運営「公務員退職金法改正案を審査・採決他

(平成15年5月27日参議院総務委員会会議録より抜粋)


(前略)
○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
  まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
  国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官兼行政改革推進事務局公務員制度等改革推進室長春田謙君、人事院事務総局人材局審議官出合均君及び総務省人事・恩給局長久山慎一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
  本案の趣旨説明は去る二十二日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋良充でございます。
  今回の退職手当の引下げにつきましては、公務員にとってみれば退職後の生活に影響を与える厳しいものだというふうに考えているわけですが、ただ調整率の引下げ自体は、現在の民間実態などから見てもやむを得ないものではないかというふうに理解をしています。しかし、退職手当は、政府でも言っておられますように、長期勤続報償だというふうに位置付けられているということ、もう一つは、賃金と違って、これは人事院の所管ではなくて総務省、すなわち政府の所管だということ等々を勘案すると、やっぱり長年公務に貢献をしてきた公務員の退職後の生活をきちっと守っていくという責務が政府にはあるというふうに思うんですが、今回の引下げの問題と今後の公務員の生活の保障というか生活を守るという立場で大臣の認識をまず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、高嶋委員が御指摘がございましたように、国家公務員の退職手当は基本的には長期勤続報償なんですね、報償。したがって、これ報償ですから、勤務条件じゃないと、給与じゃないと、こういうことなんですが、しかし、報償でありましても、やっぱり公務員の退職後の生活保障的な性格があることはこれは否めないと私も思います。そういう意味で、その在り方については公務員の方はみんな大変な関心があると、こういうふうに考えております。
  ただ、報償ですけれども、できるだけ官民均衡という、勤務条件もそうでございますが、考え方を持っておりまして、五、六年に一遍は民間の実態調査をやって、それとの均衡を図ると、こういうことをやってまいっておりまして、本当に今回久しぶりに下げさせていただくわけでございますけれども、これは今、委員自らお話がありましたように、下げるというのはつらいんですけれども、やっぱり国民の理解を得るためには民間との関係で私はやむを得ないと。しかし、十分そこは考えなければなりませんので、職員団体等の意見も聞きまして、一遍にやるんじゃなくて、二か年掛かってやると、御承知のとおりのことにいたしたわけであります。
○高嶋良充君 大臣の方から、報償ではあるけれども生活保障であると、こういう考え方も出されました。
  私は、やっぱり生活保障である以上、基本的な労働条件にかかわる問題だというふうに思っているんですが、そこで、退職手当の今後の見直しの基準について伺いたいというふうに思っています。
  今までこの退職手当制度や水準決定に当たっては明確な形でルールや基準が定められてこなかったというふうに理解をしているわけですけれども、そういう意味では、先ほども申し上げましたけれども、退職手当というのは個々の公務員にとってやっぱり重要な労働条件ではないかと。さらには、退職後の生活設計に欠かせないものだというふうに認識をしています。大臣も先ほど言われましたけれども、そういう面と、国民的観点から見ても制度や水準というのは透明性あるいは客観性がきちっとされているべきだというふうにも思っているわけですね。そうした観点から見ると、今後の見直しに当たっては一定のルール、基準というものを明確にしておく必要があるんではないかと。
  そういう中で、まず第一に、民間の実態調査の調査方法あるいは調査の間隔、いつごろに調査をするのかということも含めてですけれども、あるいは官民比較のルール、これをやっぱり明確にする必要があるんではないかと。もう一つは、やっぱり老後の生活を保障するという部分もあるわけですから、やっぱり退職手当の安定性、先ほども申しましたように、国民の納得性、こういう観点から水準の見直しの基準設定が行われるべきではないかと、こういうふうに思っているんですが、これらの退職手当の基準の、見直し基準の設定に当たっての考え方を大臣の方から伺いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 言われるとおりルール的なものがあった方がいいですね。今までは、何となくということもないんですが、一定の間隔で民間の実態調査をやりまして、それに合わせてきたわけでありますが、今お話がありましたように、どのくらいの間隔で、インターバルで調査をやるか、調査の方法も、人事院にお願いしたこともありますし私どもがやったこともありますので、その辺はどういう方法がいいのか、そういうことについては十分考えてまいりたいと。
  ただ、今、委員、労働条件、労働条件と言われますと、労働条件になると人事院になっちゃうんですね、これは代償機能の方で。これはやっぱり長期勤続報償でございますので、そこのところは是非そういうふうに御理解を賜れば大変有り難いと、こう思っております。
  また、今国家公務員制度全体の見直しをやっておりまして、その中で、改革大綱の中に、退職手当制度については支給率カーブや算定方法の在り方等を総合的に見直すと、こういうことも言っておりますので、カーブや今の算定方法、退職時の給料が基礎になっておりますけれども、そういうことも言っておりますので、併せて今のこのルール化もそういうことの中で総合的に議論して結論を出した方がいいんではないかと、こういうふうに今考えております。
○高嶋良充君 是非、基準設定、ルールの確立に向けて御努力をお願いをしたいと思います。
  その水準見直しの基準設定などについては、当然当該の職員団体等とも十分交渉、協議をしていく必要があるんではないかというふうに思っているんですが、先ほど余り労働条件、労働条件で言わないでほしいというようなことも言っておられましたけれども、ただ、この退職手当法というのは団体交渉権を有している国営企業等の職員にも適用されているんですね。そういう観点からいうと、当然、団交権を有している以上、交渉、協議を重視していくというのは当然のことだというふうに考えているわけですけれども、広く全体の公務員にも影響する部分ですから、是非、十分な交渉、協議をして、検討していくと、そういうことについて大臣の見解を伺いたいと思いますと同時に、もう一点、公務員制度改革大綱の中でも退職手当制度の抜本的な見直しについて言及をされているわけですけれども、これについても、当然のこととして、職員団体と十分交渉、協議をして、合意していく必要があるというふうに思うんですが、その点についても大臣の方から見解を伺います。
○国務大臣(片山虎之助君) 先ほども申し上げましたように、退職手当は公務員の個々にとっては大変重大な関心事項でございますので、今の見直し基準の設定やルール化等については、職員団体とは十分な、交渉と言うとちょっと私も少しぐっとくるものですから、十分な意見交換をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○高嶋良充君 是非誠意を持って協議に臨んでいただきたいというふうに思います。
  次に、今回の退職手当法改正法案には手当の引下げ以外に幾つか重要な問題も含まれておりますので、その辺についての政府の見解をただしておきたいというふうに思います。
  まずその一つは、早期退職特例措置の改正内容が私は不十分ではないかというふうに思っているわけであります。
  御承知のように、この早期退職特例措置というのは、キャリアの場合に五十二、五十三歳で勧奨退職をされると、その辞められるときに割増しを、割増し退職金を払うと、こういうことになっているわけですけれども、この制度そのものが私は従来から批判のある天下りを助長するんではないかなというふうに思っているわけです。非常にこの天下りに対する国民の批判が大変厳しいという状況を踏まえれば、この機会に早期退職特例措置自体を廃止すべきではなかったのかなというふうに思っているんですが、その点はどうでしょう。
  さらに、今回、このような部分改正では不十分だというふうに先ほども申し上げましたけれども、その点については大臣はどう認識されているのか、伺います。
○副大臣(若松謙維君) 早期退職特例措置でございますが、ちょっと二点の観点から。まず一点目が、勧奨退職する者が定年まで勤務する職員に比べて大きな不利益を被ることがないようにするという配慮ですね。二点目は、勧奨退職による総人件費の抑制等行政運営上の観点。これらの観点から退職手当を割り増すものでございまして、公務上の要請による勧奨退職を全く行わないということが現実的でない以上、それ自体合理性を有するものと理解しております。
  一方、今回の措置でございますが、事務方のトップであります事務次官、外局長官クラスにつきまして、これは特例措置を廃止しまして、これに伴いまして局長クラスにつきましては割増し率を二%から一%に半減するものでございまして、この取扱いは現下の重要な課題であります早期退職慣行の是正の方向を伴うものということで大変重要なものと理解しております。
