれども、極めてそれが大きな問題ではなかった、そのころは。それが紙情報でも添付書類だけは合理化しようと、こういう話だったんです。今回は申請そのものも電子化するんですから添付書類の方も電子化しないと、これはもう省かぬし手間が一つも減らないと、こういうことになりますから。
  そこで、この法案、通常国会に出させていただいたんですが、何で急いでいるかというと、二か年で申請手続や、申請や届出を全部オンライン化したいと、こういう電子政府、電子自治体を国として政策課題として決めたと、こういうことがありますんで、是非ひとつ御理解を賜りたいと思います。
○高橋千秋君 住基ネットと関係があるようでなくて、ないようであるというよく訳の分からないような話でありますが、さっきその二年間でやっていくという、e―Japan戦略も含めてですね。e―Japan戦略というと何か聞こえはいいんですが、いい加減Japan戦略にならないようにやっていかないといけないだろうなというふうに思います。
  それで、大臣が言われるように、オンラインで申請するわけですから、その紙、別途持っていくというのは、それはそんな二重手間のようなことをしても意味がないわけで、それはもうよく分かっている話でございます。ところが、やっぱり国民が一番思うのは、この情報が漏れないかとか、何かパソコンだったらボタンをぴゅっと押すだけで、クリックするだけでひゅっと行ってしまいますから、非常に不安なんですね。この幾つかの情報で出ている、アンケートで出ているのは、ある情報によると九割近くの人が非常に不安に思っていると。確かに便利になるけれども、不安に思っていると思うんですね。
  だから、私は、今回のこの法律を施行していく中でやっぱり一番大事なことというのは、政府の方がやっぱりその国民の不安をまず解消することが大事なことだというふうに思うんですね。それがないと、先ほど二年という、これは急ぐんですという、確かにこういうものは急いだ方がいいですけれども、一方で、やっぱりその不安も解消できないで急いでしまうというのは、これはあくまでもこれを施行しようとする政府の側の目であって、国民の目に立っていないというふうに思うんですが、私はこの不安を是非解消していただきたいと。
  そのことについてどういうふうに思われているか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) それは、住基ネットの話とこの行政手続オンライン化の話がちょっと御一緒にされているところがあるんじゃないかと思いますが。
  住基ネットの方が大変問題になりましたよね、八月五日の稼働のときに。これは私は、よくこの仕組みや事柄を知らないという点もあったと思いますよ、私自身の経験を踏まえても。住基ネットは四情報なんですよ、御承知のように。氏名と住所と年齢と性別で、これはもう委員御承知のように公開情報ですよね、オープンにしている情報ですよ。それに住民票コードと変えた場合の変更情報をくっ付けると。
  だから、漏れないようにやっていますよ、制度的にも運用面でも。システム的にも漏れないようにしていますけれども、仮に漏れたって使い道ないんですよ。それは全部、民間利用は一切禁じているんだから。名寄せもマッチングも全部できないんですよ。やったら全部罰則なんですよ。したがって、今、不正アクセスもなければ、漏れて問題になったこともないんですよ。
  しかし、いかにも個人情報というのはいろんな情報があって、それが勝手に漏れたら大変自分のプライバシーを侵されるような、そういうお考えをお持ちの方があるんで大変な騒ぎになったんだけれども、それは事柄を余りきちっとお分かりになっていないんじゃなかろうかと私は思っているんですが、分からせないのは行政側の責任ですよ。私は、もっと上手に説明をしていろんなことを分かっていただく努力が若干不足しておったんじゃないかと。それは役所の皆さんにも強く申し上げているんですよ。そして、そこのところを是非分かっていただければ、住基そのものはそれだけの話なんですから。
  今は行政機関の確認情報を、添付書類省略という形で確認情報を提供しているだけなんで、来年の八月からは、今度は住民票の広域利用だとか、どこの市町村でも自分の住民票が取れるとかという利用が始まりますし、それから、あるいは住民基本台帳カードが出せるようになるのでまた状況は変わってきますけれども、しかし、それも私は、セキュリティーとプライバシーはきっちり保護しながらやることが物すごく国民の便宜になってくるんですよ。
  こっちの方は、今言いましたように、今回の法律は、紙で出すものを御希望ならオンラインで、電子情報でも結構ですよ、それはそういうふうに処理しますよという法律なんです、今回は。それにもう一つは、そのために、そういうことをするためには公的な個人認証が要るんですよね。公的な個人認証が地方にはないんで、地方側には。それを、その仕組みを作りますよと、こういうことなんで。金のやり取りだとか税金を納める場合に公的な個人認証がなかったら危なくてだれもやらない。
  だから、そういう制度を今回は作りますということで、そこは、住基ネットというのは分けてお考え是非いただきたいと、こういうふうに思います。
○高橋千秋君 住基ネットとその違いというのは私もよく分かっているつもりですが、先ほど自民党の委員からもお話があったんですが、これはインターネット上でやるということですから、いわゆるオープンの、どこからでも入れる。これは日本国内だけでなくて世界じゅうどこからでも入れるわけでありますから、その意味ではセキュリティーが非常に問題になってきて、それで技術的に、後でセキュリティーの話もしますけれども、最先端の技術で、今考えられるもう一番いいセキュリティー対策ですというふうな答弁もいただいているんですけれども、それは、インターネット自体が始まってまだ七年なんですよね、これだけ普及を始めて、九五年からぐらいですが。その中でもこんな状況になるというのはまだだれも想像できなかった。そういう中で今回インターネットを使って出すということでありますから、もう慎重な上で慎重を重ねるということはもう大事なことだというふうに思うんですね。是非そういうことを念頭に入れていただいて。
  絶対大丈夫ですということは、私は言い切れないと思うんですよ。私のパソコンにももう毎日のようにウイルスメール来ますね、今。何か訳の分からぬメールが一杯来ます。私なんか慎重に開かないようにしていますけれども、そういうものについては。でも、私の地元の事務所が開いてしまって名簿管理から何から全部もうパアになってしまった。そういう経験をされている方は多いと思うんですよ。今回のことで、住基ネットの方は確かに四情報かも分かりませんが、それだけでなくて、その手続、申請、いろんなところに、お金も絡んでくる、いろんな問題がその中に絡んでくるわけですから、私は、大臣が言われるように楽観的には私はなれないんですね。
  それと、今回のこの法律の中で、確かに紙情報をオンライン上で、パソコン上でやるということですから、それは確かに便利なことなんですが、私、一番大事なことは、いろんな手続自体を私は簡素化することだと思うんですよ。
  私は農協に勤めていたときに、今日は農水省の方いないんですが、米を売るときに農林水産省の方に物すごい書類を出すんですよ。十数年ぐらい前に、まだ十年ぐらい前に、その書類はこよりで締めて袋とじをして出すという、そのこよりでやる事務的な手続のために何人かの人がいるというような状況でした。さすがに今は大分変わっているんだろうと思うんですけれども、しかし、それに近いような話というのは、行政に対するいろんな申請だとか書類を出すに当たっては大変いろんな煩雑な仕事が伴ってくる。
  私は、今回のこの法律に伴って、これ、オンラインだけでやるわけではないんでそう簡単にはいかないのかも分かりませんが、私は、そういう手続自体の簡素化、それから、もう要らないものもたくさんあると思うんですよ。そういうものをもうなくしてしまうという、そういう見直しがまず同時にやられるべきだと思うんですけれども、それはいかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) もう言われるとおりなんですよ。政府のIT戦略本部や経済財政諮問会議で議論するときにも、私も言いますし、何人かの人が皆言っているんですよ。この際、電子政府、電子自治体になるときに今の業務処理の在り方を見直して、要らぬ書類なんか一杯あるんですよ。それを全部やめたらどうかと。やり方も、ずっと期間を短縮するなりいろんなやり方があるではないかと。それをやらなければ、紙を電子情報に変えただけではメリットは半分だと、こういうふうな議論でございまして、私もその点はもう、今、委員が言われたことは本当に痛いように分かっておりますので、是非この際、関係の府省にも協力を求めて、全府省に協力を求めて、是非この電子化するときにそういう業務の簡素化、合理化、効率化に全力を挙げたいと、こういうふうに思っております。
○高橋千秋君 是非そうしてほしいと思いますし、それと、今回のこのオンライン上でやるということになれば、当然、窓口でいろんなことをやるというよりも電子処理で一発でいくわけですから、それを考えると、いろんな手数料なんかも安くすべきだと思うんですね。むしろ、なくてもいいんじゃないかというふうに思うものもかなりあると思うんですが、例えば、ATMで振り込みをする場合、銀行で振り込みをする場合、窓口でやると八百幾ら取られて、ATMでやるとそれの半額ぐらいで済むんですね。
  そういう意味でも、オンライン上でやれば手数料が安くなります、むしろ、ひょっとしたらただになりますというような私はインセンティブを与えればオンライン上の申請がもっと急速に広がるだろうというふうに思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) 正にIT革命はそういったコストを大幅に削減するのが大きな目的でありまして、特に平成十四年六月のIT戦略本部決定におきますe―Japan重点計画におきましても、オンライン化する場合の手数料について、手続の事務に係る経費の削減を図りつつ適正に設定することと、こうしておりまして、正に委員の御指摘のとおり、この手数料の額については、当然、基本的には実費を徴収することが原則でございますが、今のオンライン技術を活用すれば実費は低廉化するものと考えております。
  その結果、オンラインの利用の促進が更になされますと、当然、様々な手間、時間等の軽減化等の面が大変大きく出てくることが期待されておりまして、是非とも行政手続のオンライン利用の促進を図って手数料の削減に努めてまいりたいと考えております。
○高橋千秋君 是非そうしていただきたいと思いますし、それでもう一つ、今回のこの中に電子納税というのがあるんですね。これ進めるためには、税金、電子納税でやったら安くなるということは考えられませんか。
○副大臣(若松謙維君) 英国においても、税の申告手続に関しては、当初、オンライン申請の場合は一律十ポンド安くすると、二千円ぐらいだと思うんですけれども、そういうインセンティブ措置を講じておりますが、こちらとしても是非検討してみたいと思っております。
○高橋千秋君 納税については、私もずっとサラリーマンをしていましたし、いつも年末調整、出しますよね。今、会館の事務所にも来ている秘書とかの年末調整のあれもあしたが締切りでございますけれども、サラリーマンの税金意識というか、私もサラリーマンをしているときに、最初は紙っぺらをもらって、初任給なんかをもらうときは、ああ、これだけもらえるのかとか思いましたけれども、だんだん見なくなりますよね。そうすると、毎月一緒なわけですから、残業が増えれば多少増えるかも分かりませんが、ほとんど見ない。その中でだんだん、税金も幾ら払っているのか、年金も幾ら払っているのか、よく分からなくなってくるんですね。私は、これが日本の国民の税金意識を低くしているんだろうというふうに思うんですよ。
  私は、サラリーマン自体も確定申告にして、全員が幾らお金を払っているんだということを意識をさせる必要があると思うんです。そうなれば、今もいろいろ政治家は怒られていますが、税金の無駄じゃないかとかいろいろ怒られているわけですけれども、もっと税金に対する意識も高まるし、選挙やらそういうことに対する意識も高まると思うんですね。
  その意味でも、この電子納税でもしやれば非常に楽になるわけですよ。多分、脱税の可能性があるからとか、そういう御返答もあるのかも分かりませんが、私はそういうことも含めて考えてもいいと思いますし、一方で、納税の申告に対しても、物すごく難しいんですよね。確定申告のときでも、何かいろいろ書くところが一杯あって、訳が分からない。私は、もっとシンプルに、納税のシステムももっとシンプルにしたらもっと単純にいくし、脱税やそういうこともなくなってくると思うんですよ。そういうことを提案したいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(加藤治彦君) お答えいたします。
  先生今御指摘の点につきまして、実は政府税制調査会の平成十二年七月の中間答申におきましても、年末調整に代わりましてサラリーマン自らが申告によって税額の精算、確定を行うことは、社会の構成員としての社会共通の費用を分かち合っていく意識を高める観点から重要である、こういう指摘がされております。
  この問題につきましては、私ども非常に重要な問題だと思っておりまして、正にサラリーマン自身の納税の事務負担や行政の負担の問題もありますが、一方で、やはり給与所得控除の在り方、これとの関係も総合的に勘案して、引き続きこの問題について検討してまいりたいと考えております。
○高橋千秋君 是非それも含めて考えていただきたいなと思います。
  私が今回のこの法律が施行されてどういうイメージになるのかなというのを想像したときに、当然、ホームページからアクセスしていきながら申告するわけですね。そうすると、昨日、私、サイバーガバメント・スクエアというところへ行ってまいりました。行ったら片山大臣の写真も張ってありましたので行かれて見られたと思いますけれども、そこで見ると、ホームページがありまして、例えば家を建てたいとか、そういうことであれば、それを、家を建てたいというところをクリックしていくと、これとこれを書き込んで、これの税金を払って、手数料を払ってというような形にしていくという、それは当然一番いい方式で、ワンストップ方式になっていくと思うんですが、そういうことを想定されているんでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) この電子政府なり電子自治体の構築のねらいが国民に対するサービスを質的に高めていくということにあるわけでございますので、今、議員御指摘のように、せっかくサイバースペース上に申請の窓口を作ることになるわけでございますから、例えばある方にとりまして、そこのウエブにアクセスすれば、例えば子供さんが生まれたときに必要な手続が全部一覧で出てくる、しかもその手続について一回書き込めばほぼ大丈夫だと、これは一種のシングルウインドーでありますけれども、そうした工夫が当然なければならないわけでございまして、今そういったウエブ作りをするべく、各省と協調しながらシステム開発を進めることにいたしております。
○高橋千秋君 私は、国民のサイドから見れば、各省のホームページを一々探しながらそういう申請をするということでは全く意味がないと思うんですね。例えば、役場なんかへ行ったら健康福祉課だとか土木課だとかそれぞれあって、お役所仕事とよく言われますけれども、たらい回しにされるというような話はよく聞きます。それをなくすためにもやっぱりワンストップ方式にすべきだと思うんですね。
  ただ、問題は、各省庁、行政の縦割りですよね、これはずっと言われていること。これが果たしてそんなスムーズにいくのかどうか。おれのところはこうだ、おれのところはこうだというような話に当然なるでしょうし、各省庁も使っているシステム自体も違う、それから市町村もそれぞれの市町村が別々に違うシステムを入れていて、インターネットですからつながるのはつながるにしても、全部違ってくる。ホームページも、総務省のホームページがあって財務省のホームページがあって、全部ありますよね、今。でも、それが、質問通告をしたときに聞いたら、リンクを張ればいいんですよという話が出ていたんですが、リンクを張っているだけでははっきり言って意味がないわけですよね。一つのホームページ開いたらすぐに、私は家を建てたいからどうしたらいいんだということをぴゅっとやれば簡単に出てくるという、そういう方式にしていくために僕は縦割りの行政のシステム自体をまず変えていくということも大変重要なことだと思うんですが、それについてどうお考えでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) 御存じのように、今アメリカも既に二年前からファーストガブという形の、正にワンストップサービスを、ポータルサイトを開いたわけであります。日本ももう既に開いておりまして、いわゆるそういった情報の入口のいわゆる縦割りは一つ乗り越えたのではないかと、そのように理解しております。
  今、委員御指摘のように、やはり正にe―Japan、正にIT、いわゆるeガバメントというのは、省庁の縦割りをはっきり申し上げまして壊す要素になると思います。
  そういう意味で、先ほどのワンストップサービスからワンスルーサービスと、いろんな言葉がありますが、やはりあくまでも利用側、ユーザー側に立ったシステム構築のためのこれからの行政改革が更に進むことが想定されておりまして、やはり政治家としてはそういった観点から進めていかなければいけない、そのように考えております。
○高橋千秋君 例えば、書類申請するような場合に同じような書類を別々のところに出さなきゃいけないということもありますよね。私は、そういうことの無駄をまずなくしていく必要が大変重要なことだと思うんです。これは別にオンライン上の問題ではなくて、紙ベースの話でもよくあるんですよ。何でこんな同じような書類をあっちこっちに出さなきゃいけないんだと。こっちへ行くとうちはうちですからというふうに言われる。この体質自体もまだ全然変わっていないと思うんですよ。
  だから、この体質自体をやっぱり変えていくために、これは総務大臣がリーダーシップを取っていただくのかちょっとよく分かりませんが、省庁間の是非連絡をもっと密にしていただきたいと思いますし、市町村への連絡、県への連絡とかそういう部分も共同作業でやっぱりやっていかないと全く意味がないものになってしまうと思うので是非そうしていただきたいと思いますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 正に、高橋委員言われるようなあれですね。だから、行政改革本部やIT戦略本部でもそういう議論が出ておりますけれども、常時もやればいいんですよ、常時も。そういう縦割りを廃止する、無駄な書類を廃止する、もっと連絡を良くするということは常時もやればいいんですけれども、常時でもやることは引き続いてやることにして、こういう機会ですから、こういう機会ですから是非それをもっと加速するというのか、強化するというのか、拍車を掛けるというのか、それを是非やりたいと思います。
  そうしないと、受ける地方団体というのは、我々総合行政体ですよね、上から縦割りで来ると今度は受けたところがまた混乱するんですよ。そういう意味でも、是非今お話しのような点はこの機会に改善するように全力を挙げてまいりたいと思います。
○高橋千秋君 是非そうしていただきたいと思います。国民から見れば、どこの役所というのは関係ないんですよね。家を建てるのにどこの役所とか車を買うのにどこの役所に行かなきゃいけないとか、そういうことは関係ない話ですので、是非国民の目から見たやっぱり便利な方法を取っていただきたいなと。基本的に役所が便利になるんではなくて国民が便利にならなきゃ意味ないわけですから、是非そうしていただきたいと思います。
  今回の中で大変重要な意味を持つ電子署名と認証業務、こちらについてお伺いをしたいなと思います。
  冒頭にもお話ししましたように、今回のこの技術をもってすれば、今、最新技術だと、ICカードを使って、公開かぎ、秘密かぎ、それぞれ使ってもう大丈夫だと。大臣も、今まで不正アクセスもあったこともないしというような話がありました。あっては困るんですよ。ましてやまだ三か月しか住基ネットの方も運用していないわけで、そこであったら何をやっていたんだというような話になりますから、私は、あってはならないし、あってからでは遅いんですよね。
  コンピューターの世界というのは、一つワンクリックで簡単に壊してしまう。大量に一気にいろんな情報も壊したり改ざんすることができるわけですから、大変重い中身だと思うんですね。
  これで、先ほど大臣からも不正アクセスはありませんでしたという話ですが、こういう技術的なことについて言えば、今は確かにいいのかも分かりませんが、これはもう一〇〇%完璧ということはあり得ないと思うんですね。これは、技術はイタチごっこで、さっきも私が申しましたように、インターネット自体が始まってまだ十年もたっていない社会なわけですよ。この中でそんな完璧だということは言えないと思うんですが、情報を盗まれないとかそういうことに対してどういうふうに考えておられるのか、今、先ほどもう絶対大丈夫だというようなお話もありましたけれども、果たしてそうやって言い切れるのかどうかということをまずお聞きしたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) 今、委員が、公的個人認証サービスにつきまして、今、学識経験者によります地方公共団体による公的個人認証サービスのあり方検討委員会報告書において採用することが適当とされました公開かぎ暗号方式に基づく電子署名の採用を決定したところでございます。
  この公開かぎ暗号方式に基づく電子署名でございますが、諸外国の電子認証制度においても採用されておりまして、また、我が国におきましても政府認証基盤、民間認証事業等で広く採用されておりまして、現在のところ最も高度な暗号技術を用いた最新技術によって制度設計が行われているということでございまして、十一月七日に行われました住民基本台帳ネットワークシステム調査委員会の専門家の方からも、いわゆる我が国の、今、ICカード、これから来年に掛けて採用が予定されておりますが、こういった技術、さらにはこの公開かぎ暗号方式等、こういった技術は、今、EUからもその利用等の要請も来ておりますし、また、ビザまたはマスターカード等からも是非技術等の参考にさせていただきたいと、そんなオファーも来ておりまして、かなり我が国のこういった技術は非常に進んでいると理解しております。
  しかし、御指摘のとおり、非常に技術の進歩が著しい分野でもございますので、この本法案におきましては、総務大臣が地方公共団体の認証業務に係る技術の評価に関する調査及び研究を引き続き行うとともに、その実施の状況を勘案した検討を行うことで最新技術を常に適切に取り入れる体制を整えることとしておりまして、今後の技術革新に適時適切に対応してまいりたいと考えております。
○高橋千秋君 昨日、その認証システムを、本人確認するのに指紋だとかそれから目ですね、それから静脈というのが今あるそうですが、そういうのを見てまいりました。
  そういうシステムを入れる場合に、今回のこのシステムで言えば個人が自宅からやれるということを想定しているわけですよね、当然ほかの、企業からやるというのも当然ありますけれども、そうすると、そういうシステム自体もある程度やっぱりお金も掛かってきますし、さっきOCRというような話もありましたが、個人でOCRまで入れるというのはなかなか大変なことになってくる。それを考えるとどうも個人までそう簡単に普及するのかなと、それだけの施設を入れなきゃいけないわけで、一部の代理業者が結局はもうかってしまうようなことになってしまうのではないかというような声もあるんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) 今、私どもは、この公的個人認証システムを自治体がサービスを提供するような形で作っていただきたいと、こう思っておりますが、この一番大きな理由は、行政手続の申請、届出は全国民の方がどこに行ってもおやりになるということでございますので、全国あまねく至るところで申請手続が行われるということでございますから、そうなりますと、市町村で御本人を確認いただきまして知事名で電子証明書を出すというのが低廉で便利なシステムになるのではないかと、こういう考え方で組み立てております。
