運営「郵便法改正案の審議・採決ほか

(平成14年11月26日参議院総務委員会会議録より抜粋)


(前略)
○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
  まず、委員の異動について御報告いたします。
  昨日、高嶋良充君が委員を辞任され、その補欠として朝日俊弘君が選任されました。

     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
  郵便法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省郵政企画管理局長團宏明君及び郵政事業庁次長有冨寛一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。
  本案の趣旨説明は去る二十一日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○山内俊夫君 おはようございます。一年ぶりの質問でございまして、攻守を変えた形になっておりますので大変戸惑っておりますけれども、丁寧にやらせていただきますので、よろしくお願いいたします。
  今回のこの郵便法の一部を改正する法律案というのは、国の損害賠償責任の範囲を免除又は制限している郵便法第六十八条及び七十三条の規定が部分的に憲法違反であるという最高裁判所の判決を受けて提出されたものである、そのように理解をいたしております。
  そこで、現行郵便法第六十八条及び第七十三条における損害賠償制度とはどういうものか、まずお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(團宏明君) お答えいたします。
  現行の郵便法の六十八条それから七十三条の規定の内容でございますが、これはいずれも、この規定によりまして郵便物に関する損害賠償の対象及び範囲に制限を加えているものでございます。
  このうち、現行の郵便法第六十八条第一項でございますけれども、ここにおきましては、郵政事業庁長官が損害賠償をする場合を、郵便の中で書留郵便物や普通小包郵便物を亡失、毀損した場合、それから代金引換郵便物を引換金を取り立てずに交付した場合というふうにしておりますとともに、この二項におきまして、賠償額につきましても書留郵便物や普通小包郵便物については総務省令で定める額以内とし、また代金引換郵便物についてはその引換金額というふうにしているところでございます。
  また、七十三条でございますけれども、このような損害賠償を請求することができるものにつきまして、この七十三条におきましては当該郵便物の差出人又はその承諾を得た受取人に限定するというふうな規定を置いているところでございます。
  これらの規定につきましては、郵便の特質からしまして、郵便の役務をなるべく安い料金であまねく公平に提供するというために、この損害賠償のいろんな手続による負担を軽減するということから、こういう趣旨の規定が置かれているというものでございます。
○山内俊夫君 この郵便法の損害賠償制度については、去る九月十一日、最高裁判所は部分的に違憲であるという判断を下しております。今回の最高裁の判決の内容についてお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(團宏明君) 御指摘の最高裁の判決でございますが、まず、今申しましたような郵便物に関する損害賠償の対象及び範囲を限定している目的というものについては一応正当なものと言っております。これは、この郵便の制度が極めて重要な社会基盤の一つであるということと、それから多数に大量に出される、それからほとんどが無記録であると、こういうことからしまして、目的は正当と言っております。
  しかしながら、違憲と指摘があった部分につきましては二つございまして、一つは書留郵便物でございます。
  この書留郵便物についての制限につきましては、記録が残っておるという郵便であるにかかわらず先ほど申しましたような制限をするということにつきましては、元々、こういう郵便業務従事者が故意又は重大な過失によってこういう損害を与えた場合にまでこの責任を制限するということについては、これは憲法十七条に違反して無効であるというふうに言っております。
  また、さらに特別送達の郵便物でございますけれども、これにつきましては、裁判所から差し出される訴訟関係書類等を内容とするという取扱いでございます。言ってみれば、国民の権利を実現する手続の進行に不可欠な取扱いであるというものでございます。こういう郵便物の性格をかんがみまして、この場合は書留郵便物以上に、郵便業務従事者の故意又は重過失のみならず軽過失による不法行為による場合にも、これは損害賠償責任を免除することは憲法十七条に違反して無効であるというふうにしているものでございます。
  このような最高裁の憲法判断が示されましたので、この憲法判断に従いまして、今回、このような違憲状態を解消するというための改正案を提出しているものでございます。
○山内俊夫君 そうしますと、今回の改正そのものは、郵便法の中で最高裁判所において違憲、憲法違反とまずは判断された部分の解消を図るものであるという理解をしてよろしいですね。
  それで、一言で言えば、郵政事業庁長官は郵便の業務に従事する職員の故意又は過大な、重大な過失によりまして郵便サービスが適切に提供されなかった場合について損害賠償責任を負う仕組みを設けるものであると、このように理解しておりますが、ここで副大臣にお聞きしたいんですけれども、今回の改正によりまして国の損害賠償の範囲が拡大される部分について、少し具体的にお聞きをしたいと思います。
○副大臣(加藤紀文君) 今、先生のお話がありましたように、今回の最高裁の判決を受けまして法改正をするわけでありますが、具体的な内容ということでありますから、お答えさせていただきますが、郵政事業庁長官は、郵便の業務に従事する者の故意又は重大な過失により、書留郵便物等郵便法令の定めるところにより引受け及び配達の記録をする郵便物に係る郵便の役務をその本旨に従って提供せず、又は提供することができなかったときには、これによって生じた損害の賠償責任を負うものとすると。
  この場合には、特別送達の扱いその他総務省令で定める取扱いに係る郵便の役務については、重大な過失に至らない過失による場合にも同様に損害賠償の責任を負うということでありますが、この場合、これらの損害賠償については、現行の損害賠償の請求することができるものの制限に関する規定を適用しないで、差出人及びその承諾を得た受取人以外の者でも損害賠償の請求ができるということであります。
○山内俊夫君 今回の改正後において、郵便法第六十八条第一項はそのまま残っているようでありまして、引き続きこの規定に損害賠償をも行うように見えるんですけれども、現行の損害賠償制度はどうなるのか、ここのところをお聞きをしたいと思うんですが。
○政府参考人(團宏明君) 御指摘の現行の損害賠償制度でございますけれども、これは先ほど申しましたように、一定の損害賠償責任の限定をしておりますが、他方、例えば書留郵便物などにつきましては、郵便の業務に従事する者の故意又は過失の有無にかかわらず損害賠償を行うというふうなことをやっておりますし、画一的な手続によって迅速かつ簡便に賠償を受けられるというメリットもあるわけでございます。したがいまして、このような利用者にとっても有利な面もあるということから、このことは、この制度は引き続き存置するということにしているところでございます。
  存置するわけでございますけれども、さらに、先ほど申しましたように、この故意又は重大な過失によりまして書留郵便物などの亡失、毀損が発生した場合には、これに加えまして損害賠償の請求ができるということにいたしまして、そういうことで、限定しているという要素は除きましたけれども、これ、簡便な制度は残して、更に賠償請求ができるというふうな制度にしているわけでございます。
○山内俊夫君 今の答弁によりますと、現行の損害賠償制度は存置した上でということになっております。新たに損害賠償範囲を拡大するということでありますけれども、今後、この改正によりまして、郵便局職員の故意又は重大な過失によって郵便の役務を本旨に従って提供しなかった場合、これにより生じた損害を賠償する責任があるということになってまいります。そのために、責任が生ずる場合は、めったにないとは思いますけれども、仮にたくさん出てきた場合、郵便の事業財政にも大変影響が及ぼされると思うんですが。
  そこで、郵便局の取扱いきちんとされるように郵便局の職員に対する指導をまた一層徹底していく必要があるんではないかと思うんですが、損害賠償の範囲が拡大されることに伴いまして、郵便局の職員に対する指導は今後具体的にどのようにされるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) お客様にお約束をした郵便の役務をきちんと提供するというのは、今、先生御案内のとおり、事業にとっても大変重要なことであり、また職員にとっても大事なことでございます。
