質問「二院制と参議院改革について

(平成16年4月14日参議院憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 山崎でございます。
  今日、主なテーマである二院制について、若干今までの意見を踏まえて私見を述べさせていただきたいと思います。
  これは憲法調査会ですから、現行の憲法、それから将来どうなるかというところで考えるということなんですが、私は、現実的な問題として、参院を廃止する一院制は不可能だというふうに、良しあしにかかわらず不可能だと思っております。これは最初から、何というんでしょうか、新たな憲法を作るということであるならばいざ知らず、現行憲法の改正という手続を取る以上、それは難しいということでございます。
  これはなぜかといいますと、現行憲法下において、改正のためには参議院の三分の二の決が、同意が必要でございます。ということは、自分たちが所属する参議院が必要ないという半ば参議院議員としての自己否定をする人が参議院において三分の二以上に達することは、これはちょっとあり得ないであろうというのが理由でございます。
  蛇足ながら付け加えれば、私は、参議院が無用なものとして廃止したいから、そのために参議院議員になりますということで立候補、当選された方の例を私は寡聞にして知りません。政党も全く同じでございます。
  ということは、この議論というのは、参議院廃止の一院制というのは、学者の一つのイメージとしての議論であればいざ知らず、我々がこの貴重な時間を作って参議院あるいは憲法の問題をとらえるときに議論することは、この問題は全く必要のないものと断ぜざるを得ないというところでございます。
  さて、そこででございますが、問題は、それでは現行の参議院がそのまま残るとして、このままでよいのかという議論でございまして、これはもう憲法改正とかかわりなく、参議院改革の問題として広く長く、どの程度まで深くかは別として、行われてきたところでございます。
  そして、その話合いの中で、現実の成果として、予算の審議よりもむしろ決算に重点を移すべしと、決算重視の参議院にすべしという方向で今動き出したばかりでございます。そういった点からいきますと、我々が一つまずやらなければいけないことは、憲法の問題と別にして、この特色ある現行参議院の中で決算を重視して、国民の目にそれが新たな形で、新鮮な、驚きとまでは言わないまでも、意識、気持ちを植え付けることができるかどうかというところに掛かっていると思います。
  また、その辺のところで参議院のそもそも論、これはもう私としては憲法の問題として余り議論したくないんですが、広く長くやってきた経緯と今日の議論からいきますと、参議院の性格を決める、在り方を決める一つの大きな問題というのはやはり選挙制度であると言わざるを得ない。これも参議院という選挙制度というよりも、むしろ衆参両院の性格を合わせた国会というものにどのような国民の代表者を送り込むかと、そういう意味での役割分担をどうするかということの議論であると思います。これはこれでまた長い議論が必要だろうと思います。
  そして、今いろいろな議論の背景にありますのは何かといえば、緑風会時代、政党を離れてということになりますが、その場合見逃されているのは、今の政治において、それから法律の作り方、そういったものにおいて政党を離れて議会が運営できるかという問題であろうかと思います。これは、できないとなれば、これは明らかに参議院も政党化せざるを得ない。学識のある党派色の少ない人を是非選んでくださいと、政党に所属する人が自分たちの同志が政党公認で出ているときに叫ぶはずもないわけでございます。
  そういった点で、それではどういうふうなことが問題になっているかということで、余り議論されていないのは、一言で言えば、そういう政党において衆参の定数が違うことが参議院軽視といいますか、参議院従属の形にならざるを得ない。同じ比率で当選するとすれば、同じ党派内の決定が、政権党であろうとなかろうとにかかわらず、倍であれば、比率は倍の衆議院議員がいるわけです。衆参で価値観の違った、対応の違った者が決める以上、ここでも民主主義であるならば衆議院の決定が優先せざるを得ない。この現状をどうするかという議論抜きに、国会の中での役割というものはおのず参議院としては限定的にならざるを得ないということをまず考えなければいけないと思います。
  そういった意味で、私は、今回の二院制の問題、我々の参議院のあるべき姿というものは憲法の問題とは余り関係のないところで真剣に議論して、国民のために善かれという方がより建設的ではないかということを申し上げて、終わらせていただきます。

○小委員長(保坂三蔵君) ありがとうございました。

(後略)