  この場合、もちろんコストは今からきちんとはじく必要がありますけれども、電子証明書、仮に三年ぐらい有効な電子証明書と考えておりますけれども、これをやり方によっては手数料を五百円から千円くらいで提供できるのではないかと、こういうふうに思っております。
○高橋千秋君 大臣は余り触れたくないかも分かりませんが、住基ネットのことをちょっとお聞きしたいと思います。
  関連がないようであるということでございましたのでお聞きしたいと思うんですが、これ住基ネット、八月五日に始まって三か月ぐらい過ぎたわけですけれども、有名になった杉並区、横浜市、それぞれいろいろ反発も強くて、横浜なんかは八十万人の人が拒否をしたということもあります。
  それで、大臣がいつも言われますけれども、これは全員が、国民全員が入ることが必要なんですということを当然言われるでしょうけれども、これについて見通しはどうなんでしょうか。ほかのところも今後どういうふうに進めていくおつもりでございましょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、参加していないと言っている団体は、杉並とそれから中野区とそれから国分寺市と福島県の矢祭町と。
  横浜は、この前、市長さんがお見えになって、希望を聞いて、二百六十万人か七十万人は是非接続をさせてくれと、こういうことだから、全員参加でないとこの制度は成り立たないし、この制度は全員参加を想定している、こういった全員参加なんですと、うちは。ただ、段階的に取りあえず二百七十万ですか、それからあとは八十万か何かと、こういう話ですから。まあ二百七十万つなぐというと相当時間掛かるんですよ、いろんな事務手続その他。そこで、今、神奈川県と私どもの方と地方自治情報センターと横浜市で実際の接続の仕方を相談していまして、まだまだ時間が掛かるようで。
  いずれにせよ、段階は分けるけれども全員参加を早急にやりたいと、こういうお話ですから、それじゃ、段階というのも本当は考えていないんだけれども、市長さんがせっかくそこまで言われるのなら、事務的にどういうやり方があるか検討させましょうと、こう申し上げているわけでありますから。
  今参加していないのは杉並と中野区と国分寺市と矢祭町で、それで矢祭町の方は、自分の方で個人保護条例を作りたい、それを作れば参加しますみたいなことを、間接ですけれども県から聞いております。それから、残りの東京都の三つは、東京都は是非早く参加するようにと言っているんですが、やっぱり個人情報保護法の成立を待ちたいような御感触だと私は聞いております。
  しかし、いずれにせよ、制度としては全部参加していただくということが建前ですから、参加していないというのは違法な状況ですから、違法状況はできるだけ早く解消してほしいと、こういうことで今話合いをいたしております。
○高橋千秋君 違法な状況というのは、やっぱりやむを得なくという部分も多分あるんだろうと思うんですね。私の地元の三重県でも、十三の市町村が条例を作っているんですね、個人情報保護の条例を作って参加をしている。一部は、その情報、さっきおっしゃられたように、個人情報保護条例ができるまで参加しませんということで、一日、二日だったんですが、遅れて参加したところもあるんですね。
  これは、各市町村とすれば、もう国がなかなか個人情報保護法をきっちりと整備できないから、しようがないから条例を作って先行してやっていくしかないというような、泣く泣く参加しているという部分もかなりあると思うんですよ。この地方の状況についてどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) 地方の個人情報保護条例でございますけれども、これは、実は今、全体の約三分の二くらいが条例として個人情報保護条例を作っております。それから、条例ではありませんけれども、規則とか規定で個人情報保護措置をするというところがございまして、これは、合わせますとおおよそその八割が何らかの形でそういった措置を取っているわけでございますけれども、私どもは、前から地方の場合の個人情報保護条例は、これは必要であると。国の個人情報保護法制のいかんにかかわらず、直接様々な住民情報を扱っているわけでございますので、紙情報の場合もですね、別に電子情報になるからということではなくて、従来から、個人情報につきましてできれば条例で保護措置をきちんとしてほしいと、こうお願いをしておりまして、これは、国の個人情報保護法制のいかんにかかわらず、それぞれが地方については作って措置をするという建前になっておりますので、これからも一層促進をお願いしてまいりたいと思っております。
○高橋千秋君 これは、国、さっき大臣も言われたように、国、全員が、国民全員が入るという、そういう国全体のことですので、私は法律としてきっちりとやっていくべきだと思うんですね、条例に頼らずにですね。
  今回の個人情報保護法も、マスコミの問題があるからああいう形でなかなか成立をしない。だから、それと切り離して、ちゃんとこういう部分の個人情報保護についてきっちりとやっぱり国として整えていくべきだと思うんですね。どうも何かマスコミの方のことをこれは余計に入れてしまったのかどうかよく分かりませんが、そういうことをやっぱりきっちりとしていくべきだと。
  今回のことでも、行政機関の個人情報保護法、これはまだ成立していないわけですけれども、私は、こういうものがあった上でこういうオンラインの手続等をやっていくんであれば、冒頭に言いました国民の不安というのはかなり解消できるんだと思うんですけれども。私は、だから、これが先に、オンライン三法の方が先に来ていることにいろいろ不安もあると思うんですよ。それについてどうお考えでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) 御指摘のとおり、政府といたしましては、今、国民等からの行政手続の電子化を強力に進めておりまして、当然、今おっしゃったような個人情報の蓄積というところがいわゆるITを活用してなされていくわけでありますが、これまでの行政機関個人情報保護法を見ますと、いわゆる大型電子計算機等による個人情報の処理を念頭に置いた制度でございまして、主に電算処理を担当する職員を対象に制度化されてきたものでございます。
  今般、いわゆる基本法制と言われる個人情報保護法案でございますが、これを整備するとともに、行政機関の全職員がいわゆるITによる個人情報の処理にかかわることを前提として現行法を全面的に見直した新法案を提案しているところでございまして、この新法案の趣旨を御理解いただき、是非とも早期成立を私どもとしては期待しているところでございます。
○高橋千秋君 今回のこのオンライン三法の中で指摘されている問題点の一つに、住基ネットの利用事務を追加をすると。百七十一事務を追加をするというところが指摘されているわけですね。平成十一年の六月十一日の衆議院の委員会で、附帯決議の五番目のところに、「システム利用の安易な拡大を図らないこと。」という附帯決議がされているんですね。この八月五日に実施されてまだ三か月しかたっていない中でこの百七十一事務が追加されるということは、私は安易な追加じゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 先ほど若松副大臣答えましたけれども、今、電算処理については行政機関の個人情報保護法があるんですよね。これは電子処理したものの保護法制なものですから、今回の行政機関保護法は、今、継続審査中ですけれども、衆議院で、これは電子情報じゃなくて紙情報にも拡大するんですよね。だから、拡大した方がいいんだけれども、今の法制の適用を受けるわけですから、電子処理については、今回の行政手続オンライン化法はその法律の適用がまだあるわけですよね。それが地方は、行政機関個人情報保護法は、地方にはこれは適用にならないんです、地方自治ですから。だから、地方には個人情報保護条例を作ってくれと、こういうふうに今私どもの方は指導しておりまして、今のお話のように、全体では、規則まで入れれば八割。七割弱ぐらいが条例なものですから、条例の方がいいですからね、はっきりしているから、法形式として、できるだけ早急に条例を作ってもらいたいと、こう思っております。
  そこで、今の杉並区や中野区や国分寺市が言っているのは、国の個人情報保護法が通らないと困ると、こう言っているんですよ。国の個人情報保護法ですよ。しかし、これはいわゆる基本法みたいな感じがあるからそういうことを言っているんですけれども、住基ネットとは何の関係もないんですよ。通ろうが通るまいが、住基ネットは住基ネットでセキュリティーやプライバシー保護をやっているんで、気分としては全体の法制があった方がいい、そういうことだと私は思いますよ。そこのところは是非御理解いただくように是非考えてまいりたいと、こういうふうに思っております。
  そこで、今の点なんですが、今度、百七十一追加するというのは、やっぱり電子政府、電子自治体を二か年でやろうと、こういう、正式に国として決めたものですから、そのためには、電子情報オンライン化の対象になる事務についてその添付書類は紙でそれぞれの窓口に持っていけということじゃ、はずが合わないじゃないかと。だから、今回オンラインにのせるものについては、御希望するなら、オンライン化できるものについては、本人確認情報は住基ネットと行政機関の間でやってもらう方に入ってもらおうと、こういうことなんですね。そして、その事情が変わったのは、電子政府、電子自治体の実現ということを去年の一月から三月にかけてe―Japan戦略なりアクションプランで決め、二〇〇二の、今年の例のe―Japan戦略の具体化のプログラムでも書いておるものですから、そこで拡大しないという附帯決議があったと思いますけれども、そこのところは状況が変わったので是非御理解を賜りたいと、こういうふうに思っている次第でございます。
○高橋千秋君 おっしゃることは分かりましたが、附帯決議の中でやっぱりこういうこともうたっているわけです。
  個人情報保護法、行政機関の個人情報保護法なんかも成立していない中で、やっぱり国民、さっき二年で急ぐという話がしきりに出てまいりましたけれども、これはあくまでも行政サイドの話であって、国民から見れば、不安が解消していないのにそう急いでもらっては困るという声は当然あると思うんですね。
  だから、そういう部分をやっぱり政府とすれば、いろんな声があるのであればそれをやっぱり聞いて、その不安を解消する努力というのはもっとすべきだろうし、国民から見ると、さっき大臣も言われましたけれども、少し努力が足りないのかなというお話がありましたが、まだよく分からぬわけですよね。分からない中でこういうことがどんどんどんどん進んでいくこと自体に非常に不安があると思うんですよ。
  この不安をやっぱり解消する努力をもっとしていただきたいと。そういう努力義務を置かれていると思うんですね。その努力を是非していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) もう言われるとおりで、不安の解消には全力を挙げなきゃいけません。
  ただ、今回のオンライン化法は、オンライン化を必ず、オンライン化の方の手続でやれということじゃないので、紙で申請でもいいんですね。だから、御希望ならどうぞオンラインで、そうでなきゃ今までどおりでと、こうなるんですが。
  ただ、添付書類の方は、この際、行政機関と住基ネットの間でやり取りをしてもらって、本人がわざわざ手間やお金を掛けなくてもいいようにしようと、こういうことでございまして、不安の解消には今後とも全力を挙げたいと、こういうふうに思っております。
○高橋千秋君 この不安についてもう少し言えば、今回のことで一番問題になっているのは成り済ましという部分ですね。いわゆる本人かどうか分からない、それを確認するために電子署名や電子認証やいろいろあるわけですけれども。
  例えば、端的な例で言うと、クレジットカード泥棒ありますよね。クレジットカードを盗まれた、そういう場合に、その人が盗まれたというのを確認、すぐ分かって、担当者に電話でそれを止めてくださいと言えばその時点で止まるわけですけれども、よくあるのは、クレジットカードやそれからキャッシュカードについても不正に使われてしまうと。クレジットカードの場合は、そういう盗まれて使われた場合、保険制度がありますよね。
  今回も、この本人認証、いろんな方法でやるわけですけれども、成り済まして、本人に成り代わっていろんな手続をしてしまった場合に、お金の問題も当然出てくると思うんです。それもクレジットカードどころではなくて、かなり高額の問題も出てくるだろうと思うんですね。これに対して、やっぱりそういう保険的な対策というか、そういうことはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) 今の高橋議員の御指摘は、例えば電子証明書なり秘密かぎと言われるものをICカードに収める工夫を今考えておりますが、これが、なくしたり盗まれたりして、そのICカードを使って偽の電子署名をする者が出た場合にどうするかと、成り済ましの問題だと、こういうことでありますけれども。
  ICカードの作り方もそうですけれども、電子署名をします秘密かぎというものを外部から読み取られないようにするという工夫をしておりまして、また更に暗証番号によって活性化するわけですが、この暗証番号などもきちんと設定をするということで、盗まれたICカードがみだりに使われないような工夫はするということにしておりますが、いずれにしても、なくした場合には当然ストップさせなきゃなりませんので、これは市町村が対応するというふうになりますが、万が一、今御指摘のように電子証明書が第三者によって乱用されて損害があったと、こうなれば、その場合、特に行政機関側に過失がある場合には国家賠償法の対象にしようということになると思いますが、保険制度を用意するということは考えておりません。
○高橋千秋君 万全だということなんですが、やっぱり保険制度か何かないと、さっきの不安じゃないですが、お金が絡んできますので、そういうことも是非考えていただきたいなというふうに思います。
  アメリカの映画で「ザ・インターネット」という映画があるんですよ。大臣、見られたかどうか分かりませんが、是非見てください。これは今の論議しているような内容を、正に的を射たような映画なんです。なかなかおもしろい映画ですので見てください。
  これは、本人が、アメリカの話ですが、社会保険番号とかそういうのを勝手に改ざんされる、そうすると本人が本人じゃなくなるというストーリーなんですね。そうすると、その別の名前、名前も書き換えられる、それで犯罪歴まで簡単に書き換える。アメリカなんかはパトカーの中にパソコンがあって、その人の名前やそういうものを入れるとすぐに犯罪歴が出てくると。その人は、主人公は、全く犯罪もしていないのに、麻薬で何度も逮捕されているとか、そういうことが書き込まれて監獄に入れられてしまうというような、そういうような状況なんです。
  そういうようなことが、さっきの万全ですよというお話ですが、これはないとは言えないんですよね。不正アクセス、大臣は不正アクセスはなかったというお話ですが、今後の中でどんどんどんどんイタチごっこのようにそういうことをやろうとするやからは出てくるわけですよ。そういうことを非常に不安に国民は思っていると思うので、是非そういう、さっき、何度も繰り返すようですが、不安をなくすための努力をしていただきたい。
  それで、これは一つのサイバーテロだと思うんですね。つい最近もどこから入ったのか分かりませんが、日本のサーバーに、大手のサーバーに何百万回ものアクセスをしてインターネットのスピードが遅くなるというような事件がつい最近ありました。これも一つのサイバーテロだと思いますし、さっき私が言いましたように、ウイルスの問題もそうです。
  こういうことに対して民間の会社がウイルスワクチンのソフトを開発して今売っています。いろいろなものがありますが、それを使って、我々も使っていますけれども、国として、この対策をやっぱり国としてやっていくべきではないか。いろいろ聞くと三日に一つぐらい新種が出ているんですね、ウイルスが。そうすると、もう年間に何百ものものができて、それが、一つのものが一気に広がってしまう。何万、何百万というパソコンにどんどん広がってしまう。
  こういうもう本当に、国の機能自体が止まってしまうとか、例えば交通機関が止まってしまうとか、そういうこともあるんですね。その「ザ・インターネット」という映画の冒頭に、飛行機の計器が壊れてしまうというようなところが出たりとか、飛行場の離発着ができなくなるというような場面も出てくるんですけれども、そういうことが今後出てこないとは限らないんですね。
  その中で、欧州評議会でサイバー犯罪条約というのが結ばれて、まだ批准をしているところは一か国しかないそうなんですけれども、日本もオブザーバー参加していると思うんですが、こういうものに対して対応していかなければいけない。これは日本国内だけの問題ではなくて、世界と協調してやっていかなければいけないわけですけれども、こういうものに対する国としてどういう対応をしていくのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(林洋和君) 御指摘のように、昨年の十一月、欧州評議会でサイバー犯罪条約が採択され、我が国も署名をいたしました。このネット空間の特徴を考えますと、この条約がサイバー犯罪に関する国際的な枠組みになる可能性があると私ども考えております。したがいまして、私どもでも専門家による研究会を開催いたしまして、必要な国内法の対応について検討いたしました。今年の四月に報告書をまとめたところでございますが、現在、関係省庁において、この条約への対応について積極的に検討をしております。
  なお、この国内法制の検討に当たって、私どもは注意しなければならない点が二点あると思っております。
  一つは、過剰な規制によって経済社会の活力を損ねてはいけないという点。第二には、国際的に整合性の取れた法制にしなければいけない。委員御指摘のように、アメリカ、イギリス、フランス等、日本と同じく署名はいたしましたが批准はまだでございます。それぞれが国内法制を検討しているという状況でございますので、こういった各国の動向も見ながら、国際的に整合性の取れた法制にする必要があると考えております。
○高橋千秋君 時間が少しになってまいりましたので急いでしたいと思うんですが、今回のこの申請の到達ですね、相手の、行政側のコンピューターに記録をされた時点でこれは申請をしたこととみなすということでなっているんですけれども、中には夜遅くやるとか、三百六十五日、二十四時間やればいいんでしょうけれども、それぞれの市町村の対応がやっていけるのかどうかとか、いろんな問題があると思うんですね。
  それと、あるところからは、例えば申請をした場合に、手数料の納付をしたんだけれども、その納付の確認がすぐできるのかどうかという不安もあると。そのことによって、いろいろな経済活動に支障を来す場合が出てくるんではないかという声があるんですが、これに対してはいかがでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) ただいまの御指摘につきまして、私どもも各府省間で統一仕様を作成をいたしました。そこで、御指摘のようなコンピューターに申請データが行政機関側のファイルに記録されたときには、確かに到達した旨の表示を申請をされた方々、国民の方々のコンピューターの画面上に表示をすると、こういった措置を講ずることにしておりまして、これによって、確かにそのデータが行政機関側に到達したということを確認できる仕組みを考えているところでございます。
  さらにまた、その後この審査の状況でございますけれども、審査が行政内部でどのように進んでいるかと、それから審査が終了した場合には通知ができると、こういったような汎用の受付システムの基本仕様を統一して対応するということにいたしております。
○高橋千秋君 そのことも含めてなんですが、これは市町村と県、国それぞれが一体になってやっていかないといけない事業だと思うんですね。それで、地元の県からは、市町村も含めてなんですが、今回のこの対応に対してやっぱりお金も人も掛かってくる、それに対して是非そういう助成をしていただくようなシステムを作ってもらえないかという要請も来ているんですが。
  それともう一つは、そういうお金の面もそうなんですけれども、例えばこれを普及させるためには、個人や企業それぞれのところにもやっぱりいろんな意味でこういうことができるようになったとか、これどうやったら使えるんだとか、そういう研修制度も含めて、いわゆる法律を整えるだけではなくて、それからハード的なものの対応だけではない、いろんなそういうソフト部分の対応も国として考えていかないといけないと思うんですが、これについてはどうお考えでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) まず、このオンライン申請等の各システムの整備に関する経費でございますが、平成十四年度におきましては、電子自治体の推進に要する経費として一千百六十億円程度の地方財政措置を行っております。また、この電子自治体の構築に当たってでございますが、当然先ほども触れました共同アウトソーシング、これが効果的でありまして、来年度、国と地方公共団体が共同で、この共同アウトソーシングのためのモデルシステムの開発、実証実験等を実施することとしておりまして、その予算要求も行っているところでございます。
  また、個人へのITの普及に対する対策でございますが、これにつきましては、住民サービスの質的向上等、行政の簡素効率化に資するものでございますが、実際に住民によりオンラインによる手続が活用されることが当然大事なことでありまして、このために住民にとって使いやすい申請、届出の受付システム等の構築のために地方公共団体を支援していこうと考えております。
  さらに、広く住民の関心と理解を増進するための全国各地におきましてシンポジウム等の普及啓発活動の実施を考えておりまして、インターネットに接続されたパソコンが相当数設置されている図書館等を活用した住民サポート事業の展開も検討しているところでございます。
○高橋千秋君 時間が来たので終わりますが、子供が生まれて出生届を出したらいつの間にか離婚させられていたというようなことにならないように、そういうセキュリティー対策、安全対策を是非やっていただきたいと、そのことを申し上げて私の質問を終わります。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
  まず、基本的なことから御質問申し上げたいと思います。
  二〇〇二年度の補正予算について、十二月十日に規模、概略をまとめ、来年度予算案とともに年末に決定と言われているわけでございます。そして、来年一月の通常国会冒頭に提出するということになっているわけでございますが、片山大臣は、十一月十五日の記者会見で、補正予算について公共事業でも必要なものは検討対象になると指摘されるとともに、地方自治体のIT網整備などのインフラ整備は新しい形の公共事業だとの見方を示しておられます。
  総務大臣は、補正予算において情報技術網の整備のためにどのように対処していかれるおつもりなのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、辻委員言われましたようなことは記者会見で申しました。
  実は、この間の経済財政諮問会議でも申し上げたんですが、国、地方を通じまして三兆を超える税収に穴が空くんですね。これは恐らく歳入欠陥ですから、補正予算で手当てせざるを得ませんし、それから不良債権の処理を加速するんならセーフティーネット、いわゆるセーフティーネットの整備というのは不可欠だし、この際、景気がこういう状況なのはやっぱり需給ギャップがある、需要が足りないんだ、需要喚起と、こういう議論もありますからね。
  そこで、どう考えるかということは、これから最終的な方針が固まると思いますけれども、私は今日の閣議のときにも、まあこの国会はもう間に合わないんですよ、物理的に。出すんなら次の通常国会なんで、そうなると十五か月予算という考え方でやったらいいと、十五か月予算。そこで補正の方にどのくらい組む、当初の方にどのくらい組むというのは、これは正に高度の政治判断ですね。
