質問「『郵政民営化への利用者の懸念』ほか

(平成17年7月15日参議院郵政民営化特別委員会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 自由民主党の山崎力でございます。
  これから長丁場になると思いますが、郵政関連六法案、今国会における最重要法案という位置付け、あるいは、先議院である衆議院での論議を踏まえた議論を参議院としてしっかりやっていきたいと思っておりますので、政府の皆様方におかれましても、首相始め、よろしく御協力のほどをお願いいたします。
  特に、総理におかれましては、簡潔に、そしてなおかつ誠実に御答弁願うことが国民の理解を得ることにつながると思いますので、その辺のところも是非御協力願えればと思う次第でございます。
  それではまず、この法案の基本的な、冒頭でございますので、基本的な問題からお話をお聞きしていきたいと思っております。
  まず第一に、この郵政民営化法案、我々関係者、御承知のような経過を経て衆議院から参議院に送られてまいりました。冒頭に当たり、その今までの経過と、参議院における審議に臨んでの総理の所信、まず感想からお聞きしたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 衆議院で百時間を超える慎重な審議が行われ、そして、委員会での採決におきましても本会議での採決におきましても、整然と審議が行われ、討論が行われ、可決されて参議院に送られてきたと。
  その間、この郵政法案に対しまして、賛否両論、熱心な審議が行われました。そして、民営化に当たって、今までの郵便局はどうなるのかという不安、懸念に対しても、与党側からそのような不安や懸念を払拭させるための修正案が必要だということを受けて修正が行われまして、参議院に送付されたわけであります。
  長時間を掛けて全政党参加の下にこうして参議院に送られたわけでありますので、今までの衆議院の経過等を参考にしながら、参議院におきましても、公社から民営化になって今までの郵便局の行われているサービスというものはなくならないと、より、民間の経営者に任せても新しい時代に対応できるサービスが国民に提供されるということについて、じっくりと参議院の審議において国民の前に披瀝いたしまして、大方の理解を得るように私も丁寧に誠意を持って対応してまいりたいと思っております。
○山崎力君 今総理のお話にございましたけれども、衆議院では法案の修正が行われたところでございます。
  その修正の内容については、昨日、我々の方、お聞きしているわけですが、なぜ修正しなければいけないということで衆議院が修正に至ったのか、その内容、考え方を是非この際お聞かせ願いたいと思います。

○衆議院議員(山崎拓君) 昨日の提案理由で申し上げましたとおり、郵政民営化は明治以来の大改革であり、国民生活とも深く関係していますことから、制度設計に当たりましては種々の不安感を払拭するものでなければならないと考えております。
  したがいまして、この法案の修正は、郵便局の窓口におきまして金融サービスが引き続き提供されるのかどうかといった懸念がございましたので、これに対応いたしまして、この法案の提出に当たりまして政府、与党合意なるものがなされておりますが、その中で法律化されていなかったものをできるだけ法律に明記するという措置をとることによりまして、より強い担保を確保するものといたしたところでございます。
  法案の修正によりまして、郵政民営化に係る国民の不安感や懸念の払拭に役立つものと考えております。
○山崎力君 ということで、修正案としてこちらに参ったわけですが、まず法案の中身に入る前に確認しておきたい基礎的な部分を総理にお伺いしたいと思います。
  まず、この法案、いわゆる民営化の考え方の根底に、民にできるものは民にと繰り返し総理申し上げられておりますが、これは非常に分かったようで分かりにくいところございます。と申しますのは、ほかにも民間と公とが一緒にといいますか並行して事業をしているものがたくさんあると。例えば医療機関、病院等ですね。あるいは教育も私立の学校があると。一番身近なところで分かりやすいので言えば公営のバスというのがございます。都バスとか市営バス。もちろん民間のバスもあると。これもいわゆる公、官と民が一緒にやっているのがある。そこのところをなぜ並立できないのかという考え方が当然あろうかと思うわけですが、その辺についての総理のお考えをまずお伺いしたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 役所なり公務員がやらなければならない仕事と民間人でもできる仕事、その点をどう区分けしていくかということは、これは必要だと思っております。
  医療機関におきましても、民間でできる分野と公的な役所が関与した病院と両方あるわけであります。また、学校におきましても公立と国立とまた私立、民間と、両方あるわけであります。それぞれ民間と公的機関、両方ありますが、消防におきましても、消防団員というのは公的な仕事でありますが、民間人がやっておられる。また、役所もやっておられると。いろいろ公的機関と民間機関、両方ありますが、この郵政三事業ということを考えますと、郵便事業でどうしても公的な分野におきましては公的な資格も与えなきゃいけないという分野もあると思います。
  同時に、できるだけ民間にできることは民間にということを考えますと、私は、貯金にしても保険にしても今民間企業でやっておられる、さらには、郵便事業、宅配事業におきましても民間でやっているという点に考えると、民間にできることは民間にという方針を小泉内閣は掲げておりますし、多くの方々もできるだけ官の関与を少なくして民間の創意工夫を発揮させるということが経済の活性化につながると。そういうことを考えますと、民間にできることは民間にと、この郵便局の業務というのは、いろいろな商品にしてもあるいはサービスにしても、役人が考えるよりも民間人が考えた方が、今想像できないようなサービスも展開される可能性が十分あると。
