運営「地方独立行政法人法案等を審査・採決

(平成15年7月1日参議院総務委員会会議録より抜粋)


(前略)
○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
  まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
  地方独立行政法人法案及び地方独立行政法人法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に総務大臣官房長瀧野欣彌君、総務省行政管理局長松田隆利君、総務省自治行政局長畠中誠二郎君、総務省自治行政局公務員部長森清君、総務省自治財政局長林省吾君、総務省政策統括官大野慎一君、消防庁長官石井隆一君、文部科学大臣官房審議官木谷雅人君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君及び厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長上田茂君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、地方独立行政法人法案及び地方独立行政法人法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
  両案の趣旨説明は去る六月十日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋良充でございます。
  本題に入ります前に、消防の火災事故について、若干、消防庁長官にお伺いをいたしたいと思います。
  去る六月二日、神戸市の住宅火災において消火活動中の消防隊員が殉職をする事故が発生をいたしました。まず、殉職をされました岡本晃始司令長、田中俊信司令長、矢野孔明司令、石丸祐介司令補、四名の方々の御冥福を心からお祈りを申し上げます。
  さて、事故原因については捜査機関も調査中とのことでございますけれども、消防庁からも調査のための職員が派遣をされたというふうに聞いております。消防庁として現段階で把握をしている事故当時の概要と今後の対応策について、まずお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(石井隆一君) お答え申し上げます。
  今回の火災では、建物に居住しておられました男性一名が死亡しましたほか、消火活動中の消防隊員のうち四名が死亡し九名が負傷したことは誠に痛ましいことだと思っておりまして、私自身も現地に参りまして、御遺族の方の弔問もさせていただいております。深く哀悼の意をささげますとともに、負傷された職員の一日も早い回復をお祈りしておる次第であります。
  そこで、御質問の件でございますが、神戸市の中間報告というのが六月十二日に出されておりますけれども、一、二階を貫く通し柱と、それから二階を支えておりますはりの接合部に焼け細り及び欠損が生じ、二階及び屋根の重量に耐えられなくなり、一気に建物が倒壊したという報告になっております。
  国民の生命、財産を守ることが任務であります消防職員につきましても現場活動における安全確保が必要でありまして、引き続き、より詳細な調査を今やっておりますけれども、消防学校あるいは全国消防長会の研修会などにおきましてもこの調査結果を踏まえまして周知徹底を図りまして、このような事故が二度とないように努力したいと思っております。
○高嶋良充君 是非、二度とこのような事故が起こらないような周知徹底をお願いをしたいんですが。
  それと関連して、このような社会的に影響が大きい火災に対する予防及び防御対策というのは徹底をしていただきたいというふうに思うんですが、そのためにはまず国と自治体と自治体消防が相互に情報の共有化を図ることも大事ではないかというふうに思っておるんです。その点について消防庁の考え方を伺いたいということと同時に、今回の事故の関係で、どうも他の消防本部への迅速な情報提供がされなかったのではないかというような不満もあるようですけれども、その辺について、各消防本部へ今後こういう事故も含めて情報提供を迅速に行うと、そういう対応についても同時にお聞かせください。
○政府参考人(石井隆一君) 消防庁といたしましては、先ほど先生の御質問にもございましたが、事故発生当日の午前八時には担当職員を現地に四名派遣しておりまして、被災現場におきましては消防庁と、それから地元の兵庫県、県警、それから神戸市との共同で現地確認等を行いまして、火災及び事故の発生の状況についての情報を共有しまして、今おっしゃいますように、消防庁としても災害概要を取りまとめまして、取りあえずまず各消防機関に提供しているところであります。それから、先ほど申し上げましたように、六月十二日に神戸市からの中間報告が発表されておりますが、今後も、引き続き調査が実施されておりますので、その結果は逐次今消防庁に提供されております。
  ポイントとなる建物の崩壊の原因はさっき申し上げたとおりでありますけれども、一階の天井裏の部分でありまして、実際に消防隊員が立ち入りますときに、やはり二階の屋根が落ちてくるということはあり得るわけですから、まずホースでこの二階の床を強くたたくと言っておりますけれども、放水しまして、その安全を確認して入ったんですけれども、さっき申し上げたような事情でどんと落ちてしまったと。
  そこで、各指揮者の安全管理の不備はなかったという認定になっておりますけれども、さらに、近くより詳細な調査結果がまとめられる予定になっておりますので、その結果を、今おっしゃいましたけれども、全国の消防機関に改めて提供をしっかりいたしまして、それを踏まえてこうした事故の再発防止に努めてまいりたいと思いますし、もう少し具体的に申しますと、私どもの消防大学校、あるいは近く全国消防長会なんかの会議もございます、こういった研修会などで周知徹底を図る。それから、各都道府県別に消防学校というのがございますが、こういった消防学校における教育訓練におきましても、こうした面での配慮、安全管理が十分に習得されますように、今まで使っておりましたカリキュラムについても更に充実を図るように働き掛けるなど、できるだけのことをしてまいりたいと思っております。
○高嶋良充君 再発防止も重要な課題ですけれども、もう一つ重要な課題が、事故が起こった後の隊員のメンタルヘルスといいますか、今話題になっております惨事ストレスですね。これが特に心配されるところなんですけれども、伝え聞いているところでは、神戸市の消防局は、国と県と市のサポート体制を是非やってほしいと、こういう考え方を持っているようであります。
  消防庁も五月の二十七日に惨事ストレス対策についての通知を出されたというふうにも聞いているんですが、消防職員のメンタルヘルス対策と惨事ストレスに関する取組について、ソフトとハードの両面からどのような対応策を考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(石井隆一君) 今、御指摘ありました惨事ストレスの問題でありますけれども、今回の神戸の事故時に出動しました消防職員についてもそのことが懸念されるわけでありますが、神戸市でも地元に専門家はいらっしゃいますけれども、御要請もありましたので、消防庁から六月十一日にメンタルサポートの専門家を派遣しまして、現地の先生方と一緒にこの現地の職員等のメンタルケアに当たっております。今後ともこの点は神戸市と連携しつつ対応してまいりたいと思っております。
  なお、今お話に出ましたように、消防庁では精神医学なり心理学の専門家等から成ります消防職員の現場活動に係るストレス対策研究会というものを作っておりまして、いろいろ論議しました結果、今年の三月に報告書を取りまとめておりまして、全国の消防本部に、あるいは消防署、出張所などまで、全体で一万三千部ほどこの報告書を配付しておりまして、できるだけこうした惨事ストレス対策は現場でも周知されるように、徹底されるように努めておるところであります。
  それから、今年、十五年度から精神科医でありますとか臨床心理士などの専門家を派遣します緊急時メンタルサポートチームというものを作っておりまして、全国の消防本部に対する支援体制の整備を進めております。今後ともしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
○高嶋良充君 長官、ありがとうございました。退席していただいて結構でございます。
  それでは、本題に移らせていただきます。
  まず、大臣に伺いますが、今回の地方独立行政法人の法案の基になったのが、国が独立行政法人制度を導入をした一九九八年の中央省庁の再編等の改革の一環として検討されてきたイギリスのエージェンシーをモデルにされている制度だというふうに思いますけれども、国と同様に地方にも導入しなければならないその意義と必要性についてはどのように考えておられるんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 国と同じように地方においても、地方団体が自らやる必要はないと、しかし民間にやらせようというと民間はやらないと、しかし地方団体が直接やらなくても別のものでもいいと。それで、自律的かつ弾力的、ちょっと難しい言葉なんですが、ある程度フレームはきちっとして、その中で自由にやらせると。それから、事前のやかましいことを言わないで事後にチェックすると。その中では、人間の配置でも組織でもある程度自由に任せてやる、予算の使い方なんかも事細かく注文を出さないと、こういうものが、という仕組みを地方に作ることも意味があるではないかと。
  そういうことで、地方からも要望がありまして、特に、高嶋委員御承知のように、試験研究機関だとか大学だとか、公営企業については公営企業法の適用もあるんですけれどもこれも一部ある、社会福祉施設の関係でもある。だから、地方から要望があって、国と同じようなこういう必要があるのなら、選択肢の一つとして、地方団体がこっちでやりたいと言った場合にそういう制度を作ることも意味があるのではなかろうかと。こういうふうに思いまして、関係のところと相談しまして、特に地方六団体と。是非やってくれと、議会の関与もこの程度は是非残せと、これはこうやってくれと、こういうことなものですから、そこの調整の上に出させていただいたわけでありまして、我々としては、そういう意味では地方の要望にこたえて地方がやりやすいような選択肢をもう一つ増やしたと、こういうふうに考えております。
○高嶋良充君 地方からの要望が強かったからと必要性を述べておられるわけですけれども、私は、イギリスをモデルにされたということですが、イギリスでは国の機関のみが対象になっているわけですね。地方の独立行政法人のモデルはイギリスにはなかったわけであります。
  そういう観点からいうと、国の、イギリスをモデルにされた、国が導入をされた独立行政法人の評価、検証というものを時間を掛けて行った後に、地方への導入の是非を決めるべきではないかなというふうに思っているんですが、とりわけ国の独立行政法人も法律で三年ないしは五年後に機関評価をするということにもなっているわけですから、少なくともその評価の後に地方へも導入をしていくという方策が取られるべきだというふうに思うんですけれども、その辺については、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) それは国の方では十五年度中に地方にも入れるということを、国として閣議決定しているんですね、それがいい悪いは別ですけれども。
  それで、国の方は、御承知のように、十三年の一月から始まりまして、一番早い中期計画の期間が終わるんですね、第一号が出るんです、間もなく、三年ないし五年ですから。
  そういうことで、国の方を見ますと割に頑張って成果を出しているようなところもありまして、例えば、委員も御承知かもしれませんが、国立美術館なんかについては、今までより見れる時間を延長する、それからレストランやミュージアムショップを中に作る、国立博物館では例えば横山大観展や雪舟展については、これも開館時間を柔軟化して延ばすとか、あるいは予算の使い方で研究所なんか、ある程度研究所の理事長さんの御判断で、もう国だと事細かに決まっていますから、ある一定の枠の中で自由にやったり取ったりすると。
  こういうことをやっておりまして、私は、それなりに効果が出つつあるので、この際、閣議決定で十五年度中に地方の独立法人制度も作ると、こう決めているから、今回お願いしてこういう制度を作らせていただこうと、こういうことでございます。
○高嶋良充君 美術館の開館時間の延長というようなものは、今まで国でやってこられなかったことがおかしいことであって、導入の意義というのは効率的な行政サービスが最大のものだというふうに伺っているわけですけれども、地方自治体は国と違って、今の美術館もそうですけれども、今日まで既にそういう地方行革を通じて行政サービスの向上というのはきちっとやってきているわけですね。もう直接住民と接するところのサービスなんですから、そういう意味では、既にもう民間委託が行われているところや、PFIとかあるいは第三セクターとか一部事務組合など、様々な方式を取り入れて地方行革を実施をしてきているというふうに思うんです。
  そういう意味では、こういうサービスの質の向上を地方自治体が図る努力をしているということはきちっとやっぱり把握をしておいていただきたいなというふうに思うんですが、そこで総務省に伺いますけれども、地方行革の進捗状況についてどのような認識を持っておられるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(畠中誠二郎君) お答えいたします。
  地方行革の進捗状況についての御質問でございますが、総務省では、地方行革推進指針、これは事務次官の通達でございますが、を策定いたしまして、地方公共団体に対しましてその行政改革の取組を要請するなど、地方行革の推進に努めてきたところでございます。
  先生御指摘のように、地方公共団体では、例えば定員管理や給与の適正化、それから行政評価システムの導入、それから事務の外部委託、民営化等々、積極的な取組が行われておりまして、現在でも、厳しい財政事情の下、行政改革に懸命に取り組んでいるものと認識しております。
  例えば、一つ二つ具体的に申し上げますと、給与でございますが、まず定員でございますが、定員につきましては、平成七年から八年連続して減少しているところでございます。また、給与につきましても、ラスパイレス指数が大幅に低下いたしまして、全団体の七割以上が一〇〇未満となっている状況で、全国平均でも低下傾向にあるということで、地方行革については各団体とも懸命に取り組んでいるところでございます。
○高嶋良充君 片山大臣ね、今聞かれたように、地方行革、独自に進んでいるということと、もう一つは、透明性の面でも大変この地方自治体、努力をされているというふうに思うんですね。国に先駆けて情報公開も条例でやられてきましたし、行政評価にしても、あるいは住民参加の問題にしても、さらには外部監査、最近では単年度会計の見直し問題等についても積極的に改革に取り組んでいこうと、そういう、されている姿勢というのがうかがわれるわけでありますけれども、いずれにしても片山大臣がいつも言われる分権の時代なんです。
  そういう意味では、このような地方独立行政法人の導入については、国とは違った、こういう地方自治体の地方行革や透明性、こういうことを十分に配慮して、導入に当たっては慎重に行っていくべきではないかというふうに思っているんですけれども、その点について大臣の考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、高嶋委員が言われるように、地方では国より進んだところもたくさんありますね。ただ、三千三百近くありますから、国と見てどうかなというところもあることも事実でございまして、全体として地方の私はレベルアップを図っていかなければならないと、こういうふうに思っておりますが、地方の方が国よりは小回りが利きますから、物事を変えていったり新しいものを取り入れることは果敢にやっているところもあるし、やりやすいんですね。
  そういう意味では、大いに地方行革の実を上げていただきたいと思いますが、先ほども言いましたが、幾つかの団体で是非こういう仕組みを入れてほしいと、こういうことなものですから、我々としては、何度も同じことを言いますけれども、新しいツールというんでしょうか、選択肢を増やして、やりたいところはやってくださいと、こういうことでございますので、やるかやらないかについては慎重な判断を地方団体の中でやっていただきたいと、こういうふうに思っております。
○高嶋良充君 私が特に疑問に思っているのが、先ほど大臣も地方公営企業のことをちょっと言われましたけれども、この地方公営企業も独立行政法人の対象になっているんですが、私は、地方公営企業と独立行政法人、両方の制度を精査もさせていただきましたけれども、制度上の類似点が非常に多いんですね。
  ということは、独立行政法人に移行をさせるメリットがどこにあるのかなということを、余りないんではないかなというふうにも思っているんですが、この地方公営企業を独立行政法人に移行させるメリットについてはどのようにお考えになっているんでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) まず、現在の地方公営企業制度でございますけれども、これはあくまでも地方公共団体の内部にあるということで、一般行政部門との当然密接な連携がある中で、特別会計を設けて、いわゆる企業会計原則、独立採算制という制度を導入しながら公共性の高いサービスを効率的、効果的に提供すると、こういう仕組みでありまして、これは委員も御認識のとおり広く定着しております。
  一方、地方公共団体の中には、先ほども大臣もお話がありましたが、更に独立性を持った形で事業をしたいといったところもありまして、今日の新聞も見ましたところ、埼玉県の志木市長がいわゆる議会の中から首長を選ぶとか、最近、本当に地方自治体の長の方、いろんな工夫創意をされておりまして、そんな要望も私どもとしては受けまして今回の法案の提出に至ったこともありまして、先ほども大臣も選択肢の提供と、こういうことでありまして、このような御意見を具体的に反映したのが今回の地方独立行政法人制度でございます。
  そこで、今回の導入のメリット、委員の御質問でございますけれども、何といっても、法律上、目標管理制度を徹底したということと併せてディスクロージャー制度、これをしっかりとしているということと併せまして、さらに法人の長の経営責任の下で自律的に運営ができるということでありまして、これは基本的には地方自治法制の適用から離れるというか、いわゆるそれがかえって独立性が高まると、こういった制度になっておりまして、そのために単年度予算主義の緩和、契約の弾力化、業績給の効果的な導入、こういった機動的、弾力的な財政運営、人事管理が可能となるということになりまして、これらを活用することによって業務運営の効率化が図られると、ここがメリットがあるというふうに考えております。
○高嶋良充君 どうも積極的なメリットの面が受け取れないんですけれども、いずれにしても、以降、具体的な内容について、とりわけ地方公営企業の問題でまず伺ってまいりたいというふうに思いますが。
  今、市町村合併が活発に推進をされておるわけですけれども、私は積極推進論者ではありませんが、この独立行政法人の導入によって、とりわけ水道事業などでは、広域化の問題や市町村合併をするときに、一方が地方公営企業で一方が独立行政法人にもう既に移行していたと、こういう場合の合併という問題が持ち上がったときには障害になるというふうに思うんですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) 水道事業の広域化と市町村合併、これはともに今後更に推進すべき課題ではないかと思っておりまして、当然その事業に関係する地方公共団体当事者間で十分話し合っていただくものと理解しております。
  その中で、特に水道事業につきまして、それを地方独立行政法人化するかどうか、これにつきましては、当然、地方公共団体の自主的な選択にゆだねられているわけでありますけれども、これもその地域における将来の水道事業の経営の在り方、また今回水フォーラムが行われましたけれども、そんな議論も踏まえながら十分検討していただきたい課題であると考えております。
○高嶋良充君 水道の問題について更に伺いますけれども、先日、政府も大変力を入れられて、日本、大阪と京都でですけれども、世界の水フォーラムが開催をされました。御承知のとおりであります。
  そういう観点からいえば、今、健全な水循環系の構築に向けた施策を政府も推進をしているところだというふうに聞いているんですけれども、しかし今回制度化される独立行政法人制度は、水道事業を対象業務にしているけれども、もう一つの水循環系にとって重要な下水道事業はこの対象から除外をしているんですね。
  水循環の一環である水道事業と下水道事業の経営の在り方をあえて分離をする仕組みを作ることが果たして健全な水循環系の構築を図る上で得策なのかどうか。私は、逆に支障が出てくるんではないかなというふうに危惧をしているんですけれども、この独立行政法人化を検討される際に、このような政府の大きな政策目標である水循環施策を念頭に置いて検討されたのかどうか、お尋ねをいたします。
○副大臣(若松謙維君) 今回の地方独立行政法人制度の地方公営企業分野への対象事業、いわゆるこれは法律で八事業を規定させていただきましたが、これらの事業は言わば地方公営企業としての熟度の高い事業でありまして、かつスムーズな制度導入の観点から、当面これらの事業に限って対象事業とさせていただいた次第でございます。
  お尋ねの下水道事業につきましては、必ずしも今申し上げましたような要件を満たしておりませんで、また下水道法上、下水道管理者となり得る主体が地方公共団体に限られていると、こういうふうに解されていることから、現段階におきましては公営企業型地方独立行政法人の対象事業として位置付けていないところでございます。
  なお、委員が今御指摘になりました地球サミット又は世界水フォーラム、ここで水循環という視点が議論になりまして、いわゆる流域を単位とする統合的水管理システムについても提言していることは認識しております。こうした課題も今後当然検討課題になりまして、特にいわゆる水の管理とまた利用、特にフランスの場合には水道事業は非常に、特に水の場合には民間が多いと、こんなそれぞれの国の特徴もあるわけでありますけれども、いずれにしても、この水道事業につきましては、公営企業型地方独立行政法人にするか又はいわゆる従来型にするのか、これにつきましてはあくまでも地方公共団体の自主的な判断によるものと、このように私どもは理解しております。
○高嶋良充君 地方公共団体の自主的な判断だけれども、今の副大臣の答弁を聞いていると、水循環という視点からいけば独法にするのは余り好ましくないなというふうにとらえてもいいんでしょうね、それは後でまたお尋ねをしますけれども。
  もう一点、この水道と下水道との関係で、料金徴収の観点からも問題点が指摘がされているんですね。水道と下水道を一つの事業体として実施をされている地方公共団体もあるんですけれども、これが経営の手法が水道と下水道で切り離されるような制度になると多くの問題が出てくるんですけれども、これらの下水道事業をこの対象から外していることについては先ほど経営の主体の問題だと、こういう言い方をされましたけれども、そういう料金徴収の面でも問題点があるということについては御理解いただけるでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) 今お尋ねの、料金徴収と下水道をなぜ対象から外したかと、そういうお尋ねでございますけれども、今回の地方独立行政法人につきましては、水道事業がその対象とされたわけでありますが、繰り返しになりますが、下水道事業については対象とされておりません。
  特に下水道事業につきまして、先ほどもちょっと触れたんですが、地方公営企業法のいわゆる法適用事業の割合が低くて、かつ公営企業としての熟度が低いと、このような認識の下、下水道法上、下水道管理者となり得る主体が地方公共団体に限られているというふうに解釈されておりますので、地方独立行政法人制度の対象としてはなじまずに、今回の法案におきましては対象外といたしました。
  なお、水道事業と下水道事業につきまして、特に市町村レベルにおきましては料金徴収等の業務処理を連携して行う団体があることも事実でございます。しかし、水道事業を行う地方独立行政法人への下水道事業への一定の業務委託、これによってもまた対応が可能となっておりまして、そういったものにつきまして、やはり地方自治体それぞれの事情を踏まえながら、こちらとしては対応を考えてまいりたいと思っております。
○高嶋良充君 下水道事業を独法から外して、水道事業は対象事業に、この法案が成立すれば結論的にそうなるわけですけれども、これからの施設整備という側面からいっても、水道事業がこの独法の対象にするということについてはかなりやっぱり問題点が出てくるのではないかというふうに思っているんです。
  これから水道事業というのは施設の更新が求められてくるという状況で、かなりの資金調達が必要になってくるというふうに思うんですが、そういう独法に移行した場合は、必要な施設整備に要する資金調達に支障を来すんではないかなと、そういうふうにも心配をしているんですけれども、そういう観点からいっていけば、水道と下水道、一体的な運営をしているところについてはやっぱり独法というよりも現状のままの方が、地方公共団体にとっても、あるいはそこの受益をされている利用者にとっても、それの方が効率的でより利用しやすいと、こういうふうになるのではないかなというふうに思っているんですけれども、その辺の考え方と、水道事業を独法から外すべきではないかというふうに私は思っているんですが、その点についてはどうでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) まず、公営企業型地方独立行政法人制度の対象でございますが、先ほど八事業と申し上げましたが、これはあくまでも地方公営企業としての熟度が高いと、こういったところから絞らせていただきました。
  そこで、御指摘の水道施設の設備ですが、当然これは大規模な資本投下も必要と考えられておりますが、こうした場合には設立団体からの長期借入れ、これを認める等の現行の地方公営企業の場合と同様の財政制度も検討しておりまして、私どもは必要な施設設備に支障を来すことはないと、このように考えております。
  また、地方公営企業型独立行政法人に移行するか否かでございますが、これは先ほど申し上げましたように、地方公共団体の自主的な判断にゆだねられておりますが、水道事業を制度上公営企業型地方独立行政法人の対象として位置付けること、これはやはり適当ではないかと、このように考えております。
○高嶋良充君 今の資金調達、借入れについても問題はないと、こういうお考えを示されました。
  私は、地方公営企業以外の対象事業が独立行政法人に移行した場合はかなり、一定の運営交付金等も交付されると、こういうことですから、自主自律的な運営が可能になって、それはそれで地方公営企業よりはメリットがあるのかなというふうにも思うんですが、ただ、公営企業型の場合はどう見ても独立採算制の原則がもう最初から適用されているわけですし、長期借入れも制限をされるということに基本的にはなるわけですから、そういう観点からいえば、現行制度以上の財政的なメリットというのはないのではないかというふうに思っているんですが、その点はどうでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) 恐らく委員の御指摘の前提には、地方公営企業及び公営企業型地方独立行政法人ともに独立採算原則が導入されているということでそんなに差がないんじゃないかという御指摘だと思うんですけれども、今回導入しようとしております公営企業型地方独立行政法人制度、これはあくまでも地方公共団体とは別の法人格を有しているということで、かつ、法律上、いわゆる中期目標管理ですね、目標管理制度と徹底したディスクロージャー制度を導入しているということで、やはり従来の地方公営企業よりも法人の長の経営責任の下で自律的に運営されると、その結果、先ほど申し上げました単年度予算主義の緩和等によるより機動的また弾力的な財政運営、人事管理が可能となるということで、私どもとしては結果的に、大変いわゆるやる気のあるというか、大変チャレンジャブルな自治体がこのような公営企業型地方独立行政法人を活用することによって業務運営の効率化が期待されると、このように考えております。
  また、同制度を導入するかどうか、これはあくまでも地方自治体の自主的な判断でありますので、先ほど、再三申し上げますが、あくまでもこれは地方自治のいわゆる行政サービスの一つの機会を更に広げたと、そういう意味でありまして、これはこの制度を利用していただくかは、繰り返しになりますが、地方自治体の御判断と、こういうことであります。
  いずれにしても、先ほど申し上げましたような、現行制度も当然メリットはあるわけでありますが、やはり今回のいわゆる地方公共団体とは別の法人格を有すると、そういう意味での更なる弾力性等から考えますと、それを積極的に活用すれば地方公営企業以上のメリットは私は期待できるのではないかと、そのように考えております。
○高嶋良充君 私は、地方公営企業以上のメリットはなかなか発揮できないんではないかなというふうに思うんですが、いずれにしても選択制ですから、自主的な選択の問題については後ほどまた大臣の方から考え方を伺いたいと思います。