  そういうことの中で、私は将来どうしてもやらなきゃいかぬものはこの際やるという考えがあってもいいよと。その一つは地方のITのネットワーク整備、インフラ整備であると。これは公共事業か公共事業じゃないか、議論があるんですけれども、新しい形の公共事業と考えてもいいじゃないかと。あるいは、これはほかの省の所管ですけれども、環境やリサイクルについても考えてもいいではないか、廃棄物処理ですよね。あるいは、今の小中の校舎なんかで耐震上問題があるようなものが本当にあるとすれば、そういうことだって考えてもいいではないかと。
  これはただし私の私見でございまして、政府としてはこれから十分な議論の上で最終的な補正予算なり来年度当初予算の編成の方針を決めていく、こういうことになるのではないかと思っております。
○辻泰弘君 そういたしますと、概算要求で要求されているものを前倒し的なことはあり得るんでしょうが、その概算要求で要求された以上のことも、以外のこともやっていくこともあるということになりますか。
○国務大臣(片山虎之助君) 来年度の予算は概算要求して今いろいろ財務省とやっておりますが、補正予算についてはまだ政府の方針、決まっておりませんので、この方は出しておりませんので、私は自分の考えとして場合によっては前倒しもあるなと、こういうふうには思っております。
○辻泰弘君 次に、今年の六月二十五日閣議決定の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二」、いわゆる骨太の方針第二弾でございますが、この中の指摘に関連してお伺いしたいと思います。
  一つは、「産業力強化のためのIT化推進」という項目の中でこういう指摘がございます。「日本の特徴を生かした移動型(モバイル)、どこでも型(ユビキタス)のIT社会を構築する。」という方針が示されているわけでございますが、ここで言われているところの日本の特徴とは何か、そしてそれをどう生かすのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(高原耕三君) 今、先生おっしゃいましたように、この六月に経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二というのが出されました。この中で六つの戦略が挙げられておりまして、ほとんど情報通信がその中に入っておりますが、この六つの一つに技術力戦略というのがございます。
  この中で、産業力強化のためのIT戦略として、今おっしゃいましたようなモバイルあるいはユビキタスのIT社会を構築するというふうにされております。これは、我が国に優位性のある両分野の技術分野に資源を集中することで欧米の後追いでない我が国の特徴を生かしたIT化を推進しようという趣旨でございます。特に、携帯電話は今七千三百万加入ぐらいございまして、この七二%がインターネット対応ということで、これは世界一の対応率でございます。また、テレビや冷蔵庫などの家庭の電気製品を中心に、あらゆるものがこれからネットワーク化されようという動きになっておりまして、要するに国民がどこでもネットワークにアクセスできるようになろうとしておりまして、これをユビキタス型IT社会、あるいはその前段の方は移動型IT社会というふうに言っております。
  技術的にも、携帯電話あるいは光通信、情報通信端末など、非常にこの辺の分野は欧米よりかなり優れた技術分野でございます。このような分野の関連技術を大きく伸ばすことによりまして、我が国の優位性を確保できるというふうに考えております。
  総務省としても、この移動型IT社会関連の技術としては、超広帯域移動通信伝送技術、あるいはソフトウエア無線技術、どこでも型IT社会、これはユビキタスですが、このユビキタス型の関連技術開発としては、超小型チップネットワーク技術、あるいはユビキタスネットワーク認証エージェント技術といったようなものの研究開発を積極的に進めていくことで、我が国の得意分野として更にこういう分野を伸ばしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○辻泰弘君 もう一つ、いわゆる骨太の方針第二弾の中の指摘に関連してお伺いしたいんですが、電子政府等の推進という項目の中で、こういう指摘がございます。国民の利便性向上の観点から、電子政府、電子自治体等公的部門の電子化を推進する際には同時に事務を合理化するという方針が盛り込まれているわけでございます。特に強調されているように思うわけですけれども、この事務の合理化というものはどのような事務をどのように合理化するということをお考えなのか、具体的な例示をお示しいただきつつ御説明いただければと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 具体的に申し上げますと、行政手続のオンライン化の実施に合わせまして、まず輸出入手続と港湾への入出港手続、そして自動車の保有関係、これに係る手続につきまして、一回の申請で処理を完了いたしますいわゆるワンストップサービス、これにつきまして実現を図りたいと。二点目でございますが、登記簿の謄抄本あるいは有価証券の報告書や、先ほど来出ております住民票の添付でございますね、写しの添付、こういった様々な添付書類の省略なり廃止、まあ正副二通出せと、こういったこともありますので、そういったものを廃止すると。それからさらに、内部的には電子決裁でありますとか様々な許認可の審査、こういったものの支援のデータベースなどの活用によりまして、決裁なり審査事務をフローを変えて迅速化すると。こういった三つのタイプのものを考えております。
○辻泰弘君 以下、三つの法案のそれぞれに関連してお伺いしたいと思います。
  まず、今回のオンライン化法案についてでございますけれども、同法案におきましては二〇〇三年度までに約五万二千件の行政手続のオンライン化実施が目標とされているわけでございます。そのうち二〇〇二年度には、国の手続、約六千七百手続のオンライン化が予定されているというわけでございます。開始までには政省令の準備などが必要だと考えられるわけでございますが、どのような手順を経て、いつごろに開始されるのか、めどをお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) この、今御審議をお願いいたしておりますいわゆる行政手続オンライン化法案でございますが、「公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」と、こうなっておりますが、施行のためには併せまして、今、議員御指摘のように、施行令でありますとか主務省令等を定める必要がございます。そして、国民の方々に一定の期間やっぱり周知期間を設けまして知っていただくということが必要でございますので、どうしても前倒しをしても作業的には年度内のぎりぎりになってしまうのではないかと、二月なり三月になってしまうのではないかと思っておりますが、できるだけ早く、既に六千七百手続を今年度中にと言っておりますので作業を進めたいと思っております。
○辻泰弘君 今回の行政手続のオンライン化が二月、三月ということをおっしゃいましたけれども、開始された後、来年の八月までの間にインターネットでの申請、届出が実際に行われるケースというものは、法人、個人それぞれについてどのようなものが考えられるでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) 各省でアクションプランを作っていただいておりますけれども、これは先ほどの六千七百手続もそうでございますが、残り十五年度では大体六千手続ぐらいが国の部分であるわけですが、これは年度区分でやっておりまして個別の月次のやつではやっていないので、なかなか具体的にどういうふうな感じになるかというのがそれぞれ明定しにくいところがございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、六千七百の中には、例えば道路の占用許可申請でありますとか有価証券の届出とか、こういった法人とか事業者を対象にしたものがまずは手続をオンライン化するものでは多いというふうになっておりますので、こういったものが先に進んでいくということでございます。
○辻泰弘君 個人についてもあるとお聞きしていますけれども、その点について御説明ください。
○政府参考人(大野慎一君) 個人の場合でいいますと、例えば恩給を受け取っておられる方々の住所変更の届出、これが必要でございます。それから、気象予報士の登録などの場合にその手続をオンライン化するというふうに聞いております。
○辻泰弘君 電子署名、電子証明書のやつはまだ動かないわけですから、その場合の本人確認はどうなっているんでしょうか。民間の認証機関における本人確認ですね、それがどうなっているか御説明ください。
○政府参考人(稲村公望君) お答え申し上げます。
  平成十三年四月から施行されております電子署名及び認証業務に関する法律では、認証業務につきまして、電子証明書を発行する際の本人確認方法や説明などは、一定の水準を満足することを国が認定できる任意的な認定制度を導入しまして本人確認等の信頼性を判断する目安を提供しているところでございますが、この制度におきましては、認定認証業務におきまする利用者の本人確認方法といたしまして、運転免許証など公的機関が発行した写真付きの文書の提示と、利用申込書に押印されました印鑑の印鑑登録証明書の提出、三番目になりますが、本人限定受取郵便を用いた方法と、そしてこれらと同等なものとして主務大臣が認めるものということで、電子署名法の施行規則において定められているところでございます。
○辻泰弘君 私は、この民間の認証局における本人確認というのが十分なされているのかというか、そこが非常に疑問に思うわけでございます。
  公的機関であれば、例えば今おっしゃったように、運転免許証とかあるいはパスポートとか写真が付いている証明書というのは必ずしも持たなきゃいけないというわけじゃないわけでございますので、複数の、住民票とか健康保険証とかいろいろ合わせ技でやるということもあり得るのかもしれませんが、その場合、公的機関であれば、書面に係る原簿データに記録されている本人に関する事項について適宜質問しというような指摘もありますが、そういうことでカバーし得ると思うんですが、民間の認証局においてはそういうものは持っているはずがないわけですから、そういう意味において、このところでの本人確認というものは非常にある意味ではルーズになっているんじゃないかと心配に思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(稲村公望君) 御案内のとおり、認証業務につきましては、諸外国におきましても民間業者が一定の社会的な信頼を得てビジネスを行っているところでございます。
  私どもとしましては、一つの主体に限らず、多様な主体が認証業務を提供していくことはサービスの選択肢が広がるということでございまして、そのところが先ほど申し上げましたように任意的な認定制度を導入して本人確認等の信頼性を判断するということでございますが、今後、公的機関のサービスが、すれば、いろいろ多様性が拡大されまして、大変望ましいものになると考えているところでございます。
○辻泰弘君 サービスの選択の拡大とかそういうこととは事の本質が違うと思います。本人確認がしっかりなされているかどうかという問題でございますので、この部分が民間の認証局における本人確認というのは現行しっかりやられているのかどうかということは、私非常に心もとない思いをいたしまして、御説明をいただいたときも御指摘申し上げたんですが、そこははっきり言いましてちょっと問題で、この部分がしっかりしていないと動かしていいのかなと率直に思ったわけでございます。大臣、大変大事なポイントだと思うんですけれども、いかがでございましょう。
○政府参考人(大野慎一君) 今の御指摘の点もございますので、実は私どもの公的個人認証システム、電子証明書は本人確認を市町村の窓口でやって、これを知事名義で電子証明書を出すという、これが公的個人認証システムなんですが、この知事名義の電子証明書を先ほどの民間の認証業務をやる特定認証業者が活用できる仕組みを法律上考えておりまして、そうなりますと、民間の認証局は公的な個人認証における電子証明書を活用した上で更なる例えば属性を認証するようなサービスというものを展開できる可能性が出てくるということで、私どもは、今、議員御懸念のような点も私どもの公的個人認証ができれば解消できるのではないかというふうに思っております。
○辻泰弘君 今おっしゃったのはこれからのことでございますね。現行、もう既になされているわけですね。民間認証局の本人確認はもう既にやられているわけですね。そして、八月から電子証明書が動くという場合に、そこもお聞きしたいところではありますけれども、この今の民間認証局による本人確認というものをそのまま準用するといいますか、そのままでいってしまうのか、そこでもう一遍仕切り直しをして電子証明書を持ってもらうのか、そこもあると思うんですけれども、いずれにしても今の状態というのは非常に私は心もとないと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 辻委員の心配は私もよく分かります。写真付きで、これは写真も古い写真だと顔が変わる人がおりますから、だからそういう意味で今ここでそういう意味でのあれを施行規則で決めておるんでしょうが、電子署名法で、今説明したようなことで決めておりますけれども、これを更に厳重にチェックできるような方法がどういう方法があるのか。この法律は、私どもの方と、総務省と法務省と経済産業省の三省共管なんですよ。そこで、その省令で、施行規則で決めているんですよね、今言いましたように。だから、より厳重なチェックの方法があるかどうか、少し検討をしてみます、早急に。
  ただ、公的な個人認証の仕組みができれば、辻委員、これは今、大野統括官が言ったように、私はそれがベースになれば安心だと、こういうふうに思っておりますけれども、それまでの間についての、今の方法を続けるのがいいのかどうか、もう少しいろんな工夫があるのかどうか、少し検討してみたいと思います。
○辻泰弘君 要は二月、三月のときまでにかっちりしたものを作ろうと、こういう理解でよろしいですか。
○国務大臣(片山虎之助君) そうでございまして、行政取引オンライン三法を通していただけるという前提でもございますが、現行はそれで今やっているんですよね、現行は、電子署名法で。だから、早い時期に、このままでいいのか、新しい工夫が要るのかどうか、それは検討して方向を見定めたいと思っております。
○辻泰弘君 今の問題、さっき申し上げましたように、今の民間認証局による本人確認で動くわけですが、八月といいますから電子証明書ができた段階でもう一遍仕切り直しをするのかどうかはいかがですか。
○国務大臣(片山虎之助君) あれでしょう、電子証明書の今の仕組みは動いているんですね。今回の公的認証システムは、我々としてはこの国会で通していただきたい。施行は恐らく一月の下旬か二月の初めぐらいになると。八月は住基の第二次稼働の話ですから。だから、私が言っているのは、できるだけ、今は民間の認証局によるあれしかないものですから、これについては早急にちょっと検討してみましょうと、こういうふうに申し上げているわけであります。
○辻泰弘君 要は、電子証明書を新たに持っていただくことになるのかということです。
○政府参考人(大野慎一君) 大臣が申し上げましたように、公的個人認証によります電子証明書、これは知事が発行するものでございますが、これは法案通った上でシステムの開発の準備をしなきゃなりませんので、早くても、今からやってもどうしても十五年度の秋口とかあるいは十五年の後半になってしまう可能性もございます。これはそう簡単にできないものでございまして、大々的なシステム開発をしなければなりませんものですから、今直ちに法案が施行されても提供できるというものではございません。
○辻泰弘君 先ほど大野政策統括官、ID、パスワードを使うやり方もあるという御説明ございましたね。これも、この場合の本人確認も少し疑問に思うところもあるんですけれども、ここは大丈夫なんですか。
○政府参考人(大野慎一君) 私どもは、オンライン化を進めます場合に、インターネットセキュリティーの一つとして、本人の成り済ましあるいは改ざんというものがあり得るわけでございますので、これを防ぐには私どもの公的個人認証システムはどうしても必要だということで、今回あわせて法案を出させていただいておりますが、先ほど来申し上げておりますように、その前に、公的個人認証システムが稼働する前に既にシステム開発に掛かり、いろいろオンライン法案が通ればオンライン化ができるものが出てくるわけでございまして、それはそれぞれの省庁の中で安全性をどのように担保するか、これはそちらの方でシステムを作ってもらう以外にないと思うんですね。
  ですから、例えば民間の認証局を使うとか、ID、パスワードを使うとか、そういうレベルでのセキュリティーでいいものに限ってシステムが動くということもこれは考えられるわけです。しかし、私どもは究極の意味で、個人情報をきちんと本人に成り済まされないように保護して情報を行政機関に送るとすれば、是非ともこの公的個人認証システムが必要だと思っておりますけれども、それは今直ちには間に合わないということでございます。
○辻泰弘君 今のポイントは大事なところで、やはりしっかりと安全性と信頼性を確保する上で本人確認の分、大事なことだと思いますので、二月、三月までにひとつ考えをまとめておいていただくことで、それを多とすることにいたしますけれども、大事なポイントだと思うので、是非よろしくお願いいたします。
  それで、もう一つの整備法案についてお伺いしたいと思います。
  今時の整備法に関連してということになりますが、今回のオンライン化法案の対象には国会と裁判所が入らないということになっているようでございますが、同法案が対象とする公的機関の領域というものを明示していただけますでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) オンライン化の関係の法案の二条でございますが、ここで行政機関等の範囲というものを定めているわけでございますが、各府省、それから行政委員会、委員会ですね、庁、会計検査院、人事院等の国の行政機関はもとよりでございますが、それから議会を除く地方公共団体又はその機関、それから独立行政法人、さらに、政令で定めますが、特殊法人なり認可法人、それからいわゆる指定法人と、こういったものが行政機関等の範囲に入っているわけでございます。
○辻泰弘君 そのように国会、裁判所が適用外であるということに伴って、今時の今回の整備法案では財政法の改正ということにもつながっているわけでございます。財政法は言うまでもなく国の予算、財政の基本法でございますけれども、時間もないのであれですけれども、今回の改正というのは、財政法に対して今回の法律が掛かるのを除外して、そして新たに財政法独自の規定を設けて同等のシステムを作るというふうに理解してよろしいですか。
○政府参考人(杉本和行君) 委員おっしゃるとおりでございまして、財政法、会計法というものは国の予算編成手続、予算執行手続を規定しているものでございますが、これらについては国会、裁判所を含めた全省庁について統一的な手続が必要だと考えております。
  今、御説明ございましたように、オンライン法におきましては国会、裁判所が除かれておりますので、こうした国会、裁判所を含めたところで予算編成執行事務の電子化を図るということから、財政法及び会計法にこのオンライン法と同趣旨の規定を置くことによりまして、予算編成手続、それから予算執行手続の電子化を同様に行うということを考えております。
○辻泰弘君 この財政法は、衆議院議長、参議院議長、最高裁長官、会計検査院長、また内閣総理大臣、各省大臣による毎会計年度における歳出、歳入等の見積りに関する書類の作成と財務大臣への送付、概算要求ということになると思いますが、また歳出決算報告書及び歳入決算明細書作成と財務大臣への送付、決算ということになると思いますが、これを規定しているわけでございます。
  今回の財政法の改正によって、これらの規定に基づく事務作業に実際にどのような変化が起こるということになるんでしょうか。
○政府参考人(杉本和行君) 予算、決算につきましても電子化が行われることになりますので、例えば今書面で行われております予算要求書、これが電子化される、それから予算の配賦、これ予算の配賦もペーパーレス化する、それから予算の支払計画等のやり取り、財政当局と各省庁との間のやり取りも今書面で行われておりますが、これがペーパーレス化する、さらに決算書についても決算報告書等のやり取りがペーパーレス化すると、こういうことがございまして、予算の編成、配賦、執行、決算、これらの手続について大幅な事務の合理化、それから行政の効率化、行政手続の効率化が図られるものと考えております。
○辻泰弘君 公的個人認証法案についてお伺いしたいと思います。
  公的個人認証法案では電子証明書の有効期間は発行の日から起算して三年とされているわけでございますが、ICカードには有効期限が示されるわけではございませんので、期限切れを認識しないがゆえのトラブルというものの発生が予想されると思うわけでございます。そうしたトラブルの防止のために期限切れを知らせるための事前通知というものが必要となるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) 御指摘のように、電子証明書の発行をいたしました後、有効期間は三年ということでございまして、引き続きサービスを利用されるということになりますれば有効期間が経過する前に更新手続をしていただく必要がございますので、更新を利用者の方、国民の方々が失念しないための工夫につきまして、あらかじめ発行する場合にうまい工夫をするというふうなことで、周知方法につきましては十分検討してまいりたいと思っております。
○辻泰弘君 同じく公的個人認証法案では、電子証明書の発行記録の保存について発行した日から政令で定める期間保存しなければならないと規定されているわけですが、どのくらいの期間を想定されているでしょうか。
○政府参考人(大野慎一君) この電子証明書の発行記録をなぜ保存するかというのは、後日様々な手続に使うわけでございますので紛争が生じてもいけないと、こういった紛争が生じた場合の証拠などに活用するということでございますので、一定の期間ではございますが、この証明書は三年間有効でありますけれども、三年間有効期間があって、その満了の日から十年間と、こういうふうなことを考えておりまして、政令でそういった期間にいたしたいと思っております。
○辻泰弘君 最後の質問になると思いますけれども、電子署名を利用したオンラインによる申請、届出の際に、秘密かぎを使用するための暗証番号入力というものが想定されているわけでございます。
  この暗証番号はどのような番号を用いるお考えか。一つという説もあり、二つという説もあったり、四けた、六けた、英字入りとかいろいろ言われているようでございますが、どういうものを考えられているか、そしていつごろに一つの方向性を出されるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) いずれにいたしましても、この秘密かぎなり、先ほど来申し上げております電子証明書、これはICカードに収めるということを想定しておりまして、あくまでも利用者本人の方のものでありますので、御本人が任意のパスワードを作るということになるわけですが、文字数でいえば四文字がいいのか六文字のがいいのか、それから数字だけじゃなくてアルファベットも使う、こんなこといろいろありますが、いずれにいたしましても、ここは安全性、セキュリティーと利用者が使い勝手がいいかというこのバランスでありますので、具体的に今後検討してまいりたいと思っております。
○委員長(山崎力君) よろしいですか。
  辻泰弘君、時間ですので終わってください。

○辻泰弘君 以上で終わります。
○委員長(山崎力君) 午前の質疑はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。
    午後零時四分休憩
      ─────・─────
    午後二時開会