  そして今、公的な分野となりますと、やっぱり民間と違って、民間の分野に進出すると民業圧迫という問題も出てくると。三事業という制約があるわけですね。郵便局の仕事も、果たして今のような三事業という制約の下にやっていった方がいいのか、あるいは民間人になって、民間人に任せてこの三事業以外にも様々な事業が展開するようにした方がいいのかという点があると思います。
  そういうことから考えますと、私は民間の経営者に任せてより自由に、今の公的な関与になりますと、公的な優遇と同時に制約があります。この問題は、より自由な国民の要望にこたえられるような事業ということを考えますと、民間の経営者に任せて、民間人に任せた方がいろんなサービスが展開されるんではないかと。いい例が宅配のサービスですね。この郵便事業に参入してきて想像を超えるようなサービスが展開されて国民の利便に役立っているということから、私は郵便局の仕事も公務員でなくても十分民間でできるということから、民間にできることは民間にということも賛成ならば、各論であるものについても断行していくのが筋ではないかと思っております。
○山崎力君 今の総理の御答弁にもありましたように、非常にここのところで判断の分かれるところがあろうかと思います。マスコミあるいは経済界の人たちの論調とも、後でも問題になってくると思いますが、ずれるところもないわけではありません。
  民間にできるものが民間にやるんであれば、どんどん推し進めるんであれば、例えば公営の交通機関というのはもう民間に任せると、市営バスとかそういうのは民間の方がもっといいサービスができるんではないかという議論も出てきて、全部民営化しろという意見も当然あるわけです。そこで、市場の原理で撤退するものはやむを得ないという考え方と、それから、若干そうでないんではないかと。
  あるいは、銀行とか保険は、これは橋本行革の中でも一部出ましたけれども、これは民営化する必要は当然あってもいいけれども、今後中身の議論で出てくると思います。同僚議員からも出てくると思いますが、郵便に関しては公の部分もかなりあるんだから、その部分は残しておいたっていいじゃないかという議論もあります。その辺のところの差がどこにあるのかということが今回の法案の審議の中のポイントになろうかと思っておりますので、私なりにも意識しているところでございます。
  そのときにまず、今の総理のお話の中で、抜けていると言うと失礼ですが、現時点でこの審議を行っているその理由、すなわちなぜ今民営化なのかと、この今に絞って、現在なぜやらなきゃいかぬかと、将来はともかく、なぜ今なんだという点について改めて総理のお考えを伺っておきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、前からもっと早く民営化すべきだと思っておりました。これは郵政大臣になる前から、この郵便局の仕事というのは本当に公務員じゃなきゃできないのかと疑問に思っていたところであります。しかしながら、この民営化を主張しても、国会でももう全然相手にされないといいますか、民営化は暴論だと、公務員じゃなきゃ駄目なんだという議論が圧倒的に多かったわけであります。
  しかしながら、私は、この郵便局のサービスというのは、多くの国民の必要としているところだけれども、果たして民間人ではこのサービスはできないのかということを常々疑問に思っていたものですが、なかなかそういう声が上がらなかった。しかしながら、官業は民業の補完であるということについては、当時から、かなり前から多くの方々、議員からもそのとおりだということで、民間ではできないことを公的機関がやろうということから、最近は民間の企業でも公的な分野の仕事をしているじゃないか。そういうことから考えますと、むしろ公的な分野、官業の分野においても、民間ができるんだから、できるんならば公的な分野にも民間企業に進出してもらっていいじゃないかという議論も出てきたところであります。
  そういう中で、私は、今の郵便局の仕事というもの、これを続けていきますと、優遇と同時に三事業に制約されていますから、果たしてこれからの国際的な業務等考えますと、果たして収益を上げられるんだろうかと。官業の場合には、それぞれの赤字が出た場合には税金で補てんすればいいわけでありますけれども、今の郵便局の仕事におきましても、民間が参入することによって、果たして民間だと、歳入が取れない、採算が取れない、収益を上げられない事業はしないかというと、そうじゃありません。
  収益が上げられるところと収益が上げられないところ、全体的なことを考えながらそれぞれの事業展開して、収益を上げながら、税金を負担しながら国民に様々な事業展開をしているということから、今そのようなことを民間に任せないで公務員だけでやった方がいいじゃないかという議論もありますけれども、私は、公務員を減らしていこうと、あるいは民間と様々な事業を競争して、民間同士の競争によって、これはいろいろな商品なりサービスの展開していこうということになりますと、公務員が商売を考えるよりも、商売のことは私は民間人の方がいろんな知恵を出してくれると思うんであります。
  一国会議員が、あるいは役所が、どういう商品が国民にとって必要かと、どういうサービスが必要かということを考えると、今までの例におきましても、民間人に任せた方が私は商売の点においてはうまいのではないかということから、私は、これは早くから郵便局の仕事は公務員でなくても十分可能であると。仮に、公的な分野で民間がどうしてもできないという分野は公的な関与を持ってもいいんですけれども、全体的に考えれば、民間人に経営を任せても十分可能だということを早くから判断してきたものですから、こういう点については、将来できるだけ効率的な、簡素な、役所の、役人の関与を少なくする、そういう時代を迎えたならば、早い機会に民営化した方がいいなと思っていたものですから、もうかなり早くから民営化を主張していたわけであります。
  そして、総裁選挙のときにもこの主張を掲げて総裁に選出されたわけでありますので、その主張どおりこれを実現していくのが私の責務ではないかと考えております。