  次に進ませていただきますが、都道府県の精神病院も独立行政法人の対象というふうにされておるんですが、私はこれは問題なんではないかなというふうに思っているんです。
  独法制度導入に関する研究会報告書でメルクマールが示されているんですけれども、そこでは、「私人の権利義務に直接かつ強度の制限等を及ぼす公権力の行使に当たる事務・事業」は対象外だと、そういうふうにされているんですね。ということは、いわゆる措置入院というのは公権力の行使に当たるのではないかというふうに思うんですが、そういう観点からいえば、精神病院は独立行政法人の対象から外すべきではないかというふうに思うんですが、これは厚生労働省来ていただいているんですかね、考えを聞かせてください。
○政府参考人(上田茂君) お答えいたします。
  都道府県知事は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第二十九条に基づき、精神保健指定医による診察の結果、診察を受けた者が精神障害者であり、かつ医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷付け又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めたときにその者を入院させることができます。このような措置入院先については、国立又は都道府県立の精神病院のほか、一定の基準を満たす民間の精神病院を指定病院として措置入院先としているところでございます。この措置入院が適正に行われることを担保するため、措置入院先となる精神病院については、厚生労働大臣及び都道府県知事による監督並びに措置入院者の処遇改善請求権を認めているところでございます。
  今般、都道府県立病院が独立行政法人化されたとしましても、ただいま申し上げましたように、厚生労働大臣及び都道府県知事の監督等が及ぶこととなることから、引き続き措置入院の適正さは担保されているというふうに考えております。このため、都道府県立の精神病院については、独立行政法人の対象から外す必要があるというふうには考えていないところでございます。
○高嶋良充君 知事の命令なり施策が及ぶ範囲だと、こういうことで、民間病院にも認めているんだから都道府県の独法化については問題がないんだと、こういうことのようです。
  私は公権力との絡みで聞いているんですが、じゃ、もう一点伺いましょう。
  今国会で心神喪失他害行為医療観察法が先日成立をいたしましたね。これによると、新たに裁判所の命令によって公立病院への強制入院措置が可能になる、こういうことになるんですけれども、もし裁判所が強制入院をさせる、こういう命令を下すその病院というのは国立又は公立、こういうことだと思うんですが、その場合は独法の精神病院も入るんですか。
○政府参考人(上田茂君) お答えいたします。
  ただいま御指摘の指定入院医療機関につきましては、心神喪失者等医療観察法案第十六条の一項によりまして、国、都道府県又は独立行政法人が開設する病院について厚生労働大臣が指定することとされております。これは、この制度の入院は一般の精神医療とは異なり、公共性及び専門性が極めて高いこと、あるいは裁判の決定に基づく医療であり、全国で公平、一律に実施されなければならないこと、こういうことを考慮して、指定入院医療機関の果たすべき特別な役割を担うことがふさわしい医療機関に限定することとし、これを担保するために厚生労働大臣の監督等が及ぶこととされているところでございます。
  お尋ねの件でございますが、このように都道府県立の精神病院が特定地方独立行政法人化された場合には、先ほど私申し上げましたこの趣旨に基本的に合致しているというふうに考えられるために、特定地方独立行政法人が指定入院医療機関となることを排除しない仕組みとする予定でございます。したがいまして、指定入院医療機関としての役割が想定されるという理由で地方独立行政法人の対象から外す必要があるというふうには考えていないところでございます。
○高嶋良充君 ちょっと意味が分からぬのですけれども、じゃ、さきに答弁された民間病院でも指定されればやれる、こういうことですか。
○政府参考人(上田茂君) ですから、この心神喪失者等医療観察法案の指定入院医療機関につきましては、ただいま申し上げましたように、国、都道府県又は独立行政法人等が開設する病院について厚生労働大臣が指定するということでございまして、言わば民間病院については対象としないところでございます。
○高嶋良充君 県知事の命令の措置入院は指定民間病院を対象にして、裁判所の関係は対象にしないというのであれば、独法も身分的には非公務員型の部分も選択できるということになっているわけですから、そういう観点からいっていっても、独法の精神病院に今回法改正で行われた強制入院、裁判所の命令による強制入院というのはやっぱり問題があるんではないかなというふうに思うんですが、再度答弁してください。
○政府参考人(上田茂君) ですから、先ほど申し上げましたが、今回の指定入院医療機関のその趣旨として公共性、専門性等々を申し上げました。と同時に、こういった指定入院医療機関に対しても厚生労働大臣が監督等、例えば具体的には報告そしてまたそれに対する改善命令等々、こういった監督を及ぶこととしておりまして、したがいまして、そういうような仕組みの中で、今申し上げました特定地方独立行政法人については、正に国又は都道府県立の設立と同じように指定入院医療機関となることを排除しない仕組みというふうに考えているところでございます。
○高嶋良充君 どうも意味が分からないです。
  いずれにしても、私は、国の報告、メルクマールで示されている公権力の行使に当たる事務事業については、これはその対象としないというその観点からいっていけば、措置入院の問題には先ほどの言われた理由は若干当てはまらないこともないと思います。ただ、強制入院、裁判所の命令による、これはやっぱり公権力の行使そのものでありますから、そこの部分はやっぱりきちっと、また次の機会に譲りますけれども、厚生労働省として明確にしてもらう必要がこれあるんではないかなというふうに思っています。
  時間の関係がありますから先に進みますが、もう一点、大臣も国立の試験研究所の問題を言われましたけれども、地方の試験研究機関への導入についても私は問題があるんではないかなというふうに思っているんです。とりわけ、国立と違って地方の試験研究機関というのは、国立も利潤を前面に押し出していませんけれども、民間の場合は試験研究機関というのは利潤を大事にしているんですが、とりわけ地方の試験研究機関というのは、地域の産業に対するサービス提供というのは非常に大きな役割を果たしていると思うんですね。農業試験場あるいは林業の試験場、水産業あるいは商工業や環境や衛生の問題に対しての試験研究機関、これは基本的に言えば住民サービス型が大半だというふうに思っているんですけれども、そういうところに独立行政法人を導入することの意義が私はさっぱり分からない。
  それを逆にやることによって地域産業へのサービスの低下につながることになるんではないか、あるいはそのことによって研究活動が後退をするということにはなりはしないか、そういう心配をしているんですけれども、なぜ地方の試験研究機関を対象とされたのか、研究活動が後退をすることはないのか、その二点についてお伺いをします。
○副大臣(若松謙維君) 先ほど委員が、いわゆる独立行政法人、これはイギリスのエージェンシーも参考にしたということで正に政策の企画立案機能と実施機能、これを分離して、そして実施部門の事務事業につきましては、効率性や、またサービスの向上を図ることをねらいとしたわけでありまして、そのような基本的な考え方にのっとりまして、国の試験研究機関につきましては、政策研究機関などを除きまして原則として独立行政法人化されている、このような制度になっております。
  そして、地方公共団体の試験研究機関につきましても、基本的には国と同じような考え方が当てはまるものと私どもは考えておりまして、地方公共団体のニーズ等も考慮いたしまして、今回、試験研究を対象業務の一つとした次第でございます。
  そこで、農業試験場などの地方公共団体の試験研究機関でございますが、これは委員も今お話をされました地域産業の活性化などの面で大変大きな役割を果たしていると認識しているわけでありますけれども、それでは、地方独立行政法人にそれを移行すれば、地方公共団体が設定する明確な中期目標の下でしっかりやっていただければ、かつ法人自らの責任によりまして、いわゆる結果はしっかりと期待できるわけでありますが、その過程としての機動的な組織運営、財務管理、これも併せてできるということでの地方独立行政法人化というメリット、これを十分活用できるのではないかと思っております。
  さらに、今、大変税金の活用に対して国民、住民の監視が厳しくなっているわけでありますので、そういった観点からの評価委員会、これがしっかりと地方独立行政法人化した試験研究機関、これにつきまして効率性のみならず社会的な観点からも様々な行政の実績、これを定期的に評価して、組織、業務全般にわたって適切に改善を期待しているということでありまして、いわゆる費用対効果、こういったことも考えますと、やはり試験研究を更に実用的に、かつ効率的にするためにも、地方独立行政法人化、これは大きく期待できるのではないかと考えております。
○高嶋良充君 大臣に伺いますけれども、今の試験研究機関の問題もそうです。私は、あくまでも選択制ですから、公共団体が選択をされれば、自主的に選択をされればいいのかなというふうに思いますけれども、ただ、その選択に当たって、こういう地域サービス型の試験研究機関なんか当然のこととして、それの受益を受けておられた地域の皆さん方、関係者のやっぱり合意というか意見もきちっと聞いてやっぱり判断を、選択をしていくということが大事なんではないかなというふうに思っています。
  行政だけの判断でやるというのはやっぱり問題があるというふうに思いますから、そういう観点で、衆議院での附帯決議にもありますように、国が押し付けることのない、あくまでも自治体の行政判断、地域の住民の皆さん方の判断をやっぱり尊重していくんだと、そういうことに対しての大臣の見解を伺います。
○国務大臣(片山虎之助君) 試験研究機関も、もう今、産学官でもう委員の言われるとおりですよ。民間の地域産業、民間というのはおかしいんですが、地域の地場の産業をどうやって活性化して助けていくかということが私は大きな仕事だと、こう思っていますね、今、産学官、産学官と言っておりますから。
  そういう意味では、やっぱり民間的な経営にした方がいいんですよ。単年度の予算でやるとか、部署ごとにきちっと決まった窮屈な予算でやるとかというより、もう少し二年でも三年でも中期的に使えるように、しかも弾力的に使えるようにやると。研究員も一か所にだっと入れたり、動かしたりすることができるようにすればいいんで、私は、そういう意味ではむしろ地方独立行政法人になってもらった方が民間へのサービスができやすいんではないかと、こういうふうに思っておりますから。
  いずれにせよ、委員、どういう形を取るかはもう地方の自主性で決めてもらおうと。我々がつべこべ口出す方がかえってややこしくなりますから、そういうことをするつもりは全くありません。選択肢を一つ出して、使いたければどうぞ、使いたくなけりゃ今のままでやってくださいと、こういうことでございますので、ひとつよろしくお願いいたします。
○高嶋良充君 国は一切口出しをしないということですから、その点はよろしくお願いをしておきます。
  次に、具体的なことでちょっと確認をさせていただきますが、地方独立行政法人の適正規模、これは行政改革会議の最終報告に次のように書いているんですね。「独立の組織とするに足るだけの業務量のまとまりがあること」だと。これが法人化の要件になっておるわけですけれども、この業務量のまとまり、明文規定はないんですが、どの程度のまとまりなのかと、規模や人員や業種等をどのように想定をされているのか、総務省に伺いたいと。
  もう一つは、その他政令で定める公共的施設ということがあるんですが、これはどのような施設なのか、具体的に示していただきたい。
○政府参考人(畠中誠二郎君) まず最初の御質問のどの程度のまとまりを想定しているかというお尋ねでございますが、確かに先生御指摘のとおり、国の独法の場合は行政改革会議の最終報告で、「独立の組織とするに足るだけの業務量のまとまりがあること」ということが書かれております。
  私ども、地方独立行政法人の設立に当たっても、定量的な基準を設定することは困難であるというふうには考えておりますが、国の場合と同様に、ある程度のまとまりのあるものが必要という基本的な考え方を踏まえることが重要と認識しておりまして、地方公共団体に対してもこのような趣旨を周知してまいる考えでございます。
  それから、第二点の政令で定める公共的な施設の範囲はどのようなものを予定しているかということでございますが、現時点で予定しておりますものにつきましてお答えいたしますと、やはり独立行政法人化によるメリットが大きいと考えられるものが適しているんじゃないかということ、それから先ほど御指摘のように、ある程度のまとまりのあるものということになりますと、大規模な国際見本市場施設とか、国際会議場とか、それから国際展示施設なんかを想定しておりまして、今後、地方公共団体のお考えもお聞きしながら、具体的に決めていきたいというふうに考えております。
○高嶋良充君 どうも抽象的なんですけれども、まあ確かに具体的にお答えするのは難しいかというふうに思いますが、今の答弁を聞いていると、私の判断でいけば、ある程度の業務量のまとまりということになると、これは自治体レベルでいえば都道府県か政令市ぐらいのところの事務事業を対象業務かなと、そういうふうに理解していいんでしょうかね。
  それから、その他の公共的な施設で言われましたが、ということは、国で独法化された美術館や博物館は地方独立行政法人にはこれはなじまないんだと、そういうふうに理解してよろしいですか。
○政府参考人(畠中誠二郎君) 業務量のまとまりについての更なるお尋ねでございますが、国の場合を見てみますと、既に独法化された法人について見てみますと、一番小さなところは職員数で四十数人のところから一番大きなところでは三千人を超えるようなところもございまして、先ほど申しましたように、定量的な基準を設けることは困難ですが、やはりこういう施設を持っているところというところになりますと、先生の御指摘のように、都道府県とか政令指定都市なんかの施設が対象になり得るということは考えられるというふうに考えております。
  それから、第二点の博物館、美術館等でございますが、この政令で定める施設につきましては先ほどお答えしたとおりでございますが、対象としては含まれるんですが、教育委員会の関係の施設につきましては、教育的な観点から更なる検討が必要じゃないかということも考えられますので、現時点で直ちにこの政令で定めるということは今のところ考えておりません。
○高嶋良充君 公務員型と非公務員型も選択されることになっているんですけれども、これは設立団体の判断で選択ができるというふうに理解してよろしいですか。
  それと、公務員型の要件が国の独立行政法人には列記されていますけれども、これは国の独立行政法人と同様と、要件については理解してよろしいですか。イエスかノーかで簡単にお答えください。
○副大臣(若松謙維君) 御存じのように、いわゆる公務員型の特定地方独立行政法人、これ二つの要件がございまして、それ以外のものは非公務員型と、こういうふうに私どもはされておりますが、いずれにしても、公務員型、非公務員型のその区別は法人設立の定款で定めると、こういうふうになっているところでございます。
○高嶋良充君 じゃ、時間が参りましたので、最後に大臣に伺います。
  国の中央省庁改革基本法が成立したときに、この基本法の中の四十一条で、大臣も御承知のように、労働関係への配慮ということが本文にうたわれたんです、これは異例のことだったというふうに思いますが。今回、地方独立行政法人化に当たっても、労使関係に与える影響というのは非常に大きいと思うんですね。
  そういう観点では、本来は本文に入れてほしいわけですけれども、そうも今の段階ではなりませんから、そういう観点でいくと、まず一つに、中期目標や中期計画を策定する段階で、これは労働条件等にも大きくかかわることですから、労働組合が権利として持っている事前協議、事前協議制、こういう協議の場を保障すべきであるというふうに考えますが、まずこの点はいかがかと。二点目に、地方独立行政法人化に当たっては、当然のことですけれども、労働組合との交渉と協議の結果が尊重されるべきだというふうに思っているんですが、合意なき一方的な決定が行われないように配慮すべきであるというふうに思いますけれども、その二つについて大臣の見解を伺って、終わりたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 最初の中期計画そのものは、これは法人の責任と判断で作られるものですけれども、その作成過程で勤務条件に該当する事項が出てくれば、それは当然、労使の交渉の対象になるわけでありまして、場と言われましても、まあ場は一杯ありますから、主に労使で話し合っていただければいいと、こういうふうに思います。
  それから、独立行政法人への移行に当たりまして、やっぱり勤務条件に該当するようなことがあれば当然、労使交渉の対象になりますから、一方的に合意なくやるようなことはこれはあってはならないと、こういうふうに思っております。
○高嶋良充君 ありがとうございました。
○谷川秀善君 皆さん、おはようございます。自由民主党の谷川秀善でございます。
  まず、質問をさせていただきます前に、高嶋委員の方から、先般の神戸市消防局の消火活動中に大変な事故が起こりまして、四名の方が殉職をされ、数名の方が今なおけがに苦しんでおられるということでございますので、一日も早い回復と、お亡くなりになりました方々の御冥福を心よりお祈りを申し上げる次第であります。
  と同時に、こういうことが二度とあってはいけないとしょっちゅう、事故が起こるたびに言うておるわけでございますけれども、なかなか事故防止が完全に守られていないということでございますので、どうぞ当局の皆さん方、是非とも再発防止に関しましてこれからも一層の御尽力を賜りますように、まずお願いを申し上げておく次第であります。
  それと、この独立行政法人の審議をさせていただきます前に、一言お伺いをしたいことがございます。といいますのは、去る六月の六日に地方分権推進会議が小泉総理に三位一体の改革の意見書を提出をされ、それに基づいて、六月の二十七日に骨太改革第三弾として骨太改革の閣議決定がなされました。
  しかし、私は、これを見ますと、この意見書、この三位、骨太改革になった、基になった意見書、どう見てもこれは三位一体の改革ではないというふうに私は思うわけです。特に、一番大事な税源を中央から地方に本格的に移譲するということについては、どう考えても、これを見ますと先送りの表現になっておるわけです。結局、そのために十一人の委員のうち四人が反対、一人が意見を留保したということが意見書に明示をされているわけです。これもおかしな話ですね。
  大体、皆で何とか地方分権を進めようということで始まった話なんですよ。ところが、その委員の中でいろいろ意見が違うて、それだったら何も慌てることないがな。しっかり意見を言い合って、まとめた上で私はやっぱり出していただきたかったなというふうに思いますが、ばらばらで意見出して、閣議で決定するのは、小泉さんかて大変ですよ、それは本当に。まとまったらやっぱりその意見が強くなるんであって、だからその辺のところがやっぱりおかしいということと、また、今、最近、マスコミに聞いていますと、その後、まだ委員同士がけんかしているというんでしょう。だから、これはやっぱりおかしな話だなということを私は思っているわけですよ。これはやっぱりおかしい。
  そういうことで、これは去年からのいわゆる骨太、二〇〇二の骨太で一年間掛かっていわゆる国庫補助金と地方交付税と、そして税源を含む財源の配分の在り方ということを一年掛かって検討して意見書を出しましょうということになったわけですね。だから、一年たっていますから意見書は出たんだと思いますけれども、思いますけれども、いずれにしても、これはどうもおかしいというふうに思いますので、大臣、その点について、今おっしゃっていますが、見解をお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) あのね、谷川委員、あなたが言われる地方分権改革推進会議は、三位一体の改革にも骨太方針も何の関係もないんですよ。これは経済財政諮問会議なんですよ。経済財政諮問会議で去年の六月に、一年掛かって三位一体の改革をやりますと、それをこの間、経済財政諮問会議が先週の木曜日に諮問会議で決めたものを金曜日に閣議決定したんで、地方分権改革推進会議はそれについての意見を出しただけで、それが、あなたが言うように全くまとまっていないし、こんなものは一顧だにしていません、諮問会議では。だから問題ない。去年からあるわけじゃないんです。諮問会議なんです。
  それで、税源移譲先送りなんて当たり前なんですよ、これから物を決めていくんですから。私は予算委員会か何かで、決算委員会かな、答弁しましたように、基本設計なんですよ。国庫補助負担金を四兆円を削減目標にして、これをやった後、その補てんについては、義務的なものは十割、その他のものは八割の税源移譲でこれを補てんすると。その税源移譲は基幹税だと。本当は税目書きたいんだけれども、政府の税調や党の税調があるから基幹税にしたんですよ。基幹税といったら、もう所得課税と法人課税と消費課税に決まっているんですよ。そういうことの中からやっていくと。地方交付税についても見直すと。
  だから、補助・負担金の整理合理化と税源移譲と交付税の見直しと三位一体でやると、こういうことでございまして、今個別にいろいろやっていますよ。しかし、それがきっちり形を整えるのは来年度の予算であり、十八年度までにやると、こういうことでございまして、何度も言いますけれども、分権改革推進会議は何の関係もない。そういうことでございまして、資料を配っただけです、あれ、諮問会議で。
○谷川秀善君 そうだろうと思いますが、結局、経済財政諮問会議が骨太というふうなことを言うている、これはよく分かるんです。しかし、私は、いわゆる権限移譲のときでも、いろいろ、やっぱり財源移譲と一緒にやった方がいいんじゃないかと言ったら、まず権限移譲を先に片付けて財源移譲へ行きますよと、こういう話だったの。
  ところが、権限移譲のときも、大体、私は地方事務官制度、あれは本来、当然、地方自治を進めていくということであれば、私はやっぱり地方事務官はなくなって、府県へ譲るのかなと思うていたんです。ところが、土壇場へ来たら、土壇場へ来たら何か厚生省と労働省がぐだぐだぐだっとやって、結局、何か国の出先機関にしてしまったわけですな。
  これは、そういうことがあるわけですから、だから、やはり私は財源の問題ね、財源の問題は、これから、おっしゃるとおり、あれですよ、十二月の予算編成時期だろうと思いますが、私はやっぱり一番大事なことは、いわゆる今おっしゃったように、所得税と消費税をどの部分でどれだけ地方へ渡すのか、これが一番、それをやると、おのずから、私は補助金、負担金も交付税もおのずから決まってくると思うんですね。その積が分かれば、大体それに見合って考えればいいわけですから、そういうことを思っていますので、是非お願いしたいということと、それで、私はやっぱり今の一番大事なことは、ちょっと聞きたいんですが、いわゆる交付税を、地方交付税をもろてないのは都道府県では東京都だけですね。あと大阪府以下全部ですね。市町村もだんだんだんだん、今まで大分ありましたけれども、だんだんだんだん減ってきていますね。
  そういうことからいいますと、いわゆる都道府県で地方交付税をもらっていないのは東京都だけやということは、それで大阪なんかの場合、余りもらってなかったんですよ。ところが、ここ七、八年もらうようになったんですね。それが急激に増えまして、恐らく平成十五年度は四千何ぼしかいけないというふうに思っていますので、この辺のところは、最後に大臣、もうすぐ出ていただきますから、出ていただきますから、だからやっぱりこの基幹税目をこの年末に向かって頑張っていただきますことを、ちょっと一言だけ決意をお願いしたい。
○国務大臣(片山虎之助君) 地方事務官は、あれは国と地方の中途半端な存在だったんですよ。その前の改革のときにあれをなくしまして、地方にするものは地方公務員にして、残りは国の、国家公務員にしたんですよ。だから、職安なんというのは地方事務官だったんだけれども、あれは国にあれしたんです。労働関係が一部地方になりました。これはもう大議論をやって片付いていますから。
  それから、今の基幹税の移譲は、これがポイントですから、これは断固としてやりますが、額がどのくらい出るか、十六年度が。だから、十六年度が補助金をこのくらいやめて、このくらいの補てんが要るといえば、どういう税でやるか。そこで、たばこや酒というのを石さんも言っていますけれども、あれは額に見合って、場合によっては取りあえず初年度の税源移譲はたばこではどうかというような御提案だろうと私は思いますけれども、我々は税源移譲の姿勢を示す意味でも基幹税でなきゃいかぬと、こういうふうに言っておりますので、十分相談いたします。
○谷川秀善君 是非、我々も応援いたしますから頑張っていただきますように。どうぞ、大臣、結構でございます。
  それでは、独立行政法人についてお伺いをいたしたいと思います。
  国の独立行政法人は平成十三年四月一日からスタートをいたしました。発足をした当初は何法人で、現在何法人になっておって、今後どれぐらい予定されておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(松田隆利君) お答え申し上げます。
  国の独立行政法人でございますが、中央省庁等改革の一環といたしまして、国の行政組織、博物館ですとか研究所をアウトソーシングいたしまして、平成十三年四月から制度がスタートしておりますが、四月に五十七法人が設立され、その後、平成十四年度に二法人、今年度から三法人新たに設立されておりまして、現在六十二法人が設立されております。
  今後の設立予定でございますが、一方、特殊法人等整理合理化計画、これの具体化といたしまして、百六十三ございます特殊法人、認可法人のうち廃止、民営化が困難で独立行政法人として存置すべきもの、そういうものにつきまして、昨年秋の臨時国会で三十八法人について個別法が成立いたしております。また、今通常国会で四法人について個別法案が成立いたしております。
  また、今通常国会には独立行政法人制度の基本的な枠組みを準用いたしまして、国立大学法人についての法案及びその関係法案が提出されておりまして、当該法案が成立いたしますと、現在、九十九の国立大学のほか、高等専門学校その他の国立学校組織がございますが、これが八十九の国立大学法人、四つの大学共同利用機関法人及び四つの独立行政法人、これが平成十六年四月に設立されることとなるわけでございます。
  法律の成立を前提としてということでございますが、これらを含めまして、今後ということでございますが、現在予定されている法人数といたしましては、平成十六年七月、来年の七月の時点で百七の独立行政法人、それから八十九の国立大学法人、それから四つの大学共同利用機関法人が設立されるということになるわけでございます。
○谷川秀善君 国の方はおいおいそういうことで二百法人ぐらいが独立行政法人化されていくということで、おいおい整備が進んでいくのかなというふうに思いますが、地方独立行政法人の方は、私は、地方公共団体自身が直接実施する必要のないものは、やっぱり行政改革の上で民間でできるものは民間でやらせるというのが主なねらいでは、国の方も同じだと思いますが、民間でできるものは民間でやらせる、そうでないものは独立法人でやらせる、だから主体的にはやっぱり民間でやらせるというのが行政改革の真のねらいだろうというふうに私は思っておるわけですけれども、結局、これを効果的に進めるためにはやっぱり情報公開をしっかりやらせるということが重大な柱になるのではないかなというふうに思います。
  そういう意味では、国と地方とでは大分意味合いが違うと思いますが、この意味合いの違うところをいわゆるどういうふうに考えておられて、特に地方独立行政法人化についてはどういうことに配慮されておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(畠中誠二郎君) お答えをいたします。
  国と地方の違いについての御質問かと存じます。
  まず、地方独立行政法人制度は、先生もお触れになりましたように、地方公共団体とは別の法人格を有する法人を創設いたしまして一定の事務事業を行わせることとし、情報公開という御指摘もございましたが、透明で自律的、弾力的な運営を行わせることとする一方、適切な事後評価ですね、事後評価と見直しを行いまして、業務の効率性やサービスの向上を図ることをねらいとするものでございまして、このような考え方は、国の独立行政法人制度と趣旨、目的を基本的には同じくするものでございます。
