運営「消防組織法改正案の審査・採決

(平成15年4月1日参議院総務委員会会議録より抜粋)


(前略)
○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
  まず、委員の異動について御報告いたします。
  昨日、木庭健太郎君が委員を辞任され、その補欠として山口那津男君が選任されました。
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○委員長(山崎力君) 次に、理事の辞任についてお諮りいたします。
  辻泰弘君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認めます。
  それでは、理事に高橋千秋君を指名いたします。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
  消防組織法及び消防法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省行政管理局長松田隆利君、総務省自治行政局公務員部長森清君、総務省自治財政局長林省吾君、消防庁長官石井隆一君、消防庁次長東尾正君及び厚生労働大臣官房審議官青木豊君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、消防組織法及び消防法の一部を改正する法律案を議題といたします。
  本案の趣旨説明は去る三月二十七日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
  質疑のある方は順次御発言願います。
○泉信也君 まず、総務大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
  今回の法改正は、従来からのいろんな問題を整理をしていただいて、一歩前進をしたという受け止め方をいたしております。ただ、これらの問題、これからの大型の地震でありますとか大災害その他大きな、NBCのテロというような、そういう問題を考えますと、本当にこの今消防法の考え方、消防組織法の考え方であります市町村単位の消防ということがこれからも対応できるのかどうかということに対して、やや私、疑問を持つものでございまして、消防本部の広域再編というようなことも審議会で議論がなされておりますし、またその中では人口十万以上の管轄を目指すことが一つ提案をされておるようでございます。
  こうした災害とか事件の広域化等を考えますと、あるいは警察組織のように一つの都道府県単位で消防というものの在り方を議論すべき時期に来ておるのではないかと思いますが、まず大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(片山虎之助君) 消防は戦前は警察だったんですね。警察に属しておったんです。戦後いろんな、民主主義、地方自治、いろんなものを導入した際に、やっぱり住民の生命、身体、財産を守る、災害から地域を守るというのはこれは地方自治そのものではないかと。アメリカがそうですからね。市町村でやってもらったらどうだろうかと、こういうことになりまして、戦後は、ちょっとまだ、相当昔ですけれども、市町村が消防の中心と。
  そのとき、今、泉委員言われましたように、警察は自治体警察だったんですよ。市町村警察ですよ。それに国家中央警察。アメリカの自治体警察とFBIみたいなものですね。そういう制度が導入されたんです、警察の方は。ところが、警察の方は昭和二十九年に、このままじゃとても、Aという町からBという町に逃げ込んだときの犯人捜査なんというものはなかなかうまくいかないものですから、そこで今の都道府県単位の警察になったんです。
  消防は市町村でずっとうまくやってこれておりまして、今まで市町村消防についての大きな議論はなかったんです。ただ、このところ、災害が特殊になったり大規模になったり広域化しますので、市町村消防では対応に限度があるんではないかと、こういう議論ありますね。だから都道府県単位の消防にしたらどうかという意見もありますが、しかし、やっぱりもうこれまで五十何年間市町村でなじんで、消防というのはなじんできて、市町村でも一生懸命やっている。今消防の力が強いのは、東京都がこれ、都は都制度ですから、二十三区と一体みたいになって市町村は委託しているんですよね、都に。ところが、あとは大阪市でも名古屋市でも皆、市なんですよね。
  だから、そういう意味では、やっぱり私は、基本的には市町村消防を守るべきだけれども、限界があるので、大きい災害には、だからそのときには全国で助け合う、助け合うような仕組みが要るんではないかなと。そして、助け合う場合に、どこかが指示したりまとめたりせにゃいけませんから、それを消防庁長官にやってもらおうかというのが今回の主たるあれですね。応援に行くものを、緊急消防援助隊というものを作って、どこかで大災害があったらそれっとこう、それが出掛けていくと、こういう仕組みにしたわけでございましてね。
  今、市町村合併で市町村を大きくしようと我々は考えておりますから、そういう中で、やっぱり消防は私は市町村にやってもらうのが筋だけれども、市町村消防で足りないところはやっぱり補完する仕組みが何か要るので、今回の改正は都道府県に役割を担わせたり消防庁長官に担わせたりと、そういう考え方で提出いたしたわけでございますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
○泉信也君 今、大臣のお答えの中にございました一つが、具体的には今回の緊急消防援助隊の考え方でもあるかと思います。
  そこで、長官にお尋ねをいたしますが、この改正の二十四条の三の五項、ここでは出動に対する指示ということが明記されております。しかし、現場での指揮権というのは、二十四条の四によって応援を受ける市町村長が行うということになるわけですね。本当に現場の市町村長で、大規模災害に、このような援助隊を要請されるような事案に対処できるのか甚だ心配なんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) お答えを申し上げます。
  今回の消防組織法の改正で、ただいま大臣からお話がございましたように、市町村消防の原則を踏まえつつも、この市町村消防の活動を補完する趣旨で、国として緊急消防援助隊の出動指示の仕組みを設けさせていただきたいと考えておるわけでありますが、今お話に出ましたように、現場ではどうなんだということでございますけれども、現場における実際の消火活動に当たりましては、やはり何といっても現地の水利でありますとか道路事情、住民の状況等に精通した市町村長の指揮で活動を行うことが適当だと考えております。
  また、しかし、被災で混乱している場合でどうかということだと思いますけれども、この緊急消防援助隊の中に、通常は東京消防庁でありますとかあるいは政令市など大都市の消防局から成ります指揮支援部隊というものを設けておりまして、現地に参りまして、個別に消火部隊でありますとか救助部隊にも活躍してもらうんですけれども、指揮の面では、言わば消防、地元の市町村長さんの補佐役になっていただいて、全体的な助言をする、あるいは市町村長と相談の上で個々の、個別の指揮の支援をするというようなことでございます。
  また、自衛隊ですとか警察ですとか、非常に大規模になりますと、そういった他部門の機関も現地に入ってもらうことがあるわけですが、こういった点の全体的な調整は、御承知のように、政府の現地対策本部でありますとかあるいは都道府県も災害対策本部というのを設けますので、必要に応じまして、こういった仕組みを通じて地元の市町村長さんをバックアップすると、こういう仕組みにさせていただきたいと考えております。
○泉信也君 恐らく、被災を受けられた市町村長はとても混乱をしていて、何がしかの機関、機関にいわゆる指示を出すというよりも指揮をお願いしなきゃならないと思うんですね。
  それで、おっしゃったようなこと、各自衛隊始め警察機関等と一緒に対処するということになりますと、相当日ごろから訓練が大切ではないか。もう顔を見ただけで何を思っているか分かるくらい意思の疎通が図れるような訓練を盛んにしておかなければならないんではないかと思いますが、そういうことについてはどういう状況でしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) おっしゃるとおりでございまして、常日ごろの訓練が大切でございます。
  私どもは、特に阪神大震災以降、その点を痛感いたしておりまして、緊急消防援助隊につきましても、昨年もそうですけれども、毎年、各ブロック、例えば関東ブロックでありますとか、あるいは中部ブロックでありますとか近畿ブロックでありますとか、ブロックごとに、関係の緊急消防援助隊に、ある地域が具体的に被災したという想定に立ちまして、その地元の、被災した地元の消防本部あるいは関係の市町村の消防本部なり、あるいは警察部門、自衛隊、そこへ広域に、ほかの周辺の、他県から緊急消防援助隊が、車あるいは場合によってはヘリコプターで駆け付けるといったような訓練も実際にやっておりまして、これからもそういった点、しっかり拡充していきたいと思っております。
○泉信也君 法文上は、その二十四条の六で、市町村長の長の指揮の下に行動するものとするというふうに書いてありますので、やはりいよいよの議論になれば市町村長が指揮を取るということは、もう疑えない事実だと思うんですね。そのことによって現場はトラブルが起きないように、あるいは未然に防げることが見過ごされないように、是非体制を整えておいていただきたいと思います。
  続いて消防庁長官にお尋ねをいたしますが、この緊急消防援助隊が出動をする、活動をするということは、ある意味では、このお仕事は当該市町村の問題というよりも、もっと広範囲、場合によっては国の立場で活動をしていただくような内容だろうと私は思うんですね。
  そこで、二十五条をお尋ねいたしますが、二十五条の一項で、消防に要する費用のうち特殊勤務手当、時間外勤務手当その他政令で定める経費は、国が負担するというように書いてございますけれども、まず、その他の政令で定める経費はというとどんなものが想定されておるかということが一つと、最初に私が申し上げましたように、これは全額国費で、十割国費、負担は十割国費かということをお尋ねをしたいんです。私はそれに相当するような問題の根源はあると思っておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 今回設けます緊急消防援助隊につきましての活動の国庫負担ですけれども、指示を受けまして緊急消防援助隊が出動しますと、そうでない場合に比べますと、当然、今お話に出ましたように、隊員の時間外手当でございますとか特殊勤務手当でありますとか、あるいは旅費、燃料費といったような、指示に基づいて活動したことによって新たに増えるあるいは増加するといったような経費が生ずるわけですが、こういったものは国が負担をしてもらうという考え、させていただくという考え方でございます。
○泉信也君 自治体からの要望書を見ましても、相当国で持ってほしいという、これは次の第二項にも関係することですが、私は当然だと思っております。国も財政事情も厳しいことは承知しておりますけれども、本来のこの援助隊の出動というのが、先ほど申し上げましたように、市町村の枠を超えたような事態に対処するわけですから、まずその負担についても相当の負担でなければならないと思います。
  第二項についても、これはなかなか厳しく縛ってあって、政令で定める施設、そして補助率も政令で定める、予算の範囲という、二重三重の縛りを掛けておりますね。これは具体的にはどんな施設を考えておられるのか。そして、まあまずどんな施設を考えておられるかだけ、お尋ねしましょう。
○政府参考人(石井隆一君) 国庫補助の対象となりますこの緊急消防援助隊の施設設備でございますけれども、今お話に出ましたように、この法律に基づきまして、総務大臣が定める基本計画、それから政令で定めるわけですけれども、代表的なものについて申しますと、ポンプ自動車でありますとか救助工作車、それから高規格救急自動車あるいは部隊間の無線に関する、連絡のための無線でありますとか、あるいはヘリコプターといったようなものを考えておるわけでございます。
○泉信也君 再三繰り返しておりますように、NBCのテロというような問題には、それ相応の資機材が準備されなければならない。もちろん国有財産として持っておられるものの活用もありましょうけれども、この作業、いわゆる二十五条の第二項で必要とされるそれぞれの施設等につきましては、これは当然国の高率補助でなきゃならないと私は思うんです。例えば三分の二とか四分の三とか、そういうたぐいのものではないか。
  どれくらいのことを考えていらっしゃるのか、これは政令が分かりませんので、参考のために聞かせていただきたいんですが。
○政府参考人(石井隆一君) 現在の消防の補助率につきましては、消防施設強化促進法でありますとかあるいは地震防災対策特別措置法といったようなものに基づきまして、大体原則三分の一あるいは二分の一といったような補助を行っているわけでございますけれども、おっしゃいますように、今回の緊急消防援助隊、これはやはり個別の自治体を超えて活動していただくわけでありますので、おっしゃいますように、できるだけ高い補助率といいますか、そういうものにしていきたいというふうに考えているわけでありまして、少なくとも二分の一以上というようなことを当然考えなきゃいかぬというふうに思っております。
○泉信也君 今、二分の一以上とおっしゃっていただきましたけれども、もちろん地方の自治体が地域の人たちの生命、財産を守るためにそれなりの活動をしていただかなければなりませんけれども、事が事ですから是非高率の補助ができますように努力をいただきたいと思います。
  それで、少し逆になりますが、二十四条の五について、ひとつ長官にお尋ねいたします。
  阪神・淡路の震災の後、情報の伝達、その組織、機器等の整備が進んでおると承知をいたしておりますが、これからは更に、デジタル化というような問題を含めまして、全国どこでも同一の情報を瞬時に得られるという体制を作り上げていかなければならないというふうに私は思っております。ヘリコプターからのテレビ電送というようなものももちろんそうですけれども、間違いのない情報をキャッチして的確な指示を与えるということが災害対策の消防の第一歩であると思いますので、この情報システムの整備についてどのような状況にあるか、お話しください。
○政府参考人(石井隆一君) 情報通信システムの問題、これは緊急消防援助隊の関連でも大変大事でございますけれども、二つございまして、一つは通信システムの高度化なり高機能化の分野でございまして、例えば消防・救急無線のデジタル化を進めると。そこで、アナログですと難しいわけですけれども、様々なデータあるいは画像等の伝達をデジタル化によりまして可能とするということを考えております。
  二つ目は、国それから各地方団体間で必要な消防防災関係の情報を共有できるように、例えば被災地の震度情報でありますとか広域応援に必要となる情報、こういったものを政府部内で共有化は一つすると。それから、被災地でありますとかその他の地方団体との間でも相互利用もできるようにするといったような、考えておりまして、今、お話に出ましたように、この二十四条の五の規定を設けましたのも、そういう趣旨でしっかりこういった点に必要な、例えば情報システムの共有化をやろうとしますと、システムについてもなるべく条件でありますとか仕様を共通にするといったようなことを全国的な観点からやらなくちゃいけません。そういったことを定めて、できるだけその結果コストも安くするといったような努力をいたしたいと考えているわけでございます。
○泉信也君 次の問題に移りますが、実は十四年の消防法の一部改正時の際に当委員会では附帯決議を付けさせていただいております。その中で、消防法の三十五条の三の二というところの原因究明に対する消防庁長官の立場について附帯決議を付けさせていただいておるわけです。
  一応、一年経過をいたしましたけれども、この附帯決議に沿った何か動きがありましたらお話をください。
○政府参考人(東尾正君) お答え申し上げます。
  消防庁長官への火災原因調査の要請につきましては、昨年五月にこの附帯決議の趣旨を踏まえまして全国に通知を発出したところでございまして、昨年は実際に、四月十五日の出光興産北海道製油所火災、これは苫小牧でございますが、そして六月二十九日の稚内中央卸売市場の火災、このような火災につきまして、要請を受けまして、消防庁長官による火災原因調査を現地と連携して実施したところでございます。
  一方、地方公共団体の求めがない場合の消防庁長官の火災原因調査の実施の在り方につきましては、庁内に検討組織を設けまして具体的な検討を進めまして、この検討に基づいて消防審議会でも審議をしていただきました。これらの審議等の結果を踏まえまして、消防庁長官が主体的に火災原因調査ができますよう、今回の消防法改正を提案したということでございます。