○山崎力君 まあ、いろいろこれから議論のある内容を含めた御答弁だと思いますが、本日、総論的なことを一巡、一応、私としたいと思いますので、この問題について、後刻、私自身あるいは同僚議員からの質問もあろうかと思いますので、次の問題に移らせていただきますが、私自身も含めて大多数の国民がこの郵政事業というのを経営形態まで考えて関心を持っているかというと、そうではないと思っております。
  と申しますのは、国民の関心のあるのは、先ほど総理、民間にした方がより良いサービスができるんではないかということをおっしゃっていましたけれども、まず、今国民が望んでいるのは、現行のこの郵便のサービスが将来とも維持していけるかどうかと。まあ一番卑近な例でいえば、郵便の料金八十円が八十円のままずっといくのか、はがきが五十円のままいくのか、毎日ちゃんと配達されてくれるのか、あるいは窓口に行けば貯金その他で、何というんですか、現金はすぐ来るのかと、こういったことがいろんなへんぴなところでも、あるいはドーナツ化現象で人が住まなくなったような都会でも、都心地でもずっと保っていけるかどうかというのが私は一番の望みだと思っているわけです。
  そういうような基本的な考え方として、そういう認識、私の認識について、総理はどのようにまずお考えでございましょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、その点が多くの民営化反対論者の中で心配している点だということは認識しております。
  民営化されると今までのサービスが切り捨てられるのではないか、あるいは郵便局がなくなるのではないかというような懸念、不安を払拭しなければいけないということから、十分配慮して法案を提出し、なおかつ、衆議院におきまして、そのような不安感をなくすようにより明確にした方がいいのではないかということで、修正をして参議院に送られたわけであります。
  民間でやると料金が上がるのか下がるのかということでありますが、私は、これは断定はできません。下がるものもあるだろうし、中には上がるものもあるだろうと、可能性といえば。そして、今までの郵便の事業におきましても、仮に民間でできないという場合にはできる措置も講じております。地域の貢献基金を積み立てるとか、さらには過疎地におきましても郵便局設置を義務付けるとか、そういう今における郵便局のサービスが切り捨てられることのないような措置も講じております。
  また、小包等の問題におきましても、民間が参入する際には果たして民間でできるのかという懸念もありましたけれども、逆に事業量は増大して、郵便局のやるサービスよりもはるかに様々なサービスを展開し出した。具体的に言えば、冷凍食品の販売、配達とか、あるいは夜間サービスの展開とか、こういう点についてはむしろ民間の方が先行したわけですね。
  そういうことから、私は民間人の創意工夫は大したもんだなと。一つ一つ荷物を一軒一軒運ぶというのは利益が上がるわけないという中におきましても、当初は利益が上がらなかったにもかかわらず、だんだんだんだん増えていって、むしろ利益の出ないところにもサービスを展開する、そして利益の出る分野とうまく総合的に考えながら収益を上げるようなところまで現在来ていると。
  そして、様々な熾烈な競争の上に多くの国民がいろいろな便益を受けているということを考えますと、私は、民間のそういう知恵とか国民の要望にこたえる能力というものについて、どのように生かしていくかと、活用していくかということを考えるべきではないか。仮にそして、どうしても必要な公的なサービスが民間企業ではできない場合には、その点は、国民がどうしても必要だと言うならば、そのような措置を講ずる手だては十分にあると思っております。
○山崎力君 今の総理のお話、御答弁でうかがえるように、民営化することに対しての活力、将来への希望というものを総理が非常に強くお持ちになり、そのことが今度の民営化法案を提出された総理の気持ちの中心にあるということが私なりに理解できたところでございます。
  ただ、問題は、そうなってくると、この今度の法案の制度設計が本当に不安を、懸念を払拭したものかどうかという非常に法律の中身に関しての問題と、それが現実の制度として動くときに実効性があるかどうかと。現時点におけば、これからの話ですから、予想される、予測され得る限り、問題はうまくいくんだという点検が綿密になされているかどうか。総理の思ったとおりの、思い描いたようなことが、この法律を作った中身において、行政において実行されるときにうまくいくかどうかというふうなことをここで議論し点検することが一番重要だろうということになってくると思うわけでございます。
  その点について総理も議員の、委員の中で、我々これからの議論について本当に謙虚に、こういう考え方もあるなら、こういう不安もあるなら何とかしてやらなくちゃいかぬなという柔軟な姿勢でまず委員会に臨んでいただきたいと思うわけでございます。
  と申しますのも、私なりにこの法案、今までの審議の中で勉強させていただきました、党内を含めて。そこで感じていることは、非常に大ざっぱで言いますけれども、一つは、経営者の視点というものが強く打ち出て、利用者の視点、利用者側に立った気持ち、あるいは働いている人たちの、現実にその事業に従事している人たちの立場、気持ちというものがどこまで考慮されているのかなという点にちょっと不安といいますか懸念を持っております。それと同時に、非常に、この場合、言いにくいことですけれども、行政の考え方が非常に出ていて、立法に対する、立法府に対する考え方が少し薄いんではないのかなと。この二点をまず基本認識として私持っておりました。
  順次、その点について具体的にお考えを伺わせていただきたいと思います。
  例えば、利用者の視点について非常に、まあ少し欠けている点があるんではないかというふうなこと、経営者側の視点の方が優先しているんではないかという一番分かりやすい例を申し上げますと、今までの郵便事業においては速達とか小包とかをちゃんとやるということが義務付けられておりました、法律で。ところが、今回の改正案では義務付けられておりません、外されております。