  しかし、地方公共団体につきましては、地方団体が設立主体であるということから、国のように個々の法人の設立を個々の法律によって行うことができませんので、対象となる事務事業の範囲とか法人の設立手続につきまして通則的な規定を置くとともに、もう一つは、国が議院内閣制であるのに対し、地方公共団体は首長と議会の議員さんが公選ということで二元代表制であることも踏まえまして、議会の適切な関与の下に地方独立行政法人が設立、運用されるよう、例えば定款の作成とか中期目標の設定等、重要な事項については議会の議決を要することとしておりまして、これらが国と地方の大きな違いと言えるんじゃなかろうかというふうに考えております。
○谷川秀善君 地方の独立行政法人のうち、その業務の停滞が住民の生活、地域社会若しくは地域経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすために、又はその業務における中立性及び公共性の確保を特に図るため、特定地方行政法人として地方公共団体が定款で定めることができるというふうにされております。この業務というのは主にどういう業務でしょうか。
○政府参考人(森清君) お答えいたします。
  まず、業務の停滞が住民の生活にという、その住民の生活に関係するような業務といたしましては、例えばでございますけれども、交通、病院あるいは環境測定用の試験研究機関などの業務がございます。それから、地域社会にという関係では、社会福祉事業あるいはコミュニティーセンター事業等が考えられようかと思います。それから、地域経済という観点からでは、工業用水事業あるいは産業関連の試験研究機関の業務などが考えられようかと思います。
  それから、もう一つの要件でございます中立性、公正性の観点の業務といたしましては、各種の試験研究機関の業務等が考えられるところかと思っております。
○谷川秀善君 今、大体これは国の業務も余り変わりはないんですね。試験研究機関だとか公立大学だとか地方公営企業だとか社会福祉事業だとか、まあそういうたぐいのものであると、こういうふうに今御説明を受けましたが、私は、やっぱり特に地方は、地方にできるものは国から地方へと、そしてその地方へ来たやつで、しかも民にできるものは民に、民に任せるというのが行財政改革の基本的な柱だろうというふうに思っております。そういう意味では、地方独立行政法人化するよりも、思い切ってできるものは全部民営化すべきではないかというふうに考えておるんです。
  できないものはそのまま残す、できるものは完全に民営化してしまう、中途半端なことはやめた方がいいんじゃないかなというふうに思っておりますが、これを進めていく上に、何か国も、国も地方も同じですが、看板をふっと掛け替えただけや、結局大した効果がないというようなことになりゃせぬかなというふうに心配をいたしておるわけです。
  ただいま民主党の委員の質問にもございましたが、ちょっと国が出発したからね、高嶋さんの、国が出発したから、できれば慌てることなくちょっと国の様子見てね、様子見て、三年ないし五年で評価するわけですからね、ちょっと性急過ぎるんじゃないかなという気がするわけですよ。その方がうまく成功するんじゃないか、様子見てね、様子見て。だから、何もこれ、だから何も法律をゆっくりやれと言うわけやないですよ。だから、それ見ながらね、見ながら、この法律も来年度から適用されるわけですから、見ながらやればうまく成功するのではないかなというふうに思うんですけれども、その辺のところは、副大臣、どう考えておられますか。
○副大臣(若松謙維君) 委員御指摘のとおり、正に民営化、民間委託できればその方がいいと私どもは考えております。
  そこで、じゃその引受手があるかどうかなんですが、これ現実になかなかないんですね。そこが我が国のある意味で現状かなというところでありまして、そういったことも踏まえまして、当面は、民営化又は民間委託が困難であった場合には、地方公共団体が自ら行うよりも更に効率的、効果的にサービス提供ができるという場合に、この地方独立行政法人化を活用していただいて、いわゆる民間的な経営手法を取り入れていただくということでありますけれども、いずれにしても、今回のこの地方独立行政法人制度の導入に当たりまして、この導入を契機としてやはりそれぞれの三千二百の自治体が行っているいわゆる行政サービス、これについて、何が一番効果的なのか、効率的なのか、言わばそういったところを検討していただく私はきっかけになるのではないかと、そのような意味から大変今回の法案は大きな意義を持っていると理解しております。
  そこでさらに、委員御指摘の単なるこの地方独立行政法人化は看板の掛け替えではないかと、こういった御指摘もありますけれども、現実に東京都又は大阪府等からも要望がございまして、やはりもっと自主性を、行政サービスの、地方自治体の自主性を高めたいという御要望は全国自治体からございます。そういったこともありまして、この新しい地方自治体の一つの行政手法であります地方独立行政法人、これを積極的に活用していただきまして、かつ法の趣旨を十分御理解いただいて、中期目標又は業務の弾力化と、さらには評価委員会等を活用した地域住民のいわゆる参加というか、そういったいい面をどんどん活用していただければ私は単なる看板の掛け替えというこの憂いはなくなるのではないかと、そのように理解しております。
○谷川秀善君 できるだけ地方の要望を十分聞いてやっていただきたいというふうに思います。
  それと、業務の範囲でちょっとお伺いをしたいんですが、どうも何か教育委員会の所管の部分はちょっとこれ独立行政法人になじまないんだというような話なんで、どうも、これは後、文部科学省来ていただいていますね、これはちょっとおかしいんじゃないかなと私は思うんですよ。なぜ教育委員会所管が駄目なのか。私は元々もう教育委員会も要らぬかなと思っているんですよ、本当に。だから、この議論はまた後ほど別途やらせていただきたいと思いますが。
  それで、厚生省の所管のところはいいんだ、それで教育委員会の図書館だとか博物館は駄目で、幼稚園は駄目で保育所はいいんだと。この辺のところがちょっと、何か非常に理解に苦しむんですわ。その辺のところ、どういうお考えでそういうことになっておられるのか、ちょっとお伺いしたい。
○政府参考人(矢野重典君) 地方独立行政法人の対象業務につきましては、これは、現時点で可能と考えられるものについてまず法人化の道を開いて、その後、順次拡充を図っていくということにされているところでございます。
  そこで、お尋ねの、図書館、博物館など教育委員会が所管する施設の設置・管理業務を地方独立行政法人の対象業務とするか否かということにつきましては、これは、今後、実際に教育行政を執行しております教育委員会がこれらの施設を設置、管理する立場からどう考えるかなど関係団体の意見でございますとか、またそれぞれの施設の特性を踏まえて検討する必要があると考えておりまして、そういう意味で、今回は、総務省とも相談の上、法人化の対象としないということとしたところでございまして、決して教育委員会所管の施設が地方独立行政法人の対象になじまないということでなくて、今申し上げたような意味で今後検討してまいりたいということでございます。
○谷川秀善君 教育委員会制度というのは、戦後、政治から教育が中立でなければならないということでできた制度で、私は別に悪い制度ではないと思っておるんです、基本的には。ただ、文化行政だとかいろんなことが教育委員会じゃなくて知事部局なり市長部局の方でやる傾向になってきたんですね、ずっと。それは御存じだと思いますがね。なぜそうなったのかはいろんな背景があると思いますが。それでも、最近はどうなったかどうか分かりませんが、いわゆる補助金だとか交付金の申請は、知事部局なり市長部局が直接文部科学省の方へ行くんじゃなくて、いったんそれぞれの所管の教育委員会を通じてその申請を出すと。最近はちょっと変わっているのかどうか知りませんが、私がまだ役所におったときはそういうことでありました。
  これはやっぱり一つの縄張もあるのかなと思いますが、やっぱり文化だとかそういう面がだんだん増えてくると教育委員会そのものがやっぱり変わっていかなきゃいかぬのじゃないかなというふうに私は思っているわけです。そやないと、なぜ、知事部局なり市長部局で文化行政やりながら、教育委員会の方では、あれでしょう、公民館だとか美術館だ博物館だとか運営していると。ところが、直接市長部局なりでやっているところもあるわけですよ、その博物館なり美術館を。だから、ばらばらになっているんです、これ、何となく。そういう意味では、やっぱりしっかりとしたことをちゃんとやっていただかぬとやね、それで、今聞いてみたら、総務省と話合いしていると言うんでしょう。こんなの話合いせなんだらまとまらぬ話と違いますわね、これ、本当に。どうもこれ、縄張争いやと思わざるを得ないでしょう、こんなの。
  それで、そうでしょう、保育所がよくて幼稚園が駄目だと。今、最近盛んに幼保一元化論がどんどんどんどん出てきている中で、独立行政法人をやるのにそんなところでもそんな壁があるなんというのは、これはやっぱりおかしいと思いますよ。そういう意味では、是非話合いは十分今後やっていただきたいと思います。
  それと、公立大学の役職員の身分が、これはあれなんですか、今度これ、地方独立行政法人化しますと自動的に身分が、公務員の身分がなくなるように聞いておるんですが、そういうことでしょうか。
○政府参考人(林省吾君) 公立大学法人の役職員の身分についてのお尋ねでございますが、地方独立行政法人の今回御提案いたしております法案におきましては、先ほど公務員部長の方からも御答弁ありましたけれども、役職員が地方公務員の身分を有する場合は、特定地方独立行政法人ということで、その第二条に要件が書かれているわけであります。「その業務の停滞が住民の生活、地域社会若しくは地域経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすため、又はその業務運営における中立性及び公正性を特に確保する必要があるため、」、こういう場合には地方公務員の身分を付与する必要があるものとして法律で決められているわけであります。こういう基準に照らしますと、公立大学法人につきましては、この法に定める要件に照らして非公務員型とされたものでございます。
○谷川秀善君 それは、理屈はよく分かるんですけれども、しかしずっと今まで公務員として勤務していますので、その辺のところは、そういうことをするのであれば、やっぱり十分、変わるときに大学の教職員なりそれぞれの職員と十分話合いをしてやっていただかぬと、何となく一方的に身分が外れちゃうということではちょっと困るのではないかなと、今までの労働慣行からいうと困るのではないかなというふうに思っております。それは是非よろしくお願いをいたしたいと思います。
  それで、国はこれを導入するに当たりましては、中央省庁等改革基本法四十一条で労使協議を明確に条文化したわけです。ところが、なぜ、この地方独立行政法人になると、これは附帯決議になっているわけですね、附帯決議になってしまった。なぜに条文、いろいろ理由があると思いますが、私は、やっぱり労使、労使が納得した上で移行をするなら移行をするということでないと、将来非常にスムーズに運営がしていけなくなるのではないかというふうに心配をしているわけです。何も既得権を守れとは申し上げませんが、申し上げませんが、労使間はやっぱり協調の上に成り立つというのが正しいというふうに思っていますので、是非この辺のところは、今後運営する上においてどういうふうにお考えなのか、若松副大臣の決意をお伺いをして、私の質問を終わらしていただきます。
○副大臣(若松謙維君) やはり我が国の戦後発展の大きな原動力は、労使対立じゃなくて労使協調だと思います。そういう意味で現在の制度が作られていったわけでありますけれども、そういった歴史的な私たちの財産を大事にしながら、やはり労使関係をしっかりと配慮した今後の運営をしなければいけない、そのように決意しております。
○谷川秀善君 終わります。
○委員長(山崎力君) これより、総務大臣が到着するまでの間、およそ十分程度と思われますが、休憩いたします。
    午前十一時三十二分休憩
      ─────・─────
    午前十一時三十九分開会
○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
  休憩前に引き続き、地方独立行政法人法案及び地方独立行政法人法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。
  まず、地方独立行政法人法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、こちらの方に関連してお伺いしておきたいと思います。
  この整備等に関する法律案におきましては、一つ、第九条、公職選挙法の一部改正というのがあるわけでございます。これは、特定地方独立行政法人の役職員の方々に対して公務員と同様の立候補制限を掛けると、こういう条文になっているわけでございます。
  そのことに関連してということになりますけれども、実は巷間、来年の参議院選挙と衆議院選挙の同日選挙というのが取りざたされているわけでございますけれども、選挙を所管される総務大臣のお立場から、この衆参同日に選挙を行うというその在り方について御所見をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) この同日選挙は今まで二回例があるんですね。五十五年の六月と六十一年の七月にあるんですよね。これは、一緒にやることについては両論がありまして、一緒にやるから管理コスト、管理費という、管理費が安くなる、手間が少し、別々にやるよりはよくなるんじゃないかという意見もあるんですけれども、しかし、入れる方は大変混乱するという議論もありますよね。
  私は、この前も記者会見で質問を受けたものですから、たまたま一緒になることはいいと、しかし、意図的に一緒にするのはいかがかなと、元々別の選挙なんだから、こういうことを言いましたけれども、これは、衆議院の解散権があるのは総理だけでございますので、どういうことになるのかよく分かりませんが、我々としては、どういう形になっても選挙管理には万全を尽くしてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○辻泰弘君 おっしゃった趣旨は私も同感でございまして、やはり本来別のものであるべきだと、意図してやるべきものではないと、このように思うわけでございます。もちろん総理の専権事項でございますのであれですが、やはり選挙を所管されるお立場から、やはりその筋は折に触れて言っていただければと思うわけでございます。
  さて、もう一点、整備等に関する法律案についてお伺いしたいと思います。その整備等に関する法律案におきましては、十条に地方税の改正、また二十七条から三十一条の間は国税のことが出ておるわけでございます。
  これ、実は、私もこの条文を拝見いたしまして、率直に言いまして非常に分かりにくいといいますか、何のことか分からないと。例えば、別表の「地方道路公社の項の次に次のように加える。」ということだけが羅列されているのは国税の方でございまして、実は何にも、よく分からないと。当初いただいた資料にも十分なかった、それがなかったということでございまして、私は減収額の多寡にかかわりなく、やはり税法の根幹に触れるものを、一つの理由をもってではありますけれども、穴を空けるといいますか非課税の措置を講ずる、その際にはやはり明示的な資料が示されるべきだと思うわけでございます。もとより、そのことだけを大きく取り上げて会見するとか、そういうことは必要ないわけですけれども、少なくとも国会での審議に際してその部分は、どういうものを非課税にすることになるのかという部分はやはり明示されるべきだと思うわけでございます。
  そのような意味から、確認の意味で聞いておきたいんですが、まず国税について、所得税、法人税、印紙税、登録免許税、消費税と、こういうふうに列挙されているわけですが、これが実質的に何を意味するのか、まず御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(畠中誠二郎君) お答えいたします。
  先生御指摘の整備法で規定されている国税、地方税の課税の取扱いの規定ぶりでございますが、これは、従来からの慣例と申しますか、決まりで、特に改め文で規定しておりますので、分かりにくいというのは御指摘のとおり。私どもは、できるだけ御説明するように、御説明資料等を充実して御説明しておるところでございますが、足らざる点がございますればおわび申し上げたいと存じます。
  国税につきましては、所得税、法人税、印紙税、登録免許税等は非課税とされております。このような税制面の取扱いにつきましては、基本的には国の独立行政法人の場合と同様の措置となっているところでございます。
○辻泰弘君 地方税についてはどうですか。
○政府参考人(畠中誠二郎君) あわせて、地方税でございますが、法人住民税、固定資産税、これは一定の財産を除きますが、固定資産税、それから法人事業税、それから不動産取得税等が非課税ということになっております。
  これも、先ほど申し上げましたように、基本的には国の独立行政法人と同様でございます。
○辻泰弘君 この点については、先ほど申し上げましたように、総務省のみならずなんですけれども、やはり国の歳入の根幹をなす税制、税収について、本法から外れているというわけじゃないですけれども、非課税の措置を講ずる、理屈があればそれはあり得ることですけれども、しかし、その点についてはやはりしっかりとした説明資料といいますか、そういうものが当初から用意されるべきだと思います。それは税収の、減収額の多寡を問わずだと思いますので、そのような意味で今後ともお取り組みをいただきたいと思います。
  次に、地方独立行政法人法案についてお伺いしたいと思います。通告の順番が若干変わるかもしれませんが、御了承いただきたいと思うんですが、まず、今回の地方独立行政法人法案の中で、第七章に公立大学法人に関する特例というところがあるわけでございます。これに関連して以下御質問したいと思うんですけれども。
  まず、今回の公立大学法人の制度設計は、基本的には国立大学法人の設計に準拠して作られていると、このように考えていいかどうかということについて総務省の御見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) この公立大学法人制度の制度設計に当たりましては、国立大学法人法案を参考にさせていただきながら、国と地方の行政の仕組みの基本的相違、これをしっかり踏まえて、地方分権の観点から可能な限り地方の自主的判断を尊重する仕組みとしたところでございます。
  この結果、公立大学法人につきましては、中期目標の認可に対しまして議会の関与が制度化されているほか、国立大学法人と比較しまして、組織面を中心に相当の相違点も生じているのも事実でございます。
  具体的には、地方独立行政法人法案におきましては、国立大学法人法案が法律上詳細に定めているわけでありますが、例えば法人の理事、監事の数、学長選考会議の構成、経営協議会、教育研究評議会の構成、審議事項、こういう形になっているわけでありますけれども、公立大学法人についてはやはり具体的な定めは定款にゆだねていると、こういったまず大きな違いがございます。
  そのほか幾つかあるわけでありますが、この国立大学法人法案につきましては、もう一つ、学長を国立大学法人の長とするということと併せまして、一つの国立大学法人が一つの国立大学を設置すること、こういったことを一律に定めておるわけでありますが、地方独立行政法人法案につきましては、こういったいかなる仕組みを取るかにつきまして、すべて設立団体の判断にゆだねているところでございます。
○辻泰弘君 今、御答弁いただいたことにかかわることですけれども、国立大学の方は学長イコール理事長という設定になっていると。公立大学の方は、原則は理事長が学長であるけれども、定款により別の方も可能だと、こういうふうになっているわけでございます。
  その点についてどういう精神で、国立大学法人に準拠して作られたと、基本があると思うんですけれども、そこの部分を、ただし書を付けられた部分はどういう精神か、お示しいただきたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) これはいろんなことが考えられると思うんですが、いわゆる例えば、あくまでもこれは教育ですので、教育者が実際に運営に当たるのかどうか、理事長じゃなければいけないかどうか、そういった一つの、何というんですか、運営と一つの教育の分離ということも、もし、ある自治体が非常に関心があるということであればそういったことも一つ考えられるのかなということはありますけれども、これはいろんなことを想定されておりまして、私どもは、あくまでも画一的にこうじゃなければいけないということを、先ほど地方分権の観点から排除していこうと、こういった趣旨でこの制度を作らせていただきましたので、今回のこういった法の体系になった次第でございます。
○辻泰弘君 今おっしゃったことは大臣の衆議院での答弁にもございますけれども、やはりある意味で選択という一つのキーワードがあるわけですけれども、やはり地方の選択にということにあるわけで、そのこと自体は理解するんですけれども。
  そこで、選択ということにかかわることでお聞きしたいと思うんですけれども、今回の法案においては、公立大学法人は一般地方独立行政法人の一つの、その中に入っているということに位置付けられているわけですけれども、その一般地方独立行政法人の役職員は非公務員型に限られるというふうになっているわけでございます。その意味において、ここは選択ということをおっしゃりながらも実は選択の道を排除しているんじゃないかと、このように思うわけでございます。
  大臣は、衆議院の総務委員会において、選択肢としての一つの制度を示す、また、地方団体のいろいろなやり方の選択肢を増やしていただく、これはいいことじゃないかと。そのこと自体、私もそう思いますが、しかし法律において、公立大学法人、一般独立行政法人もそうですけれども、公務員型の道を法律において閉ざしているということ自体が、大臣が言われる選択ということの精神にもとるのではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 公務員型というのは、これは法律上要件がありまして、国も同じなんですけれども、その仕事の停滞が住民の生活、地域社会若しくは地域経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすためということと、もう一つは、その業務運営における中立性及び公正性を特に確保する必要があるためと、こういうことの場合には公務員型と、こうなっているんですね。これに当たらない場合には非公務員型と。国も同じですけれども、地方の方もこういうことに法律で書いているわけですね。こういうことの上で定款で決めなさいと。
  ところが、公立大学はこの二つの要件に該当するかというと、該当しないんですね、法律上、解釈として。そうなると、これは非公務員型で行ってもらおうと。国もそうですから、まあ、何でも国に倣えばいいということじゃないんですけれども。
  それで、今、国の方もできるだけ大学に自由にいろんなことをやってもらおうと。例えば、兼業をやってもよろしいとか、よその、外国の大学はやっておりますが、ベンチャー企業を大学で作ってもよろしいとか、そういう意味での自由なことをある程度やらせようと。何でもというわけじゃないですよ。何でもというわけじゃないけれども、そういうことでございまして、そういう意味で、私は、むしろ非公務員型で行った方が大学としては私はいろんな選択肢が、大学としての選択肢が広がるんじゃなかろうかと。
  基本的には、考え方は、法律で書いている要件に公立大学は該当しないからこれは非公務員型でやろうと、こういうことでございまして、そこは是非お考えいただきたい。それが嫌なら今のまま残ればいいんですからね。公立大学に残ればいいので、いいというときだけ行けばいいんですよ。無理に行かぬでいいんですから。
  是非ひとつ御理解賜りたいと思います。
○辻泰弘君 その趣旨は衆議院でも語っておられるんですけれども、公務員型で残りたいならば今のままで残ればいいんですよ、今のままの公立大学でと、こうおっしゃっているわけなんですね。
  しかし、可能性として、法人化を目指すけれども公務員型で行きたいということも地方の判断としてあり得るはずですね。そのことを法律において閉ざしてしまっているということは、大臣が言われる選択ということの、選択肢を増やすということに私は沿うものではないんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(片山虎之助君) 大学だけどうしても公務員型でなきゃいかぬというケース以外のものを認めるというのは、これはなかなか難しいですね、法律としては。法律としては、今、私が言ったような要件を書いているわけですから、それに合うものは公務員型、合わないものは非公務員型でと。
  ところが、公立大学の場合には、合わないのに公立大学だけ公務員型を認めてやる、こういうんじゃやっぱり制度としてはおかしいので、公務員で行きたければ公立大学に残っていただく。それぞれの地方団体と、別の法人格を持つ独法でなくて本来の公立大学、もう非常にすっきりしますよね。本来なんですから、公務員でやる、そういうふうな整理をさせていただいたわけであります。
○辻泰弘君 大臣のお立場からは分かるんですけれども、法律に書いているといいますか法律をそういうふうに作られたわけですから、そもそもその法律の作り方がどうかということの議論ですので、そこはちょっと違うかもしれませんけれども、それはそれとして次に行きたいと思うんですけれども、実はその部分は非常に大事なところで、実は私は問題を残していると思いますけれども、ここは時間がございませんので次に行きますけれども。
  まず、文科省にお伺いしたいんですけれども、ちょうど文教委員会で国立大学法人の審議をされていると思うんですけれども、その国立大学法人は独立行政法人の位置付けでどうなるかということなんですね。いただいた資料では、国立大学法人とは独立行政法人通則法に規定する独立行政法人ではないというのが文科省の資料をいただいているやつだと思うんです。ここでお聞きしたいのは、国立大学法人は独立行政法人の一類型なのかどうか、そのことについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(木谷雅人君) 国立大学の法人化につきましては、平成十一年四月の閣議決定におきまして、国立大学の独立行政法人化については大学の自主性を尊重しつつ大学改革の一環として検討するとされたことを受けまして、独立行政法人制度を活用しながらも、教育研究の特性を踏まえ、大学の自律的な運営を確保することにより個性豊かな国立大学を創造するという大学改革の観点に立って検討を行ってきたものでございます。
  このため、国立大学法人につきましては、学長の任免あるいは中期目標の設定などにつきまして、大学の自主性を尊重することにより、大学の教育研究活動が各国立大学法人の自己責任の下、自主的、自律的に進められる仕組みとしたものでございまして、独立行政法人通則法に基づく独立行政法人とはしていないところでございます。
  ただ、国立大学法人制度も、公共上の見地から確実に実施する必要があり、しかし国自ら直接実施する必要はなく民営化にもなじまないという業務につきまして、国が財政措置を含めた一定の責任を負いつつ国が設立した独立した法人が行うという点では独立行政法人制度と共通しているところでございまして、したがいまして、一定の独立行政法人通則法の規定について必要に応じ修正を加えつつ準用することによりましてこの制度の基本的な枠組みを活用しているというところでございます。
○辻泰弘君 国立大学法人の位置付けは今おっしゃったようなことになるわけですけれども、今回の地方独立行政法人の方で公立大学法人の位置付けを見ますと、一番はっきりしているのは六十八条になりますけれども、一般地方独立行政法人で二十一条二号に掲げる業務を行うもの、これがすなわち公立大学法人になるわけですけれども、これは、「地方独立行政法人という文字に代えて、公立大学法人という文字を用いなければならない。」と、こういうふうになっているわけでございまして、正に一般独立行政法人の一つであるということが明確なわけでございます。そういう意味において、独立行政法人の中における国立大学法人の位置付けと地方独立行政法人における公立大学法人の位置付けがちょっと違うというふうに思うわけなんですね。片や正に中に入っている、片やは別というふうに考えるべきものじゃないかと思うわけです。その根本的な相違というものをどのように理解すべきかということを総務省にお伺いしたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) 公立大学のいわゆる位置付けのお尋ねでございますけれども、まず地方独立行政法人制度、これにつきましては、これまで地方公共団体が直接行ってきました事務事業のうち一定のものにつきまして、目標による管理の考え方の下に地方公共団体とは別の法人格を有する法人を創設して透明で自律的、弾力的な運営を行わせる一方で、適切な事後評価とこれに基づく法人業務の見直しを行うということで、業務の効率化やサービスの質の向上を図ることをねらって創設されました。
  この公立大学法人につきましても、こうした地方独立行政法人制度のねらいは基本的に一致するわけでありまして、大学の設置を目的とするものであることから、大学における教育研究の特性又は大学の自治に配慮することが必要と、このように認識しております。
