質問「憲法事情調査報告について

(平成15年12月3日参議院憲法調査会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 自民党の山崎でございます。
  今、コスタリカの憲法のことでいろいろお話ございましたけれども、その具体的な中身のところについて考え方をお聞きになっていれば、どなたでも行かれた方結構でございますので、御回答願えればと思います。
  と申しますのは、このいわば武力、戦争放棄の条項というのが日本の九条においても一種の自衛権の放棄ではないかと。すなわち、自然権的正当防衛権の国家としての放棄ではないかという考え方があるわけです。ですから、そこのところについての法理解釈をどのようにコスタリカでは取っているのかという点が一点。
  それから二点目は、武力紛争になったときに抵抗はしないという考え方なのか。すなわち、占領は許すと、こういう覚悟を決めてこの政策を取っているのかどうか。特に警察の場合、戦争状態といいますか、違法な侵入があった場合、住民の保護とかそういった面で人権侵害があったときにどうしてもその擁護者としての立場があるわけですが、そういった点でも他国の軍隊に対して警察として抵抗しないという覚悟でやっているのかどうかという点。
  それから第三点は、米州機構を頼むという話が、国連も含めてですが、ありましたけれども、この場合の米州機構に協力を得るといった場合に武力援助を想定しているのかどうか。
  以上三点について、お聞きになったのかどうかを含めて、教えていただければと思います。

○会長(上杉光弘君) それじゃ、団長から。市川君。
○市川一朗君 じゃ、まず私が答えて、あとを補っていただきたいんですが、一番目はちょっと私は聞いていないんですが、何かほかの委員さんから話があったらお願いしたいと思います。
  それから二番目は、公安警察で何回も確認したんですが、これで守れるという考え方です、基本的には、考え方。だから、やむを得ないということではなくて、これで守れると。それで、この体制でいく限りは、例えばニカラグアの将軍とも会って云々なんという話もいろいろ、議事録にもあるように、出ていますが、周りの国はコスタリカを侵略してくることはないと。難民がいろいろ来たりしてもそれはあくまで経済的な問題だということですね。
  この程度の軍隊で強い外国から襲われて、場合によっては負けて占領されてしまう、そういう覚悟はちゃんとできた上での憲法なのかという御質問と一応受け止めますと、いや、そういうことじゃなくて、そもそもそこが、コンセプトが違うんですね、理念が違うと。これで十分守れるという考え方で、信じているという考え方でございます。
  それから三番目は、やはりそういう条約は軍事的な面も含めて機能するというふうに理解していると私はちょっと思っていますけれども。
○山崎力君 済みません、それでちょっと質問なんですが、公安警察が対外的な武力侵略に対して対抗できると、法的に対抗できるということになれば、国際法上これは警察軍の扱いで、軍隊ではないかというのが私の感想なんです。ですから、コスタリカは軍隊は持っていないけれども、対外的な侵略行為に対抗できる武装組織、これは一般国際法では軍というわけですが、警察がその分を担っているという解釈になるのではないかなと思うんですが、その辺のところのことを含めて、ほかの方で御回答できる方があればお願いしたいんですが。
○会長(上杉光弘君) どなたかありますか。
○本田良一君 もう団長言われたとおりですけれども、非常に強調、我々もそこのところを聞いたときに、本当にあそこに行って、警察、校長の話を聞くと分かるんですけれども、二人で、何人で言ってもこれは実感がわかない、それは。言ったときに、まず攻めてこない、これをはっきりもう堂々と言われる。だから、ニカラグアの時の首相に聞いたと。あのときあんたたちは攻めてくるつもりがあったのかと。攻めないと言ったと、それを信じている。それと、米州機構に頼るのかと、よって憲法が、あの憲法がちゃんと定着をしているのかというとそうでもない。米州機構に頼るというのは、ただ条約上あるだけであって、本当に頼ろうとする気持ちは、私はなかったと思うんです。それくらい本当にコンセプトね、これが全然違う。
○会長(上杉光弘君) いいですか、山崎君。
○山崎力君 よく分からない。
○大脇雅子君 確かに、常備軍がなくて警察力があって、警察力が軍隊組織なのではないかということは日本でもよく言われているんです。それで、私たちもかなりしつこくその点を聞きましたけれども、兵士には敵があるけれども、警察には市民を守るという義務があるんだと。で、軍隊がなくても双方とも警察が担うことが可能で、敵というコンセプトが要らないというか、ないというようなことであります。したがって、沿岸警備とか空の警備ということはやって、国境警備隊の武装については特別の訓練をしているけれども、武器は市民の、最高でもM16ぐらいであって、国境警備隊の役割は麻薬や野生動物の密輸であるということで、軍隊がないということが正に最大の防衛であるというふうに説明を堂々となさいます。私どももそういう考えというものを新鮮に受け止めました。
  将来的には国連協力を見据えながら訓練というものも行わなければならないということも考えているけれども、そういう警察組織であるということで、一貫してそういう答弁でした。
○会長(上杉光弘君) はい、ありがとうございました。

(後略)