質問「国民保護法案などについて

(平成16年5月28日参議院イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 自由民主党の山崎でございます。
  今、イラクから残念な知らせが届いてございました。そういった中でこれから質疑させていただくわけでございますけれども、おいおい情報等も入ってきて状況は分かるかと思いますが、結果として非常に残念であると。
  ただ、今大臣からの御報告、言葉じりということを言ってはいけないのかもしれませんし、意味するところは明らかでございますけれども、どのような目的であれ渡航禁止ということが本当にその意味で適当かどうかと、純粋な意味でですね。ということになりますと、ジャーナリストも絶対行っちゃいかぬよということを政府が言っていることになれば、これは必ず議論を巻き起こすことでございますし、もう一点言わせていただければ、人道復興支援のために行っている自衛隊も、そのどのような目的の中にそこは含まれないのかと言われれば、そういうことでございますので、言葉の問題ということでございますけれども、まあ変な形から受け取られてひがんだような受け取り方だというふうにおっしゃるかもしれませんが、それは立場立場で違った受け取り方をするというのは世の常でございますので、その辺のところを是非御検討の上、考えてこれからもいただきたいというふうに思っているということを、今の報告に対しての私の感想として申し上げさせていただきます。
  それで、別に今日のこの事件で、私、関連するというつもりではないんですが、前回の我々の同胞の死亡者を出した、外務省奥大使、お二人のことに関して外務省の発表が十二日に公表、調査結果が公表されておりますし、ホームページでも出ていると。その中で、ちょっと私、読んでおりまして気になる表現がございました。と申しますのは、これは十二ページというノンブル打ってありますけれども、2の襲撃の態様(2)の一部でございます。
  現地米軍の調査に、調査といいますか聞き取りを行ったところ、襲撃は四台のSUV、スポーツ・ユーティリティー・ビークル、これは自動車の好きな方はお分かりになる言葉だと思います、行われて、そのうち二台が攻撃したと。襲撃者はRPKを用い、民間人の洋服でと書いてあるんです。服装じゃなくて洋服でと書いてあるんです。で、ケプラータイプのヘルメットを着用していたと。
  これは聞いたのをそのまま表現されたということであろうと思いますが、これはまあ目の前に置いて言うのはなんですけれども、石破さんならこの辺のところを、どういう意味する、イメージがわくかということ、一般の方はなかなか分からないかもしれない、石破さんなら分かると思うんですけれども、RPKって何だいという話から始まるわけです。
  これは、ここの注にも書いてありますけれども、よく我々が、言われている典型的なロシア製のいわゆる小銃、軍用小銃と言われているAK47から発展してきた、専門用語で言えば軍隊機銃あるいは小隊機銃と言われている、小隊や分隊に一丁ずつ配備されている形の機関銃でございます。そしてそれは、弾丸といいますか、それはいわゆるカラシニコフと同じものが使えるということで、銃身が多少長いとか発射速度が高いだろうとか、そういうことが想定されるわけですが、外観は、一番目立つところはもうそっくりなわけですよね。よく分かったねと。そこのところを、米軍は聞いていて言ったんでしょうけれども、米軍がそう思ったのか、事情聴取した人がそういうふうに言ったのか、その辺は非常に関係者なら興味あるところなんですが、一切そのことには触れておられない。
  それから、洋服を着ているというのは、その洋服がどういう意味なのか。背広なのか、それともイラクの風の民族服でないという表現なのか。
  あるいは、ケプラータイプのヘルメット、これも非常に問題でございまして、イラクの軍隊がケプラータイプのヘルメットかぶっていたかねと。私なんぞの知識からいけば、これは米軍、あるいはその行ったイギリス軍もやっているかもしれませんが、その辺の戦利品をこういうふうにかぶっていたんじゃないか、もし向こうの人でしたらね。だけど、これはそんなに多いはずないねと。ほとんど向こうの、何というか、テロリストでもゲリラでも何でもいいんですが、レジスタンスでもいいんですが、そういう人たちはヘルメットをほとんどかぶっていない。それで、それが、ヘルメットが、これ単数か複数か、一人だけかぶっていたのか大勢の人がかぶっていたのか。これも状態を見る意味で非常に難しい問題だというようなことを思い浮かぶといいますか、この表現から見るとそういうことを考えるわけです。
  その辺のところを外務省はどのような判断でこういうふうな表現を公表なされたのか、その辺についてまずお伺いしたいと思います。

