運営「地方税法改正案の審議・採決ほか

(平成15年3月20日参議院総務委員会会議録より抜粋)


(前略)
○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
  まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
  地方税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官兼行政改革推進事務局公務員制度等改革推進室長春田謙君、総務大臣官房総括審議官伊藤祐一郎君、総務省自治財政局長林省吾君、総務省自治税務局長板倉敏和君、財務大臣官房審議官石井道遠君、文部科学大臣官房審議官樋口修資君及び環境省環境管理局長西尾哲茂君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、地方税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
  本案の趣旨説明は去る十八日に既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○山下栄一君 最初に質問させていただきます。
  地方分権の推進という観点から、この三位一体の議論をどう進めていくかということ、大きなテーマになっております。国から地方への税源移譲、それから国庫負担金、補助金、それから交付税、この三位一体の件でございますけれども、地方の独自財源、地方税を強化して、ひも付きとも言うべき交付税とかそれから負担金、補助金を下げるということがメーンであろうというふうに思うわけでございますけれども。
  具体的に教育の地方分権という観点から、この義務教育国庫負担金の問題、これも激しく地方分権推進会議でも議論され、財政諮問会議でも議論され、また総務省と文部科学省との調整、簡単ではないこと聞いておるわけでございますけれども、まず国と地方の役割分担、私は、この義務教育制度も抜本的に見直す時期が来ているのかなということを感じているわけですけれども、国の関与をできるだけ抑制して地方の裁量権をできるだけ拡大するという、これが基本方針だと思うわけですけれども、だからといって、国の関与全くなしでいいのかということは、私はそうではないというふうに思っております。
  教育のナショナルミニマム、最低基準はしっかり確保するという、特に義務教育はそういうことが大事だろうと思うわけですけれども、まず、コストの面、費用の面ですけれども、この三大臣合意事項という平成十四年十二月十八日、総務、財務、文科、三大臣合意の二項目にございますけれども、「改革と展望」の期間中、すなわち平成十八年度末までに国庫負担金全額の一般財源化について所要の検討を行うと。検討の結果どうなるかはこれからの議論次第だと思うんですけれども、片山大臣にお聞きしたいのは、この一般財源という中身ですけれども、大臣は、地方税を中心にやるのか交付税中心にやるのか、このことをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) これは、三位一体の改革は、私は、税源移譲を、国からの地方への税源移譲をしてもらうために国庫補助負担金の整理合理化をやり、地方交付税を見直したいと、こういうことでございますから、今の山下委員のお尋ねに答えるとすれば、これはもう地方税です。地方税で手当てすると、こういうことをやります。
○山下栄一君 私もそうあるべきだと思うわけです。それが地方分権の精神だと思うんですけれども、その負担の話なんですけれども、学校教育、特に初等教育、前期中等教育ですね、小学校、中学校について、経費をどこが負担するのかと。今のところ国から県にということだと思うんですけれども、公立の小中学校というのは基本的に市町村が設置主体であると。そういう、できるだけ現場に近いところで教育も、住民、市民、保護者の意見を反映させるということから考えましたら、設置者負担、経費の設置者負担原則、すなわち市町村ということが理想の姿ではないかというふうに思うわけです。
  学校教育法第五条でもそういうことが精神で書かれているというふうに思うわけですけれども、確かにこれは基礎的自治体である市町村をどう作っていくか、合併も今もう進んでいるわけですけれども、それを強化する必要があるとは思うんですけれども、その上で今のところ国から県ということになっていると思うんですけれども、義務教育の見直しについて私は県のみならず市町村もという考え方が理想の姿ではないかと。市町村の体制、受皿をしっかり強化した上でということが前提ですけれども、これが本来の考え方ではないかと思うんですけれども、この点を総務大臣にお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 言われるように、義務教育の小中学校の設置、管理は市町村ですよね。市町村が責任を持っていると。ところが、人件費については都道府県にしているんですけれども、これは義務教育の先生方の給与というのは物すごく、量がですよ、六兆何千億からになるわけですね、総額で。市町村は三千二百幾らありまして、まあ小さいのまでありますからね、そういう給与費の財政負担に堪えることはできると思いますけれども、ばらばらになるおそれが一つありますのと、それから財政力がばらばらですから、それが一つと。
  もう一つは、やっぱり義務教育の先生方でも配置は広域的にやった方がいいんですね。市町村中心で、市町村の中でぐるぐるやるよりも、都道府県単位でいろんな人員配置をやった方がよろしゅうございますので、そういう意味で給与については都道府県に組んでもらって、そういう任命権等人事配置のいろんなことは都道府県でやってもらうと、こういうことにしたわけですが、私は、市町村が、将来力を持つ市町村ができれば、その辺は今のままでずっとやるということについては検討の余地が私はあると思います。
○山下栄一君 だから、地方税の強化ですけれども、地方税はもう県の、都道府県の税と市町村の税があるわけですから、できるだけ地方自治体の、特に設置者である市町村の独自財源といいますか、これを強化する形でこの教育の、特に義務教育の多様な考え方を反映させるために、住民の意見を反映させるために、設置者でできるだけ裁量できるような仕組みというのはあるべき姿ではないかなというふうに思うわけですけれども。
  今、大臣おっしゃった教員の配置の話ですが、今日は文科省も来ていただいておりますので、この教員の配置につきましても、今は特に義務標準法の方で非常に縛りがきつくなっておるわけです。私は、先ほど申しましたナショナルミニマムを確保する、最低の教育水準を確保するという意味でルールを国で法律という形で作ることは大事だと思うんですけれども、今の義務標準法は余りにも拘束が強過ぎるというふうに思っております。せめて高校の標準法ぐらいの弾力化は考えた方がいいのではないかというふうに思うわけですけれども、これは義務標準法の見直しにつながる話ですけれども、加配措置まで含めて、教員の加配については障害者の観点、また様々な少人数学級の確保のというようなことを非常に細かくルールを決めて下に下ろすということが行われておりますので、この加配措置についてもメニューの大綱化をやるべきだというふうにも思います。
  この点の文科省のお考えをお聞きしたいと思うわけですが、あわせてこの学級編制の基準も、県で基準を作り、実質市町村で決めることにはなっているんですけれども、これも県の縛りがきついというふうになっているわけです。教員の任命権も県が握っていると。これはお金の面が強い。市町村、一切負担しませんので、そういうことになっているということも含めまして、教員の任命権も県から市町村というようなことも考えられるというふうに思うわけですけれども、いろいろ言いましたが、この教員の配置という観点から、義務標準法も弾力化すべきということについての文科省のお考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(樋口修資君) お答え申し上げます。
  今回義務教育費の国庫負担制度を見直すことになったわけでございますけれども、この際、国の責任を適切に果たしながら国と地方の役割分担、費用分担の在り方の見直しを図るという観点に立って、負担対象経費を見直しをさせていただいたわけでございます。
  この負担対象経費の見直しと併せまして制度改正を行うということで、三大臣合意にもございますように、私どもといたしましては、この義務教育に関する地方の自由度を拡大をしていこうということで、この三大臣合意にもございますように、学級編制を一層弾力化をしていこう、あるいは今御指摘いただきました教職員加配に係るメニューを大くくり化することによって、地方がこの弾力的に加配された教職員の配置について適切に行っていくことができるように、こういう教職員配置の弾力化を進めたいと思っているわけであります。
  またさらに、平成十六年度からいよいよ国立大学も法人化をするということで、それに伴いまして、私どもこの国立学校準拠制の公立学校の教員給与の在り方についても見直しを進めながら、各県が教員の給与額等を自主的に決定できるようになどの、こういった制度改革も進めていきたいと思っておるわけでございます。
  この今回の義務教育費の国庫負担制度の見直しと併せて、地方の自由度を高めるような取組については、進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○山下栄一君 だから、合意事項に書いてあることはそういうことなんですけれども、私、先ほど中心的にお聞きしたのは、義務標準法そのものをもう少し弾力化すべきではないかということについて、再度お考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(樋口修資君) 私ども、義務標準法は、今第七次教職員の定数改善計画の三年度目にいよいよ突入するわけでございます。私どもは、少人数指導あるいは習熟度別の学級指導を通じて確かな学力を子供たちに身に付けていただくような、今そういう教育改革を進めているわけでございます。
  その裏打ちとして、私ども、この標準法と国庫負担制度というものが相まって、私どもは教育の改善を進めているわけでございまして、そういった法律の枠の中で、できる限りのことは私どもも弾力化を図っていきたいと思っているところでございますが、現段階で標準法の見直しということについては、ちょっと私どもとしてはそういう段階にはないと思っているわけでございます。
○山下栄一君 この三大臣合意の一項目めに、義務教育に関する地方の自由度を大幅に拡大するということが、そういう方向性は確認されておりますので、この義務標準法の弾力化も、私は議論、検討すべきだというふうに思いますので、これは、その点についてだけ申し上げておきたいと思います。
  あと、今日は文教科学委員会じゃございませんので、学習指導要領についてももう少し大綱化するということ、また、教育委員会の、形式化しているこの教育委員会制度も更に活力を取り戻すというか再生するというか、そういうことも大きなこの義務教育の地方分権化というテーマにとっては、大事なテーマだというふうに思うんですけれども。
  総務大臣にちょっと所見をお伺いしたいんですけれども、この義務教育制度の在り方をどうするかという抜本的な議論抜きに、お金の話だけじゃ、これは内容の伴わないそういう議論になってしまうというふうに思うわけです。
  この義務教育の制度、在り方そのものの検討するところなんですけれども、今のところは文科省の専門的な審議会でやる、中央教育審議会で多分議論するということになっていると思うんですけれども、私、それだけでいいのかなというふうに思います。そうなってくると、文部科学省的なやはり考え方の結論にならざるを得ないというふうに思うわけですね。
  そういう意味で、何も義務教育についての問題というのは、国民全体の関心ですし、国の根幹にかかわる正に憲法の要請からきている話ですから、内閣としても、別に教育内容にかかわることであったとしても制度の根幹にかかわることなので、文科省にゆだねるということでなくてもいいのではないかと。例えば、財政諮問会議でそういう義務教育の検討部門を設けるということも一つの考え方だと思いますし、場合によっては、総務省でもいろいろ地方自治体で様々な形で職員の方も人事交流されて現場もよく知っておる方もたくさんいらっしゃるわけですから、所管外ということになるかも分かりませんけれども、この制度そのものの検討場所も、文科省に限らず、本格的な財政諮問会議その他で議論することも考えていいのではないかと。そうしないと、偏った見直しになってしまうのではないかというふうに思うんですけれども。
  所管外でお答えにくかったら、国民代表としてでもいいですし、お父さん、おじいちゃんの代表として、そういう立場も、総務大臣いらっしゃるわけですから、そういう観点からでも結構ですので、この件についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今まで三位一体の改革は私が経済財政諮問会議で提案して、経済財政諮問会議を中心にやってきたんですね。ただ、その場合に、案を作るということで地方分権改革推進会議ですか、そこにお願いしてと、こういうことでございまして、国と地方の関係だけ、お金のことだけを中心に議論するのも私はいかがかなと思いながらやってきたので、そういう意味で、中央教育審議会というんですか、そこは教育制度の万般をやるんでしょうか、重要なことを、そこでも大いに議論してもらったらいいと思うんですよ。義務教育というのは教育の根幹ですからね。
  ただしかし、そこだけの意見で物を決めるというわけにはなかなかいかない。だから、いろんなところがいろんな意見を出して、最終的にはそれは閣議ということになるのか、総理ということになるのか、そういうことでまとめていくと、こういうことになると思いますので、だから三大臣覚書でも、あれ、教育改革の中における義務教育制度の在り方もひとつ踏まえてと、こういうことを入れたんですよね。お金のことだけなら入れぬでいいんですよ、そのこと。
  ただ、そういうことを含めながら、やっぱり国と地方の役割分担、お金の在り方と、こういうことなんで、今までの文部省の考え方は標準法でがんじがらめに縛って、がんじがらめじゃないかもしれぬけれども、ほとんどがんじがらめですよね、縛って、さらに負担金を半分出して給与費の、それで学級編制や教職員配置や、ほとんど地方の裁量の余地のないことでやってくれと。だから、それは少し緩めたらどうかというんですよ。
  基本はしっかり国が責任持って守らないけませんけれども、地方のそのある程度裁量の余地、自由度を増さないと、今もう知事さんにとって教育というのは大変重要ですよ。教育をおろそかにするような知事はすぐ落ちちゃう。だから、そういう意味では、自由度を与えたって私はちゃんとやると思うんですよ。だから、そこは基本は国でちゃんと法律で縛ってくれと、自由度を与えてくれと、こう言っているんです。
  それから、全部負担金を、二分の一を死に物狂いで守らなくてもそこはいろんな考え方ができるんで、昔と違うんで、ちゃんと国も財源を与えているんで、トータルでは、こういうことを言っているんですが、文部科学省には文部科学省の立場もありますから、そこはある程度考えながら、中を取ってというのもおかしいんですが、そこで十分な調整をしながらあるべき方向で指標を出していくということが三大臣覚書でございますので、山下委員のお気持ちは分かりますから、私どもは、お気持ちを踏まえながら、また、しょっちゅう踏まえておりますが、踏まえながら十分検討してまいります。
○山下栄一君 今日は、教育基本法の改正を中心とする中教審の最終答申も出るというふうに聞いておるわけですけれども、今の教育改革の話は、もうこれは国民的な大きな課題になるほど深刻な状況になってきているというふうに思います。単に学校教育だけじゃなくて、もうすべてにわたって社会全般の大きな問題であるというふうに思いますし、そのやっぱり中心的な部分が義務教育制度だと思うんですが、これが今のところ財政論中心の議論になっているのではないかというふうにも思います。
  そういうことを考えましたときに、今の総務大臣の御発言は大事なことだと思いますし、そういう観点から、三大臣でこの教育改革の一環の中でどうするかということをしっかり議論していこうというふうな流れについては、私も大事な流れだと思いますので、積極的な国民に開かれた議論をお願いを申し上げたいというふうに思います。
  次に、今回の法改正の中身の話に移りたいと思いますけれども、まずこの外形標準課税ですけれども、これは今まで法人事業税課せられなかった赤字企業にも一定の負担を求めるという内容でございます。しかし、このベンチャーですね、ベンチャー企業につきましては資本金一億円以上ということなんですけれども、このベンチャー企業については、税金を支払うことは大変厳しいのが現実であると。こういう観点から、今回の法案にはこの点を配慮して、創業間もない一定の企業には最長で六年間、法人事業税の徴収を猶予するという、こういう制度になっております。
  この徴収猶予を受けられる期間を最長六年とされた理由、またその対象企業をだれがどのような基準で判断するのかと、お聞きしたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) まず、この一定要件を満たす欠損法人についての最長六年間の執行猶予、この制度の創設でありますが、具体的には、徴収猶予ですね、失礼いたしました。
  具体的に二つございまして、まず一つ目は、三年以上継続して欠損法人であって、地域経済、雇用等に与える影響が大だと、こういう場合です。二点目が、創業五年以内の欠損法人であって、その技術の高度性、新規性などが地域経済の発展に寄与すると認められる場合と、こういういずれかに該当するときに、都道府県知事が認める場合に徴収を猶予すると、こういう制度になっておりまして、またベンチャー企業の経営実態を見ますと、単年度収支において六割以上が三年以内に黒字転換しておりまして、さらに累積損失を解消し黒字転換するのに要する期間も五年以内が六割以上という、これは平成十一年版の中小企業白書でございますが、こういったことも参考いたしまして、三年、三年、六年ぐらいがいいんではないかという判断から最長六年にしたところでございます。
○山下栄一君 後半の質問ですけれども、ベンチャー企業というこの定義も非常にあいまいだと思いますので、猶予する、徴収猶予する対象企業をどういう基準でだれが判断するのかということも併せてお聞きしたいんですけれども。
○政府参考人(板倉敏和君) これは、それぞれの具体的な事情に応じまして知事が判断をするということにしたいと思っております。
○山下栄一君 これは、私は、選ぶときにこの猶予制度は大事なんですけれども、それを具体的に選ぶときに今のままでは地域によって格差が出るんじゃないかなと思いますので、基準を明確にしないと、それほどこのベンチャー企業という言葉そのものもはっきりした定義がないように感じているんですけれども、その点どうでしょうか。
○政府参考人(板倉敏和君) その辺はある程度明確にすると同時に、できるだけ実情に応じて知事が判断できるようなそういうシステムを考えております。
○山下栄一君 これは通産省でしたっけ、何でしたっけ、旧通産省、何だっけ、あ、経産省や、経済産業省との連携も大事だと思いますけれども、やはり判断基準はちゃんと用意してやるべきであろうと、非常にこれは切実な問題であると思いますので。
  それから、この外形標準課税の導入によりまして、事務負担が非常に増加するということが考えられます。特に、この付加価値割でという部分があるわけですけれども、付加価値割につきましても、報酬給与額、純支払利子、純支払賃貸料。納める側も自ら計算して申告しなきゃならないと。徴収する都道府県も徴収事務の複雑化、事務負担の増加、これはもう予想されるわけでございます。
  この心配を解消するためにどういうことをやはり導入する側が考えるのかということ、これはきちっと検討しておかなきゃならないというふうに思うわけですけれども、電算システムの整備、それから税務職員の研修、納税者への、納める側のいろいろ相談に乗る体制、このことについての総務省のどういう配慮をしているのかということを、準備しているのかということの見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) いわゆる徴収、納める側といわゆる徴収側、両方ですね、のお尋ねでございますが、まず、いわゆる納める側の企業側、これにつきましては、これは新しい課税標準を用いることになりますので、ある程度申告事務に係る負担が生じるということは認識しております。しかし、いわゆる付加価値額、資本等の金額ともに、法人税などの税額計算に用いられる数値、例えば損金算入額とか別表四とか、様々な既存の資料、そういったものを是非活用していきたいと考えておりまして、基本的には法人税などの税務申告で用いられている既存資料、これを基にして申告書作成することが可能なシステムにしております。ということで、過大な負担にならないように私どもは配慮させていただいております。
  今度は課税側の対応でありますが、この外形標準課税は平成十六年の四月施行ということで、特に課税庁であります都道府県、ここは電算システムの整備、職員の研修、また課税マニュアルの作成、こういった諸準備が今現在行われているわけでありまして、そのために対象法人に対する説明会を実施するとか、その他外形標準課税の円滑な実施に万全を期する今体制に、講じるための準備をしているところでございます。
○山下栄一君 いろんな議論の末にこの外形標準課税導入という、至ったわけでございますので、様々な心配な部分につきましてはきちっとした準備でスムーズな徴収体制をお願いしたいというふうに思います。
  次に、自動車のグリーン化についてですけれども、この自動車のグリーン化は平成十三年度の税制改正で導入されたと。環境負荷の大きい自動車には課税を強化すると、また逆に負荷の少ない車には軽くするという、そういう仕組みなわけですけれども、これが当初予想されていた以上に各メーカー側の努力が進んでおりまして、技術の面でも非常に革新が進んでおるということで、予想された以上にいわゆる低公害車の普及が広がっておるわけです。当初の見込みと違う形で税の徴収が少なくなってしまったということから今回の税制で見直しをすると。ある意味じゃこの自動車のグリーン化を後退させるようなことになりかねない、インセンティブを弱めるような、そんなことが非常に懸念されておるわけです。だから、一つ星、二つ星はもう駄目ですよと、三つ星に限りますよ、更に三つ星だけじゃなくて低燃費というふうにして、特に軽くする自動車を対象を限定するという、軽くする期間も二年から一年に短縮する。ある意味じゃ自動車のグリーン化を進めようという流れに逆行するような一部取られかねない、インセンティブを弱める、そういうふうな制度の導入ではないかという懸念が広がっております。
  総務大臣はこれまでの自動車のグリーン化の評価、どのように評価されるか、また今回の改正によって今後の自動車のグリーン化に与える影響につきましてのお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) これは今、この自動車税のグリーン化は平成十三年度税制改正ですね、それであのときやってくれやってくれということなんですが、自動車税は都道府県税収の中のかなりな大きな部分を占めるんで、正直言いまして私は嫌だと言ったんです。嫌だ、嫌だ嫌だと言ったんですけれども是非やってくれと、こういうことなものですから、それじゃ税収中立でやりましょうと、税収中立で。
  今お話しのように、環境の負荷の小さい自動車はまけると。大きい自動車は税を重くすると、一〇%重くすると、負荷の大きいものは。負荷の小さいものは五〇%までまけると。それでトータルで税収中立だと、これでやったら物すごくメーカーが努力したり技術革新をやったんですね。それで大体どっちも二百十億か二百二十億ぐらいだろうと思ったら、七百五十億になったんですよ、そのまける方が。あめとむちはバランスを取らなきゃいかぬのに、あめだらけみたいになっちゃって、むちの方は二百十億なんですよね、増えたのが。マイナスが七百五十億になったものですから、これは本来の税収中立ということで約束したんだから、ちょっとそこは考えてくれと。そこでまた税収中立に戻しますと、低公害車と、三つ印というのがあるんですね、今環境省がやっている。超低排出ガス認定車三つ星、三つ星と低公害車と、この二つになった。これだと税収バランスが取れるんで、そこで今、山下委員、インセンティブがなくなるんじゃないかと、こういうことなんですが、本当はむちだけでもあるんですよ。あめをやって加速させているんですね。だから、そこは私は税収中立に戻しても十分あめとむちのバランス作用はあると、こういうふうに思いますし、本来、あめがなくてむちだけでもかなりそれは進むんですよ。
  そういうことなんで、都道府県税だけに、おまえやれ、おまえやれって。みんなやったらいいんですよ。そういうふうに考えております。
○山下栄一君 そういう意味じゃ、自動車税は県ですから、国税でやる重量税の方を配慮すべきだというふうには思いますけれども。
  環境省にお聞きしたいんですけれども、こういうことになってくると、自動車の、今、低公害車を大々的に取り組もうというようなことを総理自らおっしゃって、公用車も全車何年度までに全部というふうなこともあるわけです。それにも影響を与えかねない話なんですけれどもね。
  私は、環境省としても、この問題は要するにグリーン化を、自動車のグリーン化をともすれば後退させるようになってしまう、かねない。もう一歩、今むちとおっしゃいましたけれども、そういう規制を強化するということも併せて、すべての自動車の、日本で走っている車を環境配慮型にするようなルール作りも、税の配慮という観点ではなくて、大臣はむちとおっしゃったわけですけれども、そういうことも併せてやらないと、これは環境行政としても大きな影響を与えるものではないかというふうに思うんですけれども、この点の取組をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(西尾哲茂君) 今の御指摘でございますが、まず自動車税のグリーン化につきましては、十三年度から実施していただきました内容、大変効果がございました。軽課の対象になるきれいな車というのにつきましては、昨年四月から九月までの間で登録された車百八十六万台中約百七万台と、過半にそういうもの、軽課される対象がなるというふうに効果を上げたわけでございます。
  したがいまして、十五年度税制からは三つ星車ということで、今まで一つ星、二つ星というレベルのものについて非常に効果が上がったわけでございますが、更に高い目標を追求していくということは非常に環境対策上も良いわけでございまして、そういう三つ星、更に高い目標を達成した車に優遇をしていただくということでありますので、非常に効果のあるものではないかと思っております。
  さらに、燃料電池車といった新しいものにつきましても対象に加えていただくということをしているわけでございまして、こういうことで、これから三つ星車など、より高い目標に向かった自動車にシフトしていくということで、引き続き大きな環境改善効果が得られると思っております。
  それから、これだけではなくて、いろいろなことを組み合わせて、より自動車をクリーンにしていくべきだという御指摘でございました。これにつきましては、平成十七年度から新車につきましては世界でも最も厳しい新長期規制という排ガス規制をひくことにいたしております。それから、現在、大都市地域におきましては、自動車NOx・PM法ということで、その地域で使用の本拠を有しております自動車につきまして、古い車につきましてはよりきれいな基準に合う自動車に買い換えていただく等の規制も行っております。
  そのようなことでございますので、これらも見合わせまして、十七年度から始まる新長期規制ということで更に一層の高いレベルに向けていくわけでございますので、これに合わせて自動車排ガスによる環境負荷の低減、性能のいい車が普及していくインセンティブというようなものにつきましては、これからも関係省庁とも相談しながら多面的に検討してまいりたいというふうに思っております。
○山下栄一君 関係省庁と連携しながらやらざるを得ない面があるわけですけれども、今、例えば三つ星、新しく車を作る場合には、今、三つ星と言われている基準、これについては環境配慮しましょうということですから、税についても。だから、新しく車をメーカーが作るときには、三つ星以上の車でないともう駄目だと、それより環境負荷の大きい車は生産できないと、こういうルール作りも考えられるというふうに思うんですよね。これは環境省だけではできない話でしょうけれども。こういうことを今おっしゃったんでしょうかね。
○政府参考人(西尾哲茂君) 現在の三つ星の車、これはおおむね現在の規制に対しまして規制を七五%以上上回ったきれいな排ガス清浄の車ということでございますが、平成十七年度から始まります新長期規制は特にディーゼル自動車のクリーン化ということを考えておりまして、例えば重量車のPMといいますか粒子状物質につきましては今より八五%もカットするような、そういうより厳しい新車の規制をひいていこうというふうに考えて実施しているところでございます。
○山下栄一君 ガソリン車についても、今、私申し上げたようなことも積極的に、それはまあいろんな調整は必要でしょうけれども、それぐらいの迫力でやってもらいたいというふうに思います。
  それで、財務省にお聞きしますけれども、先ほどちょっと触れましたけれども、国税でやる、自動車のね、自動車重量税、これは国税なわけですが、これを一部今回地方に譲与する比率を高めるというふうなことは今回入っているわけですけれども、自動車重量税そのものにも税のグリーン化を、これは今入ってないわけですが、別に車というのはその地域だけで走るんやなくて全国を走るわけでございますので、自動車重量税のグリーン化、こういうことを併せてやりゃいいんじゃないかなと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(石井道遠君) 今、先生から御指摘がございました、自重税にもグリーン化税制をという御議論でございます。そういう御議論があることは私ども承知はいたしております。ただ、現行の自動車関係諸税、これはもう改めて申し上げるまでもないわけでございますけれども、国税、地方税通じて各種税目ございますが、この課税の趣旨、性格がそれぞれ経緯なり内容が異なっておるわけでございます。
  今御指摘がございました国税でございます自動車重量税、これは申し上げるまでもないわけですけれども、自動車の走行が道路の損傷ですとか、あるいは渋滞などの社会的な費用をもたらしている。また、道路その他の社会資本の充実の要請が強いということを考慮いたしまして、一般財源ではございますけれども、主として道路財源を賄うために昭和四十六年に創設されたという経緯がございます。これを踏まえまして、現在、自動車の重量に応じた税負担というものを求めているわけでございます。
  このような自動車重量税の課税の経緯あるいは趣旨を踏まえますと、御指摘ございました低燃費車あるいは低公害車でございましても、道路の損傷等の社会的コストという点では依然として発生しておるわけでございまして、重量に応じた税負担を求めるという考え方が適切ではないかというふうに考えております。