○泉信也君 附帯決議に沿って御努力をいただいていることを感謝いたしますが、非常にこれからの、火災に限りませんが、いろいろな問題が、技術的にもあるいは仕組み的にもなかなか厄介な原因を伴うことがあると私は思っております。
  そこで、警察との関係、原因究明のときの警察との関係はどうかなというのを若干危惧しておるわけです。私の経験からしますと、航空事故などが起きますと、現地の保存等についてはどうしても警察が前面に出てやっていただかなければ、事故調査委員会等の到着が遅れるとか、いろんなことがありまして、当然警察とうまく連携を取って事故原因の究明をやるということは避けられないわけですが、火災なんかの場合も警察と消防との間の原因究明はうまくいっているのかどうか、その点、御説明いただけますか。
○政府参考人(東尾正君) 火災発生現場におきましては、消防は火災原因調査を行う、一方、放火や失火の疑いのある事案については警察が犯罪捜査を行いますので、ただいま先生御指摘のような状況になりまして、やはり現場の保全その他において諸々の調整が必要となるということでございます。
  このようなことで、これまでも警察とは協力関係にはございましたけれども、今回提案しております消防庁長官が実施する火災原因調査は、消防行政上重要なものに限って行うものでございますので、特に消防側においては迅速かつ的確で正確な調査を行いたいという要請がございます。
  このため、消防庁といたしましては、この在り方、進め方について警察庁と十分協議しなければいけないということで、警察庁の方でも問題の所在を認識していただいておりますので、現在十分協議をしておりまして、今後この法律が実施されますときには両省庁の火災原因調査が円滑に実施されますようしてまいる所存でございます。
  具体的には、証拠の保全の在り方とか、ただいま先生がおっしゃいました現場の保全、このようなことについて支障がないように取り組んでまいります。
○泉信也君 消防研究所では、そういう原因究明にかかわるような研究をやっておられるんでしょうか。
○政府参考人(東尾正君) 独立行政法人消防研究所でございますが、これまでも地方公共団体の要請に応じまして技術的な火災原因の調査をやっております。
  今回、独立行政法人になりまして、所内に新たに火災原因調査室を設けまして専門のチームを編成いたしまして、今回のこの法律改正に的確に対応できますような体制を整えておるという状況でございます。
○泉信也君 この法案の中でお尋ねすることとはちょっと違うかもしれませんが、政務官、御出席いただいておりますのでお尋ねをさせていただきます。
  それは、今回のイラク攻撃を受けて、消防庁で地方公共団体に対してテロ対策、テロ災害対策の強化等について、三月二十日付けで通達を出しておられるわけです。これは総務事務次官、消防庁長官が出されて、消防庁の次長が更に細目にわたって出しておられるわけですが、これは十分に地方公共団体に周知されておるということでございましょうか。内容的にも含めて政務官のお話を聞かせてください。
○大臣政務官(岩永峯一君) 消防庁担当の政務官でございます。
  泉先生のおっしゃられたように、消防庁では、今回のイラク攻撃を受けて、各都道府県知事に対しまして、地方公共団体におけるテロ災害対策の強化についてという名題で通知をいたしました。そして、その通知の内容といたしましては、緊急連絡体制の強化が一つ。それから、テロ対応機資材の点検整備が一つ。そして、テロ災害発生時の迅速かつ的確な対応についてと、こういうことを重点に一層の体制強化を実は要請したところでございます。
  この結果でございますけれども、十九、二十日、各都道府県では一斉にやっぱり会合をお持ちをいただきました。四十七都道府県のうち四十二都道府県が部長以上の会議、またそれぞれの県で緊急対策に対する会議をお持ちをいただいたわけでございます。そして、その中で、連絡体制の確認、これが市町村における連絡体制、それから関係機関の連携確認、それから一層の体制の強化等々、かなり具体的な協議がなされたわけでございますし、またその会議で決まったことを一斉に市町村に連絡していると、このことも確認をいたしました。
  消防機関におきましても、消防庁から配備されたテロ資材の活用などによりまして、必要な体制整備、訓練等も行っているところでございますが、特に九・一一事件以来、約十七億円のテロに対する資機材を国も配分しております。これは、全国で百六十二分隊に対して配分しておるわけでございまして、例えば携帯型生物剤検知装置だとか、それから携帯用の化学剤の検知器だとか、また服でございますが、これは陽圧式化学防護服というんですが、そういうもの、それからそれをまた洗浄するシャワー等々、約百六十二分隊に対して配分をいたしました。
  ただ、これは消防庁が配分したものだけがそれだけございまして、それぞれの都道府県なり都市では独自にそういうものを消防に与えていると、こういうようなことでございますので、今後とも、我々消防庁といたしましては、地方公共団体に対しまして、こういう大変厳しい環境にある中でございますので、情報の提供、そして資機材の充実等を行ってまいりますとともに、引き続き体制整備を強化するようにしてまいりたいと、このように思っております。
○泉信也君 政務官お答えいただきましたように、それぞれの関係部署で確認をしておるとか、体制を再点検をしていただいておるということで安心をいたしました。
  往々にして、紙切れは出したということで役所は事足りれるということがしばしばあったと言うとちょっと言い過ぎですけれども、ある可能性がありますので、今のように通達を出していただいた以上はフォローアップをして万が一に備えていただくよう重ねてお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
○高橋千秋君 民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。
  消防組織法及び消防法の一部改正する法律案について質問させていただきますけれども、三月の二十三日に三重県では県の消防大会というのがございまして、私も行ってまいりました。それから、二十八日に、県内の消防職員の方に三十人ぐらい集まっていただいて、この法律案の改正について勉強会をやらせていただきました。私、元々八年間消防団に入っておりましてホースを担いでおりましたので、そういうことも含めていろんなことを質問させていただきたいなというふうに思います。
  今回のこの改正なんですが、必要なことをやっていただいていると思いますけれども、基本的にはこの市町村合併等のことを避けて通れない中身かなというふうに思うんですね。片山大臣がずっと言われているように、地方分権を進めていく、権限を移譲していく、財源を移譲していくというその流れでいくと、今回の改正というのは、やむを得ないところもありますが、それとは逆の方向に、国の役割を強めるという、そういう内容だと思うんですが、この部分についてのそういう地方分権とは逆行するんではないかという地方からの声が結構あるんですが、何でおれたちのところまで割り込んでくるんだという、余計なお世話だというようなそういう声も一部あるんですね。これについてどう思われるか、大臣と消防庁長官にそれぞれお答えいただけますか。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、市町村でしっかり対応できりゃいいんですね。ところが、なかなかやっぱりこの市町村消防というのは市町村の行政区域だとか、あるいは一部事務組合ならこの組合を組んでいる区域のことはできますけれども、よそのことはやっぱりなかなかできないんですね。それで、応援協定だとかいろんな仕組みを作りましても、いざいったん緩急のときにはかなり機能しないんですね。やっぱり市町村が住民の生命や身体や財産を守るということですから、これもできなければ市町村の信用がかえって悪くなるんですね。そこで、こういう補完的な仕組みをちゃんと付け加えることによって、市町村の本来の消防署としての役割が実現できると、逆に。そういう意味では、取るなんていうことは全く考えていない。やれれば一番やってもらうのがいいんですよ、市町村が。しかし、大きい災害があったときに、何市町村も関係あるときに、県境またがるようなときに、それじゃすぐ相談してなんとかということはできませんわね。それから、相当難しい災害の場合にそういうことの技術がないんですよ。だから、緊急消防援助隊みたいな全国的な組織を作って訓練をして、いったん災害が起こったらどっと行ってもらってやると。こういう仕組みを作っておるので、むしろ地方分権強化の足らざるを補う、補完のための仕組みだと、こういうふうに思っております。
○政府参考人(石井隆一君) 平常時の行政システムとしますと、今おっしゃいましたように地方分権を基本とした仕組みが適当と考えているわけでございますけれども、ただいま大臣からも御答弁ございました東海地震等の大規模な地震あるいは特殊災害といったようなことを考えますと、そうした場合には平常時と異なる防災危機管理のシステムを構築することも必要ではないかというふうに考えておるわけであります。
  したがいまして、今回の改正案では、あくまで市町村消防の原則は基本的に維持すると、しかし市町村が十分に対応できないような点につきましては、全国的な観点から国あるいは航空機等については都道府県が補完をするという考え方で改正案をお願いしているわけであります。
  なお、この点につきましては、昨年、地方分権改革推進会議でも御議論いただきまして、こうした方向が適切ではないかといったような御意見もいただいておりまして、私どもは今回の改正は地方分権の理念にもかなった改正になっておるんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○高橋千秋君 地方のこういう消防というのはやっぱり地方、地方、それぞれいろいろありますから、地方の声をやっぱり聞いていろんな手続をやっていってほしいなというふうに思うんですが、一部こういう全国消防長会の方からも当面の意見と要望とかいろいろ出ているんですが、こういう地方の声というのはどのような形で聞かれて、どのような形で反映をされているのか。どうも地方の消防職員とかそういう消防署の方々、聞くと、さっき自民党の方からも質問ありましたけれども、文書がぱっと、通達みたいにぱっと来るだけで、ほとんど地域のことを分かっていないんじゃないかという、くどいようですが、そういう声があるんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 今回の改正案につきましては、消防でありますとか地方の代表、関係者の方々の御意見もお聞きしまして、また、先ほど申し上げましたように、地方分権改革推進会議の御審議もいただいておるわけでございます。それから、私ども消防庁としては、さらに、消防審議会の審議あるいは常備消防の在り方研究会といったようなものも設けて議論してまいったわけであります。
  今お話しの、市町村長あるいは消防機関の意見、十分聞いているかという点ですけれども、今申し上げましたようなプロセスを経て十分議論しておりますほかに、さっきお話に出ましたが、全国消防長会という組織もございます。この場でも、私自身も直接出向いてお話もしておりますし、全国消防長会独自に委員会等もお作りになっていろいろ御議論いただいております。
  その結果、全国消防長会からも、今回の消防組織法の改正については、むしろ、危機のときに国が全国的観点から指示をする、あるいは、その代わり出動した経費については、出動に要する経費については国が負担する、あるいは必要な施設整備について従来以上に補助制度を充実すると、こういったことを是非やってほしいというふうな御意見もいただいておりまして、その意味で、全国の消防機関の皆様方、十分今回の改正について御理解をいただいているんじゃないかと考えている次第であります。
○高橋千秋君 どうも認識に差があるようでありますけれども、この消防サービス、消防本部、それぞれあるのが、今、全国で九九・八%ということで、その政令指定の制度の削除というのが今回行われるわけですけれども、確かに、合併が行われる中で九九・八%がもう多分一〇〇%になるのかなと思うんですが、九九・八%の残りの〇・二%、〇・二%のところに私が住んでいるところが入っていまして、消防署がないんですよ。
  それで、私は三重県の津市というところの郊外の安濃町というところに住んでいるんですが、そこは消防本部ないんですね。それで、今度合併しますから津市になります。そうすると、これでいくと一〇〇%の中に入って、消防本部あるということになるんですが、実質は変わらないわけですよね。消防本部がそれで新たにできるわけではなくて、行政の区域が変わるだけでありますから、全く変わらないんです。私の家から消防、まだ幸いにして火事は起こっていませんが、起きたら、多分十分ぐらい掛かるんですね、来るのに。
  今回の、この指定制度を廃止するのは別にそれはそれで構わないのかも分かりませんが、現実、合併をしていく中で地元の方で心配しているのは、逆にそういう部分のコスト削減というところから単純に割り切ってほかの部分も、今、そういうふうにひょっとしたら消防本部ができるかも分からないと思っていたところが、逆にこれでもうずっと多分できないだろうと、そういうふうな心配をしているんですね。
  こういうことも含めて、この指定制度の、政令指定制度の削除という部分についてどういうふうにお考えでございましょう。
○政府参考人(石井隆一君) 委員もよく御承知のことでございますけれども、現在、市町村の消防の常備化の率は九八%台になっているわけでありまして、この制度を作った目的、やっぱり戦後、大変度々都市で大火が起こりまして、やはり市街地があるような比較的大きな都市を中心に是非常備にしてほしい、これはやっぱり政令指定をもって進めなきゃいかぬということで始めたわけでございますが、九八%にもなったという現実、現実に各市町村でも消防責任ということについて随分理解も深まっていると思いますし、それから制度論としても、委員も何度かお話しになりましたように、一方で地方分権ということもあるわけですから、こういう実態になっておりますので、できるだけ、仕組みとして市町村が地域の事情を踏まえて消防責任を果たしていく、その自主的な判断を尊重するという考え方によりまして、今回、改正をお願いしているわけであります。
  現実の問題としては、今お話に出ましたように、むしろ、特に合併との関係で申しますと、大きな市と比較的小さな市町村が御一緒になるような場合には、むしろたまたまその小さな市町村で常備化がない場合、大きな都市と一緒になればおのずから結果としてむしろ常備消防の区域になるという面もございまして、私ども、今回の改正によりまして、例えば今まで常備消防でやっていたのにそれがなくなるとか、あるいは、本当は常備にしようと準備していたのが無駄になるとかという点はないんではないか、むしろ、その辺は地域の自主的な判断できちんと対応していただく、それに対して消防庁もできるだけ、補助金の面その他の面で御支援申し上げるというようなことで対応していかせていただきたいと考えている次第であります。
○高橋千秋君 先ほども情報通信システムの話が出ていましたが、こういうことも含めて、消防職員の方々が集まって話を聞いたときに出たのが、国としての役割は、そういう大きな災害に対して役割が増えていくわけですけれども、情報システムの普及についてもそうなんですが、金の部分ですね、お金の負担。これがむしろ地方に、負担は地方に来て、指令というか、国の方の、地方からいうと出しゃばりだと言っていましたけれども、そういう部分だけ出てきてお金は地方に負担させる、そのようなことになっていかないのか。
  特に、例えば情報通信システムなんかはこれから急速にやっていかなきゃいけない部分だと思うんですが、警察と違って、消防の場合は全額国が持つということになっていないそうなんですけれども、こういう部分、やっぱり国がやっぱり責任持っていく必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 情報通信システムの問題、例えば消防救急無線でありますとかあるいは消防機関相互の応援システムのようなことを例えば考えていらっしゃるんじゃなかろうかと思いますけれども、こういった点につきましては、まず、先ほど申し上げましたように、できるだけ全国共通の仕様でありますとか条件でシステムが設定されていることが望ましい。これは、防災危機管理の観点からも望ましゅうございますし、また、それができるだけ共通になっている方がコストが総体的に安価でできるという点もございます。
  そういった点で努力してまいりますとともに、今、補助金も、補助なんかの面でもっと努力しろというようなお話でございますけれども、先ほどもお話がございまして、予算編成に絡むことでございますから確定的には申し上げられませんが、できるだけこの情報システムの面につきましても、これまでも努力してまいりましたが、今後もできるだけ充実していきますように努力してまいりたいと思っております。