  今回の見直しの内容でございますが、これ制度自体の合理性と早期退職慣行是正の要請等に配慮した適切なものと認識しております。
  なお、今後、退職手当制度の総合的な見直しを行うことを当然予定しているわけでございますが、早期退職特例措置の在り方につきましても、これは何といっても早期退職慣行の是正の状況等も踏まえながら、これは必要に応じてしっかりと検討をしていかなければならないと、そのように考えております。
○高嶋良充君 当面の改正という部分では十分だったという考え方のようでありますけれども、私は若干政策的に矛盾している部分があるんではないかなというふうに思っているんですね。
  それは、小泉総理の指示で公務員の在職期間を長期化しようではないかと、こういう指示をされています。今、政府では、五年間で三年程度延長しようと、こういうことがこれはもう閣議で申し合わされているというふうに思うんですけれども、ということは、一方で在職期間の長期化の施策を進めて、一方では早期退職を更に助長するような制度を残していくということは、政策的には矛盾しないかなというふうに思っているんですけれども、その辺はいかがですか。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。
  委員のおっしゃいましたように、早期退職慣行の是正でございますが、これにつきましては昨年十二月の閣僚懇談会の申合せというのがございまして、これを踏まえまして、複線型の人事管理とか、あるいは職務経験の多様化を推進するなど、政府一体となって今取り組んでおるところでございます。
  早期退職慣行の是正は重要な課題ではあるわけでございますが、そうかといって、今後、退職勧奨自体を全く行わないというようなことは現実的なものではございませんで、御指摘の早期退職特例措置は、ただいま若松副大臣からお答え申し上げましたように、二つの観点から合理性を有しているものというふうに考えております。
  一つは、勧奨退職する者が定年まで勤務する職員に比べて大きな不利益を被ることのないようにするという配慮、それからもう一点は、勧奨退職によります総人件費の抑制などの行政運営上の観点、この二点でございます。
  このような中にありまして、事務次官とか外局の長官クラスの特例措置を廃止いたしまして、これに伴いまして局長クラスについて割増し率を一%に半減するという今回の特例措置の見直しは、勧奨退職する職員への配慮と早期退職慣行の是正等にも配慮した適切な措置ではないかというふうに考えておるところでございます。
  なお、今後とも退職手当制度の総合的な見直しを行うことを予定しておるところでございますが、早期退職特例措置の在り方につきましても、早期退職慣行の是正の状況、実施状況等も踏まえながら、必要に応じまして検討の対象となり得るものと認識しておるところでございます。
○高嶋良充君 不利益にならないようにという部分と人件費抑制の効果があるのだと、こういうことで言われました。
  確かに、地方自治体でもそういう方向で早期退職条例があるわけでありますけれども、ただ、キャリアの退職年齢が現在五十二から五十三歳ですよね。これを三年延長すれば五十五から、これからは五十五、五十六歳から退職をしていくと、こういうことになるわけですね。
  当面の措置としてこのような改正をやられたことは私も理解をしているわけですが、じゃ、なぜ現行五十歳から適用されるこの措置を今回そのままにされておいたのかと。過渡的措置であっても、やっぱり少なくとも、三歳、定年、三年延長するということであれば、五十歳を五十三歳にするようなそういう措置もあってはよかったのではないかなというふうに思うんですが、適用年齢をなぜ引き上げられなかったのか、その点についてもう一度御答弁をいただきます。
○政府参考人(久山慎一君) お答えを申し上げます。
  今回の特例措置の見直しでございますが、事務次官、外局の長官クラスに特例措置を不適用とするということなどを内容としているところでございまして、勧奨退職を全く行わないということは現実的ではないという中にありまして、勧奨退職者に一定の配慮を行いながら、全体として早期退職慣行の是正に資するためには、事務方のトップについて見直しを行うという今回の方策は適切なものであろうというふうに考えておるところでございます。
  なお、先ほども申し上げましたように、今後、私どもの方では退職手当制度の総合的な見直しを行うことを考えておりますが、早期退職特例措置の在り方につきましても、早期退職慣行の是正の実施状況等も踏まえながら、御指摘の適用開始年齢も含めまして、必要に応じ検討の対象となり得るものと認識しております。
○高嶋良充君 ちょっと視点を変えて、内閣府にも来ていただいておりますので、お尋ねをしたいと思います。
  この早期退職と天下りというのは連動していますよね。そこで、早期退職の問題も重要ですけれども、それ以上に天下りをどう規制するかということについても非常に重要な課題だというふうに思っています。
  昨年の臨時国会において、我が党の山井衆議院議員の質問に対して石原大臣は次のようにお答えになっているんですね。再就職の承認の数が七十人から十人になれば人事院を信用しますと。さらに、公務員制度改革の中でそちらの方向、天下りを大幅に減らすということなんですけれども、それを目指しているということは言うまでもありませんという、そういう旨の答弁をされています。
  ということは、公務員制度改革の中で天下りを大臣承認にして、その承認基準を厳しくすれば十人に、七十人の天下りを十人にするということになるんだと、そういうことを石原大臣は言っておられるんだというふうに推察をしたんですけれども、そういう大臣答弁を受けて、公務員制度改革推進室としてはどのような厳しい承認基準を作られているのか、お示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(春田謙君) お答え申し上げます。
  国家公務員の営利企業への再就職の承認基準についてのお尋ねでございますけれども、公務員制度改革大綱におきまして記述しておりますところの、「内閣の責任において、政府全体の行政の公正な運営等を確保するため、再就職の承認基準については政令で定めることとする。」と、こういうように決定をされているところでございます。現在、私ども、国家公務員法の改正案の検討作業と併せまして検討を進めているところでございます。
  なお、再就職の承認基準の策定に当たりましては、公務員制度改革大綱にのっとりまして、各府省の権限あるいは予算、こういったものを背景とした押し付け的な再就職を認めないと、こういう観点に立ちまして、再就職が認められない権限、予算関係を明確に列挙する必要があると考えております。法案審議の際には、こうした承認基準の基本的な考え方についてもお示しをしたいというように考えてございます。
  それから、大臣の答弁との関係でお話が出ましたが、再就職にかかわる承認件数というものにつきましては、退職者の数であるとかあるいは退職後の就職状況等様々な要素により影響を受けるということになるものでございます。したがいまして、数値目標を置くというような性格のものではないというふうに考えてございますけれども、再就職問題に対する現在の国民の強い批判がございますので、こういったものも踏まえまして、内閣が定める承認基準につきましては厳格で明確なものとするという必要があると考えております。
○高嶋良充君 石原大臣の答弁、数値目標ではないと、私もそうだと思います。
  いずれにしても、石原大臣が言われているのは、今も言われたように、厳しい、正に厳格な承認基準を作るんだと。私は、予算委員会でそういう承認基準も含めて、やっぱり政令ではなくて法律に明記をすべきだと、国会の審議も受けられるようにすべきだと、こういうことを質問したこともあるんですけれども、いずれにしても、そういう承認基準を厳しいものを作るというふうに大臣が言われてからもう二年ほどたっているんですね。昨年の臨時国会で山井議員に答弁をされてから既にもう半年を過ぎているんですけれども、先ほども言われたように検討作業中と、こういうことであります。
  なぜ、その具体化、具体的な承認基準がいまだに示されないのか、何かいろんな問題点があるのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(春田謙君) 現在、先ほど御答弁申し上げましたように、法律の検討作業と併せまして、この承認基準につきましても検討を行っているところでございます。
  全体的な作業の関係でどういう状況にあるかということでございますけれども、私ども、承認基準の基本的な考え方、とにかくまとめていくということで内部の作業を進めているわけでございますけれども、法案の策定作業も全体、時期的にずれ込んでいるところでございますが、法案審議の際には承認基準の基本的な考え方についてはお示しをしたいというように考えております。
○高嶋良充君 いまだにできていないというのは、私にとりましては不思議なんだけれども、いずれにしても、厳しい承認基準をきちっと明確に示していただけるように御要望申し上げておきたいというふうに思っています。
  私は、退職問題を考えるときに、当然のこととして、採用から退職までの人事管理全体をトータルに考えることが重要なんではないかなというふうに思っているんです。
  そこで、退職問題との関係で採用問題について、根本副大臣にも来ていただいておりますから御質問したいというふうに思うんですけれども、公務員制度改革の中で、採用の在り方については内閣が企画立案、内閣が関与すると、こういうことが示されてきているわけでありますけれども、この内閣が関与するということについては私ども民主党は反対をしているんですけれども、とりわけリクルート事件のときのような藤波官房長官の問題が起こるんではないかというのがまず一つですね。もう一つは、特定の思想、信条を有している受験生を排除することになるんではないかと。