  また、今のそういう税の考え方の中に新たに燃費基準というものを取り込んでいくことが税の趣旨に照らして果たしてどうだろうかというようなことから、私どもとしてはやはり慎重に検討すべきものではないかと考えております。
  なお、車両重量が重い車ほど燃費が悪いという傾向がございます。したがいまして、現在の自動車重量税も御承知のとおり重量に応じた課税の仕組みを取っておりますので、結果としてではございますけれども、この二酸化炭素排出の抑制という要請にも結果としては沿った面もあるというふうに考えております。
○山下栄一君 自動車重量税についても、環境配慮の観点から促進するような配慮をするということを私は是非検討すべきだと思いますし、それほど今この地球環境問題というのは切迫しているというふうに思いますので、また環境省とよく連携取りながら、環境省も負けないように頑張っていただきたいというふうに思います。
  以上で終わります。
  ありがとうございました。
○輿石東君 私も久しぶりに質問をさせていただきたいと思っています。
  私の質問の間だけは片山大臣にいてほしいなと、こう思っていますけれども。
  山下議員とのやり取りの中で、外形標準課税、ベンチャー企業、六年課税するのを猶予するというような中身もあると。ただいまは自動車税グリーン化をめぐって、あめとむちとか税収中立というような言葉も出てきました。私もそういう細かい点をやりたいわけですけれども、今日はもう少し大きな問題というか基本的な考え方についてお伺いをしたいと思いますが、最初に、今回の地方税制の改正案のポイントは、私は、先ほどもお話がありました法人事業税、外形標準課税の導入と、それからもう一つ、自動車の問題もありますが、土地流動化をどう促進していくかという、かかわる税制改正、この二つが今度の地方税の改正のポイントではないかと思っていますが、そのように理解してよろしいかどうか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) そうですね、国税との絡みでは、例えば配偶者特別控除の上乗せ分の廃止だとか、あるいは金融・証券税制絡みもありますけれども、地方税プロパーとして考えれば法人事業税の外形標準化一部導入と土地流通課税の軽減であります。
○輿石東君 それでは、外形標準課税の導入については大変賛否相拮抗しているというふうに思います。これはもう個々の課題ではなくて長い歴史も持っている。この景気の悪いときになぜ今導入するのか、こういう話がすぐ入ってくるわけですけれども、あえて平成十六年度、四月からはこれを導入していこうという、そのために一億以上の企業とか、そういういろいろな配慮はあったようですけれども、なぜ今導入なのかということと、この中途半端な、私に言わせればこんな中途半端な形で導入して、どのくらいの経済効果なり税収の、地方に対する税制、地方税の強化ということが再三片山大臣自身も言われているわけですから、その一環にもつながるものだろうと思いますので、なぜ今導入なのか、どのくらいの効果があるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) この外形標準課税の導入はシャウプ勧告以来の懸案でございまして、御承知のように。昭和二十四年からなんですよね。ずっと議論してきたんですね。いいところまで行くんですが、なかなか実現できなかった。特にこの四、五年、政府税調でも与党の税調でも大変な議論をやって、早期に導入を図ろうということでずっと決めてきたんですよ。かなり議論が熟してきたんですね。
  そこで、もう四年も五年も議論したものをいつまでも先延ばしできないんで、決着を付けようじゃないかと。それから、政府税調に対しては総理からの指示もありまして、政府税調はもう導入しろとはっきり書きましたし、与党でも大議論が御承知のようにありまして、結果としては、それじゃこういう景気の状況ですから、特に中小企業が大変な問題がありますので、資本金一兆円を超える法人だけを対象にしようと──一兆円じゃありません、一億円超です、一兆円じゃなくて一億円超の企業を対象にすると。それから、外形標準も十五年度からじゃなくて十六年度の、一年準備期間を置いて十六年度からにすると。しかも四分の一だと。四分の一ですからね。こういうとにかくある意味ではトライアル的な導入をやってみようということでみんな合意したわけなんです。
  だから、正に輿石委員言われるように、中途半端と言えば中途半端なんですよ。まずこういうことで導入して様子を見ようと、こういうことですけれども、関係者にとりましては、特に全国知事会や議長会や地方六団体にとっては悲願が成ったと、完全ではない形でも不完全でも導入できたと。これは大変皆さん喜んでおりまして、そういう意味で、私は、中途半端のそしりは免れないんだけれども、私としては大きな前進だったなと、こういうふうに思っております。
○輿石東君 今、大臣がトライアルという言葉も使いながら、自ら四分の一という形で導入をしていった、中途半端だと、そのことが象徴した言葉だと思いますが、しかしながら、今最後に言われた知事を始め六団体がこれを歓迎しているんだと。ということは、裏を返せばこの地方財政の窮迫を何とかしてくれよと。
  もうあれですか、地財計画を見ても八十六・二兆円、歳入歳出で。そのうち税収不足が十七・三兆円ですか。それで、年間で十七兆円を上回る財源不足と。しかも、十五年度末にはこの借入金で補てんをしているんだけれども、その残高が百九十九兆円。もう二百兆にも達する。
  こういう大変地方の財政のピンチの中で、とにかくこの外形標準課税という勇気ある決断をしてもらったことは歓迎すると、こうやり取りがあったというお話ですが、これもそれもやっぱり地方分権をうたいながら肝心な財源の保障がない、確立がない、地方税の充実強化を言われても何らその手だてがないというところにこの地方三千二百の自治体は苦悩をしている。それにこたえた、そういうふうに私もとらえていますので、これ賛否両論ある中で、それはそれなりの理解をしたいと思います。
  そして、このことばかりやっていると時間がなくなるので、もっと中身に入りたいわけですが、この辺はその辺にしたいと思いますが。
  地方分権、地方でできることは地方で、国の関与を縮小し、できるだけ少なくしていくという、時の流れに従って。それをするために三位一体の改革が必要だという片山プランも出てきているだろうと思う。その三位一体の改革ももう既にかなりの時間的経過があって、この経過を一々お伺いすると時間がありませんから、六月をめどにこれをまとめていくんだと言われているんですが、今現状、どのようになっているのか。
○国務大臣(片山虎之助君) この三位一体を最初に私どもの方から提案したのは去年なんですね。去年の六月の経済財政諮問会議で正式に決めてもらって、閣議決定もしたわけです。
  三位一体の改革は、輿石委員よく御承知のように、国と地方の今税源配分が良くないというのが基本的な我々の発想なんです。仕事は六十何%もやっているのに税を四〇%しかもらっていない状況は、これは直さなきゃいかぬと。本来六十何%もらわにゃいかぬのですけれども、取りあえずは六対四を五対五に、半々にしてくれと。しかし、それでも七兆円近い税源移譲ですね。
  地方分権一括推進法が、あれ二年前、三年前ですか施行になりまして、権限や何かの方はかなり前進を見たんですよ、あるいは国の関与の縮小も実現したんです。ただ、税財源の方が私は残っているんで、この機会に是非その税源移譲をやろうと、これが三位一体なんですね。
  ただ、国の財政も、輿石委員、数字だけからいうと地方よりずっと悪いんです、国の方が。地方は百九十九兆ですよ、累積の借金が。国は四百何十兆ですからね。五百兆に近いわけで、両方合わせると七百兆で、余り威張れませんけれども、どっちが借金が多いんだと、一つも威張れませんけれども、そういう状況の中で大変抵抗があるわけです、正直言いまして、国の税務当局、財政当局は。
  しかし、これをやらないと本当の地方分権にならないではないかと。そこで、今年の夏までに改革工程表を作ろうと。これは総理の指示でもございますしね。そこで、経済財政諮問会議で議論を始めようと、こういうことになっておりまして、恐らく四月ぐらいから本格的な議論に入ると。事務的にはいろんな今話合いをやっておりますが、これも御承知のように、総論は賛成でも各論になりまして、この補助金をやめるとか、これは半分にするとか、まあこれなかなか大騒動で、国会議員の先生方も御関心がおありですし、これもなかなか大騒動に私はなると思いますけれども、しかし道筋を付けないと、いつまでも地方が国に頭を下げて補助金をもらう、負担金を増やしてもらう、交付税をどうにかしてもらう、こういう状況じゃ本当の私は地方分権、地方自治にならないと、こう思っておりますので、夏までに本格的に議論を深めて道筋を是非付けていきたいと、こういうふうに思っております。
○輿石東君 大臣は、やっぱり地方のとにかく財政基盤を拡充強化をしていくという視点で頑張っておられる姿には敬意を表したいと思います。
  しかしながら、その国庫負担金、補助金、こういうものの整理合理化、廃止というような方向と地方税の見直しと、一番厄介なのが大臣自身も認められている財源移譲、これをなかなか国が手放さない、財務省とのあつれきもある、こういうことだと思うわけです。
  大臣は、言うまでもなく地方六団体、先ほどから教育を大事にできない知事はいないだろう、するだろうと。その点については山下議員と私ちょっと見解が違いますから、後ほど質問をさせていただきますが。
  そこで、その財源移譲、これについてどうなんですか、見通しは。
○国務大臣(片山虎之助君) 義務教育の場合には、後ほど御議論いただくと思いますけれども、これでは、結局、補助金、負担金が減るものをあの場合には地方特例交付金と地方交付税で措置したんですね。それは、ある程度この補助負担金の整理合理化の額が兆円単位にならないと、輿石委員、何兆円にならないと、もう一回一回税源移譲なんかできませんからね、税制の安定性からいうと。
  そこで、我々は、年末の閣議了解でもそうなっておりますが、何兆円規模の国庫補助負担金の整理をやった段階で税源移譲をやると、ためておいて、その場でつなぎで地方特例交付金と交付税で運営していくと、こういうことでございますので、これやめて財源の保障しないと、地方は全部そんなもの要らないと言うに決まっていますよ。我々も税源移譲のためにやるんですから、税源移譲につながらないならもうやめた方がいい、もうこんな大変なことは。ただ、税源移譲やるまでのつなぎは地方交付税なり地方特例交付金でやると。こういうことで、財源手当ては義務教の場合には、義務教だけではない、福祉も道路もありますけれども、道路は自動車重量税を一部もらいましたので、そういうことで財源手当てはしっかりしてまいります。
○輿石東君 その義務教育国庫負担制度や金の問題はまたちょっと後で行きたいと思いますが、私はこの税源、財源移譲をあえて繰り返し御質問をさせていただくのは、今、地方分権を推進していくために、やっぱり市町村合併、これも視野に入れないと、国から地方へ、地方でできることは地方で任せていきたいと、こういう国の政策なり、地方分権推進委員会から改革推進会議とこう名前が変わって今きているその流れから言えばそのとおりだと思う。
  そこで、市町村合併について若干質問をさせていただきたいと思いますが、言うまでもなく、この市町村合併については、最近、自主的合併から強制的な合併に変質しているのではないかという報道や批判や言われ方がありますけれども、そんなことはないでしょうね。
○国務大臣(片山虎之助君) それはありません。
  それは、輿石委員、昭和の大合併、明治の大合併は大分前ですね、百十年前で、五十年前の昭和の大合併と比べてみていただいたらいいんですよ。あれは国や県が合併計画作ったんですよ。それで、嫌だと言っても、強制的にと言ったら語弊がありますが、住民投票にかけて決めたんですね。今回は、国や県にはたたき台は作ってもらいました、合併の。パターンという、たたき台は。しかし、それ以上、それによってやれとかなんとか言っていないんで、ただ、合併特例法で優遇措置を並べて、合併をしたらこういう優遇が受けられますよ、しかし、これは十七年の三月で打ち切りますと、こういうことを言っているんで、心理的にそれが強制と受け取る人はおるかもしれませんね。しかし、強制じゃありませんよね。どうぞ自主的に御判断くださいと、こういうことでございます。
○輿石東君 精神的な圧迫はあっても強制しているつもりはないと、こういうお話ですから、じゃちょっともう少しそこをお聞きしたいと思いますが、これはもう平成十年に、第二十五次の地方制度調査会で町村合併はすべきだと、こういう答申を受けて、それは住民の声を反映しながら自主的に合併を進めていこうという基本がそこで確認をされたはずであります。
  そして、その翌年の十一年には、先ほど大臣自身も言われましたように、地方分権一括法というものが成立をし、市町村合併特例法を改正をし、合併特例債を新たに作ったという流れがあると思います。そして、合併のための財源措置も明らかにした。
  しかし、今お話があったように、これは平成十七年ですか、あと二年で期限切れがする。これが失効をする、この法律は、変えないと。そこまでですよ、その後は援助しませんよと聞こえるようになっているんで、それを精神的圧迫と大臣はとらえているかどうか分かりませんけれども、相当焦っていますよ、三千二百の地方自治体。それを強制ではないと裏付ける何か証拠がありますか。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、それはあれですよ。優遇措置はこういう措置があります、おやりになるならこういう措置が受けれますと、こういうことを言っているんですよ。意思を曲げてまでやれとは一つも言っていないんで、優遇措置があるならやろうかなというのは、それは自主的な判断ですよ、そっちにあれするのは。
  そこで、十七年三月で特例法は切れるんですが、合併は永遠に続くんですね。十七年四月以降もずっと。我々は永遠に続けるべきだとこう思っています。優遇措置は切りますが、仮に十七年の四月以降、何らの法的措置を取らないと合併の障害になる、優遇じゃないけれども、むしろ障害になるようなことがあるんなら、それについては法的措置は検討しますということを私は申し上げているんです。優遇はしません、障害除去は考えますと、こういうことを言っていますのと、これはあるいは後で御質問の予定があるかもしれませんが、合併の意思決定をしたら、手続がかなり掛かるんです、期間が。手続が残っても、優遇措置が受けれるように法律改正は検討します、次期以降の国会に出させていただきます、こういうことは今申し上げているわけであります。
○輿石東君 それではひとつ、精神的圧迫なのかどうか、その最たる材料として、これもマスコミ等で報道されていますが、昨年の十一月に地方制度調査会、調査小委員会というのがあると思いますが、そこの西尾さんが、西尾私案というものが出て、これでまた地方自治体関係者は強い衝撃を受けた。
  私もこの中身がよく分からないんで、大臣にこの際、この西尾私案というものはどういうものなのか、何をねらっているのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 西尾先生は御承知のように地方制度調査会の副会長なんですよ。それで、会長なり、会長が諸井さんという前の地方分権推進委員会の委員長さんですね。諸井会長や松本という小委員長に頼まれて、たたき台を作ってくれといって出したのが西尾私案なんですね。
  これは、簡単に言いますと、十七年三月までは合併をいろいろ推進しますと。しかし、その時点でも小規模な町村がまだ相当残るでしょうと、西尾先生は。そこで、それからある一定の期間は更に第二次合併の推進をやります、一定の期間。そこで、第二次合併の推進が終わったときで、それでもふぞろいになるんなら、例えば、数は西尾先生言っていませんよ、一万人とかなんとかと世上言われておりますが、○○人以下の町村については、これは権限を移譲しようと思ってもそれだけの能力がないことが多いから、そこで仕事を与えた場合に、その小規模な町村ではできないでしょうから、できないものは県が代わりにやるか、補完して代行するか。今、過疎市町村やなんかにありますよね、下水道や道路を都道府県が代行するという。市町村道や市町村の下水道、そういうできないものについては都道府県が代わりにやるか、あるいは隣の大きな市があればその大きな市がやるか、こういう事務配分の特例を考えましょうと。もう一つは、その小規模の残ったものを大規模な市に入ってもらって、一つの自治組織として残したらどうかと。
  事務配分の特例を設けるか、あるいは大きな市町村の内部組織にしちゃう。ただ、自治組織ですよ。ただし、普通の市町村よりは限定された自治を営むことには当然なるわけです。内部組織にしちゃったらどうか、これを検討したらどうかというのが西尾私案なんですよ。
  そこで、一万人か一万人かと言っていますけれども、人数入っていませんから。○○人以下と書いていますよ。
○輿石東君 人数とか人口とか、そういう数は入っていない、こういう話ですね。特例法が失効後に何らかの新しい制度を検討していかなきゃいかぬだろう、この西尾私案はそういうことだというふうに考えられますが、そこで新たな基礎的自治体を作るんだと。
  その新たな自治体組織、新しい組織というのはどんな組織なのか、そこにはどんな権限が与えられるのか、合併した、大きくなった自治体との関係はどうなるのか。その辺はいかがですか。
○副大臣(若松謙維君) 具体的に今、西尾私案、昨年の十一月に出たものの中には、いわゆる市町村合併でやりますとどうしても基礎的自治体大きくなると。その中でもいわゆる自治という本来の意義というものをやはり強調するためにも、新自治組織につきまして自治的、自治体内部における住民自治を確保する方策、こういった観点から、内部団体としての性格を持つ自治組織の設置を、いわゆる二つの方式が提示されているわけであります。
  そこで、この十一月の西尾私案につきまして、現在、第二十七次地方制度調査会、ここでいろんな、じゃ、どうした形が住民自治のための組織制度であるべきか、こういう議論がなされておりまして、我が総務省の事務方としてもその議論をしていただくための一つの論点みたいなものを三月の十一日に提示させていただいておりまして、現在、そのたたき台又は論点を基に引き続き議論がなされている、こういう状況でございます。
  具体的にどういう方法があるのかというのは、これかなり細かい、詳しい話が、いわゆる事務配分特例方式、また内部団体移行方式、こういった二つの具体的なことが提示されているわけでありますが、いずれにしても、今議論の進行中でございまして、私どもとしては、しっかりそういった議論を踏まえて、今後も検討に引き続き努力してまいりたいと考えております。
○輿石東君 今の副大臣のお答えですと、こういうふうにとらえていいですか。その新たな自治体組織というのは住民自治というものをきちっと明確にしていくために作るものであって、これは西尾さんの私案だから、これをたたき台に今論点整理をしているということですね。これからその新しい自治体の性格やなんかもより明確になってきて、その今は協議の中途であると、そういうことですか。
○副大臣(若松謙維君) 御存じの憲法九十二条でしょうか、たしか、地方自治の本旨というところで、いわゆる地方自治の在り方は具体的にどうあるべきかという一つの法的な流れの中で、現在のいわゆる少子高齢化、又は地方自治体に対するいわゆる高度なニーズ、また多様なニーズと、それにどう対応していくかという観点から様々な議論がなされ、合併特例法等も存在すると。
  そういう中で、いよいよ平成十七年三月というもう二年後を踏まえて、実際に法定協議会又は任意協議会は全国三千二百自治体の過半数を超える自治体が検討していただいているということで、さらに各自治体も本当に今後どういう自治体になるのか。市町村合併が広がり、基礎的自治体が大きくなると、じゃ、それぞれの住民のアイデンティティーをどう確保するかとか、そんないろんな観点からの議論がなされているわけでありまして、私ども、そういった観点から西尾私案、また私どもの一つの論点、そういったものをひとつ議論の一つの材料として検討していただく、そういうふうに理解しておりまして、やはり今議論の途中であると理解しております。
○輿石東君 住民自治をどう確立していくか、今、副大臣の言葉の中にも、住民のアイデンティティーをきちっとしていくというお話ですが、いやそのとおりになればいいわけですけれども、進行中だというから仕方ないでしょう。
  それで、今、先ほど大臣が合併について、数は決めていないんだ、この私案は人口要件も入っていない、こういうふうに理解をさせていただきます。そうお答えになったと。
  そこで、この間、与党の政策責任者会議の中で、ちょうど選挙政策じゃあるまいし、将来的には三百の自治体にしたいと、三千二百を。当面千ぐらいにするか、こういうお話だと思いますが、この千とか、三千二百の団体を、地方自治体を千にするとか三百にするとかという根拠は何ですか。
○副大臣(若松謙維君) 実は、平成十二年のときに、当時の与党行財政改革推進協議会、ここで今後の市町村合併どうするか、そういう議論がありまして、私、その十三人のうちの一人のメンバーでありまして、当事者でもございました。そこで、じゃ具体的に、先ほど言いましたように強制合併ではない、合併特例法はある、そういう中で、じゃ本当にこれからの、先ほどの少子高齢化又は住民ニーズの多様化、行財政基盤の強化等に対応するには、いわゆる自主的合併と言いながらも何ら目標なり設定しなくていいのかどうかという問題提起が与党側から出されて、私もその出した一人でございます。その議論の結果、いわゆる三千から千というのは、これはいろんなところで議論がなされておりまして、そこで平成十二年に、今後、市町村合併後の自治体数を千を目標とする、こういう与党側の合意に基づいて、それを基に総務省が、じゃ具体的にどういうふうにできるかというような流れになっているわけであります。
  また、特に三百という数値、これは自由党さんが具体的に選挙政策におきまして地方公共団体再編の目標数値と認識しておりまして、これもその前段となる新進党時代にも出された政策でもあります。
  いずれにしても、この千の根拠ということでございますが、大きく二つあるかと思います。
  まず一つは、昭和の大合併、これにつきましては約一万あったものが市町村三千になったという、約三分の一に減少いたしました。現在、こういった歴史的な段階を踏まえて、現在の三千二百からやはり千ぐらいが一つの目標としていいんではないか、そんな議論がありました。
  二つ目は、現在、市の数が六百七十五、郡の数が五百五十五、合わせて、合計千二百三十あるわけでありますが、郡単位で町村が合併をすれば、いわゆる合併後の市町村は約千程度になる、こんな議論もありまして千というものが具体的に行革大綱に盛り込まれたということでありまして、また一方、都道府県、これが作成している合併パターン、これもございまして、この場合には、合併後の市町村数の最多が、一番多いパターンで千百四十、最少が六百二十二、そういうことで地域の実情も踏まえて、いろんな今後の合併の姿としてはおおむね千に近い数字ではないか、そのように理解しているところでございます。
○輿石東君 今の答弁の中で、三百にしたという数字が出てきたのは、今お聞きしますと自由党が選挙政策で出した案だと、こういうふうにも聞こえるんです。そして、千の根拠は、郡単位でまとめていくと千ぐらいになるから、そして最後に、地域事情も考慮したと。しかし、ちょっと矛盾していませんか。三百というのは自由党が勝手に選挙目当てに打ち出した数。千は郡単位で地域の事情もやってみたと。これには何らきちんとした地域住民のその意向を酌んでやっていくという、自主的な合併でというようなものに合致しない。
  そしてもう一つ、時間がないからはしょって言いますが、ずっと聞いていると、交付税改革でむちを与え、さっきもむちとあめという話がありました、財政支援といってあめを与えていると、これはこういう新聞報道もあります。そして、市町村を千にするとか三百にするという根拠もあいまいだと。平成の大合併だと、こういう歴史的な言葉を使っている。しかし、そこには地域づくりの基本である、どういう社会を、どういう地域をつくっていくかという理念や目標がない、そう思いますが、この点についてお答えいただきたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) 先ほど三百と、これはいわゆる、特に自由党さんの具体的な政策がありますので、そういうものがあるという趣旨で御紹介した次第でございます。
  いずれにしても、この千というところの、いわゆる地域の実情性、そういう観点からのやっぱり一番の議論は、何といっても都道府県それぞれが合併パターンを作った、いわゆる先ほど言いました千百四十から六百二十二と、そこら辺の議論の中での一つの千という議論があろうかと思います。そういった議論というのは、いろんな議論、合併に関する議論の中での極めて真ん中というか、中道というか中庸というか、そういった議論と理解しておりまして、私どもそれを一つの参考材料として、今、市町村合併を進めているところでございます。
○輿石東君 規模とか効率性だけを求めて市町村合併はできない、こんなことは繰り返しこの委員会でも意見が開陳されていると思いますが、私は、そこで一つ初歩的な、大変、質問をさせていただきます。
  私は山梨なんですね。お隣は神奈川。山梨と神奈川をちょっと比較してこの町村合併の在り方について議論をいただきたいと思いますが。山梨の年間予算は、簡単に言うと大体五千億を切っているんです。人口は九十万を割って八十八万人。面積は四千五百平方キロメートルとかなり広い。しかし、御案内のように山間へき地、ほとんど盆地がちょっと平らになっているだけで、そういう環境にあります。お隣の神奈川は、県予算は一兆五千億、簡単に言えば山梨の三倍。人口は八百五十万人、山梨の十倍。面積は二千四百平方キロメートルですから、うんと極端に言えば半分の面積で、山梨の、神奈川は十倍の人が住み、県予算は三倍です。こういうことが言えると思う。これだけ違う、県によっても違う場合に、そして市町村は、うちの方は六十四市町村と言いましたけれども、先日一つ合併がありましたから六十三になりました。そして、この四月からは、間もなく日本で初めて片仮名の市が生まれたと喜んでいるわけです、南アルプス市、こういう名前で誕生してきます。そして、神奈川はそれに比べると二十七ですかね、市町村が。そうすると、イメージが出てくると思う、山梨と神奈川のイメージが。それは、余り合併しなくても、また合併するにも簡単にいく。一時間も車に乗れば神奈川県ではほとんど回れる。
  そういう状況の中で、もし三千二百、先ほどありました十七団体、今現在あるそうですが、それを、今の政令都市を除けば、それを人口で割れば、単純に、千にした場合では十万人、三百にした場合には一つの単位が三十五万という数字も出てくる。そういうことから、どのぐらいの規模にしたらいいのかなと。規模や効率だけで、そして県予算から見れば、やはり十倍の人口を三倍だけの予算で賄える、それだけ効率はいい。効率という点だけ考えればそういうことが言えるでしょう。
  しかし、私の住む山梨の早川町というところは、六十四市町村の中で最も広い面積を持つ場所ですけれども、人口は千七百人ぐらいしかいない。そして、その町長は昨年の三月に、この町は合併をしないという方針を決定をしたと。なぜならば、その町を入る、それから向こうへ出るまでに四十キロにわたってある。そして山合いですから、隣の村へは一回国道へ出なければ迂回はできない、そういうところに住む人たち。これを、合併特例法ではいろんな方法ありますけれども、同じレベル、同じ発想で合併していくということ自体が無理があるというふうに思いますが、その点についてお答えいただければと、御感想でも結構です。
○副大臣(若松謙維君) 実は、その早川町の町長さん、私どもの副大臣室に来ていただいて、いわゆるこういう過疎地域の今後の市町村合併等も含めた議論を一緒にいたしました。そこで、町長は、結論としてやはり合併はしないということでありますが、私どもとしては、こういう過疎地域に対してはしっかりとやはり行政サービスは提供していただかなければ、それは住民の方が困るわけですから、それには最大限の支援をしていかなければいけないと、このように考えております。
  しかし、御存じのように人口千七百人、それは面積は大変広いかもしれませんが、首都近郊になるとある意味で一町内会というか、その人口にも匹敵すると。そういったところに、じゃ、これは私の考え方にもなるかと思いますが、果たして首長なり議会が本当に必要なのかどうか。それよりもっと広域的なところにそういった選挙制度を導入して民主主義を確保して、さらにこういった千七百人のいわゆるアイデンティティーとか、また細かい、きめ細やかな住民サービスをどのように提供すべきかどうか、やっぱりそういった観点からのやっぱり新しい議論も必要ではないかと。
  そういった考え方も踏まえて、例えば西尾私案的なものも出たと理解しておりまして、やはり、今後はいずれにしてもいろいろな方面からの議論をしっかり寄せながら、しかし私どもとしては住民自治は大変大事であるし、また住民に対する行政サービスもしっかり確保しなければいけない。では、具体的にどのような形が今後ベストなのか、これだけ財政逼迫する中でですね。それはやはり議論は今後ともしていかなければいけないというふうに考えております。
○輿石東君 若松副大臣、大変なことを今おっしゃったと思いますよ。
  いいですか、あなたは今、行政サービスはきちんとしなければいけない、最後に、住民自治もきちんとやっていく、そして、しかし千七百人という人数は一町内ぐらいのものだ、そんなところに議会が必要かと、こう言ったんです。
  あなた、もう一回、そういう認識でいいですか。
○副大臣(若松謙維君) そういう議論もありますということを私は言ったつもりです。
  ですから、いわゆる民主主義のコストはどのくらいあるべきなのか。それは財源が豊かであればそういう議論は必要ないと思います。しかし、御存じのように、委員もおっしゃったように、地方が十数兆円のいわゆる実質的な赤字と。こういうことで、それぞれの今までの制度が果たして維持したらそれはタイタニックになると思います。そのための今議論を必要ではないでしょうかと、そういった観点から私は申した次第でございます。
○輿石東君 私は、やはりこの千七百人の方々は、こういう場所ですから、ほかよりも一層高齢化は激しい。今でも役場へ行くのに、お年寄りが多いわけですから、自分で運転できない、片道千五百円のバスへ乗って一時間近く掛からなければ役場へも行けない、こういう実態。診療所も遠い。設備が完備している病院などははるかに遠くなっている。これを単に合併して、ますます役場や郵便局や病院が遠くなる。そういう話になったら、早川町へは人間が住むなと、こういうことを言っているのと同じ、等しいということも言えてくるわけです。
  その辺はきちんと、合併したくてもできないという事情にあるという認識を持たなければいけないと、私はそう思うんですけれども、副大臣、その辺はどうですか。
○副大臣(若松謙維君) 委員の御意見はもっともだと思います。私も早川町長ともお会いさせていただいて、大変すばらしい人間性を持った方でございまして、是非とも、やはり合併できないという事情も十分理解できます。その上で、これからのいわゆるこれだけ財政逼迫の中で更に住民ニーズが高くなる、少子高齢化、そういった観点からのやはり議論は必要であろうと。そういった意味合いで、先ほどの西尾私案、また三月十一日の私どもの論点、そういった議論を是非とも今後とも引き続きさせていただきたいと考えております。
