運営「日本郵政公社法改正案の審査・採決

(平成15年4月17日参議院総務委員会会議録より抜粋)


(前略)
○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
  まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
  日本郵政公社法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省郵政行政局長野村卓君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
  日本郵政公社法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本郵政公社総裁生田正治君、日本郵政公社副総裁團宏明君、日本郵政公社常務理事稲村公望君及び日本郵政公社理事伊藤高夫君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、日本郵政公社法の一部を改正する法律案を議題といたします。
  本案の趣旨説明は去る十五日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○世耕弘成君 自由民主党の世耕弘成でございます。
  去る四月一日に日本郵政公社が発足、スタートしたばかりでございます。今日は生田総裁には、本当にお忙しい時期にわざわざ参考人でお越しをいただきまして、本当にありがとうございました。
  さて、この公社化は、明治四年に郵便事業が始まって以来実に百三十二年ぶりの大改革となるわけでございます。私は、この郵政公社というのは、当然国民、消費者に向かって便利で多彩なサービスを提供していくということに加えて、全国的なネットワークを維持する、あるいは過疎地とかも含めた地域でのユニバーサルサービスを提供していくこと、そしてまた国民の生活の安心、安全のインフラとしての役割を担う、あるいは、特にこれは過疎地域などでは地域コミュニティーとしての機能も担ってもらわなければいけない、多種多様な役割があるのかなというふうに思っております。
  四月一日でいよいよ公社という形に本当に経営形態が変わったわけでございます。実は、私事になりますが、私も今から十五年ぐらい前に、電電公社という長く続いた事業体がNTTへと変わったのを正に現場で体験をしてまいりました。公社化と民営化というので大きな違いはありますけれども、組織が変わるというのを私自身も体験をしたわけでございます。
  そういう中で、やはり一番私の経験からいって大きかったなと思うのは、一つは職員の意識改革でございました。NTTでも電電公社時代はお客さんのことをお客さんと言わずに加入者なんというふうに呼んでいたんですけれども、それをちゃんとお客さんと言おうとか、ちゃんと建物に入ってきた人にはいらっしゃいませと言おうとか、そういう職員の意識改革から入っていったわけでございまして、今回の郵政公社もこういう意識改革、職員の意識改革というのが非常に重要なのかなというふうに思っています。
  そしてまた、それに加えて、職員の意識改革を行わせるためには、やはりトップの明確な経営ビジョンというのが必要だと思います。またNTTのことについて申し上げますと、NTTは、やはり当時、真藤恒社長という、この間お亡くなりになりましたけれども、強烈な個性と非常に明確な経営哲学を持った経営者がいて、その人の号令の下で変わっていったということがあったわけでございます。
  そこで質問なんですけれども、今回、総裁は職員の意識改革をどういう形でお進めになっていこうとされているのか、またそれを引っ張っていく総裁御自身の経営ビジョンというのはどういうものなのかについて、まずお伺いをしたいと思います。
○参考人(生田正治君) まず、四月一日に皆様の大変な御貢献によりまして公社が無事スタートしたことにお礼を申し上げたいと思います。また、今日はこういう機会をいただきまして感謝しております。
  今のお話にお答えいたしますが、公社法の定めるところのユニバーサルサービスの維持、これは国会の御意思でもありますけれども、これはもう当然の前提といたしまして、その前提の下で、これも公社法のいうところの総合的で自律的、弾力的、それで独立採算制が成り立つような経営をしろというのを、この公社の趣旨といいますか使命とまず考えておりますが、先生御指摘のとおり、経営するのにはビジョンというものをはっきり出す、経営戦略をはっきり出す、計画も出す、これは要諦でございますので、まずビジョンを去年の秋から、まだ入っていなかったんですが、三つ明確に示しております。
  その第一の要諦は、まず、常に常に全国のお客様の視点で、あえて、お客志向になるために、私、国民という言い方は何か非常におこがましく聞こえるので使わないことにしているんですが、全国のお客様の視点で、お客様の視点でより良い、より質の高い魅力的なサービスを提供申し上げて、お客様から評価していただくというのをまずビジョンの第一にしようと。
  それから第二に、ユニバーサルサービスはもちろん維持していくんですが、それは二律背反するものとは必ずしも考えられない。それは維持しながら、創意工夫によりまして三つの事業、その三つの事業各々を事業本部として独立させまして、一つ一つを健全化する。残念ながら今、郵便の方はかなりの大幅な赤字体質にあります。それもきちんと独立で採算に乗せるようにするということで、まとめてこの四年間で公社全体を健全にしていこう。
  三番目のビジョンは、そういう二つのことを通じて、働いている職員、やはり人間、人が一番大切であります、働いている職員が将来展望をきちんと持てて働きがいがある、伸び伸びと働ける公社を作ろうと。
  この三つを掲げまして努力をしておりまして、それに基づいての経営戦略、時間を取りますから経営戦略は申し上げませんが、経営戦略をきちっと示し、それで経営計画も五月末までには示すと、これは数値目標も出ますということでやっております。
  御指摘のように、意識と文化の改革というのがその大前提になります。これは、去年の秋から四度、五度にわたります私との、職員とのEメールの交換による意見の交換等を通じてやってきました。もう今物すごく変わっていると思います。数日前に支社長会議をやりましたが、もう議題の第一は、お客様の視点に立ってまずこの二週間で何が変わったかというのを全員から報告してもらうというふうなことで、大きく変わってきておりますので、このままいけば相当いい改革ができるだろうと、こう思っております。
○世耕弘成君 やはり、Eメールを使ってコミュニケーションをされて職員の意識改革を進めていかれるなんていうところは、やっぱり民間での御経験、非常にそういうところを生かしていただいて、これから期待していきたいと思っております。
  次に、今回公社化されたとはいえ、全国の郵便局というのはこれはもうあくまでも国民の財産そのものであります。これを国民のためにどういうふうに活用していくか、これが非常に公社としては重要な役割になっていると思います。さらに、公社になったときに、なったからどういうふうに変わったのか、どういうふうに新しいサービスが出てきたのか。新しい、何かこう国民がわくわくするような、お客様がわくわくするような、そういうものが出てきた、便利になったな、親切になったな、何かそういう変化が出てきてこそ初めて、国民が公社化をしたことの意味が理解できるのかなというふうに思っております。
  そこで、もう一度総裁にお伺いをしたいんですが、郵便局のネットワークを活用した新たな業務、どういうものをお考えなのか、お考えをお伺いしたいと思います。
○参考人(生田正治君) どうも作法を知りませんので、お許しください。
  公社へ入ってくる前といいますか、内定いただくまでは郵便局の数も数えたことなかったんですけれども、二万四千を超えるということを知りまして大変実は初め驚きました。それで、皆さんからの意見を聴くと、それが非常にマイナスの響きでお話しされる方が多くて、負担が大変、コストが大変と伺うんですが、私は逆発想で今臨んでおります。これは全国、正に日本列島あまねくまたがったサービスネットワークを持っておるわけですから、これは活用の仕方によっては大変な力を出すと思います。したがって、認識としては、潜在的な大変な力を持った営業資産であるという立場に立って、それをどう生かしたらいいのか、こういう発想をしてみようよということで、今みんなで考えております。
  具体的には、二、三申し上げれば、一つは地方改革が進みますよね、二〇〇五年三月末にかけまして。そういった中で相当地方の合併等が進むはずだと。そうすると、地域住民の視点に立って利便性を維持を、維持するということになれば、これは郵政公社の仕事じゃないですけれども、地方自治体あるいは国家の視点からそれをどうやって守るのかというふうな問題が出てくると思います。そこで、そういうものにお役に立つことがあるのであれば、なおかつ我々ができるなら何をお引き受けしたらいいのかというふうなことで郵便局が役立っていくだろうと。
  二番目に、そういう行政的なワンストップサービス的なところを超えて、地域社会に民業をそれこそ圧迫しないような範囲で何かお役に立つような仕事ができれば、それも含めたワンストップサービスができるかも分からない。さらに、余剰のスペースがあって、私もあちこち回ってみるとかなり空きっ放しのところもありますね。そういったところは民業に貸すというようなやり方もあるのかなと、かように考えております。
○世耕弘成君 是非この郵便局のネットワークを使った業務を期待したいと思います。
  特に、これからインターネット、ブロードバンドがどんどん進んでいく中で、過疎地におけるデジタルデバイドなんというのは深刻な問題になっています。残念ながら、もうNTTはそういう窓口の拠点、全部閉めてしまいましたので、是非郵便局のネットワークを使って、そういうブロードバンドの知識の啓発とか普及というのも是非やっていただきたいなと、そのことを期待しているということを申し上げておきたいと思います。
  さて、次に、郵便事業とは言っても、公社化として華々しくスタートしたとは言っても、平成十四年度ベースで考えると、郵便事業は三百七十九億円の赤字が出ているわけでございます。この赤字も、じゃ、今後縮小していく見込みがあるのかというと、なかなか私は公社の経営環境というのは厳しいと思っています。信書便事業とか、あるいはメール便といったようなところへどんどんどんどん新規参入が始まっていく。そしてまた、インターネットがこれから普及がどんどんどんどん進んでいく中で、今まで信書を出していたような人がどんどんメールに切り替えていく。もう年賀状なんかも電子メールでやってしまおうという風潮、これ特に若い世代には非常に多くなっております。
  あるいは、さらに、私も去年インドなんかに視察に行って、インドで起こっていたことですけれども、ダイレクトメールのようなものを、もう印刷から郵送まで全部アメリカの分をインドが引き受けて、インドから発送してしまうというような、そういう一種、空洞化ですね、郵便事業の空洞化のようなことも起こってくる可能性もあるわけなんですけれども、そういう中で、郵政公社としてこの郵便事業、どのように経営をしていこうとされているのかについて総裁からお伺いをしたいと思います。
○参考人(生田正治君) ただいま御指摘のとおり、大変厳しいの一語に尽きると思います。二重に苦しいのは、一つは、今おっしゃったITの進化でトータルが減ってきているということに加えて、今でも赤字体質であるということなので、今、百億黒なのを二百億黒にするというのは割合容易なんですけれども、赤字体質を黒にするというのは大変な努力を要します。