  したがいまして、このことを十分認識した上で、郵便局の職員あるいは運送受託者も含めてでございますが、郵便物をしっかり届けるということでより一層の指導を徹底を図りたいと思っておりまして、既に九月の十一日に判決がありましたので、その日のうちに全国の郵便局に対しまして、書留とかあるいは特別送達の郵便物につきまして、正規取扱いの励行ということについて一層留意するように、ひとまず通達を流しておりますけれども、今回この法改正が行われますと、この内容やあるいは関係の郵便物を始めとする正規取扱いの徹底につきまして、通達等によりましてより徹底した指導を行いたいと思います。
  また、現在は、特別送達郵便物の受取人対応とかあるいは還付ということにつきましては配達人自らがやると、こうなっておりまして、チェックが働いておりません。したがって、今度は役職者がチェックをするというダブルチェック体制を取り入れていきたい、このように思っておりまして、これらいろいろな対策を続けながら、郵便物の正規取扱いの徹底につきまして指導の強化に努めてまいりたいと、このように思っております。
○山内俊夫君 最後の質問になろうかと思いますけれども、大臣にお伺いをしたいと思います。
  今回の判決というものは、これはもう憲法違反ということではありますけれども、単に法律論ということに絞ってあれこれ言うんではなくて、基本的にはきちんとした取扱いを、郵便の取扱いをやるということによって国民の信頼を十分高めていくと。今回、百五十四国会でも随分議論されました公社化、これが法案も通りまして、公社化を控えまして、国民の郵便に対する信頼を更に確固たるものにしていくということについて、大臣の考え方、また方針をお聞かせいただけたらと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 既に質問、答弁のやり取りで当方からもお話ししておりますように、郵便局は国民の皆さんの大切な手紙や小包をお預かりしてお届けすると、こういうことでございまして、そういう意味では、既に私どもの通達でありますように、速く正確に丁寧にと、こういうサービスを更に徹底してまいりたいと、こう思っております。
  今までの郵便法は、国がやるんだからそんなに間違いは起こさないはずだと、そういうことで、損害賠償の幅を限定しておったんですね。しかし、今の憲法を頂点とする法体系からいうと、ちょっとやっぱり国の方に傾斜したような法律の定め方であったものですから、もう少し常識的に広げると、こういうことでございまして、私はそれは、今回の最高裁の判決は合理性があると思いますね。書留については、重過失や故意は、これは賠償責任の対象にする、特別送達の扱いについては更に軽過失まで入れると。
  こういうことでございまして、これは、今のいろんなことから考えると私はやむを得ない判決だと思いますので、これを受け入れて、今回違憲状況を解消すると、こういうことにいたしたいと思いますが、今後とも郵便物に対する国民の信頼を更に向上さしていくと。今も相当信用あると思いますよ、郵便局は。しかし、更に向上させていきたいと思いますし、特に来年の四月から公社になるわけでありますから、公社になって、何度も言いますように、良くなったなと、こういう国民の皆さんに実感を持っていただくためにも、職員の皆さんに対する啓蒙、指導を徹底してまいりたいと、こういうふうに思っております。
○山内俊夫君 以上で終わります。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
  郵便法の一部改正案に対しまして御質問をさせていただきます。
  まず、昭和二十三年一月一日から施行された現行の郵便法、現憲法の施行後、その精神に即した法律とするために、それまでの郵便法に規定されていた郵便事業保護のために国民の自由及び権利並びに司法権行使を制限する規定を廃止するなどの措置が講ぜられたものとお聞きしております。そのような郵便法の規定が、部分的にとはいえ最高裁大法廷において憲法違反との判決を受けたことに対して、総務大臣はどのような御感想あるいは感慨をお持ちであるか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 先ほども山内委員の御質問にお答えしましたように、今回の最高裁判所の判決については真摯に受け止める必要があるなと、こういうふうに思っております。先ほども言いましたが、現行郵便法の規定はやっぱり今の常識から考えると少しというところがあるわけでございまして、そこを最高裁大法廷が指摘されたわけでありますから、できるだけ早くこの違憲の状況を解消するということがこの国会に郵便法の一部改正案を提出させていただいた趣旨でございまして、是非早い成立の後、これを機に更により一層郵便のサービスや信頼の向上に努めたい。特に、公社化を控えておりますし、そういうことを徹底してまいりたいと。そういう意味では、この判決を、繰り返しになりますけれども、真摯に受け止めて、適切な対応をいたしたいと考えております。
○辻泰弘君 以下、今回の改正案の条文に即して御質問申し上げたいと存じます。
  今回の改正案の第六十八条第三項では、引受け及び配達の記録をする郵便物を記録郵便物と呼ぶこととされているわけでございます。その記録郵便物が指すところの郵便の形態を具体的にお示しください。
○政府参考人(團宏明君) 御指摘の記録郵便物、改正案の六十八条三項で規定してございます。
  これは、判決にもありますように、郵便のうち、引受け及び配達の記録をされているということからこの賠償責任を負うべきだということになっておりますので、こういうものを記録郵便物として考えるわけでございますが、このうち、郵便法で既に書留郵便物、小包郵便物、代金引換郵便物というものは書かれておりますので、これは明らかでございますが、省令におきまして特殊取扱いである配達記録郵便物が該当するというふうに考えております。これは、省令におきまして、もちろんほかにもこういうものがあれば、引受け配達を記録するものがありますとこれを加えることになってまいりますが、現行ではこの配達記録郵便物というものに限られるものというふうに考えております。
○辻泰弘君 同じく第六十八条三項の「郵便の役務をその本旨に従つて提供せず、」と条文があるわけでございますが、その本旨とは何を指すのか、お示しください。
○政府参考人(團宏明君) 元来、この損害賠償につきましては、国家賠償法、それから民法によるものと、でありますが、その例外を決めているのは郵便法でございます。そこで、民法に限りますと、民法第四百十五条に債務不履行による損害賠償の要件ということがございまして、「其債務ノ本旨ニ従ヒタル履行ヲ為ササルトキ」というふうになっておりまして、これと同じ原則を、この郵便の役務をその本旨に従って云々というふうなことの規定を置かしていただいているわけでございます。
  この本旨といいますものは、この郵便の場合には、例えば記録郵便物につきましては、元々安全かつ確実に送達をするということで契約をしているわけでございますので、例えば亡失するとか、それから毀損するとか、送達の遅延とか、こういうものにつきましては、この記録郵便物というものを引き受けた契約の本旨に反するということになるものというふうに考えております。
○辻泰弘君 また、第六十八条三項には、「これによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる。」とあるわけでございますが、賠償の仕方、考え方については事前に何らかのルールを示されるおつもりでしょうか。
○政府参考人(團宏明君) 損害賠償する場合が重大な過失による場合というふうなことでございますので、この重大な過失といいますものは、通例ほとんど故意に近い、著しい注意欠如の状態というふうなことと考えております。したがいまして、どういうケースがこれに当てはまるのかということは非常に、郵便の利用の状況とか、あるいは職員の職務の状況ということによりましていろんなものが出てくると考えております。
  したがいまして、そのすべてのケースを網羅するのは不可能だと思いますが、これは職員の指導に当たりましては、当然、日常指導しておりますが、例えばの例で申しますと、例えば書留郵便物、これは価値のあるものを配達するわけでございますので、放置することなくかばんを付けて携帯してやっているわけでございますが、こういうものを例えばバイクに漫然と放置してそれを盗まれるとか、そういうふうなこととか、例えば自動車で配達する場合に、施錠を当然しまして盗まれないようにするというふうなことがありますが、こういうふうなことを、施錠しないで、落としてしまうとか、例えばそういうふうなことがなきにしもあらずなんですが、こういうふうな場合にはやはり重大な過失ということを言えるんじゃないかと思いますが、非常に限定的に考えるのも難しゅうございますので、職員指導は徹底して行うということになりますが、どういうケースが重大な過失であって、どういう場合が軽過失であると、ちょっとそういう区分けというのは、列挙するのは困難ではないかというふうに考えております。