○政府参考人(鈴木敏郎君) 失礼しました。
  お答えいたします。
  今先生がおっしゃられた点も含めまして、今回、五月十二日に外務省が公表いたしました資料は、今回の、昨年の事件の経緯とか状況につきまして、現地の米軍であるとかそれからCPAであるとか、現地イラク警察から入手した関連情報及び、こういったものを踏まえつつも、在イラクの日本大使館が自ら実施した調査などによってこれまでに判明した事柄を捜査に支障のない形で御紹介するという格好の趣旨で記載したものでございます。
  襲撃に使用された武器については、警察の方の鑑定結果もございますし、これに基づけばまだ銃器を確定するまでには至っておらないというふうに承知しております。外務省の調査におきましては、これも根拠は必ずしも明らかではないんでございますけれども、一部にAK47が使用されたであるとかいう認識を述べる者もおりますし、また今、先生がおっしゃられたようなことを言及している情報もあったということでございます。
  それらについての分析というものは必ずしも十分に、確かに行われておらない部分があるんでございますけれども、かつまた捜査も継続中であるという制約もございますけれども、そういった中で情報の開示には限界があるんですが、できる限りこの事件の事実関係について把握している点を世の中に御紹介したいと、そういう観点から記載したものでありまして、確かに先生がおっしゃるような点は不十分でございますけれども、そういった趣旨である点を御理解いただければというふうに思います。
○山崎力君 不十分だと認められちゃうと、それ以上何質問していいか分からぬところがあるんですが、一番の問題は、不十分だというところの一番の問題は、米軍から聞いたという表現になっているわけですよね。調査の後、調べたのを聞いたらこういうふうに出ていると。だったら、米軍がこういう情報を提供したときに、それはどういうところであなたは我々にこういう情報を教えてくれているんですかと。ケプラータイプだと言って、どこでケプラータイプの鉄かぶと、鉄かぶとと言っちゃいけないんでしょうけれども、ヘルメットと旧来の鉄かぶと的なものとの差、形状なのか、触ってみて分かったなんということはないと思う。その情報の確からしさが、根拠を提供者の米軍に聞くのは当たり前だろうと。それをやっていない、あるいはその発想がないところが問題だということを私は指摘せざるを得ないわけです。
  それで、この問題で別に揚げ足取ってというか、追及するのが問題じゃないわけですけれども、一連のこの騒ぎの問題の中で米軍誤射説というのが一部で流れました。そのときの議論も私聞いておりましたけれども、その中でちょっと一、二確認しておきたいところがございます。
  これは警察庁の担当になるかもしらぬですが、残留の弾頭部の金属組成の問題が出ていたと思いますが、これはいろいろあるんで判断が付かないということはおっしゃっていましたが、もし仮に米軍の、これは小銃弾はほとんど使われていないので機関銃弾だと思いますが、その米軍使用のNATO弾の組成がある程度見当付けば、これは消去法でいって違うであろうと。まあ米軍も同じような組成かどうかという問題もあるんですけれども、その辺のところはお調べになっていらっしゃるんでしょうか。まずお尋ねします。

○政府参考人(瀬川勝久君) お答えいたします。
  銃弾の組成につきましては、今委員御指摘のとおり必ずしも一定でございませんで、同じ業者が例えば製造したものでもばらつきがあるというふうに言われているものであります。したがいまして、銃弾の種類から銃器を特定するというようなことは非常に難しいというのが一般的なところでございまして、今回の事件に関するいろいろ金属片の鑑定等でも同様の結果が出ております。
  お尋ねの米軍が使用しているNATO弾の組成、現物というものでございますが、確かに委員御指摘のような点もあるというふうに私ども考えておりまして、その組成又は現物を入手すべく現在各方面を通じて依頼をし、調査をしているところでございます。
○山崎力君 それからもう一つ、私自身もちょっと気になったのが、あの問題がどうだったかはっきり覚えてないんですが、前回、重なっていれば失礼したいと思いますが、奥さんらの乗られた車の正面からの射撃弾痕があると。ボンネットあるいはフロントグラスにあったはずですが、その発射角度といいますか、入射角度といいますか、そこのところでどういった形でなっているか。
  これはなぜかといいますと、米軍車両に、一部言われたように追い付いてきたとすれば、ほぼ前面から、まずボンネットなりフロントガラスに撃つのが常道であろうということで言われていたんですが、その辺のところを再確認の意味もあるかも、になるかもしれませんが、分かっていることを教えていただきたいと思います。

○政府参考人(瀬川勝久君) 今回の被害車両の前面のフロントガラスあるいはボンネットの弾痕の入射角度がどういった角度であるかということについてのお尋ねかと思います。
  まずボンネットでございますけれども、車両前面のボンネットの弾痕の入射角度は下方から上方、下から上へ向けて一・四度の角度で左斜め二十八度の方向から撃たれたという状況でございます。それから、フロントガラスでございますが、フロントガラスにつきましては、実はガラスの厚さ等の関係もございまして、弾痕の正確な入射角度について測定をすることは不可能でございます、できませんでした。しかし、ガラスにこういった銃弾が当たった場合の一般的な傾向というものからあえて推測すればという専門家の所見でございますが、垂直の角度としましてはおおむね水平又はやや下方からと。それから、水平方向の角度といたしましては左斜め前方から撃たれたというふうに推定できる。これが、専門家の所見として我々得ているところでございます。
○山崎力君 ということでいきますと、これはもうここで明らかになっているという前提で、これから別の事実が出てくれば話は違ってきますけれども、今のお話と、それからここに出ている外務省さんからの公表物からすれば、これは、これが事実とすれば、いわゆるアメリカ軍の正規部隊に対して追越しとかその他、そういったところでの攻撃を受けたものではないということは容易に想定できると私は思います。
  ただし、その辺の、ケプラータイプのヘルメットと洋服ということですね。ここのところからいけば、逆に言えば、アメリカ軍であれば特殊部隊であるとかあるいはアメリカのお雇いのそういった兵器にはないけれども、ということも否定できないということも考えられるという状況だなというふうに私は思っております。
  そういった点、もしこれからあれば、これはアメリカの、まあ故意かどうかの問題も含めてですけれども、そういった点での情報を得なければこういうもののなかなか我々は判断できない。その情報をきちっと取れるか取れないか。ただ言われたことをそのまま伝えるんじゃなくて、その情報の確度とか正確の下にもう一歩突っ込んだ形の情報収集を是非外務省関係者にはお願いしたいということを申し上げて、次の問題に移りたいと思います。
  次の問題というのは、今回提案されている諸法案の関連でございますけれども、余り与党の議員として、余り担当大臣に聞きたくない問題なんですが、当法案、一連のことに関しては衆議院で修正が行われております。そして、そのときの説明をお聞きする限りにおいて、特段違和感のない説明でございました。ああ、こういう修正ならあった方がいいなというような印象を受けたわけでございますが、そういった点なぜ、言いにくいことですけれども、提案前に、衆議院での提案前にその修正部分を法案に盛り込まなかったのか、盛り込めなかったのか。その辺の御事情をまずお話しいただければと思います。