  ただし、これは収益の拡大、全体は減少傾向ですが、何とか収益を伸ばす、他方は費用を抑えるという二つの単純な普通のやり方でやっていくと。収益を伸ばす方は営業力を高める。例えば、メニューの多様化をする、サービスのクオリティーを上げるというようなことができます。最近のEXPACKの発売とか、あるいは翌日配達のエアリアを拡大するなんというのはそういうことになります。それから、コストを下げる方は生産性のアップということで、今、越谷でいろんな郵便の生産性アップの勉強をしておりますけれども、トヨタさんの協力も得まして、そういったことで費用を下げる、両面。それに加えて、いわゆる営業力を高める。余り今まで本当の意味の営業力、力を入れているとはちょっと言い難い面もあるので、大口を中心に営業力を高めるということで何とか黒字転換を果たすと、こういう覚悟でやっております。
○世耕弘成君 なかなか郵便自体のパイを広げるというのは非常に難しいかも分かりませんけれども、是非その辺はいろんな知恵を出していただいて、新たな魅力ある郵便事業というのを進めていただいて、その中から少しでもパイを広げる御努力をいただきたいと思います。
  また、今おっしゃったように、トヨタから高橋副総裁がお越しになっておりますし、昨日もテレビなんかではトヨタ七人衆なんという話もニュースでは出ておりましたけれども、あの会社はもちろん日本で一番コストをどう抑えるかというノウハウに富んだ会社でございますので、是非その辺の知恵をうまく吸収していただいて、郵便事業がしっかり成り立つように御努力をいただきたいと思います。
  さて、もう一つ、郵貯事業、簡保事業でございますけれども、これ郵貯、簡保というのは、実は郵貯で二百三十五兆円、簡保で百二十三兆円、合計三百五十八兆円という非常に大きな運用資金を郵政公社が持っているということになるわけでございます。私は、とてもこの三百五十八兆円、いきなり全部運用されるわけではありませんけれども、三百五十八兆円というのはほとんど人間の能力の域を超えた運用規模ではないかなという気もしないではないんですけれども、非常に大きな運用をやられることになります。
  しかも、この運用資金というのは、基本的には国民からお預かりをした非常に大切なとらの子のお金だということ、これを絶対に忘れてはいけない。しかも、そういうものをリスクのあるところへかけてみたり、そういうことはこの特に先行きが不透明な時代であるからこそできない。非常に安定的に運用をしていってもらわなきゃいけないということですし、国民自身も預けたお金がどのようになるのかということについては非常に関心を持っているんじゃないかなというふうに思います。
  そしてまた、今回、この公社法の改正というのは、現実的にはコール市場に対するお金の出し手に郵政公社がなることができるという意味での私は改正だと思っておりますけれども、コール市場というのは御存じのように無担保でございまして、例えば古くは、古くでもありませんけれども、三洋証券が破綻したときなんかは、ここに、三洋証券にコール市場を通じて貸していた金融機関なんというのは、これは当然無担保ですからもう全部お金はなくなってしまったわけでございますね。あるいはこれはもう本当に日々取引をされていますから、どの金融機関が危ないのかなんという情報もかなり生き馬の目を抜くような状態で嗅覚を鋭くしておかないと、うっかり郵政公社だけがお金を出しちゃって、そのお金が焦げ付いてしまった、無担保でもう全く一銭も返ってこないというような状況が想定される非常に危険な市場でもあるわけでございまして、これだけの膨大な資金を持っている、しかも、今度、コール市場という非常に鮮度の高い市場に出ていかれる。
  そういう中で、郵政公社としてそういうものに対応できるような人材というのをどのようにして確保をしていかれるのか。あるいは人材だけではなくて、公社としてこういう市場に出ていくに当たってどのような体制を組んでいくことを考えておられるのかを最後に総裁にお伺いをしたいと思います。
○参考人(生田正治君) 先生おっしゃるとおり、正に額の大きさにびっくりするといいますか、重大なる責任を感じます。今おっしゃったように、入口は、だけど非常に小口の個人のとらの子のお金なんですね。まとめて見ると巨額であると。これをよく覚えておく必要があると思うんです。やっぱりとらの子のお金、個人にとって、これは徹底的に安全を守ってさしあげるのが私の最大の責務だと思っております。
  したがいまして、市場のドアの動きには余り左右されずに、極力安定優先で、バイ・アンド・ホールドと一般に言っておりますが、国債や地方債を中心とした、利益は多少少なくても安全を期するというのを主体に今後も安全運用をしていくという大原則で臨むということでございます。
  それから、人材の面は御指摘のとおり物すごく重要であります。ただし、今運用している部門がもちろんあるんですけれども、民間が何兆というお金を動かすときのファンドマネジャーの数から見たら全く比較にならないぐらい少ないですし、経験も、国債を中心とした債券しかやっていませんから経験も薄い。したがって、大至急いろいろ、今までも現にやっていますが、苦労して人材育成をやっておりまして、アナリストの資格を取った者も既に二十三人おりますし、そういった数をどんどん増やしていく。それから、場合によったら専門家を外部から採用してくるというようなことも含めまして、人材の補強を至急にやっていきたいと思っております。
  いずれにしても、リスクを冒すようなコールのような考えは全くございません。
○世耕弘成君 やはり国民の大切なお金を守るためには、やっぱり人が最後、石垣になって守らなきゃいけないと思いますので、是非とも人材育成、いろんな方法で取り組んでいただければいいと思うんです。外資へ出向させるとか、いろいろな形で人材育成に熱心に取り組んでいただくことをお願いを申し上げまして、私の質問、ちょっと早いですが、終わらせていただきます。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
  日本郵政公社法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、総務大臣並びに郵政公社総裁に御質問申し上げたいと存じます。
  まず、最初に大臣にお伺いしたいと思うんですが、今回の法改正の内容は、公社法の第四十一条に二つ追加するということでございますけれども、このようなポイントは既に昨年の七月時点で想定されたことであったんではないかと思うわけでございます。何ゆえ法制定時に盛り込まれなかったのか、こういうことについて御見解をお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 言われるとおりなんですよね。事務方も気が付いておったんですが、ここまで検討が進まなかったんですね、万般が忙しかったもので。私も言ったんですよ、このくらいのこと、入れておけば本当に先生方にこれだけ時間を割いていただかなくてもと、こういうことなんですが、大変忙しかったということと、これをやってもいいのかなというやっぱり慎重なあれですね、公社スタートのときに。
  だけれども、実際検討してみると要るんですよ、今回の改正点は。
  そこで、慎重であったんですが、今回は生田総裁の下でこういう改正をして資金運用の幅を広げようと、多様化をしようと。それがいろんな意味で効率化にもつながりますしね。国民の皆さんからお預かりした金ですから。そういう意味で今回の改正をお願いいたした次第でございまして、よろしく御理解のほどをお願いいたします。
○辻泰弘君 昨年七月の準備預金制度に関する法律の改正、公社法との連動だったと思いますけれども、その改正の中で、郵政公社は政令指定があれば準備預金制度の対象となり得るということになったわけでございますけれども、現在のところは政令指定はないわけでございます。しかし、政令指定されていないにもかかわらず、ある意味であえて日銀と契約をされて準備預金に相当する掛金を積むということにされたわけですけれども、このことの理由を御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(野村卓君) もう先生御案内のように、準備預金制度を改正いたしまして公社も政令指定できるような体制になったわけでございますけれども、今回、政令指定しなかったわけといたしましては、公社につきましては公社の資金運用面において一定の制約が課されていると、そういったことを総合的に勘案いたしまして政令指定しなかったということでございます。
  一方、公社につきましては今回、今までは国の預託金口座に入ったわけでございますけれども、今回、日銀の当座預金口座を使うことになりました。その関係上、日銀が現在当座預金口座を使いまして金融調整をやってございます。そういったことでございますので、当座預金口座を入りましたという関係上、公社が保有する日銀当座預金口座につきましても一定額以上の預け金を保有させるという形で金融調節に協力しようと、そういう趣旨でございます。
○辻泰弘君 今、御説明あったような経緯になっているわけですけれども、ここで公社の方にお伺いしたいと思うんですけれども、今のような中で日銀が金融調節の指標とする当座預金の残高の対象に郵政公社が入ったと。今の御説明のとおりですけれども、このことによって郵政公社は日銀の量的金融政策の枠組みの中にあると理解していいのかどうか、公社の御見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(團宏明君) お答えいたします。
  今、御説明ありましたように、公社以前は国の機関でございますので自動的に政府預金口座しか保有できないということでございましたが、四月一日から、今お話のありましたような趣旨で日銀に当座預金口座を開設したところでございます。そこで、これは全体的な日銀の金融調節のスキームに入りますので、事前に十分協議をいたしまして、現在のところも日銀の当座預金残高の見込み値を事前に提供するとか、それから当座預金の残高が安定的になるように配意するというようなことをコミュニケーションを図りながら協力しているというところでございます。さらに、いろんな協議をしながら全体的な調整に協力してまいりたいというふうに考えております。
○辻泰弘君 こだわるわけじゃないんですけれども、ある意味では、大きい意味ではその中に入っていると、こういう理解でいいですか。
○参考人(團宏明君) 委員御指摘のとおりでございます。
○辻泰弘君 一つそれに関連して確認しておきたいんですけれども、日銀が行うオペレーションの場合、対象機関が決まっているわけですけれども、公社は、けたは大きいわけですが、そのオペレーション対象機関に手を挙げるという意思はありますでしょうか。
○参考人(團宏明君) ただいま申しましたように、全体的な金融調節には公社の立場からも協力していくということでございます。
  今、御指摘のオペレーション、いわゆる公開市場操作のオペレーションの関係でございますけれども、日銀は、この当座預金残高をターゲットとしまして、主として買いオペという格好でのオペレーションをやっております。そこで、これにつきましては、現在、希望するものが参加するという形になっておりまして、それに参加するかどうかということの御質問だと思います。
  今、多少性格が違いますのは、現在の量的緩和の政策の下でございますので、主として日銀のオペレーションは市中に資金を供給するというオペレーションでございます。一方、現在の公社の資金状況からしますと、むしろ資金の出し手となっておりまして、出入りがマッチしないということもございます。したがって、そういう現時点での必然性がないということで参加していないわけでございますけれども、これは元々参加すべきじゃないという考え方を持っているわけではございません。
  したがいまして、今後の金融情勢にもよりますし、それからいろんな準備、準備もございますけれども、いろんな状況を検討しながら、また日銀ともコミュニケーションを図りながら、この参加に当たってもいろんなことを考慮してまいりたいというふうに考えております。
○辻泰弘君 郵貯のいわゆる預入限度額、預け入れ限度額のことについてちょっとお聞きしたいと思うんです。