  これを、いわゆる経営者側といいますか、こういう事業を行う人の立場からすれば、そういう義務付けをすることによって、不採算といいますかそういったものを、何というんでしょう、やること自体がいろいろ自由を縛る、むしろその自由を縛ることによってサービスの低下を来すおそれがあるということを考えるわけですが、利用者側からすると、今までやってくれると約束していたことが消された、外されたということになると、将来このサービスは、当分はあるかもしれないけど、受けられなくなるんじゃないのかと、こういう不安を持つという、無理からぬところだと思うんですが、その辺についてまずお伺いしたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) お答えを申し上げます。
  委員御指摘のように、これ、利用者の利便を高めるための改革でなければなりません。そうした観点から、我々も強い思い入れを持って制度設計をさせていただいたつもりでございます。全体として経営の自由度を拡大をして、そして市場における健全な競争の中で創意工夫を発揮していただく、そして質の高い多様なサービスが提供されるようにならなければいけない。ただ、それが本当にそうなるのか点検が必要だと、委員の御指摘、これは誠にごもっともであろうというふうに思っております。
  具体的に小包と速達についてのお尋ねでございますけれども、この小包につきましては、現在、公社におきましても、書状の減少傾向が続く中で、これ、経営健全を確保するために小包分野の維持、むしろ積極的な拡大に取り組んでいるところでございます。郵便事業会社が小包の全国サービスを廃止するというのは、これは、したがいまして、むしろ大変重要な分野であるからこそ想定し難いわけでございます。
  郵便事業会社としては、民間事業会社と同一の条件の下で自由な事業展開を行うことがむしろ可能になる、一層のサービス改善等が図られて国民の利便性が向上するということが期待できる、そうした観点から、今回、小包をこの郵便の中から外すということにしたわけでございます。
  もう一つの速達でございますけれども、近年、減少傾向が顕著ではございますけれども、なおやはり年間一億六千万通の利用があるということから、これはやはり同じく経営者の視点としても直ちに廃止されるということは、これは想定し難いと思っております。
  しかし、速達としない郵便物の送達の速度の向上でありますとか、電子メールの普及等といった状況が全体としては見られておりますので、民間宅配便では、これ、何時まで差し出されれば何時までに届けると、そういう時間保証型のサービスが普及しているというのも委員御承知のとおりでございますので、今後、そうした中で郵便におきましても速達サービスの見直しが行われる可能性があるということだと思います。サービスの見直しが行われる可能性がある。このため、利用者のニーズに応じたサービスの見直しをむしろ機動的に行われる必要がある。そうした観点から、今回、速達の提供を義務付けている法律上の規定を削除したわけでございます。
  今回の改正は、今申し上げましたように、経営の自由度を拡大することによりまして、より多様なサービスの提供を可能とするものでございますので、正に利用者の利便という観点に十分に考慮した、私たちのそうした思いを制度設計したつもりでございます。
○山崎力君 まあ、政府側からすれば、制度設計した側からすれば今のような御答弁になると思うんですが、私が申し上げたいのは、そういう、それなりの経営者側からの合理的な判断でこういう法律ができているんでしょうということは理解するわけです。
  ところが、私が先ほど聞きたかったのは、利用者側からすれば、今まで法律で義務付けられてこういうサービスをして、しますよと言っていたことがその法律の条文から消えたら、不安感を持つのは当然じゃないんですかと、そのことなんですよ。それをどのように説得していくかというのは、ちゃんとやりますから、制度設計でちゃんとやれるようになっていますからということでは、私は、なかなか理解得られない。要するに、こういうのを残しておきながら今のようなことをやればいいわけですよ。
  だから、結局、法律的に義務付けを残さないということは、チャンスがあればというか、チャンスという言葉が良い機会という意味からすればちょっと違うかもしれませんが、駄目になったらそこから撤退することもあり得るよという自由を経営者の人たちに任せると。こういうふうなことで、それはそれで経済、競争社会におけるあれでは当たり前のことですけれども、官というのは不経済であっても国民のニーズがあればちゃんとやりますよと。そこの違いが私は一番の問題であって、国民がそこのところを今郵政に対して求めているか求めていないか。そこの判断が、若干私は経営視点に、今回の法律の場合、経営者側の視点に寄って、国民側からの、利用者側からの視点というのが欠けているんではないかと、そのことが国民の理解が広まらない大きな理由ではないのかなというふうな問題意識を持っております。
  そこで、順次細かい話もこれから出てくると思いますが、次に移りまして、行政側の優位性と立法府の関係について申し上げました。その典型的な例を申し上げたいと思います。
  それは、今回の郵政民営化法案第一章総則、目的、第一条、この中に、「この法律は、」云々とあって、経済社会の実現に資することにかんがみ、平成十六年九月十日の閣議において決定された郵政民営化の基本方針に則して行われる改革について云々と、こうなっているわけです。