○国務大臣(井上喜一君) 今、国会の方に御提案申し上げているこの法律でありますけれども、基本的には事態対処法の中で今後整備すべきものということで大きな枠組みが決められたものと、それにつきまして、それを具体化するためのこの法案でございます。
  その際、この国会の審議におきましてもそうでございましたし、知事会なんかでも意見が出たんでありますが、テロ等に対応する措置ですね、これ緊急対処事態とも言っておりますけれども、これにつきましても所要の規定を、国民保護法制の中で規定をすべきだと、こういう御意見がございまして、私どもといたしましては、大きな枠組みの中では、何といっても緊急対処事態といいますのは国民の保護措置が中心になるものと考えておりまして、多少その枠をはみ出るといいますか、いうような形で緊急対処事態につきましても言及をする規定を置いたところでございます。
  衆議院の方の議論におきましては、むしろもっと真っ正面から武力攻撃事態と並べて緊急対処事態を位置付けて、しかるべき対処をした方がよりいいんじゃないかという御意見がございまして、与野党でそのように、与野党といいますか、与党と民主党の間でまとまりまして、所要の整備が行われたということでございまして、今委員が御指摘のように、それはそれなりに一本筋が入ったといいますか、改正になったというふうに私どもも評価をしている次第でございます。
○山崎力君 ということで、より広く対処方針にするという、当初の予定よりは全体的な対処の保護に資するものだろうということで、官房の方でも御納得いただけている修正だなということは理解いたしました。
  そこで、この問題全体を見たところ、昔から言う第一分類、第二分類、第三分類、いろいろ言われております。防衛庁から始まって担当省庁、あるいはどこの担当か微妙な問題、これを全体的に取りまとめるのが内閣官房、大臣の担当だというふうに、井上大臣の担当だというふうに承っているわけですが、これは私個人の考え方かもしれませんけれども、今度の一連の有事法制といいますか緊急事態の中で、すぽんと抜けている部分があるんじゃないかなと思っておりました。と申しますのは、これは司法関係の問題でございます。
  御承知のとおり、我が国は歴史的な背景も、戦争という背景もございまして、諸外国における戒厳令的な、マーシャルロー的なものは想定しておりません。有事その他の場合、緊急事態において、そういったことに対してはいわゆる平時における司法当局がそれを担当するという形になっております。いわゆる戒厳令といいますか、非常事態宣言等に伴うことはほとんどの国で行われておりますし、これが別に独裁者の権限でないということは、これは西欧民主主義と言われている国家でもその制度があるということで御承知願いたいわけですが、逆に言えば、そういう国であっても、我々の民主主義の先輩の国であっても、非常事態においては平時と違った特別な司法といいますか、秩序維持のための法制度は必要だという考え方になっているわけですね。
  ところが、我々は、幸か不幸かといいますか、判断は非常に難しいんですが、先ほど申し上げたような事情で、そういう制度は取らないという憲法上の要請という形で成っておりますが、その辺のことについて井上大臣はどのようにお考えでございましょうか、御所見を承りたいと思います。