  そもそも明治の初年に貯蓄奨励から出発した郵便貯金だと思うし、私自身、それは価値も私なりに評価しているわけでございますけれども、ただやはり基本の精神は庶民の貯蓄奨励といいますか、先ほど総裁のお言葉にとらの子のお金を安全にというお話がございました、そういう精神、私も思いますけれども、ただ、それが昭和六十三年まではかつてのマル優、特別マル優、いわゆる少額貯蓄非課税制度、少額公債非課税制度と同列、三百、三百、三百という時代がございました。そういう意味からいうと、そのころはやはり三百が少額だという位置付けだったと思うわけでございます。
  ただ、それが一九八八年に五百万に上げられて、一年八か月たって七百万に上げられて、一年十一か月たって一千万になっているということで、実はこの三年八か月の間に三百万から一千万に上がったということになるわけでございます。
  このことは、私はやはり、民業圧迫という議論があるわけですけれども、私は公社の公といいますか、公の性格として、あるいはかつては国だったわけですけれども、やはり庶民の貯蓄を安全に守るということは公的使命としてあり得ると思うんですけれども、それが余りに大きくなるとやはりその使命を逸脱してしまっているんじゃないかというふうに思うわけでございます。
  率直に言いまして、私自身の考え方は、今で言ったら五百万ぐらいかなというふうにも思うわけです。それが一千万になっていることがやはり今後とも続くと、このことはやはり民業圧迫の議論をずっとその後も引きずることがあるのじゃないかと私は思うわけです。あるいは、逆に言えば、それがゆえに分割しなさいとかいうことになってくるんじゃ、イコールフッティングしなさいということになるんじゃないかと、こういうふうに思うわけですね。
  その点で、まず大臣に、経緯は政治的なところから来ているわけですから大臣に、まず一千万になっていることについてどのように見ておられるか。まあ多過ぎないかということですね。
○国務大臣(片山虎之助君) これは、例の総理直属の郵政事業懇談会でも大変な議論になりまして、そこで私は言ったんですよ。郵便貯金というのは、これは国民のというか庶民のセーフティーネットだと、ですよ、は絶対大丈夫だと、こういう預け入れ先がどこかで要るんだと、ユニバーサルサービスということを我々よく言いますけれども、そういうことを申し上げたんですよ。
  今の状況なら、やっぱりこれから後の生活保障というのを考えると、やっぱり貯金の目標額も一千万以上ですよ、みんな、お年寄りを含めて。そういうことからいって、私は、ぱぱっとなるほど一千万になったという、辻委員が言われるのはそのとおりなんだけれども、よくぞその間に一千万にしてくれたと。後は止まっているんですから。本当は、定額貯金の満期になってだあっと流出するときは、今まではこの預け入れ限度額上げていったんですよ。それをもうやめているわけですね。
  一千万が丸い数字だし、それから預金保険機構のペイオフの関係でも一千万だし、私はこの辺が適当じゃないかと、こういうふうに思いますし、現に定額貯金がこの二、三年で二百六十兆ぐらいあったのが、六十兆超えておるものが今二百四十兆を切って二百三十兆になって、事務方の推計だと二百兆になるというんですね、間もなく。
  そういうことからいいますと、シェアも二割を切ってきますし、私はやっぱりこういうセーフティーネットがあることが、元々金融の資金の流れを阻害しているという意見があるんだけれども、郵便貯金に来るような金はリスクを嫌う金なんですよ。リスクを取らないからけしからぬと。リスクを取らない金があってもいいんですよ、大きな金融市場の中では。
  そういう意味で、私は一千万が適当だと。辻委員とかなり意見が合うんですけれども、この点はちょっと五百万じゃいかがかなと、こういうふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○辻泰弘君 総裁も。
○委員長(山崎力君) 総裁ですか。
○辻泰弘君 ええ、総裁にお願いします。
○参考人(生田正治君) 今もう片山大臣が非常にクリアに御答弁になったので加えることは余りないんですが、私もこういう立場になったときに、なぜ一千万かなというのは自分で随分疑問に思いまして自問自答してみました。今の感覚は、今、大臣おっしゃったのにほとんど同じなんですが、簡易で確実な貯蓄手段というふうに考えたときにどの辺かなという、これはもう科学的に証明し得る額というのはないですけれども、感覚的に言えばやっぱり一千万というのは妥当性があるのかなという感じがしますのと、老後の生活などを考えた、何といいますか金銭感覚、そういったものも考えると、民間の金融機関とのバランスも含めて一千万ぐらいがいい。特に、今みたいに民間金融機関やなんか、生命保険なんかが二十一世紀型の経営モデルを求めて非常に御苦労していらっしゃるときに、全国の皆様に額は小さいけれども安心を持っていただくという意味で妥当な線だろうというふうに考えております。
○辻泰弘君 大臣はどうも目標を、目標をカバーするというふうにおっしゃったわけですけれども、ある意味では、その目標を郵貯ですべてカバーしなきゃいかぬのかということはあるかと思うんですね。
  ただ、このこと自体を議論するわけじゃありませんけれども、そのことについては、やはり一千万ということを軽々に上げていくということはないようにするということが、やはり民業圧迫という議論にもやはりつながると思いますので、その点を申し上げておきたいと思います。
  そこで、根本の問題をお聞きしたいと思うんです。
  総裁にお伺いしたいと思うんですけれども、総理がかねてから公社は民営化の準備期間だと、公社が民営化の一里塚だとおっしゃっていたわけですけれども、この件に関連して、先般、発足の日でしたか、総裁としては将来の民営化は全く考えていないということが報ぜられたわけですけれども、この点について簡潔に御見解をお示しいただきたいと思います。
○参考人(生田正治君) 総理の御意見も含めいろんな御意見があるのはメディアで承知しております。
  ただ、私は今、公社の中に入った経営の当事者でございますし、今、公社はまだスタートして二週間。我々の使命というものは、もうどうやって立派な健全ないい公社を作るかと、それで全国の皆さんにも喜んでいただけるようにするかということで目一杯でございまして、頭の全面積がそういういい公社作りに使われているということでございます。それがまた私どもの使命だと思っております。
  また、将来どうするかというのは、中の人間が考えることではなくて、政治レベルその他、各界の国民的な論議を深めて、必要があればお考えいただくことだろうと、こう認識しております。
○辻泰弘君 公社は法律に基づきまして法人課税が非課税であると、それからまた固定資産税二分の一とされているという、公社の正に公的性格を持っているがゆえにそういうふうになっているわけですけれども、やはりそうである限り、先ほど申し上げました民業圧迫という部分はやはり慎むべしというふうな精神でやっていっていただくことが必要だと思うわけですが。
  これに関しまして総裁は、四月三日でございましたか、衆議院の委員会の方でも参考人で出席をされておりまして、その中で、何が民業圧迫かという定義がない、ただ、書いていなくてもきちっとわきまえてやっていくんだと、こういうふうにおっしゃっているわけです。そのことを、繰り返しになるかもしれませんけれども、総裁として、民業圧迫、それで、先般、民業圧迫をする、否定をされたという報道もあったと思うんですけれども、いずれにいたしましても、民業圧迫をしないようにどういう一線を引いていくのかと、このことについて教えていただきたいと思います。
○参考人(生田正治君) 今おっしゃったように、民業圧迫のきちんとした定義ないしは法的な要件というのはないわけで、これは常識と良識で判断していくべきものだろうと私は認識しております。
  歴史的には、かなり郵貯も簡保も、民業、官業すみ分けといいますか、役割分担していたわけですね。民業の方は資本の論理ですから、大口で法人がよくて集中型がいいから都市型が多いと。その積み残した小口で個人で散らばっているから地方、こういったものを中心に郵政事業はカバーしてきたと。こういうかなりすみ分けがあったことは事実でありますし、その形は今も基本的には残っておりますね。例えば、生命保険だけ例に取りますと、過疎地における店舗の数というのは、全体を一〇〇にすると、全生命保険会社の機関を合わせて一〇%弱でして、郵便の方が九〇%強あるというようなことで今も残っているので、かなりのすみ分けは進んでおると思います。
  したがいまして、今後とも、預け入れ限度がちゃんと決まっているからいいじゃないかとかいろんな御意見ありますけれども、経営サイドとしては、良識と、経営者の良識と常識を持ちまして不当な圧迫にならないように十分注意していきたいと。
  ただし、その場合、忘れてならないのは、やっぱり地域社会にいらっしゃるお客様の皆様方の立場、利便性、こういうものを忘れて官だ民だという議論は私は余りよくないんじゃないかと思うので、必ずそこに住んでいらっしゃる皆様方の利便性、生活のインフラがきちっと守られている前提でこの問題は今後とも考えていきたいと、かように思っております。
○辻泰弘君 定義がないというのは正にそうなんですけれども、しかし私は、ある意味では、公社法というのができて、そういう中で業務が決まっているということであるならば、やはり私は、公社法の十九条でしたですか、その業務が決まっておりますけれども、その範囲を基本としてまず守るという、そこから出発する、そのこと、それを超えることについてはやはり民業圧迫になるかもしれないというふうに思って掛かるべきだと、そのスタンス、基本的に、スタンスであるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか、総裁。
○参考人(生田正治君) おっしゃるとおりだと思います。
  公社法その他関連法規は十分認識した上で、そのフレームワークの中でやるということに加えて、経営者の良識と常識で社会通念に照らして不当なる圧迫にならないように十分注意してやっていくことは当然だと認識しております。
○辻泰弘君 今日の新聞報道でも、昨日、総裁が投資、投資信託の販売意欲という、会見でおっしゃったというのがございました。あるいは、総理にそういうこともあるよとおっしゃったというような流れだったと思うんですけれども、そのことに関連するんですが、このこと自体はその業務の対象に多分なっていないんだろうと思うんですね。すなわち、法改正が必要だと思うわけでございます。そうすると、そのことをおっしゃっている意味は、その法改正を経た上でやることができるよということをおっしゃっているということになるんでしょうか。
○参考人(生田正治君) それは、実は昨日の記者会見以前から、あちこちから郵貯、簡保のお金で株式の買い出動したらどうかというのが、いろいろお話が出てまいるものですから、私の回答として、なるほど持っている額は大きいけれども、巨額だけれども、元をたどれば個人の、全国のお客様のとらの子の小口の大変貴重なお金の中からやはり余りリスクを踏んだことはできないと、したがって、そういうところに、市場に出ていくというのは難しいと思うと。
  何かできないのかという質問に対して、例えばと。法律改正を必要とするけれども、間接的に、例えば投資信託みたいなものをよそから、ほかの民業が売っているやつを委託、受けまして、小口にできれば新しい商品を開発していただいて郵便局を通じて売ると。それで、そのお金がお客様の御自身の少額のリスクで市場に出ていくというふうなお手伝いはできるかも分かりませんねと。
  ただし、これはまだ公社で議論もしていないし、法律的にはできないということは認識しているので、勉強を始めた、そういう考え方もあるということを申し述べているんだということを話したのが新聞にちらほら出ているわけなんです。