○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
  休憩前に引き続き、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○木庭健太郎君 それでは、今日はいわゆるオンライン三法についての質疑でございます。
  この法案をめぐりましては、我が党も私もでございますが、もちろん、電子政府を進めるという意味では不可欠の法案であり、これをやらなければならないということを認識しながらも、その一方で、やはり急速に進むIT化の中でどうこういった問題を国民に理解して、理解した上で実施できるかということも考えなければいけない、そういう面から慎重に審議をする面も必要ではないかというような思いもございました。
  これに個人情報のこともございましたし、さらに住民基本台帳のこともございました。その意味では、私は、この夏、住基ネットというのが動くようになってきたと。一つの大きな転機があって、その中で国民も、一体この住基ネットというのはどういうものなのか、またこれがIT政府、電子政府にどうかかわっていくかというようなことをある意味じゃ実感として感じるものがこの夏に起きてきた。
  それを踏まえて、今日、参議院から審議を始めることができたというのは、極めて適切な時期にこの法案が審議をでき、やる以上は早めに上げなければいけませんけれども、それはそれとして、今日はそういう意味で、午前中も様々、皆さん、各委員から質問がございましたが、基本を踏まえながら、重なる部分もあるかもしれませんが、御質問をさせていただきたいと思っております。
  まず最初に、オンライン申請等のメリットについて基本的なことを伺っておきたいと思います。
  行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の目的規定の中に「国民の利便性の向上を図るとともに、行政運営の簡素化及び効率化に資することを目的とする。」とあります。これは具体的にはどのような利便があるのか、またどのように行政運営が効率化されるのか、分かりやすく説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 従来の行政手続につきましては、法令によりまして書面で行うということになっておりますので、国民の方々あるいは企業などが行政手続を行います場合に窓口まで行きまして申請書を出す、あるいは届出をするということ、あるいは郵送ということもあるわけですけれども、そういった形でしか行政手続ができなかったわけでございますが、これがインターネットが急速に普及をしてきておりますので、インターネットを活用することによりまして、御自宅でもいいわけですし、それから会社からでもいいんですが、場合によっては人々が集まるような公民館でありますとか図書館でありますとか、あるいは郵便局でもいいかと思いますが、そういった場所からでも二十四時間ノンストップで、しかも、先ほども議論がございましたように、いろんな手続をワンストップでできるようなサービスを国民の方々に提供できるということが最大の目的でございまして、言わば国民のいろんな生活スタイル変わってきております。そういった生活スタイルに合わせた形での行政サービスが受けられると。しかも、わざわざ今申し上げましたように窓口に行く必要ございませんので、時間的なことでもコストが随分安くなるということもあります。
  そして、内部手続の進め方につきましても業務改革を進めまして、可能な限り早急に処理するという体制が組めますので、いつまでたっても許可が下りないというふうなこともなくなると。こういったことで、国民あるいは企業にとりましての利便性が格段に高まってまいります。その上で、行政機関の中でも様々な手続を共通に処理するということによりまして業務改革を進める、そして行政運営の簡素化、効率化に大いに資するということになるわけでございます。
○木庭健太郎君 特に今回の法律案の中でのポイントの一つは、住民基本台帳ネットワークの利用事務を、現行九十三でございますけれども、これを百七十一拡大して二百六十四ということに拡大する点にあります。この住基ネットの利用事務の拡大という問題については慎重な意見もありますし、また、先ほど議論あったように、衆議院の附帯決議でそういうことが言われた経過もございます。
  そういう意味では、なぜ今回この住基ネットというのを活用拡大するのかということを丁寧に説明してやることが大事なんだろうと思います。それをやることによってどういうメリットが出てくるかという点についてもきちんと御説明をいただいておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今回の住基ネット利用の事務の拡大は、一つは、先ほど言いましたが、やっぱり電子政府、電子自治体を国の政策として早急にこれに手を付けて計画的にやっていこうと。まず最初にやるのは申請、届出のオンライン化だと、これが一番国民の皆さんに分かりやすいし、便宜の増進にもなると、こういうことでございまして、そこで地方団体から意見を聞いたんです。それから各省庁の意見も聞きましたら、これだけは是非電子化、申請、届の電子化をやりたいと、こういうことでございましたので、それをやるとすれば、先ほども申し上げましたが、添付書類だけ書類を持って自分で届けに行くということは、これは首尾一貫しない話でございますので、そういう事務については、それじゃこの際行政機関が、責任を持つ行政機関が住基ネットに本人確認を照会してそれに答えてもらうことにして追加しようと。
  今回はかなり大きいものが入っておりまして、例えばパスポート、これは大変国民の皆さんは今海外へ行かれますから。それから不動産登記、自動車の登録。それから厚生年金、国民年金なんですよ。今やっておりますのは先ほども言いましたが共済年金と恩給と労災で、これも多いけれども、厚生年金、国民年金といいますと相当広くなるので、それについては届出も申請もオンラインでできるし、添付も一切要らなくなると。
  こういうことで我々は拡大をさせていただこうと、こういうことにいたしたわけでございまして、あくまでもそのあれは、今言いましたように、地方団体や各省庁の要望でまとまったものをあの別表の中に追加すると、こういたしたわけでございまして、これがもしこういうことになりますれば、相当国民の皆さんはそこは便利になったなと分かっていただけるのではないかと、こう考えております。
○木庭健太郎君 そこが要するに情報の管理の問題とか、いろんなことかかわってくるんだろうと思うんですけれども、今おっしゃったように、これで外出しなくてもある意味ではオンラインでいろんなことができるようになる、窓口に行く必要がなくなる、本当にメリットは大きいわけです。効率化もできるような問題もある。
  先ほど言ったみたいに、正に住民に視点を当てるのはいろんなことができるようになり、すばらしいことなんですけれども、要するに一方でやっぱり皆さんが心配されるのは、行政事務が電子化されるということになると、結果的にはどうなるかというと、情報の加工とか集積とか検索が容易になるという一面を逆に持ってくるわけですよね。それと、情報の改ざんの問題であってみたり、それがどこかに漏れてみたり不正に使用されてみたりというようなことも可能性としては起こりやすい状況を生むということになるわけであって、そこが正に個人情報の安全に対する不安というものの拡大というものにつながっていくんだろうと思います。
  その辺についてどういう御認識を持っていらっしゃるか、まず伺っておきたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 今、議員おっしゃいますように、電子政府なり電子自治体を構築する上では、セキュリティーに配慮した形で進めることが国民の皆様方の不安を言わば解消する一番重要なポイントでございまして、従来からもそうでございますけれども、政府の各行政機関におきましては、個人情報を含めたデータ保護につきまして次のような形で二点の面で対策を講じているわけでございますが、一つは不正アクセス対策ということになるわけですが、これはアクセス制限という形で職員が、関係のない職員が情報に接することができないように、IDなりパスワードを設定しましてシステムへアクセスするのを制限するということにいたしております。
  そして、技術面でのことでございますけれども、ファイアウオールというものを当然設置はしておりますが、さらに二十四時間の監視システムというものも動かしておるわけでありまして、システムのアクセスについてはログをきちんと取っておくということにいたしております。
  また、データ保護対策でございますけれども、暗号化通信というふうな形で、途中でのぞき見がされないようにデータを暗号化するというふうなことをやっておりまして、漏えいがあっても第三者には分からないと。それからさらに、私どもがお願いしております電子署名法によって、これが成立いたしますとこのシステムができるわけでございまして、成り済ましを防御するシステムもできると。
  これらを合わせまして、従来からもやっておりますし、これからも一層着実に推進してまいりたいと思っております。
○木庭健太郎君 大臣も、住基ネットを起こしたときに、いかに国民が知っている情報と実際にやりたいこととがある意味ではきちんと伝わっていないということを痛感されたと思うんですよ。
  今度の問題でも、例えば住基ネットを使いながら事務拡大ということになるわけですよね。そうすると、国民の皆さんがどんな感じを持っていらっしゃるかというと、私もいろいろやり取りをしてびっくりしたんです。
  どんな話になってくるかというと、要するに、住基ネットのところに、そのところに例えば申請をしたと、いろんな。その情報が一々全部そこに残っていくと思っていらっしゃる方がいるわけですよ。だから、住基ネットを開くとつまり何百の情報が一遍に取れてしまうというような、そんなことをおっしゃる方が結構多いんですよ、これ。つまり、住基ネットというのが基本になって、総背番号制ですか、そんなものが始まったんだというような誤った認識が結構いまだにお持ちでございます。その辺がこの問題を取り扱うときの一番大事なポイントなんだろうと思います。
  大臣が口酸っぱく、住民基本台帳というのは四情報だけ四情報だけということをおっしゃっている。逆に言うと、今度は、事務拡大していくというのは、先ほど大臣が繰り返しおっしゃっているように、何のためかというと本人確認のためにやるだけであって、そこを幾ら開こうとどうしようとほかの情報が取れるわけないんですよ。でも、そのことすら理解されていないというのが私は現状だと思うんです。
  そういう点では、今後、この電子認証の問題もそれぞれ通ってもらわなくちゃいけませんから、いろんなことが始まります。その前に是非そういった基本的なことを国民に分かりやすく理解させるということがこれをやる上での一番のまたポイントだと思いますし、また電子認証をやるときに同じような、住基ネットを始めるようなときのようなことが起きちゃならないと思っているものですから、そこについて、国民への周知徹底という問題、大臣から答弁をいただいておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、木庭委員が言われるとおりでございまして、私もあの住基ネットの稼働の前に本当に痛感いたしました。本当に誤解しているというか、正確な認識を持っている人が少ないなということを。役所のその関係の人以外も私はそうだったんじゃないかと思うぐらいでございまして。
  結局、住基ネットというのは四情報についての確認を受けるだけなんですね。その返事をするだけなんですよね。それぞれの行政機関がやることについて本人確認の情報提供だけでございまして、今は。来年の八月からはそれに住民基本台帳カードが出せるようになるのと、もうちょっと住民票の広域利用が広がりますけれども、基本的にはそういうことなんですね。ほかのいろんなことをうまくするための根っこで情報提供をすると、こういう仕組みでございますけれども、しかも、閉じたネットワークですからほかのものとの接続は一切ありません。
  そういうことでございますが、国民の皆さんに本当によく分かっていただくように我々も努力せにゃいかぬなと、こういうふうに思っておりますし、現在、行政情報化週間というのを今年から始めたんです。今までは文書管理改善週間だったんですね。大体、ペーパーレスの時代に文書管理改善週間なんかやっているものですから、今年からはもう行政情報化の週間にしようと、こういうことで改めましたし、また、これからいろんなシンポジウムだとかそういうこともやりたいと思っておりますし、一番有効なのは、やっぱりテレビなんかでそういうことを分かりやすく広報することじゃないかと、こういうふうに思っておりまして、今後とも、委員の先生方のいろんな御意見もいただきながら、是非国民の皆さんに分かっていただくような努力をいたしたいと。
  これが根っこですから、そこを分かっていただかないとこれは行政の情報化が進まないんですね。それは結局、国にも損だし、国民の皆さんへのサービスからいってもやっぱりもう一つということになるものですから、今後とも是非努力してまいりたいと考えております。
○木庭健太郎君 それでは、今回のこのオンラインの手続関係法案と個人情報保護法制との関係について、確認の意味でお伺いをしておきたいと思うんです。
  現在、衆議院で個人情報保護法案、審議中でございますけれども、ここには「高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることにかんがみ、」というふうにありまして、言わば高度情報通信社会の進展が個人情報保護法が必要な理由ということになっております。そして、国、地方自治体に個人情報の適正な取扱いを確保するため必要な施策を総合的に作成し、実施する責務を定めており、さらに、保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう法制上の措置その他必要な措置を講じるものとしておるわけです。
  これを受けて、政府は、さきの通常国会に行政機関の保有に関する個人情報保護法案、これを提出しておりますが、この法案作成に当たって開催されました行政機関等個人情報保護法制研究会の報告書を見ますと、一万件に上る申請、届出等の手続のオンライン化や、行政事務のペーパーレス化等の情報通信技術の活用が急速に進められている、行政機関法制もこのようなITの進展を背景とするものであることは基本法制と同様であるとされております。つまり、個人情報保護法制を整備することはIT化を進める上で必要不可欠なものと考えるが、現在、法案は衆議院で審議中であると。
  行政手続等における今回のこの法律案では具体的な個人情報の保護規定は置かれていないわけでございます。そうすると、これは行政機関の個人情報保護法によって保護されていると、それがあるからなんだというふうに考えているのではないかというふうにも取れるわけですよね、そう見ると。また、仮に個人情報保護法が成立前に、そうなると、この法律が施行されて問題があるのかという問題にもこれ全体の文脈を通じていくとなる可能性もあるわけです。
  こういった点から、政府として個人情報の保護が十分とできるのか、この法案でと。そのかかわりの問題についてちょっと整理をして話しておいていただきたいと思うんです。
○国務大臣(片山虎之助君) 今度のオンライン化に関しまして、個人情報保護対策は、一つはシステムの面と、もう一つは制度の面ですね。
  今、木庭委員、制度の面を言われましたが、現行は、御承知のように、行政機関等の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律と、現行はそういう法律があるんです。だから、オンライン化法をやる場合の個人情報保護はこの法律によらざるを得ないんです。ところが、これはコンピューター処理だけの法律なんですよね。そうすると、普通の紙情報については対象としていないんです、今の法律は。面白いんです。そこだけ個人情報保護をやろうということだったんですね。だから、今、衆議院に出しているものは、継続審査のものは紙情報まで広げているんです。したがって、その法律が通れば、そっちの方が制度的な担保になる、根拠になると、こういうふうに思います。今のままでも十分なんですよ、今の現行法でも。しかし、今度はもう少し対象を拡大した行政機関個人情報保護法でこれが担保されると。
  それから、システムの面では、これは各省庁においてセキュリティーポリシーを作ってもらいまして、これは内閣全体でそういう協議会を持っているんです。ガイドラインを出していまして、そこでセキュリティーポリシーを作ってもらいまして、こういうことをやる、こういうことをやると決めておりますから、システムの面ではそれに従ってやっていくと。
  こういうことで、両面から個人情報保護の仕組みを取っていると我々は考えております。今後とも、イタチごっこじゃないかという午前中御指摘もありましたので、なるほど技術というのは日進月歩か秒進分歩か、そういうことでございますが、現在一番いいセキュリティー対策を我々は取っていると思いますけれども、もしそれを超えるような技術が出てくれば、更に技術開発をしてそれを超えるやつをやっていこうと、こういうふうに今内閣全体としての協議会では決めているわけであります。
○木庭健太郎君 是非きちんとした形をやっていただきたいと、このように考えておりますし、また、今回の法律案の第八条には、国は情報通信の技術の利用における安全性及び信頼性を確保するよう努めなければならないというふうに努力義務規定を設けているわけですよね。これに基づいて具体的に、大臣もお答えになっておられましたが、安全性、信頼性の確保のためにどんな措置を取る予定があるのか、政策統括官から話をしていただければと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 御指摘のことをもう少し詳細に申し上げますと、セキュリティー対策というのは一度行えばいいというものではございませんで、セキュリティーとはプロセスであると、こういう学者の御意見もありますとおり、絶えずセキュリティーというものは高めていく工夫が技術的にもなければなりませんし、運用面でもなければならないと、こういう趣旨だと思います。
  そういう趣旨から、法案の八条の第二項で議員御指摘のように規定をさせていただいているわけでございまして、現在でも、先ほど申し上げましたような情報セキュリティーポリシーに基づきまして各省庁が対応いたしますものの、これは運用面が専らになりますので、技術面につきましても、絶えず最新の技術を適用するように努力し続けるという考え方でおります。
○木庭健太郎君 これも、本法律案が通りまして施行されれば、まず具体的なオンライン手続について各省の省令とか条例等が制定されることになってくるわけでございます。先ほどの話では来年の二月ぐらいまでにこれを仕上げていこうというようなお話もあっておりました。これを作っていくときも、この制定とかシステム構築においても大事になってくる問題は、私はやっぱり信頼性や安全性の問題、こういう点も十分に確保しなければならないと思うんです。
  政府として、これは各省また自治体の条例という話になっていくわけですけれども、やはり政府として一体化した取組も必要になってくるんだろうと、これは思います。したがって、そういう場合、全体を管理するところというのは総務省になってくるわけですから、総務省がこういう問題、これからの省令又は条例といった問題に積極的なリーダーシップを発揮するのは当然と思いますが、それについての見解を伺っておきたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 今後、この法案に基づきまして、法案が成立いたしました暁には、個別に各府省が主務省令というものを作りまして具体的な手続などをお示しをするということになるわけでございますが、この際、統一的に規定すべきことにつきまして私ども総務省の方で各府省に既に案をお示しもいたしておりますし、またこのシステム構築、安全性に配慮いたしましたシステム構築につきましても、私どもが各府省で統一的に基本的な仕様を整合性を取って決めるべきものにつきましては提示をするというふうなこともさせていただいておりまして、政府全体としてのシステム整備を、整合的に動きますようにこれまでも努力をいたしておりましたし、今後とも、政府全体として取り組むべき事項につきましては積極的に対応をいたしてまいりたいと考えております。
○木庭健太郎君 これはあってはならないことですけれども、仮に情報の、個人情報の漏えいの問題とか不正使用の問題が発生した場合の対応の問題をどう考えるかなんですけれども、政府としてどういう対策を取るかという問題なんです。
  これは私は、やっぱり立ち上がり、こういうことで極めて、そういう個人情報等のかかわりの問題、いろんなことが言われている、そういう段階から考えていくと、やはり何か問題が起きれば、問題解決まで例えばシステムやデータ利用の一時停止を含めた措置というような厳しいものまで含んでやる必要があると思っておりますが、これは今からの問題になってきますが、どのような、もし問題が起きた場合、措置を取ろうと考えていらっしゃるのか。また、そういう場合において、一体、それをやる場合、行政評価を所轄する総務省か、どこが、内閣官房の情報セキュリティ対策推進室ですか、そういう問題もいろいろあるわけでございまして、どこがきちんと適切な措置を取るのかということも大事な観点だと思うんで、この点について伺っておきたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) まず、個人情報の漏えい等の情報セキュリティーを侵害する事態が生じた際の委員の御指摘でございますが、各府省が情報セキュリティーポリシーの中でネットワークの切断や情報システムの停止等の具体的措置及び実施手順を緊急時対応計画として現在定めているところでございます。この計画に基づきまして、各府省におきまして被害拡大防止、再発防止等の措置が速やかにかつ適切に講じられるべきものと私どもは認識しております。
  なお、情報セキュリティーを侵害する事態が生じた際という、万が一の、委員の御指摘でございますが、重大な被害の拡大を防止する等の観点からやむを得ない場合には、原因を特定し、再発防止の措置を講じるまでの間システムやデータ利用を一時停止することもあると考えております。
○木庭健太郎君 そういったところまで含んで検討もしておく必要はあると思っております。
  ただ、いずれにしても、今まで例えば個人情報の漏えいとか不正使用とかいう問題というのは、どちらかというと、システム的な問題よりもそれを取り扱う職員の問題というのが多いのも現実でございます。もちろん、そういったことをやった場合の罰則があるとか、いろんな問題はあります。
  ただ、やはり公務員の個人情報保護に関する意識の向上とか徹底というのが極めて大事であると思っておりますし、研修等、国家・地方公務員の意識向上への取組について、総務省、人事院にそれぞれ伺っておきたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) 委員御指摘のとおり、正に制度は人により維持されるものでございまして、個人情報の漏えいや不正使用を防止するためには、職員に制度の趣旨を徹底して、そして個人情報保護の意識を高めることが正に委員御指摘のとおり最も重要と考えております。
  現在、政府は、現行法を大幅に充実強化いたしました新しい個人情報保護法案を提案しているところでございまして、この新法案によりますと、保護の対象となる個人情報の範囲を、電算処理に係る個人情報から行政機関の保有するあらゆる個人情報に拡大するということになっておりまして、関係する職員も、電算処理を担当する職員からすべての職員に拡大しております。
  総務省といたしましては、ガイドラインの作成、研修の体系的な実施、セミナーの開催等を通じまして個人情報の保護に関する職員の意識を更に高めることに全力を挙げて取り組んでいる、さらに今後とも取り組んでまいる所存でございます。
○政府参考人(石橋伊都男君) 新たな制度が発足あるいは改正される場合には、その適正な運用を確保するという趣旨で、制度の趣旨ですとか運用上の大事なポイントというものが徹底を図られるというふうに承知しておりまして、個人情報保護法案の改正につきましても、ただいま総務省の方から御説明があったとおりだと思います。