○国務大臣(井上喜一君) 政府が法律案を検討いたしまして国会に提出するということにつきましては、単に一つの省庁の考え方だけではなしに、正に政府として提出するわけでありますから、関係各省の御意見を聞いて、関係各省の合意の下に法案を提出するものでございまして、したがいまして、この司法の制度につきましても、法務省との間で今ヒアリングも行いましたし、あるいは、さらにはもう少し検討が進みまして、関係省庁の課長会議というようなものもいたしまして、特別の規定は必要ないのかというようなことも議論したわけでございまして、現行法の体系の中で、民事訴訟法なり刑事訴訟法の中で対応できる、こういうことでございましたので、この司法関係につきましては特別の規定は置かなかったと、こういう経緯でございます。
○山崎力君 ということなんですが、そういう話になれば、法務省、本当に全く必要ないんでしょうかね。いろいろ専門的にやっていらっしゃるとは思うんですが、法務省としての今の有事あるいは緊急事態に対する司法制度、最終的には国民の保護という意味からいけば、法務省という役割は極めて重大であろうというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(実川幸夫君) 先生御指摘の法務省でございますけれども、民事及び刑事の訴訟手続法は所管しておりますけれども、また矯正施設などの収容施設を有しております。
  有事におけます裁判手続の遂行あるいは被収容者の避難が円滑に行われるための法制上の手当ての要否について検討をこれまで行ってまいりました。現在の民事訴訟法あるいは刑事訴訟法、監獄法などの個別の法律におきましても、災害等の非常時を想定した規定が設けられております。
  幾つか例を挙げて御説明させていただきますと、民事手続に関しましては、例えば事件を管轄します裁判所が事実上機能しなくなった場合でも、その裁判所の上級の裁判所が他の裁判所を管轄裁判所と定めるとの規定によりまして、別の裁判所で手続を行うことが可能になります。また、刑事手続に関しましては、例えば逮捕した被疑者につきまして、近隣の裁判所が事実上機能しなくなったために、別の裁判所に勾留の請求をせざるを得なくなるなどして勾留請求までの制限時間を超越した場合でも、やむを得ない事情があるときは勾留請求できるとの規定により勾留することが可能になっております。
  これらの現行法の規定に基づきまして適切な運用を行うことによりまして、有事におきましても基本的には対応が可能であると考えておりまして、裁判所におかれましても適切な運用が図られるものと承知いたしております。
○山崎力君 先ほどの言葉じゃないんですが、言葉じりですけれども、法律があるから適切な運用が図られるということではないんですよね。適切な、図られるものというのは法律からくるものじゃなくて、法律があって、その趣旨に添って適切な運用をするようにでかすといいますか、できるのは行政庁そのものなんですよ。そこのところがちょっと今の御答弁では私納得できかねるところなんです。法律が幾ら良くたって、やるべきところがやらなかったら適切な運用がこれ、できないことになるわけで、法律が適切な運用を保障するような法律でないということになれば、その法律を改めるなり新しい法律を作りましょうと、こういうことなわけですよ。
  ですから、もし御答弁なさるとすれば、現行法において我々が適切に運用できるという法体系になっております、原則的に、だから今回の、例えば有事なら有事、非常事態において、我々はそれにのっとってやれば適切な法運営ができると思いますと、こういう言い回しでないと私はおかしいと思うんですが、非常に言葉の問題で恐縮ですけれども。だけれども、本当にそうなのかね、できるのかねという疑問を私自身持たざるを得ないケースがいろいろあるわけです。
  例えば、先ほどの例でいって、本来ならば、軍事組織が軍隊においてやったときに、それなりの行動を、警察権的な行動を、司法権的な行動を取れる体制になっている部分があるわけです、これはサマワの問題でも一時その部分が取り上げられましたけれども。そういったことを考えると、もし本当に現行法で不可能じゃないという意味でいえば、自衛隊の諸君、戦闘行動その他やっていることに、司法、警察関係者、検事であれだれであれ同行して、そういった自衛隊では諸外国の軍隊では許されている行為の代行をするような格好をするんですか、軍隊と一緒に検察官が付いて歩いて犯罪人その他の犯罪を捜査するんですかと。あるいは、避難民、途中で現行犯常人逮捕した人の拘束期間について、周りに警察官も検察官も裁判所もないときに一般の人はどうしたらいいんですかと。それは法律では三日以内に、今おっしゃったことでいえば、期間内に司法警察員に引き渡すんだけれども、それがやむを得ない事情があるときは延びてもどうのこうのと、こういうふうに法律上はなっているかもしれない。だけれども、それでいいんですかと。
  この場合、自然災害その他でいろいろの今までケースがあったと思います。しかし、一般的にいう自然災害、あるいは人為災害でもいいですけれども、人為災害の最大の例が戦争だという説もありますが、一番違うことは、自然災害というのはほぼ一過性なんですよ。関東大震災であれ、この間の兵庫の阪神・淡路の震災であれ、どんと来て、それから被害がどんどん広がる、火事が広がることはあったにしても一過性なんです。何日間か、せいぜい一、二週間で済むわけですよ。ところが、有事というのはこれ年単位になっておかしくないんです。
  そのことについて、司法という部分についてその辺まで踏み込んだ検討は、もし本当に正義の実現といいますか社会秩序の最後のとりでとしての司法があるとしたら、そこまでやってしかるべきだと思うんですが、その辺の御検討はなされているんでしょうか。

○副大臣(実川幸夫君) 先ほどお答え申し上げましたように、有事におきましても基本的には対応が可能であると考えておりますけれども、委員御指摘の、今、例を挙げてお話がありましたけれども、今後想定し得るあらゆる事態に、現実に十分に対応できるような、委員御指摘を含めまして重要な検討課題であるというふうに考えております。
  今後、法務省といたしましては、今後とも有事におきましても司法が十分にその役割を果たすように、先ほど申し上げましたように裁判所等の関係機関と連携しながら検討してまいりたいと、このように考えております。
○山崎力君 ということでございまして、それで、あえて申し上げさせていただければ、法律では対応できるようになっているとおっしゃられても、事実そうなんでしょう、専門家の目から見れば。しかし、それを現実の状態、社会、置かれた状態に当てはめたときに、物理的にもこれはやるの無理だぞというような制度であれば、これはやっぱり本来、制度本来として問題があると言わざるを得ないわけでございまして、そこに有事法制、非常事態法制の難しさがある。逆に言えば、今まで我々は幸いなことにそれをやる必要が第二次世界大戦後なかったということもあるわけでございますので、その辺を含めた意味での更なる御検討をお願いして、この部分については終わりたいと思います。
  そして、こう言ってはなんなんですが、本来、今回出された部分について一、二気になったところを御質問させていただきたいと思います。
  ジュネーブ協定、国内法整備その他、追加議定書の今回の締結といった一連の作業がありました。これは、有事法制にかかわる、世界の国は当然やっていなくちゃいけないんだけれども、日本は有事法制の議論すらつい最近までできてこなかったという、私に言わせれば不幸な歴史を持っておりまして、それで今回その議論、法制化が可能になったという状況にあるわけでございますけれども。
  今回のジュネーブ諸条約の国内法整備と追加議定書締結、これを今の国会で提案されてそれを成立させるということで政府が行っているわけですが、その辺の状況判断はどういうふうなところからきているか、まずお聞かせ願いたいと思います。