  考え方としては、私は正にそのとおり考えております。そういうことで市場にお金が流れるお役に立つことがもしできればいいなと、もし必要になればまた先生方の国会のいろんな御配慮もいただければ有り難いと考えております。
○辻泰弘君 元々の議論は株価対策的なところから出発して郵貯の運用を株に運用するということは、それはできない、それはリスクがあるからできないから、しからば郵便局に来る人のリスクでもって買ってもらうということにお役に立つかもしれないよと、こういう話だろうと思うんですね。それ自体は分からなくはないんですけれども、しかし、それも実は法改正を経て業務拡大あるいは業容拡大ということになるわけですね。
  ですから、昨年、法律ができて、今回、改正案もして、また改正するということで、何かその場その場でどんどんこの業容、業務拡大、業容拡大というか、そういうことをしていくというのは、ちょっと私は、発足に当たってもう少しやはり最初の部分というのは、もちろん不合理であれば直せばいいし、時代の流れに的確に対応することは必要だと思うんですが、何かその辺どうも、やはりしっかりと基本を踏まえてやっていくということは大事だと思うんです。
  もちろん、これが必要であればやられたらいいと思いますけれども、その辺がちょっと便宜的な気がいたしましてですね。ですから、やはり基本で決めた、公社法で決めた、それでコールのやつが今度入るわけですけれども、やはり根本の業務のところを、枠があるわけですから、それは税法上、税法上も非課税あるいは二分の一ということで優遇されているというのは公社的な公と、公たる性格があるからそうなっているわけですから、安易にその業務を拡大するということは、それはやっぱり正に民業圧迫につながると思うんですね。
  でも、もしそれをやるというのなら、またその優遇をなくせばいいわけです。それはそれでいい、議論として成り立つんだと思うんですけれども、やはり公社としての枠があるというか、それが公的に必要だからそういうふうにしているわけですから、そういう意味合いにおいては、軽々に法改正をして拡大していくということはちょっと私は慎むべきではないかと、このこと自体悪いと言っているんじゃないけれども、その点はいかがですか。
○参考人(生田正治君) 実は業容を、公社の立場で公社のエゴで業容を拡大するためにという発想は全くないんです。ただ、何とか市場を助けろといういろんな御意見を各界から聞くものですから、何か考えろと言われれば、そういう方法はありますねということを申し上げたわけで、これは法律上の問題があることは当然知っております。
  これは、別に法律を今すぐ変えていただきたいとか、そんな差し迫ったつもりで申し上げているわけじゃないし、法律上の問題に加えて、これがまた民業の関係でどうなのかという関連している業界の御意見も聞かなきゃならないから、そんなに簡単な問題じゃないと認識しております。
  したがって、常に表現としては、そういう考えも成り立つので、勉強してみたいというふうに申し上げておるので、勉強はさせていただいてもいいんじゃないのかな、先生にもお許しいただけるんじゃないかなと、こう思っているんですが、いかがでしょうか。
○辻泰弘君 公社の公的たる性格をやはり十分御認識していただいていることと存じますけれども、より一層認識していただいて、ある意味では株価対策的なものに公社がお付き合いをすることないんじゃないかということだろうと思うんですね。余り、リップサービスと言うと悪いですけれども、それが法改正を伴うようなことであるならば、そういうことは言及されなくていいんじゃないかということを申し上げておきたいと思うんです。
  さて次に、もう一つ聞いておきたいんですけれども、最近出た郵政のもので、郵便局の余裕スペースの試行的貸付けの開始についてということで、先ほど総裁が三番目におっしゃったやつだろうと思いますね。郵便局の空いているスペースにコンビニを入れるとか花屋さんを入れるとか、こういうことなわけでございます。郵便局の空きスペースをコンビニ、花屋さんなどに貸し出して併設の形で事業を行うと、こういう方針をこの間出されたわけですけれども、これも公社法の十九条に定められた業務に入っていないと思うんですね。これ、入っていないと私は理解しておるんですけれども。あるいは四十七条の貸付けの項目があるんですけれども、それだったら総務大臣の認可が要るんですけれども、認可は多分されていないと思うんです。この業務自体悪いというわけではないんですけれども、何かやっぱり元々の業務から超えてしまっているんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○参考人(生田正治君) 法律の枠を超えてやる気はありませんで、超えたやつは今のところも出ていないと思います。業として何か不動産的なことをやるとかそういうことは何ら計画していないわけでありますが、たまたま空いているスペースをリースして、リースして使ってもらって民業にお役に立つのなら、それは使っていただこうと。こういう発想のやつが、例えば北海道の花屋さんとか、場所は忘れましたがコーヒーショップとかというようなことで出ているわけで、すべては法律の枠内、法律を十分遵守しながら進めているということと、これは民業圧迫じゃなくて民業自身に入っていただいて、我々自身がやるわけじゃないんですから、民業に入っていただいて、むしろ民業を、何といいますか、活性化していくのに力をおかしすると、こういう考え方でやっているつもりでおります。
○辻泰弘君 その貸し付けられた相手先が所有して、借りている対象面積、これについても固定資産税が二分の一であるということであるならば合理的でないと思うんですね。この点はどうなるんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 貸すのは、業として不動産業をやっちゃいかぬと、こうなっていますよね、法律上。ただ、貸すのはいいんですよ。それは、だから、貸す場合にはこうしろというのは書いてあるでしょう。それで、貸した場合には固定資産税は払ってもらうんですよ。
  それで、民業圧迫じゃないんですね。今言ったように、入ってもらうのは民業だし、民がないから、場所を貸すからどうぞと、こう言っているんですから。私はもう大いにやれやれという論者の者でね、辻委員。空いているスペースがあったら、もう今のJRを見てくださいよ、もう本当に有効に使っていますよね、空きスペースを。だから、私は使ったらいいと思いますよ。去年、北京に行きましたら、北京の郵便局で文房具や本を売っているんですよ、郵便局の中で。それで結構人が入っているんですよ、中国ですけれどもね。
  だから、そういうことを含めて、民業圧迫という議論が出てくるようじゃ困りますけれども、やっぱり空きスペースをうまく使うということはいいんじゃないでしょうか。
  それで、三百平米を超えると総務大臣の認可が要るんですよ。それ以下ならどうぞと、こういうことになっていますので、今の法制上は。
○辻泰弘君 まず、JRは民間ですけれども、郵便局は公社ということで少し違うんだろうと思うんですけれどもね。
  それから、これは、三百というのは、実は私、事前に聞いたときには聞いていませんでした。そういうルールがあるならいいんですけれども、私は今、ルールがあるべきじゃないかと、こういうことを申し上げているんです。だから、その一つのルールを持ってやるというのは、それはいいと思っています。
  時間もなくなってまいりましたけれども、公社の中のこれからの人の問題といいますか、労働条件等の問題についてちょっとお聞きしておきたいと思うんです。
  先般、新聞にも出たわけですけれども、サービス残業で未払賃金を払われたという、これは三月までのことでございましたけれども、これの関連で、やはり今から競争、効率の論理といいますか、成果主義をある程度やっていこうという意向をされているわけでございますけれども、やはりそういう論理が支配する中でも労働条件には十分配慮せにゃいかぬだろうし、労働基準法など当然ルールを守るべしと、このように思うわけでございます。
  この点について御見解をお伺いしたいことと、やはり四月の三日のときにも言及があったかと思いますけれども、労使関係をやはり大事にするということが、大切にしていただくということが大事だと思うんです。この点について総裁の御見解を教えていただきたいと思います。
○参考人(生田正治君) 今の御指摘のやつは、近畿支社で郵政局時代にあった、本当はあってはいけない事件だったと思うんですが、これは今解消させていると。今般の事案を教訓として、労働基準法等関連法規を確実に守るということは今のところ全員に徹底しつつあるというところであります。公社の中にもガバナンス・コンプライアンス委員会というのを作りまして、これが十分こういうことは監視していくと、こうなっております。
  それから、労使の関係については、非常に組合もいい公社を作ろうという理念については我々と同じように燃えてくれておりますので、何といいますか、目指すところは同じであるというふうに私認識しております。したがいまして、労使の間というものをパートナーと考えて、極力よく話し合って、話合いの中でいい公社を作るのに持ち場持ち場で協力し合っていくと、ただし、それは理解ずくでやっていくと、こういうつもりでおります。
○辻泰弘君 最後に一問聞きますけれども、現在、郵貯資金による財投の直接引受けが行われているわけですけれども、二〇〇八年度以降の財投債の買入れは直接引受けでなくて市場からの購入になるというふうに理解していいでしょうか。
○政府参考人(野村卓君) 二〇〇一年度からの財投改革によりまして、郵便貯金資金については、御案内のように資金運用部の全額預託義務が廃止されまして、市場運用を基本とするということになったところでございます。しかしながら、財政融資資金の既往貸付けの継続とか市場への影響、こういったことに配慮する観点から、経過措置といたしまして、二〇〇一年度から七年間に限りまして、財政融資資金への預託金の払戻金の一部につきましては市場外で財投債を、引受けをやっているというものがございます。本件はあくまでも激変緩和の経過措置として行っているものでございますので、経過措置期間が終了する二〇〇八年度、平成二十年度以降につきましては、財投債についても市場を通じて購入をすることになると考えているところでございます。
○辻泰弘君 私は、四月から公社が発足して、やはり公社の新たな門出を祝福し、拍手して見守りたいと、こういう思いなんですけれども、やはり新しい門出であればこそ、心すべきこともあると、このような思いで御質問した次第でございます。
  以上で質問を終わらせていただきます。
○木庭健太郎君 公社化スタートしたわけでございますが、国民にとってどういう利便をもたらしてくれるのかというのが、発足したばかりですけれども、なかなか分かりにくい面があります。新聞記事等を拾っていくと、何か、封筒販売を開始したとか、コンビニ開店の問題とか、五百円の新封筒小包の開始の問題とか、いろんな記事はありますけれども、実際に窓口に行った場合に、郵政事業庁のときと比べてどこが新しくなったのかな、変わったのかなと、名前が変わっただけではないかというようなことも感じる人もいるようでございまして、やはり変わったときに強烈なインパクトを与えることができなければ、国民にとってどうなんだろうというところを持たれてしまうんじゃなかろうかという気がするわけでございます。
  公社化によって、個々の郵便局においては、これまでのような利用者へのサービスの提供に加えて、もう一方では企業的経営も同時に追求しなければならないという使命もあるわけでございますが、公社としての新しく変化した郵便局を作っていくために今後の取組についてどのようなことを期待されるのかということで、大臣に伺っておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、それは相当変わってきていますよ。ただ、目に見えるか見えぬかというのはありますね。いやいや、もう、じわじわじわじわボディーブローみたいにこれから良くなってくるんですよ。
