運営「電気通信事業法改正案を審査・採決他

(平成15年5月22日参議院総務委員会会議録より抜粋)


(前略)
○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
  まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
  電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に公正取引委員会事務総局経済取引局長上杉秋則君及び総務省総合通信基盤局長有冨寛一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。

     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
  本案の趣旨説明は去る八日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○森元恒雄君 おはようございます。自民党の森元でございます。
  三十分をめどにということですので、簡潔にできるだけお聞きしたいと思います。
  最近、IP電話が非常に普及してまいりましたし、インターネットが全国的に広がっております。そういうふうに情報通信をめぐる環境は大きく変わりつつありますが、今回の事業法の改正はそういう時代の流れを背景にしたものとして評価をしたいと思います。ただ、果たして今回の改正ですべての事業者がビジネスチャンスあるいは利用者ニーズをタイムリーにとらえた迅速な事業展開が可能になるんだろうか、あるいはまた基盤となるインフラ整備を確保しつつ、円滑なネットワーク構築が可能となるだろうかと、こういう点について私はいささか疑問に思う点がございますので、そういう点を中心にお聞きしたいと思います。
  まず一点目は、最近、電力会社が電気通信事業へ参入をしてまいりました。特に、光ファイバーの整備の面ではむしろNTTを上回っているんじゃないかと、こういうような話もございます。そういう中で、しかしNTTの方には指定電気通信設備としての規制を掛け、電力会社の方にはそういう規制がないということは競争、公正な競争を促進するという観点から見て必ずしも公平ではないんじゃないかなと、こういうふうな感じがいたします。特に、ユーザーのシェアとかいうようなことが議論になるのかもしれませんけれども、そういう点は営業努力によって、そういうものはむしろ自由にやらせるべき世界ではないかなと、そういうことで規制を掛けるという理由にはならないんじゃないかと、こういうふうに思いますし、特にこれからはブロードバンド時代ということになってくるわけで、特に光ファイバーの構築が特に重要でありますので、そういうインセンティブができるだけ働くような制度設計というものが大事じゃないかと。
  こういう状況の中で、この光ファイバーに対する規制はもう根本的に見直して、指定電気通信設備規制の対象外にすべきじゃないかと、こういうふうに考えますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(加藤紀文君) 今、委員お尋ねの規制の見直しでありますが、まず最初に、この光ファイバーを用いた高速インターネットサービスにつきまして、電気系、電力系事業者はまだ首都圏や近畿圏を中心としたエリアにおいてサービスを行っておりますが、今シェアの話もありましたが、現実のシェアにおきましてはNTT東西が約六六%、電力系事業者がまだ約一三%でありますので、現段階におきまして、まだまだ互角に競争しているとは言い難いのではないのかなということでありますし、現行制度におきまして、委員御承知のように、他事業者がサービスを提供するために当該設備を利用することが不可欠かどうかという観点から、光ファイバーもその指定の対象になっているところでありますが、投資インセンティブを阻害するんではないのかというお尋ねもありましたが、都市部のように競争的に光ファイバーが、投資が行われている地域におきましては、指定の有無に関係なくて、正に利用者獲得のために投資を行うものでありまして、現実にNTT東西も平成十五年度事業計画におきまして、光化投資につきまして東西合計で約二千三百億円を計画している等、IT化へ向けて十分な取組が行われていると考えております。
  したがって、現段階におきましては光ファイバーを指定の対象とすることが適当でありますが、今後も競争状況を注視しながら適切な規制の在り方について検討してまいりたいと考えております。
○森元恒雄君 今、今後状況を見ながら検討するというお答えでございますので、是非前向きに御検討いただきたいと思いますが、特に強調しておきたいのは、メタル回線の場合にはこのNTTが独占時代、公社時代に全国的な整備をしたということで、他の事業者に比べて条件が違うわけですから一定の規制を掛けると、ボトルネック規制を掛けるというのは意味が分からないではありませんが、光ファイバーは正にこれから敷設を新たにしていこうという事業でございますので、ここのところについて、あなたはほかの面でドミナントだからこちらの方も規制しますよという理屈は私は基本的に通らないんじゃないかと、こういうふうに思いますので、是非前向きに御検討をいただきたいと思います。
  次に、ボトルネックの点について申し上げたいと思いますが、今も申し上げましたように、電気通信事業の分野の特殊性あるいは独占から競争への過渡期にあると、こういうことから市場支配者に対する非対称規制が行われておりますけれども、私は基本的には、これはボトルネック、正にボトルネック的な性格を持った分野に最小限に限定すべきじゃないかと。自由化していく中では、基本的にはこの非対称規制というものは導入するのは望ましくないんじゃないか。
  現に電力の世界でも最近自由化が行われつつありますが、電力についてはこのような通信の世界における非対称規制というようなものがないわけでありまして、自由化した場合にはもう全く自由にやりなさいと、こういう世界になっているかと思うんですね。そういう中で、通信だけそういうふうになっているのは、本当はできたら好ましくないんじゃないかと、これも思うんですけれども、更に加えて、ボトルネックがあるんでそれはオープンにしなさいと、今そういう義務を課しているわけですね。
  そうしますと、今度はそれを使ったサービスの提供については、いずれの事業者も条件的には全く対等だと、こういうふうに考えていいんじゃないかと。特にADSLとか光サービスについては、先ほど申し上げた電力会社あるいはヤフーなんかもNCC系の新しい事業者がどんどん入ってきて非常に激しい競争が行われておるわけです。
  そういう状況でありますので、特にNTT東西に対してだけ課している指定電気通信役務とか特定電気通信役務に対する非対称規制はこの際見直すべきじゃないか。そしてまた、更に言えば、この電気通信事業法による事前規制は、本来これは本当に最小限にとどめるべきであって、問題があるとすればそれは独禁法で事後的に対処すると、それで十分ではないかと、こういうふうに考えますけれども、その点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 非対称規制というのは、これは競争の進展において見直すということは言われるように必要だと思います。したがって、そのボトルネック設備のオープン化によって一部のサービス分野では競争が非常に進展していますね、ADSLやなんかの分野で。こういうことについては我々も非対称規制を緩和する必要があると、こう思いますけれども、まだ十分に競争が進んでいない分野ではやっぱりこれを残しておかないと、利用者利益というのかな、平等、公平でないという観点でございまして、これは残しておきたいと。相対取引を認めながらも利用者保護の観点からいろんな手続で約款の作成などは残していきたいと、こう思いますけれども、これも進んでいけば見直していくのは当然のことだと、こういうふうに思っておりまして、委員の言われることはもう少し時間をいただかなきゃいかぬなと、こういうふうに思っております。
○森元恒雄君 先ほども申し上げていますように、条件が公正であれば後のその結果は、それはお互い営業努力だということをやっぱり正当に評価しないと、頑張ったら頑張ったで今度は頑張り過ぎだといって押さえ付けるというのは、これは日本の自由主義経済の在り方として好ましくないと思いますので、是非そういう方向でお考えいただきたいというふうに思います。
  それで、固定電話についてでありますけれども、今、オープン化、申し上げたようにオープン化し、あるいはまた長期増分費用方式とかマイラインとかが開始されて大変非常に競争が激しくなっている、加えてIP電話が普及したというようなことで、固定電話というのがもう衰退期に入ってきたんじゃないかというふうに思うわけですね。
  そういう中で、NTTとしても新規の投資はストップすると、こういう方針を取らざるを得なくなった。必要最小限の維持だけしていきましょうと、こういうことでありますが、私は、こういう状況が今後数年続いていくと固定電話というものが全国的に維持できなくなるんじゃないか、最悪の場合、国としてその事業の継続に乗り出さざるを得ないんじゃないかと、こういうふうな気さえするんですけれども、そういう点についてどうお考えでしょうか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今、先生御指摘のとおりでございまして、NTTは昨年の四月にNTTグループ三か年経営計画というものを発表いたしました。そこで、固定電話に係る新規投資を停止をすると、こういった方針も表明をして、実際に平成十四年度からNTT東西の固定電話網への新規投資は停止をしております。これは今、先生も言われたとおり、電話収入が減少して厳しい経営環境が継続する中で、更により収益性の高いIP網の充実に設備投資については集中をしていくと、こういうようなNTTの経営判断があるということでございます。
  しかしながら、ユニバーサルサービスの維持の必要な投資につきましては継続をし、当面、固定電話網の維持が不可能になるというような事態は発生しないと、こういうように考えております。
  既に、平成十三年度の電気通信事業法の改正によりまして、ユニバーサルサービスの基金制度というものを創設をして、ユニバーサルサービスの維持に必要な費用の一部をNTT東西以外の事業者も負担する仕組みも導入をしております。言わば、ユニバーサルサービスの維持につきましては制度的に担保していると、このように考えておりますが、こういったことを併せ考えますと、現段階で固定電話網につきまして国自らが維持管理をする、しなけりゃならないと、こういうような事態が発生するとは考えておりません。
○森元恒雄君 今、局長さんの方から、ユニバーサル基金という制度を作ったんで、それを働かせれば国が自ら乗り出さなくても十分メタル回線も維持できると、こういうお話でございますが、私は、今お話しのユニバーサル基金そのものが機能不全といいますか、本来の機能、目的を果たせないような今の仕組みになっているんじゃないかと、そこが非常に大きな問題ではないかなというふうに思います。
  ユニバーサル基金についてお聞きしたいと思いますが、今の基金制度はNTT東西の各々のエリアの中での地域間格差というものを目的にして作られておるということが一点。それから、ユーザー料金の全国均一料金の維持、したがってラストリゾートとしてのメタル回線の維持と、そういうようなものが果たせない。現にNTT西日本は千七百億円という赤字を出したんですけれども、それでもユニバーサル基金が発動されない。こういう状態でも発動されないということは、一体どういう、じゃ、ことになれば発動されるのかということを考えましても、今、局長さんのおっしゃったような、基金があるから大丈夫だというようなことにはならないんじゃないかというふうに考えますけれども、その点について総務省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 委員の言われるように、千七百億円も赤字を出しても基金が発動されないのかと、こういう疑問はちょっと起こりますね。ただ、この千七百億円は、西日本の会社全部の赤字でユニバーサルサービスに限定したその赤字じゃないんですね。その赤字はもうそれよりずっと少ないんです。
  それから、今、発動についてはいろんな条件を付けておりまして、そういうことからいうと、ぎりぎり発動に至らないと、こういうことなんですけれども、私は、この辺はもう少し今後は弾力的に考えていくということもあるんじゃなかろうかと、こういうふうに思っておりますし、この基金の制度の詳細は省令で決めておりますけれども、その省令の中に、制度施行後二年を目途として必要な見直しを行うと、こういう規定があるんですよ。だから、今後の運用状況を踏まえながら私はいろいろ検討する余地があるんではなかろうかと、こう思いますけれども。
  まあ、この基金というのは、森元委員、よその国もそうですけれども、なかなか抜かないんですよ。抜くぞ抜くぞというのが意味があるんですね、伝家の宝刀、抜くぞ抜くぞと。抜いちゃ余り意味がないんです。だから、そういうことでひとつ御理解を賜りたいと思います。
○森元恒雄君 いや、今の、抜かないところに意味があるんだとおっしゃることについては私は全く理解できないんですね。やっぱり必要なときには抜かないと、また抜けないと、さびついて抜けないというんでは何のための制度かというふうに思いますので、改めて、抜かなくても意味があるという点についてもう少し御説明いただければ有り難いと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 重ねての御質問でございますが、やっぱりこれがあることでみんな安心するんですよ。NTT東西の方も、ほかのあれも安心するんで、だから、特にこれやっているNTTの方は、これがあるからもう安んじてユニバーサルサービスを提供しようと。安心的効果が大変大きいわけであります。
○森元恒雄君 それは私が聞いていることと全然違いますね。要するに、安心できないから、困っているから何とかしてくれと。要するに、現に自分たちから手を挙げてこの基金を発動したいというような声さえ出てこないんです。
  それはなぜかというと、NTTがまず自ら自分の黒字で自分の赤字を埋めなさいと、それでなおかつ埋め切れないなら基金から応援しましょうと、こんな仕組みになっているわけですし、それから、その費用の計算方法も長期増分費方式というような形で仮想のコストで計算していて、実際に合っていないと。いろいろ問題がありますので、決して安心できるような制度でございませんので、是非、二年とはおっしゃらずに早く見直しをしていただきたいと、これ、強くお願いをしておきたいと思います。
  次に、五番目としまして、プライスキャップ制についてお聞きをしたいと思います。
  今、特定電気通信役務についてはプライスキャップ制というものが適用されておりますけれども、これは物価上昇率から生産性向上率を差し引いて計算するということになっていますが、これは、世の中がインフレの状態にあるようなときとか、あるいは事業がどんどん右肩上がりで成長していると、そういうときにはこれもある程度意味があるかなと思いますが、今、全く逆なんですね。こういう現在の状況下でこのプライスキャップ制、しかも、こういう計算方法で計算しますと料金を引き下げるという方向に圧力が掛かるわけです。事業環境が厳しい上に、更に引き下げろというふうなことになるということは極めて過酷じゃないかというふうに思います。これは、ほかの事業の例とか、外国の例から見ても、これほど厳しいのはないんじゃないかというふうに思いますし、これも見直しが必要じゃないかと思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今の、大変NTTの当事者が心配しているって、それは口で言っているだけですよ。やっぱりこういう制度がある、基金という制度があることが、そういうふうにユニバーサルサービス確保の信頼になっているんですよ。その点は、よく委員、話をもう少し当事者としていただいたらいいと思います。
  それから、プライスキャップ規制は、これはサービスが進んでいない状況じゃしようがないんですね、勝手に決められちゃ困るから。だから、上限を決めているのがこの制度でございまして、まだNTT東西の電話サービス等についてはシェアが依然として高うございますし、しかも、この料金をどう決めるかは国民生活や国民経済に大きな影響を与えると、こういうことから、我々はプライスキャップ規制は引き続き必要だと、こう考えておりますが、森元委員の言われるとおりなんですね。こういう状況の中ですから、そのプライスキャップのキャップ、上限についてどう決めるかということは、これはいろいろ考えなきゃいかぬ。そういう意味で、現在の電話市場の縮小といった市場の構造変化に留意しながら、まあ納得できる合理的なそういうものを作っていこうという、今後三年間それでいこうと、こういうことでございますので、現在、そこはいろいろ総合的に検討中でございまして、納得できるものにしたいと、重ねて言いますけれども、そういうふうに思っております。
○森元恒雄君 是非、そういう方向でこれまた御検討をお願いをしたいと思います。
  次に、NTTとNCC系の事業展開の違いについてお聞きしたいと思いますが、NTTは再編成されて、持ち株会社の下に、東西、コミュニケーションズ、そしてまたドコモ、データ等々、分社化され、地域割りあるいは事業分野割りに分社化されているわけですけれども、そういう中で、いわゆるアンバンドリング規制が掛かっておると思うんですね。
  それに対して、最近新たに事業を展開している他の一種事業者あるいはまた二種事業者の方々は、そういう事業の区分の規制がありませんので、すべての、あらゆるサービスを一体として提供する。しかもまた、そういう中で、料金体系についても、電話とインターネットあるいは放送というようなものを一まとめにして加入すれば割引になりますよというようなメニューを提供して顧客の獲得に頑張っておられると、そういう状況があるわけですけれども、こういう最近の時代の変化、状況の変化ということを考えました場合に、このNTTの今の分割の在り方ということをやっぱり再検討する時代になってきているんじゃないかというふうに思うんですね。
  特に、その中でもNTT東西については非常に厳しい規制が掛けられておりますけれども、これは時代にもう合わないんじゃないかと、こんなふうに思うわけですね。なぜなら、再編成したときの専ら頭の中にあったのは、従来の電話という世界を想定して今の分割が行われた。しかし、もう時代は、そういうことからインターネットの時代、ブロードバンドの時代というようなことで変わってきていると。
  私は、そういう中で、NTT、特に東西の規制について撤廃すべきじゃないかと、こういうふうに考えますが、その辺のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 平成十一年にNTTの再編成が行われましたけれども、この趣旨でございますが、まず、独占的な地域電気通信部門と競争的な長距離部門を分離をし、内部相互補助等の反競争的な行為を防止をする、もう一つが、東西間に比較競争を導入をして一層の経営の効率化を促進をする、こういうことによって公正競争を確保し、かつ料金の低廉化やサービスの多様化といったものの利益を国民に還元をする、こういうことで行われたわけでございます。
  ちなみに、NTT法に基づきまして業務規制があるというのは、特殊会社として、特殊会社並びにNTTとしての、NTT持ち株、そして東西の二社ということだけでございまして、NTTコミュニケーションズやあるいはNTTドコモ等につきましては、今日的な技術革新やインターネット、ブロードバンドのような環境には十分対応できることができると、こういうことになっております。
  ただ、NTT東西につきましては、先ほどの再編の趣旨にありましたとおり、業務範囲は原則、都道府県内に閉じた地域電気通信業務と、こういうふうになっているわけでございますが、これはユニバーサルサービスであります電話の役務を確実に提供する、それからNTT東西がボトルネックを持っている、ボトルネック設備を持っている、そのことによって市場支配力があると、こういったことを踏まえて公正な競争を確保しなきゃならないということで規制をしてきたわけであります。
  しかしながら、先般の法律改正、平成十三年のNTT法の改正によりまして、NTT東西につきましても、最近の技術革新やインターネット対応ということも必要であるというような観点で、利用者のニーズに対応した新たな事業展開を可能にしなければならない、そういう観点で、一定の要件を充足すれば、総務大臣の認可を受けて県間通信業務、言わば県を越えた新しい業務、俗に活用業務と呼んでおりますが、そういったこともできるというふうになっておりまして、実際に県間のIPサービスというものも実施をしてきているのが現状でございます。
  先生、今御指摘のありましたNTT東西の業務範囲の拡大に関する規律の在り方、どういうふうに規律をしていくかということでございますが、これは今後の具体的な事例を積み重ねた上で、電気通信事業の公正競争がちゃんと確保できるかどうかということを踏まえながら判断すべきものだと考えておりまして、現段階でまだ事例が一つしかないということでございますので、直ちに見直しを行うということは時期尚早ではないかというふうに考えております。
○森元恒雄君 今も話がありましたように、東西についても県を越えた通信を可能にする道を開いたと、こういうことですけれども、しかし、依然として西と東という大きな枠の中という規制が課せられていて、全国的に展開するというのは直接はできないというふうになっていますし、ましてや、国際的な通信はできないということですけれども、これはインターネットを考えたときに、全くそういう地域的に限定した中に閉じ込めるということは実態に合わないわけでありますので、状況を見ながら考えるというようなことをおっしゃらずに、やっぱり早急にこれは見直しを是非やるべきではないかというふうに思いますが、それは強くお願いをしておきたいと思います。
  最後に、長期増分費用方式、LRICについてお聞かせをいただきたいと思います。
  今、NTT東西のボトルネックになっています加入者回線のところについては、接続料の計算を法定化しているわけですね。その計算の方式は、改めて言うまでもありませんが、今の時点で利用可能な最も低廉で最も効率的な設備と技術を用いて瞬時に構築すると、言わば、およそ実際にはあり得ないようなケースといいますか、そういうものを前提として計算するというふうになっていますから、当然、投下した、実際に投下した資本を回収できないと、こういう状況であります。
  これは競争を促進するという意味では確かにいい方法かもしれませんけれども、提供させられる側からしますと、持ちこたえ切れなくなってしまうと。過剰に競争、競合する競争相手に自分の骨身を削ってサービスをする、こういう状態になって、これが東西の体力を大きく消耗させる、そしてまた、先ほど申し上げたように、新規投資をもうストップせざるを得ないという事態に追い込んでおるんではないかと、こういうふうに思います。
  そもそも、おかしいと思いますし、加えて、IP通信というような新しい技術が生み出されてきつつある中で、今後、交換機を用いたそういう電話ネットワークというものはもうあり得ないわけでありまして、そういうことからも仮定の計算するというのはいかがなものかなと。やはり実際に即したコスト計算をして接続料が幾らという算定をすべきじゃないかと。現に、アメリカにもこれは強く言われてこういう方式を導入したわけですけれども、アメリカを見ても、州内の長距離通話あるいは州際の通話は実際費用をベースにして計算しておりますし、それから市内電話についても長期増分費用方式を適用するとは言っていますけれども、実際にはほとんど適用されるケースはないと、こういうことでありますので、十七年以降はいわゆるLRICは廃止して実際費用に基づく算定方法に改めるべきではないかと、こういうふうに考えますが、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 森元議員言われるように、この長期増分費用方式とは、これは理論計算ですよね。最も効率的なというようなことを念頭に置いた理論計算でございますが、これを導入するのは大議論があって、御承知のとおりですよ。国内的だけでなくて外国まで入れて大議論があってこの方式が導入されたと、こういうふうに考えておりますし、なるほどアメリカはこれをストレートには使っておりませんけれども、これで計算した費用を言わば上限的に扱って、その範囲の中で事業者同士が合意すればそれを使うと、こういう方式なんですね、のようです、私はこれは聞いた話ですけれども。それから、ヨーロッパでは、英国やフランスではこの方式を導入していると。
  こういうことなんですが、今お話しのように、電話事業は、トラフィックが大幅に減少して既存電話網に対する投資が抑制されている、先ほどもお話ありましたが、大きな構造変化ですね。こういうことの中にあるもんですから、この方式をいつまでも守っていくのがいいのかどうか。
  しかし、アメリカからいろんな意見がありますよ。今年も相当意見がありましたけれども、はね付けたわけじゃないけれども、向こうの言うことはお聞きしましたけれども言うとおりにはしないというのが当方の考え方でございますから。私は、そういうことを言ったって向こう大分問題になりましてね、アメリカでは。アメリカの言うことを聞かないと。言うことは聞くんですよ、言うとおりにしないというだけなんです。言うことは聞くんですけれども、言うことを聞かないといった報道をされて、あれしたわけでございますけれども。
  そういうことでございますので、平成十七年度以降の接続料の算定方法については、十分いろんな観点を踏まえて検討してまいりたいと、こう思っておりますが、しかし、それによってやっぱり効率化の努力がおかしくなるようなことは具合が悪いので、その観点は十分しっかり持ちながら、どういう方式がいいのか検討させていただきたいと思っております。
○森元恒雄君 通信分野に限らず、やっぱり自由主義経済の基本であります競争条件も公正に整えていくということは政府の大きな役割だと思いますが、しかし今、この電気通信事業法に用いられている非対称規制というのは、一種の規制であります。できるだけこういう分野は、こういうことはなくしていくというのが基本だと思いますし、先ほども申し上げましたように、仮にそういう部分が競争条件を満たす上で必要だとしても、それは事後規制でやるべきだし、極力やっぱり独禁法の世界で対応できるところはしていくというのが原則ではないかと、こういうふうに思いますので、引き続きこの電気通信事業法のそういう面での改正、改善に向かって御努力をお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○高橋千秋君 民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。昨日まで個人情報保護法でずっと片山大臣と顔を突き合わせておりましたが、今日もまたよろしくお願いいたしたいと思います。
  今年の二〇〇三年四月七日というのは、実は手塚治虫の鉄腕アトムの誕生日なんですね。二〇〇三年を想像したあれは漫画で、あの中でずっと出ていたのが、手塚治虫というのはすごいなと思ったのは、インターネットに近いようなことはあの中で描かれておりました。ところが、あの中で見ると、電話は黒電話なんですよね。携帯電話はさすがに想像していなかった。今のこの、ほとんど一人一台持つような、こういう時代は想像していなかったようでありますけれども、片山大臣は携帯を、大臣は使っておられないということでございましたけれども、これだけ時代が変わってくる中でのこの法律改正だというふうに思いますが、全体的なことを考えると幾つか問題があるところもあると思うんですけれども、ITのこの普及ということを考えるとやっぱりこういう部分は避けられないところがあるのかなと思いますが、基本的な部分で、今回のこの改正、規制緩和ということでございますけれども、やはりだれのためにやっていくのか、なぜこういう事業区分の廃止とかそういうことをやっていくのかということの基本的な部分を、まず大臣からお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 基本的には、今回は、我々は規制緩和、競争と促進と、そうしながら公正さは保っていくと、こういう考え方でございまして、今、高橋委員からもお話ありましたように、昔には想像できないような大きな変化ですね。特に、インターネットの急速な普及を背景にしましてネットワークのIP化やブロードバンド化が進んでおりまして、いろんなビジネスチャンスができて、またそれを果敢にいろんな企業が挑戦していると、こういう状況でございますから。
  例えば、今の一種、二種区分も、昔なら一種が大きくて二種はそれを借りてと、大変分かりやすかったんですね。今は違うんですね。二種の方が大きくて、いろんなことをやってと、こういうことになっておりまして、一種、二種の事業区分を保っていくことに合理性があるのかと、こういう議論もありますし、経済団体の方からやめてくれやめてくれという大変な要請もございましたので、そういうことを含めまして今回は廃止して、規制の改革、規制改革を図っていくと、こういうことを考え、これによって電気通信事業の活性化を図ることにいたしたわけでありますが、各事業者にとりましては、より柔軟な事業展開を行うことが可能になるという点、あるいは事業者の創意工夫と活発な競争を通じて料金の低廉化やサービスの高度化、多様化が進み、一般消費者や企業ユーザーなど利用者にとっては大変なメリットがあると、こういうことがITを活用した我が国全体の経済構造を変えていって、経済の活性化に資して景気の回復につながっていくと、こういうふうに思っているわけでありますが。