  そこで、公立大学法人制度でございますけれども、これは教学面からの要請とさらに経営面からの要請の両立を図るという形で、大学をより競争的、自律的な環境に置くとともに、社会との間で活発な意思疎通を図り、国民や地域社会の要請にこたえて教育研究の活性化を図っていくこと、こういったことを念頭に置いて制度設計を行いました。このような点で公立大学法人制度は大学改革に資すると、この判断から、国立大学法人制度と基本的に方向性を一にするものと理解しております。
○辻泰弘君 私のお聞きした点とは必ずしもぴったりと来ていないようにも思いますけれども、どうもその辺の概念整理といいますか、その位置付けがちょっと違っているんじゃないかというふうに思いまして、すっきりしたというのをさっき大臣がおっしゃったと思うんですけれども、いささかすっきりしないなというふうな思いがございまして、疑問を持たざるを得ないということを申し上げて、次の質問に行きたいと思いますけれども。
  今のことにも絡むんですけれども、条文を拝見いたしますと、六十八条は先ほど言いました「地方独立行政法人という文字に代えて、公立大学法人という文字を用いなければならない。」ということで書いている。また、この八十条では「この法律中「総務大臣」とあるのは、「総務大臣及び文部科学大臣」とする。」と、このようになっているわけでございまして、またその元々の作り方自体が、「公立大学法人に関する特例」というのが第七章に出ているわけでございます。
  これを見まして、私は何か非常に、無理やりと言っちゃ言葉はあれかもしれませんが、公立大学を一般地方独立行政法人の範疇に無理やり押し込んでしまっているような感じがぬぐえないわけでございます。やはり本来、国立大学法人と同じように公立大学法人法を作って、それによって対処すべきだったのではないかと、その点について私は疑問に思うわけでございます。先ほどの質問もそれに掛かってくるわけなんですけれども。
  それで、憲法の定めのごとく学問の自由、大学の自治が守られるべき大学に関する法律というものが、国立大学は独自の法律で対処するにもかかわらず、公立大学については地方独立行政法人法の中で特例的に定めるというやり方はやはりバランスを失したものと言えるのではないかと、このように思うわけでございます。何ゆえ公立大学法人法を作らなかったのか、このことについて大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 国は個別の法律で、もうぎしぎしぎしぎし詳細に規定しているんですね、国はその設立者ですから。それで、この地方の公立大学の場合には設立者がそれぞれの地方団体ですよね。そこで、なるほど公立大学法人法が必要なら作ればいいんですよ、一般の通則法みたいなもの以外に公立大学法人法に盛るだけの内容があれば。
  いろいろ検討しましたら、これはある程度地方分権、地方自治ですから地方に任せようと。そういうことなら一般の地方の独立行政法人の特例だけこの独立法人法の中で書けば一本の法律で済むではないかと。こういうことでございまして、基本的にはそこが国と違うんですよ。国は自分が大学の設立者、地方の今回の法律の場合にはそれぞれの団体が設立者で、団体に任せようというのが基本的な姿勢ですから、だから特例だけ書こうと、こういうことでございまして、それは、分けるということも十分それは検討に値することであると思いましたけれども、今回は一本にさせていただいたわけであります。
○辻泰弘君 今のお話で、盛るものがあるなら、盛り込むものがあるならば作ればいい、しかしそれはなかったんだ、また一本の法律でやったと。効率的という意味かもしれません。しかし、やはり極端に言えば大変短い法律もあると理解しておりますけれども、そういう意味では位置付けというものはやはりそれなりに大事じゃないかと思うわけでございまして、そういう意味では独立の法律で対応すべきだということを私としては主張しておきたいと思います。
  その次に、総務省、文部科学省からの大学への就職ということについてお伺いしたいと思います。
  まず、総務省にお伺いしたいんですけれども、現在で総務省から公立大学への人事交流の一環としての出向者数、また退職者中の、退職者の中での勤務されている方、これの人数教えていただきましょうか。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 総務省から公立大学へ人事交流の一環として出向している者の数は、私ども把握している中では三名でございます。それから、総務省退官後公立大学に就職している者のうち、これも当省で把握している者は二名ということでございまして、合計五名ということになっております。
○辻泰弘君 その方々の業務内容といいますか、どういう形態で仕事をされているかということを教えていただけますか。
○政府参考人(瀧野欣彌君) ただいま申し上げました五名の勤務内容でございますけれども、四名は教授ということで授業の方を担当しておりますし、一名は事務局長ということでございます。それぞれ大学あるいは地方団体の要請を受けて就職しているということでございます。
○辻泰弘君 今最後、地方自治団体からの要請を受けてということがございましたけれども、そのいわゆる採用に至るプロセスといいますか、その辺ちょっと御説明いただけますか。
○政府参考人(瀧野欣彌君) ただいま申し上げましたけれども、現職から人事交流で出ておる者が三名ということでございますが、この現職の場合には地方公共団体から個別に要請を受けてそれに対応しているということでございますし、それから退職された方の場合には、むしろ地方団体というよりは大学の方からの要請、あるいは公募という場合もあろうかというふうにも聞いておりますけれども、そういう手法の中で就職されているというふうに聞いております。
○辻泰弘君 文部科学省の方はいかがでしょうか、同じ人数ですけれども。
○政府参考人(木谷雅人君) 文部科学省から公立大学への人事交流の一環として出向している者は現在二名おります。これらはいずれも教授でございまして、教育行政学等を担当しているということでございます。それから、文部科学省を退官後公立大学に就職している者につきまして、当省で把握している者は四名でございますが、このうち学長が三名、事務局長が一名ということでございます。この採用に至るプロセスということにつきましては、先ほど総務省の方からお話があったのと同様でございます。
○辻泰弘君 重ねて文部科学省にお伺いしたいんですけれども、今、文教委員会の方で議論になっている国立大学の方の関係ですけれども、この国立大学について法人化がなされた後にこういった出向とか天下りが増えるのではないかという懸念が指摘されているわけですけれども、このことについてはどのように見解、見通しを持っておられるか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(木谷雅人君) 法人化後の国立大学の理事につきましては、学長が自らの考え方に基づいて幅広い分野から任命することとされておりまして、具体的には、副学長や学長補佐など、現在も学長を支えて大学運営を担っている者等のほか、経済界、私学関係者、高度専門職業人など、幅広い分野から適任者を登用することが考えられるところでございます。学長が適材適所の観点から、自らの判断により、結果として現在の事務局長等行政経験者を理事に選任することもあり得ると考えておりますけれども、これは、理事の選任はあくまでも学長の人事権に基づくものでございます。
  監事につきましては、法人の業務の適正な執行を担保するために運営状況の監査を行うという職務の性格を踏まえて、適材適所の考え方に基づきまして、これは文部科学大臣におきまして官民を問わず幅広い分野から選任してまいりたいと考えております。
  また、職員につきましても、任命権は各大学の学長に属するわけでございまして、各国立大学法人において自らの人事戦略に基づいて必要な人材の確保に努めていることになるわけでございまして、この場合に、やはり組織の活性化を図る等の観点から、大学の枠を超えた幅広い人事交流を行うため、文部科学省との人事交流が要請されるということもあり得るかと思いますが、これもあくまでも大学の判断によるものということで考えております。
○辻泰弘君 そうしますと、文部科学省のサイドから最初に言うということはないという、そういう理解でいいですね。一言。
○政府参考人(木谷雅人君) 御指摘のとおりでございます。
○辻泰弘君 公立大学の方についてですけれども、今後、この法人化を契機に公立大学への出向、天下りということが増えていくという余地は総務省に関してどうなのかということを大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 来てくれというて行きたいという人がおれば、来てくれと地方団体が、公立大学が言って、そして御本人も行きたいというのは、教授に向いているような人もおりますよね、向かない人もおるけれども。だから、それはその教授をやってもらうということもありましょうし、学長というのは難しいと思いますけれども、事務局のポストなんかで要請があれば検討いたしますが、うちの方からの無理やり押し込むようなことは一切考えておりませんので、あくまでも当事者の納得ずくでやってまいりたいと思っております。
○辻泰弘君 先ほど文科省また総務省から現在の就職状況についてお示しいただいたわけですけれども、この点については私はやっぱりある程度定期的に公表するということもあっていいんじゃないかと思うんです。そのことについて最後に大臣の御見解をお伺いして、終わりたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 大学と私どもの方と、文部科学省とですか。
○辻泰弘君 いや、両方。
○国務大臣(片山虎之助君) もう、今は大いに交流をやれと言っているんですよ。私どもの方は国家公務員の人事管理、地方公務員もそうですけれども、やっていましてね、できるだけ交流するように、こう言っています。
○辻泰弘君 公表。
○国務大臣(片山虎之助君) 公表ですか。公表はできるだけいたします。ただ、個別にどうというのはありますので、公表の仕方については検討させていただきます。
○辻泰弘君 以上で終わります。
○委員長(山崎力君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
    午後零時十分休憩
      ─────・─────
    午後一時開会
○委員長(山崎力君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
  休憩前に引き続き、地方独立行政法人法案及び地方独立行政法人法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
  質疑のある方は順次御発言願います。

○山下栄一君 御声援ありがとうございます。
  地方独立行政法人制度という新しい制度の創設ですので、ちょっと基本的又は重要な点と私が考えるところを確認させていただきたいというふうに思います。
  まず、この新しい制度は、今まで、地方独立行政法人の対象となる組織というのは、今まではもう地方自治体の組織であり、国の介入は一切なかったと。ところが、形の上では国の関与が入ってくるということについて、地方分権の観点から逆行ではないかという非常に重要な意見があるわけでございますけれども、例えば設立の、特に法人認可にかかわることだと思いますけれども、認可そのもの、それから必要に応じて報告徴収、立入検査、是正、そういう命令ですね、行政命令、場合によっては認可の取消し、解散、形式的にはそういうふうなことを法律にも書いてございますし、今まで全く介入しなかった、国の介入がなかったところにそういうものが入ってくるということは地方分権の逆行ではないかと、こういう考え方について総務省の御見解をお聞きしたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) この地方独立行政法人の制度が地方分権の流れに逆行するのでないかと、そういうお尋ねでございますけれども、まず、国の地方公共団体に関する関与でございますが、今、委員も御指摘のとおり、地方分権の観点からも当然必要最小限にとどまることが望ましいと、そのように認識しております。
  その上で、今回の地方独立行政法人制度でございますが、これまで地方公共団体が行ってまいりました公共性が高い業務を別の法的主体であります地方独立行政法人に行わせるという、全く新しい制度でございます。このことによって、設立に関する認可、違法行為の是正命令など、必要最小限度の関与を規定しているものと私どもは考えております。
  さらには、地方分権一括法によります改正後の地方自治法におきましても、特別の法律により法人を設立する場合の認可があり得ることを前提といたしまして規定されておりまして、それは地方自治法の関与の基本原則のところに出ておりますけれども、今回設けている関与が地方分権の流れに逆行すると、このようには考えていないところでございます。
○山下栄一君 この地方分権に逆行するのではないかという考え方を、基本的にそうじゃないということを法形式で表すために、私はこういうことも考えられないかなというふうに思うんですけれども。
  要するに、地方自治体という組織内にあったところが別の法的主体になると、その角度で法人という、国の関与というのは当然入ってこざるを得ないということだと思うんですけれども、じゃ、法人設立後、例えば知事の権限又は条例事項にするというようなことをこの地方独立行政法人法に書き込むというふうにすれば、もう法人設立という観点から総務大臣等の介入はなくなるというふうに考えられるわけですけれども、こういう考え方についての御見解をお聞きしたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) まず、国の独立行政法人制度につきましては、これは個々の独立行政法人を設立する場合の個別の法律、これによって定める方式を取っております。
  一方、この地方独立行政法人制度でございますが、これは、地方公共団体が個々の地方独立行政法人を設立するごとに法律を定める手法を取ることができないということによりまして、都道府県や指定都市などが設立しようとする場合にありましては総務大臣の認可を、その他の場合にあっては都道府県知事の認可を、このような形で個々の地方独立行政法人の設立が可能となっております。
  こうした総務大臣又は都道府県知事の認可につきましては、これまで地方公共団体が行ってまいりましたいわゆる公共性の高い業務を別の法的主体であります地方独立行政法人が行うことによりまして、その適正な運営を確保するために設立団体以外の者による一定のチェックを掛けると、こういった観点から設けたものでございます。
  なお、土地開発公社等の地方三公社制度、これにつきましても、設立を主務大臣の認可にかからしめる法制度を採用しております。そして、法人の設立を認可にかかわらせず地方公共団体の条例のみで行う方法、これにつきましては、制度的には全く不可能とは考えておりませんが、実はこれまで立法例がございませんで、ほかの法人制度との整合を図る必要があると私どもは認識しておりまして、今後、これは是非研究課題とさせていただきたいと、そのように考えております。
○山下栄一君 私が申し上げました素朴な疑問といいますか、全く国が介入しなかったところに、場合によっては解散命令から。どういうことだ、これはと、非常に分かりにくいなということがございますので、そういうことを、全くそうじゃないよというふうにするためには、私が申し上げたようなこと、法人設立そのものを知事の権限とか条例事項にするということも一つの考え方ではないかと思いますので、今、研究事項とおっしゃいましたので、また私は、これは国交省の三公社も含めて、地方三公社も含めて、そういうことも考え直したらどうかなというようなことを考えております。
  いずれにしましても、国の介入というものについては、それを積極的にやろうということは元々毛頭お考えにないと思いますので、誤解を与えないように。柔らかな監督という形での法人認可にかかわる介入なんですよということだと思うんですけれども、今日午前中にも御質問がございましたけれども、国の独立行政法人そのものも始まったばかりだと、総務省おっしゃいましたように、中期目標の評価もやっとこの十五年度で始まるという、そういう段階で、まだちょっと見えてこないと。本当に地方独立行政法人というのは特殊法人改革にこたえる一つの形だと思いますので、それは行政改革につながっているなというふうな、国民の信頼感が増すような形を見てから地方独立行政法人の導入というのは考えられるのではないかという、そういう質問、午前中ありましたけれども。
  繰り返しませんけれども、私はこういう疑問もいうか、そういう考え方もあるので、法律施行後、その実施状況、選択によって自治体が考えて、法人格を与えるかどうか考えるわけですけれども、それをよく観察しながら、実施状況について各自治体の意見もよく、実施してからですけれども、意見を集約して、例えば業務範囲の見直し、それから公務員型法人の定義をどうするかということも含めて、柔軟に制度を見直しをすることを考えるべきではないかと、このように思いますけれども、大臣のお考えを。
○国務大臣(片山虎之助君) なかなか立てなくて心配しておったんですが、やっと立てました。
  あれですね、今の認可を法律で書けば、これは一発ですね、法律で書けば。それは、もう地方団体の物すごい多くの地方独立行政法人を一々法律を作ることは、これは事実上不可能ですよね。それじゃ、自分で、自分と同じレベルの法人格を与えるのを自分でやるということは、これは法制上なかなか成り立たないんですよ。条例をかませればどうかと、これは検討の余地があります。しかし、これもやっぱり私は問題があると思う。そこで、しようがないから、総務大臣の認可、都道府県レベルは。市町村レベルは知事の認可と、こうなっているんですよ。ただ、この認可は自由裁量や何かのあれじゃありません。正に覊束裁量という、行政法で言うと、きっちりした基準に基づいてちゃんとやるわけで、説明が付かないようなことをできるわけがない。
  そういうことで、大変、山下委員、御心配でございますけれども、地方分権を今一生懸命やっていますので、それを逆行するようなことは、何とか会議じゃありませんが、絶対やりたくないと、こう思っておりますので、是非そういうことで運用させていただきたいと、こういうふうに思っております。
  そこで、見直しなんですが、やっぱり制度の趣旨、目的に沿った運用がなされているかどうか、絶えざるチェックが必要だと思います。そこで、この法律の施行後五年を目途にしまして、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることにいたしたいと、こう思っておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
○山下栄一君 第三セクターの件なんです。これは衆議院でも質疑ございましたですけれども、第三セクターである、そういう民間法人と言えると思うんです。その法人がこの地方独立行政法人になるというようなことはもう基本的に相入れないと私は思うんですけれども、衆議院の答弁では、いったんそれを、三セクを地方自治体に吸収して、移管させて、その上で地方独立行政法人にするというようなことは理屈の上では考えられますねというような答弁があるんですけれどもね。確かに理屈ではそうかも分からぬけれども、これはもう全く三セクで例えば失敗したところが本体に戻してそれを今度独立行政法人化するというようなことは、民間法人化されたものを結局また独立行政法人にするというようなことは、これはもう理屈の上でもそうですし、実態上これはもう国民から見て到底納得できないことだと思うんですけれども。
  既存の第三セクターが直接地方行政法人に移行することは想定していない、これは分かりますけれども、いったん自治体を経由して法人化、独立法人化するというようなことについても、それは実質上おかしいということについての御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) 御指摘の第三セクターでありますが、御案内のように、第三セクターは民法法人又は商法法人として民間のノウハウを活用しつつ所要の業務を行っているものでありまして、これに対しまして、御議論いただいております地方独立行政法人制度は、地方公共団体の事務の一部を切り出して地方公共団体とは別の法人に行わせると、こういう性格を持つものでありますので、御指摘いただきましたように、第三セクターとは全く異なるものと考えておりますし、既存の第三セクターが直接地方独立行政法人へ移行することは制度上もあり得ないものと考えております。
  それからまた、第三セクターが破綻した場合、その後また行政に戻って地方独立行政法人のような形態を取ることについての御懸念があったわけでありますが、私どもは、制度的には、例えば第三セクターが破綻した場合には清算等所要の手続を取ることになりますが、その上で、例えばでありますけれども、行政補完型の第三セクターのような場合に、そのような事務を改めて地方公共団体が実施せざるを得ないという場合があるかもしれません。そのような場合におきましても、私どもとしては、地方独立行政法人制度が活用されるということは、制度としては、制度上は可能であるといたしましても、慎重に対応すべきものではないだろうかと、こういうふうに考えております。
○山下栄一君 公立大学、公立大学の扱いについて確認をさせていただきます。
  先ほども質問がございましたけれども、先ほどの質問を聞きながら確かにおかしなことだなというふうにちょっと思ったんですけれどもね、辻委員の質問ですけれども。要するに、国立大学法人の場合は独立行政法人じゃないよということになっていると、ところが、公立大学法人の場合は地方独立行政法人という範疇に入るということは分かりにくいなというふうに私は思うんですね。
  それで、そういうことだったら、公立大学法人という法律の形も、別、単独法といいますか、そういうことも、その方が非常に分かりやすいし説得力があるのではないかと。本来、大学というのは教育研究の観点から、大学の自治としてそういう教育研究の特性といいますか、そういう角度で国立大学法人、中央においてはそういうことを考えたわけですね、いろんな議論の末。じゃ、公立大学法人もやっぱりそういうことは丁寧に、慎重に、センシティブな問題であるのでそういう配慮をやっぱりすべきだと思うと、そういう様々な懸念を払拭するためには、公立大学法人という法人法ですか、そういう形の方が分かりやすいなというふうに私は考えるわけです。
  これは先ほど総務大臣がお答えになりまして、今度は文部科学省にお聞きしたいと思うんですね。文部科学省はそういう面で一番慎重というか丁寧にやらないかぬ、総務省もそうかも分かりませんけれども。直接教育研究携わる施設ですからね。だから、国立大学法人の議論についてもそれほどの激しい議論があり、別の法律形態にしたわけですから。公立大学法人にもそういう厳しいものが考えられるということは当然のことだと思うんですけれども、そういうことをあえてしなかったことについての文部科学省のお考えを明確にしていただきたいと思います。
○政府参考人(木谷雅人君) 国立大学法人法案につきましては、御指摘のように独立行政法人通則法とは別の単独法として提出をさせていただいているわけでございますが、これにつきましては、一つは、国立大学の法人化に当たりましては、大学における教育研究の特性を踏まえ、国の独立行政法人制度の枠組みを活用しながらも大学の自主的な運営を確保し、教育研究の活性化を図ることができる仕組みとする必要があること。もう一つには、その仕組みについて、国が設置者としての立場から、国立大学の現状や改革の状況を踏まえつつ、八十九の国立大学法人に共通する具体的な組織運営に関する枠組みを規定する法律を制定することが適当と考えたことなどを総合的に勘案したことによるものでございます。
  他方、公立大学法人の制度化につきましては、大学の教育研究の特性を踏まえることは国立大学法人と同様に当然必要でございますが、同時に、地方公共団体の自主性の尊重の観点を取り入れた仕組みとする必要があるなど、国立大学法人とは異なる点もあるところでございます。
  具体的には、地方独立行政法人制度は試験研究機関、社会福祉事業、公の施設のみならず公営企業までも対象としておりまして、国の独立行政法人制度よりも幅広い対象を想定した枠組みとなっております。また、地方公共団体は、地方行政法人は、個々の法人の設立を法律で定めるという制度設計を取っておらず、地方独立行政法人法案においては対象となる事業に係る制度の基本的な事項を広く定めておりまして、公立大学法人についてもその基本的な枠組みを定めるにとどめることとしているわけでございます。このため、公立大学法人につきましては、地方独立行政法人法案の中で定め、同時に、独立した章立てをいたしまして、大学における教育研究の特性に配慮する所要の規定を置いているところでございます。
  このような仕組みによりまして、地方公共団体の自主性が尊重されると同時に、大学の自主性が十分確保され、公立大学としての自律的な教育研究が展開されることを期待しているものでございます。
○山下栄一君 ちょっと今度は全然違う話になりますけれども、法律を離れますけれども、私、先日、決算委員会で、国家公務員の給与そのものじゃございませんけれども、給与の中に含まれている手当の問題をちょっと取り上げました。今日は人事院にちょっと、総裁にお聞きしたいと思うんですけれども、この前も総務大臣がそれは人事院の管轄だという、私もそう思いますので。
  平成十四年度の国家公務員の給与につきましては、人事院勧告で初の俸給ダウンということに踏み切ったわけです。そういう現状が確かにあると思いますし、国民の公務員の報酬についてのまなざしはますます厳しくなる一方だというふうに思います。
  俸給そのものではございませんが、手当の方についてもやはり見直すべきか、今までのままでいくべきかということを当然検討課題とすべきだというふうに思うんですけれども、この前取り上げました交通手当、通勤手当の件ですけれども、六か月定期方式の価格で通勤手当を支給することに変えたらどうかと。今現在は国家公務員法また人事院規則で一か月ごとにというふうになっているわけですけれども、それを見直すことに踏み切ったらどうかということをこの前申し上げました。
  これは既に各自治体ではいろいろ検討の末、実施されているところがございます。都道府県レベルでは大阪、福岡、千葉。千葉は早かったんでしたですかね。東京も検討するということをこの前、石原知事がおっしゃったわけですけれども。大阪府も去年四月からこれに踏み切りまして、九万人の方に対してこの六か月定期に変えることによって十一億円の削減効果があるということでもう去年四月から踏み切っております。
  私、今、枚方市というところに住んでおりますけれども、枚方市も同じ時期、去年の四月から、衛星都市では非常に早い方だと思いますけれども、ここは三千二百人対象で一・八億円の削減効果があるということになっております。
  このことは、前、国のレベルでも試算を申し上げましたけれども、人事院につきまして、この六か月定期の価格によって通勤手当を支給するということについて非常に面倒なこともいろいろあると聞いておりますし、六か月ないような地域も、バス会社とかそれぞれ地方によってはあるというようなこともお聞きしておりますけれども、いずれにしても、こういう大きな流れの中で、この人事院規則を見直すということも含めまして積極的な検討をお願いしたいと思いますけれども、御見解をお願いします。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 現在の一か月単位の交通費を支給するという制度から、少し六か月とか三か月とか、そういうような単位で交通費を支給することを考えたらどうかということは、いろいろな方面から御指摘受けておりますし、地方自治体においてもそういうことの検討を始めたところもございます。
  したがいまして、私たちもそういうような方向で検討しておるところでございますけれども、今、先生がおっしゃいましたように、代償機関として、プロセスとしては、やはり各府省の意見、そして労働団体の意見を聞いて私たちはそちらの方向に向かっていきたいというふうに考えておりますけれども、今、問題点を煮詰めて、何とか実現できないかということで汗をかいているところでございます。
○山下栄一君 大いに汗をかいていただいて、見直しをしていただきたいと思います。
  次、調整手当というのもあるわけですけれども、これはもう、要するに物価水準の高い地域に勤務する公務員の方に対して、非支給地域ではない、加算の、支給率を加算しようという、これ、地域によっても違います、東京が一番加算率が一二%と高いわけですけれども。
  ところが、この異動保障という制度がありまして、そういう高いところから低い地方に転勤になる場合は、激変緩和措置として、しばらくの間は元の高い地域に合わせて支給するということになっているんですけれども、これがスタートの昭和三十六年では、六か月間は激変緩和で前の高いままで支給しましょうと、それ以降は新しい地域に合わせてということになっていたんです。その三か月が一年になり、今は三年になってきているわけですね。このことにつきましても様々な厳しい御批判が今あるというふうに聞いております。
  まずお聞きしたいのは、異動保障という形で支給されている人数、公務員の方の人数とその総額ですね、これをちょっとお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 今お尋ねの、いわゆる異動保障の対象になっております人数は六万二千人、おおむね六万二千人、そして、月額でそのために資する額が約十三億ということでございます。