○辻泰弘君 第七十三条、特定の場合の損害賠償の請求権者の規定の改正によりまして、現行の損害賠償の請求権者に関する規定は第六十八条第一項の規定による損害賠償に適用されることとなるわけでございます。同時に、第六十八条三項にかかわる請求の領域が生まれ、トータルとして請求権者の範囲が拡大されることとなるということだと思います。
  そこで、お伺いしたいんですが、このことによってこれまでの差出人、受取人以外にどのような人が請求権者となり得ることになるのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(團宏明君) 御指摘のとおり、請求権者の範囲が広がるということになるわけでございます。そこで、現在は差出人、郵便を出した人、それからまたその承諾を受けた受取人だけがこの請求ができるということになってまいりますが、今回は、改正によりますと、それ以外の第三者であっても実際に損害を被ったという方がすべて請求できることになります。
  例えばどういうことが考えられるかという御質問でございますけれども、例えばでございますけれども、郵便の請求人、郵便物を出した方がおりますけれども、その内容に例えば契約の書類が入っておったと。契約の書類が届かないために、もちろん請求人でも受取人でもない第三者が損害を受けたと、こういうことは十分あり得るわけでございまして、例えばそういうふうな第三者も今回は請求ができるというふうなことで、請求人の範囲が広がるというふうに考えておる次第でございます。
○辻泰弘君 第六十八条第四項に規定されている特別送達を行うことがあり得る主体をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(團宏明君) 御指摘の特別送達の取扱いでございますが、これは民事訴訟法の規定がございまして、この規定に掲げております方法によって送達をするというふうにされているものでございます。
  一般には裁判所から差し出されるものでございますけれども、このほかに民事訴訟以外の個別の法律によりまして、この民事訴訟法の規定によって送達するというふうな規定がございます。例えば、これを出す主体としては裁判所のほかに、例えば公証人とか、それから公正取引委員会、特許庁、公害紛争処理を行う公害等調整委員会、検察審査会の事務官から差し出されると、こういうものが例えば公証人法とか、破産法とか、独禁法その他の法律によりまして規定がありまして、今申し上げたようなところがこの特別送達を行うということがあり得る主体であるというふうに考えております。
○辻泰弘君 第六十八条第四項に規定される「その他総務省令で定めるもの」とは何を想定されておられるのか御説明ください。
○政府参考人(團宏明君) 御指摘の第六十八条第四項の総務省令、ここにおきましては、特別送達と同等の特殊性を有する取扱いというものを規定することにしてございます。
  具体的には、内容証明の取扱いをした文書が、民法施行法第五条によりまして確定日付のある証書に該当するということになりまして、裁判上、その日付に関して完全な証拠力を有するというような法的効果が付与されております。したがいまして、これは特別送達と同等のものとして取り扱うべきというふうに考えておりまして、内容証明の中でこの確定日付を付する取扱いというものをこの第四項の総務省令で規定すべきものというふうに考えております。
○辻泰弘君 今回の改正案の附則の中で規定されている経過措置においては、第六十八条第三項に規定する損害であって、改正法の施行前に生じたものについても損害賠償の適用対象とされているわけでございますが、それは当然のこととして、第六十八条第四項の特別送達についても適用対象となるものと考えるのが筋かと思いますが、それでよろしいでしょうか。
○政府参考人(團宏明君) 御指摘のとおりでございます。
  第四項は重大な過失と過失の違いを定めておるわけでございますけれども、第四項の特別送達につきましてもこの附則の適用はあるものでございます。
○辻泰弘君 同じく経過措置の規定により、施行の日より一年以内に起こった事案についての賠償請求を、施行の日より一年が経過するまでの間行うことができると、そのような理解でよろしいですか。
○政府参考人(團宏明君) 御指摘のとおりでございます。
  本法の施行の日以前一年以内に差し出された記録郵便物については、御指摘のとおり今回の経過措置の対象となります。それから更に本法の施行の日から一年経過するまでの間、賠償の請求ができるということになるわけでございます。
○辻泰弘君 今回の法改正により整う日本の郵便物に対する賠償制度は、世界的に見て手厚いものになるというふうに言えるんでしょうか。
○政府参考人(團宏明君) 郵便の取扱いにつきましては、諸外国、多少の違いがございますけれども、やはりこの郵便の特質からして損害賠償制度につきましてはいずれも一定の制限を設けているというふうに理解しております。
  例えばでございますけれども、アメリカにおきましても保険付き郵便物とか代金引換郵便物、書留郵便物、急送郵便物の亡失、毀損の場合に損害賠償するというふうなこととしておりまして、そういう、逆に言いますとこれ以外はしないというふうな規定で今の郵便法の規定に似た規定になっております。
  この今回の改正によりまして、故意又は重過失の場合に、これ以外の郵便物につきましても損害を賠償する責任を負うという仕組みを作るわけでございまして、世界的な、諸外国と比較しても今回の改正が実施されますと日本の損害賠償制度はかなり範囲が広くなる、世界的に、諸外国と比べても少し広くなるのではないかというふうに考えております。
○辻泰弘君 今回の最高裁での違憲判決につながったこの事案と同種の訴訟はこれまでにも多かったと聞いておるわけでございます。平成八年、平成十三年には最高裁まで争われ、国が勝訴した事案があったと聞くわけでございますが、これについて御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今の先生の御質問でございますが、二件ございまして、平成八年と平成十三年でございますが、まず平成八年の最高裁判決でございます。
  これは、死亡保険金の差押命令、これを内容としています特別送達郵便物が受取人に受領拒否をされました。原告は、郵便局が当該郵便物を裁判所に還付した、そのことによって保険金を差し押さえられなかった、これは郵便局の配達の際の過失であるということで問題提起をしたものであります。
  第一審は、郵便法第六十八条を引用いたしまして、国の賠償責任、書留郵便物の亡失、毀損あるいは代金引換郵便物の引換金の取立て漏れ、小包郵便物の亡失、毀損の場合にのみ賠償責任を負うということとされているので、本件はこれに該当しない、したがって国は賠償義務はないということが第一審。第二審は、さらにこれに、郵便法六十八条につきまして、郵便事業の特質と目的に照らせば十分な必要性と合理性が認められるから憲法十七条に違反しないと、こういうようなことで、国が勝訴というふうになっております。
  それから、もう一つの平成十三年の最高裁判決がございますが、これは銀行から差し出されましたキャッシュカード、これを簡易書留郵便物ということで配達をしたということでございますが、その際に受取人がいなかったということでございます。それを第三者が、不在配達通知書というものがありますが、それを盗みまして、偽造をした委任状で郵便物を受け取ってキャッシュカードを悪用して原告の預金を引き出したという事案でございまして、原告の方は、不在配達通知書の配達の方法、窓口での郵便物の交付の方法、これについて郵便局の過失があったということで問題にしたものでございます。
  第一審、第二審、控訴審ともでございますが、郵便法七十三条を引用いたしまして、損害賠償のできる者は郵便物の差出人又はその承諾を得た受取人に限定している、本件においては受取人である原告は承諾を得ていないということで国に賠償義務はないという判示をされておりまして、さらに、憲法十七条に対しまして、この郵便法の損害賠償に関する規定は公共の福祉に沿った合理的なものであるので、憲法十七条には違反しないという判示もされております。
○辻泰弘君 今回の九月の最高裁の判決には違憲とする範囲について個別意見が出されておるように聞いておりますが、その内容はどんなものだったか、簡潔にお答えいただけませんでしょうか。