  ただ、何でも規制緩和すればいいと、こういうものでもありませんので、ユニバーサルサービスは守る、ネットワークの安全、信頼性は確保する、重要通信は確保する、利用者保護のためのルールは作ると、いろんなことをあらかじめ教えると、こういうことについての制度も加えまして、全体として、制度全体としては我が国の利用者利便の増進を図ろうと、こういうものでございます。
○高橋千秋君 先ほど大臣の方から話があったように、業者にとっては参入しやすくなる。これ、いろんな競争ということを考えると、参入しやすくするというのは、これは私はそれはそれでいいと思うんですが、中身を見ますと、つぶれたときにやめるのも簡単になっているんですね。今まで、やめるときは許可が要ると、退出許可というのが要るんですが、これを見ると結局事後的に届け出ればいいということになっている。そうすると、今はそんなにはないとは思いますけれども、プロバイダーとかそういうところについても、知らない間に廃業になっていたと。自分は、月々あれプロバイダーでも引き落としで我々もお金を取られますけれども、知らない間にやめていて、これを見ると、事後的に、そのサービスやめましたということを例えばメールででも知らせればいいというふうになっているんですね。
  これは、大臣言われたように、利用者保護ということを考えるとちょっと行き過ぎの部分もあるのではないかなというふうに思うんですが、いかがなんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 今までは、これはそういうことをちゃんと周知徹底する必要なかったやつを、今回は、退去についてもそういうことの周知徹底を図ってくれと、こういうことにしましたから、私は仕組みとしては前進だと思っているんです、そこは。
  ただ、後はやり方ですね、やり方。本当に消費者の皆さん、消費者の利益に沿うようなやり方を是非考えてもらわなければならないなと、こう思っておりまして、制度をやってかえっておかしくなったということにならないように、是非そこは考えてまいりたいと思っております。
○高橋千秋君 私の地元の三重県は、ケーブルテレビが全市町村入ったんですね。普及率というか、まだ全戸というわけじゃないですが、全市町村で利用が可能になって、私の家もそうで、田んぼのど真ん中ですが、ケーブルテレビで見ております。インターネットのサービスも、ADSLが十二メガということで今宣伝しておりますが、私の地元のそのケーブルテレビは三十メガなんですね。非常に高速に今なっていて、そんな田んぼのど真ん中でもブロードバンドで今見ているという状況です。
  その中で、その地元のZTVというケーブルテレビ会社なんですが、そこがZフォンという電話を始めたんです。これは、Zというのは、私は津市ですから、ツというのはZだけなんですよ、津というやつが。それでZフォンなんですが、そこのケーブルテレビに加入している同士は月五百円払うと電話代がただなんですよ。それは安いから当然そういうのを使うようになっていくと思いますが、そうなってくると、さっきのやめていくという話ですが、新規参入どんどんどんどんしてくるのはいいんですけれども、これだけ競争が激しくなると、どんどんどんどんまたいつの間にかやめていくというようなことになってくるんだろうと。
  そして、さっきも森元委員の方から質問ありましたけれども、NTTが本体の方がもう大変な厳しい経営状況になってきていると。まあ競争ですから致し方ないところもありますけれども、やっぱり基盤は守っていかないと、競争競争って言っている間にいつの間にかぐちゃぐちゃになってしまっては、これは全く意味のないことだと思うんですね。
  その意味でも、やっぱり利用者保護ということをいろいろな部分で考えていかなければいけないと思うんですが、今回のこの法案見ても、そういう利用者の保護の部分が少し弱いんではないかな、説明責任というかそういう部分、苦情処理だとかいろんなことが出てくると思うんですけれども、この事業者への対応についてどのように考えておられるのか、御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今回の改正におきましては、ただいま委員言われましたように、競争環境を整備をする、非常に競争事業者、事業者が競争的に入ってくるということでございまして、なおかつ基本的には事後規制というような枠組みになっております。
  ただ、そうなりますと、競争事業者は一杯ある、あるいはサービスは一杯あるんだけれども、利用者につきましてはどこに何があるのか、どういうサービスがあるのかということについてよく分からない。苦情がよく聞かれますけれども、その中で、事前に十分に説明を受けていない、あるいは思わぬ請求があるというような苦情も多いわけであります。
  したがって、今回は、これまで二種事業者、ISPなどの二種事業者につきましては法律上の利用者保護ルールというものはありません、の適用はありませんでしたけれども、今回は事業の休廃止に際する事前の周知義務であるとか、あるいはサービス内容に係る重要事項の説明義務であるとか、あるいは利用者からの苦情や問い合わせに対する処理義務であるとかといったような点を法律に明記をして利用者保護のために措置を講じると、こういうふうにしているところでございます。
○高橋千秋君 先ほどケーブルテレビ三十メガという話ししましたが、今後はやはり光ファイバーになっていくと思うんですね。もう既にあちこちで普及始めておりますし、テレビでも宣伝していますけれども、まだまだそう普及しているということではないと思うんですが、今回の改正で、この光ファイバーの設備が指定電気通信設備とされているわけですけれども、見直しがこの法律にはこの光ファイバーの設備については入っていないんですが、これについては電力会社なんかはかなり一杯光ファイバー持っていますが、電力会社は既にPHSなんかやっていますけれども、こういう光ファイバーの事業も今後積極的にやってくると思うんですね。
  ある意味、NTTの方はいろんな規制の中でやってくるわけですけれども、今回のこの改正の中で見直しが入っていないんですけれども、これについてその見通しどうなのか。そして、NTTにとっては同条件じゃないということでちょっと厳しい、ただでさえ経営状況厳しい中で、将来的なことを見てもこの光ファイバー事業を見ても、同じようなことでいくと余計厳しくなってしまうのではないかなというふうに思うんですが、これについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 光ファイバーの扱いにつきましては、これは省令で第一種指定設備に指定するというような枠組みの中でございますので、指定、光ファイバー設備を指定するかどうかというようなことについて、今回の法案には、法律改正のものには掲げるものではございません。
  ただ、先ほど森元議員からの御質問に対しまして副大臣からお答えをさせていただきましたように、光ファイバー網につきましては現時点でなおボトルネック設備であると、したがって第一種指定設備である、こういう枠組みの中で運用しているわけでございますが、現時点で判断する限り、まだその指定を外すというような状況にはない。ただ、今後の競争状況の進展等を踏まえながらそれは検討していくものではなかろうかと、こういうようなことと考えておるところでございます。
○高橋千秋君 昨日の個人情報保護法案の審議の中で総理が、もう我が国はインターネットの接続は世界一安いんですよといってえらい力んで言っておられましたが、本当にそうなのかなということと、今回の中で契約約款が廃止されるという部分がありますね、ユニバーサルサービス除きということですが。こういうところでインターネットの通信料金の部分、更に引下げになっていくんでしょうか。世界一安いんですよというようなことで誇っているだけじゃなくて、やっぱりこれはまだまだその部分も考えていかなきゃいけないと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今の我が国のインターネットの接続のための利用者料金でございますが、最近の国際比較、この前ITUの方での調査報告が発表されましたけれども、現段階でいいますと非常に、三十メガまでのスピードまで視野に入れますと現段階で四千円台でございまして、これは世界一安いと言っていい状況にあるんではなかろうかというふうには思っております。
  そういった中で、今回、この新しいサービスにつきましては契約約款の届出義務も廃止をいたします。つまり、競争的なサービスにつきましては、これは相対契約も含めまして規制緩和をするということにしております。したがって、競争が公正に行われる限りにおきまして料金の低廉化は更に期待できると、このように考えておるところでございます。
○高橋千秋君 契約約款というのは、いろんなもの買っても契約約款いろいろあって、細かい字で延々書いてありますからほとんど読まないようなものが多いんですけれども、さっき言われたように、公正な競争の中ではという話ですが、冒頭に申し上げましたようにいろんなところが入ってくるわけで、なかなか、性善説でちゃんとやってくれるんだというふうに思っていればいいんですけれども、そうではないところも出てくると思うんですね。ですから、そういう部分はどうなのかなというふうに思いますし、それから、さっき四千円ぐらいということで世界一安いというお話ありましたが、携帯電話も含めて、今の日本の景気が伸びないのは、携帯電話のお金がみんな高過ぎてそっちにお金使うからほかのものが買えないとかいうような話もあったりするんですね。まだ、随分安くなったと思います、しかしまだまだこれは見直していかなきゃいけない部分もあると思うんですが、日本のインターネットの普及を更にさせていくためにはいろんな施策も要ると思うんですが、総務省としていろんな部分、まだまだ普及させていくために何か考えておられますでしょうか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 先ほど、我が国のインターネットの料金は世界一安いという趣旨のお話をさせてもらいましたけれども、インターネットを支える基盤につきましても我が国は相当進んでいるというようなことでございます。
  先般、政府全体で策定を進め、作業を進めております新IT戦略、これにおきましても、インフラを整備するということはもちろん必要でございますが、それに加えまして、どうそれを利用するかということについて政府を挙げて、国を挙げて取り組む必要があるというようなことで具体的な課題が提起をされております。
  総務省といたしましても、こういった競争、今までの競争環境の整備というようなことを通じた通信料金の低廉化あるいはサービスの高度化、多様化ということを図りたいと思っておりますが、加えまして安心して安全にインターネットを利用できるという環境をも実現しなきゃならない、そのための研究開発もしなきゃならないというふうに思っております。
  また、先ほど議員から携帯電話が高いというお話がありましたけれども、現在、固定発携帯電話というのが非常に高いということでございまして、これはいわゆる料金設定権が携帯側にあるという、こういったことで今議論になっているところでございます。先般、研究会、研究会等で議論をしていただきましたけれども、その料金設定権を一定の条件の下で固定側に移すということによって、これまですべて携帯電話が決めておったというような決定権が他に移るということでございますので、固定電話からの発信される携帯電話料金も競争裏に置かれる、したがってその中で料金も安くなるというようなことが期待されておるということでございまして、もろもろの施策を打ちながら新しいインターネット時代に対応していきたいと、このように考えているところでございます。
○高橋千秋君 いろんなことをやっぱり考えながら普及させていかなきゃいけないと思いますし、つい先日の報道なんかを見ても、まだまだ日本のインターネットの普及率という、まあ人口が多いわけですから台数はそれは多いかも分かりませんが、普及率でいうと随分まだ後れているように思いますし、諸外国へ行ったときでも、その普及率もそうですが、使い方というか、先日、カナダへ行ったときに非常に上手に使っているなというふうに思ったんですね。その意味で日本はまだまだ後れているなというふうに思います。
  大臣も、大臣はメールやられるんですか。インターネットやられます。
○国務大臣(片山虎之助君) やります。
○高橋千秋君 携帯電話は秘書さんが使っておられるということですが、是非率先して大臣がそういうことも使っていただきたいなというふうに思います。
  それで、私の時間はそんなにございませんので、次移りたいと思いますが、今回の中で一つ、目玉になるのかも分かりませんが、技術基準適合認定制度、自己確認制度というのがあります。今まで公益法人で、何というところでしたっけ、財団法人電気通信端末機器審査協会ですか、ここがずっと技術の検査をしてきて、数年前に二社ほど新たに入ったということなんですが、法制度が変わって。今回、メーカーが自分のところでやれるようになったりとかいろんな、これも規制緩和だと思いますけれども、ここの財団法人電気通信端末機器審査協会というのはどういうところで、これ、総務省からもう何人か天下りというか、行っているようでありますし、どういう状況なのか、収支の状況とかその辺、簡単で結構ですが、御報告いただけますでしょうか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 財団法人の電気通信端末機器審査協会でございますが、全体の役職員を含めまして十三名の体制でやっておりまして、今お尋ねの郵政省、旧郵政省との関係でございますが、常勤役員のうち三名中の二名が旧郵政OBであります。職員のうちの十名中一名が旧郵政のOBというふうになっております。
  それから、この業務でございますが、平成十三年度におきまして、基準、技術基準認定適合、技術基準適合認定の取扱い件数、これは約千六百件ございまして、これはすべて同協会が行っているところでありますが、平成十四年度におきまして、こういった市場そのものが縮小しておりまして、およそ千三百件になっております。
  ただ、ただいま議員御指摘になった、ありましたように、競争的な状況になっておりまして、同協会の取扱い件数は今およそ千三百件のうちの千二百件ということでございまして、事業収入も現時点で見ますと一五%減収になっていると、こういうような状況にございます。
○高橋千秋君 私も事前に数字をいただいたんですが、年間千四、五百件の検査なんですね。今回、こういう規制緩和でよそも入ってくるのかも分かりませんが、ただ、そうもうかるような事業ではなくて、十数人の職員でやっておられるということなんですが、私は、この審査協会自体がもう要らないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、今後の見通しとか、その辺どうなんでしょうか。私は、もう民間もできるようになるし、ほかにも二社入っているようでありますけれども、廃止してもいいんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今回の改正によりまして、技術基準適合自己確認制度というものが導入をされるわけでありますが、こうなりますと、今の千三百件以上に自分でユーザー等ができるということでございますので、当然にして、その件数、扱う件数や事業収入というものは減少するということが見込まれるわけでございます。
  ただ、実際のを見ますと技術適合、技術基準適合自己確認制度を活用できない、そういった製造事業者等もいるわけでございまして、そういった面におきますと、登録認定機関による技術基準適合認定という制度がございます、を作りますが、それが必要である。そういたしますと、この機関、この協会が登録認定機関として一層の業務の効率化を図る、あるいはコスト削減を図るというようなことでこの認定業務を引き続き行うべきと、このように考えているところでございます。
○高橋千秋君 この自己確認認定制度というのは、どこかほかのところでもやっている例というのはあるんでしょうか。
  さっき、そういうのができない小さな企業もあるというような話ありましたけれども、それならそれで民間にアウトソーシングしていけばいい話だと思うんですが、あえてこんな公益法人、今はただでさえ批判一杯あるわけですけれども、残しておく必要ないと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 自己確認制度、ほかの分野ではあるのかという、まず最初の御質問に対してお答えいたしますが、これは例えば電気用品の、電気用品安全法におきます電気用品、電気スタンドであるとか電気かみそりであるとかというようなものでございますが、それとガス事業法におけるガス用品、例えばガス消費量の少ないガス瞬間湯沸器であるとかというようなことについて、ほか十分野についてのものがございます。
  ただ、こういったものにつきまして、電気通信分野におきましても、今、議員お尋ねの、御質問のように、どういうふうに扱うかというようなことにつきましては私どもも大変重要な課題だと思っておりますが、直ちに廃止をするとかあるいは民間に任せるとかというような状況にはまだないと、このように思っておりますが、重要な課題としては受け止めております。
○高橋千秋君 直ちにというか、これだけITがどんどんどんどん変化している中で、やっぱりそういう部分も早急に考えていかないと時代に付いていけないんじゃないかなというふうに思うんですね。
  細かい話、いろんな技術的な話もこの後の内藤委員にいろんな質問が出ると思うんですが、私は基本的に、日本が生き残っていくには、昨日も個人情報保護法の審議の中でもいろいろ出ておりましたけれども、情報産業というのはやっぱりこれから日本を救う唯一の産業ではないかなというふうに思うんですね。大変、情報というのはこれから価値が更に高まっていくでしょうし、我々が使っていかなければいけない武器だというふうに思います。
  アメリカがあれだけ不況の中で復興したのは、やっぱり情報産業ができたからだろうというふうに思います、マイクロソフト等を含めて。アメリカなんか見ると、電話の状況なんか見ても、やっぱりあの不況当時、いろんな電話会社が出てきて、で、またつぶれたりとかいろんな再編があったりとかありました。しかし、やはりその情報産業というのは大事だということを考えて、政府が音頭を取って積極的にやってきたおかげでアメリカが景気が良くなってきたんだろうというふうに思います。
  その意味で、やっぱり日本もこのIT、情報という部分を重要だというふうにもう片山大臣も常に言われておりますし、総理も何度も言われておりますので、それはもう認識は同じだろうと思いますが、やはりそれに伴って改正していくに当たって、さっきこういう公益法人とかいろんなまだまだ制度的に後れている部分、それから中央官庁が権益として持とうとしているような部分が阻害になっている部分、随分あると思うんですね。やはり、そういう部分を見直してこそそういう本当に時代に付いていけるものだというふうに思いますので、そういう部分を是非見直していただきたいということを要望して、そして御感想あれば大臣から一言いただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 高橋委員言われますように、情報通信、放送事業というものは今後の我が国経済の中心になる、また活性化する上での推進力になる分野ですね。今シェアも一番大きいんですよ、情報通信、放送分野が。そういう意味でも、できるだけ不必要な規制等を改革しながら競争を促進して、新しいビジネスチャンスを作って、意欲あるベンチャー企業に参入してもらってこの分野を活性化して、是非そういう意味での日本経済の活性化を図ってまいりたい。
  しかし同時に、NTTという存在は良くも悪くも大変な存在なんですよ。これはこれでやっぱり大切にしながら、しかし競争の方では協力してもらうと、こういうことでひとつやってまいりたいと、こう思っておりますので、よろしく御指導のほどをお願いいたします。
○高橋千秋君 終わります。
○内藤正光君 おはようございます。民主党・新緑風会の内藤でございますが、私も大臣とは先週から個人情報の審議でずうっと毎日お付き合いさせていただきました。また今週は、今日が最後だと思いますが、どうかお付き合いをいただきたいと思います。
  個人情報保護法の審査では、最終盤で私の方から提出させていただいた修正案、すべて否決されてしまったわけではございますが、ただ審議の中で大臣は本当に、恐らく事務方がはらはらしたであろう、本当に責任ある答弁、大臣としての、そしてまた政治家としての答弁をいただいたかと思います。私は、やはり大臣というのはそうでなければならないと。ですから、今日の審議においても是非先を見据えた答弁をいただきたいと思います。
  まず冒頭、ちょっと事前通告をしていないので局長にちょっと答弁をいただければと思うんですが、森元委員の方からプライスキャップ制の問題点、数々指摘をされて、そして大臣がいや見直ししていかなきゃいけないという答弁をされました。森元委員が指摘されたのは、デフレというものは元々想定していなかったというのと、技術革新、つまり電話からIPというこの移行を、急速な移行を全くもって想定していなかった、そういうような問題があるということを指摘されたわけでございますが、私はまだまだ問題あると思います。
  このプライスキャップというのはそもそもが公共料金に係る料金規制だと思うんです。公共料金というのは独占状態なんです。要は、生産性向上が働かない中での料金規制なんですよ。ところが、この情報通信の分野というのは果たしてそうなのかといったら、大臣が正におっしゃったように、インターネットの世界では世界で一番安いわけです。つまり競争なんです。プライスキャップというのは、そういった規制というのはやはりこういった分野ではもう時代錯誤的なんだと思います。ですから、そういった意味でも、このプライスキャップ制というのは早急に私は取り払っていくべきものだと思います。
  最初は局長だとおっしゃったんですが、やはりこれは大臣のやはり責任ある答弁をいただきたいんですが、そういった意味でも早急に見直しをしていっていただきたいと思いますが、大臣の答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 先ほども森元委員の御質問に答えさせていただいたんですが、元々、言われるとおり、公共的な料金というのか、競争がない分野の、勝手に決められちゃいかぬということの発想でございますけれども。
  競争状況ではありますけれども、しかしまだまだ、先ほども言いましたが、NTTさんというのは巨大なやっぱり存在、パワーがあるというようなことを含めまして、まだプライスキャップを直ちにやめるというところまでは我々も踏み切っておりませんが、ただその上限設定については、これはいろんな状況変化を考えて納得がいく範囲でなければならないだろうと。全体としての仕組みも、それは今、内藤委員言われるように、これまた状況変化の中で考えていくと。必要がなければやめればいいんですから。まだ我々は必要があると思っておりますけれどもね。その辺の判断だと、こういうふうに思っております。
○内藤正光君 今すぐやめるわけにはいかないが、しかしデフレを全く想定していないだとか技術革新とか、そういった要素を加味した方式に見直していくということはお約束していただけるわけですね。
○国務大臣(片山虎之助君) だから、上限設定については、そういうことを加味した納得ができるものにしていく必要があると思っております。
○内藤正光君 是非そういった環境の大きな変化を踏まえて、制度の改正、ちゅうちょすることなく適時的確に進めていっていただきたいと思います。
  では、通告した問題に、質問に移らさせていただきたいと思いますが、今日は公取委、公正取引委員会さんにも来ていただきますが、総務省、そして公取委、両省からのいろいろな答弁をいただきたいと思いますが、まずは規制というものに対する基本的な考え方についてお伺いしたいと思いますが、今回の法改正、一言で言うならば一種、二種という区分規制の廃止、一言で言えばこれ簡単に済んでしまうんですが、しかしこれは大改正だと私は思っております。もっと言うと、今の時代の流れ、事前規制から事後規制という大きな流れの中に乗っかった改正だというふうに私は思っておりまして、そういった意味からも私は評価をしております、一定の評価をしております。
  そこで、まず総務省、そして公取委という順番にお伺いしたいんですが、今回の法改正に対する評価についてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今回の改正でございますが、これはインターネットの急速な普及等の電気通信市場の市場環境の変化、これを踏まえまして、ただいま議員御指摘のような一種、二種の事業区分を撤廃をする、また料金あるいは約款規制の原則廃止をする、あるいはそういったことで電気通信事業法全体、制度全体を抜本的に見直すというようなことでございます。
  どういう効果があるかということでございますが、一つは、各事業者にとってはより柔軟に事業展開を行うことができるようになる。それから、事業者の創意工夫と活発な競争を通じて料金の低廉化やサービスの高度化、多様化というものが進むことが期待できる。そして、次に、一般消費者や企業、ユーザーなどの利用者にそのメリットが還元される。ひいては、ITを活用した我が国の構造改革あるいは経済の再活性化にもつながるというように期待をしております。
  その一方、ユニバーサルサービスあるいはネットワークの安全性、信頼性、さらには重要通信の確保、利用者保護のためのルールの整備というようなことを行っておりまして、全体として我が国の利用者利便の増進を図る、こういうようなことであるというふうに私どもは受け止めているものでございます。
○政府参考人(上杉秋則君) お答えいたします。
  公正取引委員会の観点から申しましても、電気通信市場の発展というものは、競争を通じた技術革新、それから事業者による創意工夫の発揮と、こういうことが非常に重要だというようなことでございまして、できる限り市場メカニズムが生かされるような、そういう在り方が望ましいというふうに考えております。
  私ども、過去何回かにわたりまして電気通信事業における競争の在り方についての検討を行ってまいりまして、今回の電気通信事業法の改正案というのは、そういう中で私どもとして提案させていただいておりました一種、二種の事業区分の撤廃でございますとか、料金、約款規制の緩和でありますとか、あるいは参入規制の緩和というようなことが盛り込まれておりまして、私ども、競争政策の観点から評価されるものだというふうに考えております。
○内藤正光君 ありがとうございます。
  それを受けての質問ではございますが、総務省はこれまでこの電気通信市場分野における規制の在り方についてボトルネック性があることなどを理由に事前規制を正当化されてきたわけでございます。事前規制、数々あります。今回、緩和することになる、撤廃することになる一種、二種の区分規制であったり、あるいはまたNTTに対する非対称規制であったり、事前規制がかなりある。今の現在の通信行政の根幹は事前規制と言っても過言ではないぐらい、それぐらい多くのものを持っているわけでございます。
  しかし、電気通信分野の特徴は何なのか、これ一言で言えば目まぐるしい変化だと思います。一年前のことはもう既に古くなっている。もっと言えば、数年前だれがこれだけADSL、普通の人が十二メガものADSLを使うような、家庭で使うような状況を想定していたかというと、ほとんどの人が想定していなかった。というように、もう一年、二年たてば状況は一変するのがこの電気通信の分野だと思います。
  それこそ第一種、第二種だって、なぜ、今までは第一種というのは自ら設備を持っている事業者だから大きいに違いない、したがってユーザーに与える影響は大きいに違いない、こういった前提で第一種に対しては重い規制を掛けていたんだろうと思います。ところが、今この常識が大きく覆った。
  例えば、ニフティだとかビッグローブ、あるいはヤフー、二種ですよね。片や、一ローカルのケーブルテレビ事業者、たとえ加入者が数千しかなくても、あれは第一種ですよ。どちらが影響力大きいかというと、やはり第二種のヤフーだとかビッグローブだとかニフティの方が大きいわけです。
  そこで、つまり、矛盾が大きくなってきたから変えざるを得ないということだったんですが、こういうふうに事前規制というのはどうしても後追いになりがちなんですね。この目まぐるしい環境変化に追い付いていけないんです。事前規制というのは、あらかじめ事態を想定して官僚が作るんです。ところが、もう一年、二年たてば状況が一変するから、事前規制、そのときにはもう全く前提条件が変わっちゃっているから矛盾がそこで出てしまう。
  そういったことを踏まえて、問題意識を踏まえて、そもそもこの電気通信分野における規制の在り方というのは本来どうあるべきなのか、それぞれからお尋ねしたいと思います。ちょっと、大臣から。
○副大臣(加藤紀文君) 内藤委員御指摘のとおり、この電気通信分野というのは本当に目まぐるしい動きでございますが、総務省といたしましても、これまでにも料金や規約約款の届出化等、随時、規制の合理化を図ってまいったところでありますし、今、委員御指摘のとおり、電気通信分野、特別といいますか、いわゆるボトルネック設備が存在するという特殊性を有することから、やはり公正競争条件を確保するために事前規制が必要であるということで維持していきたいと考えておるわけでありますし、また競争促進とは別の観点から、国民に必要不可欠なサービスであるユニバーサルサービスの確保、また国民の生命、財産の保持に必要となる重要通信の確保、ネットワークの安全、信頼性を確保し、利用者保護を図るための技術基準の維持など、社会的に必要な最低限の事前規制がやはり必要であろうと考えております。