  それは、いろんな新しいサービスや新しい商品を作っていますよね。今もちょっと木庭委員言われましたけれども、配達時間を夜九時まで延長、インターネットによる再配達依頼受付サービス、新特急郵便のスピードアップ、海外ふるさと小包の日本・韓国の相互リンク、今のフラワーショップの開設、それからATMの二十四時間取扱いの拡大、また延長、写真付切手、自分の顔が写真に、まあ、もらってうれしい場合とうれしくない場合があるかもしれませんけれども、写真付切手作成サービスをやるとか、翌日配達エリアを拡大するとか、郵便に限っても、木庭委員、これだけ変わってきているんですよ。ただ、まだ始まっていないものも大分ありますから、これからずっと始まってくるので、ローソンとの提携はもう始まりましたけれども。
  そういう意味で、私はやっぱり、生田総裁以下新体制で相当頑張っているなという私は感じを持っているんですが、これからですね、国民の皆さんが分かってくれるのは。是非、真っ向サービスで国民本位、お客様本位、利用者本位のそういうサービスを展開してもらえるし、新しい郵政事業の価値を私は創造してもらえるんじゃないかと大変期待いたしております。
○木庭健太郎君 先ほど世耕委員も言われたように、そこに働く人たちの意識の改革みたいな問題も含めて、それがお客様に接する態度の問題に変わっていくでしょうし、実際の行われている事業、新たなものがありますから、今からの問題とは思いますが、とにかくスタートした時点では余りイメージ的には変わっていない部分もありましたので、そこは今後もっともっと宣伝もしていただき、国民に本当に分かりやすい形を更に作っていただきたいなという気持ちはあります。
  今日は、ちょっと聞いておきたかったのは、一つは、経営、経常基盤の問題ですか、四月に、経営基盤の問題等をお聞きしたいんですけれども、昨年の通常国会では、法案、四法案の審査の中で、公社の国庫納付金に関連して公社の自己資本の問題が取り上げられまして、民間を基準として見るということを考えれば公社の自己資本は十兆あるいは十六兆というような、これはこの前の通常国会のときにやった問題だったんですけれども、公社設立後は、奥田座長をトップとする日本郵政公社設立会議が昨年秋に発足されて、公社の発足に向けて各種の必要な検討が行われ、その中で、昨年十一月には、公社の自己資本は全体で三千八百二億円で、自己資本比率は〇・一%未満との試算が示されました。また、今年一月には公社の今後四年間の中期経営計画、二月には平成十五年度経営計画がそれぞれ作成されたわけでございます。
  公社の経営基盤に関して、今度は、公社経営は企業会計原則に基づき行われるわけでございますが、この四月一日の公社発足時点での公社の自己資本の金額についてどのような状況で発足したと言えるのか、公社全体と郵便、郵便貯金、簡易保険、三事業それぞれについて御説明を局長の方からいただいておきたいと思います。
○政府参考人(野村卓君) 公社の資本につきましては、日本郵政公社法施行法七条におきまして、承継される資産の価額から負債の価額及び退職給与引当金等の引当金の価額に相当する額、この合計額を控除した額に相当する額が政府から出資されたものとするというのが法律の規定でございます。
  そこで、じゃ、どういうふうになっているかということでございますけれども、承継される資産及び負債の価額につきましては、決算終了後に評価委員というものが任命されまして、その方が承継時点における時価を基準として評価する、原則として時価を基準として評価するということにされておりまして、現時点においては確定的に資本の額を申し上げることはできないという状況でございます。
  なお、三月に認可いたしまして国会に御報告させていただいている公社の中期経営計画の添付書類においては、平成十三年度の決算計数と平成十四年度の予算等を基に算出されたものでございますけれども、公社全体の資本金は一兆三百八十九億円となっています。
  また、それぞれの業務分野につきましては、郵便につきましてはマイナス三千九百十三億円、郵便貯金につきましては一兆二千九百六十九億円の黒字、簡易保険につきましては千三百三十四億円の黒字というか資本ということになっているところでございます。
○木庭健太郎君 公社の中期経営計画によると、計画期間が終了する四年後の平成十九年三月末時点では、郵便貯金関係で約三兆九千億円以上の積立金を確保して、簡易保険では三千億円以上の準備金を積み増しし、財務内容の健全性の確保に努める、将来的には政令の規定に基づいて計算した金額、すなわち現在の郵便貯金の規模から計算すると約六兆円強の額を積み立てて民間企業並みの経営指標を達成することが目標となると。大変なことなんですけれども。
  一応、局長に聞いておきますが、この日本郵政公社施行令において必要な資本の額は規定されるが、なぜ公社の資本を充実させる必要があるのかという基本的説明をいただいておきたいと思います。
○政府参考人(野村卓君) 先生今おっしゃったように、日本郵政公社法施行令第二条におきまして、公社の経営の健全性を確保するために必要な積立金額の計算方法が規定されているところでございます。
  これは、日本郵政公社が独立採算制の下で健全な経営を確保していくためには、各種の価格変動等のリスクに対応できるように一定の水準の積立金の額を確保していくことが必要と、こういった考え方に基づいて決められているところでございます。
○木庭健太郎君 いずれにしても、総裁、なかなかこれ、大変なことを今からやらなくちゃいけないなということを感じているんですけれども、経営改善を行うためには、いろんな今取り組んでいらっしゃるというお話も先ほどありましたが、各業務の分野において収入を増やすことと同時に、経営の効率化という問題、無駄をなくして支出を削減するという点も必要になると思うんですが、公社化において今後いわゆる経営効率化のためにどのような施策を今お考えでいらっしゃるのかと。今後の取組、こんなことも考えているということがあればその点についても確認をさせていただきたいと思います。
○参考人(生田正治君) まず、経営の要諦は、ビジョンをきちっとまず出すことだと思うので、これは、先ほど申したように三つのビジョン、まあ真っ向サービスですね、一番は、お客の立場。二番目に企業の健全性。三番目に職員の働く気、働きがい、明るい展望ということだと思いますね。その下で戦略を示していく。
  それは、事業本部制を取る、それから加えまして、横断的な委員会制を取りまして、経営委員会というものの下に八つの専門委員会を作りまして、例えばIT戦略委員会とか調達の委員会とか投資の委員会とか環境の委員会とか、システム、いろんな委員会を作りまして効率的に、かつ公社全体の利益をにらんだ上での意思決定ができるようなシステムを取ると。そういった指針を反映しながら各部署部署が生産性を高める。
  なかんずく、一番早く収益性を回復しなきゃならない郵便部門については、トヨタの張社長以下の協力を得まして専門家を七人派遣していただいて、それによる訓練を昨年の十二月から来年の三月までやる、これを全国版にしていく、全国版にしていくというふうな、経営のビジョン、戦略、それから計画、それから実際のどうやるかという策というものを経営としましてははっきり示しながら、全員にそれが必要だということを理解してもらって汗をかいてもらうと、こういう手法で進めている最中であります。
  かなりいいスピードで進んでいると思っております。
○木庭健太郎君 最後に、今のお話とダブるかもしれませんけれども、この中期経営目標及び経営計画は三月二十六日、大臣によって認可されたわけでございますから、総裁として、四年後、公社が国民の皆さんにとってどのような姿になっていることを目指されているかということを伺って、質問を終わりたいと思います。
○参考人(生田正治君) それは、掲げました三つのビジョンの達成でありまして、まず一に、お客様の立場から見て、利用者の立場から見て本当に良くなったなというふうな、利便性も高まる、物によっては経済性が出るかも分かりません、良くなったなとまず思ってもらう、四年後にですね。
  それから、二番目はビジョンの二番目。公社が郵便も含めて全部健全になって、積立金もきちんと予定どおり積み立てられるような状態になれば、これは国としても喜んでいただけるわけですね、財政面から。だから、国にも是非喜んでもらいたい。
  三番目に、職員がやっぱり働きがいがあったと。これは、将来どうなるか分からないような感じで働くんじゃなくて、きちっと健全な基盤になった、やりがいがあるぞと職員が思ってもらう。だから、国民の皆様だけじゃなくて、国の財政から見ても、働いている人たちも忘れちゃいけないと思います、から見ても喜んでもらえると。
  よく我々の民間で言う、交渉事をすると、ウイン・ウインと言うんです、両方良くなることを。私の今考えているのは、三つのビジョン全部がウイン、ウイン・ウイン・ウインになるような格好になるように、四年後に、願っております。
○木庭健太郎君 頑張ってください。
  以上です。
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。答弁は、時間がありませんので短く端的にお願いしたいと思います。
  まず、総裁においでいただいておりますので総裁にお伺いしたい。
  日本郵政公社の資本金ですけれども、これは幾らになっておりますか。
○参考人(生田正治君) これはまだ、はっきりした額では申し上げられないわけですが、本年七月下旬に郵政事業特別会計などの平成十四年度決算というのが取りまとまると理解しておりますので、そこで、評価委員が継承時点における時価を基準として評価するというふうに認識しております。
  したがって、現時点では確定的なことは申し上げられないんですが、私の感じとしては、与件から見まして、三月末の、そこを中経で考えている一兆円の前後になるんだろうと考えております。
○宮本岳志君 今日はそれを少し議論してみたいと思うんですね。
  配付資料の@―1は、昨年の十一月の十一日に行われた第二回日本郵政公社設立会議にドイツ証券の水野温氏氏が提出した試算です。この試算によると、昨年の三月三十一日時点で簡保の資本金額はマイナス一・六兆となっており、公社全体でも一・二兆の債務超過となっております。この債務超過の最大の原因は何か。
  もう一枚めくって、資料@―2を見てください。保険資本合計の欄、下から二段目、有価証券の評価損四・一兆、郵貯でも同じく有価証券の評価損約一・五兆、合計五・六兆を超える評価損が指定単、つまり単独運用指定金銭信託と、こういうリスク運用の結果生じたということになっているわけです。
  そこで、郵政行政局長に聞きたいんですが、これはこの試算に間違いないか、そしてこの損失について反省はあるのか、一体だれが責任を取ったのか、お聞かせ願えますか。
○政府参考人(野村卓君) この試算の数字につきましては、先ほど先生お話しのように水野委員が出されたものということでございます。これ十三年度決算を基にして出されたものだと思いますけれども、資料のとおりだと考えております。
  それで、こういったものについての責任の関係でございますけれども、資金運用につきましては従来から、分散投資の観点から中長期ポートフォリオに基づいて運用を行ってきているところでございまして、運用環境の変化に伴いまして資産別に見て評価益が出たり評価損が生じる可能性はあるものでございまして、株式市場が低迷していることもありまして、指定単に評価損が発生していることもある意味ではやむを得ないというふうに考えているところでございます。
  また、郵貯、簡保本体の債券運用におきまして評価益を有しているほか、積立金や内部留保を確保しておりまして、加入者とか預金者の支払に支障が生じているわけではなくて、事業経営上問題はないというふうに考えているところでございます。