○国務大臣(川口順子君) これは委員がよく御存じのように、ジュネーブ諸条約、これにつきましては、我が国が五一年にサンフランシスコ条約を締結をいたしましたときに、一年以内に入るということで宣言をしたということであったわけですけれども、その実施のために必要な国内法、この立法措置の大部分というのがいわゆる有事立法、有事法制に属するということでありまして、必要と判断されるときに整備をするという考え方、これに立って、必ずしも今まで国内法の整備が十分に行われないままに推移をしたという経緯がございました。
  それで、いわゆる有事法制でございますけれども、これは先ほど若干御示唆をしていらしたかと思いますけれども、我が国の戦後の政治状況の中で整備をする機会に恵まれなかったということがございまして、国内法の整備が必ずしも十分に行われないままになってきたということでございました。
  それで、昨年、武力攻撃事態対処法、これにおきまして、その事態対処法制は国際的な武力紛争において適用される国際人道法、これの的確な実施が確保されるものでなければならないという規定がございます。そして今般、事態対処法制の整備に当たりまして、ジュネーブ諸条約の、これを諸条約を含むでございますが、国際人道法の的確な実施を確保して国内法制の整備ということが行われる、ということを行うということにしたわけでございます。
  なぜ必要かということで考えますと、国際人道法の整備ということで、この理念の基本というものは、そもそも武力紛争という極限の状況にあって犠牲者を保護する、そういったことなどの法規範を遵守をすることによって紛争の過酷さ、惨禍をできるだけ防ごうというところにあるわけでございます。
  それで、我が国としてそのジュネーブ諸条約の国内法を整備し、あるいは追加議定書を締結をしといったことを行うということは、我が国の国民の生命、身体、財産、これを保護するということにつながることであるということはもちろんでございますけれども、同時に、国際社会において国際人道法が発展をしていくということにも貢献をするということになりますし、また我が国が国際社会において我が国に対する信頼性を高めるということにも資するといった、そういう観点を持っております。
○山崎力君 そういった形でようやっと、何というんでしょうか、国際社会との、国家と似たような形の体制になりつつあるということを喜びたいと思うわけですけれども、中で一つちょっと焦点を絞ってといいますか、ACSA関係についてこれからお伺いしていきたいと思います。
  今回の改正で、具体的に今までと違ってどんな活動が新たに可能、適用することができるようになったのか。考え方、いわく因縁は結構ですから、考え方、それから具体例をお示し願えればと思います。

○政府参考人(海老原紳君) お答え申し上げます。
  今回の改正によりまして、大きく二つの改正点、改正が行われるということでございます。一つは、武力攻撃事態又は武力攻撃予測事態に際しまして、日本に対する武力攻撃を排除するために必要な活動を行っている米軍というものとの間で、自衛隊との間で物品の役務提供が行われる、これは当然のことながら安保条約第五条に基づきます日米の共同対処、これを非常に円滑なものにするということでございます。
  それから、もう一つございまして、これは新しいACSAの第六条でございますけれども、国際の平和及び安全への寄与、あるいは大規模災害への対処その他の目的のための活動に米軍と自衛隊が活動を行っているという場合にも物品の役務、物品役務の相互提供というものが可能になるということでございまして、これは詳しくは申し上げませんけれども、例えば一例を挙げますれば、今のイラク特措法あるいはテロ特措法に基づきまして自衛隊が活動を行っている、その現場におきまして米軍との間で物品の役務の提供が行われるということによりましてその活動が更に円滑に効果的に行われるようになるということでございます。
○山崎力君 そういったことで了解できるわけですけれども、この問題でちょっと取り上げたというのは、これから御質問申し上げますけれども、どうしてもこの部分で頭から抜けないのが朝鮮有事。しかも、前例があるということでございまして、朝鮮有事の際、朝鮮国連軍というのはそのまま存続していると私記憶しております。それで、その中で米軍も当然行動していたと。
  もし、そういった場合、これは新たな国連決議が必要かどうかという問題からいけば、現実に存在している国連軍に対してどうのこうのという形にはならないと私理解しておりますが、その点も含めて、朝鮮国連軍としての米軍に対して物品役務提供するということがACSAでできるのか、適用できるのかどうか、その点はどういうふうになっておりますでしょうか。