  今後とも、市場の状況に応じて、必要な事前規制の規律については維持し、また公正競争の確保や利用者利便の確保に努めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(上杉秋則君) 今日、事前規制から事後チェック型の行政の在り方というところがいろいろ主張されているわけでございますけれども、独占禁止法というのは典型的な事後チェック型の規制ということでございまして、要するに、私どもの行政というのは、あらかじめ一定の禁止行為を定めておきまして、違反があれば事後的にそれを是正させるための規制を掛けていくということでございまして、こういったやり方の方が市場メカニズムがより有効に機能すると。それから、事業者の自由な活動の余地といいますか、自己責任とかいったような観点からも望ましいんではないかというふうに考えているところでございます。
  とりわけ、今指摘がございましたように、市場の状況の変化が非常に早い電気通信事業におきましては、やはり事前の規制というものはボトルネック等の必要最小限のものに限りまして、私が申し上げましたような、事後的に介入するというような規制の在り方を基本とすべきではないかと、それが望ましいんではないかというふうに考えております。
○内藤正光君 やはり私は、規制の在り方としては公取委がおっしゃったようなことが私は正解だと思うんです。社会的に必要な、必要最低限の規制という割には余りにも多過ぎるんですよ、これからいろいろ議論させていただきますが。これこそが正に市場の可能性を摘んでしまうんですよ。これから無線LANが、アクセスが、無線アクセスが登場したり、光ファイバーによる多様なサービスがこれから生まれようとしている中で、総務省が描いたこの秩序の中で、秩序に基づいた規制でがんじがらめにしちゃうと、これらの可能性を全部摘んじゃうんですよ。
  やはり、基本的には、私は、一定のルールを設けて、そのルールに背いたなら罰則を加えるというようなやはり事後型チェックに、早急にそれを基本として移行していくべきものだと思いますが、そこで公取委さんの方から独禁法という言葉が出てきましたが、しかし、独禁法がある一方で、現にこの通信分野には事業法というものが厳然としてあるわけです。この存在を踏まえながら、公取委さんとしては今後どういうこの分野で役割を果たそうとされているのか、役割分担を果たそうとされているのか、そのお考えについてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(上杉秋則君) 今回の法改正に限らず、電気通信事業分野におきまして規制が緩和されてきているということでございますので、当然、分野横断的に適用され、競争の基本ルールである独占禁止法というものが電気通信事業分野において果たす役割というのは一層重要になっていくだろうというふうに考えているわけでございます。
  具体的には、やはりそういった独占禁止法が適用されるような領域におきまして、行為について迅速に違反行為を摘発する、処理していくというようなこと、その前提として、どういう場合が独占禁止法に違反するかが不明確でありますと遵守のしようがないということになりますので、そういった考え方をできる限り明らかにして、そういった問題がないような未然の防止を図っていく、それを通じて競争的な環境がより一層高まるようにしていくということだと考えております。
  ただ、今御指摘のように、事業法という規制の体系もございますし、独占禁止法による規制も受けるということでございますので、事業者側に無用の混乱を招くようでは自由かつ濶達な競争というのもままならないということになりますので、私どもも総務省との間でいろいろ意見交換、調整を行わせていただきまして、最大限の調整を図って、効果的に公正な競争を促進していくことが今後とも重要であるというふうに認識しているところでございます。
○内藤正光君 更にまた局長にお尋ねしたいのはその点についてなんですが、何点かお伺いしました、現在取り組んでいること。で、もっとあればということなんですが、公正競争を確保するために、当然のことながら電気通信市場分野においてですよ、公正競争を確保するために、現在、公取委さんの方が取り組んでいる施策、そしてまたその体制、更に言えば、今後の展開ですね、どのようにお考えになられているのかお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(上杉秋則君) これは平成十三年四月以降でございますけれども、やはりこの分野におきまして提供される独禁法上問題ではないかというような情報というものが、通常の私どもの審査の手法を取っておりますとどうしても時間が掛かる。半年から一年ぐらい掛かってしまうというようなことではこの分野の問題に対応できないんではないかという意識に基づきまして、IT・公益事業タスクフォースというものを審査局内に設けまして、できるだけ迅速に問題を排除していくという考え方で取り組んでいるところでございます。
  具体的には、ちょっと古くなりましたけれども、ADSL事業者の新規参入の妨害の案件でございますとか、あるいは保安器の取替え工事、収容替え工事に係る取引妨害等についての警告事案等の処理も行っているわけでございます。
  それから、先ほどの、このようなやはり迅速な対応というものが大事だと。そのためにはやはりある程度専門的な知識を持った人間をそういう部局に置いておく必要がある、そういうような取組を行っているところでございます。
  それから、私どもは総務省との間で共通のガイドラインといいますか指針を設けておりまして、新しい時代の中で新しい対応が必要ということにつきましてその中で明確にして、それを守っていただくというようなことを通じて、この分野における自由かつ公正な競争が促進され、企業の創意工夫が発揮されるように持っていきたいというふうに考えているところでございます。
○内藤正光君 では、これからちょっと個別具体的な話をさせていただきたいと思います。
  先ほどから申し上げております事前規制というのは環境変化にやっぱり合わない、ずれが出てくるということを申し上げたわけでございますが、やはりその典型的なものの一つとして、光ファイバーに関する指定電気通信設備規制なる事前規制なんですね。そのことについてお尋ねしたいと思いますが、ちょっとこれ事前通告していないんですが、ちょっと、若干、基本的な話でございますので、何点かお尋ねしたいと思います。
  この指定電気通信設備規制の根拠法は当然のことながら電気通信事業法にあるわけで、三十八の二、かいつまんで読んでみますと、こういうふうに書いてあるんですね。すべての同種の伝送路設備の電気通信回線の和のうちに占める割合が総務省令で定める割合を超えるもの、これは五〇%なんですね、五〇%と定められているんですが、省令で、を電気通信設備として指定することができる、すなわちこれが指定電気通信設備規制なる事前規制なわけでございますが、結果として、今、光ファイバーもその範疇に入ってしまっているわけですが、こういった規制を設けたその趣旨はそもそも何なのか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) お答えをいたします。
    〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
  先ほどボトルネック設備というような観点でのお話がありましたけれども、正にこのいわゆる市内網、加入者網のところについてのボトルネック設備というものについて、これをどこまで認めるのか認めないのかというようなことでございます。
  現時点においてはその光ファイバー網につきましては、いわゆるこの法律に言います不可欠設備、不可欠性。つまり、他事業者がサービスを提供する上でどうしてもNTTの加入者網を使わないとビジネスができない、政策的に見ますと競争が生まれない、こういう観点でどこまで指定をするのか。従来はメタルというのがメーンでありましたけれども、実際の加入者線網を見ますと、その使われ方等においてメタルも光ファイバーも相違はない。したがって、先ほど委員御指摘ありましたすべての同種の伝送路設備という観点におきまして、光ファイバーとメタルは同じくくりで計算をして、指定をしておるというようなことでございます。
○内藤正光君 つまり、光ファイバーはボトルネック性があると。特に、現在NTTの光ファイバーにしかこの規制は掛かっておりませんから、NTTの保有する光ファイバーにはボトルネック性があると。どの事業者もみなこの光ファイバーを使わなければ事業展開ができないから、それが趣旨なわけですね。
  でですね、ちょっと確認させていただきたいんですが、この規定は一体いつぐらいできたものなんでしょう、局長。何年できたか、当然御存じだろうとは思いますが。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 一九九七年でございます。
○内藤正光君 そうですね、一九九七年ですね。今をさかのぼること六年前ですね。六年前をちょっと振り返ってみたいと思います。光ファイバーがどれだけあったのか。基本はメタルだったんですよね、当時はですよ。正にIT革命前夜と言ってもいいぐらい、そういう時期だったんです。メタルが主体で光ファイバーほとんどなかった。つまり、この規制というのは、そもそもがメタルを前提としたネットワークのオープン化政策だったわけですよ、この九七年当時の作られたこの規制はね。そういったことをまず認識すべきだろうとは思います。
  そして、そういったメタルを想定した規制ながらも、当然、環境は大きく変わってきた。時代はメタルから光ファイバーへと大きなうねりを持って変わってきた。そして、結果的にこれ材質を指定していなかったから、元々はメタルを想定したものであったとしても材質を全く指定していなかったがために、結果として光ファイバーが引っ掛かっちゃっているということですよね、この法の網に、規制の網にね。ところが、光ファイバーというのは、これからIT革命の主役ですよ。
  で、私は、こういった事前規制がたまたま環境変化に合わせて変えなかったがために現在光ファイバーに引っ掛かってしまっている。本当にこんなことでいいのか。まず、ちょっとぼわっとした質問ですが、その辺のことをお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) この設備の指定でございますが、技術としてはメタル回線というものがあったということは承知をしておりますが、仕組みとしましては、加入者網というものについてこれがボトルネック性があるかないかというようなくくりで考えておりまして、必ずしもメタルだけを前提にして指定設備であるかどうかを考えていたわけではないわけであります。
  したがって、素材につきましていろいろ時代によってあるいは技術革新によって変化はあるということは、とりわけ制度を作るときに必ずしも明確ではなかったかもしれませんけれども、しかし実際問題としては加入者網が独占的である、あるいはボトルネック性があるというようなことで、これは省令等で定めておりますが、オープンな場で議論をしてパブリックコメントを求めて、現時点におきましては光ファイバー網についても設備についても、これは指定電気通信設備として現在認知をされていると、こういうように理解をしておるところでございます。
○内藤正光君 局長は随分自信を持ってNTTの光ファイバーは独占性があるとかそういうことをおっしゃっているわけなんですが、まあボトルネック性があるとおっしゃっているんですが。
  そもそも、この法案、もうちょっと前を読んでみますと「全国の区域を分けて」とありますが、この指定電気通信設備規制の在り方というのは、都道府県単位なのかあるいは全国単位なのか、どちらで見ているんでしょう。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 省令で考えておりますけれども、現時点の指定は県単位で見ているものでございます。
○内藤正光君 そうですね、これは東京なら東京で見る。全国で見るんではなくて、東京なら東京で見る、北海道なら北海道で見る。都道府県で見るということは省令でちゃんと明記されております。
  であるならば、当然のことながら有力な光ファイバー事業者の伝送路長は、光ファイバーの長さは、総務省把握しているはずですよね。ところが、ちょっと妙なことに、私はこの質問を前提に総務省に問い合わせをしてみた。そうしたら全く把握していないと言うんです。これはどういうことなんでしょう。つまり、法律違反に基づいて裁量でもって行政を行っているということですか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 省令で一定の数字を決めておりますけれども、これは平成十三年三月末の現在で全加入者回線における占有率について、その事実に基づきまして指定設備の指定を行っているということでございまして、いろいろな数字がございますが、現在の法律に基づく基本的な数字は全加入者線においてどのぐらいの占有率があるかということをベースに決めているということでございます。
○内藤正光君 ちょっとよく分からないんですが、要は、じゃ、都道府県別に主要な事業者の光ファイバーの保有長というのは総務省持っているんですか、持っていないんですか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 各事業者からの報告は受けております。
○内藤正光君 報告は受けているとおっしゃいましたが、私は取り寄せようとしても持っていないと、把握していないという答えだったんですが、どういう、その食い違いは何なんでしょう。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 先ほどから申しましたように、この指定設備の基準というものはあくまでも加入者回線数ということでございまして、今、先生言われましたようなケーブル長であるとかというような、あるいは保有状況であるとかということにつきましては報告を求めているものではございませんので、把握をしていないということでございます。
○内藤正光君 これ、ちなみに言います。全国では出ていますよね、全国では。で、改めて言うまでもないと思います。NTTが持っている光ファイバーよりも圧倒的に多くの光ファイバーを持っているところがありますよね。それは事実としてあると思います。
  で、これ、でも回線数ということで、加入者数、回線数でこれはカウントしているんですか、この法律は。長さでなくて。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 現時点では、あくまでも全加入者回線数ということで指定をしております。
    〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
○内藤正光君 その回線数、ちょっともっと詳しく教えてください。実際に使われているものなのか、あるいはまた実際使われていないものも含めての話なのか、その点もうちょっと明確に言ってください。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 実際に使われている回線数でございます。
○内藤正光君 実際に使われている回線数ですね、ですよね。
  それ、ちょっとおかしくないですか。持っていても、同じ量を持っていても営業努力したところは当然増えるわけですよ、加入者回線数。営業努力していないところは当然増えない。また、主力としていないところはそこは当然増えない。
  何でこれ、実際の加入者線数、使われている加入者線数でやるんですか。趣旨がおかしいじゃないですか。ボトルネック設備だから開放しろ開放しろと、そのための事前規制ですよね。だったらば、何で実際の今使われている加入者回線数で見なきゃいけないんですか。ちょっとそれ、趣旨と実際とが食い違っていませんか。つまり営業努力を否定するということですか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) こういう指定をするときのいろいろな基準につきましては、例えば単に加入者回線数だけではなくて、例えば光ファイバーのケーブル長であるとかあるいは芯線数であるとか、いろいろなものがあるかもしれませんけれども、その中において全加入者線の占める割合についてこれをパブリックに求めた中で認定を、指定をしておりますので、いろいろな御議論があるかと思いますが、現時点ではこういう全加入者網における占有率ということで指定するという、こういう事実を申し上げているわけでございます。
○内藤正光君 もう議論どころか異論が大ありですよ。
  ここの法律では、何も実際に使われている云々って書いていないんですよね。すべての同種の伝送路設備の電気通信回線の和と言っていますから、当然、実際に敷設してあるインフラをベースにしているはずなんですよね。たくさん持っているところは、それは開放させて、してもらわなきゃ困るということで、この開放政策の一つとして指定電気通信設備があるわけですよね、ですよね。本来だったらば、使われている使われていないは関係ないはずですよね。持っている回線数を基に、例えばこの五〇%を超えているかどうかというのを本来見るべきなのに、実際に使われている、お客さんが入っている回線数だけを数えて五〇%を超えている超えていない、こんなことをやったら市場主義社会、成り立ちませんよ。頑張ったところが規制を受けるなんというのはおかしな話ですよ。違います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 御議論があることは承知をしておりますが、いわゆる市場の支配力等につきましてのいろいろな基準がございますので、例えばシェア、売上高のシェアで見るというようなのもありますし、いろいろな形でその市場の評価をいたしますが、これにつきましてはこれまでの経緯を申し上げておりますけれども、今のような加入者数でやっているということを、事実を申し上げただけでございまして、御議論は私は否定するつもりではございません。
○内藤正光君 今までの、現在の経緯を述べていらっしゃるということなんですが、じゃ、問題意識としてはお持ちなんですね、当然のことながら。
○政府参考人(有冨寛一郎君) いろいろな形の議論がございますので、問題意識としては持っております。
○内藤正光君 本当に、やはり、もう冒頭から申し上げておりますように、私はNTTを守れとかNTTを厳しくしろとか、何もそんなことを言っちゃいないんですね。市場メカニズムが働くような仕組みにしなきゃ駄目ですよということを申し上げているだけなんです。私が申し上げたいのは、ただその一点なんですね。にもかかわらず、総務省さんが現在やっていらっしゃる数々の事前規制というのは、正に、営業努力だとかそういったものをことごとく否定するような正に裁量行政そのものですよね。
  そこでちょっとまた、この問題はまだまだずっと続けたいわけなんですが、そこでちょっとまた局長にお尋ねしたいと思いますが、実際、加入者線で、加入者数で見ているということだから、そう当然の帰結としてなるのかなと思うんですが、電力系は指定電気通信設備外ですよね、外ですよね。私は、本当にこれは正当性があるのかなと思うんです。実際にたくさん持っているんですよ、設備としては。都道府県単位で管理していないということ自体は、私はあきれちゃうんですが、この法令違反だとは思いますがですね。
  公正競争の観点からちょっと公正取引委員会にお伺いしたいのは、加入者回線、実際に使われている加入者回線をベースに、実際にはNTT以上のものを持っているにもかかわらず、NTTには指定電気通信設備なる事前規制を掛けて一方には掛けていないというのは、公正競争の観点ではどういうふうに思われるでしょう。
○政府参考人(上杉秋則君) 私どもはこの分野での知見を持ち合わせておりませんのでお答えになるかどうか分かりませんけれども、実は私ども、市場におけるシェアに基づいて合併の規制を行ったりということで、市場においてどれぐらいのシェアを占めるかということについては日常、非常に重要な関係があるわけでございます。通常は、市場に出荷した部分でシェアを取るというのが基本でございますし、またその場合には数量に基づくのが一番客観的だと、それが駄目ならば金額で取るのがいいだろうということでございますが、まれに、能力といいますかキャパシティーでシェアを見た方がいいと、例えばホテル業なんかはそうだと言われておりますけれども、そういう部門、ございまして、私どもの観点から今のお話が公正競争上どうかというのはちょっとお答えしかねるところでございますけれども、私どものシェアに対する見方はそのようなものだということでございます。
○内藤正光君 そこでちょっとお尋ねしたいんですが、私から改めて言うまでもなく、光ファイバーというのは、現在、自由競争環境の下で多くの事業者が自らの経営判断に基づいて敷設を行っているわけですね、NTTのみならず多くの事業者が。そういった状況をまず踏まえつつ、ボトルネック性というのは一体何なのか。つまり、この指定電気通信設備なる規制を掛ける根拠がボトルネック性にあるわけですよ、局長もおっしゃったように。そこで、改めてボトルネック性とは何なのか、それについて考える必要があります。そこで、併せて、光ファイバーはその考え方に照らし合わせたときに本当にボトルネック設備なのかどうかというのを考える必要がありますが、改めて総務省、そして公取委さん、それぞれの見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 先ほどから御説明申し上げておりますが、ボトルネック性といいますものは、電気通信事業法上、他の事業者、他の電気通信事業者がサービスを提供する、その際にどうしてもNTTの設備を利用しなければならない不可欠な設備であるという観点でそのボトルネック性を判断をしているという運用が現状でございます。
  これは、今、議員言われましたように、光ファイバーを敷設するのは、これは電気通信事業者の経営判断でありますが、まだ現時点においてはそれほど一杯出ているというわけではない、このように思っておりまして、また、光ファイバー網を敷設するということにつきましては、既存の電話メタル網のネットワークの、重畳するというようなこともありましたり、あるいは電柱を使う、あるいは管路を使うということもありましたり、その面におきますと、すべての人が同じような条件で光ファイバー網が敷設できるというようなことにはなっていない、このように受け止めておるところでございます。
○政府参考人(上杉秋則君) 私どもの、先ほど申し上げましたように、事前規制を掛ける必要があるとすればボトルネック性というのは一つの有力な根拠になるという考えでございまして、したがいまして、ボトルネック性があるかどうかというのは厳密に検証する必要があるという考え方でございます。
  私ども、先ほどもちょっと触れましたけれども、総務省との間で共同の指針を作っておりまして、不可欠設備というものについての物の考え方を明らかにしているわけでございますが、その中では、メタル回線のほか光ファイバー回線等を含むものということで考え方を示しておりますので、現状では光ファイバー設備にもボトルネック性があるということで考えているわけでございます。
  しかしながら、るる御指摘のとおり、私どもとしては、ボトルネック性があるかどうかというのは、そのときそのときの市場の状況なり参入の状況とか、いろんなことを通じて絶えず検証されていく必要があるというふうに考えておりまして、私どもとしてもこのガイドラインを作った段階ではそのような認識であったということでございますけれども、不可欠性があるのかどうか、新たに構築することが現実的に困難と認められるものかどうかについては十分検証していきたいというふうに考えております。
○内藤正光君 有冨局長は、先ほどの答弁の中で経営判断という言葉に触れられました。私は、余りにも今の事前規制は各社の経営判断を配慮し過ぎじゃないのかと。経営判断でもって、自ら自前で構築するよりも人から借りた方がいいと、だから作らないんだと。で、結果として二社、三社しか光ファイバー設備を持っている事業者がなかった。これを本当にボトルネック性があると言えるのかどうかですよね。
  確かに、メタルはあと、もう寿命もあと数年しかないでしょう、実際に、利用価値としては。そういった中では、今、メタルを自分で作りなさいと言ったって、それは難しいというのは分かります。しかし、光ファイバーというのは、これからのものですよ、これからどんどんどんどん使われるIT革命の主役に躍り出るものなんですよ。だから私は、だからこそ多くの事業者が自ら光ファイバー網の設備というのに参入しているんだと思います。
  経営判断で構築しないことを決めた、人から借りる方がいいと、で、結果として数社しか光ファイバーを持っていないと、これをもって私はボトルネック設備だというふうに指定されたら、これこそ正に市場競争を否定するものじゃないかなと思いますよ。
  もっと言うならば、やはり普通の経営者だったらば、こう考えると思いますよ。霞が関がこの辺の光ファイバーの貸し借りに当たってルールまで作ってくれて料金もぐうっと抑え込んでくれる。何か、貸してくれなかったら霞が関が出てきて貸せ貸せとやってくれる。普通の経営者だったらば、リスクを冒して自ら設備を作ろうなんてばかな判断しません。そういうようなおぜん立てがそろっていたらだれだって設備借りますよ、安く借りられる、そして交渉も霞が関が全部おぜん立てしてくれるわけですから。となると、どういうことになるのかといったら、結果的に、行き着く先、設備投資インセンティブがなくなっちゃうということなんですよ。
  私の持論なんですが、特にこの電気通信分野というのは設備ベースでの競争がなくなってしまったらどういうことになるかというと、技術革新も抑えられちゃうし、料金値下げ競争も抑えられちゃうんだと思います。なぜかといえば、この分野というのは、装置産業とも言われているように、コストの多くをこういった設備に、設備のコストとして使っているわけです。だから、料金を下げようと思ったら設備そのものの値段を下げていかなきゃいけない。設備の値段を下げるにはやはり競争しかないんです。設備ベースでの競争がなければ、そういった料金競争も技術革新も全くここでストップしちゃうんですよ。
  という私は問題意識を持っているんですが、そういった観点から公取委さんにお伺いしたいんですが、いろいろこの研究会の報告書にも書いてありますが、改めてその点に関する問題意識についてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(上杉秋則君) ただいま御指摘のように、設備ベースでの競争というのも非常に重要な側面があるということでございますが、光ファイバー設備にオープン義務を課すというのは、それによってサービスベースでの競争を促進するという観点があるということで行っていることでございまして、私どもも、サービスベースでの競争だけが競争であるとか、それが最も重要であるという立場ではございませんで、やはりサービスベースでの競争が活発になり、かつ光ファイバーへの投資のインセンティブがそがれることのないような設備ベースでの競争の促進も必要ではないかというふうに考えておりまして、ちょっと中途半端と思われるかもしれませんけれども、規制の在り方を考えるに当たっては、この両者のバランスを取って、その時点その時点で最も適切という規制の在り方を模索するのがいいのではないかというふうに考えております。
○内藤正光君 大臣、総務大臣、ちょっとお尋ねしたいんですが、私は本当に当初、繰り返しになりますが、メタルの加入者回線を前提とした指定電気通信設備なる事前規制、これが結果として、環境変化が進んでいるにもかかわらずそのままにしてしまったがために、結果として光ファイバーに対して、それもNTTにだけその指定電気通信設備なる規制が掛かってしまったと。それによる問題はもう今まで指摘をさせていただいたとおりなんですが、改めて、何度も言うように、やはり光ファイバーというのはIT革命の主役なんですよね。そういった中、本当にこのままでいいのか。
  もっと言うと、有冨局長は、実際に使われている回線数を基にこの指定電気通信設備規制なるものを考えていると、私はこれはもう法律違反だと思います。これ、使われている加入者回線って書いていないんですよ。保有している、普通に読めば、保有している加入者回線なんですよ。そして、いや、今現状はそうだからとおっしゃったんですが、そのそもそも最初の取決め自体が私はちょっとゆがんでいるんじゃないのかなと思います。正にそういう決め方をすることこそが営業努力だとかそういった正に市場メカニズムを否定するものではないのかなと思いますが、大臣の問題意識をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) NTTは圧倒的な力がある存在ですよね。そこで光ファイバーの設備も相当お持ちになっている。それから、シェアも圧倒的にあると。そして、それを利用しなければサービスができないという人が一方におって、貸せるあれがあるのなら私は貸した方がいいと。だから、貸しやすいように今、指定何とかという制度をやっている。それを貸したくない、ほかの者が余りいろいろなサービスするのは嫌だと、これはなかなか通らないんですよ。私はそこはそう思うんですよ。
  ただしかし、光ファイバーを借りてだけやろうというのもいかぬのですよ、それは。だから、そこのところでボトルネック性というのは固定的なものじゃないんですね。状況やいろんな環境変化に応じて変わっていってもいいと思うんですよ、変わってもいい。