  公務員の研修を預かります人事院といたしましては、公務員が働きます職場でもIT化が著しく進展をしておって、個人情報の保護というものが公務員が仕事をやっていく上で重要な課題になっているというふうに認識をしておりますものですから、公務員が国民全体の奉仕者としての意識をきちんと持って、秘密を守る義務をしっかり守る、あるいは個人情報を取り扱う場合の意識の徹底を図るというようなためにどういう研修をしたらいいかということも含めまして、個人情報保護法を所管されます総務省とも十分相談をいたしながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○木庭健太郎君 それでは、これも午前中また議論になったんですけれども、電子自治体構築へ向けた財政支援という問題について何問かお伺いをしておきたいと思います。
    〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
  本年度の情報通信白書、電子自治体の動向という調査を見させていただきました。そうすると、地方自治体の電子化に当たっての必要な条件として回答が最も多いのは、これは財源の確保という問題でございまして、全国市長会のe―Japan重点計画に関する意見でも、市町村の財政負担については、地方財政が危機的な状況にあるということを十分に考慮して、従来の地方交付税措置だけでなくて、国庫補助、地方債等を含め格段の財政措置を講ずることというふうなことがされております。
  電子自治体の構築は国の施策であり、自治体間でも行政サービスに差異が生じないようにするためにも、自治体に対して何らかの財政措置を行うことが必要だと思っておりますし、大臣は午前中、来年度当初は難しいだろうから補正へということも少しおっしゃっておったのかどうか分かりませんが、是非、今、与党も政府と補正予算のことを必死に協議している段階でもございます、これはやっぱりきちんとしたことをやるなら今がチャンスだと思っておりますが、どういう考えで臨まれるのか、聞いておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 午前中答弁しましたのは、私は、ブロードバンド化の時代ですから、地方のネットワーク整備、超高速ネットワーク整備というんでしょうか、難しく言えば。そういうことについて二〇〇五年までにすべての市町村でイントラネットというのを整備してもらう、それからケーブルテレビも含めましてブロードバンドに対応できるようなネットワークにしようと。そういうことで、まだ相当お金が掛かるものですから、まだ三年ありますから、だからそれを少し前倒ししてもらったらどうだろうかと、こういうことでございまして、そのときは電子政府、電子自治体にも使えるんですけれども、それが主たる念頭じゃないんです。
  そこで、電子自治体、電子政府につきましては、これは一つは交付税とそれから地方債ですね。それで、ソフトの方は地方交付税で、ハードの方は地方債で。それで、ソフトの方がどのくらいあるんでしょうか、千二百億ぐらい、それからハードの方が千億ぐらいですね。これは措置しているんです。
    〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
  それで、補助金を整理合理化しようという時代にこれで新たに補助金を導入するのはいかがかなと、こう思っておりまして、基本的には財源措置は地方交付税と地方債でやらせてもらったらどうだろうかと。それは、市町村によってはイントラネットと併せてやるとかケーブルテレビをどうするとかという場合には、これはもう補助金をもう今も出しておりますから、そういうことで考えさせていただこうと。
  少なくとも、地方財政計画上は財源措置したという形で電子自治体は発足をしてもらおうと。これは地方の場合ですね。電子政府の方はこれは財務省といって国の方の予算ですから、これでやると、こういうことでございます。
○木庭健太郎君 もう一つは、必要な条件の自治体要望の二番目が、専門知識を有する人材の確保という問題でございます。
  住基ネットの仮運用の際にありましたよね、コンピュータートラブルが、丹波でしたかね、丹波山村というんですか、あそこで。山奥のために同日中にメーカーを呼び修理することができなかったというようなことが実際にあったりしておりますし、システムの調達の際にもそういう業者の言いなりでというような御指摘も、これは新聞報道ですから、そういう問題も指摘をされていたのも見ました。
  いずれにしても、やはりこういう人材確保の問題、地方だけに任せてできるという問題でもないし、どうその辺をやってあげるのかという面もあると思うんですが、この点について答弁をいただきたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) 今、人材の育成確保についての御質問でございますが、電子自治体の推進に当たりましては既存業務の見直しを行いながら適切なシステム開発を進めていくことが必要であるとともに、住民に信頼される電子自治体を実現するためにやはり十分な情報セキュリティー対策の確立が必要と考えております。
  このために、各種情報システムの構築に必要な専門知識を有するとともに、セキュリティーポリシーの運用やファイアウオール等最新のセキュリティー技術に関するノウハウを有する人材の育成確保が大変重要と考えております。
  総務省といたしましては、各地方公共団体における人材育成確保を支援するための、これまでも全国各地で行っておりますセミナー等の開催、さらには、来月初めより二か月間、各団体三名程度の情報担当者を対象にいたしましたe―ラーニングを利用した情報セキュリティー研修を全国規模で実施することとしておりまして、来年一月には情報セキュリティー集中セミナー等の開催を予定しております。
  また、来年度以降は一般職員、情報担当職員、高度なノウハウが求められる職員など、各々の職員の必要性に応じた研修、訓練の体系的実施を行うことで検討を進めているところでございまして、しっかりと対応してまいりたいと考えております。
○木庭健太郎君 もう一つは、やはりこれ、もちろん専門の人材を育てることが大事ですけれども、一面、業者も使わなくちゃいけない面も起きてくるというのも現実でございまして、ただ、現実的な選択ではあるんですけれども、そうするとこれ、民間へ委託すると民間業者の方たちが言わば行政が保有する個人情報に接するという、ここもまた苦しいところもあると。もちろん、そういうこともきちんとやってもらうことを考えながら、漏えいの危険性という問題も増すことになってくると。もういろんな、契約約款等でもやりようはあると思うんですけれども、この辺どんなふうに取り組むことを考えればいいのか、その辺について御意見があれば伺っておきたいと思うんです。
○国務大臣(片山虎之助君) 我々は、電子自治体はできるだけロットというか単位を大きくして、しかも共同化して、それを同時にアウトソーシングしようと。それで地域におけるこういうIT関連産業を根付かせていこう、振興していこうと、こう思っておりまして、県で一つなのがいいのか二つなのがいいのか三つぐらいがいいのか、県のお考えや県の規模にもよるでしょうけれども、共同化とアウトソーシング化を考えているんです。
  アウトソーシングというのは民間にやってもらうということでございますから、そこで個人情報保護の仕組みをどう取るかと。一つは、やっぱり個人保護条例をきちっと作ってもらう、個人情報保護法を、それぞれの地方団体に。それによって、条例によって規制をするというのが一つ。それからもう一つは、今、木庭委員言われましたこの委託契約、アウトソーシングの約款で縛っていくと、この二つではなかろうかと、こう思っておりまして、いずれにせよ、モデル条例やモデル約款なんということも私どもの方としては検討していかないといかぬのじゃなかろうかと。この法案を通していただいて、それから全般的に電子自治体をやっていただくということになりますと、申請、届出だけじゃないんですから、調達も入札も、それから場合によったら申告も納税も考えていますから、今そういうふうに考えております。
○木庭健太郎君 この問題の最後にちょっと聞いておきたいのは、これ来年二月ぐらいに条例、いろんなものもでき上がる、そして実際に施行していくわけですけれども、基になる住基ネットもまだ参加していないところもあるわけですよね。そうなると、やっぱり大事なことは、独自性でいろんな電子自治体特徴あってもいいんだけれども、基礎的なものは共通していなくちゃいけないんですよね、一番大事なことは、こういう問題は。そうすると、まだいまだに参加していない自治体も現実にちょっとでは、あるわけです。
  こういう問題に対して、どんなふうにこれから大臣としてそれを解消していかれるつもりなのか。いわば格差のない一つの基礎のものはなくちゃいけない。ただ、それもまだ理解得られずに参加していないところもあるという今の現状、このばらつきその他含めて、是非それは私は取り組んでいただきたいと思っているんですけれども、その点についての決意を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) そうですね、今四団体、四団体が参加していただいておりませんが、一億二千七百万おるんですから、圧倒的多数は参加していただいているんですが、参加していただいていないところは仮にこの電子自治体になっていただいても手間は余り減らないんですよね。本申請の方は場合によってはオンライン化でインターネットでできますけれども、添付書類や何か本人確認の書類出さにゃいかぬのですよね。
  そこで、是非そういうことは深い理解を得て、やっぱり参加していただいてメリットを享受していただくこと、住民の皆さんがそれだけ、御存じないからかもしれませんが、私は参加しているところと比べると不便だと思うんですね、申請や手続も。それは今言ったようにできても、本人確認の方は別の手続がまた要るわけですから。是非その辺は、そういうことを含めて、しかもICカードなんかやり出しますと、大変、更に不利になると思いますね。理解を求めていこうと、そういう努力をしようと考えております。
○木庭健太郎君 終わります。
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
  まず最初に断っておきたいんですが、我が党は、ITを国民の利益のために普及すること、行政事務がIT技術によって便利になることにはもちろん賛成です。私自身、この間、不正アクセス禁止法やプロバイダー法、電子署名法などには賛成をしてまいりました。しかし、今回の法案はIT化だから何でも結構というわけにいかない重大な問題を含んでいると考えます。
  今日の三法案の前提であるこの住基ネットには、先日の委員会で私が指摘したように、プライバシー権の問題をめぐって依然として国民の間に少なくない不安が広がっているからであります。
  ネットの稼働直前に行われた朝日新聞の世論調査では、延期を求める回答が七六%に上りました。この世論を無視して政府が稼働を強行した結果、先日指摘したような地方自治体からの異議申立てが次々と出されました。さらには、住基ネットの停止を求める裁判が提起され、既に第一回公判が行われ、第二次、第三次の訴訟も進められております。
  あらかじめ申し上げておきますが、答弁者の方々には限られた時間ですから是非端的に短くお答えいただきたいんですが、まず片山総務大臣にプライバシーの権利の法的性格について確認をさせていただきます。
  これまでも政府は、国民のプライバシー権について、一般論としてではあるけれども、一つ、個人の秘密の情報が公開されないこと、二つ、誤った情報又は不完全な情報によって自己に関し誤った判断がなされないこと、三つ、そして自己の情報を知りコントロールするという概念がこれに含まれているという認識を明らかにしてまいりました。大臣もこれに違いはないですね。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、宮本委員が言われましたように、平成十一年の改正住基法の国会審議の過程で、当時の小渕総理が質問を受けまして、プライバシーの権利については、確立した考えであるとは言い難いものの、あえて申し上げれば、一般論としてと、今、宮本委員が言われたようなことを言ったということは私も承知いたしておりますし、私も小渕総理とほぼ同じ認識でございます。
○宮本岳志君 今、大臣から三年前の住基法案の審議という話がございました。実は、三年前の住基台帳法の議論でも、一番の大議論になったのがこのプライバシーの保護とその法整備ということです。今、大臣は、一般論ではあるけれども、自己情報をコントロールする概念ということも含めてお認めになりましたけれども、随分こういう議論が闘わされております。
  ここにそのときの議事録、こういう大部のものですけれども、あらかた私、これ、この間読ませていただきました。
  このとき小渕総理が行った答弁、六月の十日、衆議院地方行政委員会での小渕答弁というのがこの間議論になってきたわけです。これまでの国会審議を踏まえ、特に住民基本台帳ネットワークのシステムの実施に当たりましては、民間部門をも対象とした個人情報保護に関する法整備を含めたシステムを速やかに整えることが前提であると認識をいたしておりますと。これに反して八月五日からこの実施が始まったということが議論になってきたわけです。
  実は、この答弁には一連の大変深い議論と経緯がありました。当時の与党、自民、自由の各党と、当時はまだ野党であった公明党とが、衆議院審議の最終盤に法案の修正で合意をいたしました。その内容は、政府原案の附則に、「この法律の施行に当たっては、政府は、個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずるものとする。」という一項を付け加えるということでした。
  そして、その後の委員会審議では、この所要の措置とは何であるかということが大いに議論されたわけであります。その議論の中心点が、包括的個人情報保護法の整備が住基ネット実施の前提であるのかどうかという、これが正に議論になったんです。
  六月八日、衆議院地方行政委員会、公明党の富田委員は、自民党の修正案提案者のあやふやな答弁に対して、今の答弁では賛成できないと、こう述べて、包括的な個人情報保護法、これを必ず作る、これをまず作って、それからネットワークシステムの運用に入る、こういう手順を踏むのかと、こう質問をしております。これらの議論の末に締めくくり総括に出席した小渕首相が明確に答弁したのが、先ほど紹介した前提とするという答弁であります。
  ところが、片山総務大臣は、今日の午前中も民主党の委員の質問に、杉並区や中野区や国分寺市が言うような国の個人情報保護法は住基ネットとは何の関係もないですよ、通ろうが通らまいが、こう答弁されました。
  そこで、今日は、若松副大臣、公明党御出身の若松副大臣に来ていただいていますので、それでは公明党は、三年前、何の関係もないようなことを与党と協議して、何の関係もないようなことを首相に答弁させて、それで反対していた法案に賛成したんですか、若松副大臣。
○副大臣(若松謙維君) 先ほど富田委員、残念ながら今、捲土重来を期しているわけでございますが、この住基ネットについてでございますが、住民サービスの向上と行政の効率化を図るための地方公共団体共同のシステムであることはもう委員も御存じでありますが、いずれにしても、法制度上もシステム上も十分な個人情報保護措置を講じているものと私どもは理解し、考えているところでございます。
  そして、今、委員の御指摘の平成十一年の改正住民基本台帳法の国会審議におきまして、十分な個人情報保護措置が講じられているものの、なおプライバシー保護に対する漠然とした不安、懸念が残っており、また急激な情報化社会の進展の中で民間部門を含めた個人情報保護に関する法整備を早期に進めていく必要が高まっていると、こういった議論が委員会審議においてなされたところでございます。
  住基ネットを円滑に導入していくためには、このようなプライバシー保護に対する不安や懸念を払拭して、そして国民の十分な理解を得ることが必要であるということから、議員修正によりまして、改正住民基本台帳法の附則に、今申し上げました、「この法律の施行に当たっては、政府は、個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずるものとする。」と、こういう一項を追加したところでございまして、私どもも当時、地元支持者に約五十会場ぐらい、この個人情報、やはりIT化時代をにらみながらも、いずれにしてもこの住民基本台帳の改正、これは重要であるという運動をさせていただいた記憶がございます。
  いずれにしても、この法案修正を踏まえまして政府といたしましては個人情報保護法案を国会に提出しているところでもございまして、是非とも早期の成立を期待しているところでございます。
○宮本岳志君 今日は傍聴されている方もいらっしゃるんですね。
  三年前の議論というのは、私はどう読んでもそのような議論を御党がされたというふうには読めません。貴党の富田議員は、包括的な個人情報保護法、これをまず作って、それからネットワークシステムの運用に入ると明確に述べているわけですから、そういう議論はしていなかったはずなんですよ。ましてや、片山大臣は先ほどから、何の関係もない、それから気分の問題だと、こういう答弁を繰り返しているわけですからね。私、もし今の時点でなおそのような立場で唯々諾々とそういう答弁に従うと言うならば、このとき、このあなた方が主張したことというのは一体何だったのかということを指摘せざるを得ないと思うんです。
  そこで、片山大臣にもはっきりお伺いしておきたい。
  平成十一年の住基台帳法というのは、先ほども述べた、あるいは若松副大臣もお話があったような経緯があって成立をいたしました。しかも、包括的な個人情報保護法の整備が住基ネット実施の前提という小渕首相答弁を含む修正が行われた上でも、まだ国民的な合意はなかなか得られなかったと。あなた方は、前代未聞の委員長中間報告というやり方で委員会を打ち切って、強行したじゃないですか。この議事録読んでいったら、終わりごろになったら議論が途切れていますよ。片山さんは国対委員長だったから覚えておられるでしょう。
  ところが、あなたの答弁は、正に今、こういったいきさつなど何もなかったかのような、何の関係もない、気分の問題だと公言してはばからないと。関係があるかどうか、それは何もあなたに決めていただく問題じゃないんですよ。国会が判断することなんです。それとも、この議論、この議事録、これはもう紙切れみたいなものだと、そういうふうに大臣お考えになるんですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 改正住基法の衆議院あるいは参議院における審議経過は私も国対におりましたのでよく承知しておりますし、小渕総理の答弁も私も知っております。
  私は、関係ないと言っていますのは、法律的には、個人情報保護法というような法制がなくても住民基本台帳のシステムで完結した個人情報保護の対応はしていると。法的にはと言っているんです。政治的には関係ありますよ、一国の総理が答弁したわけですから。
  だから、私は、法的な面と政治的な面が一致する方が望ましいので、できるだけ個人情報保護法を前の通常国会で通していただきたいと、そういうことは関係の皆さんにお願いしましたが、国会のいろんな事情がありますから継続審査になりましたけれども、私は、いささかの関係もないと言って仮に答弁しておるとすれば、法的には、法律的にはという意味でございます。
○宮本岳志君 私、ビデオで確認しましたので、何の関係もないと言っておりますので、そこは訂正をしていただきたいというふうに思います。
  あのときの議論に立ち返ってみれば、今のこの現時点での議論というのが大きくずれていると。これは何も公明党さんだけの問題ではないということも私は指摘をしておきたいと思っております。
  次に、そもそもこの住民基本台帳制度というものは地方の制度なのか、あるいは国の制度なのかということを改めて明確にしておきたいと思います。
  自治行政局長にお伺いいたしますが、住民基本台帳法によると、そもそも住民基本台帳制度というものは国の制度であるのか地方の制度であるのか、お答えいただけますか。
○政府参考人(芳山達郎君) 住民基本台帳制度は、住民基本台帳法に基づく、国の法制度に基づいておるわけでございますけれども、事務そのものは住民の居住関係の公証ということを言っておりまして、この事務そのものの性格は地方公共団体の自治事務になっているわけでございます。
  先ほど来御議論あります住基のネットワークでございますけれども、今回、改正住基法の中で、市町村の住民票の記載事項の中から、六情報については本人確認情報として都道府県も事務として持つ、そして国と県と市町村連携しながらネットワークを張るという具合なことになっているわけでございます。また、法律によりまして、国は地方団体に対して、法律の目的を達成するために必要な助言を行う、こういう具合になっておるわけでございます。
○宮本岳志君 住民の居住関係の公証と答えられましたが、住民の居住関係の公証はだれが行うということに法ではなっておりますか。
○政府参考人(芳山達郎君) 住民の公証については、第一条に書いてございますけれども、基本的に市町村の事務ではございます。
○宮本岳志君 市町村が行う固有の自治事務なんですよ。
  ところが、大臣、大臣は三十一日に、私が横浜市のことを質問したのに対して、「参加しない人がおるとか、それを認めるなんということは一切考えておりません。」と、こう言い切り、その理由について、住民基本台帳というのは、国としての、国民の居住関係を公証する制度なんですよ、希望であろうがなかろうが全部公証する制度、国として、その上に住基ネットの仕組みがあると、こう答弁したんですね。
  これは、住基台帳法の精神にも、たった今の局長の答弁にも反すると思うんですけれども、答弁の間違いであれば訂正していただけますか。
○国務大臣(片山虎之助君) 私の答弁は、国の制度として住民基本台帳制度があるんですよ。制度としては国の制度ですよ。ただ、このネットワークは地方団体共同のネットワークであると今の住基法なりなんかでは読まざるを得ない。制度は国の制度ですよ。ネットワークは地方共同のネットワークなんですよ。しかも、事務そのものは今言いましたように地方の自治事務なんですよ。
  今度お願いする例の独立行政法人に絡んで、地方公務員災害補償基金というのがあるんですよ。これは、今度は地方共同法人ということの制度にしてもらうんですよ。制度は国の制度なんですよ。しかし、それは地方の共同の法人なんですよ。ちょっと住基とは違いますけれども、是非そういうふうに御理解を賜りたい。
○宮本岳志君 横浜のことに、お尋ねしたときに大臣はおっしゃったんです。実は、この国の制度だと強弁する直前には、私の質問に対して、住基というのは地方の制度なんですよと、こう答えているんですよ。私、大臣の答弁、いや、今日はだから議事録も付けたんです。見ていただけるように資料で配付してあります。
  それで、少なくとも住民基本台帳というのは市町村が住民の居住関係の公証を行う制度なんですから、国が居住関係を公証するというのは間違いですね。訂正してください。国がやるというのは間違いでしょう。
○国務大臣(片山虎之助君) 今言いましたように、制度は国なんですよ。公証しているのは市町村なんですよ。市町村の自治事務なんですよ。私は制度のことを言っているんですよ。国の制度としてあるんですよ。法治国家ですから、法律で制度を作るんですから、国が制度を決めているんです。ただ、事務は自治事務であり、ネットワークは地方共同のネットワークなんですよ。
○宮本岳志君 それは国の法律で定めているんですから、そんなことは別に議論の余地ないんですよ。しかし、住基ネット、住民基本台帳制度というものが正に地方の制度であるというのは、これはもう住民基本台帳法の、いや地方自治体が、市町村が公証する制度であるというのは、これは大原則なんですよ、固有の自治事務であるということは。
  ですから、そこは国の制度だといって押し付ける、国の制度だと、こういう間違いは正していただきたいと私は申し上げているんです。これは細かいことを言っているとお感じになるとすれば、これは問題なんですよ。そうお感じになるでしょう。お感じにならないですか。