  ただ、現時点からいわゆるバブル期を振り返ってみますと、株式運用に対する下振れリスクを甘く見ていたという日本全体の風潮に私どもも影響を受けていたという面があることは否定できないと考えておりまして、リスク管理体質の強化に努める必要があるというふうに考えているところでございます。
○宮本岳志君 国民から預かった郵貯、簡保の資金をリスクある指定単で運用して五・六兆の穴を空けて、だれも責任を取らないどころか反省の弁すら口にしないと。
  そこで、あなた方は、この指定単運用の損失を何とか帳簿上解消して、債務超過ではないという状況を作る必要があったわけです。まずは五・六兆の損失をどうやって埋めたかを見てみたい。
  分かりやすいのは簡保なんです。資料Aに「簡易保険二〇〇二」、このディスクロージャー誌の有価証券の時価情報を付けておきました。上の表、「償還期限まで保有する目的で取得した債券」、これは企業会計原則でも簿価評価で、これは益出しはできないんです。下の「その他の有価証券」、こちらは企業会計原則では時価評価、つまり益出しができるんですね。で、見てほしいんですが、驚いたことに、簡保が持っている国債は満期保有のものはゼロで、場合によっては売買するという、その他に全額これ入れているんですね、区分を。
  これは行政局長に聞きたいんですが、簡保が保有する国債はすべて売り払うんだと、先ほど総裁からはバイ・アンド・ホールドの原則という言葉も出ましたが、簡保の保有する国債はバイ・アンド・ホールドではないと、こういうことを意味しているんですか。
○政府参考人(野村卓君) 簡保の運用は原則、先生、バイ・アンド・ホールド、安定的保有でございますけれども、この満期保有以外に、その他有価証券といいますのは、何もこれは売ったり買ったりする債券という意味じゃなくて、債務であるそういう生命保険との期間のマッチング、リレーションを取るために一部入替え売買をするものがあると、そういう意味での位置付けの債券ということでございますので、基本は長期安定保有という点は変わらないというふうに考えておるところでございます。
○宮本岳志君 しかし、満期保有がゼロというのはおかしいんですね。その証拠に、ちゃんと郵貯の方は三十一兆、国債、これを満期保有に仕分けておりますし、平成十四年度簡保の資金運用の購入実績というのをいただきましたが、三・五兆満期保有に入れているわけです。
  なぜ平成十三年度末で国債全額がその他に入れられなければならなかったかと。理由は明瞭です。それは時価評価して益出しをするためです。つまり、簡保の指定単運用の損失四・一兆を圧縮するために、平成十三年度末に保有していた国債などをすべて益出しする。評価益二・五兆を全部益出しして四・一兆円の指定単の損失を圧縮したと、それでも一・六兆残ったというのが、水野氏の先ほどの資料@の一・六兆なんですよ。
  さてそこで、次に資料Bを見てください。同じく水野氏が提出した昨年四月一日時点の貸借対照表試算なんですね。何と前日には一・二兆の債務超過だったものが、四月一日、一夜にしてプラス三千八百億円に転じていると。このからくりは下の注釈に書いてあります。つまり、簡保の有価証券の評価損約一・六兆円の処理のために、簡保の価格変動準備金約一兆円と危険準備金六千億を取り崩したというものです。もちろん、取り崩すといっても、別に一夜にして実際に一・六兆の金が動いたわけではない、あくまでも帳簿上で数字を動かしただけの話です。
  ということは、つまり、危険準備金一兆七千三百億円のうち六千億円取り崩したから資本合計がこの試算では三千八百億となっているだけであって、仮に三千億しか取り崩さなければ八百億円、逆に全額取り崩せば資本金は一兆五千億と。つまり、これはどうにでもなるということですか、局長。
○政府参考人(野村卓君) その前に資料Aについてちょっと御説明させていただきますけれども、資料Aで、確かに先生おっしゃるように、国債については満期保有のものはございません。ただ、その下の欄に公庫公団債等十八兆というのがございまして、私ども持っている債券の中には国債以外にこういった公庫公団債がございます。こういったものについて、公庫公団債について満期まで保有するということにいたしまして、その他について国債を含めてその他有価証券という形にしているところでございまして、意図的に国債を満期保有にしていないというわけじゃなくて、満期保有についてはそれを公庫公団債で対応しているということでございます。
  それから二点目の、六千五十六億円を取り崩すという形で処理しているのは不明朗じゃないかというようなお話だと思いますけれども、水野さんの試算した資料によりますと、承継時における有価証券の評価損がこの一番下の、資料Bの注のところでございますけれども、一兆六千六百十三億円ございます。それに対応するために、価格変動準備金一兆五百五十七億円でまず処理いたします。そうしますと、まだ処理し切れません残りが六百五十六億円ございます。それについて危険準備金の中で処理したと。
○宮本岳志君 六千でしょう。
○政府参考人(野村卓君) 済みません。六千五十六億円、これを危険準備金で取り崩したということでございます。
○宮本岳志君 それがいい加減だと言っているんですよ。
  一・六兆の帳じりを合わすために価格変動準備金の全額一兆をつぎ込んでもまだ足りないと、だから危険準備金を六千億取り崩したと。大体、危険準備金というのは価格変動準備金とは別の目的があるから別の準備金になっているんでしょう、そんなのだったら一つの準備金にすりゃいいじゃないですか。
  それで、少なくともはっきりしているのは、一兆円取り崩せば価格変動準備金はゼロとなります。そして、一・七兆あった危険準備金の方は、六千億取り崩せば残り一・一兆ということになりますね。間違いないですね。
○政府参考人(野村卓君) 数字的にはお話しのとおりでございますけれども、価格変動準備金というのは、御案内のように、保有する資産のうちで、有価証券等の価格変動で発生し得る資産について、その価格が下落したときに生じる損失の備えのために積み立てる準備金ということでございます。ですから、それをまず取り崩しまして、一方、危険準備金につきましては、将来の債務を確実に履行するために、一つは死亡時等の保険事故の発生が通常のそこを超えて発生し得る危険に備えるとか、予定利率……
○宮本岳志君 一・一兆かと聞いているんですから。一・一兆が残りですねと。
○政府参考人(野村卓君) はい。それはおっしゃるとおりというのは、先に、先に言わせていただきました。
○宮本岳志君 資料のCに、昨年の年度末の取引となった三月二十九日と今年三月三十一日の日経平均株価、あとTOPIXを付けておきました。日経平均一万一千円だったものが、今年八千円です。TOPIXの方は一〇〇〇を超えていたものが八〇〇を切っているんです。つまり、更に昨年三月末から二割から三割下がっていることは明瞭です。
  それで、一月十四日付け日経金融新聞ではこう言っています。九月末時点の株式運用の含み損は半年前に比べ三四%増え、郵貯、簡保合わせて七兆五千七百一億円と。つまり、先ほど指摘した五・六兆からまた二兆円この一年間で増えていると。これ間違いないですね。
○政府参考人(野村卓君) その数字については詳細承知してございませんけれども、私ども、水野さんの試算のとき以降、設立会議で十三年度決算プラス十四年度予算を基にした詳細な検討がなされた資料が中期経営計画として出されております。中期経営計画としてこちらの方に出されているわけでございますけれども、その資料によりますと、先ほど御説明いたしましたけれども、資本として一兆円ぐらいあるだろうという形になってございます。その前提となる数字というのは昨年九月の株価とか金利とか為替を基にした数字でございますけれども、今年の三月末の数字、確かに株の方は九月が九千円台だったのが七千八百円とかになっております。ただ片っ方で、債券の方は一・数%だったものが〇・七%という形で評価益も出ております。
  そういったことを大ざっぱに考えますと、ほぼ一兆円ぐらいの資本は確保できているんじゃないかなと考えているところでございます。
○宮本岳志君 新たに二兆円の含み損が出ていると。先ほど危険準備金の残りは一・一兆だと。これ一兆円足りなくなるんですが、この分は一体どうやって埋めるつもりですか。
○政府参考人(野村卓君) 水野さんの試算の時点というのは十三年度決算を基にしております。十四年度の損益が入ってございません。十四年度の損益で貯金だけで一兆二千億ぐらいの利益が出る予定になってございますので、そういうものを入れますと資本は足りるということでございます。
○宮本岳志君 そういうことなんですよ。貯金で一兆円の収益があるから一兆円の資本金になると。つまり、貯金以外は全部この含み損でパアになると、そういうことでしょうが。
  私は、本来国民に還元されるべきものが事業の収益として吸い上げられて、それがあなた方の無責任な資産運用のしりぬぐいにつぎ込まれると、こんなばかな話はないということを指摘したかったんです。指定単運用で五・六兆もの損を出して責任も取らずに反省すらしない、帳簿の操作で何とかごまかそうとする、そんなあなた方が委託運用などといって株式へ資金を振り向けること自体が問題です。ましてや運用方法の拡大など論外だということを指摘して、私の質問を終わります。
○渡辺秀央君 総裁、御苦労さまです。
  最初の委員会でありまして、御就任されて四月一日もいわゆる公社スタートの御披露での総裁のごあいさつをお聞きいたしました。今ほどもまた同僚議員からも幾つかの問題指摘がございましたが、私は基本的にこの法律は賛成をさせていただくというつもりで質問をいたすわけであります。
  公社化移転については、私の思い、いわゆる行政改革、橋本改革の基本的な誤りを指摘して、私は自由党を通して反対をいたしました。しかし、スタートした以上はしっかりやってもらわなきゃいかぬということと、それから今ほどの問題の指摘などについても、私はかつてここで総務大臣にも、あるいはまた郵政事業庁、当時の事業庁の皆さんにも百三十年の、これはただ百三十年たっているんじゃないと、そこには百三十年間の経験と同時に人材が作られているということを申し上げて激励をいたしたわけでありますが、さっきのお話を承っておって私ちょっとメモしましたが、総裁は三つの要件をおっしゃっていました。いわゆる新しく四月一日からスタートされたこの郵政公社、資本金云々の問題もありますが、私はできるだけたくさんの資本金であるべきだという主義なんでちょっと共産党さんとは考えが違うんですけれども。しかし、その新たなスタートに当たって総裁が一体どういう、本当に基本的にどういう意識、むしろ職員の意識という問題、後で申し述べますけれども、総裁自身の意識がどういう意識で御就任されたか、あるいはまたどういう考えでこれから運用していかれるかということを端的に言葉として言うならばどういう言葉でしょうか、お聞きいたしたい。
○参考人(生田正治君) 言葉で一言と言われれば、だれから見ても良い公社を作るために真っ向サービスだという心境ですね。もう少し時間をいただけるならもう少し補足いたしますが。
○渡辺秀央君 いやいや、あなたが雄弁でしかも非常に理論的だということを分かって申し上げているんで、まあ国会というのは端的に問題点だけ答えるということが要領ですから。そのだれよりも好かれるということです、正に。そう思うんです。
  しかし、そのだれよりも好かれるのに、好かれる公社でありたいという、もうだれにも好かれていた郵政事業なんです。その意識を僕は総裁に代わって、変えてもらいたい。要するに、民間からおいでになって、この郵政事業と、郵政事業というのは性悪説みたいな基本的な考え方で就任される、あるいはしておられるとは思いません、思いませんが、今まで好かれていないんじゃないんです、好かれている。国民にとってはこれは血液であり、もう全く日本国民の生活そのものなんです、郵政三事業というのは。だから、その上に立ってこれからの公社、あるべき姿を追求してもらう、指導してもらうということが大事だろうと思うんですね。