  しかし、今の段階で我々が公平に考えて、どっちがどうじゃないですよ、役所というのは少なくとも公平を旨とするということでございますので、公平に考えてまだ指定行為やった方がいいと。そして、必要があれば借りているやつも、借りているやつと言っちゃいかぬ、借りているところも自分で光ファイバーを引いていこうと、こういう意欲を持つかもしれませんしね。それから、だんだんだんだんNTTとして貸しにくいということになるんなら、それは、そこはいろんなこれから検討がなされるべきでございまして、今の時点では指定行為というのは法律上もありますので、指定設備というのが、そこではNTTとするのが私は合理的じゃないかと。
  競争というのは弱肉強食でもいかぬのですよ、弱肉強食でも。強い者が圧倒的に勝って弱い者がなかなかこれは出てこれぬようでもいかぬので、そこはほどなんですね、ほどなんですよ。しかし、余りいろんなルールで、そこが自由にいろんなことができないようなことも問題なんで。
  そこで、まあ私は、今の状況ならNTTもそう困るわけでもないし、しかし一方ではサービスしたいけれども設備までというのもあるんだし、そこは、指定設備というのは単なる手続ですから、そんなものがもし仮に指定設備になったら致命的なあれになりますか、ブレーキに。私は必ずしもそうは思わない。なるんなら指定制度そのものを見直さにゃいかぬ、こういうふうに思っております。
○内藤正光君 大臣の答弁の前提として、この指定電気通信設備なる事前規制が取り払われると同時にNTTは光ファイバーを貸さなくなってしまうということを何か前提とした答弁のように聞こえるんですが、私もいろいろ調べてみました。
  そうしたら、結構、今オープンにしているんですね。ウエブ上でだれでもアクセスして、こことここに空きがあるとか、そういうのが分かるようになっているんですよ。ビジネスベースでちゃんとやっていくというふうに言っているんですよ。もし、そこで何らかの不公平、不公正な対応があったら、もうそれこそ正に何か独禁法等で対処すればいいんであって、これ、すべてが霞が関がおぜん立てをして、性悪説に基づいておぜん立てをすることが果たして今日という時代に照らし合わせて妥当なのかどうか、私は大変その辺、疑問を持っていますよ。
  やはり、もっとビジネスベースにしてもらえれば、貸すことでこれビジネスが成り立つんだったら、それは喜んで貸しますよ、どこだって、どこだって。ところが、余りにもがんじがらめにいろいろな規制で縛っちゃっているからこそ、これがビジネスになり得ないんですよ。違いますか。
  ですから、私は、正に副大臣、冒頭おっしゃったように、必要最小限に規制をとどめると。本当に必要なものだったらば、例えばユニバーサルサービスだとかそういったところでは残しておかなきゃいけないけれども、それは私もそう思います。でも、私は、ビジネスベースで成り立つような貸し借り、そこのところまで私は何も霞が関が規制、事前規制を掛ける必要はないと思います。
  ちょっと改めてお尋ねしたいんですが、どうでしょう。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、不必要なことをがんじがらめというのは、これは良くありませんね、がんじがらめまでやる必要はない、がんじぐらいは必要なのかもしれませんが。
  必要なことは、やっぱりそれはチェックしていく、ある程度ルール作って守ってもらうということは必要ですが、事細かに全部やる必要はないんですけれども、内藤委員、私が幾らか気にしているのは、どうも、これは全く、私はいろんな人から聞いた仄聞ですから正しい情報かどうか分かりませんけれども、NTTさんは将来を考えてなるべく貸したくないと。しかし、その他のところは、どうも貸してもらえなくなるんじゃないかと危機感を持っていると。仄聞しているんですよ。しかし、そういう状況が両方にあるというのを私は本当は問題だと思っているんです。
  今も言ったように、ビジネスベースでちゃんと正当な条件で貸し借りができるんなら役所が偉そうなこと言う必要はないんで、今言われた中でがんじがらめの仮に規制があるとすれば、それは見直していきます。それはやっぱり時代に合わせた方がいいに決まっている。しかし、必要な規制をやらせていただかないと、情報通信や放送なんというのは大変なこれから影響力がある成長性の高い分野ですから、やっぱり公平に競争を促進していく、公平に競争促進していく。それから、社会的なチェックは、社会的な何というか、規制というんでしょうかね、そういうことは国民のためにこれはどうしても考えさせていただく。
  こういう基本方針ですが、不必要なものは、がんじがらめと言われるんなら、それについては私は、今回はこういうことで事業法を出させていただきましたけれども、更に更に検討していく必要があると、こういうふうに思っております。
○委員長(山崎力君) 速記を止めてください。
    〔速記中止〕
○委員長(山崎力君) 速記を起こしてください。
  午前の質疑はこの程度とし、午後零時五十分まで休憩といたします。

    午前十一時四十九分休憩
      ─────・─────
    午後零時五十分開会
○委員長(山崎力君) ただいまから午前に引き続き総務委員会を再開いたします。
  それでは順次発言を願います。

○内藤正光君 午前に引き続きまして、残り時間はあと二十分か三十分でしょうか、質問をさせていただきます。
  本当はもう何時間でも質問したい気持ちはあるんでございますが、委員会の質疑は時間が限られておりますので、二十分でこちらの疑問をどんどんぶつけてみたいと思いますが、公正取引委員会にお尋ねしたいと思いますが、午前中の審議でも明らかになりました点、数々ございます。例えば、この法律で、回線数、これどう見ても回線数なんですよね、実際の、インフラ、回線数と言っておきながら、運用上では加入者線の、実際に使われている加入者数だと。で、いろいろ運用していると。それに加えて、法律では都道府県単位で見ることと言っておきながら、実際総務省の方では都道府県単位では何一つ関知していない、把握していないということで、私はこれいかがなものかなと思うんですが、公正取引委員会のこの点に関するちょっとコメントをいただきたいと思います。
○政府参考人(上杉秋則君) 先ほども申し上げさせていただきましたけれども、私ども、私どもの観点から言えばその当該市場でどのような競争が行われているかと、それを見るための指標としてはどれが最も正しいかと、どの地域で行われているか、県単位なのかブロック単位なのか全国なのかと、そういうことをケース・バイ・ケースで判断した上で我々の法律を適用しておりますので、お聞きした限りでどちらがどうということは、ちょっと申し上げる立場にはないと思います。
○内藤正光君 お聞きした立場、限りとはおっしゃいますが、法律ではちゃんとこう明記してあるんです。回線数、そしてまた都道府県単位ということで。まあ、でもその点はまた機会を改めて議論してみたいと思いますが。
  次に局長、有冨局長にお尋ねしたいと思うんですが、米国のことについて簡単に触れさせていただきますと、本当に米国はもう既に多くの改善をしているわけです。よく総務省の方は、米国はこうしているから日本もこうすべきだとおっしゃるんですが、例えばブロードバンドサービスに関しては、回線共有に関しても義務付けを既に免除していたり、光ファイバーに関しても義務付けをほとんど免除しているという改正がこの春なされているわけでございます。
  しかし、午前中の審議でも明らかになったように、どうも総務省はブロードバンドサービスに着目した、意識した規制緩和に対してはまだまだちょっと重いようでございます。私はこの点、本当にこの日本のIT革命の進展を本当に願っているのかなと疑問に思えてしようがありません。本当に問題意識を持っているのかなと思えてしようがありません。アメリカはもう既にブロードバンドサービスに着目した規制緩和をどんどんどんどん推し進めているんです。ところが、日本は午前中お伺いしたとおりでございます。私はこれ大変な問題だと思います。将来に禍根を残すような大きな問題だと思います。で、総務省としての見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 我が国の制度改革を行う際に、アメリカあるいはヨーロッパ等の政策、こういったものを参考にするということはこれまでもありますし、これからもあるだろうと思います。この前発表になりましたFCCの新しい接続ルールを、いわゆる接続ルールをめぐる政策、これも発表ありまして、今、先生御指摘のとおり新しい政策を発表したばかりでございますが、ただ、これが本当にどういう機能を持つのかについては、例えばアメリカの政策の中でも州に判断権を一定程度ゆだねるという部分もありますし、これまでのアンバンドル義務をやめるということになりますと、従来のそれでビジネスをしてきたキャリアのものはどうなるんだということで、訴訟を起こすというような動きもありますし、まだまだアメリカの政策そのものが実証されている、あるいは確定しているというものではないというふうに思っておりまして、当然私どもそういうアメリカの政策の動きというものについては注視をしているというようなことでございます。
  それから、私ども、午前中からお話がありましたけれども、ADSLにつきましては大変大きく普及、発展を見ておりますけれども、これはNTTの電話回線というものを開放したということ、そういうルールをしたということによって爆発的に増えているわけでございまして、NTTの回線をうまく利用して日本の、我が国のIT産業のトータルとしての経済効果が大きく出ているという事実はあるわけでございます。
  したがって、私どもも決してブロードバンド時代に対応した政策に対して否定的であるというよりも、むしろ積極的にやっているわけでございますので、光ファイバー網をめぐる議論も同様に、NTTのみならず全体の事業者がそれを有効に活用するという観点も当然あっていいし、そしてそのことによってマーケットが大きく拡大するのであれば、そのメリットもNTTも受ける。もう少しいろいろな観点でこういった議論を深めていただければというふうに思っております。
○内藤正光君 この指定電気通信設備についてはもうこれで終わりにしたいんですが、いずれにしても、何度も繰り返すようなんですが、やはり我が国IT革命の成否のかぎを握るのは間違いなくこの光ファイバー網なんです。そしてブロードバンドサービスなんです、ですね。しかるに、この当の光ファイバー施設が前近代的と言ってもいいのかもしれません。私は、事前規制の網にかぶさってしまっていると。私は大きな問題だと思いますが、本当に、我が国のIT革命を本当にもうどの国にも負けないぐらいぐっと前へ推し進めるためにも、早急に光ファイバーの指定電気通信設備に関する規制の在り方を見直していくよう、また競争の進展に合わせてだとは思いますが、見直していくよう強く求めて、次の議題に移りたいと思います。
  次に、次の問題はこの本法案が対象とする事業者の範囲についてなんですが、伝え聞くところによりますと、当初総務省さんはこの法案の対象範囲に、例えば楽天だとかあるいはインターネットを活用した証券ビジネス、そういったものまで電気通信事業者と位置付けてこの法の対象にしようと思っていたやに聞きますが、でも考えてみますと、今やどんなビジネスもインターネットの活用は不可欠なわけです。そして規制の可能性をにおわしただけでも私はそのビジネスは萎縮してしまう。やっぱりこれは総務省の、あるいは大臣の本意とは懸け離れたものだろうとは思います。
  そこで改めてお伺いします。本法案の規制対象の範囲について、改めてその基準を明確にしていただきたいと思います。また、具体的な事例も挙げながら分かりやすく説明していただきたいと思います。例えば楽天だとかヤフーだとかが入るのか入らないのか、誤解のないようにお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今回の法改正によりまして今まで規制の対象になっていない電気通信事業、これが新たに規制の対象となるということはないと考えております。法律の制定当初から参入等の規制の対象となるというものは電気通信設備を用いて他人の通信を媒介する役務を他人の需要に応ずるために提供する事業を営む者とされておりまして、今回の法律、法改正においてもこの点に何らの変更はありません。
  電気通信設備を用いて他人の通信を媒介するか否かの判断は、取り扱う通信の流れ等を確認をしていなければなりませんので、一概にそれを判断することはできませんけれども、具体的な例をということでございましたので御説明をしたいと思います。
  例えばインターネット上に開設をされております仮想の店舗モール、これは楽天のビジネスモデルに当たりますけれども、これは店舗モール出店者、この情報をだれもが閲覧できるというようにするものでございます。したがって、他人の通信を媒介する者とは解されませんので、参入等の規制の対象と改めてなるものではありません。この辺りが、なるのかならないのかはっきりしないというまだ検討過程において懸念が表明されることはあるようでございますけれども、現時点において明確に申し上げられますのは、参入等の規制の対象にはならないということでございます。
  それからもう一つ、インターネットによる株式売買の注文の受付あるいはそれにかかわる顧客への報告の業務、俗にネット証券というふうに呼ばれるビジネスモデルでございますが、これは電話を用いて株式売買の注文受付等を行うということと特段変わりません。したがって、証券会社が証券業務のお客さんとその業務の遂行に当たって行うということでございますので、そもそも電気通信事業には当たらない。
  こういうことでございまして、若干、法案の検討過程において、特に消費者保護というような観点の議論が電気通信事業に当たる当たらないというような議論と混同されておったんではないかというふうに推測をしておるところでございますが、今法改正においてはそういう従来の概念を変えるというふうなことはございません。
○内藤正光君 くどいようでございますが、やはり規制の網に掛かる可能性があるよということをにおわせただけでもやはりこれは萎縮効果があるわけでございますから、是非その辺を明確にしていただきたい。何かいろいろ検討しなければこの対象になるのかどうか分からないというようじゃ困るんです。しっかりと、そういったヤフーにしろあるいはまたネット証券にしろ、あるいはまた楽天のようなモールショッピングですか、インターネットショッピング、あれは違うんだということを明確にしていただきたいというふうに思います。
  さて次に、ちょっと言葉が似ていて混同しがちなんですが、今回の法案の一つの目玉でもあります指定電気通信役務の定義というものについてお伺いしたいと思います。
  総務省に伺えば、指定電気通信役務というのはどういうものがそうなるのか聞いたところ、ユーザーにとって他の選択肢が存在しないようなサービスはそうですよと。例えばNTTのサービスがあると、でも、NTTだけだったらちょっと可能性はあるけれども、ほかにもし代替サービス、他のメーカー、他の会社がほかに同じようなサービスを提供していればそうじゃないですよとかいうようなことをおっしゃったわけなんですが、ちょっとそれでもまだ、まだ明確じゃないんです。結果としてのシェアだけを見るんですかということを私は聞きたいんですが。
  その点、恐らくEUの有効競争レビューなどを参照にしながらその指定電気通信役務というものを決められていくとは思うんですが、そこではシェアを見るわけじゃないと、参入障壁のあるなしを見るというふうに私は理解しております。
  何でこんな疑問を呈すかというと、例えばADSLはもう十分競争的だから指定電気通信役務には当たらない、分かりやすく言えばドミナントサービスじゃないですよというふうに言えるかと思うんですが、とはいいながら、東京だけを考えたらそうかもしれませんが、地方に行ったら、例えば参入するメリットがないということでたまたまNTTのADSLサービスしかなかった場合、そういった意味では独占ですよね、そこでは。結果的に独占です、何も参入障壁があるわけでもないのに。そこはどうなのかとか、よく分からないところがあります。
  そこで、指定電気通信役務の定義について、その基本的な考え方についてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) お尋ねの指定電気通信役務についてでございますが、これは、ボトルネック設備である第一種指定電気通信設備、これを用いて提供する電気通信役務、まずこれがございます。つまり、第一種指定電気通信設備を用いるものというのが第一の条件でございます。
  その上で二つ条件がございまして、今、先生も御指摘になりましたけれども、他の電気通信事業者がこれに代わるべき電気通信役務を十分提供されないこと、その他の事情を参酌しというのが二つございます。つまり、他の事業者がこれに代わるべきサービスを十分提供しないというような状況、もう一つが、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するために特に必要がある、要は利用者の利益が本当に確保されるのかというような観点等があるわけでございます。
  では、具体的に何だろうかというようなことでありますが、これは、法律改正案におきましては「総務省令で定める」というようになっております。
  今、先生御指摘の有効競争レビューでございますけれども、現在なお研究会で検討しておりますけれども、本当に有効かどうかということについてどういう基準で判断するのかについては、なおまだ議論があります。ですから、にわかにその有効競争レビューについての結論をここで申し上げるわけにはいきませんけれども、この省令で定める際には、例えば競争が十分に進展しているかどうかという観点で、今言われました市場シェアというのも一つの大きな要素ではあろうというふうに思います。
  しかし他方で、そうはいっても、地方ではそういうサービスがないではないかというような地理的な条件を見れば、そもそもがそのシェアだけ見れば大きいというようなことも見えてくるわけでございます。では、そこは競争がないから外すのかとか指定するのかというような議論にもつながってくるわけでありまして、先ほど申しました有効競争レビューに関する研究会におきましても、その辺をどういうふうにするのかについて深く議論をしているところでございます。
  いずれにしましても、こういったような観点について現段階で明確に方針をお示しするというわけにはまいりませんけれども、パブリックコメント等を通じまして、しっかりした議論を踏まえて、透明でかつ公正な形でこの範囲を、具体的なサービスを決めていきたい、このように思っております。
○内藤正光君 まだまだ研究途上ということでございますが、やはり大事なところは、結果の平等と機会の平等を考えたときに、余りにも結果の平等を見過ぎないことだと思いますよ。やはり機会の平等が大事です、機会の平等は。機会が平等に保障されているにもかかわらず、経営判断等でただ商売上成り立たないから参入しない、その結果シェアが一〇〇%になってしまったとして、それをもって競争が働いていないというふうに判断したら、これは私は正に市場原理そのものの否定になろうかと思います。
  そういった要素もちゃんと大事にして研究会を進めていただけますね。約束していただけますね。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 正にそういう観点で議論を進めておりまして、例えば同じサービスを見るにしましても、揺籃期についてどうするんだろうか、あるいは成熟期どうするんだろうかという議論もありますから、先生の御懸念については十分踏まえて対応したいと思っております。
○内藤正光君 もう本当にこの情報通信分野というのは、正にこれから競争下でもってどんどんどんどん進んでいく、またさらに、二十一世紀のこの日本を引っ張ってくれる大変な原動力となり得る可能性を秘めたものでございますので、下手な規制を掛けたりとか、結果の平等を余りにも着目する余り本当に変な規制を掛けたりしないように重々気を付けていただきたいと思いますし、大臣、トップとしてその辺、しっかりと目くばせをしていただきたいと思います。
  そして、まだ時間がありますので、あと何点か細かな質問になろうかと思いますが質問をさせていただきたいと思いますが、今回、一種、二種規制がなくなったということではありますが、しかし、でも参入に当たって登録が必要な事業者と届出だけで済む事業者という二種類がございます。そして、登録事業者の場合はその点、何か登録に当たって条件が付されるというふうに聞いておりますが、私は、その条件、余りに細かなものだと、これ、何も変わらないということになりかねませんので、極めて限定的であるべきだというふうには考えておりますが、この登録に付ける条件というのは一体どういうものを考えていらっしゃるのか、またどういうものを登録の対象としようとしているのか、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今回の法律の改正については、登録と届出制というふうにはなっておりますが、原則的には届出制というものを基本に考えているということがまず一点でございます。
  さはさりながら、事業者の規模によっては、例えば先般、電力系の事業者が参入をしてまいりましたけれども、そういう事業者は、他の分野において独占的な事業を営んでいる、あるいは電柱とか管路とか、非常に有利にその施設を持っておる。そうしますと、それが何らの条件も付されないで参入するということが果たして競争政策上好ましいだろうかということで、先般、事業許可をするに当たりまして条件を付けております。
  ヨーロッパでも、例えば公営事業が参加する場合に、不当に民間の事業者から見れば有利な条件で無条件に参入する場合いかがなものかというような観点での検討があるように聞いておりますけれども、これからの話でございますから明確には分かりませんが、他の事業分野等で非常に有利な条件で参入してくる場合に、これは公正競争確保の観点等から見て何らかの条件が必要であると。特に、一定の大きなネットワークを持つような事業者につきましては、よりその必要性が高いだろうということで枠組みを作っているものでございまして、在り方についてはガイドライン等できっちりと透明性が確保されるような取組をしたい、このように考えています。
○内藤正光君 残り時間もあと三分になってしまいましたので、あと、最後の一問かと思いますが。
  そこで、届出事業者と登録事業者、二種類があると。その違いは分かったんですが、その両者に求められる例えば技術基準とかそういったもの、違いはあるんでしょうか。例えば、登録事業者は、例えばバックアップ電源を必ず用意しなきゃいけないだとか、何かそういった技術基準だとか、違いはあるんでしょうか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) これは、今は第一種電気通信設備につきまして、この設備の安全性、信頼性を確保するという観点から、今、先生御指摘のような技術基準というものを義務を課しております。ただ、一種、二種はなくなりますが、電気通信設備を用いることについては変わりは、電気通信設備を用いる事業者については変わりはないわけでございますので、従来どおり、その同じ技術というものを求めるということでございます。
○内藤正光君 ただ、それはつまり登録と届出とはまた違う尺度ということですね。
○政府参考人(有冨寛一郎君) あくまでも違う尺度で、今までは一種であればとか二種であればという前提で規制の枠組みがありましたけれども、これがなくなりますので、セグメントに分けてそれぞれ規律を考えているということでございます。
○内藤正光君 分かりました。
  もう時間もなくなりました。本当に、最後一言申し上げさせていただくならば、本当にこの今回の法改正はかなり大きな内容を含む規制緩和だと私は評価をしております。しかし、ではこれで終わりかというと、まだまだ課題はたくさんあるわけでございます。例えば、私は、午前中ずっと質疑をさせていただいた光ファイバーに関する指定電気通信設備規制というものの在り方だとか、まだまだ多くの問題があるし、また事前規制がやっぱり大勢を占めるということ自体、私はいかがなものかという問題意識を持っております。
  しかし、二十一世紀、何度も言うようではございますが、この日本を引っ張っていくのが正にIT産業でございますので、そういった可能性を決してつぶすことがないよう、透明なルールを作っていただきたいし、できるだけ早く事後チェック型のルール型行政、すなわち私は、独禁法を主体としたルール型行政が私は望ましいとは思いますが、そういったものへの転換をできるだけ早く進めていっていただきたい、このことを申し上げさせていただきまして、私の質疑を終えさせていただきます。
○木庭健太郎君 電気通信事業法、今回の改正、目的につきましては午前中からいろいろ御説明があっているように、今回は規制を緩めていくという、つまり事業者の参入が容易にしやすくなる。さらに、今急激に変化するこの市場の中で、利用者ニーズもタイムリーにとらえたものだというような御説明が何回かあっておりました。
  それをお聞きしていて感じるのは、やっぱり参入そして退出が容易になってくると、悪質な事業者が電気通信事業に参入し、活動することがこれまで以上に多くなるんではなかろうかというような危惧も抱きますし、やはりこういう改正に当たっては利用者保護というものをどうとらえているかというのは極めて大事だと思っております。
  その意味で、現状、一体どんなふうなトラブルとかそういうものが今あっているのかと。また、苦情等、利用者のトラブルの現状をまず教えていただいた上で、こういった問題に今回の改正法がどのように対処するのか、もう一度伺っておきたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 電気通信サービスに関する苦情あるいは問い合わせの実態でございますが、現在、総務省本省の電気通信消費者相談センター及び地方総合通信局において、こういった苦情や問い合わせに対応してきておりますけれども、平成十四年度、一年間の件数で見ますと、一万一千五百七十一件となっておりまして、五年前の平成九年度と比較をいたしますと七倍近くにまで増加をしているという実態がございます。
  また、国民生活センターあるいは各地方自治体の消費生活センターに寄せられました情報通信関連の苦情等の件数、これも平成十三年度におきましては十万二千三百九十一件、六年前の平成七年度と比較いたしますと約五十倍になっているものでございます。
  こういった事実にありますように、電気通信サービスの高度化や多様化に対応いたしまして、利用者の利益を保護するための措置の必要性、これは非常に高まっているものだというふうに受け止めておりました。今回、この法改正に当たりましては、急増する利用者トラブルに対応するという観点で、すべての事業者でございます、これまでは二種というのは外れておりましたけれども、すべての事業者に対しまして法の二十六条で、国民の日常生活に係るサービスを提供する場合は当該サービスに関する重要事項について契約の際に利用者に説明をしなければならないという義務、これは苦情の実態が、十分説明を受けていなかった、あるいは後で料金を請求されたんだけれどもそういうようなことについては気が付かなかったというようなことの苦情が多いもんですから、しっかりと説明をしてほしいという意味合いでございます。
  二つ目が、当該サービスについて利用者から苦情、問い合わせが寄せられた場合にはこれを適切かつ迅速に処理しなきゃならないという義務を第二十七条で掲げております。これは言わば、苦情があってもたらい回しにするとかあるいはそのまま捨ておくとかいうようなことがあってはならないというようなことでございまして、こういった義務を法律に課すことによって、明記することによって利用者保護の徹底を図りたい、こういう観点で措置をしているものでございます。
○木庭健太郎君 今お答えをいただいたんでもうあえて尋ねませんが、まず今回の説明、提供条件の説明によって、言わばそういう悪質業者が入りにくい環境は作っていると、さらに、もし万が一起きた場合においては二十七条によって罰則まで設けているというような流れに作ってあるんだろうと思います。
  ただ、いずれにしても、やはりそういったところをきちんとしておかなければ、今御説明があったように、極めてそういう苦情その他が増えていることも事実でございまして、是非その辺は法施行とともにさらに中をきちんとした形で利用者保護に努めていただきたいと、このように思っております。
  今日は一つお聞きしたかった問題は、公衆電話のことを少しお聞きをしたいと思います。
  今年三月三十一日に総務省が認可いたしました日本電信電話株式会社等の平成十五年度事業計画、これを見ますと、公衆電話の数は前年度と比較して、NTT東日本で三万六千台ですか、個ですか、NTT西日本で五万三千個、それぞれ減らされることになっております。もちろん、携帯電話の利用者が増加することによって公衆電話が減っているとは思われますが、場所によって、条件によって公衆電話の必要性というのは私はそう簡単に減らすわけにはいかない部分もあるのではないかと思うわけでございます。
  そこで、まず一点お伺いしたいのは、ユニバーサルサービスとしての公衆電話の位置付けでございます。平成十二年十二月の答申ですか、IT革命を推進するための電気通信事業における競争政策の在り方についての第一次答申の中で、公衆電話についてはユニバーサルサービスという旨の記述がありますが、さらにこのユニバーサルサービスの範囲をどうするかということについては種々論議を審議会等でしていただいているようでございます。
  特に、ユニバーサルサービス基金の設置に当たっての検討状況の中でまとめているときもいろんなことが検討されているわけでございますが、まず確認をしておきたいのは、このユニバーサルサービス基金制度が施行された後、いわゆるユニバーサルサービスの中に公衆電話の位置付けというのがどう明確になったのか、ここをまず教えていただきたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) お答えいたします。