○政府参考人(團宏明君) 今御指摘のように、個別意見が二つ付いております。
  一つは、横尾裁判官という方でございますが、一つは、書留につきましては、賠償範囲は限定されておりますけれども、簡便な手続で賠償がされるという利点もありますし、定型的な事故処理を行うというためにも、こういう取扱いにつきましては憲法十七条に違反することはないのではないかという意見が一つございます。
  もう一つは、特別送達郵便物につきまして、上田裁判官という方の個別意見がございますけれども、これにつきましては、郵便制度の目的を達成するための調和のためには、軽過失によって不法行為に基づく損害が生じた場合には賠償責任を負わないということでよろしいんではないかと。つまり、多数意見は軽過失の場合にも責任を負うべきだと、上田裁判官につきましては軽過失による場合には負わなくてもいいんじゃないかというふうな二つの意見が示されております。
○辻泰弘君 以下、片山総務大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、昨日の参議院予算委員会におきましても小泉総理は、改革ということについてですけれども、郵政改革、将来の郵政事業の民営化という言葉でおっしゃっておられたわけでございます。かねがね小泉総理は郵政公社は民営化の準備機関という見解を示されてきているわけですが、総務大臣もこのような見解に立たれるんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 小泉総理は、持論ですからね、もう大昔から、郵政事業民営化が。だから、公社化もその過程である、したがって準備機関だと、こういう御見解をお持ちで、それはそれで私は結構だと思いますが。
  公には今の公社化までが国会の御承認を得て決まっておりまして、公社化から先は田中座長の郵政三事業懇談会が報告を出していますから、民営化を仮にするとすれば三つのパターンがありますよと。持ち株会社と、三事業を残しての民営、民営というか株式会社と、郵便だけをやって、あとは委託を受ける株式会社と。だから、これについて国民的な議論をしていただいて、国民の皆さんに選択をしてもらうと、こういうのが基本的な考え方ですけれどもね。
  ただ、今回の私は公社化では、仕事の中身は民営化と同じようにやってもらいたいと。民間の視点、民間の手法、民間の評価と、こういうことでございまして、もう民間的な経営を是非お願いしたいと。ただし、経営形態は国営公社、職員の方の身分は国家公務員と、これは国会で法律で決めていただいたことですから。
  だからそういう意味では、私は、国そのものから国営公社にしたということが、これはまた国に返すということにはなかなかならないだろうと。後戻りはできないと。ただ、公社化が最終なのか、その次に民営化に移行していくのか、これは国民の皆さんの公社の実績を見た上での御判断によるのではないかと、こういうふうに考えておりますが。
  総理は国会でも、民営化を最終的にはしたいと、こういうことは何度も言われておりまして、それはそれで私は一つの見識だと、こういうふうに思っておりますが、これは政府としてとか国としてそこまで決めたということには、御承知のように国会で最終的には御判断いただくことですから、決まっておるとは言えないと、こういうことでございます。
○辻泰弘君 そういたしますと、総理の見解は一つの見識ではあるが公のものではないというふうに考えるべきものでございますか。
○国務大臣(片山虎之助君) 総理のお言葉ですが、公のものですよ。それはもう何度も前の国会でも御議論賜ったんですが、公のものですけれども、それはこれから国民の皆さんが選ぶ選択肢の一つだと。総理の御持論は御持論としてと、こういうふうに政府の統一見解も、御承知のように、今日、ペーパー持っておりませんが、そういうふうに国会では明らかにさせていただいております。
○辻泰弘君 もう一つ、小泉総理がかねがね言っておられる言葉で、郵政事業の改革は構造改革の本丸だという言い方がございます。
  先般、十月三十日に改革加速のための総合対応策が出ているわけですけれども、それ以外の文案においてもそうですけれども、構造改革とは金融システム改革、税制改革、規制改革、歳出改革の四本柱の構造改革と、こういうふうに言われているわけでございます。ということは、この四つの改革の本丸が郵政事業の改革であると、こういうことをおっしゃっているというふうに理解するのが筋なわけでございますけれども、郵政事業の改革と小泉さんがおっしゃっていることが、この四つの改革とどのような形でかかわるのか、ここ、私は率直に言ってよく見えないのでございます。間近に総理を見ておられる総務大臣のお立場から御説明いただけませんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、辻委員が言われました税制改革、歳出改革、規制改革、金融改革、これは、この四つで総合対策をやろうと、デフレ対応の総合対策という意味で。総理が言っているその本丸というのは、行政改革、財政改革、金融改革、特殊法人改革なんですよ。これは国会の答弁でもそう言われております、行政改革、財政改革、金融改革、特殊法人改革の本丸だと。歳出改革、規制改革、税制改革、金融改革というのは、これはデフレのための、まあ景気回復の総合的な対策と。
  しかし、そういう改革の本丸だということは総理は言っておられますが、これは総理の御認識は、郵貯の金が財政投融資の原資だったんですね、去年の四月までは。御承知のように資金運用部というものが当時の大蔵省にありまして、今財務省ですが、ありまして、ほとんどの金が自動的に資金運用部に郵貯の金が行きまして、それが特殊法人の原資だったんですよ。だから、特殊法人改革をするためには、やっぱりこの郵貯の金が行く財政投融資の改革をしなければならない、これは去年からもう制度は直ったんです。ただ、七年間は経過措置があるんです。七年預託しまして、七年後に全部返ってくるわけですから、七年間が経過措置になっている。だから、そういう意味では、まだ財政投融資の改革は完結はしておりません。そういう認識が一つあるわけですね。
  それから、金融改革では、郵貯というこの安全な金が、安全な仕組みがあるのでリスクマネーが生まれないと。リスクマネーが生まれないことが、例えば証券市場が育たないので、そういう意味では金融改革も郵貯の改革と連動すると、こういう御認識ですね。
  それから、財政改革では、今の財政投融資の話と、今の国債を相当部分、郵貯、簡保がおぶっているわけですよ。もしこれをやめたら引受手が大変になりますよ、それから利率が上がりますし。そういう意味では、この郵貯、簡保をどうするかが財政改革にも絡むと。
  行政改革はもう御承知のとおりですよ。今の郵便局の体制は二万五千ありますし、職員は二十九万四千人おるわけでありますから、こういうすべてのことに郵政改革は絡むんだと、こういうことを何度も言っておられるわけでありますが、私は、財政投融資の改革は去年からできましたので、事情は少し変わっていると思います。
  ただ、先ほども言いましたように、財政投融資の改革は完結しておりませんから、もう少し時間が掛かりますから、そういう段階で今公社に移行するわけでございますけれども、公社への移行に当たっても、郵貯をどう扱うか、簡保をどう扱うか、これについてはいろんな議論がなされておりまして、そういう意味では、私は、総理の言う構造改革に資するような郵貯、簡保の仕組みや運用がこれから検討されて、一定の方向付けがなされると、こういうふうに思っております。
○辻泰弘君 構造改革と言われるときに、いろいろその時々によってその柱が変わるのかもしれませんけれども、まず今おっしゃったことで、前の私の質問のときに政策金融のことを大臣にお伺いしました。公営企業金融公庫の必要性をおっしゃって、そのことは私も理解をするわけですが、しかし、そうすると総理がお考えの例えば郵貯の民営化というものを貫徹したときに、政策金融として、今回のデフレ対策で中小企業金融等々の政策金融の必要性が言われているわけでございますが、そういうものをどのように活用し、あるいは保っていくというふうになるのか、その辺の論理がよく分からないのですが、いかがでしょう。
○国務大臣(片山虎之助君) 今までは、郵貯が悪いわけじゃないですよ、郵貯はこの金を国民の皆さんからお預かりして、それが制度としては資金運用部にほぼ自動的に大部分行くわけです、大部分というか、ほとんど行くわけです。そこで、資金運用部が政策金融の原資に郵貯の金を充てているんですよ。