○政府参考人(林景一君) お答えいたします。
  今委員正に御指摘のとおり、いわゆる国連軍、朝鮮国連軍と申しますのは存在しております。これは御案内のとおり、五〇年代、もう五十年も前の決議に基づいてそのまま存続しておるわけでございますが、この国連軍、朝鮮国連軍というものが、朝鮮半島におきまして何がしかの事態が生じた場合に、実際にそのまま活動することになるのかどうかということにつきましては、御指摘にもございましたとおり、あらかじめ申し上げることはなかなか難しい。その時点におきまして国連が適切な対応を取るということでございましょうけれども、もちろんその中に、それは既存の国連軍、朝鮮国連軍が活動するということを排除するものではないといった次元の話であろうかと思います。
  そういう場合におきまして、それではその朝鮮国連軍の一部として米軍が存在しておるということについて、そのこととの関係をどう考えるのか、それがそのACSAの適用対象となるのかということでございますけれども、これにつきましてはACSAの考え方と申しますのが、済みません、ちょっと長くなって恐縮でございますけれども、我が国の国内法に提供権限がある場合にのみ、このACSAの手続が適用されるということになっておるわけでございますけれども、それではそのような我が国の提供権限に当たるような国内法というものは何があるのかということで考えますと、恐らく今の状況でございますと、周辺事態法ということになろうかと思います。
  これは周辺事態法のときに先生御自身も問題を提起されたことだろうというふうに記憶しておりますけれども、こういう仮に、したがいましていろんな仮にがたくさんあるわけでございますけれども、仮に朝鮮半島で事態が生じ、仮にそういう朝鮮国連軍が活動を行う、正に仮に朝鮮国連軍である米軍が、その周辺事態法におきます要件というのがございます。これは周辺事態安全確保法に即して申し上げれば、第三条の第一項第一号で日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行う米軍というものが支援対象になるということになっておりますけれども、そういう米軍ということがございますれば、これは周辺事態法の対象になって、支援対象になる。その支援の在り方につきまして、必要とあらばACSAの今回の提供手続といいますか、ACSAの提供の枠組みを適用することが可能になっておると、そういうことでございます。
○山崎力君 その場合の朝鮮、前回の朝鮮戦争の事例を念頭に置いての質問でございますけれども、今回の議論からいけば、日本有事と同時ということもこれはあり得るわけでございます。そして、あの当時確たることは記憶しておりません、当然年齢的にも。が、いわゆる朝鮮国連軍として参加した人たちが日本から、当時占領下であったとはいえ日本から出撃していたり駐留していたこともこれまた事実でございます。
  そういった中で、今のお話ですと、同じ朝鮮国連軍に参加していても米軍以外の国連軍の構成者にはこれは適用できないというふうに聞こえましたが、そういう解釈でよろしゅうございますでしょうか。

○政府参考人(林景一君) お答えいたします。
  これは先ほども申し上げましたとおり、適用というのがACSAの話をもしなさっておられるんだとすれば、このACSAの仕組みと申しますのは、あくまで提供根拠となる国内法があるかどうかというところでございまして、そのそういう根拠法があることが前提。
  で、今申し上げましたとおり、今のような状況、御指摘のような御提起のような状況と申しますのは恐らく周辺事態法というのが考えられるということでございまして、それで、これは周辺事態法の正に御議論の際に問題提起もございましたし、政府の方からも御説明したというふうに記憶しておりますけれども、周辺事態法におきましては、これは基本的に安保条約の効果的運用に資するとの観点から、我が国の安全のために活動する、そのような米軍に対して支援をするということでございまして、それ以外の外国の軍隊に対して支援を提供するということができる根拠がないということでございますので、そういう限りにおきましてはACSAの適用というのは問題にならないということでございます。
○山崎力君 ということが記憶の根っこにございまして、今回それに付け加えるとすれば、周辺事態じゃなくて我が日本にも火が付いたというような事態でこれが適用できるかどうかということについての、何というんでしょうか、質問通告がそこまで行っていないのは恐縮なんですが、朝鮮有事という言葉と同時に、我が国、いわゆる半島同時有事といいますか、そういったときにどうなのかなという点が残るわけです。
  それはともかくとして、そうしますと、国連軍が、いわゆる朝鮮国連軍が行動していたと。そのときに日本は、あのときの議論にもあったんですよ、アメリカには協力できるけれども、例えばイギリスとかオーストラリアには協力できない。イラクに行ったときで、アメリカ軍とは共同作戦できるけれども、イギリスとかオランダとは駄目よと。もっと極端に言えば、飛行機が落っこってパイロット救出に行ったけれども、あなたはアメリカの飛行機のパイロットだから救出するけれども、あんたはイギリスの飛行機のパイロットだから駄目よと。こういう議論になりかねないということはあのときも申し上げた記憶がございますが、どうしてこれ、国連協力、国内法がないからということなんですけれども、国連協力というのは何でここに入ってこなかったんでしょうか。その辺、ちょっとお聞かせ願えればと思います。