  ということになりますと、当然のこととして、中立公正でなければならない採用試験が中立公正性が損なわれるという事態になるんではないかと。そういうことで我が党は問題ありと、こう言っているわけでありますけれども、この辺について根本副大臣の考え方はいかがでしょうか。
○副大臣(根本匠君) 今、委員のお尋ねがありましたが、私も人事管理をトータルに考えるということは大変重要なことだと思っております。今回、企画立案を、採用試験の企画立案を内閣府に移すということにいたしましたが、採用における中立性、公正性の確保、これは先生御指摘のとおり、私も本当に重要だと思っていまして、内閣が採用試験の企画立案を行う場合も、このことに内閣がきちんと責任を持つ、これは私も当然のことだと思っております。
  この問題、中立性、公正性の確保について先生の御指摘に答える前提として、我々がなぜ今回採用試験の企画立案、これを内閣府に移すのかと。この基本的な考え方について、今回の公務員制度改革のこれは魂の一つでありますから申し上げたいと思いますが、今回の公務員制度の改革の一つのねらいは、行政運営の責任を有する内閣は同時に行政運営の基盤である人事制度の設計、運営にも責任を有するべきであると、こういう考え方に基づいておりまして、平成十四年度の行政改革推進本部決定におきましても、職員の採用、これは正に国民に対して行政運営の責任を担う内閣がその行政運営の一環として一層主体的に取り組んでいくことが重要であるという本部決定に基づいてこの設計をしております。
  さらに敷衍して言えば、要は公務員、公務部門に有為な人材を確保することは、各府省それぞれ取り組んでいる政策の企画立案の実施や、あるいは行政サービスの提供を行っていく上では極めて重要な課題であると思います。具体的にどのような人材であれば公務の中で十分な能力を発揮することができるのか。あるいは、そのような人材を、有為な人材をこの厳しい競争の中での人材マーケットの中から確保する方法の決定、これはやはり実際に職員を採用し、様々な行政課題に現実に直接対応している内閣側で行うべきものであると。こういう基本的な考え方に基づきまして採用試験制度の企画立案、これは現在は第三者機関である人事院が包括的に行っておりますが、これは内閣自らが行うということとしたものでありまして、これが実は基本的な考え方であります。
  こういう考え方に立って、先生の今の御指摘もありますが、そもそも採用に関しては中立性、公正性を確保すること、これは私は、当然重要でありまして、やはり内閣が採用試験の企画立案を行う場合におきましても、このことに責任を持つことは私は当然だと考えております。
  それから、この中立性、公正性の観点については、採用試験の企画立案は内閣府で行いますが、この第三者機関である人事院は必要に応じて内閣府に対し意見の申出を行うことができると、言わば制度的に担保する仕組みも講じておりますので、中立性、公正性は十分に確保できると考えております。
○高嶋良充君 時間が参りましたので、要望だけしておきますけれども、藤波官房長官のリクルート問題のときに、政治の側が、政治家である藤波官房長官が、人事院に対して、試験日程の繰上げ等々も含めて、一定の圧力を掛けられたと。しかし、第三者機関であるがために人事院はそのことをはね付けられたと。そのことによって、問題にはなったけれども、そのことで藤波官房長官が罰を受けるということはなかったわけですね。
  そういうことが中立公正機関であるからできるんであって、これが内閣でやるということになれば、これはもう官房長官も内閣も一体のものであるわけですから、そういうチェックも機能も働かないという、そこが大きな問題だと。
  だから、私は、いろんな政策主導を内閣でやられる、政治主導でやられるということについては、これは必要なことだと思っています。ただ、公務員の採用試験というのは、重要な、正にこの中立公正性が損なわれてならないものが、確保されなければならないものが内閣でやるということについては大きな問題だと、こういう部分はやっぱり第三者機関である人事院がやるべきだと、そういうことを強く申し上げて、質問を終わります。
  ありがとうございました。
○山下栄一君 ちょっと確認したいことがたくさんあるんですけれども、時間がありませんので、絞ってお尋ねします。
  ちょっと高嶋委員の質問とダブる部分もありますけれども、この国家公務員退職手当、これは本来どういう趣旨、性格で歴史的に設けられたのかということ、案外あいまいな形で今日に至っているなということを感じましたので、その経緯、沿革、ちょっと簡単にお願いします。
○副大臣(若松謙維君) 国家公務員の退職手当の制度でございますが、昭和二十八年に現行法制定となりまして、当初から長期勤続報償をその基本的な性格としております。
  そして、その給与水準でございますが、国民の理解を得る観点から官民均衡、これを基本に見直しをしてきたところでございますが、それがいわゆる昭和四十八年に国家公務員の水準を引き上げると、こういったこと、また昭和五十六年には反対に引下げと、昭和六十年には国家公務員の定年制の導入、こういった経緯で現在の制度がございます。
○山下栄一君 先ほど、どうして退職手当を払うのかと、これは勤続報償ですか、これは裁判所でもそういうふうにおっしゃっているんですけれども、私はその考え方そのものももう一回見直したらどうかなというふうに思っております。
  今、雇用形態がもうどんどん変わってきておるわけでございますし、この退職金についても、一時退職金についても、民間の方もいろんな、もうやめてしまうとか、また勤務中の実績を評価する、退職時の俸給月額じゃなくて、そういうふうなことも考えていますし、もう年金だけにしようとかいうふうなことも、もういろんなことが考えられております。
  一般的に、今のこの時代、民間のサラリーマンその他から、公務員の方の、それは特に指定職が多いのかも分かりませんけれども、天下りも含めまして非常に給与についても保障されているというふうなこと、厳しく見られてきているわけですね。当然のことだと思うわけですけれども。だから、元々、できた制度の経緯から考えましてもはっきり何となくしていない。だから、何のために退職一時金を、退職手当というのを一時金として支払うのかということの在り方を考え直した方がいいんじゃないのかなと。
  で、民間と比較せないかぬのかと。元々、これは民間比較なんてやっていなかったんですよね、初めは。民間比較して退職手当を調査し始めたのは昭和四十六年以降ですから、それまでは比較したことがなかったんだと思うんですね。ということは、余り民間のことは考えていなかったと、給与と違って退職手当というのは。だから、これ、退職手当というのはどういう性格の下にこれを公務員の場合はやるのかということを抜本的にその源からさかのぼって考えるべきときじゃないか。支給水準の見直しとかそういうことじゃなくて、なぜ支払うのかということから含めて考えるべきじゃないか。年金との関連。
  それから、最終の退職時の俸給月額を基準ということも、それでいいのかということ。というのは、公務員制度改革で今、能力評価とか業績評価とか言われ始めているわけですよね。だから、単に年数だけで基準にして決めるというふうなこともどうなのかというふうなこと、そんなことを感じるんですけれども、どうでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) まず私から、恐らく答えのないまだ世界だと思いますけれども、それなりに私の理解も含めて答えさせていただきます。
  御存じのように、戦後、日本は右肩上がりの成長を続けました。その何といっても成功の要因というのは、いわゆる日本型雇用ということで、終身雇用、さらには企業内労組、さらには年功序列と、いわゆる日本の三つの神器と言われるものがありまして、それで非常に民間企業がうまくいった、それにやはり公務員も乗ってきたと、そういった経緯があるのではないかと思っております。しかし、御存じのように、工業化社会から情報化社会になりまして、大変環境の変化が著しいと。そういう中、日本の特に終身雇用等を含むこの退職金制度というのは、やはり諸外国から比べれば例外的になってきたと、こういう事実は私は否定できないと思います。
  そういった現状分析を踏まえて、私は委員の御指摘の点はもっともだと思います。じゃ、それをどうするかというのが実は今回の公務員制度の大きな改革の議論でありまして、なかなか結論が出ないということで関係者は大変心配されていると思うんですが、戦後五十年続いた制度を一挙に変えるのか、それとも段階的に変えるのか。これは一つ間違えますと、この日本の、私はまだまだ冠たる日本の公務員制度だと思っておりますので、それが崩れてしまうことにもおそれがあるということで、そのおそれを回避しながら、やはりあるべき二十一世紀の公務員制度を作らなければいけない。その中で、この退職制度をどうしていくか。
  先ほどのいわゆる勤続年数に何か月掛けてと、こういったやり方は、はっきり言って民間企業の場合には今もたなくなってきているということでのいわゆる年金移行という現実もありますし、じゃ、公務員制度の場合どうなるのか。いわゆる一時金としての退職制度を持ってくるのか、さらに年金制度を持ってくるのか、やはりこういったことも含めて私は総合的に今議論しなければいけないと、そのように理解しております。