  それだけ読めば何のことか分からないということなんですが、私が申し上げたいのは、この法律は、内閣が、行政府が立法府に対して、この法案を、こういう法律を基に行政をやりたいから立法府として立法してくれと、法律を作ってくれと、承認してくれという中身でございますが、そのときに一番トップに閣議決定、これは行政部内のことでございます。幾ら内閣総理大臣がおられ、まあ世間的に言えばトップというふうに見られておりますけれども、国会というのは国権の最高機関である、唯一の立法機関であると、こういう立場にあるわけです。それを、一番、第一条に閣議決定を基本方針に引用して、そしてやるというのは、これはまあ余り言っていいことかどうか分かりませんが、同僚議員はこの条文に対して激怒して、このこと一条をもって、郵政の中身はともかくとして、この一条をもって賛成するわけにいかぬという人もいるわけですよ。まあ何というか、気持ちの強い人はそういうふうな気持ちになりかねない中身持っているんです。
  ただでさえ、立法府というのは何なんだという話もないわけじゃない。参議院が衆議院のカーボンコピーというふうに悪口を言われるんなら、立法府は内閣の立法機関であるというふうに言われかねない。行政のための補助機関であると。そして、今回の法律、先ほども一部ございましたけれども、修正の中身で、政令を条文化して本文に加えて一部分かりやすくしたという説明ございました。このことについて言えば、なるべく法律の中身で、我々の仕事というのは、決まり事を、国民全体の決まり事を決めるのが立法ですから、そのことを実際の行政がどうやるかということを決めるのが政省令その他だと私理解しておりますんで、というところにこの閣議決定を冒頭持ってきたという、これは総理の本意でないということは信じますけれども、やはりこの点についてけじめとして総理のお考えを伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) もとより、いかなる法案も国会の承認といいますか、多数の賛成の下でしか成立し得ないわけであります。そういう点から行政府として、国会で審議をいただいて国会議員の多数による賛成を得ないとこれは機能し得ない、当然であります。そういう中で、私どもとしては、国会で審議をお願いして、政省令におきましても立法の趣旨に沿った政省令を考えているわけでありまして、行政府で何でもやれるという考えはもちろん持っておりません。どういう法案を出しても、国会で否決されればそれはいかなる行政府の考えも通らないわけですから、そういう点におきましてはよく御審議をいただいて、御理解を得られるような努力が行政府として必要だと思っております。
○国務大臣(竹中平蔵君) 国会は国権の最高機関であって国の唯一の立法機関である、これは委員も、また総理も今この場で申し上げたとおりでございます。
  条文のことでございますので一言だけ申し上げさせていただきたいんですが、今回の法案において、冒頭その閣議決定の引用があるという点でございますけれども、それと政省令への委任の点でございますが、これは努めて立法技術的な理由なものでございまして、決してその姿勢の問題とかそういうことではないんだということを是非ともこれは御理解を賜りたいと思います。
  まず、法案において、郵政民営化を定義する必要がございます。これは他の用例を参考に、他の用例といいますのは、ほかの法律でもいろいろの審議会での議論、これの決定を引用して定義するような場合がございます、他の用例がございます。そうした用例を参考に、郵政民営化のその基本的な考え方を示しておりますところのその基本方針を引用させていただいたというのは、これは正に立法技術上の現実でございます。
  それと、政省令への委任でございますけれども、これは、委任事項は、これは手続的な事項、技術的な事項など、従来から政省令への委任事項とされてきたものと思いますけれども、我々としてはそのようなものを対象にしているというふうに認識をしております。また、同種の他の法律に比べてみても、これは条文数に比べて政省令がどのぐらいあるかとかというのを比べてみても、これ今回金融等々で手続が多いんですが、銀行法や証取法に比べて決して多いというわけではございません。そういう点につきまして何とぞ御理解を賜りたいと思います。
○山崎力君 今の御答弁なんですが、そこでお互い触れてない部分がございまして、これはこういう席で言うのは何かと思うんですけれども、一番のポイント、まずこういう条文を、閣議決定を、にしきの御旗の下、第一条に持ってくるという神経が立法府を逆なでするということでございます。もし総理が本当に民営化というものを、郵政の民営化というものを必要だと考えて、国家国民のためになると思っていらっしゃるならば、正に立法府の理解をどうやって得るかと、特にこういう難しい法案であれば。そのときに、こういう、取りようによっては国会議員の身分を持つ者の神経を逆なでしかねないような条文をトップに持ってくるということに対して受け止め方がいろいろ出てくる。こういうふうなことはまず御理解していただかなきゃいかぬ、立法作業として。
  そこのところで、もう一回先ほどの言葉をより正確に言えば、同僚議員が激怒した理由からしてみれば、このときの閣議決定というのはまだ自民党の了承を得てない閣議決定だったんです、政府・与党の。ということは、党の側にとってみれば、政府側における、議院内閣制の根幹にかかわるような中身の閣議決定を条文に持ってきたと。政府側から党に対する、まあある種の威圧というか挑戦みたいな、そういうふうな感じを受け止めかねない状況が別の時点であったということを是非御理解願いたい。そういうところが今回のこの郵政の問題の審議を、中身の議論と別のところで問題になるということを、是非、総理御理解していただきたいと思う。
  このことの御理解がなければ、本当の中身の議論したときに別の感情でその議論が変なふうにねじ曲がっていく、そのことを私は、神経の使い方が足りなかった。この一条でぶっ壊れたなんていったら笑いぐさもいいところですよ、これ。中身でここがおかしいとかなんとかということで受け入れられないというなら、これは話は分かりますよ、野党も含めて。ところが、この第一条で、何でおれたちをばかにするんだということでこれが壊れて中身の議論なしだったということになると、私はこれ非常に、まあ大げさに言えば憲政史上問題の中身だなと、それだけの問題意識を持ってこの第一条を思ったということを御理解願いたいと思います。