  私、このことがどこで出てきたかといえば、横浜市のことを議論している中で出てきたんです、大臣。横浜市のこの八十万人の人たちの気持ちどうするのかと言ったら、選択などというのは認めないんだ、国の制度なんだと、こう大臣おっしゃったわけですよ。だから、これが取るに足らない問題だともし大臣がお感じになるとすれば、それは正にこの横浜市の八十四万人の方々の思いを取るに足らないと言っているに等しいことになるんですよ。だから、こういう間違いが出てくるというところに大きな問題があるということを是非指摘を申し上げておきたいと思います。
  今から訂正いたしますか、国が公証するという問題については。
○国務大臣(片山虎之助君) 私が言っているのは、制度は国が作る制度なんですよ。何度も申し上げている。ただ、仕事は横浜市というのか地方団体の自治事務ですし、ネットワークは全地方団体のネットワークです。制度としてそういう位置付けをしているんですよ。しかし、制度を作るのは国なんですよ。制度が、地方の制度というものは、条例で作るのは別ですよ。国が法律で、国会で委員の先生方の御承認を得て制度を作るんですよ。国の制度じゃないですか。地方の制度なんかじゃなく国の制度。ただ、仕事は地方団体がやって、それは自治事務で、その地方団体が共同で作るネットワークが住基ネットなんですよ。
○宮本岳志君 公証はどうなんですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 公証も同じでしょう、自治事務として公証しているんですから。制度は国ですよ。地方の制度なら条例作ってくださいよ。
○宮本岳志君 公証は地方がするんでしょう。国じゃないでしょう。国が公証すると答えているから訂正してくださいと言っているんじゃないですか。いいですよ、そんなことも認めないんだったらもういいですよ、時間がないですから。
  私は、前回の質問で、前回時間切れで残した分を改めてやりたいんですけれども、大臣が繰り返し述べている専用回線というものがNTTコムという会社が提供するIP―VPNであるということを指摘して、これは局長もお認めになりました。このIP―VPNについて、先日、実は雑誌に広告が出ておりました。非常に分かりやすかったので、きょうは資料のトップに付けておきました。これはNTTではなく富士通のものですけれども、大変分かりやすい説明があります。
  「オープンなネットワークを、あたかも企業専用ネットワークのように利用する」、あるいは、インターネットと同じ使い勝手でありながら、ちょうど専用線を敷いたのと同じ感覚というふうに書いてあります。これについて局長は私に、論理的に他回線と完全に隔離された専用回線というふうに答弁いたしましたけれども、論理的に隔離と言われて具体的に理解できる国民はそう多くないと思うんですね。仮にこれがこの広告にあるような専用線と同じ感覚で使えるという意味だとすれば、同じ感覚で使えるというだけの、同じ感覚だというだけの話であれば国民はとても安心できない。
  そこで、これはもう大臣に、専用回線だと繰り返しおっしゃって、おどろおどろしいもののようなことを言うなと、こうおっしゃるわけですから、このIP―VPNというのが正に安全だとなぜ言えるのか、国民に分かる言葉でお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(芳山達郎君) 先生御指摘がありますように、IP―VPNについては様々なものがあるわけでございまして、確かに今オープンなネットワークというのもあるんですが、住民基本台帳のネットワークで採用しているIP―VPNというのは特別の回線でありまして、これはデジタル専用回線、多重化装置並びに住基ネット専用の交換装置というのによって構成をされておりまして、この点、平成十二年の技術評価委員会においても、専用回線として了承し、セキュリティー上も問題はないという具合になっておるわけでございまして、これ都度都度御説明しているとおりでございますが、この住基ネットはその専用回線であるということは、正しい通信相手以外の者と接続することはない、また他回線との混線や通信データの漏えいも起こらない、また他回線からのウイルスが伝染することもないというようなことでございまして、安全な通信手段ということで認識をしております。
  もちろん、そのほかにこの中で、データの暗号化でありますとか、通信相手等のあるコンピューターの相互認証というような三点セットでもって十分に安全措置を講じておるということでございます。
○宮本岳志君 大臣はお答えにならないんですけれども、最終的にその専門家委員会で安全だと言われているからということを繰り返されるだけなんですよ。確かに、それは専門家の意見を聞くということを否定しませんよ。それはそれで大事なことでしょう。ただ、このシステムにあなた方がどう責任を持つのかと、持てるのかということについて私ははっきりさせる必要があると、これは前回も指摘をいたしました。そこで、このIP―VPNというのは、多重化装置というところで情報の行き先を管理することによって、正に総務省の言うところの論理的な隔離をしているんですね。
  そこで聞きますけれども、住基のコミュニケーションサーバーからIP―VPNに入る際の多重化装置は全国に一体何か所あるのか、お答えいただけますか。
○政府参考人(芳山達郎君) 多重化装置は、第一種電気通信事業者が設定をし、管理をし、保守をするというようなことでございまして、全国で二千数百台があるという具合に聞いております。
○宮本岳志君 IP―VPNが専用線とみなし得ると、その信頼性は専ら多重化装置に掛かっていると言っても過言ではありません。
  それで、こういう、今二千、これは全体で二千と。ただ、そのうちどれだけが住基にかかわっているかというのはあれなんです。
○政府参考人(芳山達郎君) 住基ネット。
○宮本岳志君 住基で二千ですか。ということですけれども、二千というのが今出された数ですけれども、それがその他の情報とどのように論理的に隔離されていくのかと。
  先ほどのこの広告を見ますと「IPという通信ルールを使って、仮想の企業専用ネットワークを構築する」と説明されております。つまり平たく言えば、あるユーザーの通信と他のユーザーの通信が混ざらないようにちゃんと正しいところへ行き着くようなプログラムを使っているということだろうと思います。
  そこで、あなた方は、この通信事業者が使っているプロトコル、つまりネットワーク内の通信を管理するプログラムを直接チェックをしているんですか。
○政府参考人(芳山達郎君) 先ほども申し上げましたけれども、この通信回線は第一種電気通信事業の提供する専用回線である、また交換設備については住基専用の設備であるということを前提にしておるわけでございまして、一般のIP―VPNとは違うという意味で特別のバージョンのものであるということであります。その選定に当たりましては、通信回線についての専用回線としての適格性を厳格にチェックをしておりまして、先ほどもお話ししましたように、技術評価委員会、これは地方団体も入った組織でございますが、学識経験者と地方団体の皆さんが入って、了承したものでございます。
  なお、現在、運行、運用をしておるわけでございますけれども、住基ネットそのものにつきましては、指定情報処理機関で二十四時間体制でネットワークを管理をしておりまして、当然でございますけれども、これまで多重化装置の不具合による他回線からの侵入も生じておりませんし、引き続き住基ネットの全体の適切な管理を行っていくということでございます。
○宮本岳志君 つまりは、第一種通信事業者NTTと技術評価委員会、専門家の意見のみによっているということでしょう。そうとしか私は聞こえなかった、今の答弁を聞いても。まあいいでしょう、それは。そういうやり方というのはどうなのかというのは、それはそれで考え方としてあるでしょう。
  では、次に、私、公的な認証、個人認証の法案についても出ておりますので、これに関連して二、三質問しておきたいと思うんです。
  特に、総務省の認証基盤システム、これはちょっと今回の住基とは別ですけれども、それで、今年の三月三十一日付の日本経済新聞に、「総務省の「電子申請」に欠陥」と、「個人の情報漏れる恐れ」という見出しの記事が掲載されました。これについて先日総務省の担当者に話をお伺いいたしましたら、それなりの言い分はあるようにお聞かせいただきました。少なくとも、しかし、一つはこの報道を受けて改善した点があったと、こういう御説明でありましたけれども、総務省からのルート証明書及びサーバー証明書の配付方法に関連して、今年四月以降で改善した点についてお答えいただけますか。
○政府参考人(大野慎一君) ただいまのルート証明書の配付の問題でございますが、この真正性を検証するためにフィンガープリントというものを使うわけでありますが、万が一の成り済ましの防止ということを考えまして、四月以降フィンガープリントの確認をするサイト、これはサーバーというコンピューターなんですが、これを別に設けまして、電子政府の総合窓口というサイト、それから総務省のホームページにも設けました。それから官報ですね、官報にフィンガープリント、これは数字と記号の羅列でありますけれども、これを掲示をいたしております。
○宮本岳志君 つまり、このルート証明書とサーバー証明書というのは、万が一偽の総務省の窓口を作って人をだまそうという者が現われたら大変だと、そこで、確実に本物の窓口にアクセスするために使うものでありまして、それをインターネットで配る際にダウンロードした証明書が本物かどうかを利用者がフィンガープリントというもので最終確認するというシステムです。
  当初、総務省がこの証明書をダウンロードするのと同じサイトにこのフィンガープリントを書いていたと、これは失礼だがお笑いな話でありまして、偽物の証明書を作って、送ってよこすようなサイトを本物の総務省のサイトだと信じてダウンロードしてしまった場合には、それをもらったのと同じ偽物のサイトに書いてあるフィンガープリントと照合してみたって、それはもう偽物に決まっているわけですから、こんなものが役に立つはずがないんです。こんな素人でも分かる理屈になぜ総務省は気付かなかったのかと思わざるを得ないんです。
  実は、このことを指摘した産業技術総合研究所のスタッフがこの秋に発表した論文、研究論文を読ませていただきましたが、総務省が公開かぎ認証の仕組みを基本的な部分で正しく理解していないのではないかと疑わざるを得ないという指摘までこの論文には出てきますよ。今指摘した論文では、民間の暗号技術を使って証明書の配付をすべきだという主張もしておられます。このことについての総務省の見解はどうですか。
○政府参考人(大野慎一君) 私も、今の論文というか文章でございますが、文章も読みましたし、それから、何か会合でプレゼンをされたようでございまして、パワーポイントの資料もいただきまして、つぶさに検討させていただいておりますが、なるほど民間の認証機関のサーバー証明書を用いて暗号化通信をやって、それでルート証明書を送ったらどうかという御提言もあったりもいたしておりますが、仮にそうであったとしましても、サーバー証明書は、サーバーが存在していますよということはこれは証明できるんですけれども、そのサーバーが安全かどうかというところの確認まではなかなかできないんです。ですから、仮にそうであったとしても、サーバーが攻撃された場合には成り済まされる可能性はやっぱり残っているわけです。
  そこで、私どもとすれば、民間認証機関によるサーバー証明書を使うということになりますと、政府の言わば公的な組織認証というものを民間に信頼の起点をゆだねることになってしまうということがあるものですから、これは私どもの政府認証基盤を作る考え方とは合わないものですから、フィンガープリントを配って、それを申請をされる国民の方々にきちんと確かめていただくという方法が、改ざんがあればフィンガープリントで確認できるんですから、現時点ではこれがいいのではないかというふうに思っております。
○宮本岳志君 なかなか不思議な論ですね。
  今、政府のセキュリティーを民間の信頼に置くのはいかがなものかというふうにおっしゃいましたね。先ほどIP―VPNの議論をやったときには、第一種通信事業者、NTTをあれほど信用しておられたあなた方が今度は民間には信が置けないんだという議論をされるわけですか。政府は、民間の中には信用できる企業と信用できない企業があるというふうにお考えなんですか。
○政府参考人(大野慎一君) これは問題が全く違うわけでありまして、認証業務の認証の信頼の一番の始まりの点をどこにするかという問題でありまして、証明書の場合に秘密かぎで暗号化するわけですけれども、これを考えていきますと、だんだん上のランクに上がっていくという、その最後がルート証明書というものでありまして、自己証明をする、公開かぎと秘密かぎでやるということなんですが、この信頼の起点を、政府の認証基盤なわけですから、やはり政府の中できちんと確認するというのが一番いいということを申し上げたんであって、そこに民間のものを持ってきたんでは、起点のところに民間のものを当ててくるということにすると、全体の構成が崩れてしまうということを申し上げているわけです。
○宮本岳志君 いや、IP―VPNにとっても多重化装置というのは正に信用のかなめを成すものだということを指摘したわけですからね。
  それで、こういうやっぱり様々な指摘をされているけれども、あなた方が真剣にそれに対してやっぱり信頼を、払拭する態度を取っていないということが極めて重要だと思うんですね。
  それで、さきの質問では、ウイルスの対策ソフトが三か月も更新されていなかったということも私指摘をいたしました。その後お聞きしたら、二週間に一回程度、この間はやってきましたという回答もいただきました。むしろこのことは、やろうと思えばできることが要は三か月間できていなかったということを逆に言えば示すものだと思います。
  ところが、私が質問した翌日、十一月の一日に地方自治情報センターの全国センターサーバーが起動しないという障害が発生いたしました。どこに原因があったのか、そしてどういう対策を取ったのか、簡潔にお答えいただけますか。
○政府参考人(芳山達郎君) 十一月一日の朝の稼働時間に全国センターのサーバーにおいてシステムが起動しなかったのは事実でございまして、当日午前中に障害箇所を復旧しまして、その後稼働しているという状況でございます。この件、この点、地方公共団体に早速情報連絡したところでございますけれども、発生原因につきましては、調査の結果、ファイルシステムの制御ソフトウエアの不具合によりましてデータベースが起動しなかったものと判明をしたわけでございます。
  今後、制御ソフトウエアのバージョンアップを行うことによって再発防止を行うというようなことでございまして、同じ事象がバージョンアップまでに再発した場合の手順については取っておりまして、今後、全国サーバーの停止は起こらないという具合に考えております。
○宮本岳志君 この十一月七日の毎日新聞夕刊には、「住基ネット自治体側のOS 安全上の欠陥を放置」という記事が載りました。地方自治体にあるセンターサーバーのOSにはウィンドウズ二〇〇〇が利用されているが、地方自治センター側から八月に一度改善プログラムが配付されただけ。八月以降、OSメーカーは、十前後の対策プログラムを提供しているが、一つも適用されていないと書かれてあります。これについてのセンターのコメントは、「必要な対策は今後とる」というもので、外から問題が指摘されるまで対策を取ろうとしないという姿勢は一貫しているじゃないかと言わざるを得ません。このような無責任極まりない対応は、私は、大臣以下総務省の姿勢に問題があると言わざるを得ないんです。
  これまで私も何人かの大臣やあるいは副大臣と議論してまいりましたけれども、野党と立場を異にするにしても、具体的に指摘すれば改善が必要な点は努力すると、こう言うものでしたよ。危ないものは危ないと答えるものでしたよ。小渕さんを引き合いに出すと片山大臣が怒り出すらしいので出しませんけれども、例えば、一昨年の秋、堺屋大臣とIT基本法の議論を私やりましたけれども、そのとき大臣は、「確かに料金の問題にしても、あるいは個人情報の保護の問題にしても、ちょっとITの普及の速度に比べて立ちおくれたところがございました。」と率直に認められました。
  ところが、片山大臣は三十一日の審議で私に、四情報は公開なんですよと。「取ろうと思えば全部取れるんです。しかし、それが漏れたって、どう使うんですか、」などと、まるで開き直るような答弁を繰り返しました。あなたのような大臣、私、初めて見ましたよ、それは。
  住基ネットで、これは自治行政局長に確認したい。住基ネットでやり取りされるのは四情報だけでなく、その変更情報と住民票コードを加えた六情報です。取る者は四情報だけ取っていくということはないんです。住民票コードも変更情報も取っていくでしょう。この住民票コード、変更情報、これは公開情報ですか。
○政府参考人(芳山達郎君) その前に、先ほどのウイルスの関係、OSの関係含めてシステム調査委員会の方に御報告をしまして、対応を十分取っていくということで、ウイルスの対策も先ほど御指摘にあったとおりでございますし、OS関係も逐次定期的にやっていくということで、我々、調査委員会で在り方については十分安全の向上を図ってまいりたいと思っています。
  また、住基の基本情報でございますが、大臣言われております氏名、生年月日、性別、住所というのについては住民基本台帳法十一条の規定によりまして、不当な目的以外については閲覧可能という具合になっています。住民票コード及び変更情報については、大臣御指摘があるわけでございませんけれども、閲覧制度の対象にはなっておりません。
○宮本岳志君 当たり前なんですね。この二つが漏れていいんだったら、守口市で何で管理職の皆さんが寝る時間も削って回収に当たったのかと。地方自治体が必死になっていることを、まあ何というか、あざ笑うような、そういう答弁をやるというのは、本当に私、ひどいと言わざるを得ません。
  公開四情報そのものについてもそうなんですよ。決して地方自治体はあなたの言うように扱いをしていないです。私の地元、高槻市では、官公庁や報道機関などによる世論調査目的以外に住基台帳の閲覧、転記を許していない。第一、これだって市長の決めることなんですよ。あなたが決めることじゃないんですよ、これも。
  いいですか、大臣。情報というものは不正にあるいは不適切に流れてしまえば原状回復ができないという性質を持っております。
  昨年秋、この委員会でプロバイダー法の審議に当たって私は大臣とやり取りやったのを覚えております。そのとき私、こう言いました。情報の削除は後で原状回復できるが、一たび情報開示されてしまった個人情報を後に戻すことはできないんだと。したがって、ネット上でのトラブルに関するルールを考える際にも、個人に関する情報開示には十分慎重でなくてはならないということだと。これに対して片山大臣は、「言われるとおり、発信者情報が誤って開示されるということはまた別の意味で問題となるわけでありますから、開示に当たっては慎重に判断が行われることが必要であります」と、こう答弁、あのときはされました。
  しかし、この間のあなたの答弁を聞いていると、あのときに議論していることを本当に分かっておられたのかと疑わざるを得ないです。住民票コードを民間が使ったら罰則だとあなたは言うけれども、それを漏らしたり使ったりした者を罰しさえすれば自己情報を不正に使われた者の救済は十分だと、そんなふうにお考えになるのですか。
○国務大臣(片山虎之助君) いやいや、全く考えておりません。それは、システム的にも制度的にも運用面でも漏れないように最大の努力を今しているんです。そういう仕組みにしているんです。しかも、万一漏れたら責任を問うと、こういうことでございましてね。四情報は公開なんですよ、閲覧対象ですから、条件は付いていますけれども。
  この二情報は別にそれは公開じゃありません。しかし、もしそれが漏れて、問題があればすぐ変えれるんです、すぐ変更できるんです、御承知のように。だから、そういう意味では、漏らさないのが一番なんですよ、しかし、漏れたって、たちどころにびっくりするようなあれは今起こらないような仕組みにしているということを申し上げたんで、これからのIT社会を前向きにとらえないと、もう、ちょっとのことをわあっと大げさに言って駄目だ駄目だと言うと、世の中の進歩はありませんので、ひとつよろしく御理解を賜りたいと思います。
○委員長(山崎力君) 時間ですので。
○宮本岳志君 変えられるというけれども、漏れたときに、その情報を入手した不正使用する者が、あなたの情報漏れていますよ、ここに持っていますよと伝えることはないんですから、本人には伝わらないんですよ、不正に使われたって。
  そういう答弁が出るからこそ住基ネットワークについての不安が広がっているんだということ、そして、その下で適用事務を三倍近くに増やすなどということは到底認められないということを申し上げて、私の質問を終わります。
○松岡滿壽男君 国会改革連絡会の松岡滿壽男です。
  オンライン三法の質疑に入ります前に、今朝の朝日新聞のトップに、「団塊世代退職金 自治体懐ピンチ 「支給大丈夫」は半数以下」という記事が出ております。背景には、やはり税収の落ち込み、企業活動が非常に、地域の、衰退の一途をたどっている。しかも、今朝ほどは片山大臣も何か国、地方を通じて三兆円ぐらいの税収減が見込まれると。野中さんも、京都での演説で、昨年が一兆七千億ですか、本年が二兆数千億と、だから政策転換を国民にはっきり言わなきゃいかぬという発言もされておられるわけですね。
  そのような状況の中で、当面、団塊の世代、五十五歳から五十三歳の職員が退職を迎えると。これ退職金も準備できない。民間は退職積立金やっておるわけですけれども、国民の税金を積み立てちゃいけないというので単年度で皆これやっているわけですよ。これは、来年から公務員は二%ですか、報酬のダウンですね、初めてのことですね。それで退職金ももらえない。もちろん民間はもう非常に厳しい状況に置かれているわけですが、お役所にとっては初めての事態ですね。
  こういう不安はやはり取り除いて、きちっと仕事ができる状況に置いてやらないかぬ。これについてはどのように実態を把握して、どのように対処なさろうとしておられるのか、まず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今朝の新聞に退職手当の問題が出ておりましたが、これはこの委員会でも御説明申し上げましたように、先般、官民の比較を退職金についてやりましたら五・六%の較差があると、こういうことでございまして、これだけの較差があれば、二十三年ぶりになりますけれども、退手の水準の見直しはやらざるを得ないのかなと、こういうことで今検討をいたしておりますし、職員団体の皆さん、代表の皆さんとも公式、非公式にもいろいろ話合いをしております。
  そういう中で、特に地方で団塊の世代が退職年齢にだんだん近づいてくるものですから、この財源の問題というのがやっぱり今日の新聞に報ぜられたようなところがあるんですが、退職の手当の場合には、退職手当債というのを認めるんですね。これはもう委員よく御承知だと思いますけれども、退職することによって新陳代謝で人件費のあれが下がりますからね、退職手当債を認めるということで昔からしておりまして、やっぱりこれからの退職管理をどうするかということを地方団体にも真剣に考えてもらわないかぬと。
  国の方は、御承知のように、総理の指示もあり、我々も相談しまして、これから五年間で三歳、勧奨退職の年齢を延ばそうと。今、大体早いのは五十なんですね。五十二、三が平均的なんですよ。だから、それを全体的に、割に遅いところは五十四ぐらいですけれども、三歳ぐらいアップしようと、こういうことで計画を作っていただいて勧奨退職年齢の引上げということを考えておりますが、地方は大体定年退職まで、ぎりぎりまで勤務するというケースが多うございますけれども、これからの職員の年齢構成等の推移を見ながら、退職管理についてどう考えるか、国と併せて地方にも考えていただこうと。そういうことの中で今のこの財源の問題も検討してまいりたいと思っております。
○松岡滿壽男君 私、今議運にいるものですから、あしたの本会議で議員歳費の問題ですね、これも今年の四月から一年間一〇%カットということで出しておりましたが、これを来年度もそのまま続けようという問題と、それから議員秘書の歳費の問題もあした本会議で上程されるわけですね。