○輿石東君 こんなことばかり繰り返しても仕方がないと思いますが、最後にこの合併問題について。
  私は神奈川と山梨の比較をさせていただきましたが、もう一つ、横浜は人口が三千二百の市町村の中で最大、こう言われて、三百四十万人ぐらい人が住んでいますね。そうすると、面積が今言った千七百人しかいない早川町より小さい。そこに三百四十万人の横浜の人たちは住んでおられる。一番小さい何か村は、青ケ島とかという村ですか。二百二人しか住んでいないというところもある。
  それで、私が言いたいのは、最大の市町村、横浜の水がめとなっているのは、山梨の富士の雪解け水から桂川、相模川、相模湖という形で横浜に送られている。横浜の三百四十万人の方々の命の水は、こういう山間へき地と言われるところから出ている。それが、そして、ともに生きる、だから自然との共生、横へ手をつなごうと、こういう話になっているわけでしょう。何のための合併なのか。そして、どういう社会を作っていくのか。二十一世紀のあるべき町の姿、村の姿はどうあるべきか。
  私は、最後に、夕焼け小焼けという童謡が大好きなんです。夕焼け小焼けで日が暮れて、山のお寺の鐘が鳴る、お手々つないで皆帰ろう、カラスと一緒に帰りましょうと。そんな歌は知っているよとみんなお笑いになるかもしれない。そういうおらが村、おらが町。そして、教育基本法の議論もあるでしょう。日本の伝統と文化を守っていかなければいけない、五十年使った基本法にはそういう欠陥がある、こういう話ですから、それを残すのに、こういう早川町のような町をなくしていいのかという話になりはせぬですか。そういうことを考えていただきたいということを最後に申し上げまして、あと五分になりましたので、先ほど義務教育国庫負担のお話がありましたので、ここだけちょっと大臣に。
  義務教育は大事だ、山下議員と私がちょっと認識が違います、考え方が違いますと冒頭申し上げたのは、私は、義務教育国庫負担法というものがあって、義務制の教員の給与の二分の一は国でどんなことがあっても責任を持ってやりますので、教育に専念をして、教育は人にありという言葉もあるんだから、しっかり教育をしてくださいよと、国の責任において義務教育を行うという発想は、理念はどんな時代になっても変わらないと思いますが、その点はいかがかということと。
  この間、大臣は、高校の教員と警察官との比較をして、高校では標準法だけで国庫負担をしていない、だから、それで間違いなくやっているんじゃないか、警察官は全額一般財源化しているんだ、だから一般財源化したって心配要らないんだよと。この二つの例を出して、だから、数兆円の補助金や負担金を、小泉総理から、早く六月までに削除しろよと、それが五・五兆円の片山プランじゃないですか。
  その二つの比較で、義務教育国庫負担法も要らない、国の負担もしないということになるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 私は、義務教育はやっぱり根幹的な教育制度ですから、国の責任で仕組みを作る、国がきっちりお金の財源の手当てをする、これは必要だと思います。これは必要。
  ただ、国の責任というと、それじゃ、学級編制や教職員の配置でがんじがらめに国が全部画一的に押し付ける必要はないんですよ。基本は決めて、あとは地方の実情に応じて地方の自主性を尊重すべきなんですよ。そこがない、今の文部科学省には。だから、それは改めてもらわにゃいかぬと私は言っています。
  それから、財源の手当ては補助金でするというのは古いんですよ、もう。補助金、もうよろしい。それは交付税でもできるし、地方税でもできるんですよ。だから、そこのところはいつまでも、二分の一の給与は国が出すんだ、国が出すんだと。これを出すことによってがんじがらめにしているんですよ。だから、私は、標準法でしっかり決めればがんじがらめに、できると言っているんですよ。私はがんじがらめは反対ですよ。地方の自主性を幾らか入れろと言っているんだけれども。
  それから、全部補助金を二分の一で、三兆五百億ですかなんかも出さぬでも、それは交付税でもできるし、税でもできるので、組合せをいろいろ考えるということもあるではないかと。それはしっかりと地方財政計画というもので全部見るんですから、面倒を、いつまでもそれにこだわる必要はないではないかと、私はこういうことを言っているので、結局、国が責任を持つんだけれども地方の自主性も認める、それから財源の手当ては多様な、いろんな組合せを考えていく、こういうことが必要ではないかと、こう思っておりまして。
  警察官は、定数は国が決めるんですよ。これは全くの一般財源ですよ。それで全く支障がないどころか、実際は政令定数は増えているんです、警察官が、単独の警察官おりますから。
  それから、高校は義務教育じゃないと言いますけれども、進学率九五%なんですよ、もう。私は、準義務教育だと高校を思っておりまして、これは標準法でぴしゃっと学級編制や教職員の定数の基本は決めて、これは交付税ですよ。だから、そこは私は同じようにしろとは言わぬけれども、今のやり方をいつまでも守ろうとするのもおかしいではないかと、こう思っておりますが。
  そこで、三大臣の覚書では、義務教育の在り方もしっかり議論した上で国と地方の役割分担、財源手当てについては相談しましょうと、こういうことになっておりますので、ひとつ御心配なく。十分検討いたします。
○輿石東君 もう時間が来ましたから、最後に。
  ちょっと気になります。御心配なくと、こう言ったわけですけれども、心配になるんです。
  これはなぜかというと、今、大臣は、警察官は政令で、国で定員も決めているんだ、教員をそういうことをしては駄目だ、文部省はそういうことをがんじがらめに学級編制も教員配置もしているからけしからぬと、こう言ったわけですよ。だとすれば、国で教員の定数を決めるという発想になるんですか。それは矛盾しませんか。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、だから、教職員の定数は、これは国で基本は決めて、基本は決めると言っているんですよ。だから、それを例えば、加配定数といったら、輿石委員、おかしいと思いますけれども、加配定数といっても、これに使え、これに使えと指示しているんですよ。そんなものは自由に使わせたらいいんですよ。
  それから、四十人学級が国の方針なら、うちは三十八人でやりますというところがあってもいいんですよ、四十二人でやらせてもらいますと。その余った定数は、例えば四十二人にしたらそこは余るわけですよ、それはこういうふうに使いますと。それを県の教育委員会や知事に任せて、心配でしようがないと、はしの上げ下ろしまで全部文部科学省が霞が関でその指令をするというのは、私はおかしいと思いますよ。警察官はグロスだけ決めるんだから。山梨県は幾ら、神奈川県は幾ら、あとは自由に警察本部がやっていますよ。
○輿石東君 またその御心配なくという、それが解消しないので、次の機会に質問をさせていただきます。
  終わります。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
  まず、今回の審議に当たりまして、総務省から配付されている資料だと思うんですけれども、平成十五年度地方税制改正案要旨というペーパーを配付していただいていると思うんですけれども、まず、この文書の性格といいますか、どこが決められたことなのか、まず教えてください。
○政府参考人(板倉敏和君) 私ども総務省において作成をいたしております。
○辻泰弘君 では、総務省が決定された文書であるということでよろしいですね。
○政府参考人(板倉敏和君) そういうことでございます。
○辻泰弘君 私、昔から、昔といったらあれだけれども、かねてより不思議に思っていたことは、政府税調答申が出た後、国税の方は税制改正要綱ということで閣議決定がされるわけですけれども、地方税の方はどういうわけか閣議決定がなくて、まあ法案のときには当然閣議決定があるわけですけれども、その点どうしてその差があるのかなと思ったんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(板倉敏和君) 多分に慣例的な面もあろうかとは思いますけれども、私どもが考えております、整理をしております考え方を申し上げますと、国税は、税制改正の内容は国の歳入予算に直接結び付くということで、予算の閣議決定に先立って閣議決定をしている、こういうことでございます。
  それに、一方、地方税の方につきましては、地方財政計画、これが国の予算に相当するかと思いますが、その姿を示す地方財政、地方財政全体の姿を示す地財計画を提出する段階で税制改正の内容が固まっていればいいと、こういう考え方でございまして、例えば本年の場合でありますと、二月の七日に地方財政計画の閣議決定に合わせて法案という形で地方税の閣議決定、地方税の改正案の閣議決定をしていただいていると、こういうことでございます。
○辻泰弘君 別にこだわるものじゃないんですけれども、やはり同じ政府税調答申から出発して、国税の方は税制改正要綱として閣議決定しながら、地方税の方はそれがなくて法案の段階でするということですけれども、私は正に、大臣、これから地方の時代と言われ、地方の自主財源も増えていくと、こういうことになるわけですから、やはり地方税の重みというのはますます大きくなっていくと。このときに国税の方も閣議決定しないんならそれはそれで一貫していいわけですけれども、いずれにしても、国税、地方税の対応は同一であるべきだと、むしろ地方の方こそすべきだというふうに言いたいぐらいですけれども、その点、今後検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(片山虎之助君) こういうことなんですね。予算の閣議決定するときに法案があるのが一番いいんですよ。ところが、国税は間に合わないんですよ、法案が。そこで、しようがないから要綱を出すんです。国税は、予算の中の主要な収入は国税ですから、これは一緒に出すのが筋なんです。私どもの方の地方税は、地方財政計画なんですよ。これは二月に入って、二月の中旬になるんですよ、法案が間に合うんですよ。簡単に言うと、法案が間に合うから地方財政計画と地方税法案は出す、国税の方の予算のときには国税の方は間に合わないから要綱で出していると、これだけのことでございますので、ひとつ、国税の方が早くできれば、一緒に法案出せばいいんです。法案出すのが筋なんです。要綱じゃおかしいんです、本当は。
○辻泰弘君 この点は是非御検討いただくということで、次のテーマに移らせていただきたいと思いますけれども、大臣は、昨年八月に経済財政諮問会議に出られたときにビジョンを出されておりまして、その中に地方税制改革ということで幾つかポイントを挙げておられるわけでございます。その中に課税自主権の尊重ということがございまして、そのことの意味は、法定外税の同意要件の明確化と、このように主張されているわけでございます。
  これは、地方税法の規定で総務大臣の同意という中に幾つかの規定がありますけれども、このことが必ずしもクリアでないと、このようなことだと思うんですけれども、この点についてどのような形で明確化していかれるのか、御説明をいただきたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) 総務省といたしましては、これまでも地方自治法第二百五十条の二第一項、この規定に基づきまして、法定外税の協議が申出があった場合に総務大臣が同意をするかどうか判断するために必要とされる基準を定めて、これを公表してきたところでございます。さらに、平成十四年三月の地方税法一部改正案に対する、参議院総務委員会、ここでの附帯決議等を踏まえまして、国の経済施策の範囲を明確化するなど、通知の見直しを行ってきたところでございます。
  今後とも、委員御指摘の法定外税の事例の積み重ねを踏まえて、必要な見直しはしっかり行ってまいりたいと考えております。
○辻泰弘君 ちょっといまいちよく分からなかったんですけれども、これをもう少し明確な基準を示していくということですか。
○副大臣(若松謙維君) 法定外税というのは、御存じのように、いろんな税がありまして、そのために基準化が必要なんでしょうけれども、私どもとしては、いわゆる処理基準という形、又は留意事項という観点からの一つの、何というんですか、これを大臣として認める場合の尺度があるわけでありますが、当然、いろんな事例があって、かつこの法定外税も極めてどちらかというとまだ新しい制度でもありますし、引き続き事例の積み重ねが必要なのかなと。
  いずれにしても、今後、やはりそれが一つの類型化していけば、やはり基準化してくるのが時代の流れだと思っておりますし、そういった意味での見直しをこれからしていきたいと思っております。
○辻泰弘君 大臣がちょっと席を外されたので、ちょっと順番が変わるかもしれませんけれども、ちょっと大きいところを入ろうと思いましたけれども、細かいところから聞いていくことになりますけれども、法人事業税について、政府税制調査会の十一月の答申の中で、事業税における社会保険診療報酬に係る課税の特例措置の見直しについては、長年、当調査会の答申において指摘してきたと。これについては、税負担の公平を図る観点から、速やかに撤廃すべきであり、少なくとも段階的見直しを図ることが必要であると。このように非常に強い主張が出ているわけですけれども、この点について、今後の取組について簡潔にお話しいただきたいと思います。
○政府参考人(板倉敏和君) 事業税におきまして、社会保険診療報酬に係ります収入が総収入金額等に算入をせず、社会保険診療に係る経費につきまして必要経費等に算入しないということで、社会保険診療報酬につきましては実質的に非課税という形になっているのは御指摘のとおりでございます。
  この特例措置でございますが、昭和二十七年に議員提案により創設をされまして、現在に至っております。その間、累次の政府税制調査会の答申におきましてその見直しが指摘をされておりまして、平成十五年度の答申につきましても、御指摘のような内容が含まれているというところでございます。
  他方、この措置につきましては、社会保険診療の公益性でありますとか公共性に照らして一般の営利事業と同視することはできないというような考え方ですとか、社会保険診療報酬の水準が不十分であるといったような考え方もございまして、このような立場も考慮に入れまして、これまで現在の制度が維持をされてきたというふうに考えております。
  私ども総務省といたしましては、税負担の公平性を確保するという観点から、その見直しを図ることが適当であるというふうに考えておりまして、保険医療政策との関連も踏まえなければいけませんけれども、引き続き見直しのために努力をしてまいりたいと考えております。
○辻泰弘君 国税においてのこの特例は大分前になくなっているわけですけれども、地方には残っているということだと思いますけれども、そういう方向で取り組んでいただきたいと思います。
  ちょっと、大臣戻られましたので、大臣の御見解を簡単に教えていただきたいんですけれども、法人課税の水準についてでございます。
  これは、一年ほど前の経済財政諮問会議で議論になって、大臣自身は、今の水準は諸外国に比べてほぼ同一だというふうなトーンでおっしゃっているわけでございますけれども、片や竹中経済担当大臣などは、法人税率そのものも下げるべきだと、こういうような主張もされているわけでございます。このときは総理も、財務省と経産省の見解が違うじゃないかというふうなこともおっしゃっているわけですけれども、端的におっしゃって、片山総務大臣からごらんになったときの法人課税、国税の法人税と法人住民税と事業税と、この三つになるんでしょうけれども、この水準、諸外国から見た水準についてどう評価しておられるか、簡単で結構ですので、お願いします。
○国務大臣(片山虎之助君) これは、経済財政諮問会議で私どもの方が数字を出したんですよ。そうしたら、その前に経済産業省が出したのか、それと数字が違うんですね。それで、私どもの方の数字と財務省の数字は似ているんです。それから、経済産業省の数字と竹中さんのところがやったのは割に似ているんです。これは対象の取り方なんですよ。例えば、非課税措置をどういうふうに織り込むかというのと、連結をどう考えるかという。だから、本当はそんなに違わないと思うんですけれども、そこの取り方、計算の仕方によって違うんで。
  ただ、今、大体四〇・八七ですね、国際的に言えば。アメリカが似ているんですが、ヨーロッパは低いんです、これより、三〇から三四、五ですから。アジアは更に低いんですね、二〇から二〇以下ですから。だから、その辺の実効税率の議論はありますが、今度の外形標準の導入によって四〇・八七が三九・五四に下がるんです、実効税率は。
  そういうことでございまして、これはやっぱり総理も数字が違うのはおかしいということをそのとき言っておられましたから、私は、どこかで調整をして、政府の中の省で数字が違うのはおかしいと思いますよ。是非そういうことは検討いたします。
○辻泰弘君 それで、外形標準課税についてになりますけれども、政府としては、平成十二年の二月に「銀行業等に対する東京都の外形標準課税について」ということで口頭了解をされている。閣議口頭了解をされていて、「東京都において慎重な対応を求めたい。」と、こういう文書を出しておられました。そして、御承知のように、さきの高裁においても、都の銀行税は無効であると、こういうような裁判の判決が出たわけでございますけれども、このことについて、大臣、どういうように評価しておられるか、お願いいたします。
○国務大臣(片山虎之助君) 石原知事さんですね、思い切ったことをやられているんで、一つの試みだとは思いますけれども、あのときの総務省は私じゃないんですが、大臣は、慎重にということを言っているんですね。というのは、外形標準というのは広く薄くなんですよ。広く薄く、みんなに負担してもらうと。これ、ですけれども、銀行税は狭く深くなんですよ。だから、外形標準の理念からいってちょっとおかしいんじゃないかと。それから、普通の所得に掛ける場合に比べて税額の均衡が取れているのかどうかと。この二点を中心に、当時の自治省は、総務省の前ですけれども、慎重にということを言いまして、大臣と知事との会談もあったんですが、物別れになっている。
  そこで、一審は、一審の判決は私はちょっと問題が実はあると思うんで、外形標準についての理解がややあの判決は薄いんじゃないかと私は思います。二審の方がずっと理解は深いんですが、二審は、外形標準課税そのものは認めるけれども、税額の均衡を失するんで駄目だと、こうやったんです。だから、東京都は半分ぐらい勝ったつもりなんじゃないでしょうかね。しかし、結果は負けですから。論旨においては大分入れられたと、こういうことでしょうけれどもね。
  ただ、我々の方の外形標準が導入されますと、ダブるところは、これは東京都の方がやめてもらわにゃいかぬようになります。ダブらないところは残りますけれども。そういうことになると思います。
○辻泰弘君 これももう少し聞きたいところなんですけれども、時間の関係で次に移らせていただきますけれども。
  法人事業税のことになりますけれども、これも、先ほど総務省の文書だと言っていただいた地方税制改正要旨の中に、最後に「その他」ということで、電気供給、ガス供給、生命保険、損保、四業種についてはということで文章が出ているわけでございます。恐らくこれは法案にはないのかと思うんですけれども、この部分、実はかねてよりポイントとして指摘されていたわけでございまして、その四業種については収入金額が課税標準になっている、それ以外の業種に当たっては基本的には所得がベースであると、こういうふうになっているわけでございます。
  やはり、今の自由化の流れといいますか、あるいは公平性を担保していこうと、こういうような基本的な考え方から考えますと、やはり総務省が決定されている地方税制改正要旨の中の最後にあるような、ちょっと文章は難しくなっていますけれども、やはりこの四業種だけピックアップして別の税体系になっておるということはやはり今後改めていくといいますか、やはりほかのもっと同一の基準でやっていくということで公平性を担保しつつ、やはり同一化ということでやっていくべきだと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょう。
○副大臣(若松謙維君) 今、電気供給業、ガス供給業、生命保険業、損保保険業、この四業種につきまして、これは御存じのように規制料金でしたので、いわゆるもうけようと思っても限界がある、こういった観点から、じゃ、どういう税負担が適当かという流れで、結果的にはいわゆる外形標準課税になっていると、こういうことでありまして、一方、今回の改正案でございますが、現行の所得税におきますいわゆる黒字法人のみが税負担している、で、税収が不安定である、こういったことから、今回の収入金額課税が行われている四業種につきましては特に問題がないということと、また外形標準課税としてこの四業種は定着しているということで、現行の課税方式を維持していくことが適当ではないかと、このように考えております。
  一方、電気供給業又はガス供給業、これは特に大口需要家に対するいわゆる小売自由化とか、そういった状況が変わりつつあるのも事実であります。そういった時代の流れに応じたやはり課税の在り方というのも検討の対象となるかと思いますが、現在のところ、今始まったところでもありますし、引き続き現在の外形標準課税を導入、維持してくるのが今のところは妥当ではないかと考えております。
○辻泰弘君 今回の改正でも四業種についてはこれまで同様の、ある意味ではこれまでも外形標準課税でやったと、こういうことだろうと思うんですけれども、しかし、やはりこれからの時代、特定の業種だけ別だとかいうことは、やはり極力解消していく方向であるべきだと思うわけです。そういう意味で、やはり外形標準課税自体が公平性を確保するためにというふうに言って入っているわけですから、その中の法人事業税の外形標準課税の中においてもやはり公平性を追求していくということはやはり大事だと思いますので、この改正要旨の中にも最後に特記されているようなこともあるわけですから、そのような精神で是非今後、すぐにとはいかないかもしれませんけれども、段階的になるかもしれませんが、やはり一本化していくというか、そういう路線でやっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) 今、委員の御指摘のような、これらの四業種をしっかり地方税体系全体に位置付けを持っていく、さらには、例えば電源立県地を中心とする都道府県税収に与える影響等もとらまえながら、しっかり十分考慮していきたいと考えております。
○辻泰弘君 その点、強くお願いを申し上げておきたいと思います。
  次のポイントに移りますけれども、固定資産税についてでございます。
  固定資産税は、説明をいただいても本当にややこしくて正直言って分からないのが正直なところなんですけれども、まず土地の評価が七割である、それに掛けるところの課税標準額の上限七〇%と、こういうことになっているのが現状かと思うんですけれども、毎年のようにその課税標準額の上限の七〇%、これはまあ法律事項のようですけれども、これを五〇%に下げようとか、こういう議論で、自治体の代表の方もいろいろ飛び回ったりされるということで、私はその固定資産税がやはり非常に地方自治体からすれば安定的な、基幹的な税目だと思うわけですけれども、そのことが毎年のようにこう猫の目のように変わるといいますか、結局、結果として今度は変わっていないわけですけれども、何か不安であるような状況というのは私はやっぱり健全な姿じゃないとは思うわけです。
  そういう意味で、やはりこの部分の根幹はやっぱりそんなにくるくる変えないように、総務省としてはそうされているのかと思うんですけれども、やはりその基本をやっぱり貫いていただきたいと思うんですけれども、その点についてお願いいたします。
○副大臣(若松謙維君) 実は私も税理士で、この固定資産税、難しいです。専門家が難しいと思うんですから、本当に難しいと思います。
  これに、御存じのようにいろんないわゆる負担調整措置、これがいろいろと絡め合っておりまして、また、課税の公平を、是正するためのいろんな措置も行われていると、そういう今経過期間の時期でありますのでかえって複雑になっているということでありますが、いずれにしても、やはり固定資産税の税額の算出は当然分かりやすい制度が大切と、このように理解しております。
  それはなぜかというと、今ちょっと触れましたが、この税額が評価額から直接算出されていないと、様々な先ほどの負担調整措置等もあるがゆえに、また一方、この負担水準が低い土地、これにつきまして、現在、その納税者の負担感に配慮して税負担を緩やかに引き上げようと、こんなこともしております。しかしながら、同じ評価額であれば同じ税負担であるということは、当然、課税の公平の観点から大変重要な要素でもありますし、もうこれは早く負担水準の均衡化を促進する必要があるかと考えております。そのために、今後とも分かりやすい制度にしっかりと努力してまいりたいと決意しております。
○辻泰弘君 公認会計士の若松副大臣でも難しいとおっしゃっておられるので、ちょっと安心したような気がしたし、私が分からぬのも当然だと思うようなことでございますけれども、ころころ変わらないといいますか、そういう意味合いにおいても安定的な形にしていただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。
  次に、住民税の関係でお伺いしたいと思います。
  これは、政府税調答申、十一月のやつの中にある指摘でございますけれども、これも実は私、かねてより不思議に思っていたことなんですけれども、実は個人住民税で、これは地方税法の二十四条の五、二百九十五条とこの二つにかかわってくるわけなんですけれども、その生計同一の妻に対する非課税措置という部分でございます。政府税調でもこの均等割の在り方を見直すべきだと、こういうふうな主張になっているわけなんですけれども、私が言いたいのは、基本的にまず法律の条文に、税法に、妻、夫という言葉で表現されているものが私はなかなかないんじゃないかと思うんです。いわゆる男女共同参画社会という中で、配偶者という言葉はあるんですけれども、妻、夫と明示しているものがあること自体、私は昔からちょっと変だなと思ったんですけれども、いかがでしょう。
○政府参考人(板倉敏和君) 生計同一の妻の問題でございます。
  御指摘のとおり、法律に妻というふうに書かれているわけでございますが、これは歴史的に申しますと、一家といいましょうか世帯ごとに均等割を払っていただくというような、そういう考え方があったのではないかなというふうに考えておりますけれども、現状では個人単位の課税という考え方でございますので、私どもの方針といたしましては、この点についてはやはり見直しを検討していかなきゃいけないんではないかというふうに思っておるところでございます。
○辻泰弘君 政府税調が求めている均等割の在り方を見直すべしというところは、その妻、夫ということとは考え方として違うわけですね。どうなんでしょう。
○政府参考人(板倉敏和君) これは、この住民税、例えば、昭和二十年代、三十年代におきましては、この均等割は、住民税の中に占める、総額に占める割合が二〇%近い、十数%というような当初時代がございまして、現在はそれがもう二%未満ぐらいになってしまっているということで、この住民税の中におきます均等割の役割というのがかなり小さくなってきたということでございまして、従来の、過去の歴史等を振り返って、やはりもう少しこれは見直すべきではないかというのが、それが基本的なスタンスではないかというふうに理解しております。
○辻泰弘君 税制としてのその負担の求め方ということと同時に、妻、夫という表記の仕方自体もやはりその辺は検討すべきだと思うんで、この辺は是非御検討いただくようにお願いしておきたいと思います。
  それで、もう一つ住民税についてお伺いしたいと思うんですけれども、私、これもかねてより思っていたことなんですけれども、住民税の場合、あるいは国保の保険料もそうですけれども、前年度所得が賦課対象であると、こういうふうになっているわけでございます。現実的には今まではそうせざるを得なかったと。源泉徴収の方も結局住んでいらっしゃるところに行くということになるわけですから、そういう意味では国税と同等にはならないという部分もあるだろうと思うんですが、やはり、これからの電子納税とかそういう形も進んでくるのであれば、やはりその点は技術的には可能になってくる部分もあると思うんです。
  ただ、その最初の年をどうするのかということの問題は残るんですけれども、しかし、やはり当年度課税というものをやはり目指していくべきじゃないかと。やはり、前年度所得とは違う状況の中で負担するということになるわけですから、その辺、合理性を欠いているように思うわけです。それで、私だけの思いかと思っていたら、実はこれ十五年度の、これ若松さんも入っていらっしゃるんでしょうか、日本公認会計士協会の要望書の中にも実は出ていまして、我が意を得た思いなんですけれども、「個人住民税について、前年度所得課税から当年度所得課税に変更すること」という一項目がございました。
  この点、すぐには難しいことだと思うんですけれども、また、言ったように初年度どうするかということがあるんですけれども、やはりおひとつ検討課題として取り組んでいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(板倉敏和君) 御指摘の点につきましては、いわゆる住民税の非常に大きな、しかしながらなかなか解決ができない問題でございまして、おっしゃいますように、その年度の所得に対して課税をする税でございますから、その年度に徴収すると、そういうことができればそれがベターであるということはもう間違いのないことだろうというふうに思っております。
  ただ、しかしながら、十分御承知かと思いますけれども、大きな部分を占めておりますいわゆる特別徴収、源泉徴収ということでございますけれども、の場合には、それぞれ特別徴収義務者であります、会社等の給与支払者にその税額、現在であれば前年所得に応じまして月々に徴収をしていただく税額まで御連絡をして、それで徴収をしていただいているというのが実態でございますけれども、現年課税になりますと、それを今の国税の所得税と同じようにそれぞれのところで計算をして年末調整までやっていただかなきゃいけないというようなことで、かなり特別徴収義務者に負担を掛けるというような基本的な問題がございまして、なかなか、いろいろ従来から何とかしたいと思いながら何ともできていないという問題でございますけれども、私どもとしては、何とかその辺クリアできるように努力をしていきたいというふうに思っております。
○辻泰弘君 是非その方向でお取り組みいただきたいと思います。
  次に、国保の関連でお伺いしたいと思うんですけれども、まず国保は、税、国保税で取る場合と国保の保険料取る場合と両方あるわけですけれども、どれぐらいの割合になっているか教えていただけますか、市町村において。
○政府参考人(板倉敏和君) 市町村の数で申しますと、税の方が九割、九〇%で、料が約一〇%でございます。収入額で申しますと、大体税が六〇%、六割ですね、六割で、料の方が四割ぐらいというのが実態でございます。
○辻泰弘君 その税であることと社会保険料であることとの違いというのは端的に何でしょうか。