  それは去年で終わりましたから、今はどうやっているかというと、御承知の財投債、財投機関債をマーケットに発行して、それによって運用しているんですが、それを郵貯、簡保が引き受けているんですよ、簡単に言うと。そういうことで、関連がありますが、今までは資金運用部で入ってきたのがずっとこう行ったものが、今はマーケットで財投債、財投機関債を引き受けることによって金が行っていると、こういうことでございますので、仕組みは私は大きく変わったと思うんです。ただ、運用上物すごく変わったかというと、まだ私は過渡期だと、こういうふうに思っております。
○辻泰弘君 ですから、郵貯の資金が回っていた部分が市場で調達するということになるということですね。そうすると、当然、利率も市場に連動せざるを得なくなる、そうすると、政策金融を行っていくということは、結局補助金で手当てすると、こういうような考え方が将来なるんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) それはまあ、マーケットで調達しますが、利率は、あるいは資金運用部の一定の利率じゃなくなりますね。もし、それを政策的に利率を抑えるのなら、国の方が政策金融機関に補助ないしは何らかの援助をすると、こういうことはあると思います。
○辻泰弘君 最後の質問になりますけれども、もう一つ、郵便のユニバーサルサービスに関してお伺いしたいと思います。
  総理のこのユニバーサルサービスについての考え方、私、いまいちよく分からないところがございまして、総理はそもそも郵便のユニバーサルサービスというものは必要と考えておられるかどうかということが一つと、維持すべきと考えておられるならば、完全な民間の会社によるユニバーサルサービスがいかなる手段によって確保され得ると考えておられるのだろうかということをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 小泉総理は、前の国会の公社化四法案の審議においてはこういうことを答弁されています。特に参議院の本会議において言われておりますが、七月十日に。全国に配置された郵便局が、郵便のユニバーサルサービスを提供するとともに、地域に密着した各種サービスを実施してきたと評価しており、今後とも郵便局の重要な役割というものは多くの国民は認めていると考えていると。
  だから、認識は我々と同じなんですよ。ただ、民営化した場合に、辻委員の言われるような問題が起こらないという保証はないですね。
  そこで、今の田中座長の懇談会は公的助成と言っているんですよ、ユニバーサルサービスを確保するために。それは、公的なと書いていますから、よくはっきりしませんが、それは国なり地方団体が税金で援助するという思想ですよね。私は、それはいかがかなということを懇談会の席上でも言いましたが、その辺ははっきりしておりません、民営化した場合のユニバーサルサービス確保をどうやるか、手だては。これは今後の課題であろうと、こういうふうに思っております。
○辻泰弘君 以上で終わります。
○山下栄一君 私は、郵便事業の経営の合理化、効率化問題に絞って御質問いたします。
  平成六年に郵便料金を改定、値上げしまして、それまで郵便事業財政が赤字だったのが黒字に六年からなっていくわけですけれども、年々黒字幅が減りまして、今度、平成十年からまた赤字に転落するわけですね。これがずっと続いていくわけですけれども、ところが平成十三年度から黒字に転換したと聞いております。
  赤字が続いたらまた郵便料金値上げというふうな状況になったと思うんですけれども、とてもこの今の現況の中で郵便料金値上げはできなかったと思うんですけれども、十三年度から黒字になっていった原因はどういうふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、山下委員言われましたように、平成十年度から赤字になりまして、十二年度まで赤字だったんですよ。
  何で赤字になったかということなんですが、バブル崩壊、景気低迷ですね、御承知のように。それともう一つは、今も御指摘がありましたが、消費税が上がりましたね、三パーから五パーに。それが四百億掛かるんですよ、郵便事業で。それを全部かぶったというのか吸収したんですね。その結果、六百二十五億の赤字になりましたが、おかげさまで、十三年度までに努力しまして、十三年度八十億の黒字になりましたが、これはどうやってやったかといいますと、一つは機械化ですね。郵便の郵便番号を七けたにしまして、機械化で処理ができるようになって、郵便局を見ていただければ分かりますが、もう自動的に振り分けができるようになったということと、あとは、やっぱりお辞めになった方の職員の補充を非常勤職員を考えて、常勤から非常勤化にしていったと、こういうことでございますし、また集配の運送費などもできるだけ切り詰めたと、こういうリストラ努力によって八十億円の黒字になりましたが、十四年度は、今、大変奮闘苦戦をしておりまして、是非、公社になる前の年度だから是非私は黒字にするようにと、こう言っておりまして、郵便事業庁に今御努力をお願いしておりますけれども、なかなか予断を許さない状況ですが、最後まで頑張らせていただこうと、こういうふうに思っております。
○山下栄一君 赤字にまた転落しないような経営努力をすべきという思想がこの公社化ということにもなっていっていると思うわけです。サービス向上をしていかないと、ますますこの郵便事業の国営化そのものが国民にとって不信を抱かれていくということになってしまいかねないわけだと思います。
  それで、今おっしゃったこの運送費も確かに調べましたら十二年から十三年度、減ってきているわけです。
  この運送費問題をちょっとお聞きしたいと思うんですけれども、郵便の運送というのは、もちろん最先端は公務員の方がやっておられるんでしょうけれども、途中のところは民間に委託しているという。そうすると、民間は、空と海と、船による輸送と、陸は鉄道、トラック。トラックも、大きなトラックと軽四輪トラック、それを使いながら委託会社がやっているわけですが、この委託契約の在り方を見直そうということが始まっていると。それぞれ陸海空に分けて、ちょっとずつ時期ずらしてやっているようなんで、これについてちょっと御説明お願いします。
○政府参考人(有冨寛一郎君) お答えいたします。
  今、大臣から御説明ありましたとおり、平成十年度の事業損益が非常に厳しいということで経費の節減に努める必要がある、そういうことが一つありまして、さらに運送料金に関する規制緩和が進んだというようなことでございまして、郵便物の運送委託についても、郵便物の運送の安定的な運行の確保ということを最重点としつつも、具体的な契約方法について見直しをしてまいりました。今も三種類言われましたけれども、鉄道コンテナ、これにつきましては平成十二年七月から、それから船舶運送につきましては同年の十二月から、航空につきましては平成十三年の七月から順次競争契約を導入をしております。
  その次のトラック運送の関係でございますが、今、現段階でございますけれども、その運送料金が事前届出制ということで確定額となっております。それと、トラックにつきましては様々な、大小様々な多数のトラック業者がおりますので、競争契約の下で郵便物の運送の安定的な運行の確保は難しいんじゃないかということで、現在までは競争契約を導入するには至っておりません。
  しかしながら、今の平成十二年度及び十三年度二年間で鉄道コンテナ運送、これについて競争契約を導入いたしましたので、新規参入が鉄道コンテナとかあるいは航空で十一社ございまして、加えてトラック運送の料金引下げの要請ということもありまして、郵便物の運送費が相当節減効果が上がっていると、こういう状況にございます。
○山下栄一君 トラックの方は入札制度、十五年度からやるということですね。
○政府参考人(有冨寛一郎君) トラックについては、現在はまだ競争、入っておりませんけれども、十五年度に向けて、新しい規制緩和が行われますので、それに対して、純粋に一般競争入札まで行かないと思いますけれども、何らかの形で競争を生かせるような仕組みを現在検討中でございます。
○山下栄一君 私は一般競争入札と言っていないんですけれども、入札制を導入するということで進んでいることだと思うんですけれどもね。
  これ、入札、要するに随意契約、競争原理が働かない随意契約でやってきたと。随意契約から入札制へと移行していっているわけですよね。今、鉄道から始まったんですか、それから船舶も航空も導入したと。トラックは来年度導入に向けて準備しているということなんですけれども、それはやっぱり随意契約する理由があったと思うんですよ。
  ところが、規制緩和の観点から入札制を導入することになっていったと。それはだから、郵便事業の主体の方が考えて入札制導入したというよりは、外圧というか、規制緩和の流れの中でやっていったというふうに感じるんですね。だから、余り経営の合理化とか効率化、経費削減という思想よりも、それは何でかといったら、正確性とか安定性ということから随意契約やっていたんだと。入札制、特に一般競争入札なんかすると、そういう何というのか、安定性確保できないのではないかというようなことがあったから随意契約やってきたわけですよね。