○山下栄一君 確かに、手当法の第一条にも理念的なことは何にも書いていないわけですし、今雇用そのものの、非常に弾力的といいますか柔軟といいますか、多様化している時代でもあると思いますので、そういうことから公務員制度改革も考え直そうということならば、退職手当の在り方も理念を含めて再検討する必要があるということ、副大臣のお考えと同じだと思いますけれども。
  もうあっという間に時間がなくなってきているんですけれども、私、改革の三点目のことを確認させていただきたいと思います。独立行政法人の役員出向です。
  この一体ねらいは何なのか、何のためにこういう改正をするのかということが何となくよく分からない。二重取り規制ということが一番やりたいことなのか。天下りそのものを、特に独立行政法人への天下り、これはもう特殊法人の時代から厳しい批判にさらされているので、それをもう行きっ放しじゃなくて帰ってこいということを中心にして、いわゆる行きっ放しというのをもうやめてしまうのか、そういうことがねらいなのか、一体このねらいは何なのかということを確認させてください。
○国務大臣(片山虎之助君) 端的に言うと、二重取り防止というところが元々の発想だったんですよ。独立行政法人は元々、特殊法人から移行したのもありますが、これは第二段階ですね、第一段階は国の仕事を研究所がやったり研修機関でやっているものを独立行政法人化したんですね、元々は国そのものだったものを。
  そういうこともありまして、やっぱり独立行政法人に行って国家公務員でもらう、独立行政法人に行っても、ただ五十歳代で二回ももらう、これは防止しようというのが一つあるのと、それから、先ほども御議論がありましたが、早期の退職をやらせるというルールを延ばしていこうと。公務員は一生、場合によっては公務員で仕事ができるようにすることも一つの考え方ではないかと。早期退職慣行の是正をやると。それに資するようにやると。それから、職員にいろんな、多様な職務経験をやらして深みのある公務員になってもらおうと。一遍、独立行政法人で仕事をしてもらって、また国家公務員で帰ってもらってと。こういういろんなことの要素でこういう制度を作ったわけでありまして、私はこれはこれでよかったなと思っております。
  ただ、これは原則でございまして、独立行政法人に行ってお辞めになることももちろん当然あるわけでございまして、その辺はいろんな状況に応じて対応すべきではないかと。しかし、原則は、行っても帰ってもらって、国家公務員として最後は辞めていただくというのが一番普通のルールというのか、やり方だと、こういうふうに考えております。
○山下栄一君 今年の三月に、独立行政法人等の役員に就いている退職公務員の状況の公表ということをされているんですけれども、これ見ますと、総務省関連の役員、役員として行かれている比率が物すごい高いんですね。
  通信総合研究所、五人中四人、役員の数の五人中四人と。公営企業金融公庫、五人中四人。それから、通信・放送機構、五人中四人。特に、民間法人化された特殊法人である日本消防検定協会は四人中三人、同じく郵便貯金振興会、五人中五人。
  これは、またこれ官僚OBの方のいわゆる天下りが、また規制が崩れているんやないのかなということを思うんですね。独立行政法人に行くとともに天下りが増えているということじゃ、これは国民の感情と相反するというふうに思うんですね。
  昭和五十四年以降、以来の閣議決定されております特殊法人の役員、常勤役員については、要するに二分の一以内にとどめるものとするという閣議決定がございますけれども、二分の一どころか大半がそうなってしまっているという。今回も総数でいきましても、今回、公表された分だけでも常勤役員のうち独立行政法人の場合は百七十九人中百三人、二分の一はるかにオーバーしている。
  これはちょっとおかしいんではないかなというふうに思いまして、昭和五十四年の閣議決定の精神は、少なくとも半数以内にとどめるということぐらいは守らないと、これは国民、納得を求めるのは難しいというふうに思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) これはいろいろ事情がありまして、今言いましたように、国の機関であったものが独立行政法人になりましたから、そのまま移行したんで、そこにおる人を役員にしたというのが一つあるんですね。
  それからもう一つは、独立行政法人になったもんですから、理事長と理事と監事はどうしてもこれは認めないかぬようになったんですね。そこで、それじゃ、民間から、どうぞ来てくださいと言って、はいはいと来るような人は余り正直言っていないんです。仕事の特殊性もありますし、待遇の話もありますしね。
  そこで、今、山下委員が言われるように、大変、官僚、まあ官僚と、OBなのか、また帰ってきますからね、半現役、半OBみたいなもんですけれども、こういう人が非常に多くなったのは事実です。しかし、だんだん減らしていこうということにはしておりますんで、今後、民間からそういうことに来てくれる人を確保しながら次第に減らしていきたいと。
  どうも、総務省がそんなに多いとは私も知らなかったですけれども、今聞けば、なるほどそうですね。そういうところへはなかなか来てくれないんですよ。是非ひとつ、いい人がおったらまた御紹介いただければ私どもで考えますんで、よろしくお願いいたします。
○山下栄一君 この昭和五十四年、それから平成九年において、特殊法人への役員受入れは二分の一以下にするという精神、これは独立行政法人になってもやっぱりきちっと厳格にやるべきだというふうに私は思います。
  最後は、独立行政法人に役員出向すると、その役員出向されている期間、二年か三年か知りませんが、その間は独立行政法人通則法に書いてあるように、その期間は業績に応じて報酬をいただくことになるわけですね。そういうのがルールになっているわけです。
  ところが、戻ってきて公務員になった場合に、在職期間を通算するわけですね。通算すると、仕事の内容に応じて給料を払ってもらうべきはずの期間も業績に関係なしに通算されてしまうわけですよ。そういうことになるわけや、これはね。
  ということは、独立行政法人に何のために行くのかと。厳しく仕事内容をチェックされながら仕事するはずなのに、帰ってくると、単なる勤続年数だけでこの退職金を計算するということは、行った期間の間はもう頑張っても頑張らなくても同じだということになってしまうわけですね。
  これは、全然整合性がないというふうに思います。これは非常に大事な問題だと思いますので、行きがいのある、そして受入れ側の独立行政法人もこれ評価にさらされるわけですから、一生懸命頑張っていただかないかぬ。
  そうであるのに、退職一時金については勤続年数のみで評価してしまうという在り方は根幹がおかしいというように私は感じるんですけれども、この点、明快なお答えをお願いして、終わりたいと思います。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。
  ただいまの委員のお話でございますが、役員出向につきましては、国への復帰を前提に役員に就任させまして、国への復帰後に国家公務員として退職する際に、法人の役員としての在職期間を国家公務員の在職期間に含めまして退職手当を一回のみ支給するというものでございます。
  役員出向は、任命権者の要請に応じまして、公務に密接な関連を有する業務を行うものであることから、国において支給する退職手当の算定期間に役員出向期間を通算することは、長期勤続報償という退職手当の基本的性格に照らしまして、他の職員との均衡上、必要な措置であるというふうに認識しておるところでございます。
  なお、独法役員在任期間の業績は国への復帰後の退職手当に必ずしも反映しませんけれども、給与につきましては業績を反映したものとなるところでもございますし、また、一般論として申し上げるとしますれば、役員在職期間の業績が国への復帰後の人事に影響するものとも考えられるところでございます。
○山下栄一君 納得できませんけれども、終わります。時間がない、済みません。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
  国家公務員退職手当一部改正法案についてまず伺いますが、今回の退職金の引下げによる影響額がどのくらいになるかということですが、昨年には国家公務員の給与勧告制度創設以来初の俸給の引下げというのが行われました。更に今回、この退職手当の引下げが提案をされています。
  そこで、伺いたいんですけれども、一般職員の方の退職手当額、これがどのようになるのか。いろいろなケースがあると思いますので、課長補佐あるいは係長で定年退職になった場合、それぞれ、昨年、平成十四年十一月以前、給与改定前ですね、この数値と、改定後、それから、この法案で想定をされております経過措置終了後の退職手当額、それぞれをお示しください。
○政府参考人(久山慎一君) お尋ねが課長補佐クラスとそれから係長クラスと両方ございますので、まず課長補佐の方から入っていきたいと思いますが、行政職俸給表(一)の八級の二十号俸で、例えば勤続四十二年の課長補佐が定年を迎えまして、昨年十二月の給与改定前に退職しました場合には二千八百九十七万円、それから現時点で退職いたしました場合には二千八百三十七万円、そして三番目に、来年、平成十六年の十月以降退職いたしました場合には二千六百八十二万円という数字になるところでございます。
  また、係長クラスでございますが、行政職俸給表(一)の六級の二十四号俸で、例えば勤続四十二年の係長が定年を迎えたといたします。まず最初に、昨年十二月の給与改定前に退職いたしました場合には二千六百九十五万円、そして二番目に、現時点で退職いたしました場合には二千六百四十二万円、そして平成十六年、来年の十月以降退職いたしました場合には二千四百九十八万円というふうな試算がございます。
