報告「熊本県などでの実情調査結果について

(平成17年1月31日参議院総務委員会会議録より抜粋)


(前略)
○委員長(木村仁君) 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題とし、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。山崎力君。
○山崎力君 総務委員会の委員派遣報告につきまして御報告申し上げます。
  当委員会が行われました委員派遣につきまして、その概要を御報告申し上げます。
  派遣委員は、木村仁委員長、世耕弘成理事、森元恒雄理事、伊藤基隆理事、津田弥太郎委員、山本保委員、吉川春子委員及び私、山崎力の八名であり、去る一月十一日及び十二日の両日、熊本県及び鹿児島県における行財政状況、消防、情報通信及び郵政事業等に関する実情調査を行いました。
  視察先は、熊本北郵便局、熊本県、九州管内の総務省関係機関、NHK熊本放送局、人吉下球磨消防組合、人吉市消防団、鹿児島県、県災害対策本部室及び鹿児島港本港区ウォーターフロント開発地域であります。
  以下、主要事項について順次御報告いたします。
  第一に、熊本北郵便局についてであります。
  同郵便局は、熊本市及び周辺市町村の人口増加に伴い郵便物の取扱量が増大する中、郵便物の区分作業等の効率化、利用者の利便の向上等を図るため、昨年十月に開業したばかりの郵便局であります。建物面積は九州随一であり、郵便局版トヨタ生産方式であるJPSの導入とともに、ユニバーサルデザインの積極的導入が図られております。同郵便局は熊本県内の郵便物の集中処理と県外との受渡しを行う地域区分局であり、四台の新型区分機を配備しスピードアップに努めており、職員数は、受持ち地域が拡大される本年二月には常勤、非常勤を含めて六百三十五名となる予定であります。
  第二に、熊本県についてであります。
  まず、熊本県の財政は、県税収入の占める割合が一九%と低く、地方交付税、臨時財政対策債に多くを依存しております。平成十三年度から財政健全化への取組を強化し、投資的経費、人件費等の削減に努めてきましたが、平成十六年度の地方交付税額が大幅に減額されたため、健全化の取組は振出しに戻った感があるとのことでありました。地方の視点に立った改革の推進が望まれるとのことであります。
  次に、市町村合併については、県内で取組が進み、市町村数は九十四から十八年三月末に四十九まで減少する見込みですが、休止している合併協議会もあり、県のバックアップ体制を一層強化したいとしております。
  また、同県では、ユニバーサルデザインを推進し、「だれもが暮らしやすく豊かな熊本」の実現を県政の柱に据えておりますが、政策を推進する上で、昨年六月に本院本会議で行ったユニバーサル社会の形成促進に関する決議が追い風になっているとのことであります。
  第三に、総務省九州管区行政評価局、総務省九州総合通信局及び日本郵政公社九州支社についてであります。
  まず、総務省九州管区行政評価局について、最近の特徴的な業務としては、全国各地でロープウエー等、いわゆる索道の事故が発生している中、九州においても観光地に索道が多く設置されていることから、独自に索道等の運行管理に関する行政評価・監視を行っております。
  次に、総務省九州総合通信局については、地上デジタル放送に関し、アナログ周波数変更対策が必要な世帯の四分の一が九州に集中しており、その円滑な実施が最大の課題となっております。また、九州では、自治体が整備し、将来の電子自治体の基盤となる地域公共ネットワークの進展に比べ、民間主導で進められているブロードバンドの普及が遅れており、ブロードバンドの普及を促進し、電子自治体等のメリットを住民が十分享受できるようにしていくことが課題であるとされております。
  次に、日本郵政公社九州支社では、郵政三事業の推進はもとより、地域との連携として、ふるさと小包等による九州各地の特産品の全国発信に努めております。さらに、市町村と連携した行政サービスの提供として地方公共団体事務の郵便局への受託も行われ、受託を受けた郵便局は管内でおよそ三百となっております。
  第四に、NHK熊本放送局についてであります。