○政府参考人(板倉敏和君) 徴収権の問題とかそういう、優先順位の問題ですね、そういう問題を除きますと基本的な差異はないのではないかというふうに思っておりますが。
○辻泰弘君 税の方は徴収が二年間だとか、保険料は三年間だとか、それからいわゆる債権の優先順位とかはあったんじゃないですか。
○政府参考人(板倉敏和君) はい。その徴収権の優先順位というのは、今申しましたようなそういうようなことでございまして、御指摘のとおり、課税権の期間の制限が税の場合は三年で、料の場合は二年でありますとか、徴収権が、税であれば当然国税と他の地方税と同順位になりますし、料の場合はそれらに次ぐというような、そういう違い以外は特段のことはないということで申し上げました。
○辻泰弘君 それで、今、医療保険制度の改革ということが進められておりまして、国保の都道府県単位への統合ということがホットな課題になっているわけでございます。この点につきまして、私は昨年の十月に片山大臣にお伺いいたしまして御答弁いただいておる結論を申しますと、「医療や年金は、将来は、ずっと将来は私も一元化だと、こう思います。」と、「都道府県単位にまとめるという方向は私も正しいと思います」と、こういうふうにおっしゃっていただいているわけなんでございます。
  最近、そういう流れの中で、知事会の方は国保の県単位化に反発だということが出ておりましたし、都道府県には保険料徴収に必要な情報がないと、こういう知事さんの意見などもお伺いしているようなことでございます。
  このような中で、大臣として、国保の都道府県単位への統合というのは私はもう必要だと思っておりますけれども、どういう形で進めていかれるのか。そのときの保険料徴収の在り方をどのようなイメージを持っていらっしゃるかお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 年度内にまとめたいということで今、厚生労働省、大車輪にいろいろな調整を始めておりますが、国保については都道府県単位にしたいと。ただ、それじゃだれが保険者になるのかがはっきりしないんですね。市町村の連合体にするのか、新しい県も入れた法人を作るのか、都道府県にお願いするのか。これは今、知事会や市長会、町村会を含めて大議論をやっている。県は、はっきり言いますと余り受けたくないんですね。それから、今国保の問題は、小規模な保険者が多いんですよ、小規模な保険者が。市町村は小さいのがありますからね、また合併のいろんな議論につながるかもしれぬけれども。それから、大体高齢者が多いですよね。元気なとき、お仕事があるときはみんな健保か共済ですから。卒業されてから国保に入っていく。それから、低所得者が多い。うまくいくわけないんですよね、そういういろんな状況を考えると。だから、赤字が五千億を超えているんですよ。交付税の繰入れを三千億ぐらいやっているんですよ。それでなお赤字の五千億実質出るということは大変なことに実はなっているわけで、今はいろんな工夫をしておりますけれどもね。
  私は、やっぱり保険というのは、ロットが大きいというか単位が大きい方がやりいいのは決まっているので、都道府県単位で国保を再編成してもらうのは大賛成だと言っているんです。ただ、保険者をどうするのかは、私はやっぱりこれから市町村にできることは何でもやってもらおうと、市町村中心主義からいうと、やっぱり市町村中心でなきゃいかぬけれども、今の県は余り入っていないですね、国保事業に。だから、県も中に入れにゃいかぬと言っている。だから、市町村中心なんだけれども、県も加わる形のうまい仕組みを是非作ってやってもらいたいと。
  それから、一緒にするだけじゃ国保の基本的な課題は解決しないんで、小規模保険事業主体だとか低所得者が多い、高齢者が多い、何が多いと、こういうことについての処方せんも要るのではないかと、こういうふうに言っておりまして、経済財政諮問会議でも厚生労働大臣には今申し上げたようなことを申し上げておりまして、我々としても重大な関心を持って、場合によっては厚生労働省と一緒になってうまい保険、国保の仕組みを作れればいいと、こういうふうに今考えております。
○辻泰弘君 もう一点、国保に関連しましてお伺いというか、状況をどう認識しておられるかお聞きしたいんですけれども、倒産、リストラが横行する中で、失業者の方々の保険料負担というものが非常に大きいという指摘があるわけです。
  例えば、連合が昨年秋に取った調査でいきますと、ハローワークの前で六千人調査した結果、一番初めに仕事が欲しいという雇用確保を政府に要望したいというのがあるかと思いきや、実は一番多いのは、ほとんどパーセンテージは変わらないんですけれども、一番多いのが失業時の保険料負担の軽減というのが出ていたようなことでございます。
  それは、突き詰めていくと、国保の保険料負担が大変だ、あるいは任意継続の二倍の負担のこともあり得るわけですけれども、国保の、国保法の七十七条に基づく減免の制度がきちんと周知徹底され、機能しているのかなというところがちょっと疑問に思うわけなんですけれども、その点についてどう認識しておられるでしょうか。
○政府参考人(板倉敏和君) 国民健康保険におきましては、例えば失業という理由だけで一律に保険税なり保険料を軽減をするということは、公平という点から余り適当ではないんではないかというふうに考えております。
  しかしながら、失業等によりまして収入が著しく減少をして保険税なり保険料を一時に納めることができない人には徴収猶予、客観的に税負担能力がなくなったというふうに認められる方には減免と、こういう制度がございまして、市町村の判断によって条例に基づいて行っていただくということにされておるところでございます。
  各市町村におきまして、それぞれの実情に応じて実施をしていただくということでございますので、私どもとしては、その辺はある程度実態に応じてやっていただいているんではないかというふうに理解をしております。
○辻泰弘君 この点は、私、予算委員会でも厚生労働大臣にお聞きしまして、厚生労働省として全国老人医療・国保課長会議の中で、そういうことがあるんだということの周知徹底を、市町村から一般の市民の方々に周知徹底を図るということをお願いしたいということを言っていただいたということがあるんですけれども、地方自治体に中心的にかかわっておられる総務省としても、そういうことについてやはり関心といいますか、持っていただいて、制度が今あるからそれはそれでだということも、それは理屈からいったらそうなんですけれども、やはり折に触れて、このことによってやはり今の社会の中で、はっきり言って一つのセーフティーネットだと思うわけですけれども、それがしっかり整備されるというふうなことに一つの課題と受け止めていただいて、どういう形があるのかというのを言うことはあれですけれども、やはり地方の団体の方が集まられたときにそういうことについては周知徹底していただくようなことをメッセージとして送っていただきたいというふうに御要望を申し上げておきたいと思います。
  それから、これは通告していなかったことなんですけれども、私、前から負担の部分というのを一元化といいますか、すなわち、すぐにできることではないし、組織的なこともあり得るわけですけれども、やはり国税、地方税、社会保険料の徴収の在り方ということになると思うんですね。ある意味ではそこに、ある意味で、情報が一番よく分かっているところがやればいいじゃないかみたいな議論があり得るわけです。
  ただ、これは私は、将来のことですけれども、将来の私の思いとしては、地方で取って、そして必要な、必要というか、ルールに基づいて国に、上納というわけじゃないですけれども、そういう形にしていくと、そういうのが行き着いたところの姿じゃないかと思っているわけなんです、この国民負担の部分ですね。
  その点について、大臣の御所見、個人的な御感想でもいいんですけれども、お示しいただけますか。
○国務大臣(片山虎之助君) このいろんな徴収の一元化というのは前から議論ありまして、臨時行政調査会というのが一次、二次とかいろいろありましたが、そこでも議論されたことはあるんです。
  ただ、議論はされるんですけれども、なかなかこの実現の道筋というのが付かないのは、やっぱりあれなんですね。地方税からいいますと、どこかに取ってもらうんじゃなくて自分で汗を流して取るのが地方自治だと、こういう意見があるんですね。だから、この徴収何とか機構みたいのができて、そこがもう全部公的なものは取るという考え方は、効率性からいうと私、あり得ると思うんですけれども、しかし今の税の議論からいうとなかなか難しい。それじゃ、地方が国税を全部取ってやれるかというと、一番能力があるのは税務署なんです、正直言いまして。府県の税務当局や市町村の税務当局が、一番能力あるのは国税当局なんで、そういう効率からいうと、国税当局が取る方が本当は効率なんですね。しかし、それもなかなかそうはいかないと。
  それから、保険料ぐらいまでは一緒に取るにしても、例えばNHKの受信料だとか電気、ガスの料金をどうするのか、水道をどうするのか、下水道をどうするのか、いろんな議論がありまして、結局はまとまらずに今日まで来ておりますが、私は中長期的には一つの課題だろうと。公的ないろんなものについては、そういうものは料金は一元的にどこかが取っていくということは検討の価値はあると、こういうふうに思っております。
○辻泰弘君 別のテーマに移らせていただきたいんですけれども、昨日、予算委員会で若松副大臣にお世話になった件でございますけれども、難病問題でございます。
  これは直接的な総務省の責任ではない、むしろ厚生労働省、財務省のことなんですけれども、しかしやはり現実に地方自治体にとって非常に問題となっているということなので、その点についてちょっと御見解もお聞きしておきたいと思うんですけれども、いわゆる特定疾患治療研究事業、難病対策でございますけれども、これが基本的には治療研究事業ということで行われてきて、国が半分負担する、地方が半分負担する、都道府県が半分負担すると、こういう制度でずっと来ていたわけなんですが、それで予算補助ということなものですから、予算の範囲内でというふうに書いてあるわけで、そういう意味においては、ある意味ではそれしかないということなんですが、しかし精神は国も半分持つし、都道府県も半分持って難病の方々の対応をしていこうと、こういうことから出発した、そういうことだったと思うんです。
  それが現実にどうなっているかといいますと、この二、三年の財政状況厳しい折からという財務省の理屈の中で、結局、予算で当初から実は組まない、これで足らないということが分かっていながらと言わざるを得ないわけですけれども、その中で予算を組んで、補正で手当てすることもない、結果して都道府県の方に超過負担が発生していると、こういう状況にあるわけでございます。
  現実に、厚生労働省から資料をいただきますと、十二年度の場合二十一億ぐらいですか、十三年度の場合七十八億でございますか、こういう本来といいますか、元々の考え方からいえば、国が負担してくれているはずのものが地方の方に一方的にしわ寄せになっているということで、十四年度はもっとなるわけでございます。私、兵庫県ですけれども、兵庫県の方、聞きますと、十三年度で四、五億円ということでしたか、それから十四年度では六、七億円になるというふうな話でございました。
  私、やはり難病という性格から見ても、また額も百億ぐらいのことですから、やはりこういうものは国と地方がしっかり支えるということでやっていくべきだと思っているわけなんです。これを厚生労働省に言っても、結局、財政のことになって、財務省にということになるわけなんですけれども、しかし知事会の方からもたしか要望が上がっていたことだと思うんですけれども、この点をどう受け止めておられるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) どこかの県の知事さんから、今、辻委員が言われたような同じ陳情を受けたことがございまして、聞いてみますと、今お話しのとおりですね。国の予算がずっと減ってきているんですよね。それで、地方が結局持ち出している、三割ぐらい持ち出していると、こういうような話なんですが、実は十五年度から仕組みが変わりまして、今まではその他の補助金で、一割カットの方だったんですが、十五年度から制度的補助金の方に昇格しまして、予算も三十億円、一六%の増額と、こういうことになりましたから幾らか超過負担の解消にはなるとは思いますけれども、やっぱりこういうものは仕組みをしっかりしたらそのとおり守らないといけませんね。だから、制度的補助金になったんですから、是非今後とも関係の知事さんや皆さんの意見を聞いて財務省には話をしてまいりたいと、こう思っております。
○辻泰弘君 制度化自体が遅過ぎたということに尽きることではあるんですけれども、あるいは本当は法律化ということなのかもしれません。ただ、現実に、大臣おっしゃったように十五年度からはそうなったということで改善一歩前進と認めるにやぶさかではないんですけれども、しかし現実に十二、十三、十四年度のことは残るわけでございます。その部分は、私は本当は昨日も予算委員会で言いたかったのに時間がなかったんですけれども、例えば今年度予算においても予備費はまだ千六百億ぐらいあるわけで、国会開会中は使えないのかもしれませんけれども、しかしそういう現実あるわけですし、その使えないのも閣議決定ですから閣議で決めればいいのかもしれませんけれども、そういう意味で、やはり国として、そういうものはやはり国と地方の信頼関係でもあると思うんですね。しかも内容が問題があるというのでなくて、やはり国として、むしろ対象疾患を増やしている難病ということで国民の皆さんにとってもやっぱりそういう方々の生活にかかわってくることでございますから、それを一方的に県に押し付けているようなことになっているわけです。
  ですから、なかなか大臣のお立場も直接的な権限がないところかもしれませんが、やはり全国知事会の要望ということでもあるわけですけれども、やはりこの部分、国と地方の信頼関係を守るという意味からもやはり難病対策にはやっぱり国としても取り組むんだという意味合いからも是非この十二、十三、十四年度の赤字の部分、残っているわけですから、そのことについても是非御努力をいただきたいというふうに思うんですけれども、お願い申し上げます。
○国務大臣(片山虎之助君) よく仕組みを研究しまして、必要なら財務省と相談いたします。
○辻泰弘君 是非その方向でお願いを申し上げたいと思います。
  次に、これも地方税で支えていただいている制度であるという意味合いにおいて、ここで質問させていただくわけですけれども、幼保の一元化と言われる問題でございます。保育所にかかわることになりますけれども。
  先般、二月の十七日に経済財政諮問会議がございまして、この中で、議事要旨を見ますと、片山大臣が、「今は、幼稚園は教育、保育は福祉。そこをきちんと揃えないといけない。」と、こういう発言だというふうに議事録、議事要旨が出ているんです。
  申し訳ございませんが、これでちょっとどういう意味合いか分からないところがございまして、いわゆる幼保の一元化と言われることについて大臣どのように御認識であるかをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 私は幼保一元化賛成だと言ったんです。一元化すべきだと。ところが、今の制度的な位置付けが幼稚園の方は教育で保育所のは福祉でと、こういうとらまえ方をしているんで、そこは変えたらどうかと、もう実態はほとんど同じじゃないかと、共稼ぎか片親が働いているかというぐらいの違いなんで、しかも内容も相当似てきているんで、これはもう是非一元化したらどうかと。しかし、なかなかいろいろ御議論があるなら、まずいろいろなことをそろえたらどうかと、こういうことを申し上げて、制度的な障害になっている点があれば、特に聞いてみますと、保育所の方が何か注文が多いようですね、いろんな。だから、それを少しそろえたらどうかと、実質的な幼保の一元化をやったら関係の地方団体は大分助かるんだと、こういうことを申し上げたんです。だから、私は一元化賛成論者でございますんで、そういうふうに御理解賜りたいと思います。
○辻泰弘君 保育に欠ける児童をということで作っている制度ですけれども、現実には二万五千人の待機児童がいるというわけでございまして、幼稚園の方は片や少子化でキャパシティーがあるという矛盾がある。そしてまた、幼稚園自身が預かり保育をする中で保育の機能も果たしていると、こういうような状況にあるわけでございまして、ですから、私も大臣おっしゃるように一元化の方向でやるべしというふうに思っているわけですが、これも昨年の十月の地方分権改革推進会議の意見の中にも一元化の問題が出ておりまして、この意見については大臣も必ずしも異論もあるということかもしれませんけれども、ただ、この点については、「保育に欠ける児童のための福祉施設である保育所と、就学前の幼児教育機関である幼稚園との間には、国が主張するように確かに制度的には越えがたい垣根がある。しかしながら、我が国の現状に鑑みれば、地域によっては幼稚園と保育所はほとんど均質化しており、国が主張するような強固な差異は感じられないのが実情である。」と、こういうふうに、これが実態だと思うんです。
  目的を見ましても、幼稚園の方は、「幼児を保育し、」というふうにある。児童福祉法における目的は、保育所の方は、「幼児を保育すること」ということで、要はいずれも「幼児を保育」というところは共通している目的規定になっているわけでございます。ですから、その部分一点に絞って両者が一元化を目指していくべきだと。ただ、これは役所、担っている主体が二つあるということと、予算措置がちょっと別になっているということで現実に難しいと思うんですね。
  そこで、同じ経済財政諮問会議のときに塩川財務大臣は、保育園の補助金を下げていくんだと、そういう補助金があって保育所の方がそれがあるから一緒になりたくないんだと、それだったら下げてやったらいいじゃないかと、こういうちょっと冷たい主張をされて、昨日予算委員会で言ったらそうは言ってないという話でしたけれども、その後は詰めなかったんですけれども、しかし、こういう方向じゃなくて、今の幼稚園の方は四百億ぐらいですか、で保育所の方は四千億ぐらい出ているわけですけれども、そこを一応確保して、その確保した中でこの一元化に向けた予算措置を考えていくと、こういう精神で三位一体改革の中に一つの位置付けを持っていただいてお取組いただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) これから男女共同参画型社会になりますといよいよ保育という、保育所の重要性が私は増すと思うんですね。そこで多様な保育というものを奨励していかなきゃいかぬと思うんですよ。そのためにはやっぱり先導的には補助金要りますね。私、それはそうだと思っているんです。
  だけれども、ただそう今のようなやり方がいいのかどうか、無認可保育所もたくさんあるわけですから。その辺はひとつ総合的に関係の役所で検討していくべき課題だと思いますので、また経済財政諮問会議でそういう関係の議論がありましたら必ず私、主張いたします。
○辻泰弘君 経済財政諮問会議で片山大臣がよくいろんな方面の主張をされていて私はうれしく拝見させていただいたので、是非また自分の役所の縄張りということだけじゃなくて、やはり日本の将来どうあるべきかということでやはり語っていただくことは、私は経済財政諮問会議の良かったなと思うのは議事要旨が出るということで、そのことは大変いいことだったと思っております。是非また竜虎の戦いも含めて頑張っていただきたいと思います。
  それで、最後になりますけれども、小児医療の問題、小児救急医療の問題でございます。
  これも市町村で支えて、都道府県や市町村で支えていただいている部分があるわけですけれども、国としての取組、今年度の拠点病院とか診療報酬の改定とかでいろいろあったわけですけれども、しかし、まだまだやはり小児救急医療の部分、手薄であって十分整備されていないというのは日本の中の状況だと思うんです。
  これについて、総務省が特例交付金ですか、交付税の方で特別に手当てしていこうという方針をお持ちだというふうに伺っているんですけれども、そのことについての方針をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) お尋ねの小児医療及び小児救急体制の整備に対する支援策についてでございますが、御案内のように不採算的な要素のある部門でもありまして、その整備が緊急の課題となっております割には財政面からいろいろな課題もございまして、地方団体が大変困っておられたわけであります。そういう地方団体からいろいろ御要望もございました。また、私どもといたしましても小児医療関係の体制の整備を推進する必要があるという認識に立ちまして、平成十五年度よりこれらに係る運営に要します経費の一部につきまして一般会計から病院事業会計に対する繰り出しを認めることといたしまして、当該繰り出しの一部につきまして特別交付税措置を講ずることといたしたわけでございます。
  今後とも、総務省といたしましては、公的な医療機関であります自治体病院におきます小児医療の体制確保の重要性にかんがみまして引き続き必要な支援策を講じてまいりたいと考えております。
○辻泰弘君 この点についてもお取組を続けていただくようにお願い申し上げます。
  最後の質問になると思いますけれども、昨年の八月に大臣が出されたビジョンの中に、ほかのところでも言っていらっしゃることですけれども、地方税制改革ということで、個人住民税の拡充・比例税率化というポイント、また地方消費税の拡充、当面地方消費税の一%引上げと、こういうことで税源移譲をしていこうということを出していらっしゃるんですが、この点についての方針をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 国から地方に税源を移譲していただく場合には、偏在性がなくて安定的な税がいいものですから、今、そういう意味からいうと所得税と消費税なんです。
  そこで、消費税の方は今五%のうち一%が地方消費税ですから、この四対一を三対二にしてもらって二%を地方消費税にする、それからその次に、安定性があって偏在性がないのは所得税ですから、住民税にですよ、個人住民税も所得税ですから、一種の。所得税を三兆円削って個人住民税に三兆円持ってくると。その際に、個人住民税は今所得で率が、税の率が差を付けておりますけれどもできるだけフラットにしたらどうかと、この機会に、こういうことを含めて提案させていただいております。
○委員長(山崎力君) 時間です。
○辻泰弘君 以上で終わりにさせていただきます。
○委員長(山崎力君) 午前の質疑はこの程度といたします。
  速記を止めてください。

    〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
  暫時休憩いたします。

    午後零時二十分休憩
      ─────・─────
    午後四時十五分開会
○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
  休憩前に引き続き、地方税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
  まず、配偶者特別控除について伺います。
  今回の配偶者特別控除廃止におけます平年度の国、地方税の影響総額、また影響人数や平均増税額をお示しください。
○政府参考人(板倉敏和君) お答えいたします。
  配偶者特別控除上乗せ分の廃止によります増収額は、平年度で国税、地方税合わせまして約七千三百億円強となる見込みでございます。また、廃止の影響を受けます納税者でありますが、約千四百万人弱程度かと考えております。
  給与収入が七百万円、夫婦子二人という標準世帯の場合の負担増でございますが、国税、地方税を合算しまして現行の税負担額が三十一万九千円でありますが、改正後は三十七万七千円となりまして、五万九千円の負担増ということになります。
  なお、この改正は、平成十六年度分以降の所得税及び平成十七年度課税分以降の個人住民税について適用されるということでございます。
○八田ひろ子君 一千三百七十七万人にかかわる大変税が重くなるということになるんですけれども。
  そうしますと、具体的に伺いますが、今お示しいただいた夫婦二人、子供二人の世帯ですね。二〇〇二年度の事例でいいますと、現行では各種控除で課税最低限が幾らなのか、そして今のお示しいただいたこの特別控除の廃止で課税最低限はどうなるのか、所得税と住民税と別々にお示しください。
○政府参考人(板倉敏和君) 配偶者特別控除の廃止によりまして、夫婦子二人の標準世帯の課税最低限でございますが、収入金額ベースで個人住民税所得割は現在三百二十五万円でございますが、それが二百七十万円に、所得税は現在三百八十四万二千円ですが、これが三百二十五万円になるというふうに見込んでおります。
  なお、個人住民税所得割につきましては非課税限度額制度というのがございまして、収入金額が二百七十七万一千円までの者に対しましては所得税が課されないという制度があるということでございます。
  以上でございます。
○八田ひろ子君 結局、課税最低限、これが今まで税金を納めていなかった低所得者の方のところも税金を払わなければならなくなるという結果になるわけですね。
  そうしますと、課税最低限が引下げということになるんですけれども、今まで課税の対象になっていなかった方たち、これが今度の課税最低限が下がっていくことによって税金を払うという世帯が出てくるというふうに思うんですけれども、そういう、どういう影響があるのか、また、もしシミュレーションをされているんでしたら、それの金額をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(板倉敏和君) 御指摘のとおりでございまして、現在、住民税で申しますと三百二十五万円の課税最低限が二百七十万円に下がりますので、その間の所得のある方は新たに住民税が課税をされることになるということでございます。
  ただし、現在、納税義務がないということでございますので、私どもの方にデータがございませんので、ここでお示しできるような、その具体的にちょっと数字はなかなか算出がちょっとできないという状況でございます。
○八田ひろ子君 どれぐらいの方に影響があるのかというのは、今数字では示せない、試算ができないということだと思うんですけれども、どういうふうになるのかという、それぞれの地方にかかわることでもあるものですから、そういうのでお分かりいただける範囲で御説明をいただけたらお願いしたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょう。
○政府参考人(板倉敏和君) 私どもが、大体といいましょうか、ちょっとラフな数字でございますけれども、先ほど申しました約千三百七十七万人、千四百万人弱という影響を受ける方のうちの一割弱程度が新規に課税になるという方ではないだろうかというふうに見ております。
○八田ひろ子君 正確ではないにしても、少なくとも今まで非課税世帯であったところが、さっき言われた数字でいうと百三十七万人ということになるんですか、一割といいますと。相当だと私は思うんですよね。今まで非課税世帯というのは担税力がないということでそういう形になっていたんですけれども、所得、お金がないということで非課税になっていたんですけれども、そういうところに対して今こういう景気の状況の中で課税をするという私は神経が信じられないというふうに思うんですけれども、そういうところだけでもやめるべきだというふうに思うんですけれども、そこはどうなんでしょうか。
○政府参考人(板倉敏和君) この配偶者特別控除でございますけれども、そもそもこの制度が昭和六十二年、六十三年の抜本的税制改革の際に、主として主に専業主婦世帯というものを念頭にして、納税者本人の所得の稼得に対する配偶者の貢献というものに配慮をして税負担の調整を図るということで導入をされた制度でございます。
  しかしながら、その後、経済社会情勢が大きく変化をいたしまして、共働きの世帯数が現在では専業主婦世帯数を上回るようになっております。また、女性の就業状態も世帯主の補助的な就労という方面から本格的な就労への移行が見られるというような状況変化が片やございます。
  また、個人所得課税につきましては、課税ベースが狭まって空洞化をしているといういろいろ批判がございまして、その状況を是正をして広く公平に負担を分かち合うと、そういう基本的な認識の下で、経済社会の構造変化に対応して経済社会の中で行われる個々人の自由な選択に介入しないような中立的な税制を構築をしていくと、こういうような観点から諸控除の見直しをやるべきだということとされたわけでございます。
  こういう状況の下で、今回、配偶者控除に上乗せをして、ある意味では二つ目の控除ということで二重になっているのではないかと、こういう二重の分を廃止をしようと、こういうこととしたところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○八田ひろ子君 全然理解できないんですね。今の説明を聞きますと怒りさえわいてきます。
  大臣、政治の失敗で景気がこういうふうにこれだけ悪くなって、その結果税収が少なくなった。少なくなった税収を埋めるために、今の説明ですと、今まで非課税だったところからも税金を公平に取りましょうなんというのは、とても私は説明になっていないと思うんですね。
  大臣にちょっと御認識を伺いたいんですけれども、私これ聞いているのは、非課税世帯から新たに税金を取るというのはこれもひどいんですけれども、この増税の影響というのが、それぞれの自治体でいろんな制度がありますね、非課税世帯に対する制度。例えば、名古屋市でいいますと、医療の福祉給付金支給制度だとか介護保険、それからC型、B型肝炎ウイルスの検査、あるいは胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、子宮がん、こういうものの検診だとか、こういうのでいろいろ非課税世帯に対する支援は行われています。
  ところが、乳幼児の医療費の助成制度も非課税世帯にはという自治体がほかではありますし、今回非課税世帯でも新たに課税世帯になりますと、先ほど大ざっぱな計算ですけれども百三十万世帯ぐらいですか、こういう地方自治体独自の低所得者への支援制度というのも対象外になるわけですよ。今まで非課税世帯の方で新たに税金を払う方は税金が重くなるというのも私は大変だというふうで、今お話ししているんですけれども、ダブル、トリプルで打撃を受ける。地方自治体も苦慮すると思うんですね、そういう面では。だから、そこのところは大臣はどう受け止めておいでになるんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 税の対話集会というのがありまして、私も一、二か所、財務大臣と手分けをして出たんですけれども、この配偶者特別控除の問題、出てみてびっくりしたんですけれども、女性の人が活発に賛成、反対言われるんだけれども、賛成の方が多いんですね。今の上乗せ控除をやめるという方に。これは女性差別だと、べっ視だというような意見が女性の方から言われる。しかし、八田さんみたいな意見ももちろんありましたよ。しかし、私の感じでは賛成の方が、これをやめることにずっと多かった、こういうことでございまして、やっぱり日本は税の空洞化というのが言われたように広く薄くみんなが持ち合うんですよ。共通経費なんですから。それをまければいい、安ければいいと。みんなそうですよ。