○高橋千秋君 お金のことばっかりで申し訳ないんですが、例えば航空消防隊の関係で、ヘリを各県に置きなさいということになるわけで、どうも、事前に聞くと、ないのが三つの県だけだということで、佐賀、宮崎、沖縄ですか、ここだけはヘリコプターが、まだ消防ヘリというのがないと。今後、そういうところも充実させていかなきゃいけないと思いますし、私の地元の三重県でいうと三台あるそうなんですが、ただ、県全域をカバーするにはそれでは足りないのかなというふうに思うんですが、ただ、そういう義務を課していくということになると、そうすると、これは、その責任の範疇というか、どこがそのお金の負担をするのか、市町村なんかはその辺を別に持たなくていいのかどうか。
  例えば、市町村からは県の方に職員は出向したりしているんですね。それの費用なんかは市町村が持っていたりするんですが、こういう部分のお金の配分というか負担の配分についてはどのようになっていくんでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 今回の改正案でございますけれども、都道府県はあくまで市町村の要請に応じて航空機、具体的にはヘリコプターを考えているわけですけれども、市町村の消防を支援することができるという規定を置かせていただきたいということでございまして、このヘリコプターによる市町村消防の支援を都道府県の義務といいますか責務として位置付けるというものではございません。市町村長の要請があれば、それに対してやってもいいよという規定を置くということでございます。
  お金の面でございますけれども、現在は、都道府県が保有しておりますヘリコプターの購入費あるいは燃料費ですとか運航委託費等の維持管理経費につきましては都道府県が、大体、私どもが承知している範囲では負担をしております。それから、これについて国としては、ヘリコプターの購入費についての国庫補助金あるいは維持管理費につきましては地方交付税で基準財政需要額で措置をするということにしておるわけでございまして、今後もこの仕組みを維持していきたいと。
  なお、今、市町村の負担との関係をおっしゃいましたけれども、御承知のように、都道府県の航空消防隊、私も各地、拝見しましたけれども、市町村の消防職員との併任の隊員が乗っているわけですね。こういった職員の人件費につきましては、これは都道府県ごとに多少扱いが違うようですけれども、都道府県と市町村の協議によってその相当部分を市町村も負担しているというようなことになっております。今後も市町村の消防職員と併任で県の航空消防隊を組織するということになりますと、その場合には、当該職員の費用負担につきましては、それぞれの地域でいろいろ事情もおありだと思いますので、県と市町村のお話合いで定めるということになろうかというふうに考えておる次第であります。
○高橋千秋君 その費用負担でもう一つお聞きしたいのは、緊急消防隊、二十五条の二、緊急消防隊の国有財産・物品の無償使用についてという部分ですが、これは過去に化学車両なんかがテロ対策として供給されたときにそれぞれの消防本部に置かれたということなんですが、三年たってある程度減価償却も終わってきたぐらいになってくると、あとは、面倒はそれぞれの市町村の消防本部が見てくださいということで、あと維持管理を、持って見ていかなければいけないと、そのようなことがあるということなんですけれども、その無償使用する国有財産は通常、消防本部にずっと置いておくんだと思うんですが、維持管理費とかそういう部分について、これは国が負担をするということになるんでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) この緊急消防援助隊の無償使用の問題ですけれども、緊急消防援助隊が大規模災害等に対処するための施設整備、これは法律の建前もそうですが、原則はこの緊急消防援助隊の属する地方団体が整備をする、したがって負担もしていただくわけですけれども、一定の場合にはもちろん補助をする場合もございます。ただ、ケースによっては、国が保有しているものを無償で地方の消防本部等に使っていただくという方が、ことが合理的なケースも考えられるわけでございます。
  具体的に申しますと、例えば全国的観点から必要となります緊急消防援助隊の訓練施設などが典型的でございまして、こういった訓練施設が要ることは異論のないところではないかと思うんですが、それを個々の、それじゃ地方団体が整備するということは費用対効果の面でやはりちょっと効率的ではないと。しかし、全国的な観点からは、各消防本部ごとに必要ではないけれども、例えばブロックごとにやっぱり一定の訓練施設が要るというふうなことが考えられるわけでございまして、そういった場合には国が全国的な観点から、例えばブロックに一か所ぐらい、そういった訓練施設を整備すると。しかし、いったんそれを造りますと、周辺の消防本部等で、これは災害時だけではなくてむしろ常日ごろ訓練していただくことが大切でありますので、それはもうできるだけ御自由に使っていただくようにするということが全体として、国民経済的に見ても合理的じゃないかということでございます。
  したがいまして、それは現実には、それをどこかで、管理する自治体消防がふだんも使うわけでありますので、その点については、管理費も結果としてはその地元の消防本部が負担していただくことになりますけれども、私はこれは全体として非常に合理的な仕組みではないかと考えている次第でございます。
○高橋千秋君 時間がなくなってきたので消防法の方を聞きたいんですが、今回のこの消防法の改正の部分で、性能規定化、これ、性能規定の評価・認定制度の仕組みというのが非常に、規制緩和とはいうものの、まだまだややこしいんですね。
  それで、もう一つは、性能規定化の認定機関というのが今回、日本消防検定協会又は登録認定機関ということで法定化されるわけですけれども、何かこれ、天下り先を法律でちゃんと定めてあげるみたいな感じがするんですよね。
  それと、それほど、これ、手順を見ると、もうかる商売というか、ここでもうけちゃいけないのかも分かりませんが、そういう、かなりコストが、コストと手間が掛かるんですね。これではなかなか採算が取れる法人を生み出していくということにはならないと思うんですが、どうもこの辺、疑念があるんですけれども、これについていかがでしょうか。
○政府参考人(東尾正君) 性能規定化に伴います評価機関の問題でございますけれども、まず、いわゆる天下り先を法定化するものではないかということでございますが、これまでも日本消防検定協会そのものは存続しておったということは御存じのとおりでございまして、こちらにつきましては、これまでの機械器具等の検定を通じまして専門的な観点から種々評価、検定を行っておりまして、これに加えて新たに検定協会に性能評価を行わせるということでございますが、これに伴う、特にいわゆる退職公務員の採用なども考えておりませんので、この措置のみによっていわゆる天下り先の法定化ということにはならないかと一応理解をしてございます。
  また、この事業が採算性が乏しいのではないかと、こういう御指摘でございますが、確かに、登録に伴う性能評価といいますと、専門的な技術、知識を要する割には、例えば機械を保有しなければいけないとか人材が必要であるというようなことで、決してもうかるというか、大幅に採算性の取れる事業とは考えておりませんが、今回、手数料の問題につきましても、政令で定めるのではなく、各事業体において、つまり検定協会又は登録機関において決めるということでございますので、これらの法人は独立採算により業務を行うという観点から、いわゆるその採算性に合う水準の手数料を設定するものと思われますので、この事業によっていわゆる採算割れが生じることはないというふうに一応理解しております。
○高橋千秋君 両方とも一応理解ということで、完璧な理解ということではないようでありますけれども、どうもこれ疑念が残るんですね。天下り先の法定化のような感じがして仕方がないんですが、是非この辺はもう少し──今の流れとはこれ、私は逆行すると思うんですね。消防法自体がすごく余計なお世話の部分がかなりあるんですよね。
  一部聞くと、例えば百平米ぐらいのところで防火管理責任者を置かなきゃいけないとか、公民館なんかでもそういう消防防災設備をちゃんと置かなきゃ建てられないとか、いろいろあるんですが、そういう部分でコストががくっと上がっちゃって、本当は建てられるのにこれをクリアしなきゃいけないから予算ができないとか、結構あるんですね。
  百平米ぐらいだったら、火事起こったら、出ろと言ったら終わりなんですよ。それ、そこまでする必要ないんじゃないかと思うんですが、私はもっとこういう部分は、緩和をしていい部分はもっとすべきだと思いますので、その部分だけお答えいただいて、質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(石井隆一君) 私どもは、国民の安全にかかわることですから、規制が少なければ少ないほどいいというものではないと思うんですけれども、やはり大きな観点からいいますと、日本の経済の高コスト構造と言われます。したがって規制改革も必要だと思っておりまして、今回の性能規定化というのは正に規制改革のためにやるわけですね。
  ですから、ただ、したがって、今までですと正に仕様方式で、例えば床面積二百平米ぐらいの事務所であれば二十個、こういう規格のスプリンクラーを例えば二十個付けなさいというふうにもうお仕着せ的に決まっていたのを、例えば一個一個のスプリンクラーの性能が高ければその半分の十個ぐらいでも例えばいいよと、すごい粗っぽい言い方ですが、そういうふうにしようと。
  それをできるだけ各消防本部で客観的に評価して認定して判断してもらえるようにこの数年間、私どもの独立行政法人の消防研究所でいろいろと研究してまいりまして、原則は、各消防機関が私どもの方で開発しました客観的評価法に基づいて判断してもらうと。しかし、どうしても通常、なかなか予想されないような新しい技術というのは常に出てまいります。こういうものは、各消防本部でその都度やれと言っても、そうするとその各消防本部がその都度非常に高度な見識を持った有識者を例えば雇って、何か月かあるいは何年か研究するというわけにもまいりませんから、これはやっぱり総務大臣がそういうものはやはり、そういう特殊なものは認定するルートを残してほしいと。そういった場合に、消防庁なり国が直接やろうとしますと、そのためにまた新たな要員も要ると。これはもう行革に反すると。ですから、せっかく日本消防検定協会というものがあるんですから、そこにやってもらおうではないかと。
  一方、日本消防検定協会、それでまた独占的地位を高めるとかという御批判を受けちゃいけませんので、この機会に今までの指定検定機関も、この指定登録検定機関、登録機関にしてどんどん民間も参入してもらうと、こういう仕組みですから、私はむしろ委員のもっと規制緩和していけというお考えに沿ったむしろ改正になっているんじゃないかというふうに考えている次第でございます。
○高橋千秋君 終わります。
○高嶋良充君 国の補助について伺いますけれども、先ほど泉委員の方から、長官の指示を受けて国が経費負担をする部分についてはお尋ねがありましたから、これは省かせていただきます。
  じゃ、長官の指示によらない場合はどうなるのか、その点についてまずお答えください。
○政府参考人(石井隆一君) 長官が、大きな災害でありましても二つ以上の県にまたがらないような場合には、あえて長官が指示するまでもないということになるわけで、そうしますと従来どおり自主的に、あるいは消防庁長官の要請に応じて広域応援が行われるわけですけれども、この場合につきましては従前どおり自治体消防の間の相互応援だということでありますので、これを支援する観点から特別交付税による、などによります財政措置を行うと、こういうふうにしているわけでございます。
○高嶋良充君 特交等で措置をしていくと、こういうことのようであります。
  そこで、長官の指示による場合の先ほどの手当等の関係について国が補助すると、こういうことになるわけですけれども、各市町村によってこういう手当というのはばらつきがあると思うんですけれども、どのような算定方法を考えておられるんでしょうか。
○政府参考人(東尾正君) 長官の指示に基づいて出動します場合の時間外勤務手当とか特勤手当につきましては、基本的には市町村が支出したものについては国が面倒を見るという形を一応考えております。
  ただ、ただいま御指摘のように、これらの手当は各消防本部において市町村の条例に基づいて支出されますので、団体において異なっていることは確かでございます。私どもといたしましては、先ほど述べましたような基本方針に基づきまして、今後、各市町村における手当の実態等をよく調べまして政令で明確に定めたいと、このように考えております。
○高嶋良充君 消防は常に災害発生に備えて二十四時間の拘束勤務体制が取られているというふうに思うんですけれども、二十四時間拘束をしていても勤務時間として算定しているのは大体通常十六時間だというふうに聞いております。
  じゃ、後の八時間、無賃金の拘束時間が存在するわけですけれども、消防庁はこの時間帯をどのように認識されているんでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 消防職員の大半は、御承知かと思いますけれども、二部制あるいは三部制の交代制勤務に従事していただいているわけですけれども、いずれも労働基準法に定めますとおり、一週間当たり四十時間以内の労働時間になるように勤務を割り振っております。具体的に申しますと、二部制あるいは三部制のいずれも、一回の当直二十四時間につきまして、勤務時間として十六時間を割り振り、残りの八時間については休憩時間としている消防本部が多いと承知をいたしております。この八時間についての御意見ではないかと思いますが、この八時間の休憩時間につきましては、食事ですとか睡眠、リフレッシュ運動など、自由な時間として使用することができるというふうになっております。
  なお、勤務の、消防職員の特性で、休憩時間中に予測できない災害の発生などによって即時に対応するという場合があるわけですが、そういった場合には時間外勤務手当の支給でありますとか、あるいはあらかじめ定めて勤務時間の変更などを行うといったような措置が講じられておりますので、委員御指摘のように、賃金を払わないで勤務されているというふうな時間ではないというふうに考えておる次第であります。
○高嶋良充君 八時間は休憩時間だと、こういう御答弁でございました。仮眠をしながら休憩すると、こういうことだろうというふうに思うんですが、そこで厚生労働省に伺います。
  昨年二月の二十八日に、大星ビル管理事件に関して最高裁判決が出ました。その判決の内容は、仮眠時間中も会社の指揮命令下にあり、労働から解放がなければ労働時間とされると、画期的な判決が確定をしたわけですけれども、厚生労働省としてはこの判決をどのように受け止められて、類似職場へどのような指導をされているのか、お尋ねしたい。
○政府参考人(青木豊君) 厚生労働省といたしましては、労働時間、休憩時間の関係でございますが、労働時間とは一般的に従来から使用者の明示又は黙示の指揮監督の下にある時間を言うということで、必ずしも現実に精神あるいは肉体を活動させることを要件としないというふうに考えているところでございます。今、お挙げになりました最高裁判決につきましては、今申し上げました従来からの厚生労働省の考え方と同種であるというふうに考えております。
  労働時間に該当するかどうかという基本的な考え方は今申し上げたとおりでございますけれども、個別の案件につきましては個々具体的に判断しなければならないというふうに考えておりまして、労働基準法に照らしまして問題が認められる場合には引き続き使用者に対しまして適切に指導していきたいというふうに考えております。
○高嶋良充君 個々具体的な例で判断をすると、こういう御答弁でございますが、まず、じゃ先に消防庁に聞きましょうか。
  消防職場においても、先ほどの最高裁判決と全く同じとは言いませんけれども、よく似た対応になっていると。それは仮眠中でも警報や電話により出動が義務付けられているわけですね。これを判決で示されたと同様の勤務状況だというふうに私は解釈をしているわけですし、その出動実態というのは先ほどの最高裁判例の実態よりも圧倒的に消防の方が多いというふうに聞いているわけですけれども、消防庁としてはこの最高裁判決との関係でどのような見解を持っておられるんでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 委員もよく御承知かと思いますけれども、公務員は公務のために臨時に必要がある場合の時間外労働につきましては、労働基準法に特例が設けられております。消防職員の交代制勤務では、常時消防本部に一一九番通報の受信を、そのこと自体を職務とする指令係員が配置されておりまして、休憩時間中の職員は指令係員等からの命令を受けて出動するということになるわけでございます。
  最高裁判決の事案は、この判決拝見しますと、こうした特例が適用、特例が規定されていない民間企業の場合でございますし、かつ、上告人らは仮眠時間中、警報や電話等に対して直ちに相当の対応をすることを義務付けられていると、いたということ、それが理由になって労働基準法上の労働時間と判示されたというふうに考えております。