  国全体が、経済、政治、社会全般にわたって非常に今閉塞感になってきている、どうにもならぬ状態になってきておるわけですよ。せんだって日中国交正常化三十周年で中国へ行ってまいりましたけれども、日本人の賃金の三十分の一、GDP一人当たり四十分の一ですよ。それであれだけ元気で勇気を出して頑張っておるという姿を見ると、何十年前かの日本を思い出しながら、どうしてこうなってしまったんだなという思いが非常にあるわけでありますが、結局、グローバル化が進んで、経済、日本の場合は完全に供給力過剰なんですよね、供給力。
  だから、新日鉄と神戸製鋼と住友もお互いが寄り合って生き残っていこうと、日本鋼管と川鉄がまた一緒になっていく。しかも、それをやりながら、せんだって予算委員会で私は小泉総理に日本の経済の生き残り策として、やはり外国ができない製品、例えば自動車用鋼板ですね、こういうものとかそういうものを、とにかく民間と政府と学者と力を合わせてやっていかないかぬということを申し上げていたんですが、とうとう自動車もどんどん中国へ出ていくものだから、上海の宝山製鉄所と新日鉄で技術提携して自動車用鋼板も向こうで作ろうと。そこまで日本が出ていかぬと外国のメーカーが出てきてやっちゃうと、そういう状況なんですよ。
  だから、先行きが非常に厳しい状況なんで、私は今とにかく意識改革というのはやっぱり無理だと思うんですよ、日本人の場合。制度とかシステムをいじっていくと。だから、例えば大臣が頑張っておられる合併問題ですよ。これははっきり、道州制の問題とか、合併は市町村長はみんな嫌がるわけですから、だからそこをどう乗り越えるかということになると、制度の姿を見せないと、それこそサッチャーがいつも言っていたように、新しいうちを造るためには古いうちを壊さなきゃいけませんと、しかし古いうちを壊す前にどんな新しいうちを造るのか、それを国民に見せなきゃいかぬ。その部分がどうも見れないんですよね。
  今日の議論なんかもずっと聞いておっても、その部分が見えないんですよね。ずるずるずると行こうとしていると。だけれども、私は基本的には、住基ネットの問題とかオンラインの問題、これはシステムを変えて、やはり住民とか職員の意識を変えるという面では、非常にいい効率的な仕組みにするという面では一つの方向性だろうとは思うわけでありますが、そういう合併問題についてもいま一つうまくいっていない。
  だから、相当のものをやらぬ限り意識は変わらないわけですよ。それでずるずる来ちゃっている。そういう中で、タイタニックが沈むように、経済もそういう形でもう生き残りのためにどんどん出ていっちゃう、それで高齢化は進んでいく、税収はどんどん減っていく、借金は雪だるま式にこうなっている。どこを突破口にしてこれをやり変えていくかということを、やはり政治がしっかり示さなきゃいかぬところへ来ているんです。
  合併問題も、だから結局、明治の大合併は戸籍の問題と小学校制を作るということでやった、それから昭和の大合併は中学校を作るというのでやったと。じゃ、今度の平成の大合併は何のためにやるのかというのが国民からよく見えないんですよね。そこを大臣、もう少し国民に向かって、こういうことだからやらなきゃいかぬのだというのがやっぱり見えないというところをもう少し分かりやすくひとつ御説明いただきたい。せっかく私もこの前代表質問でこの問題総理にもお尋ねをしたところですけれども、その辺についての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 大変、今回の平成の大合併の何かイメージを国民の皆様に分かってもらうのは大変難しいんですね。今、明治の大合併、昭和の大合併についてはある程度分かりやすいんですね。今回の合併は地方分権を進めるためだと、こう抽象的に言っていまして、それじゃどのくらいだと、こういうことなんですよ。
  明治のときは三百戸から五百戸という目標があったんですよ、一市町村。それは、今言われましたように、戸籍や兵役やそれから小学校やあるいは道路やと。それから昭和のときには、これはもう言われるように、八千人という、分かりやすく言うと、一応中学校一つを設置管理できる実力を、あるいは自治体消防がちゃんと運営できる、こういうことなんですが、今回は自主的な合併だと言っておるものですから、なかなかそこが難しいんです。
  しかし、今の市町村の再編をやらないと権限移譲はこれ以上進みませんし、今私も苦労しておりますが、地方への税財源移譲もなかなか皆さんの同意を得られない。その意味で、やっぱり基礎的な自治体を大きく強くするということが必要だと私は思っておりますが、具体的なあれが与えられないというところが大変つらいところなので、代わりに、都道府県にそれぞれの都道府県の実情に応じたパターンを、たたき台を作ってもらっているんですよ。ところが、これがなかなかそのとおりまたいかないんですね。やっぱり首長さんや議員さんというのはそれぞれの思いもありますし、良く言えば思いで悪く言えば思惑ですけれども、これがなかなか難しいところがある。
  だから、これで、やっぱり政府として代表者を決めて進めている以上、いつまでも、自主的な合併で、どうぞどうぞ、優遇だけします、こういうことでいいのか、傍観者的、評論家的な態度で、というふうに私もちょっと考えておりまして、もうあと二年半を切りましたので、ひとつどういう形での応援ができるか、推進の、てこ入れと言ったら語弊がありますけれども、そういうことを少し考えるべき時期ではないかなと実は思っておりまして、自治行政局長を始め推進の事務方にも今いろんな検討をお願いしているところでありますし、各省は割に好意的で、応援団なんですよ。だから、もう少し強い線を出せというのが各省の意向なんですよね、逆に。私どもの方が、自主的な合併だからできるだけ自主的な選択で、こう言っているものですから、そこのところを是非、今後、委員の先生方の御指導を得ながら考えてまいりたい、こういうふうに思っております。
○松岡滿壽男君 自主的な合併と言っている間はまず合併できないと私は思いますよ。私もささやかな市長の経験もありますけれども。
  やはり国がもうこういう形で沈みそうになっているわけでしょう。だから、日本の国全体の生き残りはどうやったらいいのか、さっきの経済問題もありますけれども、もう一つは地方の生き残りですよ。
  厚生省の統計だと、百年後には六千万になるわけでしょう。私はそれは、大体厚生省の予測なんというのは当たったためしはないけれども、当たりそうな予感もするぐらいで、いや、本当にこれは大変なことですよ。そうすると、やっぱり十五万から三十五万ぐらいで生き残っていくと。そうすると、自分の頭で考え自分の足で歩かせる、要するに税源の問題とか、全部、権限と財源ですね。そういうところをしっかり見せなきゃいかぬのじゃないですかね。それが全然見えないんですよ。それで自主的にお話しくださいといったって、それはできる話じゃないと私は思うんですよ、大臣。
  この前の総理の御答弁も、何か評論家みたいな御答弁をいただいたものだから、あれっと私も思ったんですよ。今、やっぱり先頭に立つ人たちが確固たる信念を持って、さっきのサッチャーの話じゃないですけれども、こういうことなんだということを見せないと、見せない限りこれは駄目ですよ、それぞれ自主的にお話しくださいということでは。
  もう少し、大臣、そこは、他省庁の方が熱心だねと言うんだけれども、そんな評論家みたいなことを言われても困りますよ、担当の大臣ですから。しっかり、ひとつ御決意を聞かせてください。
○国務大臣(片山虎之助君) ある意味では責任を持っているのは総務省ですから、よその方はそういう意味では、まあ無責任じゃありませんが、とにかくもっとやらせるべきだやらせるべきだ、あめだけじゃ駄目だ、こういう言い方なんですね。だから、そこは地方分権を進めるための自主的な合併なんだから、あめとむちなんということはいけませんと言っているんですよ、今までのような。余り国が押し付けたり県が勧告したりというようなことよりも、やっぱり十分な話合いの上で、こう言っているんですけれども。むちをやるとか、そういうことは考えていませんよ。
  しかし、我々はやっぱり責任を持つ者として、どういう進め方があるのか、もう少し、もうそろそろ二年数か月ですから、考えてもいいんではないかと。それは、一番の熱意を持っているのは、私は各省の中では我々だと思っています。各省は合併に賛成なんです。だから、それぞれの各省の、例えば国土交通省でいうと、道路でも公園でも優先的に考えますと、厚生労働省でいえば、今の介護保険や国保や、そういうことについてもいろんな応援について十分考えますと、こういうことを言っているので、もっとどっと進めろと、こういうことを言っているんですよ。
  私は、そこがなかなか、自主的な合併とのはざまで難しいんですが、できるだけ責任を持って進める、これは政府の大方針で打ち出しておりまして、小泉さんはこのことが地方の構造改革だと、こう言っていますので、よく考えて進めたいと思っております。
○松岡滿壽男君 PHPの江口克彦さんですか、「脱中央集権国家論」というのが出まして、これで見ると、道州制の導入と、十二の州、それから二百五十七市ですか、十五万から三十五万。それで見ると、とうとう山口県は四つしかない。今広域市町村圏は八つあるんだけれども、四つになっちゃって。
  そのぐらい、やっぱり意識改革は無理ですから、そういう構造を変えることによって、やっぱり我々生き残るためにやるんだという気持ちを、こういう地方になるんだ、こういう国になるんだということを国民にはっきり見せて、やる気を起こしていかないと、このままだったら私はどんどん日本は駄目になっていくような気がするんですね。
  そういう中で、この行政手続オンライン化関係三法ですけれども、確かに一連のこういう政策につきましては、国民の利便性の向上とか、それから行政運営の簡素化、効率化、非常にそういう点では重要な法案だというふうに私も考えております。
  既に十分な議論がされておりますけれども、ITを活用した電子政府とか電子自治体を推進することによって新しい質の高いサービスが実現するというような御説明ですけれども、具体的に、個々の住民に対してどのような向上が予定されておって、国民、住民としても期待できるのか、そういう点がいま一つぴんとこない部分があるような気がいたします。
  せんだっての、三年前の住基ネットは、電子政府、電子自治体の基盤であるとはされていますが、先ほど来の議論のように個人情報の漏えいの問題とか、非常に危険性が高いという不安がやっぱりあるわけですよね。そういう意味で、電子政府とか電子自治体の具体的な問題意識といいましょうか、そういうものが国民にやっぱり十分に認識はされていない、今の段階では、残念ながらそういう思いがいたします。
  先ほど来、合併の話が出ましたが、平成十七年の三月末の合併特例法の期限切れを踏まえて、住民や役所を問わず市町村合併の論議がいろんな形で展開をされておるわけですけれども、なかなか実態は、先ほど申し上げたように厳しい状況だと私は見ております。
  こういう地方分権、地方主権に向けて、地域の生き残りのために非常に大切な市町村合併は避けていけない、避けては通れない問題だというふうに思いますし、地域の生き残りのためにそういう意識を持って取り組まなきゃいかぬ問題だけれども、これもまた十分な認識がまだない。まだまだ地域も大丈夫だと皆思っているわけですよ、日本も大丈夫だと。しかし、そうはいかない状況が周囲の中に出てきているわけでしょう。
  合併反対派の人たちは、合併することによってサービスが低下するんじゃないかとか、そういう不安もある。先ほど申し上げたような合併問題について、この電子自治体の推進が地域の住民にとってどういう意味があるものなのかということを確認しておく必要があるという前提で、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
  まず最初に、今回のオンライン三法によって、行政手続のオンライン化が進められることによって地方公共団体の住民サービスがどのように向上するのか、具体的にお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○副大臣(若松謙維君) まず、行政手続のオンライン化でございますが、住民、企業と地方公共団体との間の申請及び届出手続ですね、こういった行政サービスや行政機関間の協議、報告等、いわゆる行政内部の手続をオンライン化するものでございまして、このような取組を推進しますと、住民、企業にとって、いわゆる自宅又は事業所にいながらインターネットを通じて時間的、地理的制約なく手続を行えるということで、特に三つメリットがございます。
  まず、生活スタイルに合わせて、自分の生活スタイルに合わせて行政サービスを受けられると、それと二つ目が手続のために地方公共団体に出向くコスト、時間、労力などの負担が軽減されると、三つ目が手続の内部事務処理期間の短縮化による行政サービスが迅速化されるということで、いずれにしても、この利用側としての住民、企業にとっては、いわゆるいつでもどこでも、先ほど申し上げました申請又は届出等の行政サービスを受けることができると、こういうことでございます。
○松岡滿壽男君 具体的なメリットについて三つお答えいただいたわけですけれども、こういうことをやることによって、例えば人員ですね、担当者は新しくまた増やさなきゃいかぬという問題が出てくるんじゃないかと思うんですね。だけれども、今、国、地方の公務員が四百四十万ですか、その他準じる人を入れると七百万近くいるわけですよ、国民の税金でお仕事をしておられる方々が。
  これは、やはり私は、将来人口がどんどん減っていく、それから税収もどんどん減る、経済の活力が落ちていく、その中でやはりスリムで効率的な仕組みに変えなきゃいかぬという立場に立って、先ほど来、道州制の導入とか三百市ぐらいにしたらどうかとかいう話をしておるわけですが、今回のこのオンライン化によってそういう点で効率化がどの程度図られるように考えておられるのか、人員の問題も含めてお考えをお聞かせいただきたいと思いますが。
○副大臣(若松謙維君) このいわゆるIT技術を活用することによりまして、当然民間部門ではかなりの流通革命とか労務革命が起きておりまして、実際に二年前にアメリカで発表されたいわゆる七年間のIT化によります例えば人員削減が二〇%ぐらい、いわゆる国家公務員が削減したとか、そういう具体的な数字が出ております。
  今、我が国といたしましては、正にe―Japan計画に基づきまして、いわゆる電子政府、電子自治体というものを進めているわけでありますが、これがどの程度、具体的にこれから行政の効率化、その延長としてのいわゆる公務員の削減というところにつながるかというのはいわゆるこれから実はやるところでございまして、いずれにしても、このe―Japanというものを進め、迅速化することによりまして、私は行政の効率化をかなり具体的に見える形で進めることができると確信しておりまして、やはり今後とも国会におきまして、このe―Japanを進めるに当たりまして、どのくらいメリットがあったのか、成果があったのか、やっぱりそういったことを見える形で示していかなければいけないと考えておりまして、そのための努力をしてまいる所存でございます。
○松岡滿壽男君 IT関連の要員の問題につきましてはまた後ほど伺うとしまして、合併すると役所が遠くなるとか、サービスが低下すると言う者に対して、住民に対しては、いやこの電子自治体を作ることによってそうじゃないよという説明にはなるんだろうと思うんですが、その辺はどうでしょうか。
○政府参考人(芳山達郎君) 御指摘ありましたように、合併に伴う住民の不満、不安の中に、役場が遠くなって不便になるのではないかと、サービスが低下するのではないかというような御指摘なりがあることもまた事実でございます。
  これまで、その住民サービスの維持向上のために、例えば支所、出張所の活用であるとか地域審議会の活用なども導入されておりますが、また前回、郵便官署法で合併後の市町村における郵便局の活用というのも一つの方法だったわけでございますけれども、今御指摘ありましたように、もう一つ電子自治体の推進ということによる住民サービスの維持向上というのが課題になってくるという具合に思っております。
  先生御指摘ありましたように、自宅から二十四時間各種の申請なり公共施設の案内、予約が行えるようになるということによりまして、役所の位置にかかわらず従来より身近に住民サービスを受けることが可能となるというようなことによりまして、こういう不安も解消できるようになるのではないかという具合に期待をしております。
  したがいまして、今年の三月二十九日に、合併に、市町村合併の協議に伴う指針を、新指針を発出しておりますけれども、その中で、住民サービスの維持向上の施策の中の主要な柱として電子自治体の推進ということを盛り込んで、その取組をお願いしておるところでございます。
○松岡滿壽男君 お役所の方はPRが下手で、やっぱり合併推進のためにこの電子政府は非常に役に立つんだと、電子自治体ですか、そういうことをどんどんやはりいろんな機会に発言されたらどうでしょうかね、その辺は。
  民間団体によって今月まとめられた電子自治体構築におけるアウトソーシング活用の実態調査、この報告書によりますと、地方公共団体における情報部門の職員が、アンケートに回答したうちの約半数の団体で二人以下になっているんですね、これ非常に少ないわけですよ。それで、一人というのが、一人以下が一八%でしょう。そうすると、こんな現状では、地方公共団体におけるITの専門職員ですよね。これはそういう能力がなければアウトソーシングもできやせぬですよね、これ、大体。その職員いない。しかし、合併すればそれは増えていくわけでしょう。そういうところもやっぱりもっと強調をされるべきですよ。
  それで、ただ、今までおる職員でそっちに研修させてやれる用意ができるのかどうなのか、あるいは新たに、本体にそういう能力がなければアウトソーシングしたって全然これ訳の分からぬ話になってしまいますので、その辺の必要なITの専門職員の確保、これ非常に大事だと思うんですけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(芳山達郎君) 御指摘ありましたように、小規模自治体における職員の動向でございますけれども、なかなか専門職種が確保できにくいとか、また、専門的な専任組織ができにくいと。特に、情報化の部門、国際化の部門、また女性対策の部門等々でございますけれども、なかなかそういう意味で、小規模自治体の場合の組織の確保というのは、今は担当であったり、又は一人の担当が兼務をたくさんしていたり、ないしは研修にもなかなか出せなかったりというようなことが実情だろうと思います。
  市町村合併によりまして、総務企画部門の管理部門が効率化できるということで、これまでその部門を少数削減すると。併せて、採用がなかなか難しかったITの専門職種ないしはその他の専門組織というのを増強、採用することができることによって、専門的かつ高度なサービスが提供なるものという具合に思っています。
  今、我々のパンフレットなり県の合併のパンフレットもその点を大きく、専門的な人材の確保に資するということも言っておるところでございまして、先ほども含めて我々もなお一層PRしてまいりたいと思っています。
○松岡滿壽男君 職員の、在来の、この研修その他についてはどのように取組をされるんでしょうか、このITについての。
○政府参考人(大野慎一君) 実は、情報のみならずセキュリティーが大変大事なものですから、情報セキュリティーも含めた情報研修につきまして、このe―ラーニングという形で、わざわざ集まらなくても研修できるような仕組みを、各自治体三人程度ですから、おおよそ全自治体合わせますと一万人近くなるわけでございますけれども、まずはこの秋から一万人規模のe―ラーニングによる情報研修、特にセキュリティーも含めてやりまして、一月の終わりころには東京で、来ていただいて集中的にやる機会も設けたいと思っております。
  その上で、これは情報研修、セキュリティー研修というのは、これから自治体の方々にとっては業務の上で言わば法制執務に代わるような基礎的なリテラシーというか知識にならなければならないわけでございますので、絶えずそういった情報あるいはセキュリティーの教育研修できるような仕組みを来年度に向けて考えていきたいと、こういうように思っております。
○松岡滿壽男君 行政手続のオンライン化など社会のIT化を推進していくためには、個人情報の漏えい、これはその影とも言える部分が出てくるわけですね。この個人情報の保護を徹底して、情報セキュリティー対策を十分に講じながら取り組んでいくことがやはり必要だろうと考えますが、その部分だけが注目されて、住民からすると行政手続のオンライン化による電子政府、電子自治体のメリットが見えてこない、影の部分が大き過ぎてですね、現状があるように思っております。
  地方公共団体の住民の利便性の向上などの行政手続のオンライン化のメリットについて、総務省は住民に分かりやすく説明すべきではないかというふうに思うんですが、今後、総務省としてどのような施策を講じていくのか、お考えを伺いたいと思います。
○政府参考人(大野慎一君) 電子政府なり電子自治体の推進につきましては、今年に入りましてから、片山大臣にも御出席いただいて、幾つかのブロック単位ぐらいでのセミナーなり研修会をやったりもしておりますが、なかなかそういった形だけでは、集まった方せいぜい五百人とか七、八百人しか集まらないわけでございますので、限度もありますので、実際には電子自治体の構築ということが進みますためには、住民の方々に知ってもらわなきゃならないということになりますと、むしろ、政府はもちろんでございますけれども、地方公共団体の方でも電子自治体を進める意味合い、意義をやっぱり住民の方々に十分知っていただくという工夫が必要だと思っておりまして、地方自治体の方もこれから様々な広報啓発活動あるいは普及活動をおやりになりますので、これに対する支援を予算的にも考えていきたいと思っております。
○松岡滿壽男君 八月五日から稼働した住民基本台帳ネットワークシステム、これは一部の自治体が不参加を表明したんですけれども、その後、たしか四つでしたかね、どのようにこれはなっておるんでしょうか。
○政府参考人(芳山達郎君) 八月五日稼働しました住基のネットワークでございますけれども、現時点で四団体が不参加でございまして、福島県の矢祭町、東京都の中野区、東京都の杉並区、東京都国分寺というのが不参加でございますし、神奈川県の横浜市が条件付参加という具合になっております。これらの団体は、個人情報保護法の成立ないしはシステムの安全性の確保と総合的な確認ということで、現時点でまだ参加を得ておりません。
  なお、横浜市の場合は、大臣の方に、そもそも住民選択制ではなく段階的に参加をする、基本的には全員参加であるというようなことでございまして、大臣からは、横浜市の要望にどのような対応が可能であるかということを事務的に詰めるようにということでございます。
  いずれにせよ、全体含めてこういう団体に対して早期の参加を御要請しているところでございます。
○松岡滿壽男君 不参加のところの住民が、結局、そういう公的個人認証サービス等の住基ネットのメリットを享受することができぬということになるわけですよね。これなんかについては、総務省としてはどのように考えておられるんですか。
○政府参考人(芳山達郎君) 御指摘のとおりでございまして、住民基本台帳の八月五日稼働分と今回のオンライン法に基づくもの、ないしは来年八月からの第二次稼働分というのがいわゆる住民サービスでございます。
  その中で、今年の八月五日から恩給、共済年金などの現況届、ないしは各種資格申請時の住民票の添付の省略ということが可能になったわけでございますが、その部分。また、来年八月からは、転入、転出の特例、ないしは全国各地にどこからでも住民票の写しが請求できると。また三つ目は、住民カードを、住民基本台帳カードが、多様なサービスが受けられるというようなことが来年八月から第二次稼働として始まるわけでございます。
  それと、併せて、現在御審議いただいておりますオンライン法が成立をいたしますと、住基ネットの本人確認情報の事務拡大、今度のパスポートでありますとか国民年金、厚生年金等々の事務でございますけれども、この事務の拡大によりましてオンライン化等に際しての住民票の写しの添付の省略と。また二点目は、公的個人認証サービスの中で異動失効情報を提供することによって、公的個人認証のサービスの実施が可能になるというような事務が追加されるわけでございます。