  それで次に、関連してですが、もう一つ、この立法行為の信頼性を損ねることがもう一つございました。大きな点でございます。それは、前の郵政公社法、これは小泉内閣が提出した法律案でございました。
  もちろん、いろいろ、いわゆる法律の中身の三十三条一項、例の中央省庁等改革基本法三十三条一項の議論が衆議院ではなされたのは知っておりますけれども、この中身の問題以前にですね、というか、内閣法制局は変えることできるんだというふうにおっしゃっていましたけれども、それは当然の話で、違った政策を取った政権ができればそんな法律にかかわらず全部改正するのは当たり前、あるいは同一の政権であっても考え方の違う総理大臣が、内閣ができれば修正できるのはこれは当然のことですが、同じ総理大臣が公社法を出して成立させておいて、そこのことを、あたかもと言うと非常に語弊があるかもしれません、否定するがごとき今回の民営化法を、先ほどのお話にも、若干気持ち分かりますけれども、出されるということは、私は立法作業の、法律の安定性、信頼性を損ねかねないやり方ではないのかなというふうに思うわけでございます。
  その点について、総理の御見解をお伺いしておきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 公社法を出したときには民営化を行わないということにあるにもかかわらず、民営化を出してきたのはおかしいじゃないかという御趣旨だと思います。
  私は、公社というのは民営化の一里塚であるということを申し上げてまいりました。で、民営化を行わないというのは公社ができるまでの間でありまして、公社ができた後、私は、民営化を行うことを妨げるものではないということから、この問題につきましても、衆議院においてもあるいは参議院においても御質問をいただき、これは十分可能であるという政府見解も述べております。
  その点についてはなかなか釈然としないという方がおられるのも承知しております。しかし、政府の見解としてこれは可能であるというふうにはっきりと申し上げているつもりでございます。
○山崎力君 総理、若干そこでちょっと見解の相違が私はあると思います。それは、今の総理のおっしゃっている、まあ釈然としないことがあるかもしれないけど可能だと。それは可能なんです。それは可能だと私も思います。しかし、いわゆる政治道義的な問題として、一つの、同じ小泉総理の下の内閣が一つの価値観のあるものでこの制度を認めてくださいという公社法を出して、その中にこの郵政民営化等の議論は打ち止めですよと、これで、公社で終わりですよという条文が付いていたにもかかわらず、同じ小泉総理が民営化の法案を出すと。
  幾らそこで総理が、まあ一里塚だというふうにおっしゃっていたとしても、それだったら公社法のときにその打ち止めだという条文を出さなきゃよかったじゃないですかということにもなるし、それだったら次の小泉総理の意を継いだ後の内閣でこの民営化法を引き継いでもよかったわけですし、そして何より一番私がこの問題で問題だと思うのは、今度の民営化法もこれで終わりなんだろうかと。一つの法体系を作ろうとなさっている。だけど、公社法のときもそうだったのに、同じ内閣で変えちゃったよねと、今度もいろんなことを言ったけど、来年の通常国会で修正といいますか、まあどちらに行くかは別として、そういう法律案を出すことも可能ですよねと。法律的にはそうなんです。
  ただ、法律というのはそういうものですかと。少なくても何年間かは、まあ時限立法、限時法でいえば五年とか三年とかありますけれども、それ以上の期間はこのままこの法律でいくんでしょうという期待を一般に持たせるものが立法作業だと思うんです。
  その点について、私は今回のやり方というのは、幾ら総理の思いが民営化にあったとしても、立法手続としていかがなものかと言わざるを得ない。これは総理がこれだけで済むと言えばそうかもしれないけれども、前例がなるわけです。そうすると、今後のいかなる内閣も、法律を出してもちょっと何かがあれば、そのときはこれでやってくださいと言っても、例えば選挙に勝って大きな議席を取ったら直ちに別の法律に切り替えてしまうということも可能になるわけです、道義的に。それは許していいのかなという疑問があるということを是非御理解願いたい。
  もしその点についてコメントがあれば、この際もう一度伺っておきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、国会は国権の最高機関ですから、国会が一度成立した法案に対してこれを変えようということになれば、それは技術的に言えば可能であります。国会の、それは選挙ごとに与野党の議席は変わる可能性もあるし、あるいは与野党逆転する場合もあります。そういうことについて、現行の法律がある時期を来て国会議員の多数が直した方がいいということであれば、それは不可能ではないということは同感でございます。
○山崎力君 まあ先もあるのであれですけれども、私が申し上げているのは、総理が、総理のイニシアチブという言葉を使いたくなければ、総理の思いで提案なさったものの最高責任者は総理ですから、そこの違いを是非御理解願いたいと思います。
  ちょっと関連に行かさせていただきますが、公社の生田総裁、おいでになっていると思います。お聞きしたい、願いたいんですが、先ほど来総理は一里塚というふうなお話もあったわけですが、公社総裁として小泉総理から総裁職やってくれというふうに言われたときに、民営化の話についてはどのようにお聞きになっていましたでしょうか。

○参考人(生田正治君) 日本郵政公社の生田でございます。公社の生田でございます。
  ちょうど二年前、二〇〇三年の七月の中下旬だったと思いますが、総理からお電話いただきまして御要請を受けまして、最終的にメディアにやむを得ず出ていくのが八月二十六日で、それまで随分期間あったわけでありますけども、その間は総理から、これは大変大きな改革で、公社、大変入口が重要なんで、何とかおまえ受けろという御要請をずっと受けまして、それに対しまして、私は考え得るあらゆる理由を申し述べまして、私にはその資格、能力でその任にあらずというお話をずうっといたしまして、実はそういう応酬を、あったわけで、民営化について、もちろん私は総理が前から民営化ということに強いビジョン、信念をお持ちということは、それは私は承知していましたけども、対話の中においてはそういう話はなくて、八月二十六日にお受けした瞬間もその話はないと。