  したがいまして、消防職員の勤務の場合とは率直に申しまして違うのではないかと。したがいまして、この最高裁判決は消防職員の問題に直接関係するものではないんじゃないかというふうに理解をしているわけでございます。
○高嶋良充君 消防庁の見解をお聞きをしていると、一つは、労働基準法の適用の問題が言われています。私は、これは地公法の適用者でもあるわけですから、労働基準法の適用を当然受けるし、臨時の公務の場合という三十三条の三項でしたかね、この部分の適用は当然入っているわけですけれども、だからといって、それによってその部分が解除されるということではないということだと思うんです。
  もう一つは、仮眠時間中の警報とか電話の応対の関係については、その人本人がやるんではなしに別の職員がいるんだから、こういう実態が違うんだと、こういうことのようであります。
  そこで、最高裁判決をよく読んでみると、趣旨は、判例の基本的な趣旨はこういうことなんですね。仮眠時間中も労働からの解放の保障がなければ、それは指揮命令下の時間であると判断されると、こういうことを言っているわけですから、指令係員から指示される場合であろうと、先ほどの大星ビルの人にように直接警報を感知する場合であろうと、それは関係ないはずだというふうに法学者は言っています。いずれにしても、労働からの解放の保障があるかどうかの判断は、仮眠中は仕事がないことがほぼ確実だから安心して眠っていられるかどうかの問題だと、こういう指摘があるわけであります。
  そういう観点でいうと、消防職員は、仮眠室での待機と、指令係員からの業務命令に応じて直ちに相当の対応を義務付けられている、そういうことであるわけですから、当然のこととして、最高裁判決からもこの仮眠時間帯というのは労働時間になるのではないか、そういうふうに思いますが、いかがでしょうか、再度お答えください。
○政府参考人(石井隆一君) 委員もよくごらんいただいていると思うんですが、この最高裁の判決文を拝見しますと、本件仮眠時間中、仮眠室における待機と、警報や電話等に対して直ちに相当の対応をすることが義務付けられているのでありというふうに書いて、以下続いてあるわけですが、私どもは、先ほども申し上げましたように、やはりこういった外部からの緊急の事態を告げる情報については、それを受けることを職務とする指令係員が別途あらかじめ用意されているわけでありますので、今回、今、先生が引いていらっしゃる最高裁判決の場合とはやはり違うのではないかというふうに考えている次第であります。
○高嶋良充君 それは長官、余り内容を理解をされない、詭弁だと言えばちょっと言い過ぎになるかも分かりませんけれども、判例からいうと、その内容についての理解が不足をされているのではないかなというふうに思うんです。
  要は、仮眠時間帯に指令係員からの連絡がどの程度あるかどうかという、そこの問題だろうというふうに思うんです。法律専門家に言わせると、それが月一回しかないというのであれば、これは当然のこととして安心して寝られる時間だと。しかし、一日一回そういうことが起こるとか、一週間に何回も起こる、こういうことであれば、これはやっぱりその頻度からいっても仮眠時間イコール労働時間という最高裁判例が適用されるんではないかという、そういうことも言われているわけであります。
  そこで厚生労働省に伺います。
  先ほどいろんな、類似というか、例による、こういうふうに言っておられました。私が知り得ている消防職場の仮眠休憩の実態を若干申し上げますので、それに基づいて御判断をいただきたいというふうに思いますが。
  作業服を着て仮眠している場合、それから、そういうところは非常に多いんですけれども、そういう部分や都市部を中心にした救急部門では、頻繁に、仮眠をしていても出動の号令が掛かる。こういう場合はほとんど通常の勤務状態とは変わらない状況だというふうに思うんですけれども、このような実態では労働時間というふうにみなすべきだと思いますが、いかがでしょう。
○政府参考人(青木豊君) 先ほど申し上げましたように、労働時間は一般的に、一般論として申し上げれば、使用者の明示又は黙示の指揮監督の下にある時間ということでありますので、あとは、委員がお挙げになりましたように、個々具体的な事案の判断ということになるかと思いますが、それはなかなか、実態を十分に見て、実態に即して個別に判断する必要があると考えておりまして、例えば、作業服を着ただけで駄目なのかどうなのかということは直ちにはなかなかお答えにくい、それだけでどうだという判断はなかなかしづらいところでございます。
○高嶋良充君 まあ、幾らやっても堂々巡りのようでありますけれども、いずれにしても、労働法学者から見ても、二十四時間勤務、それも仮眠中の実働時間の在り方の問題についての、最高裁判例としてもう既に確定をしたわけですから、この辺についてはこれから更に議論させていただきたいというふうに思っております。
  そこで、片山大臣にお願いがあるんですけれども、この今回の最高裁判決、今申し上げましたように、消防職員の勤務条件にも大きな影響を与えるというふうに思っていますし、現行の消防の勤務条件等から見ても、労働法学者の間でも疑義を呈しておられる方が非常に多いわけであります。いつまでも現場の消防職員の献身的な努力、すなわち、出動の状況にあっても仮眠だということで無賃金で働くというような、そういう献身的な努力に依存するのではなくして、やっぱり労働基準法を遵守できるような、そういう職場に改革をしていかなければならないというふうに思うんですが、そのためにはまず、先ほどからも言っていますように、仮眠勤務実態を早急に、どのような状況になっておるのかということを調査をしていただいて、その調査に基づいて、何らかの改善策が必要であれば改善策の検討を行っていただくと。そういうことで、まず実態調査を行っていただけないか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 私は余り詳しくないんですが、それを今聞いておりまして、やっぱり専門の係員がおって、指示して出ていけと言った場合には行くわけですね。指示があるまではもう寝ておられるわけですよ、消防職員の方は。ただ、民間の場合には、本人に来るかもしれぬから、おちおち寝ておれませんわ、寝ていても。そこはやっぱり違うんですね、最高裁判決で。専門の受付がおって、何かあったときには寝ている仮眠の職員に行けと言う場合と、それがいなくて自分が受けてという場合とは、寝ている条件がかなり違いますね。
  それからもう一つは、労働基準法で除外の規定があるから、そういうことで長官がそういう答弁をしていると思いますけれども、今、勤務実態がどうなっているのかといったら、一応の調査は毎年、勤務時間調査というのはやっているようですが、少し、もう少し丁寧にその辺は調査して、今、委員の言われるお気持ちも分からないわけでもありませんので、少し検討いたしてみます。
○高嶋良充君 勤務時間帯の調査というのは消防庁でやられると思うんですが、じゃどういう勤務実態なのかということについては調査をされておりませんので、是非、大臣の方で、先ほど御答弁をいただきました、早急に実態調査をお願いをしたいというふうに思います。
  そこで、もう一点お尋ねします。
  厚生労働省に伺いますけれども、この仮眠休憩中に、じゃ、指令係員から実際に出動だと、こういう指令が下って実作業に就いた場合には当然、時間外手当が支給されて当然だというふうに思うんですけれども、これを時間外手当を払わないで休憩時間を後日割り振りをやり替えると、こういう方法が取られておればこれは労基法に照らしても違法になるんではないかと思いますが、その辺はどうでしょう。
○政府参考人(青木豊君) 時間外労働の件でございますけれども、これは今、委員おっしゃいました時間外、労働基準法三十二条で定める法定労働時間を超えて働かせたという場合には割増し賃金を支払えと、こういうことになっているわけであります。ということでありますので、その時間を超えたかどうかということでその義務が生ずるということであります。
○高嶋良充君 当然、仮眠時間中であっても仕事に就けばその時間帯を超えると、こういうことですから超過勤務手当の対象になると思うんですが、消防庁はこういうケースについてどのような指導をされていますか。
○政府参考人(石井隆一君) 今お話に出ましたように、消防業務の特殊性から、休憩時間であっても災害出動が必要な場合が出てくるわけですけれども、こういった場合は原則時間外手当を支給することで対応をしていただいていると聞いております。
  また、災害出動による勤務を命じて、その後の勤務時間において休憩時間を振り替えるというふうな措置を取っている消防本部もあると承知しておりまして、こうした場合には、あらかじめ労働時間数は変更しない、それから休憩時間の振替をあらかじめ決めている、定めているというようなことであれば振替自体には問題がないんじゃないかというふうに従来から解されているというふうに承知をしているところであります。
  いずれにいたしましても、この休憩時間中にできるだけ消防職員の皆さんに心身リフレッシュしていただくことが必要でありますので、私どもとしては、今言ったようなことはもちろんですけれども、入浴施設でありますとか、仮眠室の改善ですとか、できるだけ消防士の皆さんの労働環境が良くなるような整備を各消防本部と連携しながらしっかり対応していきたいというふうに考えている次第でございます。
○高嶋良充君 最後に要望申し上げておきますが、いずれにしても、後日に振り替えるというのは基本的にはやっぱり問題があると思うんですね。そこの割り振りの関係については基本的にはやらないという、そういう原則論を明確にしていただいてやっていただきたいと。
  消防庁も全国の消防長会議のときに、勤務時間外の、業務命令による休憩時間の災害出動については勤務時間外の勤務であるので、それによる処理も超過勤務手当の支給等によって適正に処理されなければならないと、こういうことを明快に言っておられるわけですから、ただ消防庁が言われているようなことになっていない消防本部があるというふうに聞いていますから、この辺もきちっと先ほどの調査と一緒に実態調査をしていただいて、改善できるものは速やかに改善をしていただくということを最後に申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○山下栄一君 最初に、消防法の改正にかかわることで質問をさせていただきます。
  消防機器等の検定制度を今回変えるということなんですけれども、昭和六十二年にこの検定機関の業務独占を排除した、指定検定機関制度を導入したと。今回はその指定機関から登録機関へという、そういうことになるわけですけれども、この登録機関制度導入の背景、理由、これを教えてください。
○政府参考人(東尾正君) 指定法人制度につきましては、省庁から一方的に指定をするということから、その指定の在り方をめぐりまして不透明さがあるのではないかという指摘が一部からございます。このため、今回の登録制度におきましては、一定の登録要件などを満たしております法人であればどの法人でも自由に参加できるということから、ただいま指定制度を取っております類似の法人においてすべからくこの登録制度に移行するということで、政府全体として取り組んでおります。
○山下栄一君 私、日本消防検定協会、この法人についてちょっと今から大臣も含めてお考えをお聞きしたいと思うんですけれども、私、登録制度を導入するように、そういう背景になった、それは行政委託型公益法人の改革という公益法人改革の一環ということが背景にあると思うんですけれども、今まで国のみがやっていたのを、民間の法人であれば、条件さえ満たせばどなたでも認めるという、そういう制度に変わるわけですから、今回の法律の改正なんですけれども、指定機関から登録制機関に変えるんだったら、私は日本消防検定協会という組織を特別に法律として設置、置く理由がなくなったのではないかというふうに思うんですね。そう考えるべきだ、その方が分かりやすいというふうに思います。
  だから、例えば二十一条の十七、新しい今度の改正案ですよ、第二十一条十七に日本消防検定協会の規定があるわけですね。その後に登録検定機関というのが二十一条の四十五からあるわけですよ。そうですね。二十一条関連です。そうであるならば、この日本消防検定協会という組織は登録検定機関の一つであると、こういう位置付けにすべきだと思うんですよ。わざわざ別の規定を置く必要はない、登録機関の一つとして位置付ければいいと。これが非常に分かりやすい話だと思うんですね。いかがでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 日本消防検定協会につきましては、かつて臨時行政調査会で相当議論をいただいた、ほかの特殊法人と一緒に議論いただいたわけでありまして、消防検定協会については、検査制度の適正な運営を維持しつつ、自立化の原則に従い、民間法人化するという答申をいただいたところでございまして、これを受けまして、他の法人と併せて民間法人化されたものでございます。その後、この協会の運営は臨調の答申に即して適正に行われてきたものだというふうに考えておりまして、消防行政の円滑な推進に寄与しているんじゃないかと思います。
  今、この登録制度を作ったんだから、この際、日本消防検定協会もいっそ初めから登録機関でどうかというようなお話でございますけれども、こういった臨調の議論の経過でも分かりますように、日本消防検定協会というのは、国民の生命、身体、財産といったものを火災から守るという観点から、消防用機器、機械器具等についての検定業務、こういった非常に重要な役割を果たしているわけでありまして、こういった仕事というのは、民間法人化はされていますけれども、言わば総務大臣に代わって検定対象機械器具の形状ですとか機能を試験するといったような政府代行性を有すると、したがって、民間法人化された特殊法人というような位置付けになっている次第でございまして、御理解をいただきたいと思っております。
○山下栄一君 私、御理解しにくいんですけれどもね。登録機関を作るという理由があるわけですか、先ほどもお聞きしましたけれども。じゃ、私は、この民間法人化された特殊法人というのが非常にこの特殊法人改革の中から抜け落ちているんではないかなというふうに思うんです。これは後から管理局長に聞きますけれどもね。
  消防検定協会、国の関与、要するに総務大臣の認可ですわ、分かりやすく言うたら。総務大臣の認可をするのが幾つかあるわけですね。それは何のために総務大臣の認可が必要なのかなと僕は思うんですよ。登録機関を作ってそれも認めましょうという、大事な命にかかわる機器についても登録民間機関でやってよろしいという制度にするわけですからね。これだけ別に作って、それを登録機関じゃない別の規定を設けて、なおかつ予算その他で総務大臣の認可が必要であるというふうにする。
  要するに、国の関与は必要最小限にする。国の関与を必要最小限にする中身を、私は、法律できちっと登録要件を書く、登録基準をきちっとする、そういう法律できちっと設けることが国の関与であると思うんですよ。わざわざそんな、大臣が認可する理由がどこにあるのかなというふうに思うんです。いかがですか。
○政府参考人(東尾正君) この問題につきましては、臨調においてもいろいろ議論をなされたわけでございますけれども、まず検査・検定機関というものがほかにも政府内にはございますけれども、これらの機関は、今、先生御指摘のとおり、政府代行性を持っている。つまり、検定協会でいいますと、大臣に代わって消防用機械器具の型式承認を行うというような重要な業務を持っておりまして、その法人の業務は検定のみにとどまりませず、広く消防業界あるいは、の育成、そのほかの広い業務についてそのノウハウを生かして行うというようなことから、極めて公共性の強いものであるということから、引き続き特殊法人、つまり民間法人化はされますが、特殊法人として残すべきであろうと。
  ただ、その中の中核業務である検定につきましては、これは一定の要件を備える事業者が、法人が出てきた場合に、決してその検査・検定法人だけに独占させておくべきものではないだろうということから、指定法人制度が当時、道が開かれたというふうに理解しております。
  したがいまして、検定協会が検定のみを行っている非常に狭い事業体であれば、そのような登録機関と全くパラレルではございますが、検定協会はそれ以外にもいろいろ業務を行っております関係上、検定が主ではございますけれども、ほかの業務も行っておりますので、直ちにこれを登録機関と同等にするということは困難かと、このように考えております。
○山下栄一君 管理局長に聞きますけれども、去年四月に、特別の法律により設立される民間法人の運営に関する指導監督基準、この法人というのはこの日本消防検定協会を始めとする幾つかの法人を意識して指導監督基準というのを作ったと。基準そのものは、何か総務省、僕は行革事務局と思ったんですけれども、総務省の管理局で作られたというふうにお聞きしました。それで、閣議決定が去年四月されていると。