○八田ひろ子君 係長で定年になってお辞めになるとこれ二百万弱ですね。課長補佐でも二百十五万ですか。昨年の俸給引下げと合わせて本当に大変な減額だと思うんですね。
  昨年の秋から一年もたたないうちに今のお示しだと二百万円も減額されるわけですが、職員の将来設計にも重大な影響を与えるものですし、私は、今のデフレ不景気、日本経済にもマイナスの影響を与えるのは非常に深刻ではないかなとこれを受け取って思いました。
  そこで、一つ確認をしたいんですが、この提案されております早期退職特例措置の見直し、これですが、御説明では、政令で局長クラス以上は割増し率半減、次官それから外局の長官クラスは割増し不適用ということですが、局長クラス以上ということは指定職の七、八号ということでしょうか。一般職員に対する影響はないでしょうか。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。
  ただいま先生がおっしゃいました第一の点でございますが、今回の特例措置の見直しによりまして特例措置が廃止される方々は外局の長官あるいは事務次官クラス以上ということでございます。ですから、それ以外のそのすぐ下の局長クラスにつきましては、これは現在二%が一%になるという、そういう内容でございます。
  それから、二番目の御質問でございますが、そのほかの一般の職員の方々への影響ということでございますけれども、今回の退職の特例措置の見直しの影響は、これは受けないということになります。
○八田ひろ子君 一般職員にはこの部分については受けないということですね。
  今、次官とか長官とかいわゆるハイクラスの幹部職員の退職手当が非常に高いのではないかという批判が国民的にあります。しかし、だからといって一般職員の退職手当も一緒に引き下げるということ自身は職員の意欲に水を差すもので、二百万円もの削減というのが私は将来設計の問題でも重大な影響だなと思います。
  次官、長官など幹部職員の指定職の退職金の算定方法が一般の職員と同じという根本問題があると私は思いますが、今日は時間の問題がありますので別の機会に議論をするとして、男女共同参画の視点からこの退職金の問題を幾つか伺っていきたいと思います。
  まず、この退職手当の男女別平均支給額の男女の差額と、そこから割り出される男女別の退職日の俸給月額の平均を九九年、二〇〇〇年、二〇〇一年でお示しください。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。
  一般職給与法の行政職俸給表(一)適用者につきまして、大卒及び高卒で定年及び勧奨退職者の退職手当平均支給額の男女の差額を見ますと、まず一に、平成十一年度でございますが、四百三十三万円。二番目に、平成十二年度が四百万円。そして平成十三年度は四百一万円というふうに、いずれも男性の退職手当平均支給額が高くなっているところでございます。
  なお、お尋ねの男女別の退職時の最終俸給月額の平均額につきましては、承知いたしておりません。
○八田ひろ子君 私がいただきました資料から計算しますと、例えば勤続年数三十四年で計算しますと、年間百万円以上女性の方が低いわけですね、俸給月額の平均。ただ、これ平均ですので、実際の皆さん方の感覚というのはもうちょっと開いているんじゃないかというふうに女性の方はおっしゃっているんですけれども。
  そこで、二〇〇一年度の退職者のうちで定年退職者、勧奨退職者、このそれぞれの男女別の割合をお示しください。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。
  平成十三年度の一般職給与法行政職俸給表(一)適用者につきましてですが、大卒及び高卒で定年及び勧奨退職者を見ますと、男性の退職手当受給者につきまして、勧奨退職者数の割合は五五%、定年退職者数の割合は四五%という数字になっております。他方、女性の退職手当受給者についてでございますが、勧奨退職者数の割合は三八%、定年退職者数の割合は六二%となっておりまして、男性の場合と比べますと勧奨による退職者数の割合が低いものと承知をいたしております。
○八田ひろ子君 今の数字を伺いますと、退職手当をもらった方のうち、女性の方が勧奨が少ないということは定年まで働く割合が多いということだと思うんですが、四百万円前後女性の方の退職手当が少ない、報酬月額も少ない、百万円以上少ないというので、国家公務員というのは男女平等の職場だと昔から言われているんですけれども、大臣、こういう数字というのは今の時代でどういうふうにお受け止めになっているでしょうか。片山大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) 退職手当は、御承知のように、俸給月額と勤続年数と、それから勧奨か定年かによって違いますね。ですから、やっぱり女性の方は定年まで勤めたい希望の方が大変多いということがあるから、勧奨の割増しがそれは受けられませんね、そこで。それから、入るときにいろんな、上級、中級、初級とあるので、その入り方がどういうことになっているかもあるし、それから、入ってからの仕事ぶりでずっと上がっていきますよね、任用ということで。そこで役職者に就く比率が少ないと、いろんな事情があるんでしょうね。
  しかし、だんだん是正されつつありますから、この差は余り、女性と男性、差がある差があると言わぬで、黙っておるとだんだん良くなってくるんですよ。制度としてはそういうことなものですから、是非そこは御理解をいただき、性別で差を付けるなんということは全く制度的にもありませんし、考えてもおりませんので。
○八田ひろ子君 大きい声で言わないとなかなか是正ができない。男女格差があることは事実です。性別で差別していないといっても、やっぱりそれは数字が示しているわけです。国家公務員の男女の採用、それから登用や給与の状況、これがやっぱり生涯の収入の影響額、非常に大きいんですよね。ですから私は、放置できない、黙っていられない、大きい声で言わなくちゃと思うんです。
  今日、資料をお届けしましたので、これをごらんいただきますと、総務省の女性職員の採用拡大計画というのですと、T種採用の女性職員、二〇〇三年は七名で一四・六%にすぎません。一方、V種は七五・〇%ですから、やはり幹部となる部署の女性の採用が少ないということは明らかで、総務省の計画について見ると、増加に努めると、抽象的なんですね。
  そこで、人事院においでいただいておりますので、各省庁で目標が高い、数値目標を立てている、そこを簡単にお示しいただけないでしょうか。
○政府参考人(出合均君) お答えいたします。
  女性職員の採用につきましては、人事院の指針に基づきまして各府省において女性職員の採用・登用計画というものを定めていただいております。そのうち、数値目標を立てている府省が六省庁ございまして、高いところを申し上げますと、T種試験採用につきましては、人事院が五年間で通算三〇%、環境省が各年度三〇%という目標を立てております。U、V種の試験採用につきましては、人事院がU、V種試験をトータルにしまして四〇%。V種試験だけで取りますと、V種試験については法務省が五年間通算で四〇%という目標を立てているところでございます。
○八田ひろ子君 非常に進んでいるところと比べると、大臣、総務省というのは全く進んでいない。これ倍にするといいましても、倍にしても、今、課長や室長クラスの例でいいますと、これ登用の問題ですけれども、出発点は一・三%で六人なんですよ。これを二〇〇五年までにその出発点から五割増しにするというんですけれども、四百六十一人中の六人で、あとの九八・七%は男性なんです。一・三%を五割増しにすると、一・五倍にするといっても、これ九人に増えるという目標なんですよね。先ほどの数値目標を持っている省庁と比べると、余りにも少ない。
  最近、総務省の最新の数字を見ましたら、五人にまた、課長、室長クラスですね、減っているんですよね。本当はだんだん増やしていっていただきたいんですけれども、本気で登用を進めようとしているのか。採用も、今お示ししたように、表でお示ししたように、国全体の省庁の女性の採用の割合よりも総務省は低いレベルなんです。やっぱり範を示していただきたいと、こういうふうに思いますけれども、採用と登用ですね、両方の面で私は先進になっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、登用は、私は、U種、V種まで詳しく知りませんが、T種については増やせ増やせと言っているんですよ。それで、十五年度はT種が七人で、これは全省庁のトップです、七人。二位が六人ですけれども、一人多いんですけれども、七人でトップなんで。ただ、やっぱり志望される方も増えていただかにゃいかぬと、こう思いまして、今後とも女性の方の採用については拡大に努めてまいりたいと。
  それから、登用の方もできるだけそういうことを考えているんですが、なかなか適当な人がいないということも実はあるんですけれども、例えば、京都府の知事さん、滋賀県の知事さんは、全部女性が出ているんですよ、そういう要請がありましたから。あるいは、倉敷市の総務局長さんも三十歳代の女性の方が出ていっているんで、そういう意味では割に総務省努力している方だと思いますけれども。
  今後とも、八田委員のそういう御指摘がありますから、女性の方の採用、任用には努力してまいりたいと思っております。
○委員長(山崎力君) 時間来ておりますので、おまとめ願います。