  今、先生言われましたように、公衆電話につきましてでございますが、戸外における最低限の通信手段を確保するという観点で、一定の基準で設置される公衆電話につきましてはこれをユニバーサルサービスとして位置付けております。
  その一定の基準で設置されるとは何かということでございますが、内容につきましては、これは電気通信事業法の施行規則で定めておるわけでございますが、市街地でおおむね五百メートル四方に一台、その他の地域ではおおむね一キロメートル四方に一台ということを基準として設定をしております。
○木庭健太郎君 これも確認ですけれども、NTTが公衆電話を設置しなければならないという、そのNTT東西ですね、これはやらなければならないということについての根拠、これは何に基づいているのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) このNTT東西が公衆電話の設置を行わなきゃならないという根拠につきましては、日本電信電話株式会社等に関する法律、俗に言うNTT法でございますが、この三条におきまして、「国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保」という規定に基づいているというものでございます。
○木庭健太郎君 その上で、今、先ほどの携帯電話の推進されている状況の中で公衆電話がどんどん減っているわけですが、大体どういう推移をしているのか、昭和六十年ぐらいからどんなふうに変化をしているのか、それの数字を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今、先生御指摘のとおり、最近は携帯電話等の普及によりまして公衆電話のトラフィックの減少、こういったことから公衆電話事業の収支が悪化しております。その結果、NTT東西は、利用度の低い公衆電話について削減を行っているということでございまして、設置台数は大きく減少傾向にあるということでございます。
  ちなみに、先ほど先生、六十年と言われましたが、ちょっと手元に今、手持ちの数字がございませんが、最近の、直近の三か年間の全国における公衆電話の設置台数について見ますと、平成十二年度で約七十万七千台でございました。平成十三年度で約六十八万台になっておりまして、平成十四年度では約五十八万四千台というふうになっております。
○木庭健太郎君 昭和六十年度というのは、実は九十一万台あったんですね。平成元年でもまだ八十三万台ありまして、ほぼ半減近くになってきている現状があるわけなんですけれども、これは、今お話があったように、電話の利用量等の基準によってNTTさんは公衆電話の撤去を進めていらっしゃるようでございますけれども、この撤去基準について総務省において何らかの規制があるのかないのか、また現在見直しの進め方を認めているいろんな問題から考えて、総務省において、例えばどんな判断基準から、この撤去は妥当だ、妥当でないというようなことを言うことがあるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 先ほどから申し上げましたように、公衆電話の、今、ユニバーサルサービス等に係る公衆電話、これは俗に一種公衆電話と呼んでおりまして、先ほどの基準、つまり五百メートル四方に一台、あるいはその他、市街地においてはおおむね五百メートル四方に一台、その他の地域におきましてはおおむね一キロメートル四方に一台、これは最低限の基準でございまして、それ以外に、NTTも第二種公衆電話というふうに位置付けておりますが、利用が多く見込まれておるところにおいては設置をするということで、言わば採算等を考えながらユニバーサルサービスのもの以上に置いているというのがこれまででございます。
  ただ、最近は、先ほど申しましたように、携帯電話等によりまして公衆電話トラフィックが下がっている、収支状況も悪いということで相当数減らしておるということでございますが、これはあくまでも第二種のところでございますので、今の諸般の状況から考えますと、数が減っていくについてはやむを得ないのではないかというふうに考えております。ただ、ユニバーサルサービスの基準にあるところについてはしっかりと守っていただきたい、このように思っているところでございます。
○木庭健太郎君 今お話があったように、公衆電話の撤去ができるかどうかという問題については、第一種の場合はきちんとそれはユニバーサルサービスと位置付けなくちゃいけない、第二種とあるよというような、これはその利用度に応じてできるんだというお話でございます。
  ただ、私は、これは新聞もありましたし、私の方にも寄せられたんですけれども、その電話がどのような場所に設置されているかということは全く判断基準には入っていないというのが現実でございます。
  つまり、ある意味では公共性が極めて高い場所、学校であるとか福祉施設であるとか診療所であるとか、こういったところはある意味では判断基準に入らないわけですから、どうなるかというと、利用度に応じて、今どんなことが起きているかというと、とにかく撤去させてもらいたいというのが様々上がってきておるし、そういった現状を受けて言わばいろんな形で、いわゆる利用者側からは是非とも残してもらいたいといういろんな話が起きておりますし、例えば今年三月、読売新聞、見させていただきましたけれども、この投書の中には、やはり年金生活の高齢者、子供は携帯電話を持つことが難しく、公衆電話は連絡手段として必要、病院や学校などの施設からは撤去しないでほしい、一一〇番などの緊急通報の手段としても不可欠みたいな三つの大幅な意見がございましたし、また、いわゆる障害児の御両親から、いわゆる障害児のいる学校施設で撤去する撤去しないという問題が起きてしまいまして、そのときも是非これを残してもらいたいというようなお話があっておりました。
  私の住む九州というのは、ある意味では、先ほど五百メートル以内というのは市街地ですから、そうすると、そういうところと懸け離れたところもあるわけでございまして、そうすると、学校とかそういうところに公衆電話があるというのは非常にもちろん生徒も含めて大事な面がありまして、したがってこれを是非とも残してもらいたいといういろんな運動が起きましたが、残念ながら、いろいろやったんですけれども、どういうことになったかというと、やはり利用度の問題で一定基準をNTTさんが作っている、それに達しなければもうこれ外すんだと、この一点張りで、正直言って、なかなかこれは問題ではないかという思いがいたしました。
  正にこれは、NTTの経営合理化とユニバーサルサービスというものの概念のはざまの問題だとは思うんですよ。確かに、難しい面はあると思うんですけれども、大臣、やっぱり総務省として、現状をもう一歩踏み込んで対応されるべき問題があるんじゃないかというようなことを感じておりますので、大臣からお聞きをこれはしておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今お話しのように、病院や学校から撤去する、困る、残してほしいと、こういう要望があるということは私も承知いたしております。
  NTTにはNTTの何か方針があるようでございまして、月に四千円以上の、収入というんですか、使われ方がしないようなものはもう置いておってもしようがないんだというような、こういう議論があるようですけれども、しかし、公益上、公共上必要があるものについては、それはやっぱり考えていくということが当然必要でございましょうし、公的なところからの撤去は利用者の、関係者のやっぱり了承が要ると思うんですね、そういうことについて。ケースによっていろいろ違うと思いますよ。木庭委員がいろいろ今言われましたけれども、物すごい強いところとそうでもないというようなところもあると思いますので、ケースによりますが、基本的には関係者、当事者の同意を得てから撤去するように、こういうふうに強く要請いたします。
○木庭健太郎君 是非その点を、今、大臣がおっしゃっていただいたので、やっぱり利用者側とよくお話をしていただいて、その上でこうこうこうだからこうなんだということが分かればいいんですよ。ところが、それなしに、もう言われた四千円のところでぱたっと切って、何言われようと、どう言われようと撤去するんだと、こういうことが実際に起きたケースもあるわけでございまして、今、大臣言われたように、是非ともこの問題、まずは、公共施設からそういうどうしても利用度の問題でやらなくちゃいけないという問題が起きたときは是非、現場でよく御相談を、声を聞いていただいた上で、その上で判断をしていただくということが大事になると思いますので、今の大臣のお話が是非NTTに伝わり、そういうことができるようになればと、こう願っております。
  もう一点、別の問題をお聞きしたいと思っております。
  それは、携帯電話料金の問題でお聞きをしようと思っておるんですけれども、今回の改正では、先ほどもお話ありましたけれども、利用者保護の観点から利用者への重要事項説明義務が規定されるようになったわけでございまして、これまでいろんな意味でこの点が欠けていた部分がある。特にこの携帯電話の問題というのは、昨年来、設定権をめぐる問題で総務省も非常にこれは御苦労されて、先ほど大臣も少しこのお話は触れられたわけでございますが、まずちょっとお聞きしておきたいのは、ここで言われている重要事項説明についてでございます。
  今回の電気通信事業法の改正によって、重要事項については電気通信事業者等は利用者に対して説明しなければならないこととなっておりますが、現在、利用者が固定電話あるいは携帯電話に加入する際、電気通信事業者等は利用者に対して必要な説明事項がこれまでの規定などに示されていたのかどうか、これについて確認をしておきたいと思うんです。
○政府参考人(有冨寛一郎君) これまでのことを申し上げますと、いわゆる携帯事業者は第一種電気通信事業者ということでございまして、当然のごとく、契約約款及び料金表を作成をする、そしてそれを届け出、そして公表するということが電気通信事業法上、義務付けられておりました。また、事業者におきましては、サービス内容やあるいは料金等につきまして分かりやすく説明をしたパンフレット等を作成をして利用者に対して説明を行ってきているというものと承知をしております。
○木庭健太郎君 そして、今度は携帯電話の通話料金設定権をめぐる動きにつきましても、これ、一般に電話の通話料金というのは電話を発信する側が設定しているけれども、固定電話から携帯電話に電話する場合の通話料金設定権については、従来から受信側である携帯電話事業者にあるということになっている。
  ところが、まず、昨年来からいろんなことが起きております、この経過について簡潔に局長、教えていただきたいし、また、現在どういう状況にあるのかも御説明をいただきたい。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 携帯電話に係る料金の中で、固定発携帯ということにつきましては料金設定権が携帯側にあるということで、現実問題といたしましては、携帯・携帯の料金と固定・携帯との料金においては、例えば一時期は携帯・携帯の間が八十円であるにもかかわらず、固定・携帯では百二十円というようなことがございました。
  で、これはなぜかということですが、携帯側からいいますといろいろ理由はあったんだろうと思いますが、いわゆる固定側の料金設定権なり、本来からいいますと、お客さんが選んで、発信をする側の利用者が料金設定権を決めた方がお客さんがどういう条件でどこに掛けているのかはっきり分かるんではないかという観点で研究会を開いて議論をしてまいりました。
  その結果、先般、意見がまとまり、研究会の報告がまとまりまして、いわゆる中継選択というような概念でございますが、利用者、固定側の利用者が自らいわゆる事業者識別番号、これを選んで押しますとその固定者側に設定権があるというふうに位置付ける、もし押さなければ従来どおり携帯側にあるというふうに考えると、こういう案で、現在パブコメ最中でございます。
○木庭健太郎君 これ、総務省が行ったんですね。今年一月、電気通信サービスモニター千名を対象に行ったアンケート結果ですか、四月十八日に出ておりましたけれども、このアンケートを見ると、固定電話から携帯電話に掛けた場合の料金は携帯電話会社が決めているということを知らない人は四七・二%、半分ですか。固定電話から携帯電話に掛ける場合の料金が携帯電話会社によって異なる、知らない人というのは一七・六%。このアンケート結果は、どんなふうに、局長、お感じですか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今、先生御指摘になりました電気通信サービスモニターでございますが、電気通信サービスに関心のある方から公募によりまして全国で約一千名の方を選んでモニターしたわけでございます。
  その結果、今御指摘ありましたように、関心の高い消費者、言わばモニターですから非常に関心が高い人でありますが、それでも四七%、半数近くが知らないということでございますので、これは一般的、もっと一般的に見ますと、固定発、固定電話発携帯電話の料金設定について国民の中には十分な認識はないというふうに見ていいのではないかと思っております。
○木庭健太郎君 まあ、私も約半数が知らないというのでびっくりしましたけれども、これだけこう設定料金の問題、取りざたされている中で、言わば利用される一回一回の通信から発生する料金がどうなっているかというのが、逆に言えば周知徹底されていなかったんではないかというようなことも感じるんですよ。
  よく考えれば、利用者にとっては一番本当は料金って大事なことなんですよ。今度、改正案、今やっているわけですから、このような料金についての説明というのは、言わば今回の、何ですか、重要説明事項、ここに該当するのかどうか。そして、何よりやっぱり利用者の側に少し立ってそういったことをきちんと説明し、はっきり分かった形で利用できるというような形にすることが大事だと考えますが、局長、見解を伺います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今回求めております重要事項の説明ということでございますが、これは、制度的には今後、総務省令で定めるということになりますけれども、通話料金は、先生言われましたように、利用者にとりましては最も重要な事項であるというふうに考えておりまして、当然、説明義務の対象にしたい、このように考えております。
  ただ、具体的になおまだ詳細はここでは明確にできませんけれども、例えば、月額基本料は幾らであるとか、あるいはその月額基本料に含まれる無料通話分数はどのぐらいあるのかとか、ややブレークダウンをしたものも含めてできれば広く意見を求めて決定したい、このように思っております。
○木庭健太郎君 大臣に四十分には出ていってもらいたいんで、最後に大臣にちょっとお伺いしておきたいんですけれども、このアンケート結果を見ますと、もう一つ利用者の声が際立っているものがあったんです。それは何かといえば、携帯電話の料金は高いと思いますかという質問でございまして、携帯電話を所有していない人も含めて質問しているんですけれども、その結果は、高いが六一・七%、非常に高いが二三・五%、合計では八五・二%の人が高いと思っている。安い又は非常に安いと思っている人は合計で〇・三%しかおりませんでした。
  昨年八月二十八日、参議院の決算委員会で、この設定権をめぐる質疑では大臣が答弁されているんですけれども、携帯電話の国民生活における重要性について大臣はこう言われています。今、携帯電話というのは不可欠である、一種のインフラだ、完全に生活インフラだと述べられた上で、更に携帯電話料金の更なる、安くする、低廉化の考えに総務省としても対応されたいというようなことを言っていらっしゃるような雰囲気の答弁がございました。
  是非、このアンケート結果を生かし、また、こういう一つの大きな改正期、ある意味では、やはりこの電話料金の問題、とにかく少しでも安くして本当にインフラとして使えるようなものになるようにしていくことが非常に大事だと思いますが、大臣の見解を伺って、質問を終わります。
○国務大臣(片山虎之助君) 本当に今、携帯電話は生活インフラだと私、答弁したようですが、全く今もそう思っております。それからまた、料金が高いと思いますね、払うときには。ただ、前よりは相当安くなっているんです。かなり下がってきています、競争が激しいですからね。それから、料金の設定の仕方も、基本料金と通話の頻度といろいろ変わっていますし、それから今、特に固定発携帯着だとか携帯発、固定発だとか、いろいろややこしいことがありまして、私は、あれはもっと分かりやすくするのと、もっと安くするということが必要だと思いますね。
  今の大変高いという人は、しょっちゅう掛けているからじゃないですか。しょっちゅう掛けている人おりますね、朝から晩まで、用があるのかないのか。そういうことがありますが、いずれにせよ、料金の引下げはやっぱり大きな課題だと思いますので、今後とも総力を挙げて努力してまいります。
○木庭健太郎君 終わります。
○委員長(山崎力君) それでは、これから二十分程度休憩したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
    午後一時三十八分休憩
      ─────・─────
    午後二時八分開会
○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
  休憩前に引き続き、電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
  まず、質問に先立ちまして、先ほどの携帯電話、大臣は今や生活インフラと、過日の決算委員会でもそういうことをおっしゃっていたのを私伺っていたんですけれども、そうしますと、今や携帯電話もユニバーサルサービスに含めることを検討すべき時期に来ていると、そういうことでしょうか。──大臣が答弁。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、そういう御意見は御意見として承りますが、まだそこまでは行きませんね。
○八田ひろ子君 ユニバーサルサービスの問題は、先ほどの公衆電話でも本当に必要なニーズが多いところ、これにはしっかりとしたユニバーサルサービスとして保障していただきたいなというふうに私は思いますが。
  それでは、電気通信事業法案の問題について。
  今回の改正の背景には、電気事業を基本として考えられてきた第一種の電気通信事業と第二種電気通信事業に区別して規制する電気通信事業法の枠組みが、五百十万の方が加盟するニフティなど巨大なインターネットプロバイダーのような第二種電気通信事業者が登場する、こういうインターネット、ITの進歩に合わなくなった、こういうことが背景になっているということだと思いますが、今どう変革すればいいのか。果たして単純な規制緩和、競争導入でいいのかどうか、これが問われていると私は思います。そこで、まず電気通信事業の現状を、消費者、国民のお立場から見ていきたいというふうに思います。
  先ほども議論になりましたが、国民生活センターと各自治体の消費者センターに寄せられた電気通信分野の消費者の最新の苦情、相談、実に多いですね。国民生活センターと総務省、合わせると約十万件の相談数、五年前と比べますと何と二十四・二倍化している。
  相談で一番多いのはDSLの問題、これは主にヤフーとか、ヤフーBBの消費者トラブルだというふうにも考えられるんですけれども、これに対して、行政側の相談処理能力については、この十万件という相談にたえ得るものになっているのかどうか。情報通信審議会の最終答申で、国民生活センター、総務省の相談についてどのような問題点が指摘をされているのか。また、総務省に寄せられている相談とか苦情の内容、これも併せてお示しください。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 総務省に対します苦情等につきましてでございますが、先ほど先生から御説明ありましたように、最近のインターネットの利用にかかわるものが非常に多うございまして、平成十四年度に総務省の電気通信消費者相談センターに寄せられました主な事案としましては、インターネットを利用中に知らないうちに国際電話回線に接続される、いわゆる国際不正接続トラブル、これが二千二百九件で最も多うございまして、先ほど先生言いましたように、DSLの関係も七百六十九件というように多くなっています。全体見ましても、インターネットに関する苦情、相談等が全体の過半数を占めていると、こういうようなことでございまして、電気通信関係の苦情あるいは相談が増加しているというような大勢でございます。
  これに対しまして、総務省といたしましては、そういった苦情などに対しましては、相談者に対して具体的な解決策についてのアドバイスをしたり、あるいは電気通信事業者に対しまして個別具体的な対応もお願いをするというようなことで対応してきたわけでございますが、その苦情処理件数、こういったものが急増する中で、どうしても行政の面でいきますと行政事務の効率化あるいは人員の充実というものが必要だということでございます。場合によっては、消費生活センターにも、電気通信に関する相談についてのアドバイス、こういったことについて専門的な、技術的な内容が分からない、そういう面でアドバイスが欲しいということもありまして、そういうことにも対応しなきゃならぬということでございます。
  したがいまして、私どもといたしまして、まず体制を強化するという観点で、本省の電気通信利用環境整備室というのが今ございますけれども、これを改組いたしまして消費者行政課を設置をしたいということで、組織並びに定員措置をするということが一つございます。
  それから、地方総合通信局におきましても同様の苦情、相談に対する対応が必要でございます。私も関東の総合通信局長をやっておりましたけれども、ADSLの急速な営業活動によりまして一本電話線が全部取られるというようなこともあったりしまして、厳しい定員状況でございますので潤沢なことはできませんけれども、最大限の定員措置もお願いをしているということでございます。
  それからもう一つは、大変、このIT技術を導入するということでございまして、新しいデータベースシステムも構築をする。そして、一般的には、ああ、そういうことだったら分かったのにという非常に初歩的なアドバイスによって解決できるパターンも多々ございます。これは俗に言うFAQ、よくある質問ということがありますけれども、ホームページにおきまして典型的な事例を「電気通信サービスFAQ」、電気通信サービスのよくある質問集という形で公表する等々いたしまして努力を行っているというのが現状でございます。
○八田ひろ子君 DSL関係のトラブルでは、電気通信事業者のサポートに連絡が付かないだとか、あるいはマイライン関係も多いんですけれども、登録した際に割引料金について説明がなく、割引オプションを申し込まなかったために割引を受け取ることができなかったとか、そういう専門性ですね、今言われた。
  また、数が多いということで、対応する人数もあり、対応に苦慮しているというのが最終答申でも指摘をされています。相談はどんどんと増えていくんだけれども、行政側では絶対数に対応がし切れていない。人事の問題でも、私、前回もこの問題取り上げて、増やすという確約をいただいたんですけれども、まだ、次の人事異動のときに増やすということですので、対応し切れない部分が現在ではあります。
  結局、消費者の泣き寝入りとなってしまうのではないかという問題。こういうときに政治に求められているのは、トラブルをなくしていく、トラブルがあったら個別にきちんと解決していくということなんです。
  この法案では、利用者保護策として、事業者に契約時に説明の義務を負わせること、利用者の苦情処理を行う義務、電気通信事業者の事業の休廃止時に利用者に周知する義務、こういうのがありますが、これはトラブルを更に増やす各種の規制緩和と抱き合わせになって、少しも消費者、利用者保護になっていないんです。
  例えば、事業者の説明義務でも、これ、マイライン登録した際に割引料金について説明がなかった、さっきのような、割引を受けられないという、消費者の得になることはもうけのために説明をしないという今の事態、これが避けられないということがあるんですね。苦情処理の義務という問題も、電気通信事業者のサポートに連絡が付かないという、この今の現状ですね。
  最新のこの「ウェッジ」を見ますと、ある携帯電話の大手の苦情処理担当者、上司からは、苦情客こそ上客だと、なだめすかして絶対に解約させるなときつく言われている、こういうのが載せられているんです。事業者と消費者では専門性における知識の格差がある中で、本当に中立的に解決に至ることができるのかなと、この法案では大変疑問です。
  また、休廃止時の周知なんて当たり前のことでして、結局、消費者がトラブルに巻き込まれない防止策というのが、私は、大変不十分。トラブルの後、消費者が個別の被害を最後まで公平に解決できる手段さえありません。これで参入、退出の規制緩和だけは進めていこうというのは、私はとんでもないと思うんですね。
  現在も改正後も、あるのは、個別の損害までは救済できないという業務改善命令と、民法上の損害賠償は司法的な対応だけ、こういうふうですね。しかし、今、いろんな新聞でも載っていますが、電気通信分野に関する被害というのは、個々の被害は司法的な解決に見合うような額に達しない、これぐらいならということで泣き寝入りになっている方が多いんです。
  ですから、情報通信審議会の最終答申でも、公平な解決を図る観点からは消費者側が技術的知見を有した専門家のサポートを得て解決を図る必要がある、苦情、相談の処理にとどまらず、より進んだADR機能、あっせん、調停等を含めた紛争解決手続の導入について検討することが必要だと述べていますけれども、こうした指摘を踏まえて、公平な解決を図るようなADR機能を含めた紛争解決手続の導入、これを法施行の前にきちんとせめてやるべきだと思うんですけれども、どうでしょう。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 先生御指摘のとおり、昨年の八月の情報通信審議会の答申で、消費者からの苦情、相談への対応体制を強化する一つの方策として、あっせん、調停等を担うADR機関について検討すべきではないかという旨の答申をいただいたところでございます。
  ただ、現状といたしましては、先ほど申し上げましたように、消費者トラブルの増大に対応するために組織的な強化を図ったり、あるいは要員の措置をしたりということで対応してきておりますし、法律的には、今回お願いしますような契約に対するトラブルが多いということを踏まえまして、重要事項の説明義務や苦情、相談等の適切迅速処理義務というものを法律で定めるというようなことで対応してきて、まずは対応しているということでございまして、今、先生言われましたADR、あるいは、答申でいただきましたADRの関係の概念でございますけれども、これにつきましては、現在、司法制度改革推進本部におきまして司法制度改革の一つの柱として位置付けられておりまして、政府全体としても検討を進めている段階にございます。
  私ども総務省といたしましては、今回の電気通信事業法に新たに設けられる消費者保護規定の効果、実際どういうふうに機能するのかも見極めながら、そしてまた、ADRに関する政府全体の取組を踏まえながら、この電気通信分野におけるADRの在り方について検討していきたいというふうには思っております。
○八田ひろ子君 大臣にお願いしたいんですけれども、この電気通信分野に関しては、全体のこういう結論が出る前にでも、やっぱりきちんと施行前にやっていただきたいということを要望だけしていきたいと思います。
  次ですが、未然防止の点で競争政策を行っているイギリスでは、市場ごとの事業者の苦情率というんですか、顧客一千人当たりの苦情数とか苦情内容を公表していますね。消費者が商品を選択するときにこういう情報を公開するというのは非常に有益だと思いますが、事業者の苦情率とか苦情内容を公表すべきだと思いますが、これはどうでしょう。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 総務省といたしましても、電気通信サービスに関する情報提供、これをしっかりと進めていくということによって、消費者の適切な選択を促すということで重要なものだと思っておりますが、この観点から言いますと、電気通信サービスに関する注意事項等を記載をしたパンフレットを作成をして、全国の消費生活センター等を通じて配付する、あるいは総務省に寄せられた苦情内容を四半期ごとに取りまとめて公表する、あるいは総務省ホームページに消費者情報コーナーを設けまして、よくある質問集、先ほど申しましたFAQにつきましての百問程度のものでございますが、そういったものを掲載するという形の中で消費者向けの情報提供に鋭意努めているところでございます。
  先生御指摘の事業者別の苦情率の公表につきまして、実際に実施をしているイギリスにおきましても、データの正確さを担保するというためにいろいろな努力を重ねてきているというふうに聞いておりまして、我が国に導入するといたしましても、果たしてそれが真に有効な方策になり得るかどうかも、イギリスにおける取組の実態を踏まえまして慎重に検討すべき問題ではないかというふうに受け止めています。
○八田ひろ子君 やっぱり、パンフレットとか、パンフレットをセンターに置くとか、一般的なホームページだけでは私は不十分で、今、がという、そうだが、パンフレットでと、それからイギリスでもその効果が分からないというようなことをおっしゃったんですけれども、やっぱりその苦情がきちんとしたものか調査してから事業者ごとの苦情率、苦情内容を公表しているのがイギリスですから、日本でもやる気があれば、全く同じことをやれと言っているわけではありません、だけれども、そういうことが利用者の利益を考えるためには私は必要で、なぜできないのかと思うんですね。