  しかし、必要な経費はどこかから調達しなきゃいかぬので、そういうことの中でいろいろ議論して、そこで上乗せ分だけはやめようと、こういうことになりまして、減税は二兆円やっているんです。増税が当面十五年度は二千億と。一兆八千億の減税でいつも総理が言っていますよ、本会議で。
  そういうことの中で、やっぱり税の空洞化を阻止して広く薄く取らせてもらう。しかも、今言いましたように、専業主婦の方がどんどんどんどん少なくなっているんですから、共稼ぎが増えて。そういう意味では、やっぱり八田委員も少し考えを切り替えていただいた方が新しい時代に沿うのではないかと思っております。
○八田ひろ子君 片山大臣、増税するときだけ女性の意見を聞くというの、じゃ、増税すると女性が自立できると、男女平等が進んで。今、女性の自立で一番問題は、ここでも度々申し上げていますけれども、男女の賃金格差ですね。パートも入れれば半分にも満たないですよ。そういうのが増税によって進むと、こういうふうに大臣は、男女共同参画の大臣でもありますよね、内閣でやっておいでになって、そういうふうに思うんですか。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、そんなことを私、言ってないんですよ。税の対話集会でむしろこれはやめた方が女性の自立にプラスだという意見があったということで若干の驚きを持って紹介したわけでございまして、だから税というのはいろんな見方、考え方ができるんですよ。
  そういうことの中で、広く薄く皆さんに負担してもらう、こういう主張でこれも見直そうと。これが政府税調の大きなあれになり、与党税調でもそういうことをやろうと、こういうことになったので、自分の意見だけが正しいというなら世の中簡単ですからね。いろいろな意見の中を取って税制というのはまとめていくので、是非その辺のお考えをよろしくということを申し上げたわけであります。
○八田ひろ子君 御自分の意見を言われなかったんですけれども、さすがに恥ずかしいと思われたと思うんですけれども。
  だけれども、今回の配偶者特別控除の廃止というのは、結局そういうふうに男女共同参画だとかそういうことを言って、先ほど増税と減税同じだと言われましたけれども、低所得者だとか弱いところにはどうして増税ばかりなのかというのを私は問題にしたいと思うんですよ。この不景気のときに一千三百万、こういうところに増税をするわけですよね。結局、家計を冷え込ませて景気を悪化するという中身です。
  今、先ほど来大臣がおっしゃっていますけれども、配偶者特別控除のこの制度について、これは私どもも検討する、将来的に改善をするということは必要だというふうに提案もしています。しかし、今この配偶者特別控除というのが定着をしていて、それでこれを増税だけをやるということが問題ではないかと私は言っているんです。基礎控除とか家族控除を増やすだとか、あるいは税全体の考え方ですね。担税力のあるところにはもっと税を負担してもらうとか、そういうようなことは何もなくて、まず増税をしようと、そういうことが私は今回の配偶者特別控除の廃止というのは撤回するべきだということでさっきから議論をしているんです。
  これは、一覧表をいただきますと、増税のところというのは配偶者特別控除のこれ廃止とあとたばこしかないんです。あと減税になるところ、大臣のお好きな減税になるところばかりがいろいろあるので、それを聞きたいんですけれども、ここの表に増減税の見込みにない、午前中からも議論されております外形標準課税、これについて次に伺いますけれども、これは増収でも減収でもないというのを繰り返しおっしゃっているんですけれども、増収でも減収でもないんでしたら、今これを導入をするというのはいろいろ問題があるんではないかという声、大きいんですけれども、なぜ今この時期に導入されるんでしょう。
○政府参考人(板倉敏和君) 今回の外形標準課税の導入でございますけれども、古くはシャウプ勧告以来の事業税の性格論というのがございまして、地方団体の側からも、現在の所得課税ではない、もう少し安定をした本来の事業税、応益課税としての事業税にふさわしい課税の方式、外形標準化をしてほしいという長い間の要望がございました。
  また、政府税制調査会でも累次にわたりまして御議論をいただいて、最終的には、まず税負担の公平性の確保、あと応益課税としてのこの事業税の性格をより明確にする、また地方分権を支える基幹税として安定的な税収を図る、さらには経済の活性化、経済構造改革の促進にもつながると、こういうような重要な意義を有する改革であるという位置付けをいただきまして、いろいろと議論がございまして数年間掛かったわけでございますけれども、いろんな議論の中で当初、総務省案として出したものとは若干形は違うことにはなりましたけれども、長年の懸案であった外形標準課税が一部実現をするということになったと、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
○八田ひろ子君 大臣、私、伺いたいのは、今度のは税制中立で増減税ありませんと、中身が変わっただけですと。中身は、私ども衆議院の本会議でも議論しているんですけれども、例えば日本で一番利益の上がっている会社、トヨタ自動車ですと百六十二億円、この税金が少なくて済むわけですよね。NTTのドコモでいいますと六十八億円。非常に今まで担税力もあり、税金を払っていたところの税金を少なくして、今まで担税力がないと認められて税金を払っていないところに今度はその部分、同じ額行くわけですよね。それがどうして、赤字企業から新たに負担分を取って、それが黒字企業にまけて、まあ、まけてやると、こう大臣は言っていらっしゃったので、まけてやった分になるのか。そういう考え方を、どうしてそういうふうになるのかというのを簡単でいいですからお示しください。
○国務大臣(片山虎之助君) 私は、地方税はやっぱり都道府県や市町村が行政サービスをやった、受益を受けた人から広く薄くもらうと、赤字でも黒字でも行政サービスを受けているんですから、それが地方税の性格だと。国税は能力に応じて、担税力に応じて、負担能力に応じて負担してもらうのが国税の本来で、地方税の性格からいうと応益性が強い方がよろしいと。
  ところが、法人事業税は法人税と同じ仕組みになっているんですね。もうけなければ払わなくてもいいと、こういうことになっているものですから、長い間、八田さんが聞いたらびっくりするような大法人が一切払っていないんですよ、ずっと。びっくりしますよ。これだけ大企業で、いろんな事業活動をやって、都道府県や市町村から行政サービスを受けて、それが一銭も払わない、赤字だということで。連結決算や何かで赤字にしているのかどうか知りませんよ。私は意図的ではないと思うけれども、しかし、これはいかにも不公平なんですよ。だから、広く薄く少しは払ってもらおうと。
  ただ、現在の経済環境や中小企業の状況を見ると、やっぱり資本金一億円を超える企業だけにしようと、しかも外形標準は全体の四分の一にしようと、こういうことにいたしたわけでございまして、そこは御理解いただきたい。
  トヨタやドコモが今までもう相当税金を納めてきているわけです、ずっと。だから、それは幾ら掛かるかなのかも知りません。しかし、固有名詞は出せませんが、びっくりするような大法人が今度は少しは払ってもらうんです。それが公平なんですよ、税というのは公平公正というのが命でございますので。そういう意味では、これは公平になるし、都道府県の税収が幾らか安定するし、そういう意味では大きな前進だと私は思っております。
○八田ひろ子君 大企業にどれだけお支払いをいただくかというのはまた後で議論したいと思うんですけれども、私は、黒字企業への減税というのを、やっぱり黒字企業に減税しなければ地方にきちんとお金が行くわけですから、新しく作る場合は、そこの対象をどうするかということは、これは、私どもはこのやり方ではいけないと、議論があるというふうには思いますけれども、そういうことをされないというのがおかしいと思うんですね。
  局長にちょっと伺いますけれども、資本割の圧縮特例の問題です。
  資本金額で百二十六兆円、これを九十六兆円に圧縮する。三十兆圧縮するということですね。資本割でいいますと、〇・二%で試算しますと六百億に当たるわけです。資本増強を要請している関係からだというふうに説明を受けましたけれども、国税では資本増強に対して優遇措置を取っているというふうに総務省は認識しているんですか。
○政府参考人(板倉敏和君) おっしゃいましたのは、国税の、法人税でという意味でございますか。──いや、それは特にないんではないかと思いますが。
○八田ひろ子君 そういうことですよね。今回の総務省の考え方では、ここではこうなるわけですよ。
  大臣、さっき物すごいところで、大きな企業にも掛けるんだというふうに言われるんですけれども、この資本割の圧縮特例の問題について、この企業実態に比べて税がやや過大になるからこういうことをやるんだというふうに言われるんですけれども、やや過大になるからといって頭打ちにするというのは私はおかしいと思うんですよ。これ、大臣の衆議院の答弁なんですけれどもね。やっぱり私はおかしいというふうに思うんですけれども、今言われた担税力のあるところなんですから、それはどうなんでしょう。
○国務大臣(片山虎之助君) 今言いましたように、資本金も外形標準の中へ入れたんですよ。付加価値だけじゃちょっと困るという意見もあるものですから、だから三分の一は資本金も入れたんだけれども、資本金が物すごく大きいからって事業活動と必ずしもリンクしているわけじゃないんですよ。事業活動に応じて、受益に応じて負担してもらうので、受益の程度と資本金の額は必ずしもスライドしないので、そこは大きい、あれは一千億だと思いますけれども、一千億を超える資本の場合にはそれは少し圧縮しようと、こういうことでございまして、これも、いろんな議論して、関係者がみんな議論して、専門家も議論して、まあそういうことならと、こういうことになったわけでございまして、これもひとつ御理解を賜りたいと思います。
○八田ひろ子君 それが分からないので私、質問をして、こういう表もいただいてこの説明をいただいたんですけれども、資本割の圧縮特例の対象というのは、今言われた資本金一千億円以上の法人数、この見込みは百社、そのうち五千億円以上の法人は十二社ということですよね。
  帝国データバンクの企業概要ファイルの資本金額のランキングを見ますと、一兆円を超える資本金の企業というのは、みずほホールディングス、三井住友銀行、三菱東京フィナンシャル・グループ、それからUFJのホールディングスの四社、四つですよ。すべて大きな銀行ですね。
  資本金額というのは事業規模を反映するものとして入れられているわけで、たとえ何分の一というふうにしてもですね。で、一兆円を超えたら、これ、そうなんですけれども、一兆円を超えたら五兆円でも十兆円でも同じ事業規模である、こんなふうに私、言えないと思うんですね。資本金一兆円企業の場合というのは、資本割を〇・二%の税率で、これは単純計算ですけれども、二十億円になりますよね。圧縮特例で八・五億円と半分以下になる。そこからどんなに大きくなっても八・五兆円で頭打ちというのが私は分からないんですよ。
  現在、金融機関への支援というのは非常に重層的、多角的に行われているんですけれども、地方に対して、地方財政でもそういうふうに道連れにする。頭打ちするということは入ってくる金額が少なくなるということですね。だから、これは私はおかしいんじゃないかなとさっきから伺っている、この中身が、頭打ちがおかしいんじゃないかということを。
  大臣の衆議院の答弁を見ても、そうですよと言われても、全然、どう考えてもおかしいんですけれども、いかがなんでしょう。大臣が答弁している中身ですので。
○政府参考人(板倉敏和君) 取りあえず御説明をさせていただきますが、政府税制調査会の中でこの外形標準課税を議論いたしましたときに、四つの課税の類型があるんだろうというようなことで、四つについて集中的に御議論をいただきました。
  その中で、最終的にやはり最も適切であるとされましたのは、現在の三分の二をこういうふうにしようと言っていますいわゆる付加価値、事業活動価値と、こういうことでございました。と同時に、今議論になっております資本等の金額につきましても、同じ四つのうちの一つの類型として議論がされまして、ある程度その事業活動規模を表す指標ではあるけれども、これはそれだけでは、なかなか事業税の外形化にそれだけで単独では使えない、ほかのものと併せて使う、そういうようなものではないだろうかと、こういうような評価をいただいたわけでございます。
  また、先ほど大臣も申しましたとおり、この資本等の金額がなぜ全体として事業規模を表せないのかといいますのは、必ずしもその資本の額とその事業の規模というのが比例していないという実態があるということを言っておるのではないかというふうに私どもは思っているわけでございまして、最終的に、この特に資本等の額が大きな企業につきましては、やはりいかにこの外形標準課税とは申しましても、その負担額が年々かなり過大な負担が掛かるということでございますので、そこはある程度こういう圧縮措置を講じるべきではないかということでこういうことにしたということでございます。
○八田ひろ子君 大臣ではお答えできないようなんですけれども、大企業優遇というのは、これ、一兆円を超えたら五兆円でも十兆円でも同じ事業規模として計算するというのは、私は庶民感覚からいうと本当に分からないんですよね。
  しかも、さっき大臣は、一億円以下は排除したから中小企業はいいというようなことをおっしゃったんですけれども、私は総務省のホームページをちょっと持ってきたんですけれども、実際には、例えば中小企業庁というのは、中小企業は基本法ではあれですよね、三億円以上になっていますよね。中小企業庁の長官というのは、我が国の経済活性化と雇用拡大のためには、その原動力である中小企業を強力に支援することが極めて重要でありますと。これは、別に総務大臣でも同じ立場で、中小企業を支援をして、地域の経済が発展しなければ地方自治体というのは未来がないわけですよね。
  だけど、どこが中小企業なのかという線引きは私は難しいというふうに思うんですけれども、三億円以下一億円以上というんですかね、それは大体何社ぐらいになるんだとお思いなんでしょう。
○政府参考人(板倉敏和君) 私どもの税務統計上、資本金三億円というところで区切った区分の資料がございませんので、おっしゃった会社の数というのはお答えしかねるということで御理解いただきたいと思います。
○八田ひろ子君 総務省のホームページによると、一万五千社ちょっとなんですよね。質疑のやり取りの中では、そこから何かを引いて一万一千というふうにあるんですけれども、これくらいの差が実際にあるんです、中小企業の基本法と今回のものとでね。
  だから、私は、先ほど外形標準課税の適用規模を決めるに当たって中小企業の配慮があるというふうにおっしゃったんですけれども、中小企業と言われているところは実際には赤字企業が多い。現実に今こういうものでは税金の対象になっていないんだけれども、そういうところが今度対象になるということに関して、大臣、やっぱりこの一億円という線では、私は──赤字で苦しんでいる、しかし将来有望なそういう中小企業がざあっと掛かってくる。こういう問題では、さっきの五兆円、十兆円を丸めるという大きな話と、それからこの中小企業がもう本当に血の汗を出して頑張っているというところに対しては何か無慈悲だなということを思うんですけれども、そういうのは、大臣、どうなんですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 税制というのは公平で合理的なものにしなきゃいけませんから、それは相当議論してあれしているんですよ。今言いましたように、資本金がどっと増えて、物すごい大きいというのは金融機関ですよ。これは、例の自己資本比率だとか、いろんなこういう関係があって事業活動と資本金が離れているんですよ。一番いいのは付加価値なんですよ。我々は付加価値を取ろうと、こう思ったんだけれども、まあ付加価値についてはまた別の議論があるので何か入れてくれぬかというので、いろんな検討をして三分の一だけ資本を入れたんですよ。
  じゃ、資本の額をそのまま持ってきて、一兆円も二兆円にもなっているのが、それだけの事業カットをやって、地方団体から都道府県から受益を受けているかといえば、それはそうでもないんですよ。だから、それは頭打ちを、ある程度圧縮する措置を取るべきだというのが皆さんの御意見なんで、専門家を含めて、我々はそれでそれを作ったんですよ。
  それから、中小企業についてはいろんな議論がありますよ。あるけれども、税の上では、法人税等では一億円を一つの区切りにしているんですよ。業種によって違うんですよ、中小企業というのは。そこで、これも政府税調を始め、みんなで議論して、まあ一億円を、一つの線を引こうかなと、こう思ったんですよ。
  そういうことで、多くの人の賛成を得て、最終的には国会の御承認をいただいてと、こういうことでございますので、意見があれば大いに言っていただければいいが、我々の考え方はそういうことであります。
○八田ひろ子君 まだ国会の承認は得ていないんですけれども、今審議しているから。だけど、私は、総務大臣はやはり地方の立場、地方の経済を良くするという、地方自治体の思いというのを受け止めていただいて、皆さんがそうだから、はいはいって何でもそういうふうにされるというのはおかしいというふうに思うんですよ。私、どう考えても、その五兆と十兆を丸める感覚と、この一億円には全部税金掛けて、それが公平ですって同じ口でおっしゃるのがどうも理解できない思いなんです。これは、今回の税制いろいろあるんですけれども、共通しているんですね。
  次の土地税制のところに行きたいと思うんですけれども、土地流動化ということで、一連の土地関連税の軽減、これもずっと減税になるわけですよね。
  まず、確かめておきたいんですけれども、この減税による不動産取得税、特別土地保有税、それから事業所税、これのそれぞれについての減額見込額、それから合計額をお示しください。
○政府参考人(板倉敏和君) 今回の土地流通課税の軽減による減収見込額ということでございますが、不動産取得税が約千二百億円、あと特別土地保有税と事業所税がそれぞれ約四百億円、合わせて二千億円程度でございます。
○八田ひろ子君 何か丸めておっしゃっていただきましたけれども、全体で約二千億円の減税ということですね。先ほど、一番最初にちょっと伺いました配偶者特別控除の廃止によって増税額、これは七千億を超えるんですけれども、地方税だけですと二千五百億だったと思いますので、何かちょうど増減税が相殺というのか、何か数字がちょうど合ったのか、それは知りませんけれども、非常に矛盾を思うんですけれども。
  そこで、それぞれの税について、最初おっしゃいました不動産取得税のことでちょっと確かめたいんですけれども、これ、標準課税を三%に引き下げるということですけれども、今現行は、住宅とか住宅用地というのは、もうこれ、減税になっているものですから、これの対象、今回の減税の対象にはならない。つまり、事務所とか工場とか、そういうための土地が今回の減税になるわけですよね。
  そうしますと、減税の収益というのは、専ら事務所それから工場、オフィスビル、こういう業務用の建設用地とか、それらですね、これを取得する納税義務者になるわけですが、これは法人か個人に分けると、やっぱり法人が多い、こういうことになるんでしょうか。
○政府参考人(板倉敏和君) 個人、法人のちょっと別を取っておりませんので、正直言いますと何ともお答えしかねますけれども、常識的に申しますと法人が多いのであろうというふうに思います。
○八田ひろ子君 そうですね。先ほどから、庶民とかあるいは中小零細企業に対する重い税金の話をしてきた後で、そうでない大きいところに対する減税だなという。これ一千百九十九億円ですから、今回の中では大きい方ですよね。
  それじゃ、特別土地保有税、これについて伺いたいというふうに思うんですけれども、この特別土地保有税というのは土地投機の抑制や土地供給の促進というのを目的に一九七三年に作られたわけで、その後いろんな変遷があって、現在は未利用地の有効利用を促進する市町村税、こういうふうに理解しております。
  しかし、土地の有効利用に役立つ税として今機能しているかどうかというのをちょっとまず聞きたいと思うんですね。
  二〇〇〇年度の特別土地保有税の収入額が四百二十四・七億円ですか。今度、二〇〇三年度で減税になるのは三百五十四億円なんですけれどもね。それで、二〇〇〇年度で見ますと、これに対して徴収猶予の税額というのが五千三百億円、十二倍以上ですね。資料でいただいておりますけれども、徴収猶予の土地の面積というのがこれは年々増えているわけですね。八九年ですと十二万五千八百九十五ヘクタール、九九年ですと二十二万四千六百八十四ヘクタール、この十年間で見ますと一七八・四%増と、こういうことになっていますけれども、これはどういうことでしょうか。
○政府参考人(板倉敏和君) 特別土地保有税につきましては、御指摘ございましたように、現在は、最終的に土地を取得をして、当然何か目的があって取得をされるんだろうと思うんですけれども、それは何かということで、恒久的な用途に供された時点で税金は払わなくてよくなるというような仕組みになっております。ところが、購入された時点ではそういう用途に本当にお使いになるかどうかというのが分かりませんので、取りあえず徴収猶予を掛けて、そういうふうな利用が確定をした段階でその徴収猶予を取り消すといいましょうか、というようなそういう課税の仕組みを取っております。
  したがいまして、最近になってからその徴収猶予額が増えているではないかということにつきましては、想像といいましょうか、恐らくということでありますけれども、いろんなこういう社会経済情勢の中で、例えばこういう用途に使おうということで取得をされたけれども、なかなか資金繰りが付かないのか何があれなのかは分かりませんけれども、そっちの方の利用が思うほどは進んでいない、こういうことではないかなというふうに思います。
○八田ひろ子君 要するに、法本来の、未利用地を生むんじゃなくて早く使ってもらうと、そういうのじゃなくて、未利用地がどんどん増えておると。目的でペーパーは出してあるんだけれども、使われていないということですよね。
  そうしますと、現在でも私、未利用地の有効利用を促進する役割をなかなか果たしていない、こういう現実があって、どうしてそうなったかということを今おっしゃいませんでしたけれども、私は、この特別土地保有税が徴収猶予制度とか土地を持っている所有者にとってやっぱりインセンティブになっていない、いわゆる規制がどんどんと緩められてきて余り役に立たなくなってきているんじゃないか。だから、本来どんどんと活発にやってもらうためには、もっと的確にできるように規制をするなり指導をしなきゃいかぬと思うんですよ。
  ところが、この法律では、今回の提案は、徴収猶予分は除くけれども、事実上、特別土地保有税そのものを廃止するんだと。そうしますと、土地を保有していることが負担と感じないので更に進まない。利用されない土地も、これから買収されることもあると思うんですね。だから、本来、法律作られたときには、未利用地をなくして有効利用を促進しようと、こういうことでできた法律なのに、この法律をなくすと有効利用になると、こういうことになる。そうすると、全く逆の話になるんですよね。
  だから、これも私、何かいろいろと説明を受けても、おかしいなと。特別土地保有税をするとどんどんと有効利用ができますよということで税金をインセンティブだといって作られた。ところが、今度はそれをやめることがどんどんと土地の利用が促進できると。何かどうもおかしいんですけれども、これはどういうことなんでしょうか。
○政府参考人(板倉敏和君) 特別土地保有税は昭和四十八年に創設されましたが、創設されました当時は大変な土地投機の時代でございまして、基本的には土地の売買を抑制するという趣旨で大変高率の税金を土地が取得されるごとに掛けると、こういうような税金でございました。その後、そういう土地の売買取引等も落ち着いたり、またちょっと活発になったり、いろんなことをしてまいりましたけれども、それに応じましてこの税金もだんだんと性格を変えてまいりまして、最終的に、今申されましたような、どちらかというと未利用地を早く利用していただくという形の性格の税金に変わっていったわけでございます。
  ただ、今回、これを新しいものについては課税をしないということにいたしましたのは、やはり現状、現在の資産デフレが進行している中から、何とかこれをいい方向に持っていかなきゃいけない、こういうことが大きな政策課題としてございまして、そのためには土地の流通を一層活発にしなきゃいけない。
  こういう観点から申しますと、この特別土地保有税があるということ自体が、適正に利用する方にとっては本来払わなくていい税ではあるんですけれども、計画をして用地を取得した、しかしながら何か手違いが生じてそのとおり利用できなくなったときにこれは税金が掛かるかもしれないという、そういう何か心理的な非常な圧迫感があるというようなこともございまして土地の流通に対してかなりマイナスの影響がある、こういうことで、今の喫緊の政策課題に何とか対応しなきゃいけないと、そういう観点から特別土地保有税の新規課税はやめると、こういうことにされたわけでございます。
○八田ひろ子君 説明を聞いてもやっぱりおかしいですよ。
  本来、この特別土地保有税というのは、広大な土地を使うよという、じゃ、むちゃくちゃにしちゃいけないからきちんと出しなさいよと、計画書を、そういうものでしょう。だから、東京二十三区と政令指定都市だったら二千平米以内のところは別にこんな税金なんかは掛からないですし、計画も特別出してということはないですね。その他の市町村ですとこれ一万平米なんですよね。これ以下の大きさの小規模なのは元々税の対象になっていないんですよ。
  そうしますと、非常に広大な土地を取得できる大きな事業者とか企業とか大資産家、こういう人たちに対する減税だけですよ。精神的な圧迫があるというふうにおっしゃいますけれども、そういう庶民ではない非常に力のある人たち、そういう人たちにこの税金は精神的圧迫があるから減税しようっておっしゃるんだけれども、さっき片山さんは、配偶者特別控除の廃止のときに、これはもう公平ですから、庶民の皆さんに二千五百億円、地方税だけでいいますとね。じゃ、その見返りに、すごくたくさん持っている人たちのそういうところには精神的圧迫があるから減税してあげましょうと。私は、何か非常に反対だなと。しかも、この法律の本来の目的からいったら非常におかしい説明だなって。何か、どれもこれもここに書いてあるのはそういう内容が多いですよね。
  最後に、もう時間がありませんので、事業所税、これについて、免税点と目的をまずお示しください。
○政府参考人(板倉敏和君) 事業所税でございますけれども、東京都の特別区、政令指定都市、人口三十万以上の市、首都圏整備法に規定する既成市街地、又は近畿圏整備法に規定する既成市街地を有する市の六十九団体が、道路、都市高速鉄道、駐車場等の交通施設、上下水道等の都市環境整備に要する財源を調達するために、都市の行政サービスとそこに所在をする事業所等の受益関係に着目をいたしまして、事業所等に課する目的税として創設をされた税でございます。
  内訳でございますが、課税標準は床面積等でございまして、事業を行う者に課税する事業分というものと建築主に課税をする新増設分というものがございます。事業分には資産割と従業者割と、こういうふうに区分をされておるところでございます。
  平成十二年度の事業所税の税収ですが、事業分が二千九百億円程度で新増設分が約三百四十億円程度、合計三千二百四十億円程度となっていたところでございます。
○八田ひろ子君 今の御説明で、これは先ほど来片山大臣が言っておいでになりますように、地方自治体にいろいろと世話を掛けるんだ、そういうところにちゃんと税金を払ってもらうんだと。これ、正にそうですよね。
  これ、現在、中小零細企業だとかベンチャー企業にはほとんど掛かっていませんね、今言われた二千平米以下というところは、巨大なところだけこれも掛かるわけですよね。課税されているのはほとんど大企業だというふうに伺っています。今度の改正は、そういうところが巨大な開発というんですか、何かするときの新増設分の課税を廃止するということですよね。
  大臣、先ほどから言われていますけれども、事務所ができる、これはオフィスのあれもありますからね、そうすると水道だとか下水道だとか、それからごみも出ますよね。そこの自治体は大変負担があるんですよ。事業所税は都市の維持管理、再生に必要不可欠と、こういう資料も私いただいておりますけれども、これは地方六団体の資料ですけれどもね。
  本当に大事な財源だというふうにおっしゃっている中身なんですよ。それをどうして廃止されるんでしょうかね。自治体財政が厳しいと、何とかしてほしいときっと総務大臣にもおっしゃっている。その大事な財源を、なぜ今、片山大臣、これはもうしようがないからやめようと。じゃ、それに対応する財政措置を何か考えておいでになるんですか。
○国務大臣(片山虎之助君) この特別土地保有税も事業所税も必要な税金なんですよ。ただ、今の資産デフレが大変深刻ですよね。もう土地神話は完全に崩壊しているんですよ。今の日本の地価はまだ高いという説が国際的にはありまして、もっと下がるんじゃないかと。こういう中で、やっぱりこのデフレ阻止のための一つの要因は資産デフレ対策なんですよ。
  そういうことで、証券だとかあるいは土地についての流通関係のコストを下げてくれと、こういう大要請がありまして、結局、そうしないと、デフレを阻止して景気を良くしないと地方団体の収入だって減るんですから。国の収入も減る。国の収入が減るといえば交付税に跳ね返る、地方の収入が減るということはもう地方税でやっているところは大変な打撃を受けるんで、そういう大きな政策課題のためには、この際、特別土地保有税は、地価税も凍結しているんですから、そういうことでそういうふうに考えようかと。
  また、事業所税も、新増設は、工場に来てもらいたい、事業所に来てもらいたいところの立地規制になるんですよ。新増設、税金を取るということは、増設しようと思って税金が掛かる、新たに立地しようと思ってお金が掛かる。
  だから、そういう意味では市の中にもいろんな議論がありまして、私は地方の財源を手厚くしたいと、地方の行財政基盤を強くしたいという思いは、八田先生よりは、八田議員よりはもっと私の方が強いかもしれない。そういうことの中で総合的に勘案して今回の減税ということは踏み切ったわけでございまして、そういうことでよろしく御理解をこれまたお願いいたしたいと思います。
○委員長(山崎力君) 時間ですので、おまとめ願います。
○八田ひろ子君 総務大臣のお言葉とも思えませんね。私は、やっぱり地方の思いをもう無慈悲に切っちゃったんだというふうに思うんですよ。
  今日は時間がもうありませんので質問できませんけれども、皆さんのところに資料をお渡ししておきました。これは例の二〇〇三年問題、東京都のオフィスが余っちゃうというのの資料として、私、質問しようと思ったんですけれども、時間がありませんが。
  今、東京は大規模な事務所ビルの建設ラッシュですよね。この表にもありますように、一目瞭然で二〇〇三年がピークなんです。都心の三区だけでも二百ヘクタールものオフィスがこれから造られる。先日のテレビでも「超高層ビルが東京を覆う」という番組がありまして、これ、中小のビルの所有者はオフィスビルの過剰に悩んでいるんですよ。