  その中に、幾つかあるんですけれども、ここに書いてあること、ほとんどまだ検定協会は実施されていないわけですけれどもね、それはすぐにやれとは書いていないけれども。このところに、法人の事務事業の必要性、途中飛ばしますけれども、当該法人の設立の基礎となる特別の法律の必要性等について、おおむね三年―五年をめどに定期的に全般的な見直しを行い、その結果に基づき、特別の法律の改廃を含め所要の措置を講ずると、こういうふうに書いてあります。これは私は非常に大事な中身になっているなと思うんですね、ここは非常に大事なところだと。
  この見直しについては、第一回は平成十七年度末までに実施すると書いてあるわけです。別に今回やってもいいのではないかと思うぐらいなんですけれどもね。特別の法律というのは、この消防法のことだと思うんです、これは検定協会にとってはですけれども。その改廃を含め必要性自身を問うているわけですよ、この閣議決定は。
  こういうふうな観点からいいますと、検定協会とは限りませんけれども、この閣議決定の対象になった、指導監督基準の対象となる認可法人、基本的には民間法人化された特殊法人というふうに思うんですけれども、こういうことを書かれた、法律の改廃、必要性も含めて見直すという、僕は非常に思い切ったことを書いていると思うんですけれども、その背景をちょっと局長に教えてほしいんですけれども。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
  民間法人化された特殊法人あるいは認可法人というものでございますが、これは昭和五十八年の臨時行政調査会の第五次答申に基づきまして、特殊法人につきまして、その経営の活性化を図るということで、例えば完全な商法会社とかあるいは完全な公益法人とかいうことにできないまでも、できるだけ自立的な運営が図れるものにつきましては、その自立化を図りまして、言わば民間法人的に運営をしていただくというような方針に基づいて行われているものでございます。
  そのために、自立的に運営していただくということで、国の出資を引き上げるとか、あるいは役員任命について等の政府の関与を排除していくとか、できるだけ自立的な運営をしていただくということにしているわけでございます。今お尋ねの消防検定協会等も、その方針に基づいて民間法人化されたわけでございます。
  今般、平成十三年十二月の特殊法人の閣議決定におきましても、同じように、そういうことで完全な商法会社あるいは完全な公益法人にならないまでも、民間法人的な運営が期待できるものがございますので、そういうものにつきまして特殊法人等整理合理化計画の一環としまして民間法人化を進めているわけでございますが、これらの民間法人化された特殊法人についての指導監督の在り方につきまして、これまで特段のルール等がございませんで、言わばばらばらであったわけでございまして、その閣議決定に基づきまして、統一的なルールを決めるべきであるということで、昨年四月に、特別の法律により設立される民間法人の運営に関する指導監督基準を閣議決定させていただいたところでございます。
  その内容は、今申し上げた、政府の出資に依存しないとか、あるいは役員任命等についての政府の関与を排除するという基本を踏まえまして、経常的な補助金への依存の排除ですとか、あるいは役員の任命の適正化、所管官庁出身者の就任制限等を含めまして、その適正化ですとか、あるいは業務、財務あるいは退職公務員等の状況の公表ですとか定められておるわけでございますが、同時に、あわせて、今、先生お尋ねの定期的な見直し、事業あるいは組織等の定期的な見直しということも含まれておりまして、初回の見直しは十七年度までに実施するということにしているわけでございます。
  これらの基準、指導監督基準に沿いまして、今後、各所管大臣におかれまして指導監督が行われていくことになるわけでございますが、これによりまして、法人運営の適正化あるいは透明化等が図られていくものと考えております。
○山下栄一君 松田局長は特殊法人の整理合理化計画に指揮を取られたわけでございますけれども、私はこの民間法人化された特殊法人というのはエアポケットになっているん違うかなと思っていまして、これはやはり積極的な改革に着手せないかぬと。そういう一つの改革の具体化としてこの指導監督基準を作られたんだと思うんですね。
  こういう観点からいうと、ほとんどまだ日本消防検定協会見直しされていない。これからされるんでしょうけれども、天下りの方が大半だし、また第三者的な性格を有する機関における実績評価もこれから考えられるんでしょうけれども、いずれにしても、大臣に確認させていただきたいんですけれども、この指導監督基準を踏んまえて、私は総務省というのは行政改革の一つのモデルの役所でもあると思いますので、こういうことについては積極的に、年限一杯でゆっくり改革するんじゃなくて、最も早く改革することに着手すべきだというふうに思いますと同時に、特別の法律に基づいてこの日本消防検定協会を作られているわけですけれども、もうこの必要性も私は、さっき冒頭申しましたように余りないというふうに私には思うんですけれども、それも含めて積極的な見直しの、大臣の方から取っていただきたいなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 日本消防検定協会は民間法人化したんですよ。それで、ほかの登録機関が手を挙げるんならどうぞということなんですが、なかなか手を挙げないんですね。
  それから、これは元々特殊法人でやってきましたから、それはいわゆる検定以外のこともやっているということで国の関与を残しているんですね、民間法人でありながら。ほかにもたくさんあるんですよ。
  しかし、これはいずれにせよ、今、山下委員言われるように、十七年度末までには見直さにゃいけませんので、私どもの方も是非、指導監督基準に沿うような形での見直しを図ってまいりたいと思いますが、一つも出てこないとまた困るんですね。これは、やっぱり消防器具というのは国民の生命、身体、財産に正に関係あるので、野放し、どこも出てこないじゃ困るので、その辺の見合いがありますが、やっぱり中途半端はいけませんので、よくその辺は検討して、この考え方の徹底を図るようにしてまいりたいと思います。
○山下栄一君 実際、昭和六十年以降、指定機関にどこも手を挙げないわけですから、登録機関制度にしてもどこも手を挙げないかも分かりません。僕はそれでもいいと思うんです。それで、登録、この法律に書いてある登録検定機関の位置付けでいいと。特殊法人である必要はないし、公益法人化しても私はいいと思うんですね、具体的に同じレベルの特殊法人で既に経産省の所管でもう公益法人化されたものも既にありますし。そういう考え方で、思い切った改革の手本を示していただけたらなというふうに御要望しておきます。
  あと、この組織法の方です。消防組織法の方で自主防災組織の方なんですけれども、私は、この自主防災組織というのを物すごく大事だなと思っております。しかし、時代はどんどんこういう最末端のボランティア的な防災組織は非常に作りにくくなっています。地域コミュニティーがもう非常に薄くなってきている。
  最末端は私は、別に総務省だけじゃなくて、例えば厚生労働省の福祉関係もそうですし、警察の防犯もそうですけれども、そういう民間によって支えられているという面があるんですね。だから、治安が悪くなったら警察官増やせというそれだけじゃなくて、私は市民一人一人が、防犯協会も現在ありますし、そういう自主的に自分の町を守るんだという、治安の面でも。防災の観点も同じだと思うんです。そういう意味じゃ、この自主防災組織を育てていくということは、時代としては物すごく大事なテーマだというふうには思います。
  そういう観点から、十万組織あるそうなんですけれども、私どこまで機能しているのかなと。いろいろ書いてありますけれども、私の経験では地域で防火訓練、防災訓練、町内会が指揮を取ってやっているという経験したことがなくて、やっているところもあることは知っておりますけれども、そういうことがますますしにくくなっている状況の中で、この予算なんですけれども、予算、今後大幅に増やすと。もちろん機器も大事であるということは分かりますけれども、ソフトの方が物すごく大事だというふうに思うんですよ。
  だから、例えば、そういう防災意識を、e―ラーニング、書いてあります、それからビデオ作成と書いてあります。そういう意識を向上するような取組、そうやっている町内会を支援する。例えば、講師を招いてやる、どこか場所を借りて、借り上げ料も要る。そういうところには支援することは手厚くやったらいいと思いますし、実際そういう予算もあるんですけれども。だから、機器さえ、機器を置くという倉庫を作る、そういう考え方もそれは一つの誘い水になるかも分かりませんけれども、ソフト支援という観点の方がもっと大事、位置付けとしては。
  これは、一々国がやるべきことかなとも思いますけれども、やっぱり非常に地域コミュニティーがどんどん薄くなる中で、こういう面でも自主防災組織を育てるという観点からも、予算の使い方ももうちょっと、機器中心にはなっていないんでしょうけれども、今回の予算を二億円増やすというのは、二億円に増やすというのは何か機器の方に非常に重点化、置き過ぎじゃないかなというふうなことを思っていまして、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 今、委員がおっしゃいますように、この自主防災組織、全国で十万組織あるんですけれども、団体によっては確かに活動状況、かなりまちまちな面がございまして、組織によってはリーダーが不足しているとか、あるいは高齢化が進んでいるとか、ややマンネリ化しているんじゃないかといったような問題もあろうかと思います。
  そこで、本年度、十五年度に従来のこの自主防災組織の補助金につきましても、おっしゃいますようにややハード主体だったんですけれども、今回は、講師を招いていろいろ教えていただくとかいったようなソフト経費も支援させていただくことにしております。それから、御存じかどうか、平成八年度以降、阪神大震災ということもございましたが、消防庁としては毎年、防災まちづくり大賞なんというのを制度を設けておりまして、各地でやっぱり自主的にやっていただくのが大事ですので、自主的にいろんなユニークな工夫をした活動事例がございます。こうしたもので、大変これは全国に知ってほしいといったようなものを毎年十件ほど表彰して、いろんな機会にPRもしております。
  最近、かなりそういう意味でひところよりも少し熱心になってきたかなと思うんですけれども、今、先生おっしゃいました、もっとソフトを重視しろというような点も十分踏まえまして、これからも全国の地方団体あるいは消防機関と連携を取りながら、せっかく今回の法改正もお願いしている次第でありますので、是非そうした教育訓練機会の充実も図ってまいりたいというふうに考えております。
○山下栄一君 確かに、自主防災組織を消防組織法の中に位置付けたのは今回初めてですから、そういう意味じゃ非常に大事な観点だというふうに思っております。
  一つ提案なんですけれども、実際やっているのかどうか分かりませんけれども、この自主防災組織は町内会、校区という、も一つのこの中心に組織化するということなんですけれども、その他という項目もありまして、現況をこの実態調査もされているようですけれども、このその他の中にあるのかも分かりませんが、集合住宅ですね、高層の集合住宅。町内会でそういう防災組織を作るということももちろん大事なんですけれども、この高層の集合住宅、例えばマンションなんかそうなんですけれども、そういうところでは、火災とか地震がある場合には、もう消防活動というよりもとにかく逃げる、避難するということとかすごく大事になってくるので、集合住宅として一つの防災組織として、そういう様々な訓練、誘導訓練とかそういうことを一つの防災組織の一つの単位として集合住宅もきちっととらえてやっていくということ。そういうことについての取組をちょっと積極的にやるべきじゃないのかなというふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) おっしゃいますように、これまで自主防災組織、九割ぐらいは町内会単位となっておりますけれども、中にはおっしゃいますように共同住宅なんかの管理組合ですね、こういったものを単位に自主防災組織を作っていらっしゃるところもございまして、こういったところも私ども、支援対象にしていきたいと思っております。
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
  我が党は、これまでも大規模自然災害に対応するための消防防災体制の拡充強化を繰り返し要求してまいりました。このことの重要性を国民的な規模で切実に問題にしたのは、言うまでもなく、私の地元も被災地となった阪神・淡路大震災であります。
  我が党は、阪神大震災の際、大災害によって人命が危険にさらされているとき、自衛隊が自衛隊法に基づいて災害救助活動を行うことは当然との立場で、自衛隊の出動は必要だという態度を取りました。しかし同時に、だから大規模災害に備えて自衛隊の増強をという議論に対しては、緊急時の活用は当然だが、災害に備えるのなら軍隊ではなく消防防災体制の強化こそ本筋だと、こういう立場から、消防力の基準に照らして不足している消防職員の増員、消防車両や救急車両、耐震貯水槽の整備などなどを強く要求してまいりました。
  そして、一九九五年二月、予算の組替え提案では、都道府県単位に機動的に行動できる広域消防隊を設置する、これを提案したわけであります。そういう立場から、本法案は賛成すべきものだと受け止めております。
  ところが、本法案の審議を急ぐ動きが先週辺りからにわかに強まりまして、一部には、米英軍のイラク攻撃が始まり、それを支持する我が国にもテロの危険があるためだと、こういうような話も漏れ聞こえてくるわけです。もし仮に、この法案がそのようなものだとすれば、安易に同調できないということにもなります。
  そこで、念のために聞いておきたいと思います。
  本法案は、今提出されている武力攻撃事態法案や今後提出が予定されているいわゆる国民保護法制と関連したものなのかどうか、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 今回お願いしております消防組織法の改正、東海地震でありますとかあるいはNBC災害といったような特殊災害の必要性から、地方分権改革推進会議の意見あるいは消防審議会の答申というふうなものを受けて立案しているわけでございまして、今お話に出ましたような武力攻撃事態といいますか有事、あるいはそれに関連することを想定して改正するものではないということでございます。
○宮本岳志君 そういうものではないというお答えだったと思います。
  そもそも、中東情勢から波及する国民の安全へのリスクを食い止めるために真っ先に必要なことは何かと。それは、我が党が主張するように、アメリカの無法な戦争に反対することであり、イラク戦争への支持を撤回すること、そしてこの問題の解決を国連憲章にのっとった平和的解決のレールに引き戻すと、これであります。それをせず、テロへの備えなどということのみを論じるのは本末転倒だということを言っておきたいと思います。
  そしてもう一つ、本法案への懸念を抱かせるもう一つの原因は、総務大臣が一月七日の記者会見で、国民保護法制の主役はやっぱり市町村、自治会、町内会、自治防災組織、いわゆる消防団だと、こう発言されたことです。本法案に盛り込まれた自主防災組織への教育訓練機会の提供は、よもやこのことを想定したようなものではないと私は思うんですけれども、これも念のために確認をしておきたいと思うんです。
  この規定によって行われる教育訓練というのはどのような内容のものが想定されているのか、お答えいただけますか、消防庁長官。
○政府参考人(石井隆一君) 今度の自主防災組織につきましては、あくまで、先ほどもお話に出ておりましたが、住民の自主的な参加を前提に運営することを考えておりまして、実際に今でも、例えば九月一日には、総合防災訓練の一環として各町内会等で自主防災組織の訓練なんかなされていますけれども、ああいったことを始めとしまして、各自治体あるいは消防本部単位に防災関係の講座を設けるとか、あるいは場合によってはそのリーダー的な方々を県なり指定都市等が持っております消防学校で勉強していただくとか、あるいは公民館なんか使ってやるとかといったようなことを考えておる次第でございます。
  いずれにしましても、これは、先ほど来何か御心配のようでありますが、有事との関係で何か住民の方に強制的に何か訓練をするとか、そういうことはもう一切考えておりませんので、御理解賜りたいと思います。
○宮本岳志君 大臣もそのとおりでよろしいでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 国民保護法制は国民を守るんですよね、何か起こったときに。避難したり誘導したり、守るんですよ、国民を。それは、そういうときに知事や市町村長はやりますよ、しかし実際受ける住民主体の何かが要るので、それは今あるのは町内会や自治会や消防団や自主防災組織でと、こういうことを言ったので、国民保護法制が大変なものだという、国民を守る法制なんですから、それは宮本議員もその必要性は十分感じていると思いますよね。