  こういうようなことでございまして、住基ネットに不参加の団体の住民の皆様にはこれを、メリットが享受できないということでございまして、早期に住基ネットに参加していただけるよう、関係都県と連携取りながら、理解を深め早期参加を促してまいりたいという具合に考えております。
○松岡滿壽男君 将来的なアウトソーシングの活用について、この資料を拝見しますと、配付されました、現時点では考えていないという自治体が四〇%に上っているんですね。
  このアウトソーシングの活用は、やはり電子自治体の構築、それと地方公共団体の業務改革、またそれぞれの地場のIT関連産業、これの育成にもつながるわけですよ。非常に効果は大きいと思うんですけれども、今後、先ほどのお話ですと、何かモデル自治体を作るとか作らぬとかいうお話が先ほどあったような気がするんですけれども、これについては総務省はどのように対応されるんでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) まず、アウトソーシングのお尋ねでございますが、これは当然行政運営の効率化、住民サービスの向上という観点から、民間委託の実施が適当な事業事務につきまして積極的な民間委託を推進してきたところでございます。
  電子自治体の構築に当たりましては、オンラインでの申請、届出等の受付などの業務処理を行うサーバーの管理、各種プログラムの不具合に対応したバージョンアップのメンテナンス、さらには不正アクセスに対するセキュリティー対策等につきましては、大変高度なノウハウと専門性を有しますIT企業に当然アウトソーシングすることが適当であると考えております。
  また、これらの事務につきましては、複数の市町村が共同してアウトソーシングを行うと。これも何度も言っているところでございますが、そのようなことを通じて大幅なコスト削減等の見地から極めて有効であるというふうに考えておりまして、総務省といたしましても、この共同アウトソーシング、電子自治体推進戦略という形で強力に進めていく考えでございます。
○松岡滿壽男君 最後の質問になりますけれども。
  結局、住基ネットとかオンライン化、やはり国、地方のいろんな行政の仕組みを変えるという非常に重要なことだと思うんですね。職員の意識もこれは変わってくる、住民の意識も変える、これが一番私は効果のあることだと思うんですが、先ほど来議論していますと、肝心な、それによって、今、国、地方の公務員が百二十数万ですか、それと準公務員入れると六百万とも七百万とも言いますね。こういうものをどう効率的に合理化していくかというのがどうも先ほど来の議論では見えないんですよね。それははっきり国民に対してこういう状況になるんですよ、効率化が進んで皆さんの負担も減るんですという説明はできないんでしょうかね。
  最後にそれをお伺いして、終わります。
○国務大臣(片山虎之助君) 松岡委員の言われるとおり、住基ネットあるいは今度のオンライン化法でどれだけ行政が変わるか、国民の皆さんのサービスにどれだけ、サービス向上につながるかということの何かイメージというんでしょうか、ビジョンみたいなものが必要だと思いますね。これを一つの契機にして、役所のやり方も変える、役所におる公務員の皆さんの意識も変える、住民の方にも変わっていただくと、そういうことの中で合併が進んだり、いろんなことができてくると、こう思いますね。
  基本的には、これによって言わば管理的な業務、我々、内部管理事務、バックオフィスと言っていますけれども、バックオフィスは大幅に簡略化されて、それの人は要らなくなると。だから、フロントサービスというんですか、窓口事務や福祉やそういうことの方に人間を回していくと。やっぱりサービス体に市町村も変わってくるというようなことを我々目指しておりまして、しかも、だんだんそれを共同化することによって同じ意識を持ってもらって、それが場合によっては合併につながるということもあると思っておりますが。
  この全部をまとめた、今のこの住基ネットもオンライン化法も、将来の、国の方は国の方でまた御議論をいただきます、少なくとも地方行政はこう変わる、市町村の仕事はこう変わる、役割はこう変わる、それから職員の意識もこう変わるということについての何らかの方向付けが必要じゃないかと、こう思っておりまして、総合的な検討をこれからさせていただきたいと思っております。
○松岡滿壽男君 ありがとうございました。
○又市征治君 社民党の又市です。
  初めに、審議にかかわる我が党の基本的な姿勢ですけれども、今、オンライン三法案を審議することは不適切だと、こんなふうに申し上げなきゃならぬと思います。なぜなら、行政情報のオンライン化及び電子認証システム稼働の大前提となる個人情報保護の原則がこの三法案の前に確立されているべきなのに、個人情報保護法案及び行政機関の個人情報保護法案等がその欠陥ゆえに衆議院で中断をしていて、全く出口が見えていない。だから、与党からも先ほど来国民の不安や懸念を払拭するために、あるいは理解を得るために慎重にという声が出ているんだろうと思うんです。そうした理由から、我が党は八月の住民基本台帳ネットワークの稼働にも反対をしてまいりました。
  以上を前提として、幾つか伺っていきたいと思います。
  まず、民間を含めた個人情報の漏えいと商品化の実態について、前回もお聞きをいたしましたけれども、続いてこの例を挙げて問題の解明を図りたいと、こう思います。
  七月の三十日、住基ネット稼働の直前に読売新聞がまとめた一九八九年以降の漏えい事件は二十七件、うち七件が行政機関のものであります。読売が最悪の被害として挙げているのは、ストーカー殺人に至った東京のケースです。犯人はインターネットで探偵会社に金を払って被害者の携帯番号を基にマンションの部屋番号を入手し、忍び込んで殺害をした。しかし、携帯電話会社は、電気通信事業法に従っている、当社から探偵会社に漏れることはあり得ないと、こう言っている。
  そこで、この犯人あるいは探偵社及び電話会社に個人情報に関する刑罰は適用されるのかどうか、また、こういう情報犯罪的なマーケットがかなりの大きさで存在しているのではないか、こう思うんですが、警察庁と総務省に伺いたいと思います。
○政府参考人(栗本英雄君) 今のお尋ねでございますが、私ども、具体的に情報漏えいにつきましての罰則がどうなっているかという話だと思うんですが、電気通信事業者等につきましては関連する法律がございますし、それからまた、事業者ということであれば、その具体的な漏えいにかかわる犯罪態様によって刑法なり他の犯罪が成立することはあり得るかと思いますが、その他につきましては現在のところ承知をいたしておりません。
○又市征治君 情報犯罪はないと。
○政府参考人(栗本英雄君) 情報犯罪につきましてはですね。ただし、先ほど申しましたように、電気事業通信者等においてその種の規制がなされていることは承知しております。
○政府参考人(鍋倉真一君) 電気通信事業法におきましては、事業者が取扱中の通信について、その内容だけではなくて、個々の通信を行った者の氏名ですとかあるいは通信時間等も含めて、そういったものを正当な理由なく知ること、つまり盗聴などですけれども、そういったことによって知り、それを外部に漏えいすることなどを通信の秘密侵害罪ということで、電気通信事業法四条及び百四条で罰則をもって禁止をしているところでございます。
  この事業法の通信の秘密侵害罪の規定は、電気通信事業者に従事する者が行う行為については一般の者が行うものよりも重く処罰することになっておりまして、事業者による情報漏えいに対して一定の抑止力があるものというふうに考えております。
○又市征治君 情報マーケットの問題はお答えがありませんでしたけれども、先に進みますが、次の二つも民間個人の犯罪ですけれども、どちらも準公共的な団体がターゲットにされて、多数の一般市民が被害に遭いました。
  この人たちは恐らくそれを知らされてもいないんではないかと思うんですが、九四年十二月、東京の江戸川区医師会の健康診断データ八万七千人分が盗まれた事件。また、九六年八月、全国信用情報センター連合会の顧客情報八十五万件が盗まれた事件。これらは個人の病歴や負債額という最も知られたくないいわゆるセンシティブ情報が売られたわけでありまして、利用されれば本人の被害は二度と取り返しが付かない、こういう中身なんだろうと思います。
  窃盗とは別に、これらの個人情報の漏えいや利用が損害賠償の対象になるのかどうか、また、この二つの団体はどんな責任を負うことになるのか、同じく警察と総務、両方からお聞きしたいと思います。
○政府参考人(栗本英雄君) ただいまの御質問の民事上どのような責任を問うかということにつきましては、警察としてお答えする立場にないと存じておりますので、御容赦いただきたいと思います。
○政府参考人(鍋倉真一君) 私どもの場合には、電気通信事業者の通信の秘密を侵すというか、そういう場合には事業者としての規定ございますけれども、これはそれとちょっと関係のある話ではございませんので、私ども、ちょっと答弁をできる立場にございません。
○又市征治君 極めて重大なこの問題が両方から答えができない。どこだったら答えられるんですか、これは。私は、このこと自体、こういうことについてお答えができないこと自体が、個人情報保護法案を差しおいてオンライン三法を審議することに無理があるんではないかということを如実に示しているような気がしてならぬのですね。
  そこで次に、行政の問題をもう少し取り上げます。
  行政の個人情報漏えい事件ですけれども、事もあろうに警察官が犯した事件が三つありました。犯罪性は明らかですから、挙げるだけにしておきます。八九年、大阪府警と香川県警の持つ犯歴データ五十数人分をセントラルファイナンスに売った事件。それから、二〇〇〇年五月、東京大井署の巡査部長が犯歴など四十人分を探偵社に売った事件。そして、昨年十二月、茨城県取手署の副署長が運転免許情報十三人分を漏らし、それが詐欺に使われた事件です。もちろん、一般公務員の事件もあります。ところが、総務省は、行政職員には国家公務員・地方公務員法上の守秘義務があるから十分だと、こうおっしゃる。では、なぜ公務員の、また住基などの行政情報の漏えいが後を絶たないのか。
  ここは大臣にお聞きしたいんですが、倫理とか罰則とかあるいは技術的対応を言うよりも前に、どうも社会的、経済的な理由があるんじゃないのか、こんなふうに私は思いますが、大臣、どのように思われますか。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、委員が言われたのは個々の法律の問題ですよ。それから、犯罪に属するようなことは、これはもうどんな社会でも不心得な人がおって犯罪を犯すのはしようがないんで、したがってそれに対しては刑法その他の罰の規定がしっかりあるので、民事なら民事でいろいろやれるんですから、それぞれの法律に基づいて行政をやっているんですから、何でもそれは全部どこかの責任だなんということはあり得ない。法律を十分にあれして御質問いただけたら大変有り難いと思います。
○又市征治君 いや、一番最後に聞いたことを全然お答えにならぬのですが。
  だから、私さっきから挙げているように、具体的に国民の中にこうやって情報がどんどん漏れている、そういうことに対しての心配があるから、そこらの例を挙げながら皆さんと議論をして、そういう意味で国民の不安を払拭するならする。そのことをお聞きしているときに、それぞれの犯罪はどこにでもある、こんなお話じゃ話にならぬじゃないですか。
  私は、今こういう意味で公務員の場合でも行政情報の漏えいが後を絶たない幾つかの例がある。理由は簡単だろうと思うんですね。行政の個人データは極めて正確で、しかも秘密が多くて金になる。こういう状況になってマーケットができている、こういうことが言われているわけですね。
  名簿業者は住民基本台帳の閲覧に一件三百五十円ぐらい払った上で、書き写す人件費を含めると五百五十円以上掛かるそうですけれども、ところがそれを百五十円から三百円で売っている。それでも元が取れると、こう言われる。なぜなら、複数の客に転売ができるから元を十分に取れると、こう言われているんですが、旧自治省の通知では、販売のおそれがある場合、市町村長は閲覧を拒否できる、こういうふうにあるわけですね。だけれども、売買は横行している。現実に先ほどから申し上げたようなそういう実態が出ておる。事もあろうにそういう行政機関、警察から犯歴の問題が流されてみたり、あるいは健康診断のデータ八十何万人というのが出回っている、こういう格好になる。
  市町村が業者の書いた利用目的を、じゃ、一体全体、追跡調査できるか。先ほども質問ありましたように、担当者一人しかいない、二人しかいない、こんな格好の中で、販売のおそれがある場合、市町村長は閲覧を拒否できる。だけれども、このことの一体全体、追跡調査できるかといえば全く不可能になっている。こういう状況が現実だろうと思うんですね。しかも、発覚しても過料はわずか十万円という、現実の法律はそういう状況ですね。そんなことが横須賀市だとか豊田市あるいは浜松市でも問題になっている、こういう状況にあります。
  そこで、改めてお聞きをしますが、総務省はこういう住基データのこんな危険な現実というものについてどのようにお考えになっているのか、改めて、行政局長ですか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(芳山達郎君) ただいまの先生御指摘ありました旧自治省の課長通知でございますけれども、住民基本台帳制度そのものは基本四情報については閲覧に供されるということですが、同時に、また不当な目的が明らかな場合等々におきましては閲覧を拒めるという具合になっています。その具体的な例として、先生御指摘のありました課長通知で、住民基本台帳の一部を閲覧し、住所、氏名等を転記して住民名簿を作成する、また頒布、販売するような行為を行うおそれがある場合等々については閲覧が適切に行われるように指導、助言を行っているということでございますが、この点、現在の住民基本台帳の事務は自治事務でございますけれども、制度の趣旨に沿って適切に行われるように、改めて再度我々としても研修会等で趣旨の徹底を図ってまいりたいという具合に思っています。
○又市征治君 局長ね、もう一遍改めてお聞きをしますけれども、現実にこの市町村がこうした販売のおそれがある場合に市町村長は閲覧を拒否できるとあって、目的が正当であるかどうかということを言っておられるわけですね。だけれども、現実にこれ追跡調査できますか、今の市町村の実態において。ここのところを、ここが一番問題ではないかと、こう申し上げているんで、ここの点についてのあなた方の実態把握、そしてその点でこういう危険性が一面あるんじゃないのかと私はお聞きしているんですが、その点についてもう一度改めて。
○政府参考人(芳山達郎君) 確かに先ほど御議論ありましたけれども、小規模自治体における職員の兼務の実態等々についてなかなか厳しい状況もあろうかと思います。
  ただ我々としては、住基法自身が自治事務ということで各市町村で工夫しながら運営していきたいと、いかなければならないと思っていまして、住民の閲覧についても、昨今いろいろ地方団体が知恵を発揮しながら閲覧についての工夫をされておるという具合に聞いております。例えばDV法に対応する閲覧の仕方等々もありまして、地方団体はいろいろ工夫しながら、やっぱり今の人員の中で適切な対応をしていただきたいという具合に思っています。
○又市征治君 今お聞きのとおり、そういう意味では小規模自治体などについていえば、こうした追跡調査などできる実態にない、そういう意味では是非いろいろと工夫をしてほしいと、希望的な観測という格好になっているのが現実だろうと思うんですね。そこが非常に心配だと、こう申し上げているわけです。
  そこで、次に進みますが、そういう観点で最近極めて大きな漏えい事故があったのは、前にも挙げましたけれども、京都府の宇治市だったと思うんです。九九年五月に全市民二十二万人分の住民票データがネットで販売されたと、こういうふうに「日経コンピュータ」という雑誌に掲載をされています。
  市は市民からプライバシー侵害で提訴をされて、地裁判決で賠償を命じられた。市はこれに控訴をされている。その趣旨は、プライバシー侵害については市としては認めるけれども、しかし、孫請まで管理することは不可能だと、こう言っているわけですね。このとき、この雑誌に載った担当の課長の言い分は、判決を容認すれば全国の自治体に迷惑を掛けるというものですね。ちょっとこれはもうどういう感覚なのかと、こう思うんですが、これではもう役所と住民の利益を全く取り違えている、こう言わざるを得ません。住民は、何も他のデータと結合したり外部に答えたりすることを望んではいるわけじゃありませんよね。むしろ厳重に管理をしてもらわなきゃ困る、こう思っているんだと思うんです。
  そこで、八月の住基ネットの稼働でデータが外部に出る機会が極めて多くなるということになります。さらに、今度のオンライン三法でどのぐらい増えるのか。ほんの一例ですが、身近な事務の件数を総務省からいただいた資料を抜粋で二枚つづりで私は今日資料でお出しさせていただきました。これについてひとつ御説明をいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(芳山達郎君) 住民基本台帳に基づく本人確認情報の提供については、法律の別表で事務を確定をしておるということでございまして、これらの情報を住基ネットから本人確認情報を確認するという具合になっておって、新たに追加情報が六情報以外に増えるわけじゃないというのを前提でございます。
  今、代表例で申しますと、十一年の改正、今年の八月から施行された分でございますが、地方公務員共済組合における年金受給者の本人確認情報を年六回ということでございます。また、厚生省における戦傷病者戦没者遺族等援護法の年金受給者の本人確認情報を年八回。また、恩給受給者の本人確認情報を年四回等々でございまして、本人確認の情報を確認することによりまして、現況届を本人からもらうことをなくするというようなこと等でございます。
  今回、行政手続オンライン法案に基づく住民基本台帳の改正によりまして利用事務を追加をしておりますが、その中身としましては、一つは、社会保険庁におきます国民年金、厚生年金の年金受給者の本人確認情報を年六回確認をする等々でございます。また、法務省において不動産登記の申請者の本人確認情報を確認をするということで年間千二百万件等だと。
  そのほか、これは国の事務等々でございますが、別表三、四、五におきましては地方団体の利用事務もございまして、地方団体の事務の代表例として、都道府県の事務のパスポートでございますけれども、パスポートの発給者の、申請者の本人確認情報、年五百万件ぐらいでございますけれども、利用を予定しているところであります。
  これにつきましては、もちろん、先ほど申しましたように、新たに個人情報を取得するものでなく本人確認をするための事務の追加でございますので、御了承いただきたいと存じます。
○又市征治君 ちょっとさきにもう一遍戻りますけれども、さっきの宇治市の問題で、この内容、どうも犯人は孫請の大学院生だったということのようですが、このことについてどういうふうな結末になっているか、これについてもう一度お知らせをいただけますか。
○政府参考人(芳山達郎君) 具体的に、手元に概要のみでございますけれども、宇治市の事案は、住民基本台帳のデータの中で乳幼児の健診システムの開発について、再々委託先のアルバイトの従業員における四情報以外の情報の持ち出しということが指摘をされたわけでございまして、使用者責任が争われたというような事案でございます。
  現在、判決、争っている最中ということでコメントは差し控えますが、住民基本台帳そのものは、法律に基づいて、地方団体のみならず委託業者についても刑罰を科しておりまして、今回、緊急時対応計画で、再委託、再々委託については厳重に管理するようにということでセキュリティー計画を作らせていただいております。
  なお、宇治市については、今聞きしましたら結審をしているということのようでございます。
○又市征治君 聞いたところによると、市は告発したけれども検察が不起訴にしたと、理由は保護条例が事件後にできたからだと、こういうことだったようですが、もしそれが間違いでしたら後でまたお知らせいただきたいと思いますが、そんなふうに聞いています。
  さて、もう一度戻りますが、今ほど説明がございました厚生年金、国民年金だけでも、今までは年一回だったけれども、本人手書きのはがきによる手続だったわけですね。これを年六回に増やし、しかも本人の知らないところで電子的にやるということになるわけで、住民ネットと照合するから、先ほど来お話しになっていることを含めますと二億件近いデータがそういう意味では飛び交うということになるんじゃないか。こういうリスクを極力冒さないで慎重にやるしかないだろうと、こう思うんです。
  役所の利便よりもやはり住民の情報の安全、こんなことが優先をされるべきだろうと、こう思います。住民のプライバシーを預かっているんだという観点、そういう視点に立って、住基という最も基本の個人データをより慎重に扱うべきだろうと、こう考えます。
  大臣は、先ほどもおっしゃっていますが、四項目だけだ、今も公開している、閉じたシステムなんだと、こういうふうにおっしゃりますけれども、一体それで、先ほど来からずっと申し上げてきたように、正直言って、この情報漏えいなどというのが後を絶たない、保障になっていない、こういうことがあるわけで、今日も取り上げたたくさんの事件、事故の例で明らかだろうと思うんです。
  そこで、大臣、本当に慌ててオンライン三法、具体的には第二の整備法案の中で、この住民基本台帳ネットワークの利用を拡大する条項というのは当面、しばらく、もう少し差しおいたらどうですか、個人情報保護法がきちっと作られるまでということについて、改めて大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 法的には個人情報保護法と何の関係もない、住基ネットは。何度も申し上げているんです。それから、委員が言われているのは、これは閲覧の問題で、むしろその孫請か何かで漏らしたというのは、秘密漏えいの問題じゃないんですよ、閲覧の在り方の問題なんですよ。
  これはこれで考えるべきだと思いますし、これで厚生年金や国民年金がつながれたら今言われた数だけ便利になるんですよ。つながれることによって何のあれもないんです。情報をつなぐわけじゃないんですよ、本人を確認するだけなんですよ、行政機関は。情報がすぐ、それがつながって名寄せされたりマッチングするようなことを言われますけれども、それは全くの誤解ですから。安全だから一つも問題がないんです、今まで。
  それは機械や何かのトラブルはありますよ。それから、職員の不慣れはありますよ。しかし、基本的には、何度も言いますけれども、本人の確認をやるだけなんですよ。だから、一億でも一億二千万でも、それだけ国民の皆さんの負担が軽くなるんですよ。
  ただしかし、それでも我々は、何度も言いますように、セキュリティーやプライバシー保護には万全を期します。
○又市征治君 えらいそこになると力が入って、総務大臣、余り感情的に物をおっしゃるけれども、現実に、じゃ、さっきからお聞きになっている委員の皆さん、みんな納得されているだろうか。私は、そういう意味では非常に、先ほど来も例を申し上げたように、現実に情報漏えいの問題はやっぱりあると。いや、漏れても、それは今の問題は一つも問題ないものばかりだと、こう大臣おっしゃっている。どうも擦れ違っている、私は議論が逆立ちしているように思うんですね。
  更に審議を続けるとともに、私は、できれば、委員長、参考人の招致を是非提案をし、もう少し論議を深めていただきたいということを提案をしたいと思います。
  最後に、職員の問題について一言述べておきたいと思うんですが、職員は、扱う個人情報が増える、ネット化で漏えいの危険が増える、今後は孫請への監督義務まで負わされる、仕事上の重圧はますます増える。罰則も必要だろうと思いますけれども、職員を責めることよりも、本筋は、みだりに個人情報を結合したり外部に利用を許すなどの住民の不利になる利用をしないということ、役所全体の情報利用を自己規制することこそが必要なんではないかということを申し上げて、本日のところは終わりたいと思います。
  ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
    午後四時二十六分散会