○山下栄一君 月額十三億、十二掛けると二百数十億になるというように思うわけです。そういう金額が支給されていると。
  ところが、三年もずっと保障し続けるということは、結局、三年で大体転勤になると元のままの高いままにずっと続くということになりかねないわけでございまして、これはちょっとやはりやり過ぎだと、こういう冒頭申し上げました様々な国民の御批判を考えたときに、これはスタートは六か月からスタートしてどんどん、いろんな事情があり現在に至ったとは思いますけれども、これは長過ぎるということにやっぱり私は思うわけです。これにつきましてもきちっとやっぱり見直さないと国民の批判に耐えられないというふうに私は考えるわけでございまして、人事院の、積極的な御検討をしていただきたいと思いますけれども、御答弁をお願いします。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 御指摘のような話は私もよく聞いております。
  いずれにしても、国民が納得してくださるというか、国会議員の先生方もなるほどというふうにおっしゃっていただけるような制度にしていかなきゃならないというふうに思います。
  ただ、元々のスタートというのは、異動したことに伴いまして調整手当が減額される、給与が減額されると、その経済的な影響というものを緩和するということで異動保障制度というものを設けました。
  おっしゃるように、スタートのときは六か月ということでございましたけれども、この制度を作り、そして当初運用した人たちの話を聞いてみますと、やはり最初はそういうことでスタートいたしました。けれども、ほぼそれと時期を合わせまして単身赴任というものが増加してきた。そうすると、世帯が分かれることによって家計負担も重くなるというような事情もございましたし、また短期間、例えて言いますと六か月とか一年ということでは、その期間は確かに東京から地方に異動した人たちは落ち着いて仕事をしてくれるけれども、その期間が過ぎちゃうと東京に帰りたがる、あるいはブロックの中心都市に帰りたがるというようなことがございまして、そういうことがありますと、それぞれの地方の、地方団体の首長さんとかあるいは各種団体の方から、せっかく顔なじみになって当該地域の実情というものを把握していただいた、これから仕事していただかなきゃならないというときに転勤されるというのでは困るというので、もう少しその異動保障も長くしてくれというようなお話もあったように聞いております。
  ただ、三年というのはどうかというような話でございますので、また、そういうような御意見も国会の中で出てきておりますので、私たち、各府省の人事の円滑化ということも考えながら、また労働団体の意見も聞きながら、この見直しというものに着手してみたいというふうに思います。
○山下栄一君 それに、この異動保障に関連してですけれども、ちょっと悪質とも言うべきものが散見されておるわけです。そういう報告もされております。
  すなわち、地方から地方に転勤、異動になる場合に東京経由で異動すると。いわゆる最も加算率の高いところで例えば一か月間研修を受ける形を取って、そこで、そこを新しい勤務地だというふうに考えてまた別のところに行くというようなこと、経由地に支給率の高いところを経由させるという、そういうことをやっているというようなことがありまして、これについては人事院の方で実態調査をされたというふうに聞いております。ひどい場合には、一日だけそこにおってというようなこともあったというように聞いておりますけれども、いずれも、実態調査のどういう、どれぐらいの件数がそういうふうにあったのか。
  それは、一日というのはもうまれやと思いますけれども、そういう東京経由で実質的な異動が地方から地方だということを、東京という最高の支給率のところを使うというふうなことも含めまして、こういうやり方、ワンタッチという言い方をするそうですけれども、ワンタッチ、短期間異動という、そういうことについての実態調査をされたというふうに聞いておりますので、その御報告をお願いしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 異動保障というのは、制度の趣旨に従って運用していただけるとそんなに批判を浴びなかったわけでございますけれども、今、先生が御指摘のように、本当に短期間、支給地あるいはより高い支給率の地域というものに在勤して地方に替わっていく、そのことによって異動保障というものの恩恵を受けると。そういう運用をされますと、制度そのものが誤解を受けるということになるわけでございます。
  私たちは、そういう話を把握いたしまして、昨年の十二月でしたか、通知を出しまして、各府省におやめいただくようにということで徹底いたしました。それ以後、そういうようなことはございません。したがいまして、そういうようなことは防止しつつ、調整手当制度というものを適正に運用していきたいというふうに考えております。
  ただ、今お尋ねになりました、そういう短期間でということをワンタッチと言うんですか、先生の言葉を使いますと、そういうことで、この制度を趣旨に反して運用しておったというのは、この一年間で、昨年の四月以降ございましたのは百七件でございまして、そして各府省にまたがっております。
○山下栄一君 短期間というのは一か月以内ということで調査していただいたと聞いておりますけれども、こういうものについては、やはり、何といいますか、悪用するといいますか、そういうことについては、これはもうあってはならないことだと思いますし、実際、人事院の方から指導をされた結果、そういうことはなくなったというふうに聞いておりますけれども、しばらくなくなってまた復活するということになったらまずいわけでございますので、きちっとした御指導をお願い申し上げたいというふうに思います。
  この異動保障につきましては、人事異動を円滑にするために、なかなか地方に行きたがらないという方が現実にいらっしゃる、それではなかなか全体的な仕事も成就できないということから、そういう人事異動の円滑化のためにこういうのを導入したということから私も問題点が出ているように思います。
  理念からいいますと、憲法十五条に全体の奉仕者であるというふうに書いてあるわけだから、そのために公務員になったんでしょう、そうなのに行きたがらないというのはどういうことだというふうな民間の方から厳しい御批判もあるわけでございますので、そういうことを考えましたときに、この人事異動円滑化のための手当支給というやり方はちょっとやっぱり基本的に見直すべきではないかと。地域給である調整手当の激変緩和措置としての異動保障ではない形で別の考え方で制度化するというふうなこともあり得ると思うんですけれども、この辺のお考えをお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) おっしゃることはよく分かります。ただ、先生も私と余り年代が変わらないわけでございまして、私たちのときには行政法を教えていただくときには、公務員というのは特別権力関係の中にあるというので、命令一下どこへでも行くんだという、そういうことを教えていただいたわけでございますけれども、最近はそういう考え方がだんだん薄れてきているというか、余り特別権力関係議論というのが言われなくなったということで、できるだけ人事権者というのは、労働者の意見をよく聞き、労働者の立場を考えてというような人事異動が行われるような時代になってきたのかというふうに思います。
  ただ、この異動というものを円滑に行うためにどういうような制度というものを考えたらいいのかというのは非常に難しい問題だと思いますし、たくさんの方々からいろいろな御意見というものをちょうだいしなきゃならないというふうに思います。ただ、本当に単身赴任ということで地方に異動される方々の家計負担というものを考えて新しい手当を作るということになりますと、恐らく現在の異動保障で必要としておる財源よりもより多くの財源を必要にすることになるんじゃないかという気もいたしますので、総合的にいろいろな立場を考えてこれから十分検討する必要があるだろうというふうに思います。
○山下栄一君 最後に、元々調整手当というのは、物価が高い地域、また民間賃金、その地域の、をも勘案しながら、そういう支給率のかさ上げといいますか、そういうことを考えていったというふうに聞いておるわけですけれども。ところが、勤務しているのは確かに霞が関だと、住んでいるところは物価も非常にそんなに高くない地域に住んでいると。だから生活費とかということを考えると、確かに勤務地はただ東京かも分からないけれども生活地域はそうでないというふうに考えたときに、この支給の考え方が在勤地主義というのはこれはどうかというふうな意見もございますけれども、これについてのお考えをお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) それは、確かにそういう議論も成り立つだろうというふうに思います。ただ、この調整手当というのがいろいろ議論されました昭和四十年代の後半、結局日本の経済が高度成長になりまして、高度成長の波に乗りまして、労働者というものの取り合いというか、人材獲得競争というものがだんだん激しくなってきたと。そのときにやはり民間賃金が高い地域に所在する官署というものがきちんとした人材を獲得しなきゃならないというので勤務地主義、在勤地主義というものが正当化されたというか根拠付けられたというようなことで私たちは頭の中を整理させていただいておりますけれども、現在もなおそういう考え方が強いというふうに私は認識いたしております。
○山下栄一君 ちょっと少し早いですけれども、以上で終わります。
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
  まず、第二条、法案の「定義」についてお伺いいたします。
  私は、そもそもこの定義からして訳が分からないと言わざるを得ない。地方自治体が行う事業のうち、公共上の見地からその地域において確実に実施されることが必要だと言いながら、自治体が自ら主体となって直接実施する必要がない、それでいて民間ではできないものだと、こう言っております。
  公共上の見地からその地域において確実に実施されることが必要な事業は自治体が責任を持ってやるべきではないのか、なぜわざわざこんな制度を作るのか、まずこの点をお答えいただきたいと思います。大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、仕事はいろいろあるんですよ。そう簡単にいきませんよ。
  それは大変公共性が高くてあるけれども、地方団体が直接やらなくてもいい仕事というのはあるんで。例えば、そうでしょう、大学だって試験研究機関だってどうですか、国際会議場だって公共性ありますよ、公共性ある。それじゃ、ほっておいて、民間がはいはい分かりましたといってやるかというと、これはなかなかそうじゃない。必要があるけれども民間はなかなかやらないと。
  しかし、それじゃ地方団体が責任を持たなきゃいけないけれども、そのやり方はぎしぎしの官庁会計で、単年度で、極めて硬直的にやるよりも、もっと自由にやらせる方が本来の目的に沿うようなものもあるわけですよ。それがイギリスのエージェンシーであり、国の独立行政法人はそういう発想から出ているんですよね。それは特殊法人と同じじゃないかというと、同じなんですよ。同じなんだけれども、特殊法人よりは進歩しているんですよね。例えば評価委員会を作って、三年から五年で見直すとか、場合によってはつぶすとか、役員についても信賞必罰でやるとか、そういうことを持ち込んでいるんですよ。公共性がある仕事に民間的な経営効率の仕事も持ち込んでいるので、それが結果としては国民や住民の利益へつながるんで、だからいろんな考え方があっていいんですよ、宮本委員。
  そこで、そういう意味での地方に選択肢を、国もやっているんだし、地方でも要望があるんで、それじゃ仕組みは作りましょう、それはどうぞ自分で、自分の責任で選択してくださいと、こういうふうに考えているわけであります。
○宮本岳志君 つまり、自治体が直接実施すれば一番すっきりしているような仕事をわざわざ地方独立行政法人というものを作るというのは、正におっしゃったように、効率的かつ効果的に行わせると、これが目的だと、法案にもそう書いてありますよ、目的ね。
  私は、そこで、大臣、認識聞きたいんですけれども、つまり今の地方自治体でやっている仕事は効率的でないと、こう大臣はお考えになっていますか。
○国務大臣(片山虎之助君) いやいや、いろいろあるんですよ。一生懸命やっていますよ。
  しかし、今の仕組みが、今言いましたように、がんじがらめにして、例えば二、三年での期間で物を考えた方がいいのに、全部単年度の予算、決算でしょう。あるいは組織についても条例やいろんなことで規則できちっと決まっているんですよ。人の配置なんか自由にわあわあとできないんですよ。だから、そういうことはそういうふうに厳重にやると。そうでなくて、効率的に自律的、弾力的にやる方がプラスになるようなものはそういう仕組みを作って、責任はもちろん持つんですけれども、そうやってもらうというのが正しいんではないかと、こういうことであります。
○宮本岳志君 正に大臣は、私、この地方独立行政法人というものの本質を今お話しになったと思うんですね。
  大臣ね、地方自治法の第一条には、地方自治体の目的というのが書いてあるんです、大臣に別に言うのも釈迦に説法ですけれども。そこには、「地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、」云々と、つまり地方自治法によると、地方公共団体は民主的にして能率的に行政を進めなければならないとなっているんです。それを、自治体が直接やれば一番すっきり分かりやすいものをわざわざ別の法人を作らなければ効率化あるいは効率的運用ができないと、こうお考えになるとすると、正に地方自治法第一条というものは、現状では地方自治体には守らせられないのだと総務大臣がお答えになっているに等しいわけですよ。私は、こういうわざわざ枠組みを作って効率的、効率的ということをやるというのは、はっきり申し上げて、先ほど申し上げた地方自治法あるいは地方公務員法にも民主的にして効率的という言葉が、能率的という言葉が出てまいります。つまり、民主的にして能率的というスキームでできないものを効率的、効果的に行わせるために別の枠を作るということは、はっきり言って民主的という言葉が抜け落ちるわけなんですよ。つまり、地方自治法や地方公務員法の枠組みではできないような効率化をあなた方はやろうとしている。これ以外にこの法律の目的はないと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 地方公共団体がやっている事務事業というのは一杯あるわけですよ。それはもう民主的にがちがちでやらなければならないものも、民主的は、一定の限度でぴしっと民主的な責任は持つけれども、あとは能率的にやったものもいいものがあるんですよ。同じやり方で全部やれという方が無理なんですよ、こういう時代に。いろんなやり方があっていいんで、その選択肢を増やしてそれを判断して選択するのは地方団体にやってもらうんですよ。我々はこうやれ、あれやれと言うんじゃないんですよ。地方が要望しているんですよ。要望しているから選択肢を広げただけで、その選択を主体的にやって責任を取るのは地方団体ですから、それが地方自治なんですよ。これしかやるな、このやり方しか駄目だと、そういう方がずっと私は合理的でないと思いますよ。
○宮本岳志君 いや、地方自治法には民主的は一定の限度でいいとは書いていないんですよ。地方自治法は明瞭に民主的にして能率的に行わなければならないと、こう書いているわけですから。そして、その民主的ということを一定の限度にして効率適用を図るんだというところに今度の法案のこの目的があるんだという私の指摘は正に大臣の答弁でも裏付けられたと言わざるを得ないです。
  私は、そういう効率化というのはどういう実態を生んでいるかということを大臣に考えていただきたい。東京三鷹市の市立保育園の東台保育園の例をこの前も八田委員が御紹介申し上げました。市立の保育園ですが、運営委託でこれはベネッセコーポレーションというところが運営をしております。ベネッセというのは皆さんにとっては進研ゼミで有名なあの会社ですね。大臣の地元岡山に本社がございます。私は決して民間何でも悪いと言うつもりはないんです。問題はこういう効率化が何によって行われているか。保育所の経費というのは八割までが人件費なんですね。それでベネッセでは、園長や主任などは一年更新の契約社員として雇い、こういう方々の月給も一年目では十五万から二十万程度、それ以外の職員の方々はアルバイト、パートで社会保険もないという状況なんですね。保育士のこういう労働条件の上に成り立っている効率化なんですよ。
  先週、参議院本会議で、塩川大臣は、公立は民間より人件費比率が高過ぎると保育園の例を出して答弁されましたよ。しかし、これはつまり保育士は全員不安定雇用でも結構だ、十分だと言っているに等しくって、私はやっぱりこういったことが現場でどういう状況を生んでいるかということも考えなきゃならないと思います。
  もう一つ、私の地元大阪ではもっとストレートで、保育所の民営化というのがやられております。守口市では昨年四月から三つの保育所が民営化されました。民営化事業者の募集条件は、園長は保育士の資格のある人、こうなっていたにもかかわらず、ある園では資格のない理事長が園長を兼務している、消防法上必要な防火管理者を置いていなかったり、別の園では、常勤していない園長を常勤と申請して補助金を受け取って、市が改めて請求し直して補助金の返還まで行われているという事例があるんですね。
  つまり、あなた方の言うこの効率化というのはこういうことだと言わざるを得ないんです。正に地域において確実に実施されることが必要なものを効率化する、それも地方自治法に基づいたのではなかなかできないような効率化をやろうと。結局は安易に投げ出すということではないのですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 宮本委員の話を聞いていると、それじゃ保育所は全部公立にして、たくさん人件費は掛けて、しかし、そのお金は全部税金なんですよ。税金を最もすべての国民に効率的に使うというような必要があるんですよ。何でも給料は高くすりゃいい、効率化は全部反対だと、しかし、そのお金はだれがどうやって調達するんですか。全部国民の負担じゃないですか。そこのところを考えて今いろんな改革の議論が進んでいるんですよ。改革をやるなという議論ですよ。
○宮本岳志君 国民は福祉や医療や保育や市民のサービスのために税金を払っているんですよ。国民は別に保育をあんまりやってくれるなとか、あるいはそういうことに税金使ってくれるななんて言っていないわけですよ。無駄な公共事業をやめてくれと言っているんですから。私は、保育や福祉や医療にしっかりとお金を使って、そして本当に無駄なところを削るということを申し上げているわけなんですね。大臣は二言目には選択肢というふうにおっしゃいます。先ほども選択肢だとおっしゃっておりました。私は、この法案を提案して最後は自治体が選ぶんですよとおっしゃるけれども、それは私全体を見ない議論だと思います。
  大体、六月二十七日、政府はこの第三次骨太方針というのを出しましたよね。先ほども議論になっておりました。ここでは、三位一体の改革だとこう言って、今後三年間で国庫補助負担金を四兆円削ると、その削減分の八割程度しか税源移譲しない、こういうふうになっております。地方交付税の税源保障機能についても全般を見直し縮小すると。地方分権推進会議じゃないですよ。これ正に第三次骨太方針、あなたも加わって閣議決定したものの中でもそういうことを明記していますよ。私、実物をここに持ってきて、この中を紹介しているわけですからね。
  つまり、これから地方への財政保障を一層削り込むと。一方ではそういうことを決めておいて、そして、こういう選択肢を置いて、いやいや選択肢を一つ増やしただけですよと、こう言ったって、これからそこへ追い込んでいくということは明瞭じゃありませんか。違いますか。
○国務大臣(片山虎之助君) 三位一体の改革の中身ももう少し勉強してくださいよ。自分流のあれだけ言っては駄目ですよ。それから、あなたが言うことが正しければ、是非国民の選択であなた方の考えの人を増やしてくださいよ。国民の選択ですよ、選挙というのは。是非それはよく分かってください。自分の言うことだけが正しい、人の言うことは全然間違いだと、それは全然違いますよ。
○宮本岳志君 いやいや、答弁になっていないじゃないですか。じゃ、この骨太方針でそういうことを決めていないとおっしゃるんですか。
○国務大臣(片山虎之助君) あなた、骨太方針がよく分かっていないんじゃないですか、何のためにやるかということが。国から地方への、地方の自主性や自律性を強化するためにそういうことをいろんな段階を経てやっていくんですよ。一遍にひっくり返るようなことができるわけがない。どうやってやるんですか、それじゃ。共産党の考えを聞かしてもらいたい。
○宮本岳志君 でたらめな答弁をするんじゃないですよ。二十ページに書いてあるじゃないですか。二十ページにちゃんと私が今言ったとおりのこと、書いてあるから言っているんですよ。
○国務大臣(片山虎之助君) 事が分かっていないじゃない、本質が。
○宮本岳志君 事が分かっていないって、そう書いてあるじゃないですか。いいですよ、そんな、窮地に陥ったらそういうことを言ってごまかす。
○国務大臣(片山虎之助君) 全然窮地に陥っていないじゃない、ばかばかしいから。
○宮本岳志君 そうじゃないですか。ここにそう書いてあるでしょう、じゃ書いていないですか。事務方でもいい。
○国務大臣(片山虎之助君) よく知っているよ、そんなことは。
○宮本岳志君 書いていないんですか。否定できるんですか。
○委員長(山崎力君) どなたが答弁。
○政府参考人(林省吾君) 御指摘いただきました六月二十七日の閣議決定におきましては、国と地方との改革につきまして、全般的に改革の考え方、また三位一体改革につきましては、国庫補助負担金の廃止、縮減の考え方、税源移譲の考え方と併せて、地方交付税につきましても今後の対処方針を記述いたしているところでございます。
○宮本岳志君 そのとおり言っているじゃないですか。書いていることを指摘して、そんなばかな話はないんですよ。もう時間ないですから、時間ないですからいいです。こんなことをやっていたらこれで終わりますからね。
  それで、私は、改めてこの地方独立行政法人というものは、正に塩川大臣が言うような地方財政の見直し、スリム化の具体化にほかならないと。結局、この住民犠牲の効率化を進めて、住民サービスは切り下げられる、あわよくば廃止しようという、そういうツールを与えるものにほかならないと。それで被害を受けるのは正に保育所の子供たちや公立病院の患者さんや、つまり住民にほかならないということを指摘をしておきたいと思います。
  同時に、この地方独立行政法人法というスキーム自身が今見たように大変ひどいものですけれども、更にもっと重大なのは、あなた方がスキームに公立大学を入れているという問題です。いいですか。公立大学について聞きますよ、次は。
  そもそも、大学というものは学術の中心であって、広く知識を授け、深く専門の学芸を教授、研究する我が国の最高学府であると。
  文部科学省と、そして総務大臣にも、これまず前提として確認しますが、大学における教育研究の特性は国公私立を問わず大学に共通する、これはよろしいですね、文部科学省。
○政府参考人(木谷雅人君) 教育研究の特性とは、大学における教育研究の自主性、自律性を十分尊重するとともに、長期的な展望に立った教育研究の推進という観点や専門的見地を踏まえることと理解しておりまして、教育研究の特性に配慮すべきことは、国公私立大学を問わず大学に共通するものと認識いたしております。
○宮本岳志君 ちゃんと答えてくださいよ。
○国務大臣(片山虎之助君) 文部省と同じ意見であります。
○宮本岳志君 国の大半の独立行政法人は、既に施行されております独立行政法人通則法に基づいて独立行政法人化が進められております。総務省の所管でいえば、TAO、通総研がそうですね。
  しかし、今、文教科学委員会に提出されている国立大学法人化法案、これらは効率化のための独立行政法人化ではないと文部科学省は繰り返し説明をされております。これは正に教育研究の特性を尊重するためでよろしいですね、文部科学省。
○政府参考人(木谷雅人君) 現在、国会で御審議いただいております国立大学法人法案は、単なる効率化を目的としたものではなく、国による財政措置を前提とした独立行政法人制度の発足を機に、大学改革の一環として検討してきたものでございます。すなわち、独立行政法人制度の基本的な枠組みを活用しつつ、大学の教育研究の特性に十分配慮し、さらに、従来、国の行政組織の一部に位置付けられてきたことに由来する予算、組織、人事等に係る様々な規制から外れて、その運営の自律性を高め、教育研究を活性化し、より個性豊かな魅力ある国立大学の実現を図ろうとするものでございます。
○宮本岳志君 四月の十六日、衆議院文部科学委員会で遠山文部科学大臣は次のように答弁をしております。今回は独立行政法人とは思っておりません、大きな傘からいえば独立行政法人の枠の中であるかもしれませんが、独立行政法人の先行するような組織とは違うという角度から、国立大学法人という新たなコンセプトでお願いをしている。大学という、教育なり研究なり人間の知にかかわる、あるいは人格の形成にかかわる、そのような大切な機能を持つ組織である、そのようなことから、独立行政法人という国の業務をやる組織ではあっても、やはりそれはより効率的な運営が強いられるような法人とはまた違うということから、国立大学法人ということで今回構想したと。これはもう間違いないですね、答弁。
○政府参考人(木谷雅人君) 事実でございます。
○宮本岳志君 独立行政法人化ではないんだと、それは大きな傘だけの話であって、理念も目的も違うんだと。それでも、その傘が問題だといって文教科学委員会では大議論になって、もちろん我が党もその委員会では反対の立場で野党の皆さんと御一緒に頑張っております。
  ともかく、文部科学省は、行革ではなく大学改革なのだということで、通則法ではなくて、国立大学法人法案という別法案として国会に提出をいたしました。だから、衆議院で文部科学大臣は、この改革によって、国は、とにかくお金を削減しようとか減らしていこうなどという意思は毛頭ないはずで、増やしていく決意を述べよと、こう問われて、日本の今後の発展にとって、大学にかかわる経費というものは、未来への先行投資だと考えている、その意味では、大学、特に国立大学、今回の設置形態の変更を契機に削減するようなことには絶対ならないように、私どもとしては頑張りたいと文部科学大臣は答弁しましたが、間違いないですね。
○政府参考人(木谷雅人君) 御指摘のとおりでございます。
○宮本岳志君 総務大臣、ところが総務省は、公立大学を国の独立行政法人通則法と同じ、いわゆる行革の枠組みに入れてしまっているんですよ。先ほどあなたも、国公私立問わずひとしく教育研究の特性を尊重しなければならないと答弁しましたけれども、これでは教育研究の特性を守れないのではありませんか。大臣、そう思われませんか。
○政府参考人(畠中誠二郎君) 私どもの地方独立行政法人法案の中に公立大学が入っていることは事実でございますが、これは、国立大学の言葉は別として独法化に準じた措置をこの法案の中で講じようということで、公立大学の特性に応じた例外措置につきましてもこの法案の中できちっと書いておりますし、考え方としましては、国立大学の独法化の措置と、公立大学については基本的には変わるところはございません。
○宮本岳志君 その程度では駄目だから国立大学は別法案としているんですよ。
  それなら聞きますが、先ほど私は、遠山大臣の答弁も紹介して、国立大学法人はより効率的な運営が強いられるような法人とはまた違うということも確認をいたしました。この地方独立行政法人法案第二条は、効率的かつ効果的に行わせることを目的として法人を設立するとなっておりますけれども、公立大学にはこの第二条は適用されないんですか。
○政府参考人(畠中誠二郎君) いや、適用されます。
○宮本岳志君 全く矛盾しているんじゃないですか。
○政府参考人(林省吾君) 公立大学につきましての御議論でございますが、先ほど御指摘のような地方独立行政法人制度自身は、業務の効率化を意図したものでありますと同時に、サービスの質の向上を図ることもねらいといたしているわけであります。特に中期目標等の中におきましては、サービスその他の業務の質の向上に関する事項等を盛り込み、業務運営につきましては改善、効率化に関する事項と併せて重要な項目といたしているわけであります。
  そういう意味で、地方独立行政法人制度は単なる業務の効率化だけではなく、サービスの質の向上を目指すという広い意味の行財政改革の観点も含んでいるものでありまして、特に公立大学法人につきましては、こうした基本的な独立行政法人制度のねらいを踏まえたものでありますとともに、大学の設置を目的とするものでございますので、御心配の、大学における教育研究の特性や大学の自治に配慮することが必要であると、こういう観点から、種々の特例規定を置くことといたしているところでございます。
○宮本岳志君 第二条には「効率的かつ効果的に行わせることを目的として、」とあるだけで、サービス云々という言葉はないですが、それならば公立大学に関しては効率的かつ効果的に行わせることを目的として行わないと言明できますか。