○宮本岳志君 この法案。
○国務大臣(片山虎之助君) この法案は今言ったとおりですよ。自主防災組織を義務付けているんじゃないんですよ。これは県や市町村を義務付けているんです、逆に。
○宮本岳志君 この法案を審議しているんですから、この法案はそういうものでないということを御確認いただきたかったわけであります。
  それで、この法案が大臣の発言によって有事対応に結び付けられて、むしろ担当部局を困らせることのないようにしていただきたいということを言いたかったわけであります。
  防火の基本は何よりも火を出さないことですし、一番近くにいる人が直ちに消し止めることが最も被害を少なくする道であります。そういう意味で、自主防災組織の消火能力と住民の防火意識の向上の意義は大きいと。しかし、そのことにかこつけて万一住民を画一的に動員しようとすることは、住民の生命、財産を守るという方向とはむしろ逆の結果になりかねないと。
  我が党は、国民保護法制の名でそういうことを行うことには断固として反対だということは申し上げておきたいと思います。
  次に、緊急消防援助隊についてお伺いします。
  今回の法整備でこれへの国の費用負担なども整備されて、必要な場合には国からも指示が行われることになりました。ただし、これは隊の出動に関してであって、現地での具体的な活動は応援を受けた側の市町村の長の指揮の下に行うということになっております。
  そこで、お伺いしますが、緊急消防隊の現地での行動について国からの指示を法律に盛り込まなかったのはなぜでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 現地での実際の消火活動の指揮ということになりますと、やはり私どもが東京からあれこれ指図するよりもやはり現地の市町村長が何といっても、地元の水利でありますとか道路事情でありますとか住民の生活状況、精通されているわけでありますので、こういった方の指揮で活動してもらうのが適当だというふうに考えたわけでございます。
  なお、緊急消防援助隊の中に、通常は東京消防庁でありますとか大都市の消防局から成ります指揮支援部隊というものも編成しておりますので、実際に被災地でやはりそれは混乱もあると思います。そういう際には、現地の被災地の市町村長さんなり消防長さんをこういった指揮支援部隊が言わばバックアップして、そして両方相まって適切な対応をしていくという考え方でおります。
○宮本岳志君 消防組織法第六条には、「市町村は、当該市町村の区域における消防を十分に果すべき責任を有する。」と、こう明記されているわけなんですね。県や国はあくまでも補完であって、消防の第一義的な責任は市町村にあると。それは消防というものの本来の在り方が、だれかどこかの人に守ってもらうということではなくて、やっぱり自分たちの責任に基づくものだということだと思うんですね。
  同時に、現実問題として、いざ火を消そうというときに一番現地の状況が分かっているのは、遠くの大都市の消防本部ではなくて、その地域の組織だということもあるでしょう。実は、このことは地方自治の根本の理念にもつながる話だと思うんです。戦後の改革の中で、自治警察、自治消防が作られたことは、今日のような在り方の地方自治体が作られたことと不可分の関係にあります。その後、警察は制度が変わっておりますけれども、消防は自治消防の組織形態が今日まで続いてきております。
  今後の消防制度を考えるに当たっても、やっぱり自治消防の理念の重要性は変わらないと私は思うんですが、総務大臣いらっしゃいませんので、消防庁長官、いかがでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 今お話に出ましたように、昭和二十三年に消防組織法を制定いたしまして、市町村が地域における消防防災の責任を有するという原則を確立し、その後、現在まで堅持をしております。
  今回の改正は、そういう市町村消防の原則というのを守りながら、むしろこれを今後も維持していくために、やっぱり特に二つ以上の県にまたがるような例えば大災害、あるいはよほど特殊な災害、こういった場合は、むしろ市町村消防を補完して、国が全国的な観点から、全国の消防本部と協力して、例えば緊急消防援助隊の活動をするといったような仕組みを考えているわけでありまして、あくまで市町村消防を一定の場合に国が全国的観点から補完をする、そして全体として国民の皆さんの生命、身体、財産を守っていくと、こういった考え方でおりまして、今後も市町村消防の原則というのはしっかり守っていきたいと、こういうふうに考えておる次第であります。
○宮本岳志君 当然の答弁だと思います。都道府県を超えた広域的な相互援助というものも、あくまで個々の常備消防や消防団に基礎的な消防能力があった上でのことだと思うし、また、大規模災害等に対応する体制を整えたからといって、日々起こる小規模なあるいは中規模な火災に対応する日常業務の重要性というのはいささかも変わることはないと思うんですね。
  そこで、阪神大震災の翌年に当たる一九九六年から昨年までの七年間、火災による死者数と負傷者数の累計をお答えいただけますでしょうか、次長。
○政府参考人(東尾正君) お答えいたします。
  ただいま御指摘の年間の火災による死者の累計は一万四千七百十八人、この中には放火自殺者も含んでおります。また、火災による負傷者の累計でございますが、五万五千七百十五人となっております。
○宮本岳志君 阪神大震災は五千人以上の死者を出す大惨事でしたけれども、その後の火災による死者の数は既に大震災での死者数の三倍に達しているわけですね。大規模な公共施設等ではない住宅の火災だけでも毎年八百人から九百人の死者が出ている。こうした一般の火災による死者を何とか減らそうとして努力が続けられていることも消防白書には書かれてございます。
  そこで、次長、もう一度お伺いしたいんですが、消防車両に対する人員の充足率を最新の数値で答えていただけますでしょうか。
○政府参考人(東尾正君) 私どもでは、三年ごとに施設整備計画実態調査をやっておりますけれども、最近の数値は平成十二年、ちょっと古いんですけれども、十二年四月一日現在でございまして、ここでは七六・五%というのが消防職員の充足率でございます。それから、消防車両の充足率でございますか──は、消防ポンプ自動車におきましては九五・三%、救助工作車は七九・一%、救急自動車が九四・一%と、こうなっております。
○宮本岳志君 一〇〇%でないんですね、依然として。
  例えば、消防車が出動中に救急車の要請が来ても運転する者がいないといった状況が依然として起こり得るということだと思います。大規模災害の対応ということを言うのであれば、そういうときこそ救急も消防も一度に必要になるわけですから、一層の努力をお願いしておきたいというふうに思います。
  これまで質問してきたことからも、全国津々浦々に常備消防が整備されていることの意義は明らかだと思うんです。
  いただいている資料によると、現在、常備消防を持っているのは自治体で九八・一%に達していると、人口で言えば優に九九%を超えるカバー率になっているという話です。残るのは一握りの中山間地や離島だということですけれども、更に一〇〇%を目指して努力すべきことは当然だと考えます。ましてや、この法改正がせっかく常備消防を持っているところの放棄につながるようなことであってはならないと思うんですけれども、政令指定制度をなくした後でも消防組織法第六条に明記された市町村の責任にはいささかも変わりがないと私は思うんですが、これはよろしいですね、長官。
○政府参考人(石井隆一君) 消防組織法六条に明記されました市町村の責任、これは今後も従来どおりしっかり維持していく必要があると考えております。
○宮本岳志君 市町村に責任をきちんと果たしていただくと、国はそのための条件を確保することに責任を持っていただきたいと思います。
  法改正後は、すべての自治体が常備消防を持っているものとみなして基準財政需要額を算出すると聞いております。
  これは自治財政局長にお伺いいたしますけれども、これは将来にわたってそのために必要な額、これは確保していただけるんでしょうか。
○政府参考人(林省吾君) 常備消防に係ります経費につきましては、今日、市町村行政の標準的な財政需要として広く定着していると私ども考えておりまして、その実態にかんがみ、法改正後におきましても交付税上、適切に算定をしてまいる考え方でございます。
○宮本岳志君 先週、先々週も議論しましたように、将来は交付税は減らされるというような話が広がっているわけでして、常備消防を維持できる交付税を確保することは正に政府の責任だと、くれぐれもその点で不足が起きることのないように求めておきたいと思います。
  最後に、消防用設備等に係る技術基準における性能規定の導入、これについてお伺いいたします。
  これはいわゆる規制緩和の一環として行われるものでありまして、もちろん不合理な規制はなくしていくべきですが、消防法は人命に直結する分野だけに、その規制を安易になくしたり弱めたりすることには慎重でなければならないと思います。
  事前に聞いた説明では、従来からの仕様規定に加えて性能規定を導入する、その趣旨は、あくまでも従来の方法で確保されていた水準について別の方法によって達成することも選択として認め、選択肢として認めるものであって、要求される防火水準の引下げを容認するようなものではないと、こういうことでございました。
  念のためにこれも聞いておきます。
  消防設備等の性能基準の導入に当たっては、従来の仕様基準で確保していた性能より劣ったものを容認するというようなことはございませんね。
○政府参考人(東尾正君) これまで技術基準で要求しておりました防火安全上、必要かつ十分な性能については、今後、性能規定化の導入に当たりましても、その水準を落とすことのないように十分配慮してまいります。
○宮本岳志君 是非しっかりやっていただきたいと思います。
  この件に関して、昨年十二月に、全国消防長会から消防庁長官に意見と要望が出されております。
  これを見ると、性能基準の導入に当たっても、「申請者及び審査機関ともに適否の判断が比較的容易であることから、一般的な防火対象物については、性能規定導入後も、仕様規定を重要視していただきたい。」とあります。つまり、実際に現場に立ち入って、その建物が基準を満たしているかどうかの判断をする身になってみれば、一見して判断できないような建築物が野方図に増えたのでは対応できないということだと思うんですね。また、「早い時点で性能規定の内容、範囲等、具体的構想について、全国消防長会の意見を反映していただきたい。」と、こういうことも書かれてございます。
  消防庁長官、この要望をどのように受け止めておられますか。
○政府参考人(石井隆一君) 性能規定化に当たりましては、一つは、何といっても国民の生命、身体、財産ということですから、しっかりした性能を評価する客観的基準等もきちっとやっていかなきゃいけませんが、同時に、事務の混乱がないように円滑に運ぶ必要もございます。そうしますと、ほとんど、大臣が認定する道も開いておりますけれども、一般的には全国の消防機関に対応していただくわけでありますので、この性能規定化が円滑に進みますように、全国消防長会を始め全国の消防機関の御意見を十分踏まえて対応していきたいと考えております。
○宮本岳志君 理屈の上で防火性能が確保されると言っても、現場で検査に支障を来すようでは安全の確保はできないと思うんです。実際に検査に当たる立場からの意見を尊重していただいて、くれぐれも国民の安全確保に遺漏がないようにしていただきたいと思います。
  そして、このような制度を導入することになれば、それを判断する消防当局の責任は一層重くなるし、防火性能を評価する機関の役割も一層大きくなると思うんですね。
  今回、指定検定機関の制度を登録検定機関に変えるということになっておりますが、この理由についてお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 今回の改正は、政府全体の方針でございます公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画と、これは昨年の三月に閣議決定しておりますけれども、これを踏まえて検討した結果、この消防、日本消防検定協会を登録、失礼しました、指定制度から登録制度に移行すると、それから、検定協会に加えて登録制度も導入するという考え方によるものでございます。
○宮本岳志君 そうはいいましても、だれでも登録できる、できて、仮に建物を建てる会社が自分で性能評価するとか、その関連団体や子会社などにやらせるというようなことになれば客観性は担保できないということになります。登録検定機関の客観性、中立性をどう確保しようとしているのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(東尾正君) お答えいたします。
  登録検定機関の登録に当たりまして、その機関が客観性や中立性を維持するということは当然必要なことでございます。このため、私どもの登録基準におきましては、まず、一定のレベルのある職員を雇用しており、また設備を保有すること、また、今おっしゃいましたが、評価又は検定を受けようとする事業者と利害関係が、一定の利害関係がないことということを置いております。また、その法人が十分適正に管理できますよう専任の管理者を置いていることなどを定めておりまして、これらのことをよく検討いたした上、登録をしていきたいと、このように考えております。
○宮本岳志君 是非、厳正にやっていただきたいと思います。
  大臣、政府は有事対応では国民の安全ということを口にされます。しかし、肝心の消防防災体制については、先ほども充足率が一〇〇%というのはなくて七〇%台のものが二つほどありましたけれども、不十分だと思うんですね。その一方でイラクの復興支援というようなことも議論に上っております。イラク戦争を支持し、壊すのは容認しておいて、その復興のための資金援助というのは正に愚の骨頂だと私どもは思うんですね。壊さなければ復興など要らないではないかと。そんな金があるならば直ちに足元の消防にこそ使うべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
     ─────────────

○委員長(山崎力君) この際、委員の異動について御報告いたします。
  本日、辻泰弘君が委員を辞任され、その補欠として神本美恵子君が選任されました。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) 引き続き審査を行います。
○渡辺秀央君 どうもこの時間の質問、この順番だとなかなか容易じゃないですが、特に前の質問者、ちょっといろんな角度から質問されるので、この間などは大臣が前の質問者に私の質問に答えたりして、どうぞもうそういうことのないように今日はよろしくお願いしたいと思います。
  全くちょっと角度を変えまして、私は逆なんです、今の共産党さんの質問と。これ、今ごろこんなことやっていたのかねという感じですよね。もっと早くこういうことは整備されていたんじゃなかったかと、これは私も不勉強でしたが。しかし、こういうふうに整理されていくことは大変結構なことだと思うので、基本的に賛意を表しておきたいというふうに思います。
  今ほどのそれぞれの同僚議員の質問とちょっと角度を変えてみまして、事前の質問要旨を出していませんが、大臣、政治家として、昔、あなたの年齢でどうだったか、僕らの年は火の用心というのをよくやったんですよ、特に私は田舎育ちなものですから。この火の用心という子供たちがやっていたこと、あるいはある意味では大人もやったわけですよね。これは非常に治安の維持、あるいは子供たちにそういう火に対する、危険である、人に迷惑掛けることがある、あるいはまたみんな財産なくして不幸になるよとか、いろんな意味を込めてこれ教育をしているわけだねと思うんです。それからもう一つは、今言った治安の関係もあったと思うんですね。
  昨今、外国人の入国者が非常に増えて、東京近郊の駅なんかでも、夜、婦人が駅から帰るのに非常に不安だというぐらいのことがあり、これは警察の問題、これは大臣は両方見ておられるわけですが、そういう意味からしても、こういう法律改正をやるときに少し地方自治体の長さんに、何かの機会にもう少しこういう問題意識を持たせたらどうかという感じがしますよ。学校教育ということはなかなかそういうところまでやりにくいのかもしれませんけれども、社会教育の一環として、あるいはまた地方の首長さんたちの地域を守る、あるいはまた、特に昔は不穏な分子がいて、鎮守様だあるいはお寺だというのを放火しましたよね。ああいうこともこれありなんで、今さらの感ですけれども、ちょっとどんな大臣感じを持っておられるか、聞いておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、渡辺委員言われましたように、私も小さいころは、消防団というのは格好良くて、大変あこがれまして、訓練するときは見に行ってまねたりなんかしていましたし、火の用心というのは、あれは大人がやるのを子供がまねてやるんですね。そうすると、子供だけやれとか言われまして、やったりしましたが。