  だから、入札制を導入した理由をちょっと明確にしていただきたい。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 先ほど申しましたように、トラック以外のところにつきましては競争、いわゆるトラックは、これまでの場合ですと、極めて厳格なダイヤを守る必要があるとか、あるいは非常に波動性が高いので夕刻に多く走らせるとか、あるいは大量に出された場合に臨時便が要るとかというようなことがあるわけでありますが、その他については比較的そういうものがない、しかも料金も競争的にやれても、安定的な運送には支障がないという形で競争入札を導入してきているものでございます。
○山下栄一君 大臣にお聞きしますけれども、今まで随意契約の状況の中でもいろんな郵便ファミリーの、郵政ファミリーというんですか、の現実的にそういう委託を民間の業者そのものが天下り等で運送していたことがなかなか経営の合理化、効率化を阻んできたという、そういう面もあったのではないかという指摘もあるわけです。私はやはり、一般競争入札がいいのか、同じ入札制度でもいろいろあると思うんですけれども、随意契約よりは競争原理を働かせる入札制の方が私はいいと思うんですね。それがやはりひいては、先ほど冒頭申しましたコストを削減していく、経営を合理化していく、郵便料金値上げしない、そういう方向に進んでいくということになっていくと思うんです。
  そういう意味で、入札制の導入が始まっているわけですけれども、このトラックの方についても今検討中だというふうなことの方が強いようで、明確なまだお答えがなかったんですけれども、経費削減効果という観点からの入札制の導入、それと安定性、正確性を確保するということ、これを大臣はどのようにお考えなのかということをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、答弁を次長がしましたように、郵便物の配送というのは特殊性があったんですね。厳格なダイヤに基づいて運送するとか、例えば朝が、深夜や早朝に大量に運ぶとか、それから臨時的な対応、物によっては必要だと。こういうことで、規制緩和も不十分でございましたので、随意契約でやってきたと思いますが、山下委員言われたように、疑いを持たれていますよね、ファミリー企業擁護、天下り先云々という。だから、私も、やっぱり公社になるんですから、競争的な手法を導入するのはそれはもう不可欠だと言っているんですよ。
  ただ、導入の仕方でどういうふうにしていくのかこれから検討してもらいますけれども、物すごくトラックというのは業者が多いんですね、大小様々で。だからその正確性や安定性においてやや不安があると、こういうことを事務の皆さん言われるので、なるほど、それも分からぬことはありませんので、どういう形でか足切り、選別をしながら、いずれにせよ競争的な手法でやっていく、競争入札を導入していくと、こういう方向でやってまいりたいと、こう思っております。
○山下栄一君 いずれにしても、国民からよく、説得力の、分かりやすい、そういうふうに今、大臣もおっしゃった癒着の問題も指摘されているわけですから、そういう透明性をしっかり図りながら、郵便事業の合理化、効率化に取り組んでいただきたいというふうに御要望をいたしまして、質問を終わります。
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
  本法案は、この九月の十一日に出された最高裁判決の趣旨を受けて郵便法を改正するものであって、当然我が党も賛成でございます。
  しかし同時に、この改正案に示された総務省の姿勢には不満を若干感じざるを得ません。この法案には判決によって違憲とされた部分をとにかく手当てしたという以上のなかなか姿勢を感じられないからであります。この裁判での政府側主張は一体どういうものであったか。事前にもらった資料によりますと、郵便事業は多様な郵便物を膨大に取り扱うものであるから、その業務遂行過程で生じた損害についてすべて賠償責任を認めるとすれば郵便事業の目的を達することができないという主張でありました。
  実は郵便法のこの免責規定が法廷で争われたのは神戸地裁の今回の事件だけではありません。例えば、九三年に奈良地裁、九四年には大阪高裁で判決があった裁判で、大臣の地元である岡山大学の合格通知の電子郵便をめぐる事件というのがございました。この事件は、書留でなく電子郵便でありますけれども、岡山大学の合格通知が入学手続の締切りを過ぎて届いたと、そのことに対する賠償を求めたものであります。一審の段階では、郵便法の条文にかかわらず、重過失があれば賠償すべきだという判断も出ておりました。受験生の親の立場に立てば、この事故への怒りは、何でこれが免責なんだと、こういう気持ちは当然だと思います。
  しかし、判決を読むと、政府は、ここでも神戸地裁の件と同じ郵便事業の大量性、多様性に照らし、事故の発生は完全には避け難いなどとして一切賠償の必要はないという主張をしていることが読み取れます。
  それで、郵政企画管理局長にお伺いするんですが、今回の法改正が行われても、今回の改正点以外の分については、この見地を引き続き一貫して堅持するんですか。
○政府参考人(團宏明君) 御質問の郵便に関する賠償の範囲、制限の問題でございますが、今回、御指摘のとおり、判決で示された考え方で改正案を提出させていただいております。
  その他の部分についてはこの制限を残しているわけでございますが、これは従来の主張につきましては、実は最高裁の判決におきましても、郵便法の第一条の目的の下に運営される郵便制度の維持のためには、国の損害賠償の対象及び範囲に限定を加えた目的は正当なものと言われているわけでございます。しかし、その全体的な正当性の中でこの記録扱いの郵便物等につきましては、これは過剰な制限をしているというふうに、違憲であるというふうに言われているわけでございます。
  したがいまして、郵便の特質からしまして、一定の制限についてはやむを得ないという最高裁の判決に従っているわけでございまして、この考え方といいますものは認められているというふうに考えておりまして、全般的な制限の撤廃というのはこれはやる必要はないんじゃないかというふうに考えております。
○宮本岳志君 実は、この件は長野郵便局の幹部が自腹で被害者に三十万円を弁償して収めようとしたんです。それを、個人の金で弁償されても解決にならないと拒否をして裁判になったという事例なんですね。
  当局としては、事業の特殊性を理由に賠償を拒否する、その下で職員個人は責任を感じて自腹切りまで申し出ると、そういう当局の姿勢ではなかなか郵便物の事故防止、こういうことについても真剣に取り組むという点でいかがかというふうにも思うんですね。
  それで、実は昨年九月に、これまた大臣の地元岡山でNTTの請求書一万通を郵便局がごみと間違えて捨ててしまったという事件がございました。当時の新聞報道でも余りの管理のずさんさを指摘をされております。こういう事件についても、同じように膨大に取り扱っているから賠償責任を認めないというようなことになるのか。これ岡山の例ばかり出して大臣にお伺いしないのは悪いので、大臣、いかがですか。
○政府参考人(團宏明君) 制度の問題を御説明申し上げますが、御指摘のとおりでございまして、今回の最高裁におきましても、記録扱い以外のものにつきましては、いろんな特質からして賠償責任の制限はやむを得ないというふうにしているわけでございますので、普通郵便の場合は当たらないというふうになるわけでございます。
  しかし、逆に賠償責任がないから局においては責任のない対応を取るということ、こういうことはございませんで、もちろん業務取扱いもございますし、内部的な処分の問題もございます。そういうことによって、正常運行を確保していくという責任は当然あるわけでございまして、賠償責任の制限がこの業務運行に対して責任を制限しているというふうなものとは違うものというふうに考えております。
○宮本岳志君 そして、最高裁違憲判決と同じ九月の十一日ですね、東京高裁でも別の裁判の判決がございました。
  顧客との関係では、膨大に取り扱うからといって、最高裁で違憲判決が出るまで故意や重過失さえ責任を認めてこなかったあなた方が、今度は職員との関係では、膨大な現金の取扱いをさせておきながら、窓口の不足金については軽過失であっても個人の弁償責任を問うと、こういう裁判でありますけれども、再三私が取り上げてきた不足金裁判です。
  この判決は、理不尽な取扱いの解決を求める郵政労働者の願いからは距離のあるものでありましたが、同時に今の郵政事業庁のやり方に一定の改善を迫るものでありました。この東京高裁の判決については既に国は上告を断念しております。
  そこで、大臣に基本的な立場をお伺いしたいんですが、この東京高裁の判決の趣旨は尊重すると、これは大臣、御答弁いただけますね。