○政府参考人(林省吾君) そういうことではございませんで、もちろん法律の基本的な考え方は今御指摘のような規定を踏まえて制度ができ上がっているわけでありますけれども、公立大学につきましては、地方独立行政法人法を適用していきます場合は、単なるその基本的ないわゆる地方独立行政法人全体に通ずるものだけではなくて、公立大学に特例として設けるべき規定あるいは要素、そういうものも踏まえて、教育の質の向上あるいは地域社会における公立大学としての役割の充実を求めていくような配慮がなされているものと考えております。
○宮本岳志君 訳の分からぬ答弁ですね。
  大体、こういう枠の中にそもそも押し込んだというところに最大の問題があるんですよ。先ほど来、他党の議員も同じ指摘をやっております。私は、教育研究の特性を守ると幾らあなた方が繰り返したって、効率的かつ効果的に行わせることを目的として公立大学法人を作れば、結局その特性が脅かされることは明瞭だと。大体、文部省が、こういうこの法案について、文部省の側も教育の特性を重視すると言わざるを得ないのは、正にそこに理由があるわけですよ。
  それで、ノーベル物理学賞を受賞した小柴東大名誉教授は東京新聞で、学問研究に効率化を持ち込むと採算に結び付かない基礎科学は冷や飯を食うと、これは東京新聞で語られています。大学の教育研究の目標や計画などは学内で決めると、これが大学運営上の鉄則なんです。自らの判断で研究テーマを決めて、小柴教授のように何十年も掛かってようやく認められるようになるというものもあるんですね。学内の関係者でしか判断できない目標設定や評価は、大学できちっとやるというのが当然の原則なんです。
  そこで聞きますけれども、国立大学法人では文科大臣が中期目標を定めます。それに基づいて大学法人は中期計画を作成し、文科大臣の認可を受けるわけですね。それぞれの場合に、あらかじめ評価委員会の意見を聞くとなっておりますけれども、この評価委員会はどこに置くことになっておりますか。
○政府参考人(木谷雅人君) 国立大学法人、国立大学法人評価委員会は、国家行政組織法上のいわゆる八条機関、審議会等に該当するものでございまして、文部科学省に置くこととしております。
○宮本岳志君 文部科学省に置くんですね。
  では、総務省に聞きますけれども、この地方独立行政法人法案でも評価委員会を置くことになっておりますけれども、この評価委員会はどこに置くのか。そして、公立大学の評価委員会は必ず公立大学のみの評価委員会を別に作るということになっているか。いかがですか。
○政府参考人(林省吾君) 公立大学法人に係る評価委員会は、条例に定めるところによりまして、設立団体の長の附属機関として当該団体に置かれることになるものであります。
  その評価委員会は、御提案いたしております法律第十一条に記してございますように、設立団体に地方独立行政法人評価委員会を置くという規定になっておりまして、複数設置すること自体は否定をいたしておりません。しかしながら、地方公共団体におきましては、特に地方団体における公立大学の実態を踏まえますと、国立大学のような複数ではございませんので、例えば評価委員会の中に分科会を設けると、こういうような方式で対処することを検討されているところもあるようでございますが、いずれにいたしましても、評価委員会を設置しながら、地方公共団体の行政組織の簡素化という観点も踏まえて、当該地方団体において判断されるものと考えております。
○宮本岳志君 国立大学の場合は、一応、政府の中では教育研究を担当する文部科学大臣が行うと、評価委員会、文部科学省に置くということになっているわけですね。それでさえ、外部からの介入だという大議論が今正にこの瞬間も文教科学委員会では続けられているわけですよ。
  ところが、この地方独立行政法人法に基づく公立大学の場合は、これを自治体に置くと。あるいは、他の独立行政法人と一緒にして評価を行うということも可能となると。これでは全く教育研究への配慮が足りないということになりませんか。
○政府参考人(林省吾君) 地方団体がどういう判断をされるか、最終的にはその判断に懸かっているわけでありますが、その際、公立大学としての学問を行う組織の特性を踏まえた、また大学関係者からの意見を十分聞いて制度を条例に基づいて作るように枠組みされているわけであります。
  なお、この評価委員会をどういう形で置くかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、条例の、法律上の根拠に基づきまして、複数あるいは一つの中で分科会のような形でやるかどうか、その点は地域の実態を踏まえて地方団体において判断できるようにしておいてほしいと、こういう大学関係者からの御意見も踏まえてこのような制度を取っているわけであります。
○宮本岳志君 続いて総務省に聞きますけれども、本法案では公立大学法人も中期目標を定めるということになっております。これはだれが定めることになっておりますか。
○政府参考人(林省吾君) 本法案におきます公立大学法人を設立する場合の中期目標は、設立団体の長が作成し、あらかじめ住民の代表である議会の議決を経て法人に指示することといたしているところでございます。
  ただ、公立大学法人につきましては、大学における教育研究の特性に配慮し、大学の自治を尊重する必要がありますので、他の地方独立行政法人には見られないこの特殊性にかんがみまして、地方独立行政法人制度の基本的な枠組みは維持しつつも、中期目標を定めるに際しましては、あらかじめ当該公立大学法人の意見を聞き、当該意見に配慮することを特に規定をし、法人の意向が中期目標に反映される仕組みといたしているところでございます。
○宮本岳志君 配慮するといっても、中期目標を知事が議会の議決を経て決めるというスキーム自身が私は問題だと思うんですね。あなた方は、衆議院で我が党の春名議員が指摘した、正に地方自治の原則に立って、本来議会がチェックすべき事業については今回の法案でチェック機能を大幅に緩めようとしているんです。これが衆議院で大議論になりました。
  逆に、大学の自治という観点から、本来議会といえども口出しすべきでないものには、定款にしろ中期目標にしろ、議会の介入、首長の指示を認めてしまっている。だから、私はこの法案は欠陥法案だと繰り返し申し上げているんですよ。
  もう一問、じゃ総務省に聞きます。
  定款の認可を公立大学法人については総務大臣だけでなく文部科学大臣としたのは、これは教育研究の特性に配慮したということですか。
○政府参考人(林省吾君) 法案におきましては、総務大臣に加えて文部科学大臣の認可を必要といたしているわけでありますが、公立大学法人の場合は、地方独立行政法人が備えるべき要件が確保されているかどうかと、こういう観点からの認可に併せまして、憲法二十三条が保障する学問の自由の精神に由来する大学の自治を尊重する仕組みが備わっているかどうかと、こういう観点から大学の設置について認可をする必要があるわけでございます。そういう観点から、両大臣の認可を法制上構築しているわけでございます。
○宮本岳志君 研究教育の、教育研究の特性に配慮してそういうことにしていると。
  では、聞きますけれども、都留市立の都留文科大学、下関市立大学、これらの大学を公立大学法人にする場合、その定款は文部科学大臣が認可することになりますか。
○政府参考人(林省吾君) お尋ねのは市立大学でございますか。
○宮本岳志君 下関市立大学。
○政府参考人(林省吾君) 市立大学ですね。市立大学の場合は都道府県知事の認可となります。
○宮本岳志君 じゃ、都留文だとか下関市立大学など一般市の公立大学については文部科学大臣はかかわらない。これは、これらの大学は大学における教育研究の特性に配慮する仕組みが備わっているか確認する必要がないと、こう答弁されるんですね。
  答弁になっていないじゃないか。答弁できないじゃないか。欠陥法案だよ、こんなものは。
○政府参考人(林省吾君) 県、都道府県及び政令市が設置されます場合は、先ほど御指摘がございましたように、総務大臣及び文部科学大臣の認可が必要と考えておりますが、市が設置いたします場合は、それらの権限が都道府県知事に委任されておりますので、知事の権限で足りるというふうに理解いたしております。
○宮本岳志君 答弁になっていないですよ。
  私は文書でもいただいているんです。なぜ文部科学大臣の認可を加えたかといえば、大学における教育研究の特性に配慮する仕組みが備わっているか確認する必要があるとあなた方ははっきり答えているじゃないですか。にもかかわらず、下関市立大学、都留文科大学、高崎経済大学、一般市の市立大学ならば全く文部科学大臣はかかわらないと。おかしいじゃないですか。どうやって教育研究の特性を確保するんですか。
○政府参考人(林省吾君) 私が申し上げましたのは、本法案、地方独立行政法人法案に基づく認可はそういうことでございますけれども、別途、教育機関としての大学の設置認可という観点から、文部科学大臣が学校教育法に基づき認可をすることとなっております。
○宮本岳志君 もうまともに答弁できないという状況じゃないですか。
  私は、この法案、欠陥だと言うのはそこにあるんですよ。いいですか。これは、つまり教育研究の特性に配慮するためだといって、公立大学の定款は総務大臣とともに文部科学大臣も認可するという仕組みを作ったんです、あなた方は。しかし、本法案八十条は、総務大臣を総務大臣及び文部科学大臣と読み替えると、こういう書きぶりにしたんです。ところが、公立大学を他の地方独立行政法人と同じ第七条の一般規定で作るということにしたために、一般市の市立大学の定款は知事認可となってしまうんです。つまり、ここにもう、公立大学というようなものを国の独立行政法人通則法と同じような地方独立行政法人法案という枠に入れてしまうことの矛盾が現れているとはっきり指摘をせざるを得ません。
  そこで大臣、先ほど大臣も、五年後には、五年を目途として見直すということもおっしゃいましたよ。私は、本法案は欠陥ですので、見直すのならば、見直すよりも本法案はやめるべきだとはっきり申し上げたいですけれども、五年後を目途にやっぱりこういった問題、きちっと見直すという気がおありであるのならば、せめて本法案を修正すべきだと私、思いますけれども、いかがですか、大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) これは、地方独立行政法人という法人格を持つ公法人を作るんですよ。だから、その認可を、都道府県や政令市レベルでは総務大臣と文部科学大臣ですか、教育については、やるんですよ。教育の中身はまた別途、今まである教育関係の法令でチェックするんですよ。
  これは法人格を与える仕組みを作るための法律ですから、だから、それは政令市以下の普通の市町村レベルについては、都道府県知事が法令に基づいて、あるいは認可の基準に基づいて法人格を与えるかどうかを判断するんですよ。
  それから、先ほども山下委員に言いましたように、法律が動き出して、運用上を見て、五年後には見直すということをちゃんと申し上げたわけでありますから、見直しの結果によって必要なことがあれば、当然、我々としても、国会にお諮りして中を変えていくということは十分あり得るわけであります。
○宮本岳志君 確認しておきますけれども、文部科学省、文部科学省は、この下関市立大学等々、一般市の公立大学について教育研究の特性を図る上で定款に文部科学省がかかわるということが必要だと考えませんか、定款の認可に。
○政府参考人(木谷雅人君) 先ほど総務省の方からお答えがありましたように、まず、教育機関としての大学の設置認可につきましては、学校教育法に基づきまして従来から文部科学大臣が行っておると、このことは変わらないわけでございます。
  また、この法人の定款の認可ということにつきましては、文部科学省といたしましては、必要に応じ都道府県知事に助言を行うことにより、特例規定の適切な運用が担保されるように努めたいというふうに考えております。
○宮本岳志君 大学についてはこういった重大なやっぱり問題が横たわっておりますので、現に文教科学委員会でも国立大学法人は二十一時間四十分に及ぶ質疑を尽くしているわけであります。お聞きしますと、なお本日、議了ということにはなっていないとお伺いをいたしました。
  私は、この問題を本当に徹底審議を尽くして、現場の先生方の御意見もお伺いをして、今申し上げたような様々な問題をもっともっと議論を深めなきゃならない、そういう思いで今質問に立たせていただいております。
  最後に、労働安全衛生法についてもお伺いしておきたいので、お伺いをしておきます。
  まず確認ですけれども、公立大学が独法化されれば労安法の適用になるということは間違いないですね。
○政府参考人(森清君) 労働安全衛生法の適用でございますけれども、これまでにも、現在も、公立大学にも労働安全衛生法は適用されているわけでございますが、地方独立行政法人化された場合も同様に適用されるということでございます。
○宮本岳志君 この労安法の適用問題が国立大学法案でも大問題になっております。
  国立では、来年四月一日をもって国立大学法人に移行ということで、この時点で労安法に基づく施設整備における教職員の健康、風紀、生命の安全保持などの改善措置ができるのかと、こういうことが議論されて、できなければ違法状態になるという指摘もされているわけです。文科大臣は、そういうことのないように努力して期日までに解決し終わっておくと答弁をされました。
  これは、公立大学の場合は、公立の場合は一層深刻な問題だと思います。労安法ではどういう人が置かれなければならないか挙げてありますけれども、安全管理者、衛生管理者、産業医などの配置、そして労働者、労働組合の推薦されたメンバーを含む安全委員会の設置等々、相当な予算が必要となります。
  そこで、総務大臣、仮に公立大学を法人化するという場合には、それまでにこの労働安全衛生法に基づく施設整備や改善措置が行われなければならないと私、思いますけれども、これは、大臣、よろしいですね。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、適用になっているんですよ。法人化するから適用になるんじゃないんですよ。今、公立大学は労働安全衛生法の適用があるんですよ。だから、その法律に基づいて違法状況にならないように一生懸命努力するのは当然であります。
  それから、国立は、国立大学は全部、国立大学法人になるんですよ。これは義務的にやるんですよ。公立大学は選択してもらうんですよ。今の公立大学のままでよければそうやってもらうし、この法人になる方がいいと言えばそれを選択してもらうんですよ。国立大学だと、基本的にそこが違いますよ。
  是非、御理解賜りますように。
○宮本岳志君 選択であるということはだれも争いはないんですよ。しかし、そういう選択肢を作ることの是非をめぐって議論をしているんじゃないですか。しかも、地方財政をこれから絞り込んでいくという骨太方針が出ているじゃないですかと私は繰り返し指摘をさせていただいているわけであります。
  先ほど、認可は覊束認可だと大臣はおっしゃいましたけれども、当然この認可に当たっては、労働安全衛生法のこういった基準についてもきちっと定めるということになるかと思いますけれども、こういう労安法の基準を満たすことがこの認可に当たって必要だということについてはよろしいですね。
○国務大臣(片山虎之助君) 何度も言いますけれども、現在適用になっているんですよ、公立大学は。国立大学とそこが違うんですよ。国立大学は今度適用を受けるんですよ。公立大学はずっと受けているんですよ。法人になったから変わる必要はない。きっちりやるということですよ、法律に基づいて。
○委員長(山崎力君) 時間ですので、手短に願います。
○宮本岳志君 もう終わりますが、本法案は、効率化だけを目的に、本来自治体自身がやるべき仕事を自治体から切り出そうというものにほかならないと思います。選択肢の一つなどというのも、三位一体といって、結局地方財政を削り込もうという意図が既に明瞭になっている現在、全くのまやかしだと言わざるを得ません。さらには、国でさえ問題があるとしてきた、大学をその他行政機関の効率化と同列に並べて論じるという欠陥法案であります。このような法案は廃案以外にないということを申し上げて、私の質問を終わります。
○松岡滿壽男君 質問通告を実はしていない案件でございますが、今朝ほど、産経新聞に「「特区」に提案」ということで、埼玉県の志木市が「市町村長廃止を」と。さっきは、谷川先生は教育委員会廃止という話をされましたけれども、そういう改革案を総務省に提出したということであります。
  いわゆる、地方自治法で定められた市町村長に代わるシティーマネジャーを議会の議員の中から選出するということでありまして、この穂坂邦夫市長が、人口規模や地域の特性に合った首長の選任制度を導入することで無秩序な財政の肥大化や議会の形骸化がなくなるということでこの提案をいたしておるわけでありまして、結局、議会の議員の中から行政事務の執行を担当する委員会を組織して、その代表者を自治体の統括代表者として行政事務の執行を行わせる。また、同じく実情に即していないという理由で教育委員会、農業委員会、体育指導員の廃止も提案しておるわけでありまして、こういういろんな議論が出てくるということは、私はやはり結構なことだというふうに思うんですね。
  今年、ペリーが下田の沖に黒船に乗ってきて百五十年。そのときに、我々の先輩たちが大騒ぎして、世界じゅうが大きく変わっている、尊敬する中国も、上海は上海化ということで植民地にどんどんなってきている、このままだったら日本はいけないということで明治維新があったわけでありますが、やはり九・一一以降の世界の状況を見ても、現在の日本の状況を見ても、これはこのままだったらどうにもならないなという思いの中でいろいろ努力をしておるわけでありまして。
  せんだっても何回か私、小泉さんに、アメリカのCIAの報告書は、日本人というのは自己改革能力が欠落した国民だと指摘されているじゃないか、それに対して我々は改革を進めなきゃいかぬという話をしておるわけでありますが。
  最近は、「「茹で蛙」国家日本」という本まで出ておるようでありまして、ゆでガエル現象といいましょうか、熱い湯にぽんと飛び込むと、まだ力がありますから飛び出す力があるけれども、ぬるま湯でずっとかがんでいると、これは気持ちがいいなと思っているうちにとうとう死んでしまう、こういう状況を示しておるわけでありまして。
  私は、このところ、知事も大分元気のいい知事が出てきて、いろんな意見を言っておりますね。市長からもこういう意見が出てきているというのは、やはり耳を傾けるべきものがあろうというふうに思うんですが、担当の総務大臣とされては、これはもう憲法の問題なんかがありますよね。憲法九十三条で、首長は地域の住民が選挙で選ぶと、こういうことになっておるわけですから。そういう問題いろいろあるにしましても、こういう地方からの声が出てきている、それに対してどのように総務大臣としてはお考えになっておられるか伺いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、松岡議員も言われましたが、私も大変問題提起としては意味があるなと、こういうふうに思っておりますが、このシティーマネジャーというのはアメリカにありますよね、御承知だと思いますけれども。執行機関と議決機関を兼ねた理事さんみたいな、日本でいえば簡単に言うと理事さん、五、六人選びまして執行の責任を持つんですよ。そこで、その理事さんの中で理事長さんみたいな人がこれが市長さんになるんですね。議長であり市長で、代表になって、そして実務は全部その理事会が選んだシティーマネジャーに任せるんですよね。シティーマネジャーはこれ雇われ人ですけれども、理事会に責任を持つ、こういう仕組みですね。
  前から我が国でもいろんな議論が実はあるんですが、今言われましたように、我が国の今の地方制度は大統領制で議会制民主主義ですから、これを、やっぱり根幹ですから、これは憲法にも絡んできますし、なかなかこれで今市町村長を廃止するというのは私は難しいと、法制論を含めて難しいと思いますが、ただ、今の我が国の市町村制度は三百四十万の横浜市から百人の何とか村まであるんですよね。三千二百が、三千二百幾らが同じ均一の市町村制度なんです。これは私は変えてもいいんじゃなかろうかと。
  今、仕方がありませんので政令市と中核市と特例市というのを作って、それと普通の市があるんですね、町村と。こういう今制度の仕組みになっているんですが、一遍、今合併も進んでおりますし、市町村の再編が一段落したら、この均一の市町村制度を見直してもっと多様な制度にする、選択制にする。場合によっては、私のところはシティーマネジャーでいきたいといえばそれは認める。こういうことを検討すべき時期に来ているんじゃなかろうかと。
  そういう意味で、大変私は適切な問題提起ではなかろうかと。ただし、これを今やろうといってこれはなかなかやれません。問題提起としての意味はあると、こういうふうに思っております。
○松岡滿壽男君 我が国の今の最大の問題というのは、やはり縮小社会に入りつつあると、少子高齢化で、人口がどんどん減っていくと。過去の世界の歴史の中で人口が減っていって豊かに栄えた国はまずないということを言われておりますね。その縮小社会の中で、どうやって豊かな気持ちで我々生き残っていくかということが最大の問題だと思うんですね。
  ところが、その前に、どうも今までのいろんな仕組み、制度というものがもう機能しなくなってきていると、制度疲労を起こしている。新しい仕組みやり直さなきゃいかぬという問題と、大変な国、地方を通じて赤字を持っているという二つの問題をどうクリアするかということだと思うんですね。
  おとついでしたか、民放で前の自民党の政調会長の亀井さんが道州制の導入をやっぱりやるべきだということをはっきり言われましたね。
  それで、やはり今一億二千万で、人口はかなり一つの国としては大きい。世界の中で見てみますと、六百万から一千万ぐらいの国が一番今元気がいいですよね、まとまっている、まとまっている。そうすると、仮に道州制ということになると、やはり一千万前後の単位になるんですね。それから、地方のコミュニティーで一番効率のいい、余り効率ばっかり追求すると怒られるかも分かりませんけれども、効率のいい仕組みというのはやっぱり三十万から三十五万ぐらいじゃないか。そうすると、十ぐらいの道州制にして、その中で三百ぐらいの市があるということですね。そうなってくると、やはりその州の中で雇用とかあるいは産業の育成とか、非常にめり張りの利いた対応が私はできると思うんですよ、全国を眺めてぱらぱらやるんじゃなくて。そういう仕組みというものもやはり考えなきゃいかぬところに来ておる。
  ところが、そういう状況の中で、今回の恐らくエージェンシーの問題は、イギリスのサッチャー改革あるいはブレア改革、これに基づいて独立行政法人を国でやっちゃったと。だから、国でやったついでに、それじゃ地方もやりますかという感じなんですね。これは確かに、先ほど来議論が出ているように、ただひたすら効率、能率を追求しているだけで、一つの理念とか哲学、地域をどうしていくんだと。やはり地域の中で、まず地域住民がそれぞれの地域における公共を自律的に担っていくというその視点というものがイギリスの改革の場合はあったわけですよ。ところが、日本の場合は、いまだに中央集権があって、ずっと県があって市町村があるという三重制の中で上から命令をしてやっていくと。国が取りあえずやったから地方もやるということでは、どうもへりから見ておっても元気の出る話でもないし、全くその辺の理念、哲学がこれは欠けているんじゃないかという感じが実はするんですね。だから、いろんな議論が出てくる。
  その辺は、大臣はこのローカルエージェンシーについて、サッチャリズムとブレアの考え方はそれはちょっと違うわけですけれども、明らかにサッチャー氏が言っていたことは、新しいうちを作るためには古いうちは壊さなきゃいけませんと。しかし、古いうちを壊す前にどんな新しいうちを作るかを見せなきゃいけないと。その部分が日本全体の改革にもないし、今回のこの法案も見て、結局、また国の特殊法人の天下り先を確保して、独立行政法人で、今度は地方のお役所の天下りを確保しようと、こういう形にしか見えてこないということが非常に残念な思いがするんですが、その辺についての理念、方向性、どのようなものを考えてこれを出されたのか、お答えをいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 質問の冒頭で言われました、やっぱり道州制というものはこれから大いに議論していくべきことだと思いますね。
  府県制度の改革、再編、そういう中で三百ぐらいと言われましたが、昔から廃藩置県じゃなくて廃県置藩というのが、昔の藩が大体三百五、六十だったそうでございますから、それを一つの基礎的な自治体にするという意見も十分傾聴に値する意見なんで、これから地方制度調査会等を中心に我々も、役所としても十分検討してまいりたいと、こういうふうに思っております。
  それから、このエージェンシーなんですが、私はこれは一つのやり方だと思っているんです。例えば、大学だとか試験研究機関だとか大規模国際関係の施設だとか社会福祉施設の一部だとか地方公営企業なんかについて、本当にそれぞれの機関が活性化して機能を果たすためには、役所と同じことにする必要は私はないんじゃないかと。
    〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
  試験研究機関でいろんなことをやったらいいんですよ、民間と提携して、産学官ですから。それは場合によっては、北京大学なんか、あれ大学がベンチャー企業をやっているんですよ、幾つも。かなりパテント持ってもうけているんですよ。そういうことも私はやる必要があるんじゃなかろうかと。むしろ、そういう機関の活性化のためにエージェンシーというのは、エージェンシーといいますか独立行政法人制度というのは私は活用できるんじゃなかろうかと。
  ただ、問題は運用ですよね。やる人の意欲ですよね。それがどういうことになるのかということなんですが、仕組みとしては、こういう公共性がありながら、むしろ自律的にやらせる、自由にやらせる、民間的にやらせるというものがあってもいいと思うんですね。ただ、最小限の公共性がありますから、最小限と言ったらいけません、基本的な基礎的なやっぱり関与ですね、議会の関与だとか設立団体の関与だとか、そういうことは私必要だと思いますけれども、そういう古いものの中で自由にやらせるということは、むしろこういうそれぞれの機関の活性化になるんじゃないかと。その活性化することが逆に地域の活性化につながったり、地域住民の大きい意味での福祉の増進につながるんじゃないかと。問題は制度よりもやり方だと私個人は思っておりまして、是非これも選択肢の一つとして加えることが私はどこが悪いんだろうかと。いろんな仕事があるわけですからね、地方団体の仕事の中で。国も同じです。そういうふうに思っておりまして、的確なお答えになったかどうか分かりませんけれども、私個人はそういうふうに思っております。
○松岡滿壽男君 結局、イギリスのやった改革を形だけはまねているんですけれども、中身が結局、英国の場合は地方自治の本旨、地域住民自らが地域の公共性を担うもの、民が営むという基本的な思想があったわけですよね。その部分がやはり今回のローカルエージェンシーには基本的にも欠落して、財政面とか効率とかそればっかりやって、国もやったからついでに地方もやろうじゃないかというのがどうも先に見えてきちゃうわけですよ。それが非常に残念な思いがいたしますので、確かに形だけのものじゃなくて運用だということを大臣はおっしゃいます。それは確かにそうだと。ただやはり、国がやっていることを地方がまねるというまだ時代なんですよね。
  だから、そこは国の方ももう少ししっかりしないと、例えば去年の四月のデータで、二〇〇一年四月に設立された五十七の独立行政法人の民間の役員の登用は十四名にとどまっていると。全役員の九割に近い百四十五人が旧組織からの横滑りか省庁からの天下りであるというデータがこれ現実にあるわけですよね。それで、昨日か今日の新聞ですか、国土省はさすがに道路公団に対して苦言を呈しておるようですけれども、天下りの問題について。
  この辺がやっぱり、結局中央でやっていることを地方がまねるだけということでは、先ほど来申し上げているように、大きく時代を変えて、地方が元気を出して頑張っていかないと国はもう変わらぬぞというぐらいの馬力を出さないかぬところに、まだいつまでたっても三位一体の議論とか、独立行政法人、国もやったから地方もやりなさいよということじゃ、これはちょっと時代を変えていくようなエネルギーにならぬのじゃないかという苦言をあえて呈させていただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(片山虎之助君) 国の独立行政法人は、松岡委員御承知のように、国そのものであったものを、これちぎったんですね。そうしますと、やっぱり仕事の継続性からいうと、そういう人をそのまま役員にせないかぬのですね。それから、民間からと言っても来ないんですよ。待遇の問題がありますよ。それから、仕事について詳しくないということもあるので。しかし私は、しかしおいおいやっぱり民間からの登用を増やしていかなければ国の独立行政法人化した意味がないんですね。だんだん変わってくると思いますけれども、私どもの方のところも幾つかありますけれども、なかなか今すぐ、どうぞと言っても、民間から、よしと言って来てくれる人はなかなかいないなという感じは持っておりますが、できるだけ今後努力してまいりたいと、こういうふうに思っておりますしね。