  私は、常々消防団の皆さんには、消防団がしっかりしているところは地域が安定している、地域の安心、安全、安定の度が高いんだと、こういうことを言っておりまして、警察ではできないようなことが消防ではできるんですね。それから、地域住民との親近感、密接度があるので、そういう意味では、今大変消防団の数も減っていまして、団員の、これをどうやって再興するかということと、それから、今言われましたように常備消防との連携をどうやっていくか、こういうこともありますし、それから、私は、消防団なんというのは、もっと地域福祉や何かの面でも、常備消防でも消防団も役割を担ってもらったらどうかと、こういうことも考えておりまして、万般御指摘のことを含めて、消防の活性化、団や職員の、こういうことを今後も検討していきたいと思っております。
○渡辺秀央君 正にそうだと思うんです。やっぱり平和なとき、あるいはまた何となく動いている時期はそういうことは忘れがちですから、お互いそこがやっぱり政治の必要性だろうと思う。あるいはまた価値観だろうと思うんですね。そういう意味で、行政に当たっておられる大臣から、そういうこともひとつおもんぱかって、何かの機会にという願いと期待であります。
    〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
  先ほどもお話がありましたが、とにかく出火件数が何と一日に百七十四件あるんだそうですね、この防災白書で。だから、三百六十五日ですから六万三千件になるわけですか、そういうようなことで、さっきもお話があったが、火災による死者は戦後二番目だと、この平成十四年の防災白書から見ると。そういう結果のようですね。ですから、非常に日常、我々は高度な、世界に冠たる文化生活をやっていると言いながらも、こういう非常に大きな落ち度というのがあるんだということをお互い認識していかなきゃいかぬだろう。
  しかも、どうもいけないことには、第一位は放火だというんだね。これは一体どういうことかということですね。第一位が放火であって、第二位がたばこだっていうんです。だから私は、たばこは昔は吸ったけれども、今は吸わないので、たばこを吸う人は大いに税金を払うべきだと思うんだが。
  しかし、それにしても、一位の放火ということは治安に関係もありますよ。ですから、今申し上げたようなことを私は、ちょっと余分なことを申し上げましたが、お互いに考えていかなきゃいかぬことではないかというふうに思います。昔は放火というのは張り付け獄門ですな。そういうことがいい加減にされているわけですよ。警察で何も重く処分すればいいものだというふうには思いませんが、そういう罪の深いことだよということの認識、そういうことを大事に考えてお互いいかなきゃいかぬというふうに思います。
  ところで、時間がまたしゃべっておるとなくなりますが、私、一、二点、ちょっと事前の通告が若干してあるのとしてないのとありますが、石井長官、離島、これしていないかも分からぬが、離島に対する消防防災、この装備は離島の関係、これは大体、この法律というのは大体大都会の大災害ということだ。ところが、離島では非常に消火あるいは消防を島民の人たちが自らやる、いわゆる消防団だ、それをやっているんですけれども、どうも装備が僕は十分だと思えない。これ、もちろんポンプはある、あるいはまた消防車もあるでしょう。今、大臣が言った肝心の若い人がいない面が一つある。ですから、そういう意味において、もし答えられたら答えていただきたいんですが、教えていただきたい、答えというより教えてもらいたい、この装備が万全であるかどうかということ。特に離島には文化財的なものがたくさんあると思うんですね。そういう意味からしても大事に考えなきゃいかぬだろうと。
  それからもう一つは、離島で急病になったとき、そのときに、私が聞いた範囲では、ヘリコプターを持っている県というのはほとんどなんだが、沖縄と佐賀と宮崎にヘリコプターがないんだそうですね。沖縄になぜないのか。僕は、佐賀、宮崎さんのことはいいとしても、いろんな事情があるのかも分からぬ、ここに出身者がおられるかどうか分からぬが、沖縄になぜ、これだけ離島が多いところになぜヘリコプターがないんですか。これは大臣、場合によったらこれは国から大いに援助して、沖縄振興法もあるわけですから、これは私は大事なことだと思う。防衛庁にばかり頼っていることないですよ。その辺のことについていかがでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 離島の消防の問題ですけれども、おっしゃいますように、離島の場合は、人数も少ないということもございますが、財政力も弱いものですから、施設整備の面でいいますと、例えば消防車等についての補助率ですね、普通は三分の一程度のものを離島ですと十分の五・五にするとか、あるいは、大変国も財政事情厳しいものですから、かねて、例えば損保協会にお願いしまして、離島等について毎年何十台か寄附していただいているとかいったようなことで、できるだけ、これは大都市並みとはなかなかいきませんけれども、今の時点で少なくとも一定程度、相当程度の整備は進んでいると考えております。今後もしっかり対応していきたいと思います。
  それから、今、沖縄の話が出ましたけれども、私どもが承知しております範囲では、沖縄なんか特に離島も多いわけで、救急の点が心配なんですけれども、現実に自衛隊のヘリコプター等が相当従来から協力されているようでして、そういうことがないほかの県に比べますと一応用が足りているので、沖縄県として独自に今のところヘリコプター持とうとは積極的に思っていらっしゃらないということだと思います。
  今回、法改正お願いして、市町村長からの要請を受けて都道府県がヘリコプターによる消防、救急事務等も行えるということにいたしましたので、従来も意欲のある県でやっていただいておりますけれども、例えば、離島ですとか山間へき地等で例えば救急患者が出たと、命にかかわるといったような場合には、今回の制度改正を機会に、都道府県がヘリ等を利用してそういった離島等の救急患者を助けに行くとかいったような仕組みがきちんとできますように、消防庁としても努力をしてまいりたいと思っております。
○渡辺秀央君 大臣、どうぞひとつ沖縄のことを、それは、自衛隊と県民との融和策の一つとしては、何かのときには自衛隊があるからこうやってやってくれるんだと、そういうことですよ、それは一つは。だけれども、それはしかし本旨とは違うね。だからやっぱりそれは、防災は防災で考えてあげるべきだと私は思いますね。是非お考えをいただきたいというふうに思います。
  細かいことを申し上げて恐縮なんですが、基本的にこの大規模災害に対する対応というのは、もう阪神大震災を始めとして、離島も北海道で津波による大災害があったりして、それぞれ経験はしているわけですから、そういう中で同じことを二回もやればちょっとお粗末だということになりますから、その辺を是非お考えをいただきたい。
  それから、もう一点だけ聞いてもう終わりにいたしますが、原子力の発電立地市町村における放射能の防護服、あるいはまた装備、そういうことが一体ちゃんとなっているかということなんです。
    〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
  これは、かつて私は産業経済委員会におりましたときに、例の東海村の事件がありまして、そのときにもたしか自治省においでいただいてそのことを申し上げてあるはずです。いわゆる消防署、その市の消防署というところにはそれだけのことがあるが、しかし全くこれは、万一の場合には、いわゆる消防団ですな、地域のボランティアの消防団、そういう人たちがある程度のこういうものを装備していないと日常の不安に駆られるわけですよ。
  特に、さっきちょっとこの法律とは違う意味の質問がありましたが、実際に北東アジアの緊張状態から考えていくと、この原子力発電所に対する問題点というのは地域の人たちが実際に心配している。私のところに電話があるんです。先生、大丈夫でしょうねという電話がある。
  だから、そういう意味では、地方自治体の首長がしっかりやっていない、あるいは知事がきちんとそういうことを、安心せいということを言っていないということ以前の問題として、国が、前回も東海村でそういう事故があったこともこれありで、是非これらに対しての対応がその後どうなっているのかということをお聞きをしておきたい。警備上の問題はいいとしまして、その装備の面でいかがでしょうか。どうなっていますか、昨今。
○政府参考人(東尾正君) お答え申し上げます。
  原子力施設における災害につきましては、一次的には事業者が責任を持つとはいいながらも、先ほど御指摘のとおり、地域住民の安全のため消防隊員が出動しなければいけないということが多いわけでございます。
  御指摘の防護服などの防護資機材でございますけれども、これについては、その整備手法は、議員御案内のとおり、安全対策交付金で整備する防護資機材と、消防庁などが持っております補助金で整備する場合とございます。現在のところ、防護服につきましては、二十一の所在消防本部八千三百六十六服が整備されております。
  このように、かなり整備が進んでまいりましたが、私どもは、原子力立地地域の安全ということが今回の消防組織法の立法、提案趣旨にもそぐうということで、今後更に補助金の充実、また交付金による整備の促進を図ってまいりたい。このため、関係省庁と一体となってこの問題に対処してまいりたいと考えております。
○渡辺秀央君 全国の原子力立地市町村においての数からすると、今の数は極めて少ないね、それは。ですから、いわゆる経済産業省と、しかも原子力に関しては特別交付金というのが立地市町村あるいは立地、移出県、電力移出県、そういうところに特別交付金が行っているわけですからね。これは、悪いけれども、あなたたちの指導によってその用途に対してはやれるはずなんです、この金は。だから、これはもう早急に私はやっておくべきだなと。
  橋の一本架けるのと、その地域の人たちのこれからの精神的なそういう安全性を考えた場合とどっちが大事かといったら、はるかにそっちの方が大事ですよ。しかも前回指摘してあるわけですから、私はこのことは強く求めますよ。これはもう与党だの野党だの何だのということ関係なく、是非、総務省主導、あるいは消防庁主導でこの問題は、特に昨今のこともこれありで、おやりになっていくことが人心の安定、そして国民生活の安心につながっていく。何とぞよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
  遅まきの感のする法律改正ではあるが、賛意を表しながら、質問を終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。
  まず、法改正の問題に入る前に、消防職員の団結権について二点ばかりお伺いをしておきたいと思います。
  去る十一月に日本問題についてILO勧告が出されて、公務員の労働基本権については加盟国は労働基本権について例外は認められないのであって日本政府は現在の方針を根本的に改めるべきだと、こういうふうに指摘をされたわけですね。私も十二月にジュネーブへ行ってまいりまして、この中身をつぶさに聞いてもまいりました。
  特に、この消防職員については基礎的な団結権すら認められていない。その主な日本政府の側の根拠は、九六年に消防職員委員会を置いたからいいんじゃないか、こういうことなんだろうと思うんですが、これでも勧告は、その六百三十三項で、消防職員委員会は問題がある、肝心なことは団結権がないことであり、政府は法制度を変更せよと、こう言っているわけですね。ILOはどうも誤解をしているんだというふうに日本の政府の側は言っているわけですが、全く誤解なんてしていないわけで、日本の実情をよく調べているということなんですが。
  ここのところを余りやっていると時間がなくなってしまいますから、ちょっと聞いておきたいのは、八十七号条約批准国、私、昨日インターネットで取り寄せてみましたが、百四十一か国、八十七号条約を批准している国あるわけですね。その中で消防職員の団結権認めていないというのは幾つぐらいあると思っておられるのか、総務省の方にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(森清君) 一九九〇年にILO事務局が行った調査結果によりますと、ILO八十七号条約を批准している国では調査回答三十六か国中十五か国において消防職員に団結権を付与していないという報告がなされているところでございます。
○又市征治君 そんなこと聞いているんじゃないんですよ。
  昨日、そんな九〇年の話、今何年ですか。私、昨日インターネットで取り寄せてやっている。これはそんなところに私は問題があると思う。この間、ILO行ったときも、OECD加盟、八十七号条約を批准している国の中では日本だけだと、認めていないのは、こう言っているわけですよ、ILOの側は。九〇年の、それも調査をして回答が返ってきていないものまで含めて、そんなお話されているようでは話になりませんね。
  その話始めると、もう時間掛かりますから、問題、ちょっと消防職員委員会の問題についてやっていきたいと思うんですが、さっきも申し上げたように、この消防職員委員会は決して団結権の代償とはなり得ていない、こう指摘をされているわけで、あくまでも団結権への一里塚であると。つまり、八十七号条約の原則に沿った基本権を今度の改正で認めるべし、それが十一月の勧告でも言っているわけですね。
  この消防職員委員会は形だけはすべての消防本部にそろった。しかし、委員長は任命制でありますし、委員も半数が任命、あと半数が職員の推薦。階級制の厳しい消防組織にあって、これで給与、勤務条件その他の、勤務時間その他の勤務条件を労使対等の立場で交渉するなんということはできるわけがない。実態も半年に一回程度だとか、形式的に行われているだけであったり、事前に意見の調整がされて儀式だけになっている。実態は極めてお寒い状況であるということは皆さん方も承知だろうと思うんです。
  こういう回数、開催回数なんというのは具体的なことを何か公表できますか。多分無理でしょう、何か統計だけ取って、公表されているのがちょっとそんなものだけですから。だから問題だと、こう言って、ILOも組合ぐらい結成することはちゃんと付与せよと、こう言っているわけですよ。
  そこで、私は、そのことをもう少し離れて、昨年の九月の三十日に消防職員を代表するという、その意見を代表する立場で、自治労から、現場で率直な意見が言えるようになっていない、労使合同で検証作業をしてほしい、こういう要望があって、片山大臣は検証していきたいと、こういうふうに答えられた、こういうふうに文書になっていることも見させていただきました。長官も当然このことについては御承知のことだろうと思います。
  そこで、法改正から七年以上たったわけですから、少なくとも本当に機能しているのか、大臣が答えられた検証という言葉に値する徹底した調査が必要ではないかと、こう思うんです。その点については、消防庁長官、約束していただけますか。
○政府参考人(石井隆一君) 今、委員御指摘のように、消防職員委員会、これ平成八年に施行されました消防法の改正で行っておりますけれども、御承知のように全国すべての消防本部に設置しておりますし、その運営状況につきましては消防庁として毎年度、全消防本部を対象に運営状況調査というものを行っているところでございます。
  余り答弁が長くなってもいけませんが、調査結果で承知しております範囲でかいつまんで申しますと、全国の消防本部で、年間に約五千件、六年間で約三万五千件に及ぶ勤務条件等についての意見が審議されておりまして、この制度によりまして勤務条件の改善等が進められてきたところでありまして、おおむね法の趣旨に沿った円滑な運用がなされているんじゃないかというふうに考えております。
  具体的なことを承知していないんじゃないかというお話でしたが、一々申し上げても恐縮ですけれども、勤務条件に関するものとしますと、救急隊員の感染防止に関する予防接種の実施ですとか、仮眠室の個室化ですとか、いろんなこと、それから被服、装備品に関すること、様々な事柄が取り上げられて、それ相応の対応がなされているというふうに考えておる次第でございます。
○又市征治君 今、そういうお答えですが、例えば予防接種をしろとか、乾燥設備何とかしろとかというのは、こんなものはもう労働条件、勤務条件の以前の話なんですよね。これは当然のことなんで、そういう勤務条件の問題になっていない。それから、要望が出ても履行する義務がない。おたくのこの資料を見させていただいても、そういう意味では、実施することが適当であるけれども、審議された件数の中でも、実施することが適当であるというけれども、実施されたかどうかというのは全く分からない。
  こういうことなどあるんで、是非、先ほど申し上げた検証をしっかり是非、大臣もお約束いただいているわけですから、是非そういう意味で、検証作業をやっていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。
  そこで、法改正の問題について入りますが、基本的には私どもも、今度の法改正については賛成であります。