○政府参考人(海老原紳君) 先ほど条約局長から御答弁申し上げましたように、現在日本におります国連軍というのは、これはいわゆる国連軍の後方司令部でございまして、司令官そのものは米軍の者がやっておりますけれども、あとは七か国ぐらいだったと思いますが、連絡将校がいるだけということでございまして、したがいまして、国連軍地位協定で与えられている援助というものも、これは例えば免税措置とか、極めて限られた施設の使用というような兵たん上のものに限られているということでございます。
  それでは、今委員がおっしゃいましたように、もし将来いわゆる朝鮮有事というようなものがあったときに、その国連軍がどういう形になるのかと。今申し上げましたような単なる後方支援の連絡将校がいるだけという、国連軍がどのような形になるのかというのは、先ほど条約局長が御答弁申し上げましたように、そのとき国連がどういう決議を通すのか、昔の決議をまたどういうふうにするのか、これは現時点で予断できないわけでございますけれども、それはまたその時点において、あるいは米軍以外の国連軍に対する支援というようなものが必要になるということになれば検討が行われるということではないかと思いますけれども、ただ米軍そのものにつきましては、これは別に国連軍そのものということではなくて、先ほどの御答弁のように、これは安保条約の目的達成に寄与しているという観点から、場合によっては周辺事態法に基づいてACSAの適用があるという考え方でございます。
○山崎力君 一言で言えば、朝鮮有事以来この辺については全然変わっていないと。一番我々が、もし、まあこういうことがないにこしたことないんですけれども、こういったことを考えなくちゃいかぬところで、一番私に言わせれば蓋然性の高いところについて、今回の法案のところも、しかも我が国の国是である国連協力についても進んでいないという残念なことが明らかになってしまったという、言わざるを得ない部分がございます。これはもう当然関係者の方はそのときどうするかということは頭に入っていると思うんですが、ということを含めて、ゆめゆめ、今回の改正で有事法制が大分きれいにそろったなんというようなことを発言なさっては困るということを申し上げておきたいと思いますが。
  最後に、そこのところで言えば、おい、それじゃ、朝鮮戦争のとき、どういう法体系で日本はああいうことをやったんだいと、占領下だったからもうしようがないというので、無法状態でああいう協力をアメリカにしたのかいと、こういう問題もあるわけですよ。
  一応そういったことを念頭に置いて、逆に言えば、今回の対外的な問題、有事法制の問題でどうしても今までの歴史的なことを考えなければいけないことは、国連というものとそれから今の半島の情勢というものがもし仮に、もしもですけれども、前回と同じような形態になったときに、国連軍に対して、朝鮮戦争第一次と言っちゃいけないんでしょう、前回の朝鮮戦争と同じような協力を日本ができない法体系になっていると。このことだけは是非皆様方に、関係者の皆様方に御理解願いたいというふうに思うわけでございます。
  最後の質問になってちょっとこれあれなんですが、法体系を幾ら作ってもというところから一、二御質問申し上げたいと思います。
  これは、去る四月の二十八日に、羽田空港の中に覚せい剤を使用したという人が車で突っ込みまして、走り回って、空港閉鎖になったということがございました。今回の場合でいえば、テロ、ゲリラ、そういったものに対して警備を取らにゃいかぬといったときに、あんなことをされていて、おい、大丈夫なのかよということが我々の中であったわけでございます。警備その他も、工事中でございますけれども、そういったところ、空港警備に問題があったんじゃないかと。
  しかも、その後、対応がどこがどうなっているんだかよう分からないという時間経過がかなりあったと思うんですが、空港管理者、警察、そういった中で連携も含めてどこに問題があって、どういうふうにそれにこれから対処しよう、まあ言葉は嫌な言葉ですが、反省なさっているのか、その辺の事情についてお聞かせ願いたいと思います。

○大臣政務官(鶴保庸介君) 御指摘のとおり、四月二十八日の事案につきましては、空港における保安体制の強化が求められております中でこのような事態が起こりましたことを重大なことと重く受け止めておるところでございます。
  今回の事案は、空港警備上脆弱な地点があり、そこを突かれたことにより強奪された自動車の侵入を許すことになったものであり、初期段階において情報が錯綜し、空港事務所と警察との情報共有、連携にも課題があったと認識をしております。
  今回の事案の発生を踏まえ、国土交通省では、同様の事案が発生することのないよう、仮設施設の設置状況の把握及び防御体制の強化、フェンス、ゲート等の空港施設の強化、巡回警備の強化はもちろんのこと、緊急事態発生時の連絡体制の強化、ホットラインなどを作りまして、警察部局との連絡体制をより一層強化すること、そしてまた、不法侵入対応訓練をこれから積極的に実施をしてまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(瀬川勝久君) お答えいたします。
  警察といたしましても、御指摘のとおり、今後の空港警備の在り方ということで、これは大変大きな課題を残したものというふうに認識をしております。
  先ほど国土交通省の方からも御答弁ございましたが、警察といたしましても、大きなポイントといたしましては、警戒、警備上注意を要する箇所、特にフェンス、工事中のところですね、こういった場所につきまして情報を空港管理者と共有していなかったということでございます。
  それから、事件を警察として認知した後、空港管理者への通報が、これが結果的に遅れたということが、これはもう否めない事実でございます。
  それから、制限区域内にパトカーが立ち入るということについて、これは空港管理者の方の許可を要するという通常の取扱いになっております。したがって、時間が掛かったということでございまして、これは、緊急事態にはこれは速やかに中に立ち入らなきゃいけないということだろうというふうに思います。
  こういった点で、反省すべき点が多々あったというふうに考えております。
  警察におきましては、国土交通省と連携をいたしまして、既に警備上の問題点あるいは警戒重点に関する認識を共有をし、事態発生時における連絡通報体制を確立をする、あるいは対処方策に対する計画を共同して策定をする、あるいはそういったものに基づいて実践的な訓練を取る、行うというような諸点につきまして、全国都道府県警察、空港を管轄をいたします都道府県警察に対し指示をしたところでございます。
  こういった施策をしっかりと推進をし、この種事案の再発防止に徹底を期してまいりたいと思います。
○山崎力君 本当に、警察が一本で警備するところはいいんですけれども、別に管理者がいて、それが公なりそれなりのところだったりすると、今みたいにパトカー突っ込むのに許可が要るというのは、反省なさっているから言いたくはないんですけれども、逆に言えば、今までそんなことでよく済んでいたねというようなこともございます。そういう点はこれからも認識を新たにして警戒、警備に就いていただきたいと思いますが。
  今回の事案でもう一つあったのは、これは空港が閉鎖されましたから、そのときに、まだ時間帯からいって飛行場には乗客を乗せたままの飛行機が多数いたわけです。降りようとしたのをどこか別なところに行けとか、離陸しようとしたのをストップ掛けるとか、いろいろあったんですが、そういう飛行機の機長、乗客に対しての状況説明が非常に不十分だったという事実がございます。
  それからもう一つ、時間の関係もあって続けて質問させていただきますが、もしあのときに本当のテロリストだったら、すなわち航空機を破壊するような行為をしていたら、あるいは、時々サマワでも出ているようですが、迫撃弾等の着弾があったという認識されていたら、飛行機に乗客を乗せておいたままに放置する、情報提供じゃなくて放置するというのは、これは極めて危険なんです。そこまでいかないでも、もしあの犯人が乗用車あるいはバスで空港内を走って、止まっている飛行機に衝突して火災でも起きたらどうなんだと。こういうことは現実にゲリラじゃなくてもあり得たはずなんです。それが全然乗客に情報伝わらない。ただ、空港閉鎖されたから皆さん待っていてくださいと、そういう状況。こういう状況だから閉鎖されました、お待ちくださいという連絡はなかった。
  しかも、聞くところによると、その辺の正規の連絡網が空港管理者及び航空会社の間にもしっかりしたものがなかったというふうに聞いておりますが、こういうことで本当に危機に対処できるんだろうかという気がいたしておりますので、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。