  そういう意味においては、私は今までのいろんな答弁、それから衆議院におけるあなたの御答弁も大体、私は今まで一回も参議院に来てから、衆議院十八年やって参議院に来てまだ五年そこそこですけれども、一回も衆議院の質疑というのを見たことない。しかし、今回だけはあなたが最初に衆議院でおやりになったんで勉強はしました。だから、もう考え方分かっているんです。
  そこで、何も意地悪を申し上げるんじゃなくて、非常に大事なことなんで、特に郵政三事業の三十万の郵政マンが、先ほどから非常に職員の将来展望を持って伸び伸びと働くことにしたいというようなことをおっしゃっておられる。誠にそのとおりだと思うんですが、それよりも郵政公社は郵政公社で、不動たる郵政公社で行くということがあなたの姿勢にとって大事なんですよ。これが郵政マンが落ち着いてプライドを持って、自信を持ってやっていくことにつながるんです。また、サービスもその中でちゃんとやっていくことになるんです。
  いわゆる民営化していく一里塚であると、言いたいことは、そういう基本的な、大臣はそう言わないと思うが、しかし官邸がそういう基本的な考えであったことは間違いないんで、そういうことであなたが指名を受けて、そのままそっくりあなたがその意識で総裁としてこれからの公社のスタートに当たるとなったら、これは重大な問題だと私は思う。そこのところはいかがですか。
○参考人(生田正治君) 何度も申し上げてきているんですが、いろんなところで、私の使命はいい公社を作ることに徹することですし、その公社は今スタートしたばかりですから、それ以外の考えは全くないし、考える立場でもない。もしお考えになるなら、それはより高い政治のレベルでお考えになることあるかも分からないけれども、我々中にいる者が考えることではないと、こう思っております。
○渡辺秀央君 もちろん、それで結構だと思います。郵政公社たる郵政公社を作るということだと思うんです。是非そう願いたい。それは要するに不動たる郵政公社です。
  そういう意味においては、いわゆる民間の手法がすべて正しい、あるいはまた民間の経営がすべて正しいということであるならば民間が全部成功しているわけですね。
  だから、私は、さっきの百三十年のこの郵政省の事業運営という、ノウハウというのは世界に冠たるものだということを申し上げているし、それから郵政マンの職員の皆さんたちも大変な意識と責任感でやっている。特に、ここは行政改革の中で最後の問題点として、職員の身分を安定ならしめるということは、正に国家公務員という同時資格の中で国民に対するサービスをやっていると、こういうことなんですから、そういう意味においては、総裁は是非この今の職員の人たちの安定感の中で、安心感の中で、そこで初めて将来、まあ言うならば国家直営の経営ではなくて、少し弾力性あるいはまた余力を持った、あるいはまた民間とある意味においては闘えるというか競争、共存できる、そういう競争意欲を持ったようなものが与えられたわけで、そこに彼らは、職場にいる彼らは一層のやりがいというものを感じていくんだろうというふうに思うんですね。
  そういう意味で、国家でやってきた郵政三事業の性悪説は、私としては、恐らく総裁はそういうことなら就任されていないと思うが、これはやっぱりそこを大事に考えていただかないと、この公社における非常に、しかも日本で一番ですな、金融機関としては、言うならば、これはもう最大の最高の金融機関ですよね、最強の。そういう意識の中でこの公社に対する運営をやっていただくという、そういうような民間と官との考えじゃなくて、いわゆる三事業をやってきた郵政事業というのはこれは現業みたいなものだったんですから、だったわけですから、その意識を総裁は一体どういうふうに考えてこれからやっていかれようと思っておられるか、そこらもちょっと確かめておきたいというふうに思う。
○参考人(生田正治君) 今のお話を三点に絞って答えさせていただきますが、一つは、公社になったから古いものを全部なくす、否定するなんということはないわけで、受け継ぐべき物すごく重要なものがあるわけですね。その中の最重要なものは、長年にわたって培われてきている全国の皆様からいただいている信頼だと思います。これはいささかも傷付けずに、逆にそれに付加価値を付けるような経営をしていくというのがまず一点。
  それから第二点は、民間ばっかりじゃないよというのは、民間というのはもう百社あれば百社違いましてね、みんなもう手法は違うわけです。いい民間ももちろんあります、エクセレントカンパニーとよく称されますけれども。だけれども、ほとんどは難しい。それがゆえにこれだけ淘汰が進んできているわけですね。だから、一般的に民間といってそれを入れるといっても、それは大変、どの民間を入れるんだということになるので、私が今考えているのは、私も民間で育ってきましたからいろんなところを見てきています。その中で、民間のいいところを集中しながら自分の経験に照らして入れてくるということであって、郵政事業の中にも官の間にもいい点があると思うんですよ、それは入れていくと。富士山にもたくさん登り口があると思うんですけれども、頂上を極めるには、いろんな登り口があると思うんですが、与えられている環境の中で一番いい登り口を集中してやっていくということで、何も一つの民のパターンだけでやるということはないというのが二点。
  三点目は、職員の問題ですけれども、私はやっぱり仕事は、これは民間の会社でも同じです、最後は人ですよ。だからやっぱり、来てみるとすばらしく潜在能力のあるいい人でもう一杯ですよ。だから、これは生かして、できるだけ生かして、それでその力が出てくるようにリードしていくというのが私の物すごい大きい責任だと思っているし、そのためにヒューマンリソーシズ委員会というものを作りまして、人材の本当の持っている力の開発をやるんですよ。そういったことをできるだけ引っ張り出して強い公社を作っていく。
  だけど、やっぱり民間の会社と競争していることは事実ですから、競争しているんですよ。だから、ぼやぼやして潜在力を引っ張り出さないでやっていればこれは負けちゃうんですよ。負けちゃいけない。やっぱり強い公社を作るためには、民間だろうと今までの官の慣習だろうと、いいものは全部作り、人材を育てて、競争には少なくとも負けないようにしていくというつもりでおります。
○渡辺秀央君 是非そう願いたいと思いますね。
  それから、今、総裁言われたように、やっぱり職員が自信を持って自分たちのやってきたことは間違っていたことじゃないということからスタートしないと、なかなかそこはしっくりいかないと思いますよ。何かのときに、だから今まで国営でやってきたのが間違いだ、だからいわゆる公社になったんだという、とかく言いがちなんですよ、正直言いまして。民間からおいでになると、民間はすべて正しかったと、だから駄目なんだというような話というのは比較的多いんだ。それは、私もNTT、実際に私はそれに携わったわけですから、あるいはJRも。そういう意味では、真藤さんにしても皆さん非常に立派に上手におやりになられた。
  これは後の運営なんですね。政治の場では、行政改革だの組織の変更など法律でやりゃできる話だ。しかし、後の運営というのはそういうことじゃないわけで、是非、私は何でこういうことを言うかといったら、あなたの就任の、四月一日の就任のあいさつを後ろで聞いておって、まあけち付けるんじゃないんですよ、よくおやりになったと思うんですが、心から激励を申し上げているんですけれども。
  要するに、全部回ってみましたと、私は。よく分かりましたという話があった。それは、一回や二回回ってこの百三十年の郵政三事業のそこまで分かるというほどなものではない、いろんな意味で。これは、本当に地域に根差している特定局の制度、あるいはまた特定局というもののありよう、今の特定局は少しまあ私は言い分はあるんですけれども、しかし長所はありますから、そういったものをやっぱり総裁がしっかりそのいい点、長所をバックアップして、これをむしろ伸ばしていくと。
  あるいはまた、私は現職のときに、私が現職というのはおかしいんですけれども、郵政省に御厄介になりましたときに、私はまず、郵便局に来た人にありがとうございましたと言えということから実は私が始めてもらったんですよ。しかも、その当時から、各自治体のお役に立つことを考えていかないと今に郵便局は必要でなくなるぞと、自治体との連携を取っていかなきゃいかぬぞということを、特定局長の私の地元の会なんかはもう今から本当に十何年前から言っているんです。
  だから、そういう意味においては、特定局制度というものを総裁はどういうふうにしてこれを発展さしていくか、あるいはまた責任を持ってもらって、かつ充実を、発展ということは充実ですわな、していくのか。今まで一人局だとか二人局だとかというのでなかなか苦労しているんですが、それはまあ山間地、へき地ですよ。
  時間がなくなったので、いずれまたのことにいたしますけれども、特定局についての総裁の思い、これ大事に考えていくということは分かっていますけれども、もう少し、もう一つ心を入れて、特定局制度ということについて総裁の考え方をお聞きしておきたい、今日は。
  以上で私は質問を終わりますけれども。
○参考人(生田正治君) 先生の前段のところのよく分かったというやつは、記者会見のときに、あなたは民間人だから合理性で特定郵便等をばあっと整理すぐするんですかという質問に対して、特定局も各地で見てきましたから、それはどんな重要な役割を果たしているかということはよく認識してきましたから、そんなばかなことはしませんと言ったところが多分先生のお目に触れたんだろうと思います。
  後半は、特定局は、今申し上げたような私は認識しておりますから、なおかつ公社法におけるユニバーサルサービスの観点、それから国会の意思の現行水準におよそ維持せよというのもよく認識していますから、法的な要件を満たすために、おおよそ今の水準を維持するというのはこれは当然のことだとまず思っています。
  だけど、それを超えるものとして自分で、またしかられるかも分かりませんが、各地見てみて、特定局、実際もう何十か行っていますけれども、見てみて、大変地域社会で立派な仕事をしていると思いますから、やっぱりこれは法律以前の問題として必要だと私は思っています。だからといって、現状の維持で全部そのまま今のとおりに何年間もずっとかどうか、これは、地域社会というものは、今後、市町村合併など進むでしょうから、社会も進化しますから、社会構造が進化すれば、それに従った適当な、適切な調整は必要だと思いますよ。場合によったら新設も要るかも分からないし、場合によったら併合もあるかも分からない。そういう時代の動きに合わせた調整はしますけれども、大勢観察的には、現行の維持を図り、なおかつそれをさっき申し上げた有効な潜在的な営業資産と考えて活用を考えていく、こういうつもりでおります。
○渡辺秀央君 結構です。
  ありがとうございました。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) この際、委員の異動について御報告いたします。
  本日、輿石東君及び高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として松井孝治君及び神本美恵子君がそれぞれ選任されました。

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○委員長(山崎力君) 質疑を続けます。
○又市征治君 社民党の又市です。
  初代総裁になられた生田さんの紹介記事を見ていますと、雪深い山間部、私、富山県出身ですが、細入村にも入られて第一線の郵便局員と話をされたりしている。ユニバーサルサービスの確保に深く留意されているなという、こういう印象を持ちました。