  さっき言われたみたいに、ますます景気を悪くする方向へこういう減税、ここの、突出している大企業のここだけに減税をするという注目では、やっぱり景気も悪くなりますし、地方にとっても本当に大変な冷たいやり方だというふうに私は思います。
○委員長(山崎力君) 八田委員、時間です。
○八田ひろ子君 今回のこの税制の表を見るだけでも、大企業優遇は極まれり……
○委員長(山崎力君) おまとめ願います、八田委員。
○八田ひろ子君 はい。
  大企業や大資本家のためだけの減税でありまして、庶民には増税ですよ、負担増です。こういうやり方は絶対に許されないということを強く申し上げて、時間ですので、質問を終わります。
○松岡滿壽男君 今日はイラクへの武力行使をめぐって参議院も今日、明日と二日掛かりで本会議が開かれるという事態でございまして、そういう中で、総務委員会におきましては真摯に地方の問題を議論するわけでありますが。
  市町村合併という大きな流れの中でその根幹を成す税財源の移譲という問題をまず取り上げていきたいというふうに思うんです。
  それで、大臣は、これ、一月二十六日の朝日新聞のアンケート、これはごらんになったですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 見たと思います。
○松岡滿壽男君 これ、全国首長に対するアンケートなんですよ。
  普通のアンケートといったら回答率、非常に低いんだけれども、四十七都道府県知事、それから六百七十五市長、千九百八十町長、五百六十二村長、二十三東京特別区長の計三千二百八十七人を対象に、回答したのが三千百二十二人、回答率九五%ですよ。それだけに、やはり今の地方自治制度が大きな曲がり角に来ておると。
  その中で、皆戸惑っている、どうリーダーシップを発揮していったらいいか分からないというような首長の悩みが、市町村合併とか道州制の問題、税源移譲の問題、交付税の改革、そして財政危機、こういう変革は待ったなしだけれども、なかなかそれをどうやったらいいのか、国の方もいろいろ苦しみながらなかなか的確な対応ができていないということがやはりこの九五%の回答に出てきているというふうに私は読み取っておるわけであります。
  それで、この中で、国の補助負担金の整理と地方税財源の充実がこれ一番必要だというのは八割ぐらい言っていますね。そして、小泉内閣の地方改革について、余り評価できぬ、全く評価できぬというのが知事の八五%、市長の七三%、町長の七九%、村長の八五%なんです。こういう数字になっているんですよ。
  こういうふうに地方が、合併しろよと、いろいろ変えていこうやと言いながら呼び掛けているけれども、それに対してみんな戸惑っている姿が如実に出てきているんですね。大臣はこの問題をどのように受け止めて、どのように対応すべきとお考えなのか、まずお伺いをいたしたい。
○国務大臣(片山虎之助君) 確かに、私が見ましても、それじゃ、もう今までの中央政府が長い歴史の中で地方自治を本当にきちっと理解して地方自治の強化や地方分権推進のためにどれだけの努力をしてきたかということは確かにあるんですね。
  このところ、地方分権改革推進委員会の努力もあったり、地方分権一括推進法を国会で作っていただいたり、その前は衆参で地方分権推進の国会決議もやりましたよね。そういうことの積み重ねで私はあの一括推進法ができ、かなりあれで進んだと思いますよ、それまでは議論だけだったんだから。実際、実現したというものは割合に少なかったんです。そういうことの中で市町村合併をやって行財政の基盤を強化しようと、基礎的自治体の、そうして三位一体改革をやろうと。私は、ここは大分前進してきたと思います。
  それは全国の首長さんにも是非分かってもらいたいと思うんですが、今まで割に金があったものですから、右肩上がりですから、経済も財政も、そこで過保護に慣れているという面もあるんですよ。もうかゆいところに手の届くような、本当にそういう面倒を見てきているんですよ、かつての自治省が。それは、私はそれは大変いい面があったと思うんですけれども、そして同時に、育たないですね、そんなことをやったら自立心が育たない。
  だから、私は、これからは、私自身の言葉で、自分で言っているんですが、やっぱり自立ということと、同じように、よそと横並びでなる均衡ある発展ということじゃなくて個性だと、個性ある地域振興というんでしょうかね。それからもう一つは、地域間の競争だと言っているんですよ。負けたやつは、もう物すごく面倒に、手厚い保護をされたら、だれも競争なんかしませんよ、しない方が楽なんだから。それから、やっぱり与えられた財源の中だけで自治だ自治だと威張ってもしようがないんですよね。地域をどうやって活性化して、自分でお金を稼いで、ほとんど税金が取れなくて全部ほとんど交付税で、その中で自立だ自治だ何だと言って威張っても、私はそれは駄目だと思うんですね。
  そういうことで、首長さんの方にも考え方を直してもらうと、中央政府も直すと。両方必要だと思いまして、やっぱりそういう今過渡期ですから、いろんな混乱や戸惑いが、今、松岡委員言われたアンケートの結果に表れているんではなかろうかと思っております。
○松岡滿壽男君 かつての自治省が唯一地方の首長から見ると政府の中では我々の方に顔を向けて我々の気持ちが分かってくれている省庁だという気持ちでおるわけですし、それに合併問題が絡んでくると、にわかにこれはちょっとひょっとしたら味方じゃないのかなという取り方もあって、非常に皆悩んでいると思いますね。
  だから、やっぱり一番大事なことは、この改革の方向性というのが一体どういう方向を向いているのかという部分を見せなきゃいかぬのだけれども、なかなかそこが見せれないというところが一つあると思うんですね。サッチャー改革なんかは、やはりうちを壊す前に、新しいうちを建てる前に古いうちを壊さにゃいかぬと。古いうちを壊す前にどんな新しいうちを建てるのか見せなきゃいかぬという部分がなかなか、道州制の問題とかいろんな議論は出るけれども、税源移譲の問題とか、なかなかすっきりした形が出てこないというところに、一体この合併を進めた方がいいのか、あるいは足下見たらやっぱりせぬ方がいいのかという行きつ戻りつになっていると思うんですよ。正に今、大臣言われたように、自立とか個性とかよその市に負けるなという気持ちは基本的には皆それぞれ持ってはいるんですよね。だけれども、それがうまく生かせる舞台作りがなかなかできてこないという部分にまどろっこしさが一つはあると思うんですよ。
  それで、六月ごろまでに工程表も含んだ方向性がまとまるという御答弁もいただいておるんですけれども、現在どのような状況にこれなっておるのか、税財源移譲の問題、今後の取組についてどのように決意を持っておられるのか、改めてお伺いをいたしておきたいというふうに思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 十五年度の予算では芽出しということで二千四百億弱の一般財源化と、それに対するほとんどが国が財源手当てをする、それから特に義務教については、地方、府県の自主性を増やす、それから細かいもう補助金は市町村の道に対する道路の補助や福祉の関係の細かい部分はやめてもらう、もうどうぞ一般財源自由にやってくださいと、こういうことにいたしたわけでございまして、この六月ごろというのですが、六月はあるいは幾らか遅れるかも、夏と私は思っておりますけれども、それはもう閣議で正式に決めておりまして、具体的にそれを議論するのは経済財政諮問会議で、原案を作るのは地方分権改革推進会議になろうと思いますけれども、そこで分権改革推進会議の方は今いろんな検討をしていただいて、ヒアリングなんかをしていただいておりますし、経済財政諮問会議の方は議論を始めようと、こういうことになっておりますし、事務的にはいろんな今それぞれに御検討を願っておりますけれども、なかなか、総論賛成各論反対というのが我が国では大変多うございますので、これからまとめるには苦労すると思いますけれども、これはやろうと。
  こういうことで、総理もそういう考えでございまして、諮問会議もそういうことで皆さんの意見が一致しておりますから、是非道筋を付けていきたいと、こういうふうに思っております。
○松岡滿壽男君 国庫補助金の削減、地方交付税の見直し、税源移譲を含む国と地方の税源配分の在り方がいわゆる三位一体で検討しておられると。それで、それぞれ総務大臣や財務大臣や文部科学大臣の御決意も昨日の参議院の本会議で十分承っておるわけでありますが、本当にこれが芽出しなのかひこばえですぐ枯れてしまうのか、その辺が非常によく見えない部分なんですよね、率直に言って。
  そこが一つ大事なことでありますが、平成十五年度は、義務教育国庫負担金について共済長期給付及び公務災害補償にかかわる部分を一般財源化しているわけですが、平成十八年度までに義務教育にかかわる経費負担の在り方について国庫負担金全額の一般財源化を目指しているというふうにこれ本当に考えていいのかどうか、文部科学省においても十八年度まで足並みそろえて検討可能なのかどうなのか、これをちょっと伺っておきたいというふうに思います。
○政府参考人(樋口修資君) お答え申し上げます。
  今御指摘の義務教育費の国庫負担制度、私ども文部科学省といたしましては、国の責任による最低保障の制度だということで、教職員の給与費等の二分の一を国が負担することによって、全国的な教育の機会均等あるいは教育水準の維持向上を図るためのものであるということで、大きな役割を果たしてきたと思うわけでございます。
  今回の義務教育費の国庫負担の見直しにおきまして、国と地方の費用負担の在り方を見直す中で負担対象経費を限定をさせていただいたわけでございます。十六年度以降の取扱いといたしましては、三大臣合意におきまして十六年度は退職手当と児童手当の取扱いについて継続検討課題とされているわけでございまして、私ども、今後十六年度の予算編成過程までに結論を得るべく努力をさせていただきたいと思っているわけであります。
  また、全体の問題として、その義務教育費国庫負担金全体の問題を十八年度末までに検討するということで、この一般財源化の問題につきましては、教育改革の中で義務教育制度の在り方の一環として検討を行うということで、財源論の問題だけじゃなく教育論の問題としてもよくその点を踏まえながら、私どもとしては検討を行わせていただきたいと思っているわけであります。
  最初に申し上げましたとおり、文部科学省といたしましては、この義務教育費の国庫負担制度、必要な見直しは行う必要があると考えているわけでございますが、一方、義務教育の水準を確保するという見地から、今後とも国としては必要な責任を果たしてまいりたいと思っているわけでございます。
○松岡滿壽男君 この辺になると、ちょっとそれぞれの省庁の考え方といいましょうか思惑といいましょうか、ずれてくる部分がやっぱりあるんだろうと思うんですけれども、問題は、やはり教育の重要性にかんがみて、教育改革とかあるいは基本法の問題とか、そういう大きな広がりを持ってくると、それは十八年度までに片付く話じゃこれはないんですよね。どこかでばさっと整理をしていかないとこれは進まない。
  ただ、教育の問題については、やはり、例えば日清戦争、なぜ清国負けたのかという分析をあの当時しているんですよね。そうすると、やっぱり日本の普通教育制度、これはもう九割ぐらいの水準に明治四十年前後はなっているんですよ。小泉さんは米百俵の話されるけれども、やっぱりそれで清国側の分析は、やっぱり二十万という、科挙の合格者が二十万人ぐらいでしょう。日本は普通教育を受けているのは当時もう四千万ぐらいおったわけですから、この教育の差で我が国は負けたんだと分析しているわけですよね。だから、やはりその後我が国が、ここまで国民の皆さん方が、あるいは指導者も汗かいて発展してきたベースというのは、やはり教育というものがしっかりしておったというところにあるわけでして、それを、何かその負担を国と地方で押し付け合っているという印象は私は良くない。
  ここはだから、どこかできちっと整理をして、国民に分かりやすく説明できるような対応を早くこれ取らないと、何か国が困っておるから、どっちかでこう、いや国の責任だとか、いやこれは、しかし地方に住んでいるんだから地方も持てよという目で見られると、ますます教育そのものがおとしめられる形になってくる。そういう点を非常に私は実は危惧しておるわけですよ。この問題は早く、大臣、きちっと整理をしないと、何か余計なものの負担を両方が押し付け合っているという印象に取られかねないものですから、あえてこういうことを申し上げているんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、押し付け合っているんじゃないんですよ。文部科学省は自分の方の補助金で出したい、補助金で出したいと言っているんですよ。だから、全部補助金じゃなくてもいいじゃないかと、それだけのお金を別の形で一般財源手当てすればいいじゃないかというのが地方分権改革推進会議や総務省の立場で、押し付け合っているんじゃないんですよ。押し付け合っていりゃいいんですよね。文部科学省の方が是非一般財源でやってくれと、私どもの方が是非補助金でと、じゃないんですよ。そこは是非そういうふうに御理解賜りたいと思いますしね。
  教育の重要性はもう私は松岡委員と全く同じ認識でありまして、教育がどうでもいいなんというのは一切、考えた人はいたとしても少数だと思いますね。そこで、教育の中でも義務教育は根幹的な教育、基礎的な教育ですよね。だからこれをしっかり守っていく、国が責任を持つということは私は必要だと思っています。その持ち方が今標準法で、がんじがらめまでしなくてもいいじゃないかと。標準法できちっと基本的なことはもう義務付けて縛っていくんだけれども、地方の裁量があってもいいではないかというのが一つと。それから、全部補助金を、給与だけ二分の一持って、ほかの補助金も出ていますけれども、これだって長い間やってきたけれども、こういう状況の中でそこは考え直してもいいではないかと。大きいものですから一番最初に目を付けたということもないんですが、大きいことは一番大きいです、三兆を超えていますから。
  それともう一つは、そういうことの提案の中で、文部科学省自身が、それじゃ五千億削ってくださいと、こういうことを言ったんですよ。そこはいいんだけれども、五千億削った財源の手当てはどうか財務省と総務省でやってくださいと、こうなったんですよ。財務省だって五千億補助金を削るのはうれしいですよ。しかし、五千億一般財源の手当てを地方財政対策でやるというのは、これは骨が折れるんですよ。そういうことの中で、大変な議論をして、経済財政諮問会議でも何回も議論して、それじゃ取りあえず二千二百億弱ぐらいですか、やや義務的なものについて補助金をやめて、義務的なものをやめるんですが、それだけだと負担転嫁になるんですよ。だから、その二千二百億弱については一般財源をしっかり国の責任で手当てをして、その代わり、そういうことをやるんだから学級編制や教職員の配置については地方の自主性を認めると、こういうことなんですよ。
  そこでまずやったんで、全体をどうするかって、十八年度まで、これが「改革と展望」の期間ですから。だから、十八年度までに全体をどうするか考えようと、こういうことなんですけれども、その中で、やっぱり財政論だけ、国と地方の役割分担論だけじゃ駄目なんで教育論がなきゃいかぬと。そこで教育改革の中における義務教育の位置付けというものも入れようと。だから、国と地方の役割分担はありますよ。財源論もある、教育論もある、そういう中で三省庁が誠意を持って一生懸命話し合っていい結論を得ていこうと。
  私どもは、私個人はいいと、一般財源、全部してもいいと思いますよ。しかし文部科学省の立場もある、財務省の立場もあるんだ、どこで接点があるか。これを大いに議論をしていきたいと。そこで、仮に補助金を削る、負担金を削った場合にそれに見合う財源は必ずもらえますよ。それはもらわにゃもう単なる負担転嫁、付け回しですからね。そういう今姿勢で、今後とも誠意を持って検討していきたいと、こういうふうに思っております。
○松岡滿壽男君 大臣のおっしゃるとおりだと思います。だから、補助金というのが頭からこびりついているからなかなか自立できない。だから、この補助金の問題を、だからどのように三位一体の改革の名の下に、総務省が地方交付税、それから財務省は国税、それから補助金を有する各省庁は補助金と、それぞれが持ち出し分を検討していくということが大事なんですけれども、平成十八年度までに数兆円規模の削減を目指すといって、ということですけれども、補助金について削減の優先順位というのは、これ付けられるんですかね、付いておるんですかね、その辺は。
○国務大臣(片山虎之助君) これはなかなか、松岡委員御承知のように難しいんですが、私が具体的な提案をやっているのは、例えば職員設置費ですね、それから法律を施行するための事務費ですね、施行事務費、それから施設の運営費、小さい設備の整備費、それから、もう身近な細かいところの生活基盤の整備、例えば市町村道ですよ。そういうものや、あるいはそういう施設の維持、補修や局部改良に掛かる国の補助金、負担金はもう全部やめたらどうかと。これが第一順位です。それから、第二順位は奨励的な補助金です。国の都合でやってもらうために補助金を半分出しますとか、何分の一出しますとか、国の都合ですよ、奨励的なもの、これも大部分やめたらどうかと。
  問題は、義務教育のような負担金なんです。負担金は義務教育のような経常的な負担金と公共事業の負担金とあります。もう一つ種類を挙げるといえば社会保障、こういうものについてはこれはなかなかやめられません。特に社会保障なんかについては、これは国と地方が出し合ってやっているんですから、それは今の、例えば市町村でいえば国保だとか介護保険だとか、これは簡単にやめられない。だけれども、その中でもう少し整理できるものがあるかどうか、それから義務教育については、これは今教育論を含めて議論をして結論を出していこうと。
  公共事業については、私は基本的には直轄事業と単独事業でいいと思っているんです。ただ、今補助事業がかなりありますから、補助事業で細かいものはもうやめてもらう。大規模なもの、広域的な効果があるもの、それから技術が難しくて国でなきゃできないようなもの、それはもう直轄事業でまずやってもらって、それで補助事業の中でもやっぱり、関係が一都道府県や何かを越えるようなもの、広域的なものです、基幹的なもの、これについては補助事業を残してもいい。それから、もうちまちました細かいものはもう全部単独事業に回してもらって、やるやらないは地方団体に決めてもらったらどうかと。そういう趣旨のことを、暮れの経済財政諮問会議で私提案しまして、考え方はまあそうだということになっております。
  ただ、これも総論ですから、まだ。各論になるといろんな私は恐らく意見が出てくるだろうと、こういうふうに思っております。
○松岡滿壽男君 大臣は、国、地方税の比率を一対一を実現したいということで頑張っておられるわけですけれども、結局その単独事業でやる、あるいは公共事業については、もうみんな物すごい負担になっちゃっているんです。いわゆる景気対策でどんどんやらされちゃった。だから地方も、まあそれは国の方が借金は大きいけれども地方だって百九十九兆円あるわけですから。それで、そういう公共事業が重く肩にのし掛かる。それで今おっしゃった医療、福祉、これも非常に重たくのし掛かってきているわけですよ。
  そうすると問題は、自立しろとかいろいろ言ったって財源なければ何にもできぬわけですよ。この一対一を実現を目指しておられるわけですけれども、やはり地方がコスト意識を持って自立した地域経営を実現するためには補助金、交付金を限りなく廃止して、その代わり、前提としては財源がなきゃいけません。自分たちの税収で大部分の歳出を決めることが私はやっぱり必要だと思うんです。それが地方自治だというふうに思うんですけれども。
  しかし、交付税を限りなくこれ廃止していくと、地方税収入の地域格差が、地域間格差がやっぱりあるわけですから、税収だけで人件費を賄えないところも、この前の総務省が出された資料を見ますると、一万人以下の町村が大体一・二ぐらいですか、税収と人件費が一・二ぐらいでしょう。五千人以下になると二倍になっているんですね。税収が一で人件費が二になっている。こういうところには自立をせいと言ったってできぬわけですから、国の関与が必要になってくる。
  そういう地方税収の地域間格差の調整を行いながら交付税の削減を目指して、将来、国、地方の役割に応じた税目を明確にして、その税収において行政サービスを提供することがスリムで効率的な仕組みに作り変えていくためには必要なことだと私は思うんですが、総務省は税財源の移譲による地方の自立をどのように計画的にやっていこうとしておられるのか、それをひとつお聞かせいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 私は、今の六、四の国と地方の税源配分を五対五にしてくれと。しかし、五対五にしますと、やっぱり税収の格差は拡大するんですよね。経済力のある東京や大阪や神奈川県や、そういう県なり市町村が税が増えるんですよ。だから、交付税というのはどうしても必要なんですね。だから、私は、分かりやすく言えば、これからは経済力のある地域は税だけでやってもらう、交付税の不交付団体になってもらう、税収のないところは、これは税ではとても足りませんから、これは交付税を中心でやらざるを得ないと、こういうふうに思っているんですね。
  それで、今はもう人件費の半分出ない、税収が、団体幾らでもありますよ。小さい団体は皆そうなんです。それから、やっぱり合併がしにくいようないろんな制約があるような団体はそうなので、一割税があればいい方だというような感じのところもありますよ。みんな交付税なんですよね。交付税や補助金やなんかなんですよ。だから、与えられているんです、税金を。そういうものに依存しているんですよ、いろんな状況でしようがないんですけれども。そこでどうだこうだと言っていただいても、やっぱりなかなか難しいところがあるんですよね。
  だから、合併したくないというのは私はよく分かりますよ。地形的ないろいろな制約があるから。それからもう一つは、首長さん、議員さんが辞めたくないという気持ちが半分くらいある。それはどうしてもある。しようがないんですよ。それは、私がそうなったら同じことを言うに違いないと思うから。それから、今は本当に仲良く自由にやっているんですよ。人口千人だとか二千人だとか。私、岡山県でよく知っていますよ。もうやることは大体全部できて、補助や交付税で。もう税金はほとんど取れませんよ、五%か六%か。しかし、仲良くて、大体やることは全部できて、運営には困りませんよね。合併なんか何でしなきゃいかぬかということになっている。
  しかし、そういうふうな状況はもう続かないんですよね。国もそうですけれども地方も。だから、そこはいろいろ、これだけ道路が良くなってITが進んでくるんですから、いろいろそういう制約条件があっても頑張ってもらおうという。我々は強制的なことは考えておりませんけれども、もちろん。ただし、やっぱり自立する志とそれだけの努力がないところはいつまでも依存で、交付税におんぶにだっこで、これでは困ると言っているんですね。だから、そういうことの中で、やっぱり税源移譲が私は基本だと、こう思っておりますから、これを是非進めていきたいと思っております。
○松岡滿壽男君 是非、大臣には頑張っていただきたいんですが。
  昔は、ローマ時代なら、それこそ一目で見渡せる範囲とか、町の適正規模ですよ、それで声を掛けたら届く範囲とか、顔見知りでおれる範囲とか、そういうものはあったと思うんですよ。だけれども、今はもう随分時代も変わってきて、相当程度豊かな状況ができてきている。ずっと右肩上がりで来た。そういうシステムの中になれ親しんできているわけですよ。ところが、これから先を見ると、そうは言えない状況が出てきているわけでしょう。
  今日からまた戦争も始まる。そうすると、株安がまた更に行くでしょう。それで、経済ももう全然これはうまくいきませんよ。それで、世界的に今、グローバリゼーションの中でデフレが進行しちゃっている。
  いわゆる日本にとっては人口が減ることはもう間違いない。厚生省の予測で見ると、百年たったら六千万になるというんでしょう。それ延長していったら西暦三〇〇〇年には日本はゼロになるというんでしょう、人口が。それで、要するに世界は人口爆発するけれども、よその国は、日本は縮んでいくわけですよ。いわゆる縮小社会に入っていくと。それで、国と地方の借金は雪だるま式に増えてくる、経済はうまくいかない。そういうデフレの中に完全に入っちゃっている。そうすると、人口が減る縮小社会というのは必ずデフレになるんですよね。消費する人も減ってくるわけですから、生産力も縮んでいくと。
  この前、予算委員会で私この問題、堺屋経済企画庁長官のときに、この勉強したところが、結果は一つもいい結果が出てこないと、縮小社会で、というので発表しなかった。ところが、十四世紀に一回あったといって、竹中大臣が、どこかヨーロッパで、縮んでいっても、縮小社会でも。それは確かに、考えてみたら、江戸時代だってずっと三百年ぐらいの間は三千万から三千三百万ですから、人口が、だからある面では縮んでいたわけでしょう。それでもうまくお互いにやれたと。
  だから、そういう知恵を出していかにゃいかぬのだけれども、要するに消費も増えず、デフレも解消せぬと。デフレギャップは一応二十五兆円ぐらいあるんですよね、デフレギャップが。そうするとこれ、減税しろといったって、国税収入だって四十二兆円しかないし、地方税だって三十二兆しかないわけですから、これは全然できぬわけですよ。だから日銀の新総裁に期待せにゃいかぬと、いわゆる不動産問題と株の問題で。
  という状況でありますから、地方も既に、平成三年度末が借入金残高七十兆だったものが平成十五年度末に百九十九兆になっておる。そうすると、今までの縄張争いとか、各省庁のですね、権益保護だけを考えておったら全然前に進まないですよね、再生日本が。だから、総理と各大臣がかなり指導力と将来を見据えた格好でそれぞれの権益にメスを入れていくということをやらぬと、私は全然改革進まないと。それをやろうとせぬから、地方の知事さんやあるいは市町村長さんは、どないなってるんやと。
  だから、これは国の改革と地方というのはやっぱり車の両輪だと私は思いますよ。その辺のやっぱり覚悟を相当持って、総務大臣、リーダーシップを発揮していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 言われるとおりですね。やっぱり二十一世紀に入りましたし、私は、そういういろんな改革を今やろうという機運も出てきて、国民の理解も得ておりますから、それぞれの改革を着実にやっていくと。特に、地方の場合には、地方にできることは地方にゆだねるということを何度も総理も言っておられまして、私は基本的にはそうだと思うので、市町村にできることは全部市町村にやってもらいたいと思うんですよ。そのためには、やっぱり市町村が力を持ってもらわなきゃ、基盤を強くしなきゃできないですよね。
  例えば、都市計画を全部やってもらおうと。専門家いませんね。今、ITの電子自治体ということを進めておりますけれども、やっぱり市町村によっては分かる人が少ないんですよ。だから我々は共同化やアウトソーシングということを言っているので、やっぱりいろんなことが市町村でできるような体制を、権限の上でも、お金の上でも、人材確保の上でも、いろんなことでそういう基盤を作って、今県がやっているようなことは市町村が全部やるのが私一番いいと思うんですよ。そして、県がもっと大きくなって国がやっているようなことをいろいろやっていくと。
  国は、どうしても国でなきゃできぬことを、外交だとか防衛だとか、あるいは一国の通貨政策や経済政策だとか、そういうことをやっていくのが、一番身近なところで遺漏なく処理されるんですから、透明度も高いし効率もいいんですね、知った人が決めるんですから。霞が関の役所の人が、ここの道路をどうするとか、ここを、あれをどう、施設をどうするとか、おる人が決めるのが一番早いですよ。補助金をもらいにこっち来なくても、税でやれるならその場で決まっちゃうよ。一回一回申請書を出して説明をして、あとチェックを受けてなんというようなことをやめるのが私はこの国が再生する一つのゆえんだと、本当にこう思っておりますので、是非、私の所管の分野について一生懸命やってもらいたいと思います。
○松岡滿壽男君 大臣が言われるとおりですけれども、そう議論しておる時間は日本には余り残されていないと私は思うんですよ。
  確かに合併問題でもいろんな思惑がそれぞれあって、もっと自主的にやれという声もあるし、いやそうじゃないと、もっと国は青写真示して、道州制の導入とか三百ぐらいの市にしなければ効率のいい運営できないよと。その代わり、財源は全部、税も地方で取りなさいと。国は、こういう議論もあるわけですよ、大体、道州制導入すれば今八十一兆の政府の予算は二十兆ぐらいで済むじゃないかと。道州制導入することによって三十兆ぐらい節減できるんじゃないかと。そういう基本的な方向性が見えないわけですよ。だから、地方も揺れ動いているわけですよ。
  言われるように、地方でできることは地方で、当たり前のことですよ。だけれども、お金もない権限もないでしょう。それでやれることやりなさいと言ったってやりようがないじゃないのというのが現在のやはり揺れている状況なんですよ。だけれども、それはもうこれから残された時間は私も余りないと思いますし、しっかり議論しながら、国会での議論を踏まえながら、やっぱり行政の方も頑張っていただきたいというふうに思うんです。
    〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
  先ほど来議論ありました二番目の課題ですが、自治体の課税自主権の活用と税収確保についてに移りたいというふうに思うんですが。
  まず、法定外税の導入の問題です。
  地方税を充実させるために地方自治体の課税自主権の強化、これは必要だと思うんですけれども、東京都の宿泊税、三重県の産業廃棄物税、山梨県河口湖町ほか二町の遊漁税などの法定外税が創設されております。四十七都道府県の調査によると、環境保全に使途を限定した法定外税については三十八自治体が導入を準備中であり、自然環境の景観保護を目的とした独自課税を検討している自治体があり、こういう動きが全国に活発になってきておるようであります。
  しかし、主要な税源が既に法律により配分されている現状では、新たな税源を見付けることは容易ではない中で、町づくりや環境等の分野において税収確保そのものよりも政策誘導的な税を模索する動きになってきておるわけであります。法定外税だけで地方税の充実確保を図ることは限度があると考えますけれども、総務省はこの問題についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○副大臣(若松謙維君) 今、法定外税の話がございましたが、平成十三年度決算ベースですと、いわゆる法定外普通税が二百八十八億、これ二十団体です。法定外目的税、このときはまだ税収が入っておりません、十一団体ございますが。こういった状況で、二百八十八億という金額。それに対して法定税のいわゆる超過課税ですね、これについても委員御関心がおありですが、これも平成十三年度決算ベースで超過課税が四千七百億円、これは全国二千四百三十五団体ということでございます。是非とも、これは大変貴重な財源で、地方税の充実確保にはなくてはならないと、こう期待しているわけでありますが、御存じのように、いわゆる平成十五年度の予算でも通常収支の不足が十三兆、さらには恒久的な減税三兆幾つ、いわゆる十七兆穴が空いていると。さらに、交付税もいわゆる国が借金をして何とか十九、十八兆確保していると。こういう状況で、超過課税、さらには目的外、法定外税も限界があると。