○八田ひろ子君 是非、そのお言葉どおりしていただきたい。
  さっきの数字ですけれども、七名というのは、全体が多いから七名が一番多いように見えますが、一四・六%なんです。ほかは三割とかそういうふうに目標も立ててやっているのにどうしてということで、私は、女性の政策決定分野への登用こそ男女共同社会の一番の基本になるものだと思いますから、やっぱり数字をしっかり見て、ごまかしでなくて採用と登用をしていただきたいと御要望して、終わります。
○松岡滿壽男君 昨年、BSEの問題で責任を取って辞められた農林省の事務次官の退職金が八千七百万円ということで、随分マスコミで取り上げられたわけであります。今回は、それが約一千万円、九百四十六万円減額という法案になっておるわけであります。
  せんだって、今度は民放で関心を持って、国民から見て我慢のできないことというシリーズがありまして、一つは地方の首長の退職金、県知事、市町村長。それで、長いことやられた知事さんは三億幾らという計算が出まして、改めて私もこれびっくりしたんですけれども。それと国会議員の年金の問題ですね。我々の税金が半分ぐらい使われるんだということ。
  それからもう一つは、この前の統一地方選挙に絡めて、地方議員の年金絡みで、四月まで任期があるのに三月末で辞めた議員が、和歌山県で、シリーズがありまして、四人辞めているんですよ。そうすると、やっぱり退職時の報酬で年金の額が決まりますから、四月までやっちゃうと下がっちゃうと。それを露骨に民放でインタビューに答えている方もおられました。
  こういうふうに、公の立場にいる人たちに対して非常に国民の厳しい目がある。これは当然、やはり今、国、地方を通じて七百兆円の借金がある。それに、先々週の東京新聞を見ますると、特殊法人関係の赤字が四百五十兆、足すと千二百兆になると。そうすると、国民一人当たり一千万円の借金ですよということになると言っている。ただ、そのほかに、実は地方の、県、市町村の第三セクターとか開発公社で抱えているやつなんか入れたら、これはもう物すごい金額に実はなるわけですよ。
  片方で、人口はどんどん減っていくし産業の空洞化は進む、借金は雪だるま式になっている。そうなってくると、国、地方を通じてスリムで効率的な仕組みに変えていかなきゃいかぬところに今みんな目が行っている。民間はどんどんリストラをやって、今回も民間との比較がありますが、民間が二千七百九十万円と、退職金額。国家公務員が二千九百四十八万円。これなんかは、しかし早期退職優遇とか勧奨による優遇が入っていますからね、実際の民間の年満の額よりは高くなっているんですよね。
  そういう状況の中で、昨年の倒産件数が一万九千八十七件と。不況型倒産はもう前年度に比較して過去最悪の、倒産の中の七三・六%と。この調査に表われていない自営業者の自主廃業が約二十万件ある。こういう惨たんたる状況の中で、今、国民も、何といいましょうか、非常に閉塞感の中であえいでおるという状況だというふうに思うんです。
  過去、公務員の退職手当の見直しというのは行うことになっているんですけれども、五、六年に一回この官民比較を実施して、昭和五十三年に調整措置を取ってから以後、何ら調整措置を取っていない。これはどういう理由によるものか、まずお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(久山慎一君) お答えいたします。
  国家公務員の退職手当につきましては、従来から、先生がおっしゃるように、おおむね五、六年ごとに行う民間企業の退職金の水準を調査いたしまして、官民比較を行ってきたところでございます。昭和五十三年度の官民比較につきましては、その結果を踏まえまして、法の附則の調整率を百分の百二十から百分の百十に引き下げたところでございます。
  その後も、今回の官民比較以前に三回の官民比較を行ったところでございます。昭和五十八年度、平成元年度、平成八年度でございますが、いずれも大きな官民格差が見られなかったということから、調整措置を講じなかったということでございます。
○松岡滿壽男君 私が、実は三十二年前に民間の会社の課長をやっておりまして市長になったんですね。そのときに、市長報酬というのはこんなに低いのかと実はびっくりしました。下がっちゃったわけですよ。そのぐらい、戦後、民間が高い時期があって、民間準拠で人勧をやってきましたね。そして、昭和四十八年には、二回ぐらい民間も報酬を上げて、ずっと全体が上がってきた。
  昔は、やっぱり市町村長とかあるいは議員さんというのは、ある面では地域に対する奉仕とか、だんな衆的なものがあって、それにこだわっていなかったですね、報酬に。だから、ずっと低かったんですよ。低過ぎてどうもならぬので、退職金を付けたわけですよね。
  私は、市長になりましてびっくりしたのは、報酬が下がった。意外に、これ、低いんだなということと、もう一つは、四年に一度退職金がもらえるということですよね。これは、やはり四年に一度選挙があるから、恐らくいろいろ調べても、この前、総務省の方に聞いたけれども、よく過去の歴史が分からないんだけれども、恐らく特殊法人とか理事とか、二年、四年の区切りで退職金を出しているというのを準拠したと思うんです、余りに報酬が低いから。ところが、その後どんどんどんどん特別職報酬審議会や何かで上げてきて、それで議員さんも全部上がってきているわけですよ、全体が。だから、そういう全体のバランス、さっき申し上げた、民放でこの三つをシリーズでやったわけですよ。去年は事務次官クラスがやり玉に上がって、今年は国会議員の年金の問題と、それから知事、市町村首長さんの退職金の問題と、それから地方議員さんのいわゆる年金の問題、その辞め方の問題、こういう指摘があったんですけれども、そういうものについては、総務大臣、テレビで見られた記憶はありますか。
  それともう一つ、そういう問題が事実かどうか実態をきちっと調べて、国民に誤解を招かないように実態を調べた上で説明する責任が私はあるんじゃないかと思うんですよ。そういう、年金を目当てに辞めてしまったというのであれば、これは全体の奉仕者、いわゆる公僕としてあるまじき姿だと私は思いますが、その辺は実態は把握しておられるのか、あるいはお調べになるのか、お答えをいただきたい。
○国務大臣(片山虎之助君) 地方の首長さんのは調べていると思います。これはいろんな経緯があるんですが、一種の慣行みたいになっていまして、年間給与の幾ら幾らという計算ですよね。これ、そこで特別職の報酬審議会というのを一応作りまして、御承知のように、そこで議員さんを含めて議論してもらうというのですが、その審議会でどれだけチェック機能が働いているかということはありますね。
  テレビも、この三つ一緒に見た記憶はありませんが、それぞれは何かありますね。
  それから、国会議員さんの年金は三分の二が国費なんですよ、三分の二が。だから、これは地方議員の方はもうずっと少ないんですね、国費というか公費が。そこで今、国会議員さんのやつはこれは議員立法で国会で御議論をいただいて決めたことですから。それから地方議員のやつは、この前、大分制度を総務委員会でも御議論をいただいて互助年金直しましたよね、掛金を増やしたり、いろいろなことをしましたので、これも次第に合理化していくと、こういうことになると思いますけれども、ただやっぱり、国民の理解が得られるということがひとつ要るでしょうね、そういう意味では。
  特別職、地方の特別職についてはもう少し実態を丁寧に調べまして、我々として言うことがあるのなら、こういう時代ですから、言うべきことも考えてみたいと思います。
○松岡滿壽男君 今の大臣の御答弁でいいと思うんですけれども、やっぱり合併問題にもこれ実は関与している問題なんですよ、やれ退職金の問題とか、いろいろ年金の問題も。だから、総合的な立場から是非御調査いただいて、バランスをきちっと取っていかなきゃいかぬと。
  私は、今回のこの法案につきましては、働いておられる方々にはお気の毒ですけれども、全体的なバランスから見てこれは当面賛成しなきゃならぬというふうに思っておりまして、今後、やはり我が国のいろんな改革の状況を見ながら、かなり切り込んだ対応を、例えば国会議員についても、これは退職金の代わりだよと説明してみたり、それだけじゃもうなかなか説明ができないところに私来ていると思いますよ。だから、その辺も、今後やはり勇気を持って、聖域なき構造改革と総理は言っておられるわけですから、聖域を設けずに頑張っていかなきゃいけないというふうに思っております。
  それから、先ほども議論がありましたけれども、この天下りの問題ですよね。四百五十兆も特殊法人で赤字が出ているという東京新聞の記事もあります。それと、やはりいわゆる見えない予算といいましょうか特別会計、これはやはりいずれきちっと表へ出して対応していかなきゃいかぬ時代がもう来つつあるというふうに思っておるんですけれども。
  この天下り先のチェックについて、前回も議論をしたわけですけれども、人事院における天下り承認件数が五十九件ですか、平成十四年、承認者数が五十八人と。これで見ますると、国家国民のためのそれは公務員であるわけでありますけれども、公務員制度改革においても官僚の民間への天下りが各省大臣承認制に切り替える方向のようでありますから、特殊法人、独立行政法人等への天下りは承認から外れているわけですね。これは事実上、天下りの野放しになってしまう。