  結局、利用者の利益じゃなくて、事業者の利益のためには規制緩和して、それでトラブルが多くなることがもうどう考えても予想されるから中途半端な対策を法案に入れ込んだだけだというふうに思わざるを得ないんです。最低限の消費者保護ルールというのも整備しないまま、まず規制緩和と、こういうことでは消費者をますます混乱させると。私は、それはちょっと容認できないなというふうに思うんです。
  消費者の問題もまたいろいろあるんですが、時間もありませんので、個人情報保護の問題、昨日までの問題とは違うことで質問したいと思います。
  今回の参入も退出も規制緩和されるわけで、アウトローの電気通信事業者とか、個人情報を取得するためにこの電気通信事業者に参入するという、そういうのがやりやすくなるわけですね。何かあったら事業をやめてしまえばいいというような無責任な事業者の電気通信事業への出入りが容易になる。私どもこういう無責任な規制緩和には反対なんですけれども、この法案を見ていきますと、電気通信事業者の保有している個人情報の保護、通信の秘密をいかに守っていくか、これをきちんとしないといかぬと思うんですね。
  電気通信分野というのは、他の民間部門と比較しても、憲法や電気通信事業法に基づく通信の秘密の保護という特有の問題があるわけです。電気通信事業者が扱う個人情報は、電話番号とか通信内容、サービスを提供するために加入者から収集した情報など、取扱いに厳重な注意が必要ないわゆるセンシティブ情報というのも多いわけです。こうした個人情報の保護というのは、高度情報通信ネットワーク社会の構築に向けては不可欠な要素で、これは特別委員会でも議論された中ですが。
  そこで、改めて伺いますが、現在のところ、この電気通信事業者が保有する個人情報というのは、どのような法律に基づいてどのように管理されているのか、まずお示しください。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 電気通信事業者が保有する個人情報のうち、個別の通信に関する情報につきましては、これは電気通信事業法第四条におきまして通信の秘密の侵害が禁じられておりまして、厳格な保護の対象とされております。
  それから、電気通信事業者の保有する個人情報のうち、通信の秘密に該当するもの以外の個人情報の取扱いにつきまして、これは総務省におきまして電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン、これは平成十年の告示で示しているわけでありますが、それを策定、公表をしておるということでございまして、このガイドラインにおきましては個人情報の目的外の利用の禁止あるいは適正な管理等を定めております。
  総務省では、電気通信事業者に対しまして、こういったガイドラインに沿った取組を求めているというようなことでございまして、引き続きこういった取組を積極的に取り組んでいくというようなことでございます。
○八田ひろ子君 そこで、問題になるんですけれども、五、六年前、インターネットのプロバイダーの倒産が相次いで、サーバーの中の個人情報が行方不明になるという事態が起きたのは御承知だと思います。
  今回の規制緩和には、事業の休廃止の規制緩和もあるわけですね。いつの間にかやめていく事業者が多くなるという議論は午前中にもあったわけですけれども、事業をやめるとき、その保有する個人情報というのはどうなるのかということです。
○政府参考人(有冨寛一郎君) これは、電気通信事業者が保有しております個人情報の取扱いにつきましては、先ほど申しましたガイドラインによりまして、まず電気通信事業者が事業において収集した個人情報について、目的達成後は速やかに消去をすると、これがガイドライン第五条で定めております。したがって、事業をやめた、退出をしたという場合におきましては、当然に目的は達成したものというふうに位置付けられますので、この規定に従いまして速やかに消去するということが求められるわけでございます。
  もう一つは、退出をして事業者でなくなった場合にどういうふうになるのかということもございますが、まず電気通信事業者が保有する個人情報のうち、通信の秘密として保護される情報につきましては、退出した後も罰則をもって保護されるということになっております。また、個人情報一般の取扱いにつきましては、先ほどのガイドラインに基づきまして、これは今もあるいはこれからもでございますが、個人情報の目的達成後のその消去の徹底、適正な管理ということを求めていくということでございまして、ただ残念ながら廃止をしてしまったことについての後をどうするのかというような点については十分な手当ては今できていないというのが実態でございます。
  ただ、これまでの実績を言いますと、廃業した電気通信事業者からの個人情報が漏えいして問題になったという事案は承知をしておりません。
○八田ひろ子君 漏えいして問題になってからではいけないと思うんですね、大臣。やっぱりガイドラインでは私は限界があると思いますし、二年以内に個別法を作るとか検討するとかっておっしゃっていますが、私は、個人情報保護のこの個別法をしっかりと作っていただくというのが大事だと思いますけれども、それはどうでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) これは個人情報保護特別委員会でも御答弁しましたように、個人情報保護法を成立し、公布後、施行までに二年ぐらい掛かると、こういうことでございますので、施行までに、この電気通信事業関係で法律が要るのか要らないのか、要るとしたらどういう内容のものにするのか、そういう結論を出したいという御答弁をさせていただきましたが、その考えは同じでございます。
○八田ひろ子君 今までも電気通信事業者の個人情報保護というのはあいまいで、その中で今度の法案では電気通信事業をやめることが簡単になるわけですね。新規参入をやりやすく、競争政策を取るわけですから、当然、倒産とか廃業に追い込まれる電気通信事業者は増える。多産多死になるかどうかは分かりませんけれども、増えることは確かですね。そのときに、昔のような問題が起きたらどうか、個人情報保護策はどうかということで、基本法の施行、その後考えるって言われるんですけれども、基本法そのものは事後処理ですよね。基本法とこの法案の施行期日というのはリンクしていませんし、保証がないわけです。保有していたセンシティブ情報を含んだ個人情報が漏れちゃってからでは、もう何度も言いますけれども、遅いので、やめるときのデータ消去をきちんとできる保証が必要だと、大臣、思うんです、私。結局、個人情報保護というのは事業者任せになっているわけで、個人情報自体が利用価値があって、今売買の対象になっておりますので、もうけのために流出するというのが自然の考え方なんですよ。
  だから、個人情報流出を予防するためにきちんと、少なくとも倒産退出時のデータ消去を確実にさせる手だて、これを、さっき、局長は今はないとおっしゃったんですけれども、こういうものを担保するものを作るべきだと私は思うんですけれども、大臣、どうでしょう。
○国務大臣(片山虎之助君) 個人情報の目的が達成後というんでしょうか、目的実現後はこれ消去してもらうのが筋ですからね。ガイドラインにもそういうことを書いておりますので、これを更に徹底していきたいと思いますけれども、今は法律ないんですからね、ガイドラインですから、これはそれぞれ関係業者の自主的な努力にまたざるを得ない。
  しかしさらに、私どもの方からは、個人情報保護法も本当にすぐ成立するようでございますので、徹底してまいりたいと思っております。
○八田ひろ子君 参入しやすくなって、アウトローだって入ってきやすくなると。退出も自由と。これでは、私は個人情報が保護される保証ない。現に、局長は手だてがないとおっしゃっているんですから、法案出された大臣の責任は重大だと私思うんです。
  今日、時間がないので、いろんな質問できなくて残念なんですけれども、消費者保護とか通信の秘密の確保とか個人情報保護というのは、今ますます重要になってきていますが、それに比べてこの法案というのは、個人情報保護でいえば今の退出の際の電気通信事業者が保有する個人情報が大量に廃棄されて、そこからの流出というのに対して考慮がない、手だてがない。このことに象徴される全く無責任で、単純な規制緩和、競争導入論ですね。これでは、今でも急増している消費者トラブル、これがますます増大させるだけで、だれもが安心して利用できる環境を整備してこそ本当の電気通信事業の発展があると思うんです。
  この法案は、電気通信事業の健全な発展にも逆行して、消費者利益、国民の本当の利益ともならない。手だてがないというのは行き詰まっているのかというふうに思うんですけれども、こういう問題を指摘して、私の質問を終わります。
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
  まず最初にお伺いをいたします。この接続料算定の長期増分費用方式についてなんですが、私は三年前の五月の十一日、電気通信事業法改正案の質疑で長期増分費用方式の導入について、当時の天野電気通信局長に、この方式の導入は接続料を下げるために導入するのだなと、こうお伺いをいたしました。このとき天野局長の答弁は、「長期増分費用方式は、現実の独占的な地域通信ネットワークの提供における非効率性を排除しまして、接続料金の引き下げを図り、それを通じて国民ユーザーの長距離や国際電話通信料金の引き下げにつながるとの観点から導入を目指すもの」と、こういうものでございました。間違いないですね。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 御指摘のとおりの答弁と承知をしております。
○宮本岳志君 この算定方式が接続料を引き下げるために導入されたと、これはもう常識です。
  ところが、情報通信審議会の答申に基づく二〇〇三年の接続料は、ZC接続で五・三六円と大幅な引上げ、GC接続では四・三七円と小幅な引下げとなりました。接続料を下げるために導入された長期増分費用方式で、ZC接続の場合は逆に引上げということになったのはどういう訳でしょうか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 長期増分費用方式を導入をした趣旨、これは三年前に天野局長の答弁ありましたように、独占的な地域通信ネットワークの非効率性を排除をして、接続料の引下げを図る、それを通じて電話の通話料金の引下げを図る、こういう趣旨でございます。
  こういう趣旨で作りました方式に基づきましてモデルも見直しまして、その結果、先生今言われましたように、GC接続については四・五〇円から四・三七円に引き下げられました。しかしながら、ZC接続については四円七十八銭から五円三十六銭に引き上げられたというような結果になったものでございます。
  これは何が原因かということでございますが、一つは交換機の投資額の算定方法を見直し、伝送、離島間に用いられる伝送手段の見直しも行う。さらにトラフィックの減少もあったというようなことでございまして、モデル自体をより現実的に見直した結果、併せて電話のトラフィックが減少したということに伴う結果であるということでございます。
○宮本岳志君 長期増分費用方式を導入すれば、接続料が下がり事業者間の競争が活発になって家庭の通信料金も下がってみんなが幸せになるんだと、そういう説明から始まったんです。しかし、実際に導入してわずか四年目で最初の説明とは逆の事態が起こっております。
  そもそも、この方式を導入するに当たって、前提のモデルと、前提となっているモデルというものにどれだけの客観性があるのかと、当時からそういう疑問の声がありました。我が党は、現実の通信ネットワーク構築の経緯や、これまでの費用と無関係に机上のモデルによって算出される事業者間接続料金の水準を地域の電気通信網を持つ東西NTTに押し付ければ、一般加入者の基本料金の値上げやサービスの切捨てにつながるばかりか、NTT労働者の雇用及び労働条件をも深刻に脅かすことにならざるを得ない、こういう理由でこれに反対をいたしました。
  今回の質問のために資料を調べてみて、接続料の算定に実際にはやはり総務省のさじ加減の要素が介在しているということを思わざるを得ないんです。
  そこで、聞きますけれども、接続料算定に関する二〇〇二年答申では、固定設備の経済的耐用年数に二〇〇〇年の答申時とは違う数値を用いているものがありますが、デジタル交換機と光ファイバーについて、二〇〇〇年と二〇〇二年でどのように変わったのか、御答弁ください。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 長期増分費用モデルの見直しに当たりまして、二〇〇二年の答申では、デジタル交換機、これにつきましては十一・九年から十五・六年に延びておりまして、もう一つの御指摘ありました光ファイバーの経済的な耐用年数は十一・二年から二十・三年、これは架空の場合でございますが、地下に埋設する場合につきましては二十五・九年というふうにしております。
○宮本岳志君 交換機で前回より三割増し。光ファイバーでは架空で八割増、埋設されているものは二・三倍も長い耐用年数に変わりました。なぜ二〇〇二年答申でこんなに耐用年数が延びたんですか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) これは、前回でございますが、時間的な制約から、利用可能なデータが限られておったということで、簡便な方法によりまして経済的な耐用年数を推計をしたという背景がございます。先生、先ほど御指摘ありましたように、これはきちんと見直すべきであるというような観点で、二〇〇二年の見直しに当たりましては、設備の使用年数ごとの撤去実績が新たに分かったということなので、より正確な推計方法を使用することが可能になったということでございます。
  したがって、比較をいたしますと、一般に言いますと後者の方が、後者といいますか、新しい見直しの方が経済的な耐用年数の推計値が延びるということになっております。
○宮本岳志君 正に語るに落ちるとはこのことだと言わざるを得ないですね。
  この減価償却費問題というのは以前から我が党度々取り上げてまいりました。
  三年前の電気通信事業法改正案の参考人質疑で、我が党の矢島議員が、NTT東日本の当時の井上社長に、メタルケーブルの耐用年数は法定では十三年となっているが、現実に一体どれぐらいこのメタルケーブルを使用しているのかと聞きました。井上社長は、メタルケーブルは「非常に量が多いので、きちっとした数字は整理してはございませんが、大体、この法定耐用年数の十三年程度じゃないか」と答え、矢島議員の調査の結果、実際はその二倍ぐらいではないかと指摘をいたしました。
  そこで、これも聞きますけれども、二〇〇二年答申のメタルケーブルの経済的耐用年数を架空、地下、それぞれ答弁していただけますか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 先生御指摘のとおり、メタルケーブルの経済的耐用年数、従前は時間的な制約によりまして、先ほど申しましたように、推計に必要なデータが入手できなかったことから、架空あるいは地下ケーブルともに法定耐用年数である十三年を用いたということでございますが、先般の長期増分費用モデルの見直しに当たりましては、推計に必要なデータが整ったということでメタルケーブルの経済的耐用年数につきましても推計を実施をいたしました。その結果、架空につきましては十九・五年、地下ケーブルでは二十五年となっております。
○宮本岳志君 地下では二十五年、正に井上社長の発言の二倍だということになっております。
  それで総務省、これまでは、これはつまりこれまでの法定耐用年数というふうなものは文字どおり話半分だったということではないのかと私は指摘せざるを得ないんですが、いかがですか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) モデルを作るときの現況等で一番現実的な数字を適用していたということでございまして、したがって、それをより正確に、より現実に合うという形で見直しを行うという中で御理解願いたいというふうに思います。
○宮本岳志君 いや、なかなか御理解できない話なんですが。つまりは話半分だったということだと思うんです。
  この経済的耐用年数というものは減価償却費を大きく左右します。同じ設備を用いていても耐用年数が長ければ計算上に出てくる一年当たりの費用は圧縮される、その分の接続料金が低く抑えられるということは言うまでもないことですね。
  では、この減価償却費というものが全体の費用の計算要素のうち、一体どれぐらいを占めるのかという問題です。総務省に聞きますが、例えばNTT東日本で費用の計算要素のうち、減価償却費の占める割合はどれぐらいか。端末交換設備費用、中継系交換設備、中継伝送共用機能、それぞれについてお答えいただけますか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) お答えします。
  NTT東日本の場合でございますが、端末系の交換機能、中継系の交換機能及び中継伝送機能、それぞれの年間コストに占める減価償却費の割合は三〇%、二五%、四〇%でございまして、この比率は二〇〇〇年答申とほぼ同じ水準でございます。
○宮本岳志君 つまり原価計算の三割から四割は耐用年数の見積りによって大きく左右されると。この耐用年数が話半分であれば、結局全部が話半分になると断ぜざるを得ないんです。
  我々は反対いたしましたが、あなた方は外圧に屈して長期増分費用方式を無理やり導入をいたしました。これによって接続料は更に低廉化することになり、NTT東西の経営を大きく圧迫するものにならざるを得なかったんです。それは当たり前です。現実のコストを無視したような計算方式を導入すればそうなるに決まっているんです。ところが、あなた方はこっそりと抜け道を用意したと。それが法定耐用年数とほとんど変わらない二〇〇〇年答申の経済的耐用年数というものだと思うんです。つまり、この二〇〇〇年答申の耐用年数というものは、これも正に話半分の耐用年数だったんじゃありませんか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 先ほども申しましたように、制度を実施する際におけるその時点での一番具体的、妥当的な数字であるというふうに考えておりまして、しかしながらより明確に、よりはっきり分かるものについては見直しをして、改めて計算をし直すと、こういうことでより具体的、現実的な数字にしておるということで御理解賜りたいと思います。
○宮本岳志君 これも全く理解できない答弁でしたね。つまり、NTTは減価償却費が過大計上されたモデルで長期増分費用方式による接続料金の収入減収を緩和して、緩和してもらう一方で、大変だ大変だといってリストラを行いました。我々が主張したように適正な耐用年数に基づく正確なコスト計算を行えば、私は料金も下がるし、無謀なリストラによる、無謀なリストラも避けられたし、サービス低下も避けられたと思うんですね。長期増分費用方式というのは私は完全に破綻したと断ぜざるを得ないと思います。
  接続料といえば、今回の法案にはNTT東西の特定接続料に係る交付金制度というものが盛り込まれております。これは消費者へのユニバーサルサービスの提供にかかわる事業者間接続料を総務省が決めて、その部分は東西両会社で同一の接続料金水準を維持するというものです。総務省からいただいた資料によると、これは昨年十一月の衆参両院の総務委員会での決議、この趣旨を受けたものだとされております。
  そこで聞きたいんですけれども、この決議では平成十五年以降も引き続き東西均一を維持すると書いていますが、引き続きというからには今問題となっている事業者間接続料金はこの三年間も東西で均一だったということだと思います。それが今後はこんな交付金がないと東西格差が避けられないというのは一体どういう事情があるからなんですか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) NTT東西の電話の役務に係ります特定接続料につきましては、平成十一年のNTT再編成以来、これまでも均一としてきたものでございます。しかしながら、平成十四年度までは長期増分費用方式が適用される接続料の原価につきまして、東西別のデータが存在していなかったということから均一となっていたものでございます。
  平成十五年度及び平成十六年度につきましては、電話の役務の接続料について東西別のデータの把握が可能となったということでございますが、電話の役務に係る接続料を東西均一とすることによりまして、NTT東西において原価と接続料収入の乖離が生じる、この乖離を是正するために交付金制度というものを導入をする、こういうことでございます。
○宮本岳志君 東西で経営基盤に差があるということは最初から私も指摘していたことですよ。それをあなた方は三年間で解決するからといって三年だけの制度を作ったわけです。この補てん制度を作ったわけです。実際に三年が過ぎてみればやっぱり西会社の方がコストが高くなるから何かしら補てんの必要があるということになっているんです。これまでだって東から西への費用の補てんで東西の均一接続料が維持されてきた。いろいろ言っても結局この制度は三年間の時限措置としてやってきたことを衣替えをして新たな名目で存続させると、そういうことではないのですか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) NTTの再編成を実施した平成十一年度から平成十三年度までに適用されました特定費用負担金制度、これにつきましては西会社の経営の安定化を図ることを目的としたということでございます。このため西会社、NTT西におきまして欠損金が発生をして、NTT東において処分可能な利益が存在しているということが前提となって交付金、交付を行うということとなっていたものでございます。
  ただ、今回の特定の接続料に関する交付金の制度といいますものは、特定の接続料を均一としたことによって生じます東西会社における原価と接続料収入の乖離を是正するというものでございます。この金額は機械的に算定されたものでございまして、東西の情勢とはかかわりなく、義務的に交付をされるということになっております。したがって、特定費用負担金制度と今回の特定の接続料にかかわる交付金制度は目的も制度も全く異なるということでございまして、西会社の赤字補てんを事実上存続させるというような御指摘には当たらないのではないかというふうに考えております。
○宮本岳志君 どんなふうに考えても、これはしかしそういうものであるとしか私は思えないですけれどもね。
  それで、わざわざ西会社と東会社を作るということをしていなければ、こんな不自然な操作をしなくとも料金は東西同一なのはもう言うまでもないことです。それをわざわざ経営基盤に差がある二つの会社を作っておいて、東西でのお金のやり取りは三年限りだと約束をしたわけです。そして、その期限が来て、何とかこの先それをどう取り繕うかという話をやっているとしか思えない。
  東西両社間で競争が始まって、両方とも値段が下がりサービスも良くなる、そんな話だった。しかし、よく考えていただきたい。本当に競争が進めば経営基盤が強い方が優位に立つのは当たり前なんです。競争のメリットを消費者が享受できて、しかも東西格差ができない、そんな話は元から成り立ちようがないんです。そして、東西格差があってはならない料金分野があるということを政府も認めざるを得ないからこんな制度を新たに作るという話になっていると言わざるを得ません。
  それではお伺いしますけれども、特定の接続料とあなた方が言うこの特定の範囲、つまり、東西会社間の交付金制度の対象となる接続料金の範囲は一体だれが決めるんですか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 交付金の制度の対象となります接続料につきましては、法律の委任を受けて新たに省令で定めるということでございます。
○宮本岳志君 電気通信事業法第三十三条第二項に規定する接続料のうち電話の役務に係るものであって、総務省令で定めるものと、こうなりますね。結局、総務省が決めるんですよ、これは。
  この制度はいつまで続くんですか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 条文上におきましては、「総務省令で定める期間における」ということから明らかでありますように、恒久的なものではまずございません。ただ、その電話の役務に係る接続料につきましては、昨年十一月の衆参総務委員会におけます決議を踏まえまして、ユニバーサルサービスであります電話料金の全国均一を確保するという観点から、当面、平成十五年度及び平成十六年度において東西均一というふうにしているものでございます。なお、平成十七年度以降について、接続料に係る制度の在り方も踏まえまして、今後検討していきたいというふうに考えております。
○宮本岳志君 これはあくまで臨時的なものだというけれども、いつまでなのかは分からないと。これは附則に、結局、「総務省令で定める期間」と附則十六条ではなっておりますね。これは正に私は場当たり的だと思うんです。
  また、先ほどの説明にあった長期増分費用方式を東西均一料金と東西別々のモデルで計算して、その差額分を東から西へ交付するというこの計算方式、この計算方式については法案の条文に書かれてありますか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今後、省令で決めることになるということでございます。
○宮本岳志君 ちゃんとこの法案について分かって答弁してくださいよ。
  条文では、特定接続料が同等の水準となることを確保するために、西会社に対し、西会社の接続の業務に要する費用の一部に充てるものとして総務省令で定める方法により算定した金銭を交付すると。これも総務省が決めるとなっているんですよ。
  質問の最初で、私は、長期増分費用方式も実際には話半分だったと、総務省のさじ加減一つだったという指摘をしましたが、この交付金制度も、いつまで動かすのか、対象となる業務の範囲、交付金金額算出のためのモデルの設計、これもすべて総務省のさじ加減一つになっていると言わざるを得ません。
  総務大臣、大臣、総務大臣、大臣ね、結局のところ、最初から指摘しているように、NTTを東西二つの会社に分けるということ、このことに私はそもそも無理があったと。そしてまた、長期増分費用方式という事業者間接続方式を、接続料の算定方式を入れることに私は無理があったと。それを根本的に反省せずごまかそうとするから、際限なく訳の分からない制度を作らざるを得なくなるのではないか。大臣、そういうふうにお感じになりませんか。
○国務大臣(片山虎之助君) それは、いろんなNTTの改革は議論がありまして、電電公社改革以来。その当時、真剣な議論を国会はもとよりいろんな方面でやってきているんですよ。今の持ち株会社のグループ方式、あるいは長期増分方式の導入、そういうことでございまして、私は、しかし大きな方向としてはNTT改革は成功であったんではないかと、こういうふうに思っております。
  それから、今の接続料の話ですと、全部、総務省総務省。法形式は省令ですよ。しかし、審議会でちゃんと答申をもらいパブリックコメントに掛けて決めているので、勝手に総務省が決めるような、そんなあれはありませんよ。そういう仕組みではない。それはちゃんといろんな学識経験者を含めた議論をしてもらって、関係者を含む民間の声を広く聞いて、その上で、決める形としては省令という形式を取っていると、こういうことでございまして、その辺はよろしく御理解を賜りたいと思います。
○宮本岳志君 この三年間やってきた交付金というのは、三年と決めてあったんですね。今度は何年と決まっていないんですよ。私はそのことも指摘をしたつもりです。だから、それは何でもかんでも総務省だけで決めれるとは言いませんよ。しかし、実際ここに附則で書かれていることには、総務省令で後から定めますということになっているということを御指摘申し上げたわけなんですね。
  それで、私は今日皆さん方と議論をしてまいりましたけれども、あなた方は我々の反対を押し切ってNTTを分割・再編いたしました。そして、接続料金の算定に長期増分費用方式を導入したわけです。そういうことをやると破綻しますよと私どもが言ったけれども、いやいや大丈夫ですと、そう言ってやってきたわけですよ。そして、今やその破綻は明瞭になったと思います。にもかかわらず、その誤りを認めようともしない。そして、一層訳の分からない制度を作るというような、そういうあなた方の電気通信事業政策には未来はないということをはっきりと御指摘を申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○渡辺秀央君 午前中からの質疑も十分聞いておりましたり、いろんなNTTに対しての考え方、あるいはまた今の新しい時代のブロードバンド、光ファイバー、いろんな時代に対しての懸念やらあるいは期待やら、こもごもの質疑でありますが、基本的に、私はこのNTT民営化をやった張本人として、まあその功罪相半ばというようなことではなくて、極めて私は功の方が大きかったということは、これは今日の情報化社会を見ても明らかなことであって、なおかつ今日また規制緩和のこの今度の法案等を考えてみると、いわゆるこれからの時代に即した今日的課題の一つの解決、そしてまたさらに、NTTを言うならば国家戦略の中の一つの機関として、これは大株主は国なんですから、そういう意味では、しっかりしたとらえ方と、同時に総務省の担当局の責任も、大臣はもちろん重大ではあるが、しかし経営者の責任と使命、そしてそこで勤務している従業員の皆さん方の大変な日常の努力、使命感、そういう中での役割をそれぞれが分担して今日まで、言うならば国民総力を挙げて後進国から正に近代国家に推移してくる、この情報通信を築き上げた国民の資産というか、そういうものの集大成の行方というのは、なかなかこれは今日的な大変化の時代には大変だと思うんです。