  ここについてどうしていくかということでありますが、何といってもやはりやらなければいけないのはいわゆる税源移譲を含んだ三位一体と。これはもう片山大臣が中心に一生懸命頑張っていただいているわけでありますが、それも数兆円規模と。根本的にこの大きな穴というのはどうするのかというのは本当にこれは真剣に議論しなければいけない問題でございまして、やはり憲法九十二条のいわゆる地方自治の本旨と、それが受益と負担なのか、それは何なのかという、本当にこれは早期にまた結論を出さなければいけない問題と考えております。
○松岡滿壽男君 超過課税については次にお伺いしようと思ったんですけれども、若松副大臣の方から先に御答弁をいただきましたので、よく勉強なさっておられるものだから、あれなんですが。
  徴収体制の強化についてお伺いをいたしたいと思います。
  財政状況が厳しい中で、自治体の自主財源の充実確保の観点から徴収体制の強化を図る必要もあるんではないかというように思うんですが、平成九年から平成十三年の五年間で滞納額が実に七百二十一億円増加しておるようですね。こういう中で、悪質な税の滞納者に対しては行政サービスの制限、停止、氏名の公表等を制度化する自治体や、他の自治体と共同して滞納整理に取り組む自治体が出てきているようでありますが、御存じのような経済状況で失業率は高止まり、しかも若い人たちの就職の道が閉ざされておる。平成十四年度の個人破産が実に二十一万五千件と、これはもう対前年比三三・八%の増でありまして、特に対前年比四〇%を超える県が、地方が特に傷んでいますから十六県に及んでおるわけです。
  こういう厳しい状況の中で、自治体の税収確保対策、徴収事務体制の課題と今後の在り方、これを総務省、どのようにお考えでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) まず、地方税の滞納額、これは平成十三年度決算で国が二・七兆円、そして地方が二・三兆円と、こういう金額でございますが、何といっても地方公共団体の滞納整理につきまして、実際に、例えば市町村が直接住民の顔が見えるわけでありまして、なかなか実際に取りにくいという、これが現場でも聞く声となっております。
    〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
  そういうことでありまして、例えば茨城県、鳥取県におきましては、そういった直接当事者じゃなくて一部事務組合を設立して、いわゆる第三者的なものを作って、その方たちが徴収困難な事案について滞納整理を実施すると、こういうこともございますし、神奈川県におきましては、県税事務所と市町村の税務職員がそれぞれの併任職員となりまして、そして相互に連携を取りながら徴収技術の向上を図ると、こんないろいろな努力がなされているところであります。
  総務省におきましては、平成十五年度から自治大学校におきまして徴収事務に関する実践的な研修を実施しておりまして、さらに、そのときに具体的に自治体に行って徴収の経験をするとか、いわゆるどれだけ徴収が大変であるか、それを知っていただきながら、かつ先ほどの先進的な事例を各自治体に紹介しながら、地方税の滞納額、これの減額に努めていきたいと今努力しているところでございます。
○松岡滿壽男君 ありがとうございました。
  先ほど来の議論の中で、市町村合併とか市町村の将来の姿についての議論もあったわけですけれども、基礎的自治体の考え方、こういうものが理想的だというものが、例えば人口の面でいえば十五万から三十五万ぐらいが適正規模なのか、そういう国の青写真が、道州制の問題とか、しっかりしたものがないと、結局民意に問うというだけではなかなかやはり、先ほど来アンケートにもありましたように地方自治体の首長の悩みは尽きぬわけですよね。結果的には、それじゃ自分たちの都合のいい形での合併しか選択がないのかと、そうすると、非常に効率的でない小規模的な合併と、じゃ何のためにしたんだという全く結果も分からないという状態になりかねないわけですね。
  だから、市町村合併が求める行政や財政の効率化、こういうものがやっぱり必要なのか、いや必要でないのかということも分からぬ状況にあって民意に問うという形ですから、だから、明治の大合併はそれなりに一つの目標もあって、昭和の大合併も中学校とか一つの問題があって、今度の場合は非常に難しい。だけれども、先ほど申し上げたように、日本の将来が非常に危うくなってきている。財政破綻もあるし、デフレ縮小社会、その中でいかに効率的で、スリムで効率的な仕組みを作っていくかという、これは国家の生存を懸けた大変な問題意識を持たないと乗り越えられない問題だと私は思うんですよ。だけれども、それを漠然として、大臣はよく答弁されるけれども、明治の大合併はこういう廃藩置県の後の再編成で、昭和の大合併はこうですが、今回はという、これじゃ説得力ないですよね。
  だから、どういう青写真を国として持っておるのかということをやはり示されるときが来ているんじゃないかと思うんですが、その辺はいかがでしょう。
○国務大臣(片山虎之助君) それは青写真が示せれば一番いいんですよ。しかし、道州制といいましても、やっぱりこれは十分議論して国民のコンセンサスを得ないと、役所がぼっと打ち上げる、総務省が、あるいは内閣が、これじゃ民主主義じゃありませんわね。そこで、今、地方制度調査会で市町村再編後の府県制度の在り方を議論してもらっているんですよ。そういうときにたたき台を出してもらって、議論を大いにして国民的な論議を起こして、その中で国民のコンセンサスを得ていかないと、それはイラクや何かじゃないんですよ、我が国は。民主主義の国ですからね。それはもうやっぱりそういう手続を踏んでいく、時間を掛ける必要が私はあるんじゃなかろうかと思います。
  それから、明治の大合併は、近代国家になるために最前線の行政単位として市町村の強化ですよね。そして、具体的には徴兵だとか税だとか戸籍だとかあるんですが、小学校を一つ考えたわけです。それから、昭和の大合併は中学校の維持管理が一つ頭にあったと。今回は市町村にできることは全部やらせるということなんですよ。そのために一定規模以上の、それだけの行財政の体制を作ってもらう。できないところは、だからどういうふうに考えるかと、こういうことなんですね。
  今回自主的ですから、例えば中学校を維持するために八千以上にしろと言えないですよ。できるだけ市町村は強くなってください、自主的に、大きくなってくださいということを申し上げて、そこで再編ができるとすれば、小さいところも残りますよ、それは。残ったところをどういう位置付けをするかというのも、これも今議論してもらっているんですよ。
  そういうことで、何でも青写真を出して引っ張っていこうといっても、それは松岡委員、なかなか難しいところがありますので、我々としては、そういう論議を深めながら、国民の皆さんとのフィードバックの中でだんだん煮詰めてまいりたいと、こういうふうに思っておりますし、省の中だけでの専門家、学識経験者のいろんな議論してもらっております、府県制度始めとして。しかし、それはあくまでも省内の事務的ないろんな研究にまだとどまっているわけでありまして、是非権威あるところで案を出してもらって、それで議論を起こしていきたいと、こういうふうに思っております。
○松岡滿壽男君 大臣おっしゃるとおりに我が国は民主主義国家でありますから、そういう点では非常に自由な議論をしながら。
  ただ、道州制の問題も、これ何十年もしているんですね、率直に言いまして、御存じのように。それから、やはり税源移譲の問題も、これも何十年もしている。だけれども、どうにかこの二つが具体的に政府の中でも俎上に上がり出したということは大きな進歩なんです。ただ、どんどん船が沈みよるのに間に合うんかいなという危惧があるものだから、あえて申し上げておるわけですね。
  その中で、さっきちょっとデータの話に触れましたが、一万人未満の市町村では地方税で人件費が賄えない。これが、二〇〇二年が一万人未満が二千二百五十五あるんですね、三千二百十八市町村のうち。これ七〇%ですわね。ところが、二〇三〇年の総務省の出されたデータを見ると、この三千二百十八が、人口一万人未満が二千八百八十一になるんですよ。二千二百五十五から二千八百八十一、すなわち九三%ですよ。こういう事態になってくると、行政サービス自体もう全然できなくなりますよね。だから、この辺をもう少しきちっと将来を見通した対応を私はしなきゃいかぬところにもう来ていると思うんです。それについてはどのようにお考えでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) まず、事実確認でございますが、現在、一万人未満の自治体、約千五百四十六ということで、約四八%、五割弱になっております。
  いずれにいたしましても、今後、こういった一万未満の町村につきまして、少子高齢化、環境問題、また情報化の進展と、こういった大変多様化、高度化する広域的な行政課題に的確できるかどうかという委員の御懸念は本当に私どもも持っているところでございまして、いずれにしても、この国、地方を通じる今の厳しい財政状況下におきましては、現在の行政サービスを維持していくことは恐らく小規模な市町村では難しいんではないかと、そのように懸念しているところでございます。
  こういったことから、何といっても市町村の規模、能力の強化、これは避けて通れない。そのための市町村合併は大変重要であると、こういうふうに考えておりまして、昨年の六月二十五日に閣議決定されましたいわゆる骨太第二弾、ここにおきますいわゆる団体規模、今後の地方行政体制の在り方について、団体規模等に応じた事務や責任の配分、例えば人口三十万人以上の自治体に一層の仕事と責任を付与と、小規模町村の場合は仕事と責任を小さくし、都道府県などが肩代わりと、こういったいわゆる地方制度調査会の議論、これをやはり今後とも引き続き検討しなければいけないと考えておりまして、そのための流れとして、昨年十一月、西尾私案が出されて、私どもも三月十一日、議論の論点を出させていただくところでございまして、引き続き、この小規模市町村の在り方について議論を重ねていきたいと考えております。
○委員長(山崎力君) 時間です。松岡先生、おまとめ願います。
○松岡滿壽男君 時間ですか、済みません。
  数字が間違っていたりしたら訂正してください、済みません、私の数字が。
  じゃ、時間が来たようですから終わります。
  ありがとうございました。
○又市征治君 社民党の又市です。
  朝から何だかんだで大変御苦労さまでございますが、是非、丁寧かつ明快な御答弁をいただくように。
  今日は、地方税の二〇〇三年度の見通しと税制改正の影響について伺ってまいりたいと思います。
  総じて、小泉内閣の有効な不況対策が行われずに、それに加えて、今回は国の誤った政策による不動産関係の地方税の引下げで、都道府県、市町村ともに、とりわけ都道府県財政に大きなマイナスが出てくることになると思います。
  まず、道府県税ですけれども、前年度当初が十四兆五千五百億円であったのに比べてマイナス一兆一千二百億円、七・七%の減収だというふうに見込まれております。マイナスの大きなものは、法人事業税のマイナス四千六百億円を始め、不況の影響が法人でも個人消費でも大きいと説明されて、道府県民税の利子割でマイナス一千九百億円、同じく所得割でマイナス一千三百億円、法人税割でマイナス一千億円、地方消費税でマイナス三百六十億円と、軒並みマイナスだと、こういうことですね。
  また、今回の税制改正によるものでマイナスが大きいのが、先ほど来出ていますように、不動産取得税でマイナス一千二百億、法人二税でマイナス七百億円であり、制度改正による増収というのは、自動車取得税で二百四十億円、たばこ税で百八十億円と極めてわずかだと、こういう格好ですね。
  こうして見ると、今回、税制改正による減収の中で、道府県では不動産取得税の減税千二百億円が全体の道府県税収の落ち込みの中でももうばかにならない大きな額だと、こういうことですね。
  不動産関係の減税と減収は、後でも申し上げたいと思うんですが、市町村税にもありますけれども、この財政難の今、これほどのマイナスを道府県や市町村に与えてまで改正するのは一体何のためなのか。不況の根本原因を直さずにおいて、税だけを下げてでも不動産取引が流動化をするというのはそれは非常に難しいんではないのか。どういう見通しを持って不動産減税をするとおっしゃるのか、ここのところをまずしっかりとお伺いしておきたい。
  例えば、不動産取引の量に関して中期的な予測であるとか、あるいはそれに対する今回減税で効果はこういう格好で幾ら幾ら、こんなような試算があるのかどうか、ここらのところをまず先にお伺いしたい。
○政府参考人(板倉敏和君) 先ほど来申し上げておりますけれども、資産デフレが進行する中で、土地の利用価値を重視する方向への土地市場の構造変化など、土地市場をめぐる諸情勢に対応する観点から、土地流通課税についてその軽減が求められていたところでございます。
  不動産取得税につきましては、今回の税制改正におきまして平成十五年の四月一日から三年後、平成十八年の三月三十一日までの三年間に限りまして、その標準税率を一律に三%に引き下げる等の措置を講じることといたしておるところでございます。
  お尋ねの不動産取得税を軽減をした結果、どの程度効果があるのかということでございますけれども、この引下げの、軽減の効果を数字で具体的にお示しすることは困難であるということでございますけれども、他の土地税制の軽減措置等と相まって土地の有効利用等が推進されるんではないかというふうに期待をしているところでございます。
○又市征治君 大臣、今月の六日の衆議院の審議で、我が党の重野委員とのやり取りの中で、いや本当は余りこんなことやりたくないんですよと、こうおっしゃいながら、直接には市町村税の事業所税についてでしたけれども、税金を取るより取らない方が流動化に役立つからと、こんなような格好で、消極的なというか、そういう答弁をされているわけですが、不動産取得税についても全く同じような、今出されたような理由を言われるんだろうと思うんです。
  しかし、この税目は都道府県税収の四%を占めて、この減税は大きな影響を与えるとして都道府県そのものも明確に反対をしてきましたですね。景気対策は、国税でならともかく、地方の安定的税源である土地について操作をするというのは邪道じゃないかという批判が識者からも強くありましたし、今ほど申し上げたように大臣もそういう思いがあったんだと思うんですけれども、流動化に役立つという大臣の理由は、地方財政の代弁者としてではなくて、どうも不動産業界の減税要求にこたえたものじゃないのかという、こういう声まである、こういうことですから、こうした反対意見に大臣、是非しっかりと答えていただきたい、こう思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 衆議院でお答えしましたように、私は地方財政の現状を考えると減税は本当はしたくないんですよ、正直言いまして。
  しかし同時に、税というのはある意味では政治のエキスみたいなところがありまして、政府税調でも議論してもらう、それから各党の、特に与党税調でも議論してもらう。そういうところの要請が大変強かったんですよ。資産デフレを打破しないと本当のデフレ退治はできないと、そこで流通税が一番問題だと、こういう御認識ですね。そこで、いろんな議論があったものですから、我々としては、それじゃ資産デフレ対策として何が有効かと。こういうことになりますと、やっぱり不動産取得税ということになるんですね。
  効果がどれだけあるか、それは分かりません。しかし、心理的には、やっぱり流通課税が相当減税になりますから、登録免許税が二千二百億ぐらい減税ですから。それは、私どもの方の不動産取得税、これは国税ですけれども、登免税は。不動産取得税は千二百億ぐらいですから。それから、今の事業所税と特別土地保有税ですね、これが合わせて七百億ぐらいですかね、六億ぐらいか、八百億。だから、地方税で約二千億、国税が二千二百億と。これだけの減税があれば、やっぱり資産デフレ対策としてはそこそこに有効ではなかろうかと。
  こういうふうに思っておりまして、我々としては大変苦渋の決断でございましたが、税制を全部まとめるために、それから固定資産税をまけろという大合唱がありましてね、同時に。これは市町村の基幹的な税ですから、これはいじれないと。
  そういうことの中で、最終的にはこういう決断したわけでありまして、そこは是非御理解を賜りたいと思います。
○又市征治君 それじゃ次に、市町村税の方も、マイナスの規模は道府県よりも小さいですけれども、不況の影響と政府の税制の影響とが重なってくることは今申し上げた都道府県と同様なわけですね。前年度市町村税収は十九兆七千億円、これに対して今年度の減収が九千六百億円でマイナス四・九%になりますね。
  主なものは、固定資産税が家屋を中心にマイナス三千九百億円、市町村民税は所得割でマイナス三千百六十億円、法人税割でマイナス二千二百三十億円、これに今回の税制改正で法人税割のマイナス六百五十億円と特別土地保有税の課税停止で三百五十億円、事業所税のマイナス四百億円が加わってくると、こういう格好になっています。
  そこで、まず固定資産税の家屋分ですけれども、こんなに減るというのは実に不思議なわけで、既存の建物が古くなって減価をする一方で、不況で新築が少ないというのは一般論、住宅だけならあるんだろうと思いますが、先ほども出ていますように、東京では汐留地区再開発のあの息苦しいばかりの超高層ビルの林立に見るように、新築ビルがどんどん建っておる。そして、二〇〇三年問題と言われるほどオフィスビルの供給過剰が不安材料になっているほどなわけですね。
  そこで、家屋の調定見込額という資料を見ますと、新増設分の、新増築分の総価額が十兆六百億、こうあって、これが在来部分、二百五十三兆円余りに対して四%の増なんですけれども、トータルでは増える、こういうふうに見ているわけですね。新増築の内訳そのものは一体どういうふうになっているのか、住宅と非住宅ということになりますが、その内訳、特にオフィスビルについて近年の推移、また今後二、三年に建ち上がる分の予測などありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(板倉敏和君) 新築の状況でございますけれども、過去五年間で見ますと、木造家屋の場合には平成十年度課税に係る新増分でございますが、約七十七万棟、床面積八千九百万平米、平成十四年度になりますと約五十九万棟、床面積で六千七百万平米ということでございます。
  同様に、非木造家屋につきましては、平成十年度では約四十三万棟、床面積一億一千五百万平米、平成十四年度で三十一万棟、床面積で八千五百万平米というふうになっておりまして、いずれもこの五年で見ますと減少傾向にあろうかと思います。
  非木造家屋のオフィスビルでございますけれども、平成十年度は約四万一千棟で床面積が二千二百万平米でございました。それで、平成十四年度が約二万八千棟の床面積が千三百万平米ということで、ここでも減少の傾向かというふうに考えております。
  今後につきましては、経済状況の動向等もございまして予測はなかなか難しいのでありますけれども、平成十四年度の建築着工統計によりますと、建築物の着工が減少しておりまして、引き続き厳しい状況が続くのではないかというふうに考えております。
○又市征治君 この二〇〇三年問題については、衆議院で先ほども申し上げた我が党の重野委員が詳しく追及いたしまして、国土交通省の答弁は簡単に言えば、今年は大規模オフィスビルが例年の二倍に当たる二百万平米が供給される、そのうち約半分は汐留、東品川など国鉄清算事業団の関連だと、こんなふうに言って、つまり国が投売りした土地なわけですが、そこで二〇〇四年度以降は反落して、今後数年の平均では平常の百万平米台に収まるだろうという、こんな答弁をしているわけですね。多分総務省もそういう見通しなんだろうと思うんですが、そこで伺いますが、非住宅、オフィス床の固定資産税について初年度は何か割り引くといったようなこんな制度があるんですか。
○政府参考人(板倉敏和君) 初年度を割り引くというような制度はございません。
○又市征治君 はい、そうですよね。すると、新規のオフィスビルがピークの二百万平米建ち上がる、今年の二〇〇三年ということになるわけですが、三千九百億円の減収が見込まれるということであれば、後の年はもっと減っていくということになりませんか。
○政府参考人(板倉敏和君) 来年度の税収見込みの中でのお話でございますが、固定資産税につきましては、ちょうど十五年度が評価替えの年に当たっておりまして、三年に一回の評価替えでございます。この家屋の評価替えにおきましては、近年の建築物価の動向を評価替えに反映させるということでございまして、かなり建築価格が、評価額が下がると、こういう状況がございます。したがいまして、全国的に当然毎年毎年新築の住宅なりオフィスビルはございますけれども、この評価替えの年は、過去もここ何回か下がってきておりますけれども、特にマイナスが大きいということでございます。
  再来年度はどうかと言いますと、再来年度になりますと、ここは評価替えは三年に一回でございますので、若干新築が増えた分は、この減収分は戻ってくるのではないかというふうに思っております。
○又市征治君 それから、やはり不動産税制で二つあります。
  まず、事業所税ですが、これは新増設分の課税の廃止ということでマイナス四百億円と見込まれているわけですが、これは結局、近い将来全廃していくという考えなのか、それとも形だけ残しておいて、また少しミニバブルでも到来したら取れるだろうというこういう目算なのか、ここのところはどうなんですか。
○政府参考人(板倉敏和君) 事業所税につきましては、先ほど大臣もお話ございましたが、特に都市の貴重な財源ということで私どもも大切に考えておりましたけれども、今回のこういう措置によりまして、新増設の分を廃止をするということでございます。全体で見ますと、平成十二年の税収でいきますと、新増設分は三百四十億ぐらいで、事業分と言います既設の分が二千九百億ぐらいございます。
  そういうことからいたしますと、全体の一割とは言いませんけれども、一割超えておりますが、新増設分の税収の比率はかなり低いわけでございます。そういうことで、私ども、この既設のいわゆる事業分というものにつきましては都市の貴重な財源である、税源であるという考えの下に、是非とも今後とも守っていきたいというふうに思っております。
○又市征治君 次に、先ほども出ました特別土地保有税、これは事実上廃止をしてしまうわけですね。金額はマイナス三百五十億円ということで、さほど大きいものでありませんが、都市部に集中しているわけで、事業所税と特別土地保有税を合わせて都市部では大きな減収になりますけれども、税目としてこれに代替するものを何か考えての改正なのか、それとももう全く打ち切ってしまうのか、ここのところをお聞きいたします。
○政府参考人(板倉敏和君) 今回の税制改正は、国、地方を通じまして多年度税制中立という考え方で、六、七年間で増減収が全体としてプラスマイナスゼロになるぐらいにしようということで、まず減税先行という形で行われております。
  都道府県と市町村で若干事情は異なるわけでありますけれども、また国と地方税で若干事情は異なりますが、いずれにいたしましても、例えば、そのためというわけではございませんけれども、大体八百億円近い減収に対しまして、市町村たばこ税の増税によりまして今度は八百億円程度が市町村の増収になるということでございますので、これはたまたまということではございますけれども、そういうようなこともあるということで御理解をいただきたいと思います。
○又市征治君 そうなると、不動産という安定した課税対象からの地方税は大昔の固定資産税一本の状態にほとんど戻ってしまうわけで、私はそんなふうに思うんですね。他の税によるこの穴埋め、たばこでやりますというのはこれはおかしな話なんで、自治体にとっては何らメリットもない、そういう意味ではどうも大改悪だと言わざるを得ぬのではないかと、こう申し上げておかなきゃならぬと思います。
  そこで、大臣、これもせんだっての衆議院での質疑なんですが、一九七五年の事業所税の創設の説明を重野委員が引いて、新増設分から半分程度、それからバランスよく取るべきで、時々見直しをしろと書いてあるという、こういうことを取り上げて大臣に質問をしているわけですけれども、大臣は、いや、はぐらかした答弁をなさって、今はもう新増設は九%に減っているんですと。しかし、これは答えになっていないというふうに私は思うんですね。減っているんならば、むしろバランスを逆に増やす。元々のこの創設のときのこの説明から言えば、そういうことになるんだろうと思うんです。
  その後、大臣は、結局、流動化を阻害しているという強い要請がございまして、その辺の事情を御理解いただきたいというふうに御説明されているわけですが、じゃ一体、この強い要請があちこちからあると、こういうのは一体どういう方面のどういう要請なのか。これはまたあっせん利得にまつわるとかなんとかということに言われて後々、大臣のことを言っているんじゃないですよ、大臣のことを言っているんじゃなくて、そういうことになっては困るわけですから、どういう方面からどのような要請どんどんあったのか、そこら辺のことをむしろつまびらかにしていただく、そんなことの方がいいんじゃないかと思いますから、ちょっとお聞きをしたいと思うんです。
○国務大臣(片山虎之助君) これは国土交通省が、この新増設があることは民間の都市開発、そういう立地を阻害していると、是非どうにかしてくれという強い、強い要請、内閣の中から。それからもう一つは、党ですよね、与党。与党の税制協議会が是非考えてくれと。こういうことでございまして、ここは我々も苦渋の選択で、なるほど、そういえば新増設が大分減っているし、それから税額から、局長が言うように一割ぐらいですから、事業の方は残さないけませんけれども、それじゃ新増設を、これが仮にブレーキを掛けているとすれば、これをやめると、新増設が増えるんなら。結局、それは事業分でまたもらえるんですから、事業所税も。そういうことで、それではこれはやめようと、こういうことにしたわけであります。
○又市征治君 オフィスビルは今年じゅうにも供給過剰になるんではないか。つまり、二〇〇三年問題と、こう言われるほど、今年は二百万平米建ち上がる、こう言われているわけですね。ところが、これが固定資産税に十分反映されずに、家屋分の対前年度見込みは、さっき申し上げたように減収三千九百億円という大きな数字になっている、こういうわけですね。
  不況だからということで、ここ数年、法人減税だとか不動産減税ばかりやってきた結果、不況の中のビルラッシュで、しかし税収は減だという、こんな異常な光景を生み出していると思うんで、そんな意味も含めながら、大臣も余りここら辺のところは消極的だったということをおっしゃっているんだろうと思いますけれども、やはりここらのところは、ちょっと一般国民から見ますと理解し難いなと。是非御理解いただきたいとおっしゃるけれども、どうも理解し難いな、こういうことを率直に改めて申し上げておかなきゃならぬと、こう思います。
  そこで最後に、大臣にこれはお尋ねをいたしますが、これも先ほど出ておりますけれども、配偶者特別控除の廃止の住民税への影響について、これは今回改正だけして、平年度になると府県税で七百十億円の増収、市町村税で千八百四十億円の増収になるというふうに言われているわけですけれども、他方で、同じ住民税の中で、配当課税の減税でマイナス四百三十億円というものもここは入っている。どう考えたって、これはもう資産家には減税で勤労者には増税だと、こういう中身になっているわけですね。
  我々は、女性の税制上の所得、税制上であるとかあるいは所得形成上の権利の拡大、つまり夫に依存せずに自分の所得を伸ばすという側面からこういう廃止というのは歓迎してきたわけですけれども、控除の廃止、つまりこれは増税なわけですけれども、これはあくまでも勤労者としての夫婦トータルの所得全体が増えていく中でこれはやっぱり認められることなわけであって、しかし今回のはもう控除廃止だけが先行していく、こんな格好になっているわけですね。実態として、勤労者の所得、とりわけ女性に多い非常勤やパートの賃金、労働条件は切り下げられ続けているわけで、他方で中高年男性を中心にリストラや解雇や賃下げ、こんなことが進んでいる。五年連続で勤労世帯の収入が減だと。これ総務省の統計じゃないですか、厚労省ですか。こういう格好になって、多少妻の稼ぎが増えても焼け石に水というのがこれは今日の実態ですよ、これ。
  今回のこの配偶者特別控除の廃止だけを先行させるというのは、私は、もうこんな不況のさなかに、初めに大衆課税ありきであって、ますます消費を冷え込ませていく実に愚策ではないか、時期をやっぱり誤っているんではないかと、こんなふうに思うので、ここらのところ、賢明な、いろんな実力大臣という名高い片山大臣、どんなふうにここらのところを言ってこられたのか、このことについて、しっかりと是非ここらのところは頑張ってほしい、こんな思いも含めて大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) この配偶者特別控除は二重の控除なんですね、もうよく御承知だと思いますけれども。専業主婦のおられる世帯の優遇なんですよ。これはこの制度を作るときも大変議論があったんですね。
  そこで、今、共稼ぎの方が専業よりずっと多くなっておりまして、この控除があるから女性の社会進出を阻んでいるという意見があるんですね、むしろ、これはブレーキを掛けていると。先進国にも余り、先進国と言ったらいけませんが、よその国にも余り例がないではないかと。こういう議論がありますし、将来は女性の皆さんにもっともっと社会進出していただいていろいろな分野で活躍してもらう、こういうことも必要ですし、よその国に余り例もない二重の控除はこの際合理化した方がいいのではないかと。日本はとにかく人的控除が一杯ある国ですから、ですよ、だからこの人的控除そのものも全部見直すべきではないかと。
  そういうことの中で、一番議論があり、かつ税の対話集会なんかのアンケートでもむしろやめた方がいいというのが多いんですね、数字的には。それは女性の中で積極的にそういうことも主張される方々もありまして、そういう意味で今回はこれを見直そうと、こうなったわけでありまして、特定扶養控除の方も実は議論があったんですよね、御承知のように。しかし、これは与党の中がまとまらないで、そこまでやるのかと、こういうことになりましてこれは見送ったわけでありまして、私は、日本の課税最低限の話もありますし、控除全体をもっと見直して分かりやすいすっきりしたあれがあるんではなかろうかと、こういうふうに思っておりまして、そういう意味では、今回は我々としても、大変影響あります、地方財政にも、しかし今回はこれは認めざるを得ないと。
  そういうことの中で、もう少し幅広に全体の所得税や住民税については議論していこうと、こう思っておりますし、委員の言われる御心配もよく分かるんです。そういうことを含めて、十分これから検討してまいりたいと思っております。