○国務大臣(片山虎之助君) それは上告断念というのはそういうことでございまして、この問題は国側が職員に対して善良な管理者の注意義務を怠っておれば責任を問うと、これは法律でそうなっているんですから、法治国家ですからね、それは問わないという方がずっとおかしいんで、それは問うんですが、判決では国側の立証が不十分な面もあると。その面についてはということでございますので、それは受け入れようと、こういうことでございます。
  それから、先ほどの、岡山ばかり例に出していただいて大変恐縮でございますが、賠償責任の制限の問題は、やっぱり法益がいろいろある中のバランスなんですよね。どの法益を取っていくか、国民にとっての利益をね。だから、今の郵便物の特殊性から考えると、やっぱりある程度の賠償責任は仕方がないと、こういうことで今の法律ができておったんですが、こういう社会経済情勢の変化の中で、そこはもう少し考え直した方がいいではないかというのが最高裁の御判断ですから、しかもこれは最終的な判断ですから、司法の、だから我々はそれを真摯に受け止めて、今回法律出したんで、だから、何でもすべて賠償責任を課するんだという仮にお考えだとすれば、これはより別の大きな法益を損なうと、こういう御判断を賜りたいと思います。
○宮本岳志君 私も別に何でもかんでも全部ということを言っているわけじゃないですが。私は、やっぱりお客様というのが一番大事だと、これはもう皆さん方も異論のないところだと思うんですね。
  それで、実は不足金の裁判ということも私取り上げるわけですけれども、実はこの判決を受けた九月の十二日の総務事務次官の記者会見で、過剰金の問題について記者に問われて次官はこう言っております。どのような取扱いが顧客にとって最も良い取扱いになるかを検討すると、こうお答えいただいているわけなんです。私もそのとおりだと思います。
  事前に資料をいただきましたけれども、平成十二年度一年間で、実は過剰金、これは不足じゃなくてお客様からお預かりして、何といいますか、どなたから間違えてそのお金を手元に置いてしまったのかが分からない過剰金が六十五万件、約八億八千万円発生しているというのが平成十二年度の資料なんですね。うち七億七千万円が権利者不明につき歳入に納入というふうに資料をいただきました。顧客にとって最も良い取扱いという以上、過不足事故が発生しないようにする、同時に発生した場合でもどの顧客との関係で起こったのかの特定が可能になるように努力すると、こういうことだと思うんですけれども、これは郵政事業庁の次官、それでよろしいですね。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今、先生御指摘のとおりでございまして、現金過不足事故については、これはお客様に対しましても大変重要な事柄だというふうに思っておりまして、これまでもいろいろやってきてはおるんですが、更に一層取り組んでいきたいと思っています。
  なお、郵便窓口と貯金ではちょっと様子が違っておりまして、郵便の場合は十三年の十月から十四年の三月に新郵便窓口機器を配備をいたしております。したがって、そこで一件ごとにきちんと対応をできるようにしようというふうにしておりますが、ただ金額が小さいものにつきましては、一つ一つお客様を確かめるということはなかなか困難であるということは御理解願いたいと思います。ただ、高額のものにつきましては、料金別納郵便物の収納等について別納郵便物の差出表と突合するということの中でお客様の特定ができるということでございますので、そこはしっかりやるというようなことで指導しておりますし、貯金、保険の方はこれまでもいろいろと努力をしてきてはおりますが、なおいろいろまだ時間があるということなので、新しく機械を配備をして、今試行をしてございます。試行の結果が出ておりますが、その結果を今分析をしておりまして、これによりますと、どうも機械がまだもうちょっと改善の余地があるとか、あるいは使うときの職員の技量等まだまだ不十分であるとかありますので、双方いろいろ改善を図りまして、よりそういったお客様に迷惑を掛けない、こういう観点だという意味だというふうに思っております。
○宮本岳志君 先ほど、大臣が尊重するというふうに御答弁いただいたこの判決ですけれども、この中ではこう言っているんです。一定の機関及び一定の職員を母体として監察すれば、いわゆる過不足事故が発生するのは当然であり、やむを得ないというふうにも述べております。そして、郵便局員が給与面で特段の配慮をされているわけでもないことを考えると、日常起こり得る程度の不注意を理由に、個々の不足金について職員個人が弁償の責任を負うことに不公平感を持つことも理解できないではないと、こう指摘をして、その上で判決は現在の弁償責任の制度についてもこう言っているんですね。個人の注意力に全面的に依存する弁償責任の制度を今後いつまで維持できるかも問題であろう、当裁判所が会計法の出納職員の弁償責任について、重過失を要件とする等その責任をより緩やかなものとする考え方も立法政策上の意見としては考慮に値すると考えるゆえんである、ここまで述べております。
  昨年五月、本委員会で大臣は、国民の目から見て安心できるような、そしてバランスを取って公平な制度を作りたいと、こういう答弁もいただきました。大臣、いよいよ郵政公社の立ち上げに向かう大切な時期でもあります。先ほど尊重するとおっしゃった高裁判決も踏まえて、是非この機会にもう一歩踏み込んで、郵政公社では民間金融機関並みに弁償責任は故意や重過失に限ると、そういう決断をひとつしていただけないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 宮本委員のお考えはお考えとしては分かります。
  いずれにせよ、四月から公社になりますから、会計法の適用は外れるんですね、国でないんだから。だから、そういう意味からは、判決の趣旨を総合的に踏まえまして弁償責任の在り方について十分な検討をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○宮本岳志君 ここに裁判に提出された横浜銀行青葉支店の副業務役の陳述書というのを私、持ってきたんです。民間銀行では、明治以来の長い歴史の中で、現金過不足事故を減らし、その原因を特定するための様々な工夫がされてきたと。その中で、私が以前から指摘している金種別の取引の記録などが基本的なルールとしてどこの金融機関でも行われていることが述べられております。これは、行員のためでなく顧客のためにやっている努力なんですね。そして、業務上発生した現金不足事故について安易に行員に個人負担をさせると、銀行が業として取り扱っている現金と行員個人の現金の境が不明確になり、業務上取り扱っている現金を安易に個人の用に流用したり、ひいては横領や窃盗を引き起こす引き金にもなりかねませんと述べ、民間銀行では逆に行員に対して不足事故が起きても絶対個人で穴埋めしないようにと厳しく戒めているぐらいだと、そう裁判では述べられているんですね。
  だから、先ほどあなた方も顧客にとって最もよい取扱いを検討すると、そうおっしゃった以上、民間金融機関並みに事故原因が明らかにできるよう事務を改善する、金種別に一人一人の取引が記録されるようにすると、これこそが真の解決策であるということを指摘して、私の質問を終わりたいと思います。
○又市征治君 社民党の又市です。
  今回の最高裁の違憲判決に伴う郵便法の改正については賛成でございますが、関連して暴力団への配達を特別扱いしていた事件についてお伺いをしたいと思います。
  昨年の十二月に読売新聞が報道したのがきっかけでありましたけれども、収集した局がこれらの郵便物を別途その局で用意した封筒に入れて、そこにマル暴という判こを押し、通信事務扱いにして配達先の局へ送っていた。暴力団からの郵便物が集配中に汚れたり破損したりなどいわゆる因縁を付けられて脅される例が多いので、それを防ぐために特別に慎重に扱っていたという理由だったということのようであります。はがきをも封書扱いにしたり、普通郵便で出されたものを速達扱いにしていたという、こんなこともあるようですが、理由はともあれ特別サービスをしていたわけですね。その数量と場所などについて簡単に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今、ただいま委員御指摘のとおりの報道がございまして、私どももそれにつきまして全国の郵便局に対しまして実態調査をいたしました。
  その結果でございますが、これは昨年の十月から十二月の三か月間でございますけれども、全国の集配郵便局四千八百九十四局について特別な取扱いをしたかどうかという事実を聞き取り調査をいたしました。その結果、全国で三百四十四の郵便局でこうした特別な取扱いが行われていたというようなことでございます。