  しかし、これはもう与野党関係なく、私は今、自由党に籍を置いているけれども、しかしこの法案に対しては全面的に賛成をしながら、かつまた一層のこの情報通信、そしてまたNTTに関しての努力を、あるいはまた、この業界、情報通信機器を含めた技術的な面における発展も含めて期待をいたしてまいりたいと思っております。
  また、自分の思いを余りやっていると時間を超過しますので、今日は少しまとめてまいりまして、これ、三十分以内に何とか重立った質疑を、今までの人たちと切り口を変えて、ちょっと意見を交わしてみたいというふうに思います。
  今申し上げたような、この改正案は、一種、二種、三種事業区分の廃止と、一種事業の参入あるいはまた退出にかかわる許可制の廃止、料金、約款規制の原則廃止など、大胆な規制緩和を盛り込んだもので、昭和六十年以来のことであろうというふうに、抜本改正と認識をいたしておりまして、私は、一つは評価をいたしているところであります。
  他方、電気通信市場の現状を見ると、今申し上げたように、平成三年、四年当時と比べてみても、インターネットは今や我が国の社会経済生活におけるインフラとして国民各層に浸透して、近年はADSLやあるいは光ファイバーなどのブロードバンドサービスも急速に普及するなど、大変、想像に絶するとは言いませんけれども、できなかったような大変貌を遂げている。
  こうした急激な変化の中で、市場の一層の発展を促すためには利用者からの信頼が不可欠だと思うんです。規制改革により競争が促進されたとしても、一般消費者が電気通信サービスを安心して利用できる環境が整っていないと市場の発展は阻害されますね。また、情報通信は今後の我が国を担う重要な戦略分野、この点は先進諸外国においても同様でありますけれども、我が国の情報通信産業の国際競争力強化という点も国家的課題として、これは本当に真剣に取り組んでいかなきゃいかぬことである。
  そこで、本日の質疑で、今般の電気通信改正法、今申し上げたように、いわゆる電気通信市場の一層の発展を促しながら我が国の競争力強化にもかなうものとなっているかどうかということを若干質疑をいたしてみたいと思うんですが、実は、時間もありまして、逆の質問から私ちょっと今日は入りたいと思っているんです、私が作り上げてきた質問の構成よりもちょっと逆から入りますが。
  それはどういうことかというと、今、前段、私が申し上げたように、NTTというものに対して、大臣、どういう、大臣は所管大臣としての思いですか。私が前段申し上げた国家戦略的、あるいはまた情報通信の日本の全く冠たる基盤を持っている国民のあるいは財産として、国家のインフラとして、それぞれ価値観があります。私は、私のことを、今大ざっぱな思いを言いました。大臣は政治家としてどういう思いですか。
○国務大臣(片山虎之助君) NTTは、昔は日本電電公社ですよね。それを、電電公社から今のNTTまで大きな改革を何度もやってきたわけでありますが、渡辺委員はその当事者として、責任者として相当苦労されたと思いますけれども、私は、NTTグループは日本で最大の企業体であると。それからもう一つは、民間でありながら、もう今は民間ですから、民間でありながら、政府はまだ株を持っておりますけれども、基本的には民間でありながら大きな公共的な使命を果たしていると、こういうふうに考えております。
  だから、このNTTをどういうふうに電気通信政策の中で位置付けて、その在り方を国民に納得してもらうといいますか、賛同してもらえるようなところに持っていくかということが大きな課題だと、こう思っております。
  今NTTグループは、連結会社三百社、売上げが十兆円以上でございまして、これに匹敵するのは、トヨタが九兆円、東京電力が五兆円ですね。
  それから、今の公共的使命という意味では、我が国のこういう電気通信事業者の中で唯一のユニバーサルサービスを実現する責任を持っている。そういう意味では、通信主権という意味から外貨規制なんかもこれに課していますよね。そういう意味で、例えば今の基金の制度だとかいうようなものも作っているわけでありますけれども、良くも悪くも、このNTTをどう扱っていくか、どう機能してもらうか、これが国や国民の利益に直結するのではないかと私は率直に考えております。
○渡辺秀央君 実は、先般、私は個人的な感情を言うわけじゃないが、非常に不幸な環境で永眠された真藤さん、大変な私は貢献をされた人だと思うんです。
  しかし、この人の力量、手腕を発揮する背景というのは、NTTの人たちの一丸となったこの民営化に対する、これはもう労働組合を始めとして経営者、本当に大変な努力をしたんです。そういう中で、大変、私は今、この国家的な見地から見ると、非常に一抹の寂しさを、ああいう送り方をしたということに対して政治家として、これは私情じゃなくて、政治家として私はちょっとそんな感じをいたしますよ。しかし、功績は極めて大きかった、勲章の問題ではないと。これはやっぱりお互いが認識しておかなきゃいかぬというふうに思います。
  何もここで追悼の言葉を申し上げるつもりはありませんが、いや、しかし、笑い事でなくて、それは自分の生涯を懸けた、事業家として勝負をおやりになった人ですよ。それは大変なことなんだから。そういうことが多少のつまずき、そういうことで気の毒なことをしたなということと言いながら、私は思いを致している一人であることを申し上げておきたいと思います。
  そこで、いわゆる今般の事業法改正案、NTTに対する非対称規制は維持される方針と聞いているけれども、我が国の情報通信産業の活性化を図るという観点から、こうした方向について幾つか質問してみたいと思います。
  質問を軌道に乗せまして、いわゆる今回の事業法改正に限らず、総務省の規制政策は、NTT、さっきも幾つかの質問がありました、NTTの力をどうも弱めるんではないかということに力点が今まであったんじゃないかという。これは、局長、私はずっと歴史は分かっているんですよ。それから、郵政省と電電公社のかつてのそれすら、それもよく分かっている。しかし、そういう意味においては、もうそんな時代ではないと。それも、いわゆる後発電気通信というか、そういう人たちは完全な民営、民間の企業体、こっちは、今、大臣が言われたように、私が指摘したように、言うならば国家的な背景を持って、かつまた国家公務員に準ずる従業員は規制を受けて、規制というか一つの規範を持っているわけですな。
  そういう意味においては、やっぱり私は、まだこれだけ日進月歩、変わっていく情報通信、デジタル化、これが一体将来どこまで行くのかというようなことを考えると、これはもう想像も付かないということをさっき申し上げたように、法律が後追い後追いというわけでしょう。そういう中で、このNTTのこれからの言うならば果たす役割というのは非常に大事だろう、大切なことだというふうに思いますよ。
  例えば、当時、民営化のときに、私は、NTTの株を三分の一は技術革新のために国が保管して、その株式の配当は技術に、技術というのは無駄が多い、技術開発は無駄が多い、研究費は。だけれども、思い切って日本の、このNTTの持ってきた、当時の電電公社の有する、世界に冠たる技術を大事に発展させていくべきではないか、そのためにはそういう財政的な背景を別個に設けろということを、当時は自民党の部会でも発言して了承を得られている一面も私は記憶している。
  現実に、今、日本は貿易収支の中で技術貿易というのが、これは知っているか知らないか分からぬが、私が調べた範囲では数百億円、この近年、一、二年の間に黒字になって、プラスになっている。今までは、技術貿易というのは全部マイナスだ、日本は。だって、特許料をみんな向こうに払っているんだ、外国に。
  そういう面もあって、NTTがそのうちのどれだけの分野を担ってどれだけの効果を出しているという細かなことまで触れませんけれども、しかし、そういう点から考えると、一面、さらには、先ほど言った国民の生活あるいは産業あるいは文化、もうすべての面から考えて、この基幹産業である、国家戦略的な面からも、これは、NTTというのはもうしばらく、もうしばらくは私は国として大事に考えて、しかもこの大変化をしようとしている大ブロードバンド時代、そういうものに対する取組は、一方においては柔軟にNTTの経営者にやらせる、一方においては国民に対してのサービスを、まあグローバルサービスの話はもう時間がないから今日はよしますけれども、そういう大きな責任を担ってやっている。
  一体、所管官庁としてというよりも所管の責任者として局長はどういうふうに考えているかということを承っておきたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) NTTの我が国における、とりわけ電気通信業界における位置付けというのは非常に大きいものがあるということは重々に承知をしております。
  それから、先ほどからいろいろ申し上げておりますけれども、やはりNTTの持っている潜在力というのは極めて大きい、それから資産としても極めて大きい、持っている、先生御指摘ありましたように、技術力についても群を抜いて大きい、そういったことを我が国のIT全体において十分生かせる環境が望ましいということは重々承知をしております。
  他方におきまして、先ほど大臣からございましたけれども、NTTの存在というのはこの市場構造の中では非常に大きいものがございます。かつては、それが独占的であったということによって弊害というものもかなり指摘をされてきたということがございます。我が国がより一層IT市場を拡大するには、公正な競争条件というものを整備をする、競争環境を整備をすることが大事であるという観点で歴史的な取組がされてきております。
  私も前回の法律改正のときに、NTTの独占的な市場を前提にしておったNTTの義務、例えばユニバーサルサービス義務であるとかあるいは技術開発であるとかあるいは情報通信であるとかということについて、独占であれば全部NTTに依存するということでよかったかもしれませんけれども、しかし、競争が入っていって、いつまでそういう責務を無条件にNTTに課すのかということについては審議会等でも議論をしていただきました。その結果、例えばユニバーサルサービスにつきましても、全く手当てなしでNTTに依存するのかというのではなくて、ユニバーサルサービスファンドというような仕組みを作って、そこで全体でそのユニバーサルサービスを維持をするというような仕組みがあっていいんではないかということで前回お願いをしたことがございます。
  それから、現在のNTT法の枠の中でいいますと、午前中にも話をいたしましたけれども、この間までは、すべて県内に閉じたサービスしか提供してはいかぬというのがNTT東西の枠組みでございました。しかし、ITが進み、IT化が進む中にあって、やはりNTTの持っている潜在力を生かすという道があっていいんではないかということで、いわゆる活用業務という道を開いたということでございます。
  それから、今回の改正に当たりましては、もうネットワークのいわゆるボトルネックの部分についてはオープンにしていくという大きな方針がございますので、その結果、サービスについて、とりわけ競争的なサービスについては、NTTが自由に発想をし、ビジネス展開ができるという観点から規制を外すということでお願いをしております。
  今申しましたように、NTTについても、私はNTTの力をそぐというのではなくて、むしろ持っている力を発揮させる、発揮していただいて、その上で公正な競争がもし阻害される要件があればルールを作ってしかるべく措置をするということで国全体のIT活力を伸ばすべきだというふうに思っております。
○渡辺秀央君 だから、もしも、もしもということが余分だと思うんだね。やっぱり競争させるときはうんと競争させる、やらせてみる。あるいは、今、NTTの基盤がもっときちんとしないと国際競争力に負ける、そういう認識だったら、もう大いに競争させる時代が来たときには、役所としては規制するなんと言うから、それはどこまでやるかなということで阻害されていくわけだ、意欲が。あるいはまた、経営者としても、どこまで投資をやるかということのいわゆる決断が鈍っていきますよ、それは。だから、そんな、あなたたちは役人だからそれは大事なことは大事だけれども、大事にしていかなきゃならないけれども、だけれども、経営者は民間になっているんだから、そこは少し考えていかなきゃならぬことではないかと思いますよ。
  そこで、これまでに導入された接続ルールやNTT東西の加入者回線の開放などの非対称規制は国民に対してどんなメリットがあったのか。あるいはまた、もう一つ、インターネット時代、ブロードバンド時代において、あらゆるサービスについてNTTの力が圧倒的に強いわけではなくて、これは言いませんが、我が国の情報通信産業の活性化を図る観点から、むしろ、非対称規制を緩和して、NTTがサービスを柔軟に提供できるように私はむしろやるべきなことではないのかと。当面ですよ、永久にじゃないですよ。というようなことについてはどうお考えですか、局長。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 最初の方でございますが、接続ルールについての問題でございます。
  これにつきましては、平成九年にいわゆる指定電気通信設備制度というものが導入をされまして、接続約款の作成や会計の整理が義務付けられておりますけれども、その結果、その後も光ファイバーやメタル回線等が開放されまして、先生御案内のとおり、もう平成十五年三月末にはADSLが約七百万加入というふうになっております。高速インターネットサービスも三十万加入というふうになっておりまして、本年五月のITの調査でも、我が国のブロードバンドが世界で最も見やすく最も安いというように評価をされております。これは、この接続ルールによる一つの大きな成果であるというふうに思っております。
  それから、NTTの非対称規制の在り方につきましては、これは競争状況を見ながら見直していくというのは当然だというふうに思っておりまして、先ほどもお話をいたしましたけれども、サービスについては相当規制緩和をするということで非対称規制の緩和を図っております。
○渡辺秀央君 是非、そういうふうに考えるべきだと思います。
  そこで、ちょっと時間が足りなくなったんですが、私は、この規制改革を通じて競争の促進を図ることも重要だけれども、冒頭に触れたとおり、情報通信分野は今後の我が国を担う重要な戦略分野であって、我が国の通信主権の確保や国家安全保障といった国家的見地から政策の方向性を検討することも忘れてはならないと考えているんです。
  今般の事業法改正は、参入規制についても許可制を廃止しているけれども、参入規制を緩和すると国家安全保障に影響を及ぼすおそれがある場合でも参入を排除できないのではないかという点が懸念される、逆論法でもう恐縮ですが。また、こうした国家安全保障の観点からではなく、我が国の事業者の国際競争力の確保を図り、例えば第三世代携帯電話のような新たな事業分野で彼らが世界に進出していけるような環境を作っていくことも日本政府の重要な役割であると考えております。
  これを踏まえて、私は今般の電気通信事業法改正は、参入規制についても一種事業の参入許可制を廃止して、大幅に規制を緩和している。電気通信事業は国家の基幹的役割を担うものであり、通信主権の確保や国家安全保障という観点から、我が国の安全を脅かすような外国資本の参入については事前にチェックできるようにしておく必要があるのではないかと思うんですが、これは局長の方が、もう簡単でいいんです、これに対しての結論だけ教えてください、どういうふうに考えているか。
  それからもう一つ。我が国の情報通信産業の国際競争力強化という観点からは、諸外国から日本の通信法制に対する要望を聞くばかりでなく、我が国から諸外国の通信法制の、法制ね、法律ね、法律制度の改革についても積極的に要請していくべきではないのかと。諸外国の通信法制の改革についてこれまで日本政府がどのような事項を要望してどの程度成果を上げてきたか。
  久しぶりに、後半の方にちょっと説明を加えて、もしそこに答弁があったら教えてください。
○政府参考人(有冨寛一郎君) まず、通信主権あるいは国家安全保障という観点でございますが、これは、基本的には我が国を代表する基幹的通信業者でありますNTTにつきまして、NTT法に基づきまして外国人の議決割合を三分の一未満とするという外資規制、これを維持しているということがまずございます。
  それからもう一つは、新しい参入者に対しましては、これは外国為替及び外国為替法、この第二十七条によりまして、国の安全を損ない、国の、公の秩序維持を妨げ、又は公衆の安全の保護に支障を来すこととなる場合、これについては勧告が必要だというようなことでございますので、それを、制度を最大限生かしたい、このように思っております。
  それから、アメリカあるいはヨーロッパ等の対話の問題でございますけれども、これは、これまでもアメリカ及びEUとの間におきましていろいろな意見交換をしてきております。
  我が国からの要望でございますが、これはアメリカに対しましては無線局免許、これに対して外資規制を撤廃してほしいと。これは日本ではもう撤廃しておりますので、撤廃してほしいと。それから、外国事業者等の米国市場参入に関する審査基準、とりわけ日本の事業者がアメリカのマーケットに参入する際にややもすればパブリックインタレストということで、なかなか参入が不透明であるということもございます。そういったことにつきまして、なおかつ州と連邦とは違うということもありますので、そういった観点での審査基準を明確にしてほしいというような要望を出したりしております。
  それから、EUに対しましては、フランス、ドイツにおけます免許料、これが非常に高いので、これを引き下げてほしいと。あるいは、同じことでございますが、EU加盟国における手続についての透明化をしてほしいというようなことで要請をしておりまして、成果でございますが、アメリカは、審査基準につきましてはようやく国際的なドミナントの契約約款届出義務を廃止をしたということでございまして、国際的な業務については非常にやりやすくなっているということでございます。それから、EUにつきましては、免許料の引下げについて引き下げるというようなことの実績を示しておりますので、それなりに成果はあったものというふうに考えております。
  ただ、なおまだいろいろ意見交換をしておりまして、俗に規制緩和、日米規制改革イニシアチブあるいは日米規制改革対話ということで、時間ございませんので余り細かいことは申し上げませんが、なお産業界とも意思疎通を図りながら、粘り強くいろんな問題について対応していきたいというふうに考えておるところでございます。
○渡辺秀央君 今日は本当はもう少し時間が、質問時間をいただいているんですが、若干のことがあって三十分の質問時間にさせていただきましたが、もう時間が参りまして、もう少し、実は起業者が、ベンチャーなどのいろんなものがどんどん出てきて、すぐに許可を取って、それで休業していくあるいは廃業していく。そうすると利用している人たちが一体どういうことになるか、その保護、そういうようなことがこれから大事だろうという、そういったことも少し議論をしてみたいと思ったんですが、今日はNTTを中心にしたことの議論にさせていただきました。
  私がなぜこの国際の問題を申し上げたかといいますと、当時、NTTが民営化になった即座は、いわゆるNTT、日本電信電話株式会社というのは国内しか活動できぬということになっておったんですね。国際的に、アジアを始め各国から要請がある、NTTのいろんな技術というものを取得、あるいはまたそれに対して恩恵を受けたいということでもできなかった、当時は。
  私は、そのことについては実は郵政省の諸君達の答弁書を、以上が郵政省の答弁書であるが大臣としての答弁は、日本一のカンパニーで世界一の企業である、当時は、資本から、さっき片山大臣が言ったように。国際貢献をしなければならない我が国が、国際的に一番大きな企業を持っている、その企業が国際貢献できないというばかなことはないと思うと、できるだけの法律の範囲内でまずはやれるだけのことは、大いに国際協力と国際進出と、進出という言葉は言わなかったと思うが、活動はやってくれというふうに言ったのがきっかけで、東南アジアのいわゆるNTTの最初の仕事に入っていった。
  そういう意味では、やっぱりこれから先、アメリカに対して我々がそういうことを努力をして、かつまたアメリカやヨーロッパに対しても、今、局長が言われたように、正に国際活動を活発化していく。向こうの、受け身だけではなくて、言わば、攻撃とは言わないが、公正な、そして国際競争が公平に、国内の競争の話をしているけれども、国際競争も公平にできるように、これが役所の大きな役割ではないか、日本の政府の役割ではないかと思うんですね、大臣。
  そういう意味で、大臣の、国際競争に対する、公平な競争ができるような、これは外交の努力というよりも、やっぱりこれは所管の役所として、しかも国際活動、国際的な機関を持っているわけだから、それは是非大臣も目を配っていただくようにお願いをしながら、決意をお聞きして、質問を終わりたいというふうに思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、渡辺委員と私どもの有冨局長といろんなお話がありまして、私は大変興味深く聞いてまいったわけでありますが、NTTはそういう意味ではやっぱり我が国を代表する企業ですね。この分野では基幹的な事業者でございまして、やっぱりここがしっかりしてもらわないとそれは困るんですね。ただ、大き過ぎて強過ぎて、市場支配力もあり過ぎるものですから、そこが難しいんです、しっかりしてもらいながらほかも育ててもらわないと。一強何弱じゃ困るんですね。やっぱり弱も、かなり強に強い弱を育てていただくという、そういう役割も私はあると思うんですね。
  そのことが国民といいますか、消費者の利益にもつながっていくと。そこは是非NTTの皆さんにも考えていただきたいと、こう思いますし、国際的には日本を代表するんですから、やっぱりそこは国際貢献もしながら、しかし、通信主権という言葉がありますように、NTTがあるから日本はもうしっかりしているんだと、こういう国民に安心感を与える必要もあるんですね。
  だから、もう一人何役もやってもらわなきゃいかぬので、NTTグループさんには大変だと思いますけれども、それにこたえるのがNTTなんですよ。だからグループで残っているんです。本当はばっと分割するというのもあったんですから、そういう意味でひとつ、私はNTTさん、今後のいろんな努力にも期待したいと思いますし、我々はサポーターとしていろんな言うべきことは言わせてもらう、制度を直すときは直させてもらう、しかし、基本的にはNTTをしっかりと守っていくと言ったら語弊がありますが、連携を取っていくと、こういうことでやってまいりたいと思います。
  国際関係につきましては、これは今いろんな意味で国際的に資本を含めて日本に入ってきておりますから、今言いましたように、外資導入の規制もやっておりますし、こういう点は今後とも堅持して、国際的にも今はかなりな投資をしておりまして、うまくいく場合もうまくいかない場合もあったようですから、この辺は少し反省してもらわないかぬと私個人は思っておりますが、国際的な進出も大いにやってもらいたいと、こういうふうに思っております。
○渡辺秀央君 終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。
  今日は、ユニバーサルサービスとしての公衆電話、それから事業の休廃止の問題、東西会社の財源補てん問題、大きく分けてこの三つについてお尋ねをしてまいりたいと思います。
  そこで、規制緩和と名が付けばすべて全部、こういうような風潮が強いんですけれども、やはりそういう中にあっても消費者の保護のような社会的な規制、あるいは弱者保護のための事業者への義務付け、こういった問題は当然堅持すべきものと、こんなふうに思います。
  事業者のための規制緩和ではなくて、電話における利用者サイドのユニバーサルサービスとは一体何か。例えば、田舎に独り残っているお年寄りなど、電話が重要なコミュニケーションの手段になっているわけですが、携帯電話は耳や目が衰えて使いにくい、ましてやパソコンやパソコン通信などは無理だと、こういう通信弱者がおります。昔ならば郵便で満足していたわけですけれども、今は電話が社会的なミニマム、こういうことだろうと思います。
  ところが、携帯電話が普及した結果、公衆電話がだんだんと撤去されておると、これは朝からの論議でも出ています。携帯を持たないお年寄りなどが外出した際に、街角で前にあったところに公衆電話がなくなっている、これが都市あるいは農村を問わずに大きなハンディとなりつつあるという、こういう現実があるんだろうと思います。
  そこでお伺いしますけれども、一つは、公衆電話の数はどういうふうに推移をしてきているのか。二つ目に、また、設置や廃止の基準はどう変わってきているのか。三つ目に、特に公衆電話でユニバーサルサービス的な設置の基準というのがあるのかどうか。四つ目に、地方自治体においては福祉電話などの設置を行っておりますけれども、その現況と、これに対してNTTがどのような支援をなさっておるのか。以上の点、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 公衆電話の設置台数から順次お答えをさせていただきたいと思いますが、先ほど先生からも御指摘ありましたように、最近の携帯電話の普及によりまして、公衆電話事業の収支、これが悪化しているということもありまして、利用頻度の低い公衆電話につきましては削減が行われているということでございまして、大きく言いますと減少傾向にあるということでございます。
    〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
  具体的に言いますと、最近の直近三か年間の数を申し上げますと、平成十二年度で約七十万七千、平成十三年度で約六十八万、平成十四年度で約五十八万四千と、こういうふうになっております。
  次に、公衆電話におけるユニバーサルサービスの基準でございますけれども、まずユニバーサルサービス、戸外における最低限の通信手段を確保するという観点で一定の基準で設置される公衆電話につきましてはユニバーサルサービスに位置付けております。具体的な基準につきましては電気通信事業法施行規則で定めておりますが、市街地でおおむね五百メートル四方に一台、その他の地域ではおおむね一キロ四方に一台という規定がございます。
  それから、地方自治体における福祉的な電話サービスについてでございますが、市町村によりましては、市町村名義でNTT東西と契約をして身体障害者や独り暮らしの老人向けに電話設置に掛かる工事費、毎月の基本料を負担する等の施策を行っております。NTT東西におきましては、市町村が身体障害者等のために設置する加入電話等の基本料につきまして、市町村名義であっても住宅用料金を適用するといったような措置も講じています。そういうことでございます。
○又市征治君 三点目に聞いたユニバーサルサービスの基準、つまり一種がユニバーサルサービスの基準だと、こういうふうに理解していいですな。
  しかし、現実に公衆電話は減ってきている、今話がありましたように、平成九年度末から二〇〇一年度、平成十三年度末までの五年間で七十七万七千台が六十八万台へ減っている。台数にして九万六千五百台、率にして一二・四%減っているということだと思います。しかも、公衆電話だけが大幅な値上げになっているわけですね。携帯電話なんかは、さっきも話ありましたように、値段は下がってきている。平成三年のときは三分十円だったものが平成六年の段階で三分三十円、こんな格好に上がってきているわけですね。
  そこで、お伺いしますが、実態として公衆電話はだれがどのように使っているのか。特に、携帯電話の爆発的な普及の後で残った公衆電話利用者はどういった人々なのか。さっきもちょっと申し上げましたけれども、ここらのところは一体調査をされているのかどうか。多分、高齢者、高齢単身者であるとか入院者だとか携帯電話を使う条件のない人、こんなことになっているんだろうと思うんです。また、外出したときに電話がなくて困ったのは一体どういう場所か、どういうときなのか、こういう調査はすぐできるわけですし、これを調べれば公衆電話に頼らざるを得ない人、あるいはそういう頼らざるを得ない場合というのがどういうものか、そこからユニバーサルサービスの方向性というのは分かるんだろうと思うんですね。そこら辺のところは何か調査されているのかどうか。
  それからもう一つ、この二種の場合、委託公衆電話で一か月の利用が四千円未満だと廃止しているそうですけれども、この根拠というのは一体何かあるのかどうか。それから、一種でこうした頻度別に見ると現状はどうなっているのか。一種でも四千円未満しかない公衆電話もあるんでしょうけれども、これは廃止は今のところはされてないようですが、これからもこれは廃止はしないという考えなのかどうか、承っておきたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) ただいま最初の質問でございますが、公衆電話をだれがどこでどのように使用しているかという個別具体的な調査については承知をしておりません。ただ、公衆電話をどういうふうに維持するか、あるいは先ほど、午前中、先ほどもお話ありましたけれども、廃止に当たってどういうふうに考えるかというのは当然いろいろな形で認識をし、必要によれば関係者の理解を得るというようなことの努力は必要だというふうに思っております。ですから、そんなことも廃止に当たって当事者でありますNTTの方がきちんと意向を踏まえて対応するということを期待し、また要請もしたいというふうに思っています。