○又市征治君 大変頑張っていただいているんですが、私は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、今のこうした経済情勢の中で、そして勤労世帯収入がやっぱり五年も連続でどんどん下がり続けている、こういうときの、今、大臣がおっしゃった制度上の問題としてはそういうことはあり得ると思うし、我々も、これはさっき申し上げた女性の社会進出、こういうことやら所得形成の権利拡大という点ではそういうことは賛成だと、こう言っているわけです。
  問題は、この政策をいつ選択をするかというこの時期の問題として、ますます景気を冷え込ませる、そういうやっぱり一つの要因にもなりはせぬかと、こういう点で愚策ではないかと、こう申し上げている、こういうことでありまして、是非、今日ずっとやってまいりましたが、地方の税源、財源をしっかり確保するという点で、大臣、それこそ当面一対一に持っていく、こういう問題なども含めながら、こうした地方の税源を確保していく。さっきからも申し上げてまいりましたように、どうもそういう資産家にどんどん減税をされて片一方で勤労者の方は増税になっていくなどという格好のものは、もう少しトータルで今の経済事情と併せてやっぱりやるべきじゃないかと。
  是非とも、そういう点で、そうした地方の税財源確保のためにより一層御奮闘いただきたい、このことを申し上げて、時間が参りましたので終わりたいと思います。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) この際、委員の異動について御報告いたします。
  本日、渡辺秀央君が委員を辞任され、その補欠として広野ただし君が選任されました。

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○委員長(山崎力君) 引き続き質疑を行います。
○椎名一保君 お許しをいただきまして質問をさせていただきます。
  質問の最後になりましたので、盛りだくさんに用意をしておったんですけれども、各党の先生方から大変奥行きの深い、幅広い御質疑がされましたので、私自身も大変勉強させていただきましたので、三点ほどに絞り込んで質問させていただきたいと思います。法人事業税の外形標準課税の導入と土地流通課税の軽減、これはやめます。金融、証券関係と、そして最後に配偶者特別控除関係を質問させていただきます。
  つい五か月前まで地方議会に十五年おりまして、特にこの外形標準課税につきましては千葉県は実は先駆的な県でございまして、たしか大分古い話でございますけれども試みて、それがなかなかうまくいかなかったということもございまして、十五年間県議会をやらせていただきまして、代々、税制の関係者からは、とにかくこの外形標準課税を導入をしてくれと、もらいたいと、そういうことをもうずっと言われてまいりました。事業量に見合った課税権があるんだから、これを実行してもらえないかということであったわけでございますけれども。
  今まで先生方の御意見をいろいろお伺いしておりまして、都道府県というのは、一つには大きな責任として、地域経済の活性化を図るという大きな責任があるわけでございます。主に中小企業、零細企業をどのように支援していくかという責務を負っているわけでございますけれども、そういう責務を負っている中で、この税を導入してもらいたいという意見が多かったわけでございまして、その辺りのことはひとつまた御理解をしていただきたいと思うわけでございます。
  とにかく、私も当選させていただきまして、これが実現がかなったわけでございまして、千葉県においては大変大きな顔をしておるわけでございますけれども、そんなことはともかくとして、とにかく豊かさを実感できる地域社会を実現するという目的を持って地方分権が言われ、いろいろスケジュールが立てられてきておったわけでございますけれども、地方にいたときは、本当にこれは国でやる気で議論されているのかなという思いがございました。いや、本気ではないんじゃないか、建前だけ作ってポーズでやっているんではないかというような思いがあったわけでございますけれども、特にここへ参りまして、十七年の合併特例法ほかはもう、とにかくやるべきことはやるんだと、そこまで行けばいろいろ御意見があったような合併のメリット、デメリットというのが明確になってくると思うんです、決して善意で考えてごね得というようなことではなくて。ですから、そういったことを基にまたその先のことはきちんとしたことをしていただきたいと、こう思うわけでございますけれども。
  よく財政的な面から効率論で合併論が言われるんですけれども、私が感じておったことはそれだけではないんですね。特に情報公開制度が施行されましてからは、地域住民が自分たちでどのような形で参加ができるかという、住民監査請求とか住民投票まで各地区で起きているようなことでございまして、とにかく一刻も早く分権を推進しなければ地方行政がもたないというところにまで私は来ているような気がするんです。
  また、いろいろ御質問の中、御意見がありましたけれども、地方の青写真を描くべきだ、提示すべきだというお話がありましたけれども、私は、発想としては違うんです。これはあくまでも、地域が自分たちで、その目的というのは豊かさを実感できる地域社会の実現なんですから、その地域に住む人たちがどのように自分たちで豊かさを実感できる地域社会を作るかというのは、青写真は自分たちで作らなければならないんです。そのための体制を作るということが地方分権の私は本質的な論理だと思うんです。それは遠い道のりかもしれませんけれども、とにかく目的はそういうことであると、これが志でございますので、そのことを見失ってはいけないと思います。
  もう一点は、地方行政委員会等でいろいろ御意見ありましたけれども、道州制、連邦制、いろんな意見が交わされておるようでございますけれども、今、地方、市町村の合併論議をやっているときに、やっぱりそういったことは議論としてはしてもよろしいと思う、しなければいけないと思いますけれども、決してそれは今、前面に出すべきことではないんではないかなという思いをいたしております。
  とにかく、この外形標準課税が地方の自主権、課税権としてひとつ出発できたと、これは今申し上げたようなこと、その一里塚であると、という思いを持って今回審議に臨んだわけでございますけれども、包括的になりますけれども、このことについて、大臣の御意見を承りたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) ありがとうございました。
  いろんな今御意見をお聞かせいただきまして、特にこの外形標準課税が二十四年のシャウプ勧告で勧告されまして、制度はできたんです、一遍、二十五年に。しかし、実行されないままにこれ廃止みたいになっちゃっている。そういう意味では、地方の関係者の、特にこれは都道府県税でございますので、都道府県関係者の悲願でございまして、政府税調でも何度でも取り上げていただき、党の方の税調でもこの四、五年ずっと議論してまいりまして、やっと今回、部分的ではございますけれども導入できたということは、私は大きな成果であり、前進だったと。関係の方も喜んでいただいておりますしね。
  だから、この外形標準課税の実施状況、十六年度ですからね。来年度やりませんけれども、十六年度からの状況を見ながら今後どうするか、こういうことをしてまいりたいと。
  これをやらないから、例えば東京都は銀行税をやり、神奈川県は繰越しに税を掛けることをやり、大阪も銀行税は作ったんですよ。ただ、訴訟の関係がありまして、大阪の方はちょっと執行を見合わせておりますけれどもね。
  だから、これをほっておくと、ばらばらばらばら全国都道府県で外形標準課税化が進行するんですよ。そうなると、やっぱり税というのは余りばらばらだと困るんですね。法定外普通税や目的税ぐらいならよろしゅうございますけれども、基幹的な税制が都道府県でばらばらだということはやっぱり私はどうかなという感じを持っておりますので、こういう形でとにかく道が開かれたということは大変有り難いと、こういうふうに思っておりますし、合併についての青写真も、制度の将来の見通しをという、松岡委員がそういうお考えの青写真だと思いますが、個々の自治体、市町村の青写真は自分で作るべきなんですね。だから、法定協議会では、それを作ってもらうために法定協議会で議論していただくと、こういうことにいたしておりますので、今後とも大いに、我々としても今日の委員会の御議論を踏まえていろいろ検討してまいりたいと思っております。
○椎名一保君 義務教育の補助金の廃止も私は賛成でございます。とにかく、義務教育は教育指導要領にのっとって、これはナショナルミニマムではないんですけれども、基本的なものはあるわけでございまして、やはりそれぞれの地域においてやはりその気質があるわけですね、人間それぞれ生まれ育ったところが違うわけですから。気質と気質が競い合うことによって、明治維新のような、薩摩気質とか長州気質とか、そういう競い合いがあって新しいものがダイナミズムになっていく、力になる、そういうことがあると思うわけで、やはりそういう力を、ダイナミズムをはぐくむために、やはり義務教育の今回の補助金の一部の廃止というのは私は評価できると思っております。
  次に、金融証券関係ですけれども、今回の金融・証券税制の改正のポイントは簡素化と負担軽減だと考えております。
  具体的には、簡素化という観点からは、配当割及び株式等譲渡所得割を導入することで、源泉徴収という、納税者にとっては非常に簡便な方法で納税できる仕組みをしたということ。負担の軽減という観点からは、今後五年間については特に条件を付けることなく、上場株式の譲渡益については、国税と併せて税率を、一〇%の軽減税率を適用することでございます。
  簡素化については、源泉徴収制度の拡充は、納税者意識の向上という観点からは問題視するという見方もございますが、株式市場への個人の参加を促すには預貯金並みの簡便な納税の仕組みというのは必要不可欠だと考えます。また、負担軽減につきましては、所得の公平性という観点から問題という声などいろいろあると思いますが、このような厳しい市場環境の中、リスクを取ろうとする投資家に報いるのは当然のことであろうと思います。
  総務省として、今回の金融・証券税制の改正をどのように評価するのか、また証券市場の活性化に与える影響をどのようにお考えになっているか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(板倉敏和君) 金融・証券税制についての御質問でございます。
  金融・証券税制につきましては、今いろいろ御指摘ございましたとおりでございまして、政府税制調査会におきましても、簡素で分かりやすい税制を構築すべきであると、また、利子、配当、株式譲渡益、この三つに対する課税につきまして、金融商品間の中立性を確保する、それとともに、できる限り一本化する、そういう方向を目指すべきだということを指摘をされたところでございます。また、個人投資家の間からは、証券税制が複雑で分かりにくいというような不満が寄せられておりました。
  今回の改正におきましては、これらの課題を解決をいたしまして、貯蓄から投資へという現在の政策課題に対応して、個人投資家の積極的な市場参加を促す、そういう観点から、上場株式の配当、譲渡益等につきまして源泉徴収だけで納税が完了をする、そういう仕組みを導入をいたしました。特に地方税では、いわゆる源泉徴収の仕組みを導入するために課税方式を抜本的に見直しをいたしまして、道府県民税の配当割というものと株式譲渡益所得割と、こういう、済みません、株式等譲渡所得割というものを創設をいたしたところでございます。
  また、今後五年間は、お話にございましたとおりに、国税、本来一五%、国税一五%、地方税五%、合わせて二〇%でございますけれども、今後五年間につきましては地方税については三%、国税は七%、合わせて一〇%に軽減をするということとしたところでございます。
  今回の改正によりまして、個人投資家が安心して株式市場に参加できる環境の整備が図られる、その結果、個人投資家の市場への参加が促されて、厚みのある株式市場の形成に資することができるんではないかというふうに期待をいたしているところでございます。
○椎名一保君 最後の質問になりますけれども、今回の配偶者特別控除の見直しは、増収というその面ばかりが強調されておりますけれども、男女共同参画社会の実現といった視点からの改正であったということも理解されるところでございますけれども、男女共同参画会議影響調査専門調査会が税制調査会長あてに「あるべき税制の構築に向けた基本方針」への意見の中で、「配偶者特別控除だけを廃止し、配偶者控除を存続させるのであれば、特定のライフスタイルを前提とした制度であるという問題が解消されず、就業への非中立性が残存するなど依然として問題は解決されません。したがって、男女共同参画社会の形成の観点から、配偶者特別控除だけでなく、配偶者控除も廃止されるべきと考えます。」という意見も出ておりますけれども、このことについて御意見を伺いたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) まず、配偶者特別控除、これ何度も議論がございましたが、主に専業主婦世帯を中心に税負担の軽減と、こういったことで創設されましたが、現在ですと共働き世帯数が専業主婦世帯数を上回るといった事実がございまして、結果としてこの制度創設時と全く状況は変化していると、こういう認識にございます。
  そういう中、今、男女共同参画の議論も御紹介いただきましたが、政府税調といたしましても、この個人所得課税については広く公平に負担を分かち合うと、こういったところから特に今年諸控除の見直しが大変重要な課題となされたわけでありまして、結果として今回の見直しの際の視点の一つとして、経済社会の中で行われる個々人の自由な選択に介入しないような中立的な税制にすることという指摘がございまして、これを踏まえて、特に先ほど大臣も御説明ありましたが、専業主婦世帯を中心にいわゆる配偶者に対する控除を二重に認める結果となると、まずこれを今回廃止したということでございまして、いずれにしても、この改正によりまして経済社会の構造変化にしっかり対応しようということで、委員御指摘の正に男女共同参画社会の実現にも資すると、このように考えております。
○椎名一保君 どうもありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
  これより討論に入ります。
  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

○宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。
  反対理由の第一は、改正案が個人住民税の配偶者特別控除上乗せ分を廃止するなど庶民増税であり、経済危機に一層の拍車を掛けるものとなっているからです。
  配偶者特別控除の廃止における影響人数は先ほどの政府答弁でも一千三百七十七万人。負担増額は国税、地方税合わせると年間六万円になることも明らかになりました。この不況の中で庶民増税を行えば、国民生活を一層痛め付け、消費を抑制し、一層景気を冷え込ませることは明白ではありませんか。
  反対理由の第二は、法人事業税への外形標準課税の導入です。
  そもそも法人事業税は都道府県財政の基幹を成すものであり、こうした基幹部分に応能負担という課税の基本から外れた制度を導入することは断じて認められません。しかも、外形標準課税の導入によってこれまでは税負担のなかった赤字企業にまで税負担が押し付けられ、中小企業の経営と日本経済に重大な打撃を与えることになるからであります。導入企業規模を資本金一億円以上に限ったと言いますが、中小企業基本法では資本金三億円以下を中小企業としており、一部の中小企業が大企業と並ぶ扱いを受けることとなるのは明瞭です。
  しかもその一方で、資本金一千億円以上の企業には資本割課税を段階的に圧縮し、何と資本金一兆円を超える大企業については一律頭打ちという、実に巨大企業や大銀行優遇の仕組みであることが我が党の質疑で明らかになりました。
  反対理由の第三は、大企業優遇による地方税の大幅減収を地方自治体に押し付けるものだからであります。
  現在、勤労者の住宅取得に係る不動産取得税は既に非課税措置が取られています。特別土地保有税の課税対象は、東京二十三区と政令指定都市で二千平米以上、都市計画区域を有する市町村では五千平米以上、その他の市町村では一万平米以上に限定されています。事業所税は中小零細事業者の負担に配慮し、中小企業、ベンチャー企業のほとんどは課税対象外となっています。
  今回の都市再生促進の名による不動産取得税の大幅な軽減、特別土地保有税の凍結、新増設に係る事業所税の廃止は、大企業や一部の大資産家に対する減税措置以外の何物でもなく、特別土地保有税の凍結に至っては、これまでの政府の説明に照らしても支離滅裂であることも明らかになりました。しかも、その減収が地方自治体に押し付けられ、地方財政の危機を一層深刻にすることは明瞭であり、断じて認められません。
  以上、反対理由を申し述べました。
  最後に、日本共産党は、税制の民主的改革を目指すとともに、引き続き住民本位の地方自治の拡充に全力を尽くすことを申し添えて、反対討論といたします。
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案について反対の討論を行います。
  自治体の自主財源の根幹を成す地方税収は、対前年度比六・一%マイナスの三十二兆一千七百二十五億円に落ち込むなど、構造改革と称する小泉内閣の縮小均衡化政策によって深刻な状況となっています。
  このような税収減によってもたらされた財政危機とその根源にある経済危機の下で、住民に密着し、身近な仕事を担う自治体のセーフティーネットは新たな張り替えを求められているにもかかわらず、逆に編み目を大きくしているばかりか、破れ目を拡大している実情にあります。
  これに対し、小泉内閣は、自治体からセーフティーネットを張り替えようとする意思はなく、逆に今回の国、地方を通じる税制改正にも見られるように、一方的な国民及び住民の負担増のみが先行されています。これでは地域社会がますます疲弊する一途をたどることは明らかです。
  以下、反対の主な理由を申し述べます。
  その一つは、税財源の地方分権が高速道路整備の関係での自動車重量譲与税等の一部の見直しにとどまるなど、ほとんど手付かずのまま顧みられなかったことです。
  地方財政の危機を解決し、分権社会を実現するには、国、地方を通じた税財政の構造自体を転換させることが必要であるにもかかわらず、三位一体改革の芽出しの方向性はわずか五百億円にも満たないもので終わった点で、税財源の分権化の展望が極めて不安定なものであることが露呈しています。
  第二は、法人事業税の外形標準課税への転換問題です。
  社民党は、従来から外形標準課税への転換を主張してきたところです。しかし、この間、常に先送りをしてきたのは政府でありました。
  しかも、今回の外形標準課税化は、名前は外形標準課税とはいうものの、資本割の設定や給与の取扱い、資本金一千億円を超える部分の段階的な圧縮を始め、課税対象、課税方法等その中身は大きな問題をはらんだものとなっており、外形標準課税というには極めて疑問があるものと指摘せざるを得ません。
  第三は、都市再生、土地の流動化の名の下に、不動産取得税の軽減や特別土地保有税の課税停止、事業所税の新・増設分の廃止などが行われることです。
  特に事業所税は、都市部における諸問題を解決し、都市機能を再生するためのインフラ整備・改善に充てる目的税であるにもかかわらず、土地の流動化を進めるため新・増設分を廃止することには大きな政策的な矛盾があると考えます。
  そのほか、固定資産税の評価替えに伴う負担調整措置の在り方、配偶者特別控除の廃止、都道府県民税の配当割、株式等譲渡所得割の創設などについても多くの問題を含んでいることを指摘しておきたいと思います。
  最後に、地方財政の危機を解決するには、国、地方を通じた税財政の構造自体を転換させることが必要であり、地方の税源保障を中心とした根本的な見直しは避けて通れないことを改めて訴え、私の反対討論を終わります。
○委員長(山崎力君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
  これより採決に入ります。
  地方税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  この際、伊藤基隆君から発言を求められておりますので、これを許します。伊藤基隆君。

○伊藤基隆君 私は、ただいま可決されました地方税法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
  案文を朗読いたします。
     地方税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
   政府は、地方団体の行政需要の増大、引き続く厳しい地方財政の状況等にかんがみ、左記の事項についてその実現に努めるべきである。
  一、地方税は地方団体の重要な自主財源であることにかんがみ、地方分権改革の進展に対応し、地方団体がより自主的かつ自立的な行財政運営を行えるよう、地方における歳出規模と地方税収入との乖離を縮小する観点から、課税自主権を尊重しつつ、税源移譲を含め国と地方の税源配分の在り方を抜本的に見直し、地方税源の拡充強化を図ること。
  二、法人事業税について、外形標準課税導入の趣旨にかんがみ、現在収入金額を課税標準としている業種に関しては、個々の地方団体に与える影響等を考慮しつつ、今後その課税の在り方の見直しに向けて、検討を行うこと。
  三、固定資産税は、我が国の資産課税の根幹であり、自主財源としての市町村税の基幹税目であることを踏まえ、その安定的確保と課税の公平の観点から、負担水準の均衡化・適正化を一層推進すること。
  四、税制の簡素化、税負担の公平化を図るため、非課税等特別措置について引き続き見直しを行い、一層の整理合理化等を推進すること。
    右決議する。
  以上でございます。
  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(山崎力君) ただいま伊藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、伊藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決しました。
  ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣。

○国務大臣(片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(山崎力君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山崎力君) 次に、行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題といたします。
  平成十五年度地方財政計画について、政府から説明を聴取いたします。片山総務大臣。

○国務大臣(片山虎之助君) 平成十五年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
  平成十五年度においては、極めて厳しい地方財政の現状等を踏まえ、歳出面においては、歳出全般にわたり徹底した見直しを行うことにより歳出総額の計画的な抑制に努める一方、個性と工夫に満ちた魅力ある都市と地方の形成、循環型社会の構築・地球環境問題への対応、少子高齢化対策など当面の重要政策課題に適切に対処し、歳入面においては、地方税負担の公平適正化の推進と地方交付税の所要額の確保を図ることを基本としております。
  また、通常収支における地方財源不足見込額については、平成十三年度における制度改正を踏まえ、交付税特別会計における借入金を廃止し、国と地方が折半して補てんすることとし、国負担分については一般会計からの加算により、地方負担分については特例地方債の発行により補てんすることにより、地方財政の運営上支障が生じないよう措置するとともに、減税等に伴う影響額についても、所要の財源を確保する措置を講ずることとしております。
  以上の方針の下に、平成十五年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は八十六兆二千百七億円、前年度に比べ一兆三千五百五十九億円、一・五%の減となっております。
  以上が平成十五年度の地方財政計画の概要であります。
○委員長(山崎力君) 次に、補足説明を聴取いたします。若松総務副大臣。
○副大臣(若松謙維君) 平成十五年度の地方財政計画につきましては、ただいま総務大臣から御説明いたしましたとおりでありますが、なお若干の点につきまして補足して御説明いたします。
  地方財政計画の規模は、八十六兆二千百七億円、前年度に比べ一兆三千五百五十九億円、一・五%の減となっております。
  まず、歳入について御説明いたします。
  地方税の収入見込額は、三十二兆一千七百二十五億円で、前年度に対し二兆八百三十八億円、六・一%の減少となっております。
  また、地方譲与税の収入見込額は、総額六千九百三十九億円で、前年度に対し七百億円、一一・二%の増加となっております。
  次に、地方特例交付金につきましては、一兆六十二億円で、前年度に対して一千二十六億円、一一・四%の増加となっております。
  地方交付税につきましては、平成十五年度の所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税のそれぞれ一定割合の額の合計額十一兆二千六百五十一億円から精算額六千五百九億円を減額した額十兆六千百四十一億円に、平成十四年度以前の地方財政対策に基づき地方交付税法の定めるところにより平成十五年度に一般会計から加算することとされていた額等二千三百六十九億円、通常収支の補てんに係る国負担分の臨時財政対策加算額五兆五千四百十六億円、交付税特別会計における借入金一兆九千五百十五億円を加算する等の措置を講ずることにより、十八兆六百九十三億円を計上いたしました結果、前年度に対し一兆四千七百五十六億円、七・五%の減少となっております。
  国庫支出金は、総額十二兆二千六百億円で、前年度に対し四千六百十三億円、三・六%の減少となっております。
  次に地方債につきましては、普通会計分の地方債発行予定額は臨時財政対策債五兆八千六百九十六億円を含む十五兆七百十八億円で、前年度に対し二兆四千二百二十五億円、一九・二%の増加となっております。
  また、使用料及び手数料並びに雑収入につきましては、最近における実績等を勘案した額を計上いたしております。
  次に、歳出について御説明いたします。
  まず、給与関係経費についてでありますが、職員数につきまして、国家公務員の定数削減の方針に準じて定員の計画的削減を行うこと等により、全体で一万三百六十八人の減員を見込んでおり、その総額は、二十三兆四千三百八十三億円で、前年度に対し二千六百十五億円、一・一%の減少となっております。
  次に、一般行政経費につきましては、総額二十一兆二百六十三億円、前年度に対し二千百九十五億円、一・一%の増加となっております。このうち国庫補助負担金等を伴うものは九兆八千四百十四億円で、前年度に対し二千五百六十八億円、二・七%の増加となっております。
  また、国庫補助負担金を伴わないものにつきましては、既定の行政経費の縮減を図る一方、個性と工夫に満ちた魅力ある都市と地方の形成、循環型社会の構築、地球環境問題への対応、少子高齢化対策等の分野に係る施策に財源の重点的配分を行うこととしており、その額は十一兆千八百四十九億円で、前年度に対し三百七十三億円、〇・三%の減少となっております。
  公債費は、総額十三兆七千六百七十三億円で、前年度に対し三千三百五十九億円、二・五%の増加となっております。
  維持補修費は、総額一兆六十八億円で、前年度に対し五十六億円、〇・六%の減少となっております。
  投資的経費は、総額二十三兆二千八百六十八億円で、前年度に対し一兆三千百十七億円、五・三%の減少となっております。このうち、直轄・補助事業につきましては、八兆四千六十八億円で、前年度に対し四千四百十七億円、五%の減少となっております。
  地方単独事業につきましては、中期的に事業規模の計画的抑制を図ることとし、国の公共投資関係費の取扱い等も勘案しつつ、前年度に比し五・五%を減額することとする一方で、地域活性化事業、合併特例事業及び防災対策事業などにより、地域の自立や活性化につながる基盤整備を重点的、効率的に推進することとし、十四兆八千八百億円を計上しております。
  公営企業繰り出し金につきましては、地方公営企業の経営基盤の強化、上下水道、交通、病院等生活関連社会資本の整備の推進等に配慮し、総額三兆二千五十二億円を計上いたしております。
  このうち、企業債償還費普通会計負担分は、二兆二千四百三十三億円で、前年度に対し四百億円、一・八%の増加となっております。
  最後に、地方交付税の不交付団体における平均水準を超える必要経費においては、税収入の状況等を勘案して所要額を計上しております。
  以上をもちまして、地方財政計画の補足説明を終わらせていただきます。
○委員長(山崎力君) 以上で説明の聴取は終わりました。
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○委員長(山崎力君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
  政府から趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣。

○国務大臣(片山虎之助君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及びその内容の概要を御説明申し上げます。
  地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等にかんがみ、地方交付税の総額の確保に資するため、平成十五年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるとともに、平成十六年度以降における国の一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計への繰入れに関する特例等を改正することとし、あわせて、道府県の基準税率を引き下げる等地方交付税の算定方法を改めるほか、地方交付税の単位費用を改正する等の必要があります。
  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
  まず、平成十五年度分の地方交付税の総額につきましては、地方交付税法第六条第二項の額に、法定加算額、臨時財政対策のための特例加算額、交付税特別会計借入金及び同特別会計における剰余金を加算した額から、同特別会計借入金償還額及び利子支払額を控除した額十八兆六百九十三億円とすることとしております。
  また、平成十五年度分の普通交付税の算定に用いる単位費用を改正するとともに、基準財政収入額の算定方法について、道府県の基準税率を百分の五引き下げるほか、平成十五年度において行われた国の補助金及び負担金の見直しに伴い地方特例交付金の拡充を図ることとしております。
  以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(山崎力君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。

    午後七時二分散会