  それから、やっぱり私は、もうこれ持論なんですが、地方が元気にならなければ国は元気にならないし、地方から変わっていかなければ国は変わらないので、そのためには地方にエネルギーを持ってもらわないけませんね。そのエネルギーの一つが権限なんですよ。もう一つが税財源なんですよ。自分で自由に使える金なんですよ。国からひもが付いてきて、一々細かいところまで、重箱の隅まで指図されちゃエネルギー出てこない。
  それから、もっと有為な人が、地方でよし頑張ろう、地方の市町村役場や県庁でやろう、地方の独立行政法人でやろうと、こういう雰囲気を作っていくことも必要なんで、そのためには今後努力していきたいと思いますけれども、総務省、まだできて二年半でございまして、なかなかこれからの努力の余地がまだ多いなと、こういうふうに思っておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
○松岡滿壽男君 都道府県はともかくとして、やっぱり市町村というのは地域住民の中で一番密着した仕事をしているわけですよね。先ほど来議論がありました下水道とか上水道とか病院、それから交通、あらゆる問題がそうですよ。だから、そういう面では本当に住民参加によってやっぱり元気を出していくということが基本的に大事なんですよね。
  その住民参加できるような仕組みが今度のこの法案の中であるのかということが、非常に我々から見てもどうなんだろうかなと、住民の自発性を生かした参加ができる仕組みというものがないんじゃないかという思いが一つありますね。
  それと、この団体の長の任命については、結局それぞれの自治体の長がされると。だけれども、その中身についての会計その他については、経理その他については議会で一応報告すると。そうすると、長と議会がこの問題についてどの程度関与できるのか、住民がどの程度関与できるのか、この二つについて分かりやすく御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(畠中誠二郎君) まず、議会の関与でございますが、地方独立行政法人の設立に当たっての議決、それから定款の変更、料金の上限の設定、それから中期目標の作成変更等々については議会の議決が必要ということになっております。
  それから、議会へ報告すべきということにつきましては、例えば各事業年度に係る業務の実績評価の結果、それから中期目標に係る事業報告書、それから中期目標に係る業務の実績評価の結果、それから特定地方独立行政法人の常勤職員数、これらにつきましては議会へ報告しなければならないということになっております。
    〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
  それから、住民の参加でございますが、基本的には住民から選挙された議会が、私が今申し上げましたような議決等でチェックすることでございますが、住民が直接参加する方法につきましては、それぞれ地方公共団体で、今でもそうだと思いますが、適切にその意見を反映するような措置を講じられるのではなかろうかというふうに考えております。
○松岡滿壽男君 国、地方を通じて、今七百兆円ぐらいの借金がございますよね。そのほかに、一月ぐらい前ですか、東京新聞に出ておりましたが、国レベルの特殊法人、独立行政法人を含めて四百五十兆円赤字を抱えていると。だから、実際、七百兆じゃなくて千二百兆円だという数字が出ていました。したがって、一億二千万の国民、赤ちゃんまで入れて一千万円の赤字を抱えているという記事が出ておりました。
  そのほかに、今回、土地開発公社、これは独立行政法人の対象外になっておるようで、対象外ですかね。それで、結局その土地開発公社も平成十三年度末現在で七兆一千五百六十三億円の土地を保有していると。それで、五年以上保有が四兆一千億、十年以上が一兆八千億、ほとんどこれはもう塩漬けでもうどうにもならない状態になっている、その借金がこれだけ七兆円あると。
  そのほかに、地方公営企業、これが一万二千六百十一事業ありまして、決算規模は二十一兆。赤字が一応四百九十二億の赤字があったけれども、これが黒字に転じているということでありますが、例えば病院会計その他は、これは累積赤字はもう物すごくこれあるわけですね。
  そのほかに、今度は第三セクター。第三セクターも数が一万百五十九法人。それで、これは出資、出捐金の総額は五兆三千八百四十七億円と。その中で地方公共団体の出捐金が三兆一千億これはあるわけですよ。
  そうすると、全体の国、地方の赤字、公あるいは準公営のこれは総額は一体幾らあるんだということがひとつ見えてこない。少なくとも千二百兆ですか、東京新聞が出した、それはあるんだろうなと。
  そうすると、要するに三位一体議論のときに総務大臣随分頑張られたわけですけれども、八十一兆の今年の国の一般会計で見ますると、税収が四十二兆しかない、かつて六十何兆あったのが、もうどんどん減ってきて四十二兆しかない。それから、地方財政計画が八十六兆円、そのうち地方税収入は三十二兆しかないわけでしょう。そうすると、三十二兆と四十二兆を足すと七十四兆しかないと、税収が。これを一対一にせいというのが総務大臣、頑張られて、税源移譲の問題を頑張られたわけですけれども、足しても七十四兆しかなくて、千何百兆という借金があったら一体これはどうなるんだという問題があるわけですよね。
  しかも、その中に、なかなかはっきりしないのが、第三セクターの赤字が一体何ぼなのか、地方公営企業の決算、これどうなんだ、土地開発公社の実態はどうなんだと。その中で土地開発公社は別にするというのは一体どういうことなのか。
  この辺、第三セクターと地方公営企業とそれから土地開発公社、これの地方独立行政法人への移行についての、現在のところの収支状況と、どういう見通しになってくるのか。もちろん、自主的な判断でそれぞれがやるわけですけれども、見通しはあらかじめ、ある程度のことは持っておられると私は思うんですが、その辺についてのお話を聞かしていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(林省吾君) 御質問の件につきましては、私ども、現在、地方独立行政法人の制度の枠組みを地方団体と御相談しながら、また御意見をお聞きしながら、地方の実態に合うようなものにしようという検討をしている状況でございまして、御指摘のような、例えば地方公営企業の中で具体的にどのぐらいのものが地方独立行政法人に移行するのか、最終的なといいますか具体的な数字はまだ持ち合わせておりませんことをお許しいただきたいと思います。
  ただ、地方公営企業の中では、病院関係等につきまして、このような制度ができれば活用したいとか、御議論いただいております公立大学等につきましても、このような制度に魅力を感じている団体が出ているというお話を幾つか御紹介はできますけれども、全体的な姿はクリアになっておりません。
  なお、三セクにつきましては、先ほど御答弁も申し上げましたが、地方独立行政法人とは全く別の存在だ、制度的にも全く別物だというふうに考えておりますので、この点につきましては今回の独立行政法人に関係しての調査等もいたしておりません。
○松岡滿壽男君 土地開発公社は。
○政府参考人(大野慎一君) 土地開発公社は、先生御案内のように、昭和四十七年に、公有地の拡大の推進に関する法律という法律によりまして地方団体の全額出資で公法人として作られたという経緯がございます。
  御指摘のような、長期的な土地保有のまま、かなり塩漬けされた土地を持っているという実態もございますので、実は今、私ども、経営の健全化という観点から、基本的には設立団体の責任において財政的な手当てをする中で、例えば先行取得事業債で土地開発公社が持っている土地を買い上げる場合の手当て、あるいは特別交付税による手当てなどやりまして、今その改善を進めている最中でございます。
  実は、この健全化の対象の市町村が全国で七十二ございますけれども、今鋭意この計画を作っていただきまして改善に取り組んでいるということでございますので、今回のこの独立法人の対象にはならない、土地開発公社として、法律に基づきまして健全化を進めるというふうにいたしたいと思っております。
○松岡滿壽男君 土地開発公社についてはそういうお考えということでありますが、第三セクターの方も大体四割近くが赤字なんですよね、実態的に。これについてはどういうふうに対応を考えておられるんでしょうかね、指導とか。
○政府参考人(林省吾君) 第三セクターにつきましては、御心配いただいておりますように、かなりの団体におきましてその経営状況が大変苦しくなっているような三セクが出てきております。
  ただ、それらにつきましては、今後ともその事業を引き続き進めていくのかどうか、また、現状にかんがみまして整理をした方がいいというものにつきましては、清算手続に入ることも含めて、内容を分析した上で判断すべきことを地方団体に対して再三御指導を申し上げているわけであります。
  ただ、組織あるいは運営の中身につきまして、また当該三セクが持っている資産状況等にかんがみまして、今後とも地域の実態から見て当該業務を進めていく必要がある場合は、今後とも健全な経営ができるような体制作りを急ぎつつ、運営の仕方を見直していただきたいということも申し上げているわけであります。
  いずれにいたしましても、三セク、いろんな形態のものがあるわけでございますが、こういう地方財政との関係の深い三セクもございますので、私ども、今後の健全化を第一にしながら、三セクの経営実態を見直していただきたい。そして、必要なものは、また、今後見通しが付かないものにつきましては早く清算手続に入るようなことも含めて、御指導申し上げていかなければならないと考えているところでございます。
○松岡滿壽男君 第三セクターの赤字は、大きな数字では十兆四千億という数字も実は出ておりますね。これはバブルの時代にレジャーとかかなり大きなものを手掛けているところがありますね、地方によっては。それはもう地方自治体の枠を超えて、処理できないものがあるんだろうと思うんですね。そういうものについては国はどの程度地方の相談に乗ったりしておられるんでしょうかね。これはもう十兆円という数字は物すごい大きな数字ですよ、これ、中央にとっても。いかがでしょう、そこは。
○政府参考人(林省吾君) 第三セクターはいろいろな形態を取っているものがあるわけでございますが、地方財政といいますか、地方団体の立場からいたしますと、地方団体が出資をしている第三セクター、特に行政補完型のような形で第三セクターという方式を取りまして、地方団体が出資なり債務負担をしながら運営されている第三セクターの行方については、非常に大きな関心を持って各地方団体を見守っているわけであります。
  私ども、毎年のように三セクの経営状態等につきまして調査をすることにいたしておりますが、その調査結果を踏まえて、地方団体が出資をし、あるいは地方団体が大きな関係を持つ三セクにつきましては、その経営健全化を図ることを第一に、また、経営健全化を図ろうとしてもなかなか取り巻く経済情勢等で難しいものにつきましては、その三セクとしての経営の在り方といいますか、今後ともそれを続けていくのかどうかも踏まえて判断をしていただきたいということで、御相談に乗っているわけであります。
  直接私どもがタッチするものではない、民法的な法人形態を取っているものでございますので直接は入っておりませんが、それぞれの地方団体が、関係する三セクの健全化なりあるいは今後の在り方につきまして御相談する場合、その法的なやり方等につきまして、個別に御相談がある場合は御相談に乗らせていただいているところでございます。それ以上のところにはまだ私ども入っておりません。
○松岡滿壽男君 あと、広域行政で導入されている一部事務組合ですね、これはそれぞれやはり多くの課題を皆抱え込んでしまっているんですけれども、住民への活動実態や経営内容の開示が十分ではないわけでありまして、政策決定の過程やその責任の所在も明確でない場合もあるわけですね。これはやはり効率的な行政体に変革をしていかなきゃいけないというふうに思うんですけれども、この一部事務組合の独立行政法人化への移行の支援、これは法的に、あるいは財政的にどのように考えておられるのか、伺いたいと思いますが。
○政府参考人(畠中誠二郎君) 先生御指摘の一部事務組合でございますが、これは先生も御案内のとおり、一つは、消防なんかは一部事務組合でやっておる例が多いんですが、消防はこの対象にはなりません。
  それから、病院とか保育所等の福祉事業、これについて一部事務組合でやっておる例が多いわけでございまして、この病院、福祉事業につきましては、この地方独法化ということが可能性としては考えられるところでございます。
  ただ、一部事務組合においてこの地方独立行政法人を設立する場合、これは普通の地方公共団体が独法を設立する場合と同じでございまして、当該組合の議会の議決を得て定款を定め、総務大臣又は都道府県知事の認可を受けるということとなるものと考えております。
  それから、設立そのものに対しての財政的支援等についてでございますが、これにつきましては、一部事務組合だからといって特にその財政的支援は考えていないところでございますが、都道府県や市町村が設立する際と同じように、円滑に手続が進められるよう、私どもとしましては、いろいろな情報提供とか、御相談があればその技術的助言を始め、必要な支援を適時適切に行ってまいりたいというふうに考えております。
○松岡滿壽男君 地方公務員制度とのかかわりでありますけれども、中央におきます独立行政法人の職員の身分については公務員に準拠することで決着を見たわけですけれども、地方独立行政法人の場合においては特定独立行政法人と一般独立行政法人とに区分することで決着を見たようであります。
  ただし、給与や雇用条件などは地方公務員に準拠するということのようでありますが、これからいろんな改革を、それぞれの分野で思い切った改革を進めていかないとこれはもうどうにもならぬ状態に追い詰められている中で、柔軟な発想で経営していくことが片方で独立行政法人で求められながら、片方で地方独立行政法人に準用してしまうと、地方公務員法をですね、こういうことになると設立の意義が半減してしまうおそれもあるわけでありますが、今回、地方自治の在り方をある面では変えていくことになるかも分からない地方独立行政法人を導入していくことを契機として、採用とか給与、昇進、福利厚生、退職金などを規定した地方公務員制度の抜本的な改革を視野に入れていかなきゃいかぬのじゃないかという思いがいたすんですけれども、こういう新しい統治形態を導入しながら片方で古い形態の地方公務員制度をやはり温存していくということになると、非常に難しく、対応がですね、見えにくい結果にまた終わってしまう可能性があるんですね。
  しかし、やはり導入する以上は、そこで働く、現場で働く人たちが意欲を持って、誇りを持って働ける状況を、やっぱり士気をきちっと高めていく努力は必要であるわけでありますから、そういういろんな角度を考えながら今後の地方公務員制度をどのように改善していくのか、どのような検討を進めようとしておられるのか、それについてお話を伺いたいというふうに思います。
○政府参考人(森清君) 地方独立行政法人の職員の給与とか雇用条件の問題の御指摘でございますが、先生御指摘のように二つタイプがございますけれども、地方公務員身分を有する特定地方独立行政法人の職員の給与の場合は、法第五十一条でございますけれども、そこには、職務の内容と責任に応ずるものであり、かつ職員が発揮した能率が考慮されるものでなければならないというふうに書いてございまして、ただ給与の支給の基準については、同一又は類似の職種の地方公共団体の職員等の給与や法人の業務の実績その他の事情を考慮して定めるということで、準拠ということではないわけでございます。また、勤務条件につきましても、法律の第五十二条でございますが、地方公共団体の職員等の勤務条件その他の事情を考慮するということで、当該地方独立行政法人が定めるということでございまして、これまた準拠ということではないわけでございます。
  また、もう一つのタイプの地方公務員身分を有しない一般地方独立行政法人の職員の給与につきましては、法律の第五十七条でございますが、職員の勤務成績が考慮されるものであり、その給与の支給の基準については、当該一般地方独立行政法人の業務の実績を考慮し、かつ社会一般の情勢に適合したものとなるように定めるというふうに書いてございます。また、労働条件につきましては、当然のことながら、労使間の交渉を尊重し、基本的には地方独立行政法人成立後に結成される労働組合と使用者である地方独立行政法人との間で締結される労働協約に基づくということになるわけでございます。したがいまして、地方独立行政法人の職員の給与とか勤務条件というのは、単に地方公務員に準拠させるというものではないわけでございます。
  また、地方独立行政法人制度導入の趣旨が、業務運営の自主性、自律性を高めることにより機動的、弾力的な対応が可能となり、真に住民のニーズに合致した行政サービスを提供するということにあるわけでございますので、こういった点からしますと、地方独立行政法人が単なる従来の業務の衣替えになるということではないというふうに思っております。地方公共団体において行政サービスを提供するに当たりまして、機動的、戦略的に対応するためのツールということで有効に活用されることを期待しておるわけでございます。
  また、公務員制度改革との関係等につきましては、現在、検討が進められておりますけれども、取りあえず一般職の非現業職員を対象とした検討でございまして、今後、地方独立行政法人の職員を含む特例職種への適用については、その後の問題としましてまた検討がなされていくべきものというふうに考えております。
○松岡滿壽男君 英国のいわゆるローカルエージェンシーは英国の福祉国家政策への見直しと地方制度改革の中から形成されてきたわけでありまして、基本的には新自由主義的な視点からの効率的な行政運営を求める流れと、そして住民による自律的な共同体としての行政運営を求める流れが統合されたものであるわけですね。しかし、二十年後れのサッチャリズムにならないように、我が国が置かれている状況は本当に厳しい状況の中にあるわけですから、ゆでガエルにならぬように、思い切って跳ぶときは跳ぶというぐらいの気持ちを持ってやらぬとこれは大変なことになりゃしないかということを危惧いたしておるわけであります。
  どのように住民が自律的に地域における公共の役割を担うのか、そして独立行政法人が地域における広義の行政サービスを展開するに当たってどのような政策的リーダーシップを発揮するのか、この点に懸かっておるというふうに思います。
  そういうことを踏まえて、先ほど来御答弁ありましたような方向で是非御努力をいただきたいと思います。
  時間が参りましたので、終わりたいと思います。
○又市征治君 社民党の又市です。
  先ほど来からのずっと答弁を聞いておりますと、地方でだれがこの法案を求めているのか。ごく一部の公立大学以外は余りいないんではないかと、こんな感じを受けてしようがない。にもかかわらず、この法案は非常に大きな網を広げているという、こんなふうに思います。
  そこで、法案第二十一条に該当する事業は全体で何件、職員で何人程度、事業規模何兆円程度が適用範囲だというふうにお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) お答えいたします。
  まず、地方独立行政法人制度の対象となります事業のうち、試験研究機関につきましては、都道府県分のみ把握しておりまして、箇所数が平成十四年三月三十一日現在で八百二十七か所、職員数が平成十四年四月一日現在で二万二千五百三十四人であります。
  公立大学につきましては、平成十五年四月一日現在で、四年制大学七十六校、そのうち短期大学部併設大学十七校、そして短期大学三十校で、計百六校でございます。教職員数が、平成十四年五月一日現在で二万五千百十八人、決算額が、平成十三年度決算で五千百三十六億円でございます。
  公営企業につきましては、平成十三年度決算におきます簡易水道事業を含む水道事業、そして工業用水道事業、交通事業、電気事業、ガス事業及び病院事業で、地方公営企業法の全部また一部を適用しているものに関しましての事業数が三千九十三事業。職員数が三十四万九百十人と。決算額が十一兆一千九百六十八億円。土地や償却資産等の有形固定資産総額が三十八兆一千五百十億円。
  最後に、社会保険施設につきましては、平成十三年十月一日現在で、箇所数として三万八百七十七か所、職員数が二十四万六千七百七十二人でございます。
○又市征治君 この法案で、言ってみれば地方公営企業法が非適用の企業にもこの法案は政策次第で拡大適用される。これらを含めると約六十九万人ぐらいですよね。これだけ膨大な職員や事業量について法的位置付けを変えるのに、全体像、そういう意味では必ずしも正確にどこまで適用するかどうもはっきりしていない、こういう感じがするわけです。
  いろいろと聞いてみますと、調べてみますと、先ほど来からずっと出ているんですが、大学についていえば、国立もそうですけれども、公立も随分と反対の声が多く寄せられています。また、試験研究機関は、国のそれに比べてみますとみんな小規模なものが多いわけでありますから、個々に独立させる財政的基礎も、あるいはメリットもない。さらに、地方公営企業は、既に現行法で企業管理者や中期計画を持っておりますし、職員も労働組合法などの一定の権利がある。メリットは何もなく、予算等が議決されなくなるという住民側のむしろデメリットがあるんではないか。まして、福祉施設や公共施設関連については、これは必ずしもどうもしっかりと把握をされていなくて、今後の政策委任事務、委任だと、こういうふうにおっしゃっているんだろうと思うんです。
  もっと、そういう意味では、慎重に精査をして範囲をきちっと定めて、そして、どうしても今必要だと言うのならば種類をやっぱりもっと絞って提案されるべきだったんじゃないか、こういう感じがするんですが、その点はいかがですか。
○政府参考人(畠中誠二郎君) お答えいたします。
  国の場合は、先生おっしゃるように、ニーズが出てきた都度、個々の法律によって設立するということが可能でございますが、地方の場合はそういうことができませんので、この法案の考え方としましては、行革大綱で、国における独法化の実施状況を踏まえて地方への導入を検討するとされておるところから、国における各種の独立行政法人が現に行っている具体の事業と同種のものを基本にいたしまして、それから、地方公共団体独自のニーズも考慮しまして可能性のある事業をこの法案で網羅したということでございまして、具体的に申し上げれば、試験研究、大学の設置、管理、地方公営企業、それから社会福祉事業、それから政令で定める公共的な施設の設置、管理という類型を設定したところでございます。
  ただ、これは、先生がおっしゃるように、これがすべて一遍に独法化になるか、そのニーズがあるかということにつきましては、これがすべて短期間に独法化になるということは私どもも考えておりませんで、大臣も度々申し上げておりますとおり、選択として、選択の可能性として規定したということでございます。
○又市征治君 そこで、大臣にお伺いをしますが、自治体と住民にとっては、この公営企業だけでも毎年十三兆円余りの議決予算が議決されなくなる可能性があるんではないか、こう思うわけで、議決についていえば、せいぜい三年ないし五年に一度の目標改定や値上げのときだけになる。一般会計等からの交付金が予算議決されるというわけですが、公営企業でいえば繰入金は年に今一兆五千八百億円、こういう数字なんですが、事業全体の約一割ですね。しかも渡すときにしか議決権がなくなる。その約十倍の現行法上の公営企業の歳入歳出は全く議決がなくなる。これは、議会の権限の縮小であり、住民主権の縮小であり、それと裏腹に首長への権力集中、こんなことになるわけですが、これに代わり得る担保、それはどういうふうにお考えになっているんですか。
○国務大臣(片山虎之助君) この議会の関与を少なくするということがメリットの一つなんですよ。
  だから、基本的なことは、それは議会がやるんですよ。設立、定款の変更、料金の上限の設定、中期目標の作成、変更、条例で定める重要な財産の処分、あるいは解散、それから毎年議会に報告する事項も幾つも重要なものはあるんです。できるだけ議会や設立団体の関与を縮小して自由にやらせるというのに意味があるんですよ。日本郵政公社みたいなものですよ。あるいは国の独立行政法人で、がんじがらめにしないというところに意味があるんですよ。それでもやりたいというところにそれじゃどうぞということなんで、この制度を、メリットを感じる人、メリットにできるところだけがやりゃいいんですよ。みんなやらせようなんて思わない。
  そこで、委員が言われるように、全く危なくない事業だけに絞って、危なくないような仕組みで関与を一杯にしてやらせるというのは今までのやり方なんですよ。もっと自由にやって、失敗しても責任を取る、それが地方自治なんですよ。失敗するのも地方自治、失敗して責任を取るのも地方自治。失敗したら首長や議員さん替えりゃいいんですよ、選挙で。それが議会制民主主義なんですよ。
  危なくないように護送船団みたいにやるという今までのやり方を私は直す必要があると思っております。
○又市征治君 首長にとっての効率化が住民の利益に必ずしも結び付かない、こういうケースも、先ほど来から出ているような三セクやいろんなことでもいろいろとあるわけです。
  そこで、歯止めについて一つ見解を伺いたいわけですが、この評価委員会は、法案第十一条で、附属機関としてメンバー等は条例で柔軟に決めろと、こうされているわけですが、しょせんは首長の任命制ですよね。実効性を持たせるためには、長に対する勧告権を持たせるべきじゃないか、こう思います。
  また、八十八条で、長の立入調査権を定めていますけれども、この評価委員会にも調査権を持たせるべきではないかということですね。
  さらに、評価委員会と住民及び議会との関係は、長を通さずに直接にもルートがあり得るものとすべきじゃないか、こう考えますが、どうですか。
○政府参考人(畠中誠二郎君) 評価委員会の人選等については、お答えいたします。評価委員会の委員さんの人選等につきましては、先生御指摘のとおり条例で定めることになっておりまして、その当該評価について経験のある有識者が人選されることになろうかというふうに考えております。
  また、業績の評価につきましては、毎年度の実績について評価委員会が評価し意見を申し上げることになっておりますし、中期目標が終了後につきましては、設立団体の長がその組織の在り方について廃止、民営化も含めて見直すということになっておりますし、その見直す際に評価委員会の意見を聞くということも規定されておりますので、この点につきましては国の独法の評価の仕組みと基本的には同じ仕組みになっておるところでございます。
○又市征治君 いや、ちょっととんちんかんな答弁なんで。あなたは、さっき大臣に聞いたことをあなたは今答えている。そうじゃなくて、評価委員会に実効性を持たせる、そういう方策について私が提案をしたのをあなたはどう考えるかと今のところ聞いているんですよ。そこのところはもう全然食い違いがある。
  もう一遍答弁願います。
○政府参考人(畠中誠二郎君) 失礼いたしました。
  私ども、評価委員会が実効性のある評価ができるように、国の独法の評価について規定されているところに準じた仕組みを導入したわけでございまして、評価に当たって、例えば設立団体から意見を聞くとか、独立行政法人、いや、地方独立行政法人から直接意見を聞くというようなことも可能であろうというふうに考えております。可能であるというふうに考えております。
○又市征治君 全く全然答えになっていないんで、私が言っているのは、その評価委員会ね、長に対する勧告権を持たせたらどうか、それから評価委員会にも調査権を持たせたらどうか、それから長を通さずに住民と議会に対してもこのルートがあっていいんじゃないか、こういう点はいかがかと、こうお聞きしているんで、全然答弁になっていないですよ。
  大臣、どうですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 評価委員会というのは、やっぱりその専門家を入れて、いろんなことをそこで専門的な議論をしてもらって、サジェスチョンしてもらうんですよ、長に。長のこれは言わば諮問機関的なあれなんですよ。国も同じですね。そこで、権限は長なんですよ、やっぱり。だから、その評価の結果をどう生かすかは長なんで、その長が決める場合のしっかりした専門的な意見をもらうと、こういうことなんで、調査権という権限はありませんけれども、しかし、それは、資料の提供は長から求めれば独立行政法人はいろいろ出すようになると思いますから、この辺は国の動向を見ながら、どういうのが一番有効な評価委員会の利用の仕方かということについては検討いたしてまいりたいと思っております。
○又市征治君 ちょっと中途半端な答弁だったのが、今、大臣の答弁で、評価委員会の権限や住民及び議会との直接の関係を妨げないという、こういうことだというふうに私は解釈をしておきたいと思いますし、確認しておきたいと思うんです。
  それで、併せて大臣、情報公開についてお伺いをしますが、総務省研究会の二〇〇八年の報告書は、地方独法について透明性が極めて重要だから情報公開せよと、こう書いているわけですよね。ところが、今の法案の第三条第一項は業務を公表するよう努めなければならないという、どうも一般的な努力義務しか書いてない。情報公開とは明記していないわけですね。これは少なくとも、ちゃんとやっぱり進んだ形で研究会でそこまで出しているのになぜ後退しているのか、少なくとも情報公開と明記すべきじゃないかと、こんなふうに思うんです。これが一つと。