  高額の退職金を受け取ってから、天下り先でまた給与、退職金を支給される関係、これはやはり私は厳しく見直していかなければ国民から厳しい指摘を受けると私は思うんですが、この問題については大臣はどのようにお考えでありましょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) だから、今回、この制度の改正の中にも取り入れまして、できるだけ行った人は帰ってもらう、ノーリターンじゃなくて原則リターン。そこで国家公務員として辞めてもらう、それで早期の退職慣行も是正していくと、こういうことにいたしまして、結局、天下りというのは早く勧奨で辞めさせるから、五十二や三で辞めると、くたびれますよね、子供さんの教育の関係や家の関係や。だから、そういうことで第二の就職先、第三の就職先を何となくみんなで世話していくと、こういうルールになっていますから。やっぱり長く勤めてもらうと。ヨーロッパのように、もう一生公務員で終わると、最後まで。こういうのもなかなか簡単にいきませんけれども、そういうことの少し検討した方がいいというのが三歳の勧奨退職年齢の延ばしですよね。
  そういうことを含めて考えていかなきゃいけませんが、今議論になっておりますのは、天下りの場合の承認を、今人事院がやっておりますけれども、これは人事院の方がいいのか任命権者の方がいいのか。ただ、任命権者も恣意的にやるんじゃなくてルールを作って、ある程度内閣一体として調整しながら任命権者がやるのがいいのか、これが議論になっておりまして、今の公務員制度改革大綱では任命権者でいくと、こういうことでございまして、この辺もいろいろ議論があるところだと思いますけれども、方向としては今そういうことで調整をいたしております。
○松岡滿壽男君 総務大臣には是非頑張っていただかなきゃいかぬと思いますが、税源の問題もそうですけれども。
  いずれにしましても、しかし余りこういう議論をしていると、最近の若い人たちは公務員を受ける気がしなくなってくるという状況の中で、やっぱりきちっと働いてもらわにゃいかぬわけですね。やる気なくしてくれちゃ困ります。しかし、その辺は、しかし民間の状況とのバランスを的確にやはり公務員にも知らして、そういう全体のバランスの上に立って国家国民のために奉仕するという環境をきちっと作っていただきたいというように思います。
  時間が参りましたので、これで終わらしていただきます。
○又市征治君 社民党の又市です。
  この法案が退職金引下げの根拠とする民間の今退職金であるとか、あるいはその基礎になっている賃金や雇用全般の実情はどうか。依然として厳しい賃下げやリストラのあらしが吹き荒れているというのは皆さん御存じのとおりです。
  一方で、トヨタ自動車を始めとした一部の大企業が巨額の利益を計上していますけれども、ところがそこの賃金といえども、首切りの脅しを背景に資本の側の一方的な力によって決定されている。労働者は空前の利益の分配にあずかるどころか、賃下げ、リストラをのまされて生活を脅かされているというのが残念ながら今の日本の企業の実情だろうと思います。
  企業全般を見てみましても、減収増益、つまり売らずにもうけるという、こんな異常な決算というのがざらになっているわけで、じゃ一体、減収で何で増益になるのか。言うまでもなく、賃金やあるいは退職金の引下げ、さらには過労死に象徴されるような労働強化などというのがこの原因になっているわけですね。
  このように、今の賃金、退職金は労使対等の交渉で決められるということにはなり得ないで、企業側の一方的なものが非常に多くなっている、こういう状況にあります。
  こうした民間の実情をそのまま横引きして、マイナス五・六%だったから六%下げましょうやというのがこの法案の実は中身ですね。
  ところが、一方で政府は、今労働基準法などの改悪によって、企業側からの解雇の自由化を始めとして、有期雇用の乱用であるとかあるいは製造業等への裁量労働制の導入、あるいは労働者の権利を奪う一連の法改悪というのが成立させようとされているわけですが、そこで大臣にちょっとお伺いしたいんですが、これは閣議で出しているわけですから、景気低迷の政治責任はこの際置きますけれども、この労働法制改悪が更に労働者の、労働組合の交渉力を弱めて賃下げや雇用不安を拡大をしていく、そういう圧力となっていく、そしてやはり景気回復を遅らせてきているし、また遅らせていく、こういうことになっていくんではないのか。このことについて、大変発言力のある大臣として、閣議でこのような問題を閣議決定されて出されているわけですが、ちょっとこの件についての見解を承りたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 公務員の場合にはやっぱり官民均衡、民間準拠という大原則がありますからね。給与を下げる、退職金を下げるということが景気に私もプラスだと思いません。しかし、同時にやっぱり国民の納得をいただくということがありますので、景気に必ずしもプラスでないからといって、それじゃ公務員だけがこういう状況の中で今までの既得権として給与や退職金を守っていくというのもなかなか国民の理解が得られないと。
  こういうことでございまして、なかなかつらいところでございますけれども、今一生懸命経済活性化のための努力もいたしておりますし、株価対策等も、ここは官庁もおられますけれども、与党で一生懸命知恵を出そう、政府も頑張ろうと、こういうことでございまして、総力を挙げて今の状況を打開していくということが必要じゃなかろうかと。そういう中で公務員の労働環境、執務環境というのも変えていく、こういうことではないかと。答えになっておりませんけれども、ひとつ御理解を賜りたいと思います。
○又市征治君 民間におけるこうした賃下げや人減らしによる減収増益というこういう異常な体質、あるいは、そしてそれがデフレ不況を深刻化させているこういう実態、こんなことが放置をされて、その上で更にそれを加速させるような労働法制の改悪がやられる。このことの責任を問う声というのは、あるいはそういう怨嗟の声というのは非常に高いわけですね。
  だから、私も、今、大臣がおっしゃったように、退職金といえども民間実態に対応しましてそれは引き下げることもあり得るというのは、それは当然認めますよ。ただ、問題は、今日的なこういう経済状態の中で、民が下がった、だから、はい今度は官も下げます、今度は官が下がったからまた民も下げていきます、こういう賃金やあるいは退職金の問題でもデフレスパイラルを起こしていくという、こういった面で一体全体、日本の景気に与えていく影響その他を含めて、だから私は、この言ってみれば労働法制改悪や今日の景気対策、そういう問題も一体でないかと、こんなことを実は申し上げたかったわけです。そういう点で大臣の見解をお聞きしたかったと、こう申し上げているわけであります。
  そこで、時間もございませんので、先ほど来出ています天下りの退職金の二重取り、三重取りの問題、これについて取り上げたいと思うんですが、これはやめると、こうされているわけですね。しかし、どうも高級公務員の過半数が天下りをしているという実態があります。
  例えば、調べてみましたら、二〇〇一年八月から一年間、去年の八月までですね、本省課長級以上の再就職者一千八十六名のうち五四・四%が特殊法人などに天下りをしている、こういうことですね。法律で制限されている営利法人への就職が一六・九%ですから、これよりも非常に多い天下り実態、こういう状況になっています。特殊法人などが高級公務員の天下りポストのために作られているんだと、こう言われるぐらいの実態だと。全部が全部そうじゃないかもしれませんが、しかしそのぐらいに言われる実態だと。
  そこで伺うわけですが、今回から国へ戻ってくることを条件に法人の方は退職金を払わないことにする、こういうわけですね。ということは、公務員としての定年の前にいったん出てまた戻って全部終わらせるということになるのか。つまり、従来よりもうんと若く特殊法人などに出していこうというこういう考え方なのか。まさかこの人だけを定年を延長したり、形式的に一日在職させて公務員として退職金を払うとかなどということは、これはあるわけはないだろうと思いますが、戻ってから何か月とかあるいは何年とか勤めさせるという、何かそんなことを考えておいでですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 原則、行ったら帰っていただくと、こういうことにいたしておりまして、帰し方で、それは帰ってすぐ辞めるというのは具合悪いですね、一日。それは、運用上ですよ。帰ってもしっかり仕事をしていただいて辞めていただくと、それは退職金払うんですから、通算で。そういう意味では、者によっては今までより早く出向してもらうということはあるかもしれませんですね。
  今度、特殊法人という意味では郵政公社がスタートしましたけれども、若い人は五十一、二の理事がおるんですね。だから、こういう人が仮に今までのようにずっとおるということになると、郵政公社も困っちゃうんですよね、理事さんでずっと。
  だから、そういう意味では、やっぱり一遍帰っていただいて、こういうのがいいので、そういういい慣行をこれから是非作っていきたいと、こういうふうに思っておりまして、そういうことの中で、出戻りと言うたら悪うございますけれども、出て戻った人にどのくらいどういう仕事をやっていただいて、最終的な退職管理をどうやるか、これは十分研究してもらいたいと思っております。
○又市征治君 役所の方で答えないで大臣の方に特別振られましたから、衆議院の段階で、大臣ね、うちの重野委員がこれを聞きましたときに、大臣は、法人で二年か四年が目安になるんじゃないかと、こういうふうに答えて、一方では復帰を役所側のローテーションでやるのは良くないと、こういうふうに答えておられるわけですが、このことは確認してよろしいですね。