  ただ、幾つか懸念されたり疑念があったりする問題についてお伺いをしていきたいと思うんですが、一つは、ヘリコプターの運用の改善や大規模災害への対処などが盛り込まれておりまして、その限りでは、消防関係者及び国民の期待にこたえるものだというふうに思います。
  反面、この改正によって、消防の中央集権化が進むんではないかなという懸念も実は述べられていることも事実でありまして、例えば、自主防災組織への教育訓練ですけれども、国が財政支援するのはともかくとして、この内容まで画一化する必要があるかどうかという問題だとか、これはもう、あると思うんです。
  思い起こしますと、関東大震災の折にいわゆる不逞鮮人狩りという、こういう言葉が使われて、非常に残虐なテロリズムが横行して痛ましい犠牲者を出したというのは歴史の教訓ですけれども、その先頭に立ったのは当時の警防団だったわけですね。今でいえば自主防災組織と、こうなってくるのかもしれませんが。
  もちろん、時代状況が違いますから、そんなことはないと思いますが、教育訓練の場を利用して、この消防職員や民間の自主防災組織に国家統制的なやっぱり思想を注入するようなことがあってはならない、こう思うんです。ましてや、先ほども出ましたけれども、有事法制とか国民保護法制という名で、国民の権利を規制しようというそういう動きがある。こういう状況の中に、消防の、自治体消防の原則をやはりしっかり守っていただく、このことが大事なんだろうと思います。先ほど来からそういう御答弁、大臣も消防庁長官もなさっていますから、それでよろしいと思いますが。
  さて、その意味で一番危惧するのは、緊急援助消防隊を法制化をして、消防庁長官及び知事に指示の権限を与える、このことですが、現行制度で、有珠山噴火など四件の出動の例があるそうでありますけれども、自治体相互の自主的な協力で特段問題はなかった、こういうふうに聞いてはいるわけですが、現在ある要綱、自治体の要請による出動ではなぜ駄目なのか。とりわけ、国の指揮権が必要だというのはどういう場合なのか、具体的な例を挙げてもう少し説明いただき、こういう疑念に答えていただきたいと、こう思います。
○政府参考人(石井隆一君) 現在、全国で緊急消防援助隊、これ二千二十八部隊、約二万九千人の自治体消防の方が登録していただいておるわけでありますが、これは、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて、平成七年のたしか六月末でしたか作ったものでございます。
  その後、今お話に出ましたように、芸予地震でありますとか、鳥取県西部でありますとか、有珠山ですとか、いろんな機会に出動していただいておりますけれども、これはもちろん、その都度、緊急消防援助隊、先ほど来出ていますように、指揮支援の話でありますとか消火、救助、いろんな点で活躍していただいておりまして、これまでの出動で特に何か非常に不都合な点があったということではないと思います。
  もちろん、実際に遠隔地で活動しますので、通信ですとか装備資機材やなんかはもう少し充実したいとか、他の機関との情報連絡等ももっと重視しなきゃいかぬとか、そういった課題はございますけれども、特段何か問題があったということではないと思っております。
  しかし、私どもが今、今回、それじゃ何で改正をお願いしているかといいますと、御承知のように、かねて発生が懸念されています東海地震、これは本当にいつ起きてもおかしくないと言われているわけでありますし、また東南海・南海地震、あるいは南関東直下型地震等の発生も懸念されるわけでございます。
  これらの地震につきましては、もちろん発生の仕方にもよるわけですけれども、専門家が、ほとんどの方がおっしゃっているのは、あの阪神・淡路大震災に比べてもその数倍、エネルギーでいきますと数倍どころか数十倍の被害、大きさだと。また被害も、御承知のように、つい最近も東海地震について被害想定、更に精密なものが出ましたけれども、一番悪いケースですと九千人から一万人ぐらいの方が、建物の倒壊でありますとか火災でありますとか津波とか、いろんな、地滑りとかということで残念ながら亡くなるというような推定も出ておるわけでございます。かつその範囲も、東海地震、従来は静岡県の中心の地震というイメージが強いわけですけれども、愛知県でありますとか三重県でありますとか山梨とか、いろんなところがそれの影響を大きく受けるということがもうはっきり出ておるわけでございます。
  そうしますと、ここ数年来、今お話に出ましたような有珠山ですとか鳥取県西部等では何とか対応してまいりましたけれども、やはりこれだけ大規模な、幾つもの県にまたがるような大規模な災害ということになりますと、やはり、例えば発災した直後にできるだけ早く、例えば静岡のこの都市には東京消防庁のこの部隊が行ってほしい、愛知県のこの都市には大阪市消防本部のこの部隊が行ってほしいといったふうに、やはりできるだけ迅速的確に対応していかなきゃいかぬ。そのためにやはり法律をしっかり、長官に指揮権も与えていただいて、同時に、それは個々の自治体の立場じゃなくて全国的な観点から応援に行くわけですから必要な経費も国がしっかり負担をする。あるいは、あらかじめ大臣に計画を作っていただいて、その計画にのったものについては十分な補助もしていくというような仕組みを是非とも作らせていただきたい、こういう考え方で改正をお願いしている次第でございます。よろしくお願いを申し上げます。
○又市征治君 次に、性能規定の導入についてですが、これはどうも行政の市場原理導入の一環ではないかというふうに思われるわけですけれども、公共事業批判が高まる中で、小泉内閣が一連の都市再生プロジェクトを打ち出してまいりました。都市計画法であるとか建築基準法の緩和改悪も、今回のビル等の防火規制の緩和もそれではないのかの疑念が言われています。確かにビルの施工主や建設設備業者にとってコスト的に有利でしょうけれども、ただ、性能規定が実証されるのは究極的には火災が起こったとき、こういうことになるわけですね。
  消防の現場にとってはこのことはどういうこと、どうなるのか。全国消防長会が昨年十二月にこの問題で当面の意見と要望というものを出して、現行の仕様規定なら申請者及び審査機関、つまりビルの施工主側と市町村消防担当側ということになるんでしょうけれども、ともに適否の判断が比較的容易である、こう訴えているわけですが、ということは裏を返せば、現場職員は、多数の物件を短時間で見て回る中で、目に見えない性能規定で示されても本当にこれは合格なのか、安全なのかどうか判断できないということを表しているんではないかと思うんです。そして、この要望書では続けて、消防機関はこのビルなどの使用開始後においても、随時、防火対象物への立入りであるとか検査を行い、違反是正を行うことで防火安全性を確保してきた、現場における適否の判断を迅速に行わなきゃならぬと、こういうふうに言っているわけですね。
  このような現場の要望、性能規定に対する警告あるいは批判は今回の法改正にどのように取り入れられたのか、次長ですか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(東尾正君) 御指摘のとおり、仕様書規定はこれまで長い歴史を持っておりまして、その内容も紛れがなく適否の判定も明快かつ公平に行えることから、防火安全対象物の安全性確保には寄与してきたものと認識しております。このため、今回の法令改正におきましても、性能規定を導入するだけではなく、仕様書規定も従来どおり重要な消防設備等にかかわる技術上の基準として位置付けることとしておりまして、消防長会の意向に沿ったものとなっております。
  また、ただいま御指摘のように、性能規定の導入に当たりまして、その内容が難解であり消防本部が理解できないということになりますと、これは実施ができませんので、現行の基準と同等以上の安全面を確実に判断できるような平易で明快な基準を示す必要があると思います。このため、先ほど長官も申し上げましたが、ここ三年にわたりまして独立行政、独立行政法人消防研究所におきましてこの判断基準について研究を重ねてまいりまして、ようやくその客観的な判断基準が大体明らかになってまいりましたので、この際性能規定化の導入も図ろうというものでございます。
  さらに、これらの客観的な判断基準をクリアする、クリアする場合のほか、通常予想されないような特殊な建築物に伴う消防用設備もございますので、この場合でも、高度な識見を有する評価機関が公正かつ的確に防火安全性の評価を行うことができるような、いわゆる大臣認定の道を開くこととしておりますので、今後とも防火対象物の安全性の確保につきまして現在の水準を落とすことのないように努めてまいりたいと考えております。
○又市征治君 ありがとうございました。
  歌舞伎町火災から二年五か月が経過をいたしました。私も、当時二回質問させていただきましたが、あの直後の調査結果で九二%の小規模雑居ビルに違反があった、こういうふうに報告がされました。徐々に是正はされてきたというものの、この一月現在でまだ五六%が違反だと、こういう報告を聞いております。実際の改善は誠に遅々としたもの、大変消防庁として努力をされたんだろうと思うんですが、こういう状況にあります。
  あの後の法改正で立入権限の強化など幾らか前進面はもちろんあったわけですけれども、盛り場のテナントビルの実態に即して、そういう意味では本当に改正が的確であったかどうか、まだ不足していなかったか、こういう気持ちもしないわけではありません。こうした中での今回の規制緩和ということでありますので、そこらが懸念をされるということでもあります。これに対して、現場の消防職員からの批判的な要望書があるわけですから、この人命尊重とこの防火監視行政の強化の立場から、これらを真剣に受け止めて、やはり是非更にこの面の改善を図っていただきたい、このことを求めておきたいと思います。
  あわせて、私も当時、先ほどもちょっと出たんですが、消防力基準の充足率、消防職員の充足率、これはお粗末じゃないかということを申し上げて、その後、消防庁長官も大変御努力もいただいてやってはきていますけれども、当時を私思い返して、当面緊急地域雇用創出事業の活用ということもあるじゃないか、これでやっぱり調査を強化をすることがあるんじゃないのかということで、主張もさせていただきました。そういう人々を増やすということも努力をいただいて、十四年度で全国で千七百人ということなわけですけれども、どうもやっぱりまだまだ少ない。元々のやっぱり消防職員の充足率が、先ほどもあったように七十何%です。この両面から、大変大事だと思うんですけれども、ここら辺のこと、今後の展開、どのようになさっていくのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(石井隆一君) まず、小規模雑居ビル等の違反是正の状況ですけれども、お話に出ましたように十三年十月末現在で違反率が九二%でございましたが、昨年の六月末で約六四%まで何とか減少しまして、今年一月末で約五六%まで減ったということでございます。
  一定の成果が上がっていると思いますけれども、御指摘のようにまだまだ十分とは言えない状況でございまして、昨年お願いいたしまして法改正をしていただきまして、消防吏員による現場での措置命令でございますとか、あるいは措置命令等を発した場合の防火対象物、これのそういう違反建物についてはその前に標識を立てるといったような公示制度も作っていただいたわけでございますけれども、こういったものも活用しまして、全国の消防機関と連携しながらしっかり違反是正措置をやっていきたいと思っております。
  五六%といいますと、どうもやっぱりまだ高いという印象が強いと思いますけれども、都市によっては随分もう少し、二、三〇%ぐらいまでに下がったようなところもございます。やはり団体によって少し、地域によっていろんな事情があると思いますけれども、まだ差がございますので、特にこういう対象物件の多い大都市を中心に、消防庁さんなり、あるいは違反是正の責任者の方に集まっていただいて具体的にどうするかという、かなり突っ込んだ相談もいたしております。しっかり取り組んでまいりたいと思っております。
  また、お話に出ました緊急地域雇用創出特別基金の活用、これは委員の御提言もありまして、私どもも是非これを活用したいと考えておるわけでありますが、昨年は、お話が出ましたように、十四年度、約千七百人、この消防防災支援要員の雇用が計画されておるわけですけれども、今、その実績がどうであったとか、あるいは十五年度はどうかというのは、これは所管が中心は厚生労働省になっているものですから、現在集計中で具体的な数字、今手元にございませんけれども、団体によっては、更に十四年度以上に十五年度でもっと活用しようという計画をしているところもありますし、残念ながらちょっと実績が出ないものですからちょっと控えめなところもあるようですけれども、せっかくの制度でありますので、できるだけ活用してもらって、そして、こういった人たちの後方支援によって立入検査にもっと精が出せるようにしっかり努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○又市征治君 終わります。

○委員長(山崎力君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) この際、委員の異動について御報告いたします。
  本日、高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として羽田雄一郎君が選任されました。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
  消防組織法及び消防法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
  
  〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  この際、伊藤君から発言を求められておりますので、これを許します。伊藤基隆君。
○伊藤基隆君 私は、ただいま可決されました消防組織法及び消防法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
  案文を朗読いたします。
     消防組織法及び消防法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
   政府は、災害等からの国民の生命、身体及び財産の保護という消防目的を達成する観点から、左記の事項について措置すべきである。
  一、緊急消防援助隊の運用に当たっては、大規模災害等の発生時における人命救助活動等の重要性を踏まえ、市町村消防の原則を尊重しつつ、隊員の技術向上・部隊間の連携強化等が図られるよう、地方公共団体に対し助言及び支援を行うとともに、合同訓練の充実を図るほか、出動経費に対する国庫負担金の確保、資機材整備等のための国庫補助金の拡充強化など、国として万全の措置を講ずること。
  二、大規模災害等の発生時における消防の応援等に係る特例の運用に当たっては、被災地における被害状況の迅速かつ的確な把握のため、財政措置を充実し情報通信システムの整備を早期に進めるとともに、市町村の自主性を尊重しつつ、関係地方公共団体の長等との緊密な連携を図り、その意向を十分に踏まえ、適切な措置を講ずるよう、今後とも配意すること。
  三、大規模災害等の発生時において、消防団・自主防災組織等の果たす役割が重要であることにかんがみ、その活動の活性化、充実・強化が図られるよう、消防団員の処遇改善、拠点施設・資機材等の整備などに対する財政措置を充実し、一層の支援、環境整備等を推進すること。
  四、救急業務の実施に当たっては、救急医療体制の充実・強化を図り、人命の保護に遺憾なきよう万全を期するとともに、救急救助業務の実施体制を整備するため、財政措置を拡充すること。
  五、消防用設備等に係る技術基準等に関する政省令等を制定するに当たっては、防火安全性が十分確保されるよう努めること。また、消防用設備等の性能の審査については、消防機関が相応の知識と能力を備えることができるよう、一定の技術支援、学術的な教育等を行うための体制を構築すること。
    右決議する。
  以上でございます。
  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

○委員長(山崎力君) ただいま伊藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 全会一致と認めます。よって、伊藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  この際、片山総務大臣から発言を求められております。これを許します。
○国務大臣(片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。ありがとうございました。
○委員長(山崎力君) 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時三十五分散会