  もう一つは、また独立法人が第三条二項の自主性尊重を盾にこの情報公開を拒否した場合はどちらが優先するのか。少なくとも私は、同条第一項冒頭の公共上の見地にかんがみて当然情報公開の責務が優先をされるべきじゃないかと、こう思うんですが、その点、大臣、いかがですか。
○国務大臣(片山虎之助君) この法律には御承知のように、重要項目の公表制度を御承知のように中に書いておりまして、例えば、業務方法書、財務諸表、中期計画及び年度計画、評価委員会による評価の結果、それから役員報酬の支給の基準等を、ここまで全部公表しろと言っていますから、公表はさせてもらう。しかし、それだけでも不十分だというんで情報公開を求めるケースがありますよね。そういうものは、根拠はやっぱりこれは地方ですから、情報公開条例に決めてもらわなきゃいかぬと。
  だから今、情報公開条例の見直しもお願いしておりますけれども、もし情報公開条例がないところ、あるいは今条例はあるけれども、その中の情報公開機関にこの地方独立行政法人が入っていないところ、まあ入っていませんわね、法律まだできていないんだから。それで、そういうものについては入れてもらって、その条例の仕組みの中で公開してもらおうと、こういうふうに思っておりますし、その場合、どの範囲を公表、公開して、どの範囲が非公開にするか。それ非公開にした場合のこの一種の異議の申立てみたいなことについてはどういう扱いにするか、これはちょっと慎重に検討させていただこうと、こう思っております。
○又市征治君 国としては施行通知で情報公開条例に独法を含めるように要請をしていくと、こういうお答えだったんだろうと思います。
  さてそこで、実際に考えられるちょっと地権制の問題についてただしておきたいと思うんですが、財産の処分問題ですね。自治体の財産のうち、独法に移行可能な公営企業分だけでも土地が約四兆円、それから出資金などの投資が一兆八千二百三十億円余り、これだけでざっと大枠六兆円ぐらいですね。独法になれば、事業体が今所管する土地や施設は当然に独法へ出資その他の形で移転をされるということになろうかと思います。旧国鉄のように膨大な土地の投売りや住民の財産の解体になるおそれがある、そういう意味ではあり得る。
  そこで、法案の第四十四条で独法の条例で定める重要な財産は譲渡するには議会の議決や評価委員会の意見が必要だというふうにされています。これには何が一体全体該当するのか、条例次第で例えば土地を外すこともできるのかどうか、この点、一つ。それからまた、法案提出に当たり移管する土地や資産、またそのうち近い将来譲渡可能な分はどのくらいだというふうに試算をされているのか、この点、二つ目。この点についてお伺いをします。
○政府参考人(畠中誠二郎君) 先生御指摘のように、この独立行政法人法第四十四条で、条例で定める重要な財産については議会の議決を得ると、失礼しました、条例にゆだねられていると。規定の、条例にゆだねておるところでございますが、この重要な財産につきましては、この四十四条の規定の趣旨にかんがみれば、その業務に、地方独立行政法人の業務に供している施設や土地などが想定されるところでございます。
  それから、どのぐらいの財産が移管されるのかと、試算をしているのかというお尋ねでございますが、まだ制度が発足しておりませんで、まだ今のところ地方公共団体の要望を鋭意把握しているというところでございますので、残念ながら恐縮でございますが、そういう試算はまだできてございません。
○又市征治君 この財産の実態が明らかにならないまま移管され、いつでも処分される、こういう可能性を持っているというわけで、この法案を出す以上、たとえ自治体のものであっても、それくらいの調査はやっぱりなさっておくべきじゃないですか。それから、土地や、土地も外せないみたいな話ですけれども、これはやっぱり条例でできるだけそういうことは明確にすべきじゃないですか。その点は注文を申し上げておきたいと思います。
  時間の関係で次に移りますが、次に、公務員型、非公務員型の選択については先ほど来からも出ていますし、衆議院でも最終的に自治体の判断でやるという答弁がされていますね。国においては六十二のうち五法人を除いて公務員型と、こういうふうになっているわけですね。大臣認可に当たって非公務員型を強制しないというさっきの答弁をまず一つは確認をしておきますが、その上で、一般職に関して同意抜きの身分変更ではやっぱりこれは人権侵害、契約違反ですよね。郵政を含めて国の多くの機関が公務員型に落ち着いたというのはここが重要だったからだろうと思います。特にこの点は労働団体との合意というのが大事でありますから、国の中央省庁改革法第四十一条には、労働関係への配慮の条項がありますね。地方独法でもこれを国と同じに適用すべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(森清君) 法案の第五十九条に規定がございまして、地方独立行政法人への移行に伴いまして設立団体から地方独立行政法人に業務を引き継ぐ場合には、設立団体の条例で定める一定の内部組織の職員は別に辞令を発せられない限り自動的に当該地方独立行政法人の職員になるという、そういう仕組みとしているところでございますけれども、これは設立団体の業務と同一の業務に従事する者につきましては、当該地方独立行政法人の職員として引き続いて身分を自動的に保有し続けることができるという形を法律上措置したものでございます。
  このことはつまり、同意を不要とするこの取扱いは、国の独立行政法人に係る各個別法における取扱いと同様の取扱いとなっているものでございまして、法律的な問題はないと考えておりますけれども、なお中央省庁等改革基本法第四十一条の規定に関係する部分でございますが、地方独立行政法人への移行が行われる場合には地方独立行政法人の設立前に関係者が十分な話合いをされて、意思疎通を図りながら移行をされていくものではないかというふうに考えております。
○又市征治君 改革法四十一条の配慮とはちょっと違う趣旨のようにお聞きをしましたけれども、善意に解釈して、合意の上で全員が移行すると、こういう答えだったというふうに確認をしておきましょう。
  そこで、先ほど来も一つ出ていましたが、水道の問題についてお伺いをしておきたいと思いますが、上水道は独立法人化する案になっておって、下水道は現状どおり公営企業のままになっていますけれども、両者は正に文字どおり流れ、水循環の一環でありまして、一つの部局で運営している自治体も多いわけですね。水道局、こういう格好の中で上下水道一緒にやっている。こういう格好の中であるわけですが、この経営形態の二分化というのは正にそういう意味では効率化を含めて実にマイナスではないかと、こう思えてしようがないんです。水道と一般行政の関係については、総務省の三月の研究報告で水道は更新時期を迎えて多額の投資も必要だと、こう言っているわけですね。一般会計の支援が必要なときにわざわざ自治体の外側、議決予算の枠外へ移すというのは住民の議会への理解を遠ざけるものじゃないかと、こんなふうに思えるんですが、その点いかがですか。
○政府参考人(林省吾君) 公営企業型の地方独立行政法人制度の対象といたしまして、水道事業を始めとして八事業を対象と考えているわけでございますが、これらを独立行政法人に移行するか否かということは、繰り返しになりますが、地方公共団体の自主的な判断にゆだねられるものでございます。が、水道事業につきましては、公営企業としての定着度等を考えまして、制度上、公営企業型地方独立行政法人の対象として位置付けることが適当である、こういう判断をして御提案をさせていただいているわけであります。
  御指摘の法人への議会の関与につきましてでありますけれども、設立団体の長が議会の議決を経た上で、中期目標におきまして住民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項等を定めることといたしておりますし、それから、お触れになりました施設の更新等につきましても中期目標、中期計画に盛り込まれることになっておりますが、これにつきましてもあらかじめ議会の議決を経なければならないこととする等、設立団体の一定の関与を保ちつつ事務を行わせることといたしているところでございます。
  水道施設につきましては、確かに大量の更新期を迎えておりますが、その更新に当たりまして多額の投資を要することが予想されるわけでありますが、こうした場合におきましては設立団体からの長期借入れを認める等、現行の地方公営企業の場合と同様の財政制度となるように検討いたしているところでございまして、必要な施設の更新等に、設備の更新等に支障を来すおそれはないものと考えているところでございます。
○又市征治君 こうして聞いてまいりますと、今どうしても独立行政法人を地方に導入する理由、どうも明らかでありませんし、範囲も可能最大限広げるだけ広げた格好、こういう格好に見えるわけですね。国がやれと言うからやりますという式に自治体がこれに移行して、混乱を招きかねない、小さな自治体なんというのはそういうことになりかねません。
  改めて、業務の効率性であるとか質の向上、透明性の確保などの観点から、大臣が重ねておっしゃっておりますけれども、選択肢をあくまでも広げたものだと。そういう意味で、自治体がこれを導入するかどうかは、あくまでも自治体側の主体的、自主的な判断、慎重にそれは判断されるべきものだろうと思いますが、そうした自治体の判断を強制をしたり、ゆがめることがあってはならない、そのことを強く要請をして、私の質問を終わりたいと思います。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) この際、委員の異動について御報告いたします。
  本日、泉信也君、小野清子君及び輿石東君が委員を辞任され、その補欠として山下英利君、愛知治郎君及び小林元君がそれぞれ選任されました。

     ─────────────
○委員長(山崎力君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。(発言する者あり)
  これより両案について討論に入ります。
  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

○八田ひろ子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました地方独立行政法人法案及び同法施行法案に対して反対の討論を行います。
  反対理由の第一は、住民への行政サービスを自治体の手から地方独立行政法人に移行させることは、経済効率優先の評価制度、法人の恣意的な判断による事業縮小や廃止などを通じて、行政サービスの低下、縮小あるいは廃止につながるという重大な問題点を持っていることであります。
  そもそもこの制度の対象とする事務事業は、本来公的責任で確実に実施されることが必要な事業であります。
  反対の第二の理由は、地方独立行政法人の運営や監督について、地方自治の重要な柱である地方議会の関与を外し、住民訴訟や住民監査制度の適用外とするなど、地方自治制度を形骸化させる重大な問題点を持っていることであります。
  さらに、この制度は利用者かつ主権者である住民のチェック機能が奪われるという重大な問題点があります。情報公開に関する規定はなく、自治体任せになっており、住民監査請求なども及びにくくなり、住民参加によるチェックや民主的にコントロールすることが困難となります。その結果、汚職、腐敗が生まれやすく、新たな利権となる可能性さえあります。
  反対の第三の理由は、公立大学の法人化についてであります。公立大学の法人化は、学問の自由の基盤を著しく侵害し、高等教育、学術研究機関としての大学の発展に障害となり、大学の役割をゆがめるものであります。
  反対の第四の理由は、この地方独立行政法人への移管に当たって、自治体労働者の意思を全く考慮せず、条例によって移行するとの仕組みが取り入れられ、自治体労働者の身分変更や労働条件変更が一方的に行えることは不当な制度であるからであります。こうしたことは雇用不安を招き、自治体行政の安定性を損なうことにつながります。
  このような重大な問題点がたくさんあるにもかかわらず、このような短い審議で、国民に広く参考人になっていただくとか、あるいは公聴会を開くということも一切せずに、今日、採決を強行されることに強く抗議をし、私の反対討論を終わります。
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、地方独立行政法人法案及び関係法律整備法案に対し反対の討論を行います。
  元々自治体の公共事務として、生活用水を不自由なく供給したり、過疎地を含めて市民の交通の足を確保し、また医療サービスを提供するなど、住民の生活に密着したニーズにこたえることは、極めて地道な、地方自治法のうたう住民の福祉の仕事そのものです。
  だからこそ、公営企業の形を取っていても、病院を始め赤字部門もあり、一般会計補助を含めて成り立っています。それでもあえて効率化をというなら、住民や議会の目から遠ざけるのではなく、むしろ首長や特権官僚の専断を抑え、住民の民主的監視を強めることによって達成すべきです。
  この法案により自治体から分離させられる可能性がある事業、職員数、財産や事業規模は、いまだにその概要さえ総務省から示されていませんが、法的には最小でも職員六十数万人、事業費十二兆円以上になります。
  ところが、この法案は、この膨大な職員と事業について、第一に、議会の関与と住民の監視機能を著しく後退させるものです。独立法人化すれば、議会の関与は三年ないし五年に一度の抽象的な中期目標などに限られてしまいます。住民監査請求や住民訴訟の前提となる監査の範囲も、自治体からの支出分に限られてしまい、住民によるチェック機能が失われる危険性があります。
  第二に、事業評価の在り方です。理事長人事は首長の一存で決まるし、法人の実績等を評価するという評価委員会も首長の附属機関にすぎないため、財務会計や経営効率のみを重んじて、住民の福祉やサービスが軽視されることが懸念されます。
  第三に、事業の存廃そのものの危険です。地域において確実に実施される必要のある事務事業でありながら、三年ないし五年ごとに解散、清算のおそれが生じ、安易な民営化や事業廃止に拍車が掛かる危険性を内包しています。
  職員も、独法化によって一方的に身分が変更され、雇用は継続される保障がありません。給与決定も、公共事業であるのに経営実績次第となり、全体の奉仕者ではなく、法人経営、収益のために働くことになりかねません。
  第四に、公立大学、試験研究機関の扱いです。これらはそれぞれの地域の文化、産業の長い伝統や地域ニーズを踏まえて公立で運営されてきたのです。しかし、独法化により教育研究よりも効率性が優先され、誤った成績主義、無用な競争、ひいては独創性の喪失、大学の自治の破壊につながりかねません。
  第五に、地域住民の財産である公有地や出資、分かっているだけでも六兆円が独法への移行に伴って自動的に移管される可能性があります。効率化や赤字解消の美名の下に、これらが売却等で失われるおそれは強くなります。
  以上、この法案は自治体の本来の責任の放棄、安上がり化、住民サービスの危機につながることを指摘し、反対討論といたします。
○委員長(山崎力君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
  これより採決に入ります。
  まず、地方独立行政法人法案の採決を行います。
  本案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  この際、伊藤君から発言を求められておりますので、これを許します。伊藤基隆君。

○伊藤基隆君 私は、ただいま可決されました地方独立行政法人法案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
  案文を朗読いたします。
     地方独立行政法人法案に対する附帯決議(案)
   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について十分配慮すべきである。
  一、地方独立行政法人の設立に当たっては、地方公共団体の自主的判断を十分尊重すること。
  二、地方独立行政法人への移行等に際しては、雇用問題、労働条件について配慮し、関係職員団体又は関係労働組合と十分な意思疎通が行われるよう、必要な助言等を行うこと。
  三、地方独立行政法人の情報公開に関しては、住民に対し業務状況等を積極的に公開するとともに、その公表方法の改善に努めるよう、必要な措置を講ずること。
  四、地方独立行政法人の業績評価に当たっては、財務面のみならず、住民の意見を積極的に取り入れることにより、住民の視点に立った評価制度が確立されるよう、その体制整備に努めること。
  五、第三セクター等の経営健全化に関しては、その手段として安易に地方独立行政法人への移行が選択されないようにするとともに、地方公共団体に対し、法的整理を含めその早期抜本処理を促し、経営責任の明確化、清算の可否、民営化の是非を精査検討できるよう、必要な対策を講ずること。
  六、公立大学法人の設立に関しては、地方公共団体による定款の作成、総務大臣及び文部科学大臣等の認可等に際し、憲法が保障する学問の自由と大学の自治を侵すことがないよう、大学の自主性・自律性を最大限発揮しうるための必要な措置を講ずること。
    右決議する。
  以上でございます。
  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(山崎力君) ただいま伊藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 全会一致と認めます。よって、伊藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
  ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣。

○国務大臣(片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(山崎力君) 次に、地方独立行政法人法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の採決を行います。
  本案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
     ─────────────
○委員長(山崎力君) 次に、市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
  まず、提出者衆議院総務委員長遠藤武彦君から趣旨説明を聴取いたします。遠藤武彦君。

○衆議院議員(遠藤武彦君) ただいま議題となりました市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
  御承知のとおり、町村が合併して市となるための要件は、平成十二年の市町村合併特例法の改正により、平成十六年三月三十一日までは人口三万以上を有することとのみする特例措置が講じられているところであります。
  現在、市町村の合併につきましては、法定協議会又は任意協議会の設置が全市町村の約六割に上っており、また、多くの関係市町村からこの特例措置の延長を望む声があるところであります。
  以上のことから、市町村合併の一層の推進を図るため、この特例措置の延長を行うこととし、本案を提出した次第であります。
  次に、その内容について申し上げます。
  本案は、合併後の普通地方公共団体の市となるべき要件は人口三万以上を有することとする特例の適用期間を一年延長し、平成十七年三月三十一日までに市町村合併が行われる場合には、その適用があるものとするものであります。
  なお、この法律は、公布の日から施行するものとしております。
  以上が本案の提案の理由及び内容であります。
  何とぞ、御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(山崎力君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
  これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。
  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

○宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
  この法案は、合併後の人口が三万人以上であれば市となれるという期限措置の期限を、一年間延長して来年度末までとするものです。そもそも、地方自治法第八条には、市制を行うための四つの要件が明記されています。そのうち、人口五万人以上という条件は、市が町村と比べて重要な事務を処理するという趣旨から、市の要件としてふさわしい人口規模を有するという必要性から設けられたものです。また、市となる地域が都市的形態を備えているかどうかを認めるための要件として、連檐要件や都市的業態要件が設けられています。前回の法改正時、自治省の中川行政局長は、これら四要件は市の要件として必要であり、当面は維持すべきものだとの認識を示しました。
  そうであるならば、この特例措置は、市制をしくための条件のない地域にあえて市を作ることにほかなりません。それにもかかわらず、一定の期間を限って、しかも合併自治体についてだけ要件緩和を行うことに何の合理性もありません。このような措置の期限延長は、合併推進のためなら何でもありというモラルハザードを一層拡大し、地方自治制度に混乱をもたらすものでしかありません。
  この法案に反対する理由の第一は、市制要件の緩和が国による市町村への合併の押し付けのためのあめとむちの一環だからです。
  二〇〇〇年十二月の国の行革大綱に千を目標という数値目標が明記されて以来、自主的であるべき市町村の合併が政府主導で上から強引に進められてきました。目標達成のために交付税の段階補正の見直しや市町村に対する知事の勧告権、あるいは議員の定数、任期の特例や合併後の交付税の補償など、様々なあめとむちが用意されてきました。その一環として、新たな補助金は創設しないとの政府自身の方針に反して、新たに合併補助金が創設されました。また、今日の地方財政危機の主要な要因の一つが償還資金を交付税で手当てするとの約束で地方に公共事業のための借金をさせる手法にあったことを政府自身が認めざるを得なくなっているにもかかわらず、合併促進のためにはまたしても同様の手法による公共事業が動員されています。合併促進のためには、正に政府自身がモラルハザードに陥っていると言わなくてはなりません。
  しかも、三万人特例の期限が合併特例法本体の期限より一年前とされたのは、そうでないと合併促進のインセンティブが働かないとの理由からでありました。その期限が切れる今になって一年延長するのでは、自治体関係者を合併に追い立てるためにその場しのぎの説明で欺いたものとの批判を免れないではありませんか。
  反対理由の第二は、この三万人特例の実施が住民と自治体に新たな財政負担をもたらしているからであります。
  この特例の最初の適用を受けて一昨年四月一日に誕生した潮来市は、福祉・保健サービスの向上と行財政の効率化・基盤強化を合併に当たってのうたい文句にしていました。しかし、現実には、合併による公共事業が急増する一方、地方交付税は合併後の二年間で約六億円も減少。この結果、二〇〇三年度の予算編成に当たっては財政破綻の直前にあることを表明せざるを得なくなっています。市当局は、この財政危機の乗り切りのために、国保税や保育料の引上げ、人間ドック助成の廃止など、住民への負担増の押し付けとサービスの切捨てを計画しているばかりでなく、財政力の強化のためと称して新たな合併を視野に入れざるを得ない事態にまで立ち至っているのであります。
  第三の反対理由は、これが地方自治制度の不整合と混乱を拡大することになるからであります。
  どのような規模と形態の自治体を市にするかは、正に地方自治制度の根幹の一つとも言うべきものであります。それにもかかわらず、現在、人口が六千人に満たない歌志内市を始め七十三の市が人口三万人を満たしていない現実があります。一方で、人口三万人を超える百十八の町村が存在するという実態もあります。こうした制度の基本の検討や実態との調整こそ必要となっているにもかかわらず、これを合併促進のための手段としてのみ扱うことは、まじめに地方自治制度の拡充に取り組む姿勢に欠けるものと言わざるを得ません。
  最後に、本法案の審議に関連して一言述べます。
  法案が衆議院総務委員長から提出されたものであっても、本委員会にとっては衆議院から送付された法案であることには何の違いもありません。また、我が党はこの法案には反対であり、委員長提案ではなく議員提出法案とするよう、衆議院でも主張していたのであります。それにもかかわらず、質疑を行うことなく、討論、採決が行われようとしていることに強く抗議するものです。
  また、人口三万人要件の一年間延長という内容も、片山総務大臣が五月八日の経済財政諮問会議に提出した市町村合併推進プランに沿ったものです。政府が意図するものを国会の機関である委員長が代わって法案提出することは、立法府の見識が問われるものであることを指摘して、討論を終わります。
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりました市町村合併特例法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
  二〇〇五年三月という合併特例法の期限まで二年を切り、市町村合併の動きに拍車が掛かっていますが、国が合併を強行しようとすればするほど、自治体や地域住民からの疑問や反発も大きくなり、地域の混乱、摩擦も拡大しています。
  これらの反発や混乱は、今回の合併路線が住民の必要から出た自発的な動きではなく、国が財政の無策を地方に転嫁するため、四兆円から五兆円と言われる規模で地方交付税の削減を図り、そのため自治体にあめとむちで合併を迫っているのが実態であることを物語っています。
  国のねらうこうした合併が、町村役場の廃止、職員数の削減などにより、住民サービスの低下、地域社会の崩壊をもたらすことは明らかですが、百歩譲って住民の自主的な決断で合併するなら、それも自治と言えましょう。
  しかし、偏った情報の中で、何のために合併をするのか、どういう街を造っていくのかが明らかにされず、いたずらに、期限が迫っているから、このままでは財政が厳しいから、特例債で大きな仕事ができるから、今なら市になれるから等々の非主体的な理由で見切り発車をするのは、将来に禍根を残すばかりです。
  自治体の在り方を決める主人公は住民であり、国は合併を強いるのではなく、あくまでも住民の選択と判断を保障すべきです。
  本案に反対の第一の理由は、合併推進のためのつじつま合わせの改正であることです。
  一九九八年十二月には人口四万人特例の改正を行い、二年後の二〇〇〇年十一月の再改正で人口三万人以上の要件のみとした改正を行ったばかりです。
  四万人特例は二〇〇五年三月までにする一方、三万人特例は一年短い二〇〇四年三月までと差を付けたのは、駆け込みをあおる意図だったでしょうが、またもや法改正を重ねるのは、とにかく今合併すれば市になれるという誘導のためのこそくな手段にすぎません。
  第二の理由は、人口要件の緩和に何の理念も根拠もないことです。
  先月、総理の諮問機関である地方制度調査会が中間報告をまとめました。そこでは、今後の基礎的な自治体のイメージは、十分な権限と財政基盤を有するよう、規模は更に大きくなることが望ましく、国土の大半がこれら大きな基礎的自治体に区分けされると描かれています。
  社民党はこれを是とするものではありませんが、しかし、今回の三万人特例は、この中間報告での自治体イメージにも反しており、何ら理念や根拠がありません。
  第三の理由は、合併の場合だけ三万人の市を認める一方で、現に人口三万人以上でも、合併しなければ町村にとどめていることの矛盾です。
  仮に、市というものについて市街化率及び都市的業態人口という要件は不要とするのであれば、合併の有無に関係なく、すべて市とすることが公平なのではありませんか。そのためには、合併特例法ではなく、地方自治法第八条の本則を改正するのが常道です。
  最後に、本案は衆議院の委員会において、二会派の反対にもかかわらず、採決で無理に委員長提案とされ、本会議を通過してきています。現行法自体もほぼ同様の手続で成立しましたが、委員長提案とは、本来、各党会派間の態度が一致して論争のない案件が原則です。
  当時、決して先例としないことを求めたのに、今回また国会の守るべき慣例が踏みにじられたことは極めて遺憾であることを申し上げ、私の反対討論を終わります。
○委員長(山崎力君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
  これより採決に入ります。
  市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。

    〔賛成者挙手〕
○委員長(山崎力君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山崎力君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
  本日はこれにて散会いたします。

    午後三時四十六分散会