  それから、NTT東西の二種の公衆電話の利用額は四千円以下のものを廃止するということでございますが、これは月額の利用料金が四千円未満の場合に公衆電話を廃止してきているということでございますが、NTTの説明によりますと、この四千円未満という基準につきましては、公衆電話機の保守費等、公衆電話の維持管理に要する最低限の費用であるというように承っているところでございます。
    〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
  それから、第一種公衆電話の利用頻度でございますが、これについて実績はしておりませんけれども、少なくとも第一種であるという限りにおいて利用頻度がいかなるものであろうと廃止するべきものではないし、今の頻度においては廃止はしてはいけない、このように考えております。
○又市征治君 それでも、幾らか第一種も減ってきているわけですね、現実は。
  公衆電話を減らす理由として、一つは役務別損益が三百四十四億円の赤字、こういうふうに言われています。しかし、この中身も本当の内訳が公表されていないわけで、共通の費用をどちらに振り向けるかによってこの収支は違ってくるんではないか、こんなふうにも思います。また、三百四十四億円というのはNTT全体の収益ということから見れば吸収できる程度の比率なんではないか、こんなふうにも思います。さらに、問題は、もし公衆電話の赤字がこの額ならば、それは正にユニバーサルサービスの持ち出し分として基金を通じて他の電気通信事業者に、とりわけNTTにこれだけの負担を全体として負わせているわけですから、これこそもう基金を通じて他の電気事業者に分担をしてもらうべき代物ではないのか、こう思うんですけれども、以上述べた三つの理由から見て、三百億円台の赤字を理由にユニバーサルサービスを削減することはあってはならぬと、こんなふうに思うんですが、この点はどうですか。
○政府参考人(有冨寛一郎君) NTT東西の公衆電話に係る三百四十四億円の赤字の問題でございますが、これは現状でいいますと、この費用は電気通信事業会計規則というもので定めております基準に従いまして費用配賦がなされているものでございます。それに基づきまして会計監査人が適正に配賦されているという証明書を得ているということでございます。
  基準についていかがなものかということについてもし議論がありますれば、それは改めて見直す余地はあろうかというふうには思います。
  それから、ユニバーサルサービス基金の話でございますが、ユニバーサルサービス基金制度そのものは、NTT東西の各社内部における採算地域から不採算地域への地域補完補てんだけでは引き続きユニバーサルサービスを維持することが困難な場合に稼働するということでございまして、現時点で公衆電話の赤字補てんということのためのみをもって基金を稼働させるということは考えておりません。
  それからもう一つ、赤字であるがゆえにユニバーサルサービスである公衆電話を削減することはあってはならないということについては、先ほどから申しましているように、この基準、市街地においておおむね五百メートル四方に一台、その他についておおむね一キロメートル四方に一台という基準で安定的なサービスの提供を確保してきているというふうに認識をしておりまして、このサービスは国民生活に必要不可欠なサービスであるということで、収益性にかかわらずサービス提供は維持されるべきであろうというふうに考えています。
○又市征治君 それじゃ、次の事業者の休廃止と利用者の被害の問題等についてお伺いをしてまいりたいと思います。
  一種、二種事業者の区分の撤廃に伴って、現行法での許可制がなくなって、すべて事後の届出制になっていく、つまり旧の二種と同様になる。事業者にとっては規制緩和になるわけですが、特に事業者がサービスを切下げあるいは売り逃げをした場合、契約金を払い、サービスを受けていた利用者は突然の有形無形の損害を受けるということになってまいります。
  そこで、こうしたサービスの切下げや撤退が利用者から見て事前か事後かというのは、これは極めて重大な問題なんだろうと思うんです。現行法では、第十八条第一項で、休廃止しようとするときは総務大臣の許可を受けなければならない、また同第三項で、法人の解散は総務大臣の許可を受けなければならないと、こういうふうになっていますね。ところが、新法案の第十八条は変わって、休廃止したときは遅滞なく総務大臣に届け出る、こうなって、事後の届出でいいと、こんな格好になっているわけですね。
  これで消費者や利用者の権利は一体守られるのか、非常に私は疑問だと思わざるを得ないわけですが、なぜこんな形で緩めることになったのか、改めてお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今回の規制緩和でございますが、従来、一種、二種に区別を前提にした制度を作っておりましたけれども、サービスの面において大きな二種のものと一種についてほとんど差がないというような状況を踏まえまして、少なくとも、これまで大きな二種について全く利用者保護のルールがないということはいかがなものかということで、今回の規制緩和に合わせまして、従来なかった二種に対しましても利用者保護ルールを設けたということでございます。とりわけ、これまでの苦情は二種にかかわるものが非常に多うございまして、今回の法的な措置によってここは相当程度改善されるものと期待をしておるものでございます。
  これは、先ほどの先生御指摘の法律におきまして、これまでは許可による扱いでございましたけれども、緩和をして届出によるということでございますが、このままでありますと全く消費者保護の観点が抜け落ちてしまいますので、先ほど申しました保護ルールをきちっと法的に措置をするということによってバランスを取っているというふうに御理解願えればというふうに思います。
○又市征治君 そこは、利用者に対する事前周知について、そういう意味では、答申では事前というふうに明記をされていたのに、どうもここのところは、こういう、今申し上げたように改正案ではあいまいで、今答弁されていた同条第三項、利用者にその旨を事前に周知をするという、事前のこれは義務だということですね。事前の義務にしていくという、この点は間違いありませんね。そこで、その点はもう一つ。
  それから、法律で明記すべきだというふうに私は思うんですけれども、消費者にこの乗換えの選択可能性を保障するには、これは、例えば三か月とか幾らかの期間を置いてサービスを続ける義務をやっぱり課すべきじゃないのか、少なくともこの点については省令で明確にしてはどうか、こんなふうに思います。そもそも、どのくらい前から周知をすれば利用者に損失が少ないというふうに今の段階ではお考えになっているのか、この点もお伺いしたい。
  また、実際に事業者が利用者にどの程度周知したかというのを総務省としてはどういうふうにチェックをするのか、この点についてもお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 一番最初でございますが、第十八条の三項にありますように、「全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、」ですから、事前に周知をしなさいという規定があるわけでございます。
  それから、じゃ、いつどの程度の期間を置いて周知すればいいのかということでございますが、これについては検討の過程でいろいろ議論がございまして、周知期間については省令について定めるということになっております。ただ、現在の電気通信サービスにつきましては非常に多種多様でございます。したがって、すべてのサービスについて一律に何日前というような周知期間を定めるということにつきましては適当ではないんではないかというような認識でおります。もちろん、ある程度のはっきりとした時間的余裕を持って行われることがこれは望ましいというふうには考えておりますが、これからこの周知期間につきまして、利用者の利益あるいは事業者の負担、こういった均衡も図りながら具体的な総務省令の中で検討していきたい、このように思っております。
  ちなみに、アメリカにおきましては、州際ドミナントキャリアあるいは国際ノン・ドミナントキャリアにつきましては六十日前というようなものもございます。あるいは、韓国におきましては三十日前というようなこともございます。こういったのが日本でいいかどうかはまた別でございますけれども、こういったことも踏まえながら省令作成に当たって検討してまいりたいというふうに思っております。
  それから、実際にどのように周知し、どのように対応するのかということでございますけれども、先ほどから、法律にありますように、もしも廃止をするときには遅滞なくという届出がございますので、届出をもってその実態を把握をする以外はないだろうというふうには思っています。
  それから、具体的な相談あるいは苦情があったときに、それに基づいてその実態を把握するということに今はならざるを得ないと思います。ただ、このような実態把握という制度を作って、その中で具体的な周知義務の効果はどうであるかということを見極めて、必要があればこの在り方については見直してまいりたいというふうに思っております。
○又市征治君 この業界は新規参入も多いですが撤退も多いわけで、目まぐるしい入れ替わりがあるわけですね。
  ちょっと調べてみましたが、今年四月末までの約一年間で、第一種事業者では、休止、廃止が九件、合併が九件。第二種業者では、更に多くて、事業の承継、つまり他の会社への引継ぎが六十二件、休廃止が百八十八件も届けられている、こういうことのようです。この電気通信事業法ではないけれども放送法や電気通信役務利用放送法の適用になっている衛星放送でも、廃止が三十四件、事業の承継が十件出ている、こういうことのようでありまして、その際の被害の規模については、利用者の数を当局も把握はしていないということのようですけれども、資本金で見ると、大きなところで二十五億円とか十億円とか、最大のはパワードコムの四百四十九億円という資本金で、こういうのもあるわけですから、利用者数そして苦情も相当に多かったんだろうと思うんです。
  総務省としては、このような問題についてどのように把握をされ、あるいは対策を取られてきたのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 個別の倒産件数等について必ずしも十分把握をしておりませんけれども、大きなところについては事前に把握できる場合がございます。
  ちょっと今、先生御指摘のありましたパワードコムにつきましては、別の手当てがされておりますので特別の心配はないというふうに思っておりますが、ただ、私どもの方では、例えば本年一月から五月までの間ではございますが、突然サービスが受けられなくなったというような苦情が来ておりまして、数からいいますと、これは三社、八件でございますけれども、こういったことに対しましては、よくよく聞きますと、言わば口座の引き落とし、これでなかなかいつまでも、どうやって引き落とされるのを阻止するか分からないというようなことも、非常に単純な話でございますが、あるわけでございまして、そういったことをよくよく見ますと、例えば口座から通信料の引き落としを、速やかな手続をすればできますよというアドバイスするだけで相当程度解決をするということでございますので、私どもとしましては、個別具体的な事案に沿いましてアドバイス等を行ってきているということでございます。
○又市征治君 どうもえらい中途半端であいまいなわけですね。
  そこで、今日、資料を配らせていただきましたが、内閣府の生活センターから出させてもらったんですが、国民生活センターの相談事例ですけれども、ちょっと例を挙げてみますと、いずれも電気通信事業者の撤退や倒産による契約不履行に絞っていますが、代表的なのはプロバイダーに関するものですね。
  その丸の一つ目の、業者が倒産し、サービスを受けていないのに銀行口座から引き落としされている、業者の連絡が不能だと。丸の四つ目ですが、一・五メガを八メガに無料で変更するという広告を見て契約したが、他の会社へ営業譲渡され、約束不履行になった。六つ目の丸ですけれども、契約していた会社が日本を撤退し、サービスが止まってしまい情報が取り出せなくなって困っている。このほか、電話の加入権に関するものや国際電話やインターネット電話のプリペイドカードが倒産で使えなくなったというか、恐らくはこれは偽装倒産の例なんだろうと思うんですが、そんなようなもの。また、ケーブルテレビや衛星放送の会社が倒産したり、引継ぎで料金が三倍になったという例。また、契約が他社へ譲渡され部品が使えなくなって換えさせられたという例もある。その他、もう相当数あるようなんですけれども、こういう状況ですね。
  そこで、今回の改正で、こうした休廃止に際して利用者への周知は事前の義務、こういうことでさっきお答えになっているわけですが、役所への届出が事後でよいとなると、どれだけやっぱり実効性があるのか、これまで以上に苦情がやっぱり増えてくるのではないのか、こう言わざるを得ない。ましてや、第二種業者は数が多くて、簡単に開業できる。派手な宣伝をして利用者を募るけれども、また、これは休止、廃止も簡単で、当局は実態を、利用者数すら正直言って把握ができないような状況になっている。今後、どういう体制でこの苦情に対して対処して利用者の権利を守っていくのか、今度の法改正で苦情は減るというふうに約束できるのかどうか、もう一度改めてお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 今の、現行の法制度ですと、いわゆる先生御指摘のありましたようなプロバイダー等につきましては何の法的義務もないというようなことでございますが、今回は、それを法律上、その利用者の保護を図られるように事前に周知しなきゃならないという旨の規定を整備をしておりまして、これを周知徹底を図ることによって、苦情というものについてその削減を期待したいというふうに思っております。
  なおまた、苦情相談への対応でございますが、これは、要は利用者とのアクセスというふうな機会を増やすということが大事であろうというふうなことで体制を整備いたしますが、さらに、事務的な対応の能力の問題で、新しい相談受付データベースを整備するといったような形でも対応を、体制を整えたいというふうに思っております。
○又市征治君 いずれにしても、こういう雨後のタケノコのようにどんどん出てきて、それでまたいろんな情報を持ったものがまたすぐ休止したり廃止していったり、さっきも出ましたけれども、個人の情報をいろいろと持ったものがどこかへ流出をしていくという、こういう危険性もあるわけで、ここのところは本当にきちっと対応いただくようにお願いをしておきたいと思います。
  三つ目に、NTT東から西への財源補てんの問題についてお伺いをしてまいりますが、NTT東西同一料金の維持とユニバーサルサービス基金による補てんの関係になるわけですが、今回の改正では東から西への補てん制度を新設しようということですけれども、A社からB社への交付金という仕組みは、NTTを民営化をしてそれぞれ営利企業として経営するという大原則からは本当は矛盾しているわけですね。私たちは、さきの決議で、さきに決議を上げまして、さっきも御指摘ありましたが、その決議に基づいてやっているんだというお話ですけれども、接続料の東西均一を守るように求めたわけですが、それは最終的に利用者国民の料金が西と東で異なるようになるのは問題ですよ、それは困るんですよと、こういうことで言っているわけでありまして、そこを間違えないようにしてもらいたい。
  そこで、伺いますが、一つは、最終の料金制度と会社間の接続料とは切り離すことが可能ではないのかと、こう私は思うんですが、この点はどうなのか。二つには、東西で格差が付いてきた背景は、前から言われていたわけですが、西に小規模局が多いとか離島が多いからとかと言われていたわけですが、これも東西分割の最初から分かっていたことであって、今更こんなことを言われるのはもう筋違い、納得できない、こう思うんですが、その点、二つお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(有冨寛一郎君) 利用者料金と事業者間の接続料金とは性格が違うということはまず最初に申し上げておきたいと思いますが。
  今回の接続料の見直しにおきまして、これは改定されましたモデルによりまして算定をしたんでございますが、東西間で約三〇%の格差が生じるということになりまして、このままいきますと利用者料金に跳ね返って、全国一律のユニバーサルサービスが維持できないというおそれが高いということでございます。
  したがって、そういうことに関しまして、当委員会におきましても、維持すべき均一サービス、料金を維持すべきということでございますので、私どもも、そういった御指摘も受けまして今回措置をするということでございます。
  それから、西会社が赤字の理由として、離島や小規模局が多いというようなことで、当初もそれは分かっていたはずじゃないかというようなことでございますが、平成十一年のNTTの再編成に当たりまして、特に東西二社に再編成をするということに当たりまして、西日本の経営状況が東日本に比較して厳しいものということは予測をしておりました。
  これは、まず要素といたしましては、平成十一年度の総収益につきまして、東日本が約二兆二千億円、西日本が約二兆一千億円と格差がある、従業員につきましては、東日本が約六万人、西日本が約六万八千人と上回っているということで、全体的に見ますと、NTT東西の経営効率性において差があるということでございます。そのため、西日本の経営の安定化を図るという観点で三年間に限りまして、平成十一年度から平成十三年度の三年間に限りまして、いわゆる特定費用負担金制度というものを設けて西日本の経営の一層の効率化を期待するということにしていたものでございます。
  なお、先般公表されましたNTT西日本の平成十四年度決算におきまして、経常益ベースでございますが、約四百五十億円の黒字、当期利益ベースで約百九十億円の黒字を計上しておりますので、経営状況は、この決算を見る限りにおいては着実に改善はされてきているというふうに思います。
○又市征治君 いずれにしても、言いたいことは幾つかあるんですが、これ以上言いません。東西分割は余り意味なかった、その一例が出てきたというふうに私は思います。
  そこで、最後に大臣にお伺いをしますけれども。当面の対策ですけれども、一度できた株式会社制度にこの異質な東西間の財源、財政補てん制度を接ぎ木する、こういう格好にするんではなくて、既に設けてある基金制度を早急にやっぱり見直して、東西NTT間の財政調整においても利用するべきでないか。これは、朝からのこの論議の中で同僚議員何人かからもこの話は出ているわけですが、やはりそういう意味で、いや、なかなかいろいろな難しい仕組みになっていると、こういうお話なんですが、本気になってそのことをやっぱり検討すべき時期に来ているんではないか。特に私は思うんですけれども、東会社がもうかっている、西会社は赤字だ、これは補てんしたら、一体税制の問題だってどうなるんだ。こういうやっぱり大きな問題も私、はらんでいるんだろうと思うんですね。
  そういう意味で、既に設けてあるこの基金制度をちゃんとこういうものにも使う、ユニバーサルサービス確保のためにも使う、こんな格好でやはり他の業者の皆さんも説得をしていく、そんな努力が今求められてきているんじゃないだろうか、こう思うわけでありまして、その点について前向きに御検討いただくことが必要ではないかと、こう思いますが、大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今の基金制度は、委員が言われるような制度じゃないんですよ。ユニバーサルサービスを確保するために、東と西で不採算地域と採算地域をごっちゃにしてならしてみて、それでもどうしても赤が出るんなら基金を使いましょうと、こういうことで、今の委員が言われるように、東と西の経営体質全体を考えて、こっちが赤字でこっちが黒字なら基金を使えと、こういう基金なら、もう法律の抜本的なところを直してもらわなきゃいけません。
  この基金制度は国会の了承を得て作った制度でございまして、ユニバーサルサービスを確保するための制度でございまして、東西の経営体質云々についての基金制度じゃございませんので、そこはひとつ御理解を賜りたいと思います。
○又市征治君 終わります。
○委員長(山崎力君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
  これより討論に入ります。
  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

○八田ひろ子君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
  本法案の提出は、電話事業を基本として考えられた第一種と第二種に区分して規制する電気通信事業法の枠組みが、巨大インターネットプロバイダーなどの第二種電気通信事業者が登場するような、インターネット、ITの進歩に合わなくなったということが背景にあります。
  現在、世帯の八割以上がインターネットを使うまでに至っていると言われていますが、これまでの規制緩和、競争政策によって情報通信分野の消費者トラブルは増加し続けています。そのような状況のときに、この電気通信事業法の枠組みの破綻にどのように対応するのかが今問われております。
  反対の第一の理由は、本法案が、消費者トラブルをなくすどころか逆に増やす可能性が大きく、電気通信事業の健全な発展に逆行するものだからであります。
  本法案は、単純な規制緩和、競争導入論によって、料金・契約約款の事前届出義務の原則廃止、参入、退出の許認可の廃止などを進め、結局、料金やサービス内容はもとより、激増している消費者からの苦情処理も、個人情報保護や通信の秘密も、事業者任せにするものであります。これで、ITの普及と国民的な発展にとって欠かせないだれもが安心して利用できる環境を整備するという問題を政府自身が放棄することになります。
  反対の第二の理由は、公共性の高い電気通信事業の利用者の間における不公平が一層拡大するおそれがあるからであります。
  本法案では、公共性の高いNTTやKDDI、日本テレコムのような多くの国民が利用している第一種電気通信事業に、今まで認められなかった相対契約を認めることになっております。このことによって、電気通信事業者による大口利用者の獲得競争を激化させ、大口利用者の割引分のツケを小口利用者に押し付ける危険性があります。
  また、料金・契約約款に関する規則を原則的に廃止するということは、今でも分かりにくい携帯電話やインターネットなどの料金体系を一層不透明なものにし、利用者に不利益をもたらします。
  反対の第三の理由は、参入・退出規制の大幅緩和は、通信事業者の倒産や売却などによる個人情報の大量流出という危険を大きくするからであります。
  政府案では、ある事業者が退出しても、他の事業者が同種のサービスをしているから問題ないと規制緩和を進めますが、倒産などの退出によって、通信事業者が保有する個人情報が大量に流出する危険があることに対して、全く無防備な内容であります。
  今必要なことは、インターネット時代にふさわしい消費者保護や個人情報保護、通信の秘密など、新たな規律を作ることであります。そうしてこそ電気通信事業の健全な発展があることを指摘し、私の討論を終わります。
○委員長(山崎力君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
  これより採決に入ります。
  電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  この際、伊藤君から発言を求められておりますので、これを許します。伊藤基隆君。

○伊藤基隆君 私は、ただいま可決されました電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
  案文を朗読いたします。
     電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
   政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
  一、ブロードバンド・インターネット・サービスやIP電話等に関する利用者の苦情や問合せが急増している中で、契約約款に関する規制が緩和されるに際し、事業者や代理店が利用者の苦情や問合せに対して適切な対応を行うよう、より一層の利用者保護の充実に努めること。
  二、光ファイバー網の構築が複数の事業者による競争環境下でなされている現状を踏まえ、事業者間の競争条件の対等化及び投資インセンティブの促進、更には地方都市における光ファイバー網の整備促進のために、光ファイバーに関する指定電気通信設備規制の在り方について競争状況の進展を踏まえながら検討を行うこと。
  三、ボトルネック設備のオープン化により、ユーザーサービスの提供に関してはいずれの事業者も対等な立場にあることを踏まえ、ユーザーサービスに対する非対称規制についてはより一層の規制緩和を進めること。特にブロードバンド・インターネット・サービスなど、今後自由な競争の下で発展が期待される分野のサービスについては、より迅速で多様なサービスが提供されるよう、指定電気通信役務規制等の在り方について競争状況の変化に応じた適時適切な見直しを行うこと。
  四、料金に対するプライスキャップ規制については、競争が十分に進展していることや、市場構造の変化により電話加入数等が減少している状況に適合しなくなっていることを踏まえて、早急に見直しを行うこと。
  五、ブロードバンド・インターネット・サービスが急速に普及する中で、過疎地等におけるサービス展開を一層促進し、いわゆるデジタル・ディバイドの解消を始め緊急通報・重要通信の確保等の観点から、ユニバーサルサービス基金の運用方法の見直しを行うこと。
  六、ブロードバンド・インターネット・サービスについては、電話サービスと異なり県内・県間の区分が馴染まない分野であることを踏まえ、柔軟かつ迅速にサービス提供が可能となるよう、地域会社の業務範囲拡大について一層の手続の簡素化及び迅速化を図ること。
  七、長期増分費用方式は事業者が現実に投下した資本を回収できないという構造的な問題を有しているとともに、長期増分費用方式の前提そのものが固定電話の減少及びIP通信の進展という現実の事業環境に対応したものとする観点から、実際費用を十分に配慮した算定方式への見直しを行うこと。また、利用者負担の軽減を図るため、施設設置負担金や基本料等の料金体系見直しについて検討を行うこと。
  八、政府が保有するNTT株式の売却収入及び配当金の使途については、情報通信基盤の高度化及びユニバーサルサービスの確保に必要な既存電話網の維持のために活用すること等を中心に、幅広い観点から検討を行うこと。
    右決議する。
  以上でございます。
  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(山崎力君) ただいま伊藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、伊藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
  ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣。

○国務大臣(片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(山崎力君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣。

○国務大臣(片山虎之助君) 国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
  この法律案は、民間における退職金の支給の実情にかんがみ、長期勤続者に対する退職手当の支給水準を引き下げるほか、定年前早期退職者に対する退職手当に係る特例措置を見直すとともに、独立行政法人等役員として在職した後引き続いて再び職員となった者に対する退職手当に係る特例を設けるため、国家公務員退職手当法等について所要の改正を行うものであります。
  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
  第一に、長期勤続者に対する退職手当について、国家公務員退職手当法本則の規定により計算した額に乗じる調整率を百分の百十から百分の百四に引き下げることとしております。
  第二に、定年前早期退職者に対する退職手当に係る特例措置について、退職の日における俸給月額が一般職給与法の指定職俸給表九号俸相当額以上である者を特例措置の対象から除くとともに、定年と退職年齢との差一年当たりの俸給月額の割増し率を俸給月額に応じて百分の二を超えない範囲内で政令で定める割合とすることとしております。
  第三に、任命権者の要請に応じ、引き続いて独立行政法人等で政令で定めるものの役員となるため退職をした場合には、退職手当を支給しないこととし、独立行政法人等役員として在職した後引き続いて再び職員となった場合には、在職期間の通算を行うこと等所要の規定を整備することとしております。
  このほか、附則において、この法律の施行期日及び経過措置等について規定することとしております。
  以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(山崎力君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。

    午後四時九分散会