  ただし、お受けした後、ごあいさつに行ったときに、まあ記憶が必ずしも正しくはないかも分かりませんが、再び、直接今度は民営化についての強い御信念を伺った記憶がありますけれども、したがって、何かしろとかタイムテーブルがこうだとか、こういうふうな施策をしろといったお話はなかったと記憶するといいますか、ありませんでした。
  それで、お話は、とにかく公社になって重要なスタートを切るんだから、極力民間的手法で思うように健全でいい公社をつくってくれという御指示をいただいたと記憶しております。
○山崎力君 この際でございますから、ちょっとその辺のところを詰めて確認させていただきたいと思いますが、総裁が、それでは民営化するという総理の意向を確実にこうだな、民営化するんだなというふうに、まあ確信といいますか、確認したのはいつで、そのときどのような御感想をお持ちだったか、この際お伺いしておきたいと思います。
○参考人(生田正治君) お答えする前に、一つ訂正しておきます。さっき二年前と間違いまして、三年前でございました。
  確実、だから総理が強い信念で民営化に取り組まれるというのは、私はメディアその他お話で承知していた。ただ、具体的にいつからかというのは承知していなかったんですが、二〇〇三年の九月二十六日でしたでしょうか、経済財政諮問会議で具体的に取り上げられ出したのは。その前後からメディアが随分書いておりましたから、総理のお言葉としての一里塚というふうなお話も出ていましたから、いよいよこれは具体化してくるんだなというふうに間接的に、総理に呼ばれてその話を特段したということはありません。間接的に情報を得て、いよいよ来るんならこれは自分の任期中の話になるんで、相当覚悟をしてそのプロセスをやり遂げないと、役割分担しないといけないなと思いました。
  一言付け加えますと、ただし、だからといってやることは変わらないわけでして、いい公社をつくるために何をするか、それは与えられた経営資源を使って、法的及び社会的規範の枠内で目一杯健全化しておくということに尽きるわけでして、これはその先が組織が変わろうが変わらないが同じなんで、その意味では心の準備とそれから付加的な準備も必要になるでしょうけれども、基本的な経営方針というのは変えずに全うし得るなというふうに感じました。
○山崎力君 ありがとうございます。
  という中で、今回のあれになられてきたわけですが、まあ若干聞きにくいことは先に聞いておいた方がいいということで、二問ばかりこの辺のところに質問させていただきますが、衆議院の話でございます。
  最後の段階、締めくくり総括質疑だと思いますが、一つは、地方議会の意見が国民から乖離しているんではないかと。あるいは、別の記者会見等でもオンエアされ、テレビ等で流れたようでございますけれども、これは地方議会の軽視ではないかという反発がかなり地元に戻ると同志、支持者の議員さんから来ております、正直なところ言って。その点について総理、御答弁あればお願いしたいんですが。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、地方議会、全国の都道府県議会で反対決議がされているという話を聞きましてね、果たしてそうかなと疑問に思っているんです、いまだに。
  国会議員もそうですが、地方議員も、例えば直接地元の支持者に会う機会が多いと思うんであります。そして、選挙の際には特定郵便局長に関係する皆さんにも地方議会の中では応援を受けている方がたくさんいる。あるいは全逓の労働組合等に、郵便局の労働組合の皆さんから応援されている議員もおられる。そして、選挙になりますと、そういう方々は熱心に応援していただきますね。これは有り難いことなんです。選挙で当選するためにはいろんな方々の支援者の支援を受けなきゃ当選できないという候補者の立場に立ってみれば、当選した後、選挙で一生懸命応援してくれた方々の話を聞くのは、これは当然だと思っております。そういう意見を聞きますと、これは反対だと言われればそうだなと、なかなかね、そんなのは聞けないというのは言いにくいというのも事実であります。
  そこが、地方議会においても国会議員におきましても、私は一部の支持者の意見を聞くのは大事ですが、果たして多くの国民は、あるいは住民はどう思っているかということを考えるのも重要だと思っております。(発言する者あり)
  私は、よく、今回の自民党の中でも、この郵政民営化法案に反対した方々にも言う場合があるんですが、自分のそれでは後援会の中でよく聞いてみてくれと、自分の選挙を応援してくれたのは特定局長だけじゃないだろうと、様々な団体の人がいるんだと。そういうことを考えて、一部の支持団体だけでなくて、他の多数の方々の意見も聞く必要がある、そういうことでよく判断する必要があると。だからこそ、私は、一般住民による選挙があるんであって、私は、都道府県議会の反対決議あるから、これが全国民の意見であるというふうにとらえる必要はない場合もあるんではないかということを申し上げたわけであります。(発言する者あり)
  だからこそ、国会の多数の意見が全国民の多数の意見とは違う場合もあるし、都道府県議会の多数の意見があるいは住民の意見と違う場合があるということは、知事選挙なり市長選挙なり国会議員の選挙でも、いざ選挙をやってみると違う場合もあるという例もあるとおりでございます。
  だから、そういう点はよく議員として、支持者の意見を聞くのも大事でありますが、支持者の意見は多様でありますから、そういう点もよく考えてほしいなということを申し上げたわけであります。