○国務大臣(片山虎之助君) 役員というのは、理事さん大体二年か、長いのが四年というのがあるけれども、二期というと四年ですね。大体二年で今行っておりますから、そのくらいが一つの目安になるんじゃないでしょうか。二年で帰ってきていただく場合もあるし、仕事の関係でもう一期という、あるいはその途中ということもあるのかもしれませんが、そういうふうに衆議院ではお答え申し上げました。
○又市征治君 最後に、公務員制度についてお伺いをしておきたいと思います。
  公務員制度問題、随分と今度の国会で議論をしてまいりました。労働基本権を話し合うため、あるいはどこまでが労働条件かという問題など含めていろいろとありました。じっくり協議をしてこの公務員制度の、公務員法制出すのかと思っておりましたら、一部の報道では、またぎりぎり駆け込みで来月の上旬にも法案を国会に出したい。来月十八日に会期末だといっているのに、十日とかに出したいなんて、こんな話が伝わってくる。
  これは本当に、坂口厚生労働大臣が今年のメーデーの集会へ行って、四段階、労働基本権問題などについて四段階にわたって提言をして、発言をされたわけですね。これは内閣を代表してメーデーに出ていって発言されているわけですが、これに反する、こういうことだろうと思いますが、ここのところは今現在どういうふうになっているのか。これは大臣なのか事務方なのか分かりませんが、現実お聞きになっているところはどういう流れになり、どういうふうにされていこうとしているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、事務方は改正案を出すように法制的な検討を含めて準備を進めております。せんだっても閣議の後、四大臣、官房長官に私に坂口大臣、石原大臣と相談しまして、どうするかと。鋭意今までの方針で検討を続けていこうと。ただ、職員団体との話合いも十分やろうと、こういうことにいたしておりますから、基本的なスタンスは変わっておりませんが、いろいろ新しい制度を仕組むものですから難しい点がありますし、職員団体の皆さん、なおいろんな御意見がありますから、その辺は十分時間を掛けて調整してまいりたいと、できるだけ話し合いたいと、こう思っております。
○委員長(山崎力君) 時間でございますので、おまとめ願います。
○又市征治君 既に、先月ILOから労働側代表が来まして、内閣官房長官あるいは坂口労働大臣にお会いになっていっている。そのときに政府側から発言されている内容、そして坂口さんがILOの事務局長にお会いになってきてお話ししている内容、こういうものと整合性が取れない格好にならないように、労働組合と十分話をした合意の上でやはり出していただくような努力を重ねて大臣にもお願いをして、終わりたいと思います。
○委員長(山崎力君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
  これより討論に入ります。
  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
  反対理由の第一は、高級官僚の天下り、高額退職金に対する措置が極めて不十分だという点であります。
  本改正案は、早期退職特例措置を見直して、事務次官などについては割増しの不適用とした結果、現行八千九百四十六万円が七千八百七万円へと減額になることが予定されています。しかし、例えば一般公務員の一九九九年退職者の平均で二千九百四十八万円、勧奨退職者平均三千八十万円と比べれば、改正後の水準も極めて高額であり、到底国民の理解が得られる水準とは言えません。
  法案には、職員が退職と同時に独法などの役員となった場合の退職金支給を一回とする内容も盛り込まれています。これは、事実上、新たな出向制度を設けるものであり、出向という以上は退職金が一回となるのは当然のことです。しかし、国の事務又は事業と密接な関連を有する業務を担う法人で、国からの役員出向が必要だというのなら、そのような業務をなぜ、わざわざ国の機関から切り離したのかが問われなくてはなりません。一般職員は行政から分離しながら、幹部だけは行政と行き来するというのでは、国民から批判の強い高級官僚の天下りを衣替えして存続させることにもなりかねません。
  反対理由の第二は、一般公務員の退職手当の引下げが、待遇改善の願いに反するものだからです。引下げ率六%は、昨年度実施された本俸二%引下げと合わせると、実際に受け取る退職金額で八%を超える減額となるものです。そもそも、その根拠とされている民間の給与と退職金水準の低下は自民党内閣の失政の結果であり、単純な官民比較を理由として、一般公務員の家計や生涯設計に大きな影響を及ぼす退職金支給水準の引下げを行うことには賛成できません。
  以上、改正案全体としては、高級官僚の特権的待遇は依然として温存され、一方で、一般公務員には犠牲を強いるものであることを申し上げまして、反対討論といたします。
○委員長(山崎力君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
  これより採決に入ります。
  国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  この際、高橋君から発言を求められておりますので、これを許します。高橋千秋君。

○高橋千秋君 私は、ただいま可決されました国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
  案文を朗読いたします。
     国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
  一、退職手当制度及び支給水準の見直しに関しては、退職手当の水準は官民の均衡が基本であるとの認識の下、その検討を行うとともに、関係職員団体等と交渉・協議し理解を得るよう最大限努力すること。
  二、退職手当の官民比較における調査の重要性にかんがみ、その法令上の位置付け、調査の方法等について必要な検討を行うこと。
    右決議する。
  以上でございます。
  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(山崎力君) ただいま高橋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、高橋君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
  ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣。

○国務大臣(片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(山崎力君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。
  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣。

○国務大臣(片山虎之助君) 電波法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
  この法律案は、昨年三月二十九日に閣議決定された規制改革推進三か年計画等を踏まえ、無線機器の迅速な市場投入を促進し、経済活性化及び国際競争力強化に資するため、無線設備の技術基準適合性を製造事業者等が自ら確認する制度を新設するとともに、総務大臣又は指定証明機関が行う技術基準適合証明等について総務大臣の登録を受けた者が行うこととするほか、電波利用共益費用の負担における無線局免許人間の公平性を確保するため、放送事業者の電波利用料の額の改定を行う等の改正を行おうとするものであります。
  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
  第一に、総務大臣が認定した認定点検事業者が無線設備等の点検を行う制度を改め、総務大臣の登録を受けた者が点検を行う制度とし、当該事業者に対する監督規定を整備することとしております。
  第二に、総務大臣又は指定証明機関が特定無線設備について技術基準適合証明を行う制度を改め、総務大臣の登録を受けた者が技術基準適合証明を行う制度とし、当該登録を受けた者等に対する監督規定を整備することとしております。
  第三に、特定無線設備のうち、混信その他の妨害を与えるおそれが少ないものについて、製造業者等が一定の検証を行い、技術基準適合性を自ら確認できることとする制度を新設するとともに、確認した製造業者等に対する監督規定を整備する等所要の措置を講ずることとしております。
  第四に、特定周波数変更対策業務に係る既開設局の免許人に適用される電波利用料の料額を、当該業務が実施される期間内の各年度においては、通常の電波利用料の金額に、一定の金額を加算した金額とすることとしております。
  その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
  なお、この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしておりますが、電波監理審議会への必要的諮問事項に関する改定規定は公布の日から、電波利用料額の改定に関する改正規定は公布の日から起算して三月を超えない期間内において政令で定める日から施行することとしております。
  以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(山崎力君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。

    午後二時三十七分散会