○又市征治君 今ありましたように、昨年の十月から十二月まで三か月分だけですね。結果は三百四十四の集配郵便局でこれをやっていたと。しかし、郵便物の件数は公表されておりませんね。局の数でいうと、今あったように、当初は、二月の発表では一・四%と言っておられましたが、今ありましたように四千八百六十余りの集配をしている局で割ると七・一%だと、こういうことですね。しかし、三か月分だけでなくて十二か月分を調べますと、これはもっと、むしろ四倍前後になるかもしれないわけですね。いずれにしても、暴力団への特別扱いをやっていた局が府県別に出されておりますけれども、ゼロだった府県は七つ、そして大多数の四十の都道府県の局でやっていたと、こういう結果のようです。
  このことについてマスコミにコメントされている郵政事業庁の発表では、いつから始まったか分からない、相当前から行われていたようだと、他人事のようにコメントされておりますけれども、しかし中央からの通達もなしにどうして、全国の大多数でマル暴の判こまで作ったり速達扱いなど全く同じやり方がやられているわけですね。自衛的に始まったものが広がったというふうに説明されていますけれども、もしこれが本当だとすれば、中央の指導もなしにすごい横の連携をしていたことになるわけで、ちょっと私には信じられないわけですね。一体どこの局から、またいつからこういうものが始まったのか、どうやって全国化したのか、これらの調査をされたのかというのが一つ。
  もう一つ、私は、どうもこれにはもっと暗い裏の事実があるんではないかという疑念がわいてまいります。どこかの局で実際に暴力団に乗り込まれてゆすられてお金を払った経験があるのではないか、そういう気がしてまいります。これだけ大掛かりに全国でやられているんですから。それともその際、断固抵抗したのなら警察に届け出た記録があるんでしょうし、そういう経過についても調査をなさったのかどうか、この二点についてお聞かせいただきます。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今御指摘がありましたようなことにつきまして、私どもも今年の二月に調査をいたしました。どういうような背景があって、いつからそういったようなことになったんだろうかということで調査をいたしましたが、なかなか具体的な点について確認できませんでした。
  私どもの事務的なことを申し上げますと、暴力団関係の差し出しの郵便物についての特別な取扱いについて、私どもの方から指導したというような事実はありません。また、郵便局が組織的に、どこかの郵便局が、先生御指摘のようなことがあって、横の連絡で何かあったんじゃないんだろうかというようなことについても確認できておりません。
  したがって、調査をいたしましたが、具体的な点について、二点目の何か裏にあったんじゃないかということにつきましても、残念ながら明確になっておらないというのが現状でございます。
○又市征治君 私は、いわゆる民間的手法の導入よって郵便事業のユニバーサルサービスが崩されたり、あるいはクリームスキミングされて公社の経営が成り立たなくなるようなそんな方式、またそれに伴う職員の労働強化などについては反対をして、前回の国会でも郵政関連四法案については討論に参加をしてまいりました。
  であればこそ、こうした不適切な特別取扱いは組織上の経過を徹底的にやっぱり解明すべきだろうと思うんですね。そういう意味で、大臣、やはりそこらのことはいや分かりませんだけで済むのかどうか、再調査をすべきじゃないのか、こんなふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 再調査を死に物狂いしても、恐らく分からないと思いますし、その苦労よりは今後一切やめる方がずっと未来志向で結構なんですよ。相当前からだそうですからね。恐らく、又市委員言われるように、汚れたものが届いて暴力団関係者が怒ったかどうかでしょうね。そして郵便局にクレームを言って。こういうことはすぐ伝わりますから、口コミその他で。そこで、その関係のところは、それじゃそういう扱いしようかと、こういうことになったと思うんですよ。私は、本当に残念に思うのは、何で警察に相談しないかということですよ。ユニバーサルサービスですから暴力団関係者も同じように扱わなきゃいけません。特別な扱いする必要は一つもないんですよ。
  だから、是非今後はもうそういうことが一切ないようにしますので、過去ばかり見ずに、ひとつ未来を見ていただいて、今後は一切ないように公社になればいたします。
○又市征治君 過去を見るなとおっしゃいますが、わずか一年前のことを、どうも分からぬとか、あるいはもう今、大臣言われたように、もう改めたから原因は調査しないとかというんじゃなくて、私は、それでは世論もやっぱり参入をねらう企業も納得しませんよ。そういう格好でまたこんなことが問題になってくると思うんですよ。独立の郵政監察制度もあるし、そして総務省の行政管理局の調査だってあるわけでありますから、是非そういうものをしっかり調査をなさって、そしてこんなことが再びないように、そしてやはり世論も納得するような、こういう形でやはり改めていくということが非常に大事ではないか、そんなことを申し上げて、私の方の質問を終わりたいと思います。
○委員長(山崎力君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
  郵便法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、平和祈念事業特別基金等に関する法律の一部を改正する法律案、独立行政法人通信総合研究所法の一部を改正する法律案及び地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣。

○国務大臣(片山虎之助君) 平和祈念事業特別基金等に関する法律の一部を改正する法律案、独立行政法人通信総合研究所法の一部を改正する法律案及び地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
  これら三法案は、特殊法人等改革基本法にのっとり昨年十二月に策定された特殊法人等整理合理化計画の実施の一環として、総務省所管の三の認可法人に関し、平和祈念事業特別基金及び通信・放送機構を解散して独立行政法人に承継するとともに、地方公務員災害補償基金を地方公共団体が主体となって運営することとするため、関係法律の整備を行うものであります。
  次に、各法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
  まず、平和祈念事業特別基金等に関する法律の一部を改正する法律案は、平和祈念事業特別基金を解散して独立行政法人平和祈念事業特別基金を設立するため、独立行政法人通信総合研究所法の一部を改正する法律案は、通信・放送機構を廃止するとともに独立行政法人通信総合研究所と統合し、独立行政法人情報通信研究機構を新たに設置するため、それぞれ、次のような事項を定めるものであります。
  第一に、各独立行政法人の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めております。
  第二に、各独立行政法人の役員について、理事長、理事、監事を置くこととしております。
  第三に、認可法人から独立行政法人への事業の承継に伴う権利義務の承継について定めております。
  その他、積立金の処分方法、所要の経過措置等に関する事項を定めております。
  次に、地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案は、地方公務員災害補償基金について、地方公共団体が主体となって運営することとするため、地方公共団体の代表者から成る合議制の意思決定機関の設置、役員の選任等に係る政府の関与の縮小等について所要の改正を行うものであります。
  なお、これらの各法律案においては、その施行期日を定めておりますが、平和祈念事業特別基金等に関する法律の一部を改正する法律案及び地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案は平成十五年十月一日、独立行政法人通信総合研究所法の一部を改正する法律案は平成十六年四月一日としております。
  以上が各法律案の提案理由及び内容の概要であります。
  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(山崎力君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
  三案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。

    午前十一時二十五分散会