  ここにあるのもその一つですが、政府の広報誌である「キャビネット」という雑誌の二十ページで、総裁はユニバーサルサービスについて、これは郵政事業の問題であるのみならず、本来は国の問題あるいは地方自治体の問題でもあると述べられて、また、市町村合併や地方自治の構造変化で事務所を閉鎖しているところがある、農協なども同じように合理化している、民間金融機関も再編しています、でも、なおかつその地域に住む生活者にとって重要な行政絡みのことをだれかがやらねばならないと述べておられますね。
  そこで、地域社会における郵政公社の役割について、端的に総裁の抱負や展望をお伺いしたいと思います。
○参考人(生田正治君) 地方の特定局、山奥の方へ入っていって見ていますと、やはり村役場なら村役場へ行くのに、それは車に乗れば十五分かもしらないけれども、どうしてこの年で私が乗っていけるんでしょうというふうなたぐいのやっぱり生活者の方は随分いらっしゃいますよね。
  だから、そういった方々がやはりどこに住んでいても、日本の、安定したあるいは利便性のあるそういう行政サービスが得られるということは重要だと思います。その度合いはますます進むだろうと思います。市町村合併が進めばそうなるはずですね。だから、これは公社の問題では本当はないと思いますけれども、主として地方自治体の問題だと思うけれども、利便性をどうやって確保していくのかということを考えていただいて、その間においてお役に立つことがあればどんどんお引受けしていく。
  ただ、その場合は、紙一枚出したら百円というふうな発想ではなくて、多少の維持費的な、固定費的な御協力も仰がなきゃならないかも分かりませんが、そういうふうなことも含めながら何とか利便性を保つ役割を果たしたい。そのための特別の部門も作りました。そういうことをやる、地域の問題を見る部門を作り、地方対策を考える理事も、西村さんという元自治省の方を片山大臣からいただきまして据えました。それで、日ごろから地方を回ってもらって、どういうことが必要が出てくるのか見てもらおうと、こう思っております。
  加えて、一言だけ加えれば、そういった行政だけじゃなくて、生活インフラの方でも、普通のショッピングといいますか、簡単に言えば、そういうふうなことでもお助けする面があるんだろうと思います。ただし、この辺はまた民業圧迫というそしりも受けちゃいけませんから十分配慮しながら、できたら一種の行政及び生活インフラの、コンビニエンスショップじゃなくてコンビニエンスオフィスみたいなものがイメージできて、これがコストも値段の中からちょうだいできるということになれば郵便局の存立のためにもいいなと、こんな感じでおります。
○又市征治君 それじゃ、法案に関係して具体的に伺いたいと思いますが、現在、信託銀行の数は二十八行、このうち郵貯が単独運用指定金銭信託、いわゆる指定単を委託しているのは十二行、また、簡保では同じく十四行なわけですね。委託先を多様化することが必要だと言うならば、まず信託銀行の中から追加するのが最も堅実な方法ではないかと思うんですけれども、それとも新設の信託銀行や外資系は余り安心できないという、こういう事情でもあるのかどうか、少し例を挙げて簡潔にお答えいただきたいと思います。
○参考人(伊藤高夫君) 日本郵政公社の簡易保険の担当をしております理事の伊藤です。お答えをさせていただきます。
  先生おっしゃったとおり、今、貯金の方は十二社、それから保険の方は十四社でありますけれども、やはり二十七社あるいは二十八社という限定をされておりまして、これまでも委託先は競争の観点から増やしてきておるんですけれども、投資顧問会社ということになると、もう数が百三十三ほどありまして、有価証券運用の専門の会社ということで、特定の資産に特化したり、あるいはスタイル、そういったことが非常に、運用、そういった得意としているところがありまして、そういったことから数的にも多様になって、それから質的にも特色を生かすことができる、そういったところから競争を促進していけば効率的な運用ができ、結果として受託手数料の削減であるとかあるいは運用の成績の向上が図られるんじゃないかというふうに思っているところであります。
○又市征治君 そこで、先ほども出たんですが、元々、今の指定単ですら元本保証はないわけで、十三年度末現在で一兆四千八百六十五億円の評価損が発生をしているわけですね。元本が九兆円ですから、一六%ぐらいの損が出ている。だからこそ慎重に相手を選ばなきゃならぬのだと思います。
  今回新たに相手にしようという投資顧問業者、こちらは、今出ましたけれども、百三十三社ですかもあるわけですね。外資系が過半数だし、開業して間もない、言い方が適切かどうか分かりませんが、素性も分からぬ企業が雨後のタケノコのように名を連ねていると言っても過言じゃないんじゃないか。この中からどのような基準でこれを選んでいくのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(野村卓君) 先生おっしゃるように百三十三ありまして、信託銀行に比べるとかなり小さい規模の会社もございます。
  ただ、先ほど伊藤理事から話ございましたように、外債を得意とするとか、そういった一定の得意分野がある会社が多うございます。そういった意味で、今回そういったものを投資、運用の対象にしたいということでございますけれども、実際の委託先の選定につきましては、法案成立後に日本郵政公社において検討されると考えておりますけれども、一般的には、契約資産残高等一定の基準を満たすそういった投資顧問会社の中から、投資方針とか運用体制とか過去の運用実績、こういったことを総合的に勘案の上、選定されるものと考えているところでございます。
○又市征治君 私は、小泉総理が郵政の民営化を主張されてきましたけれども、これは批判をしてまいりました。どうも本当のねらいは、この先、つまり、郵貯や簡保の資金三百六十兆円弱、これを株式購入などで民間資本に無制限に利用させることにあるんじゃないか、こういう立場で批判をしてきたんですが。
  そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、国民の零細な資金が、それこそとらの子というお話が先ほどございましたが、大臣の名前から取ったわけじゃないと思いますが、保証のないマネーゲームに投入されて元本割れなどのリスクにさらされることのないように慎重な運用が当然必要だと。そこで、安全にして確実な資金運用が郵政公社になったことによって変わってはならない、これは当然だと思いますが、御確認を願いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 私が預けたら本当にとらの子資金ですね。
  今、又市委員も言われましたが、国民の皆さんから預かった金ですね。しかも、小口、個人の生活保証の、セーフティーネットの金ですから、それはもう安全確実が第一だと、こういうように思いますよ。
  ただ、かつては資金運用の多様化ということで、リターンが、期待して指定単等の運用もやったんですね。しかし、これは全部やったんですね。郵貯、簡保はいい方なんですよ、またそんなことは言っちゃいけませんけれども。これはもう全部、そういう意味でのみんなダメージは受けたんですけれども、今後とも、公社に変わりましたし、生田総裁以下、国民の貴重なとらの子の金である、こういう認識で運用もしっかりやっていただけるものだと思っております。
○又市征治君 そこで、総裁にもう一遍お伺いしますが、このリスクの高い投資顧問会社への委託を新設しなくても、これは私も前にも公社法のときに議論したんですが、郵貯、簡保にふさわしい、より安全確実な運用先として地方債という選択もあるんじゃないかと。地方債での運用は、郵貯、簡保の合計四・六%ですけれども、財政投融資が一二・五%も減らしたわけですから、その一部を地方債で増やすという考えもあるんじゃないのか、こう思います。
  総裁から先ほど、郵政事業が地方自治体の役割の一部を代行するようになっている、こういう趣旨の話もございました。そこで、地方債を保有することによって、地方の経済社会の活性化に協力をする、また地方の国民の郵貯、簡保への預け入れ資金を還元する意味もあるんではないか、この点について総裁はどうお考えですか。
○参考人(生田正治君) 突如、とらの子と言いにくくなったんですけれども、本当に多くの個人の方々のとらの子のお金をお預かりしているという認識でありますから、安全確実な運用に徹したいと思います。
  今、先生御指摘のように、財投の方は十三年度で七六・五%から六四%に一二%強減りましたね。他方、地方に対する資金運用の方は九・八兆円から九・九兆円に、額的には一千億しか増えていませんが、パーセントでも四%から四・一%、逆に伸びておりましてね、決してプロラタで、右へ倣えで減してないで維持しているわけです。
  今後とも、地方のことも十分重視しながら、なおかつ安全確実という原則は守りながら運用させていただきたいと考えております。
○又市征治君 時間が参りましたので、本当はもう一問言いたかったんですが、要望だけにしておきたいと思います。
  私も、せんだって幾つか郵便局回って視察もしてまいりました。ちょっと問題点があると思う点申し上げて、善処方をお願いしておきたいと思うんですが、収益にやっぱり走る余り、切手だとかグルメ商品の押売まがいの、そうした公社のイメージダウンにつながるようなことが現実にやっぱりある。さらに、先ほども出ましたサービス残業の実態。労働基準法や、ユニバーサルサービスを守るといいながら、労基法だとか国際労働基準を守らないというんじゃ、これは話に、笑い話にもならない、こういう問題があります。
  やはり経営に当たって、トップダウンだけではなくてボトムアップ、つまり緊張感ある良好な労使関係を作っていただく、こんなことについても是非重要だと思いますから、また改めてこれは質問をする機会があると思いますが、以上申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(山崎力君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
  これより討論に入ります。
  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

○八田ひろ子君 私は、日本共産党を代表して、日本郵政公社法の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。
  法案は、日本郵政公社の郵便貯金資金等の運用方法に投資顧問業者との投資一任契約の締結による信託銀行への信託及びコール資金の貸付けを加えるものであります。
  反対の理由は、本法改正によっても、郵便資金等に大きな損失を与える危険性が依然として強いということであります。
  投資顧問業者との投資一任契約の締結による信託を加えることは、日本郵政公社の資金運用の幅を広げるものではありますが、投資信託を使って株式市場で運用するという基本的な仕組みを変えるものではありません。
  本日の質疑で明らかになりましたように、七・五兆円もの莫大な損失を作っている指定単運用への根本的な検討をすべきであります。ところが、その基本は変えずに、資金運用の幅を広げるという小手先の対策では、安全確実な運用を行うべき国民の財産である郵便資金に大きな損失を与える危険性が依然として強いと言わざるを得ません。
  自民党の理事からも危険との指摘がありましたコール市場は、日銀による超金融緩和の下では、資金運用先としての魅力も全くなくなっています。一方、縮小し続けているコール市場から見ても、新たな郵貯・簡保資金の投入は必要としていません。
  なお、当面、この法改正を行わなくても、郵政公社の資金運用には支障を生じることはないことを指摘して、反対討論を終わります。
○委員長(山崎力君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
  これより採決に入ります。
  日本郵政公社法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  本日はこれにて散会いたします。

    午後五時十五分散会