  同放送局は地域放送に力を入れており、メーンキャスターに本部から呼び戻した熊本出身のアナウンサーを配置しております。また、NHKの一連の不祥事による受信料の支払拒否・保留は昨年十一月末でおよそ八百件あり、全国的な傾向から見るとその比率は低位でありますが、訪問、手紙、電話等での理解を求める活動を続けるとともに、職員の研修を強化し、綱紀の粛正に努めているとのことであります。
  第五に、人吉下球磨消防組合及び人吉市消防団についてであります。
  まず、人吉下球磨消防組合は一市一町四村から構成され、管内人口六万七千人、管内面積は県内第二位の九百七十二平方キロメートル、職員数百五名となっております。同消防組合の特徴的な取組として、消防団員の階級別教育研修を行う等、消防団との積極的な連携強化を図っていること、車両を既存メーカーによらず艤装会社に発注する等、経費節減の工夫を行っていること等が挙げられております。
  同消防組合からは、消防費に係る基準財政需要額が人口を基礎に算定され、広範な面積をカバーしていることは考慮されていないことから、面積を加味した算定法の導入が望まれているとのことであります。また、職員による気管挿管等を伴う高度救急処理訓練の視察を行いました。
  次に、人吉市消防団は小学校区を単位に五方面隊に編成され、団員数は四百九十一人となっております。消防団の位置付けとして、常備消防の後方支援にとどまらず、地域住民により密着した組織として住民の生命の確保を第一に任務を遂行しているとのことであります。団員の平均年齢は三十二歳と比較的若く、これは、欠員は当該地域で補充するとの原則の下、自治会等と連携しながら若者の補充に努めているからとのことであります。
  第六に、鹿児島県についてであります。
  まず、鹿児島県の財政状況は、地方税収入が低迷する一方、景気対策による公共事業の追加や減税の実施等により借入金残高が急増する中、平成十六年度地方交付税が大幅に削減され、四百五十一億円の恒常的な財源不足が生ずる等、大変厳しい状況にあるとのことであります。県では昨年十二月に県政刷新大綱をまとめ、人件費、投資的経費及び一般政策経費の削減に取り組むこととしております。国に対しては、地方交付税の財源調整・財源保障機能の堅持、地方交付税総額の確保等を求めるとのことであります。
  次に、市町村合併に関しては、現時点で合併により、県内九十六市町村から六十二市町村まで減少することが見込まれていますが、県からは、本県には多くの離島があり、離島地域の町村は合併したくてもできない状況にあるので、当該地域に対する国の特段の支援が求められたところであります。
  なお、昨年三月に新八代―鹿児島中央駅間が部分開業しました九州新幹線につきましては、我々派遣団も実際に乗車いたしましたが、利用状況は当初の予想を上回るペースで推移しているとのことであります。県からは、全線の早期開業が期待されるとのことでありました。
  第七に、鹿児島県災害対策本部室についてであります。
  鹿児島県は台風、集中豪雨等の自然災害の発生が多いことから、同室は災害に対する初動・即応体制の確立を図ることを目的として平成八年に整備されたものであります。同室には、気象情報、河川情報等はもとより、消防防災ヘリ等からのリアルタイムの映像情報等も一元的に集約され、これらを六面マルチスクリーンに表示することが可能であり、災害に対する迅速、的確な状況判断を行うことができるようになっております。
  第八に、鹿児島港本港区ウォーターフロント開発地域についてであります。
  鹿児島港は、大隅半島と結ぶフェリーや離島航路のターミナル等として県民生活を支える拠点の一つとなっております。また、同港は目前に桜島を有し、日本有数の景観に恵まれた港湾となっております。このような鹿児島港の特徴を生かし、現在、同港本港区に観光・商業・アメニティー施設の導入が進められています。開発のコンセプトとして鹿児島らしさの探求が掲げられており、県産材の活用などが行われています。また、施設建設の際に、土地利用については賃貸方式も活用し、事業者が進出しやすい環境づくりに努めているとのことでありました。
  以上で派遣報告を終わりますが、今回、派遣に際しまして種々御配慮いただきました関係者の皆様方に心から感謝申し上げる次第であります。
  以上でございます。

○委員長(木村仁君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
(後略)