○大臣政務官(鶴保庸介君) おっしゃるとおりでございまして、空港の危機管理体制の見直しを、抜本的に見直しを図らねばならないと感じておるところでございます。
  したがいまして、防災対策の状況把握の判断であるところのヘッドクオーターをもう少し強化するということと同時に、こういった場合、だれが状況を判断し、そして供用開始等々を含めてこれを判断していく部署、部局をどこにしていくかという辺りをきちっと、マニュアルを含めて、今後のマニュアルの作成を含めて考えていきたいというふうに考えております。
  先ほど先生が御指摘になられました乗客に対する情報の伝達が行き届いていなかったという御指摘でありますが、これにつきましても随時、捜査及び安全に差し障りのない範囲で乗客や航空会社に対して情報の共有を図ってまいりたいというふうに考えております。
○山崎力君 そういう答弁になるんでしょうけれども、私が今この問題を取り上げて何を申し上げたいかというと、これはあと私の演説になるかもしれませんが、お聞き願いたいんですが、こういう状況の中で、いわゆる乗客、ある意味ではこれは国民ですよ、最優先しなきゃいけない。それが、自分たちの役所の法律、先ほども話出たけれども、法律が決まっている、そういったことを何とかするために新たな法律を作るという問題でもないわけだ。法制度は整っている、理屈の上じゃ乗客が一番大事だ、だれでもそれを言う。ところが、実態には、一番最後まで置き去りにされているのは乗客だということが今回の例で極めて明らかになってしまったんですよね。
  と申しますのは、これは国全体の有事法制のときもそうなんですが、法制度は整っておりますと、特段問題はありません、あるいは今回こういう法制度を作ったので対応できると思います。そのことが本当に、そういった有事において一般国民の生命、財産をより守ることに直接はつながらないおそれが十分あるということです。役所の立場から担当の法令を点検するということは、これはやっていただかなくちゃいけないけれども、そのときに、一番最初にやるべき国民の生命、財産をどう保護するかという考え方からその部分を検討したかどうかというのは、今の事例でもお分かりのとおり、極めて問題があるのではないかというふうに私は思っております。
  運用はまた別の次元の問題とはいえ、仏作って魂入れずじゃないんですけれども、仏はだんだんできてきたかもしれないけれども、肝心の魂入れ、これはもうこれから不断の努力で関係者の皆様方にやっていただかなくちゃならぬわけですけれども、その辺について本当にこれ担当の、最後になりますが、井上大臣の方からその辺のところを、とにかくこれからも担当者としてしっかり全体の掌握に努めていただくという御決意を承りたいと思います。
  特に今回の有事法制というのは、平時における法制度では、それをそのまま運用していたのではかえって国民の生命、財産、あるいは人権を含めて損なうことがあるから、時間、場所等を限って緊急事態に対応する法制度だという基本を是非踏まえてこれからもお願いしたいと思いますので、その辺も含めてお考えを、一言で結構です、お伺いできればと思います。

○国務大臣(井上喜一君) 御主張の点は非常によく分かります。
  私もあの日、ちょうど七時半の羽田発大阪行き、伊丹行きの飛行機に乗りまして、珍しく定時前に飛行機が動いたんですね。それで二時間半余りずっと飛行機の中におりまして、連絡等については本当にどうなっているんだろうかとつくづく感じまして、今の委員ほどには深くは考えなかったのでありますけれども、確かにテロなんかを想定いたしますと、非常に大きな問題だなというふうに感じます。
  やっぱり新しい制度を作りますときには、いろんな想定する事態に応じまして、できる限りの事態に対応できるような規定を作るということは当然でありますし、また、そういうような努力をしてきたのでありますけれども、しかし、こういったことにつきましては、やっぱり状況だって変わることもありましょうし、あるいは当初考え付かなかったようなことも起こるかも分かりませんから、そういった点については常に反省をしながらよく検討していくということが大切だと思いますし、さらに加えて、今委員の御指摘のように運用ですね。
  やはり何が一番大事なのかというそのこと、特に国民保護法制というのは国民の保護なのでありまして、それをきちんと据えまして、そのためにどういうような運用をやっていくのが一番いいのかというようなことを常々反省しながら運用していかないといけないんじゃないかと、そんなことを強く感じた次第でございまして、そういう点を配慮しながら今後とも運用してまいりたいと、こんなふうに考えます。
○山崎力君 終わります。
(後略)