○山崎力君 総理、お言葉ですが、地方自治というのはこれから非常にまた重視されることも今後とも必要だということで、税源移譲の問題、これからの大きな政治課題でもございますけれども、あります。そのときに、やはり総理のおっしゃったような背景はこれあろうとも、あろうかとも思うんですが、議会が決めたことなんですよ。いわゆる地方議会が議決したことなんです。そこのところで、数のところの問題、もちろんあります。
  だけれども、某、どなたかとは申しませんが、一票差でも勝ちは勝ちという言葉はありますけれども、四十七都道府県の議会がすべてその反対決議をしていると。この手当てをどうするかというのは、これはそれぞれの政党にとっても、特に我々の自由民主党というのは多くの議会で多数党を占めております。そういったものがすべて反対したことの手当てということは、私はこれは、地方自治を尊重するということも含めて、丁寧にやらないと大変なことになる。
  そして、もう一つ言わせていただければ、総理は別の一面で自由民主党総裁という立場がございます。であれば、選挙のときに仲のいい県会議員がぼやいているように、国政選挙になりゃ、まず最初に我々駆り出してという言い方、頼んでおきながら、地元のことに関して県議会、国会議員通じないと県議会のことを余りやってくれないなんという、ぼやいているやつもいるんですよ。
  そういう人たちも自由民主党の県議会議員として行動していて、その人たちをなぜそれじゃ、いわゆる県民の代表かどうかは別として、総理自らその代表者をこれまで説得に当たってこなかったのかという問題もこの背景にある。是非、その辺のところも御理解といいますか、認識していただきたいと強くこの際総理に要望させていただきたいと思います。
  特に、地方議会の扱いというのは国政との場で非常に微妙な問題がこれから出てまいります。その辺のところを、このようないわゆる向こう側、地方議会からとって軽視と取られるような形のものはできるだけ避けなければいけないということを是非御理解願いたいと思います。
  それからもう一点、問題になったところでございますが、いわゆる先ほどの修正の部分に関して、与党、何も本質的に変わっておらぬというふうに発言された由でございます。その修正案についての総理の評価というのをこの際改めてお伺いしておきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これ、与党の方々との考え方から修正が必要だということになったわけでありますが、骨格、基本方針は変わっていないわけであります。しかしながら、この不安感、懸念に対してより明確にする必要あるということで修正した方がいいのではないかということでありますので、この修正が出されたというわけでございます。
○山崎力君 そういう点からいきますと、もっとより修正すれば国民の理解を得られるということが今回の審議で明らかになれば、これは時間的な問題もありますけれども、その辺のところは総理も是非審議の中で頭の隅に是非置いたままこの委員会を続けていただきたいと思います。
  私の方の総括的なもの、一応私の方は以上といたしまして、今後、若干具体的な問題について、せっかくですのでお伺いしておきたいと思います。
  一つは、設置基準の問題でいろいろ言われております。そこのところが一つの焦点だったということであったわけですけれども、そこのところは法的に担保されたというふうになっておりますが、その設置は担保された郵便局が以前のような、現行のようなサービスを維持できるかどうかというところで自民党内も大きな議論があって、委員会でも当然あったわけです。
  本当にその実質的な担保がどうなのかという議論、これは国民の皆さんもなかなか分かりづらい点があるかと思いますが、まあ簡単に、大ざっぱに言えば、地方の郵便局は金融で食べている、七割方郵貯、簡保。私の聞いたところでは、大ざっぱに言って郵貯、郵便貯金の方から六割、簡易保険から一割、すなわち金融から七割、郵便事業からは三割と、こういうところであると。そういったものをする郵便局から金融という部分が民営化されて切り離された場合、本当にその地方の郵便局の収入が従前どおりの形で入ってくるだろうかと。もし入ってこなければ、地方の郵便局は設置が義務付けられていても、ないそでは振れないということで減っていくのではないかと、不便になるのではないかと、これが私は今回のこの問題の最大の懸念材料だというふうに認識しております。
  そこのところが払拭されれば、私はかなりの部分国民の理解が得られるけれども、そこの疑問が晴れなければ、やはり特に地方の、まあ我々で言う不便なところに住んでいて郵便局を頼りにしている人たちの理解は得られないし、そこがポイントだと私自身思っております。
  そして、その金融についてはまたいろいろな専門的な議論ございますが、まずその辺のところからスタートして、この先ほどの答弁でもう確認はしているんですけれども、改めて、そんなことは毛頭考えてないんだと、もしそこのところの仕組みにおいて不安があるならば、誠実にその不安、懸念に対して答えていくということを、担当大臣として竹中大臣からお伺いしておきたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) 山崎委員には郵便局の設置の問題、さらにはその郵便局のネットワークを活用して提供される金融サービスの問題について、これまでも真摯に御議論いただいて、いろんな御指導を賜ってきたというふうに考えております。そうしたことを踏まえまして、我々もしっかりと制度設計をさせていただいたつもりでございます。
  金融に関しましては、これはやはり信用が何といっても一番大きな要因になる、そういう意味で、やはり国の関与、そして信用を断ち切るということが必要である。また、金融機関、これはほかにない、ほかの金融機関にはない、これは民営化をするわけでありますから、特別の義務を課すことはこれはやはり不適当であって、諸外国も例はありませんから、金融についてはユニバーサルサービスの提供義務は付けないこととしている。
  しかしながら、正に委員御指摘のように、国民にとって郵便局における金融サービスというのは極めて重要である、とりわけ過疎地のそれが極めて重要であると、これは強く認識をしておりまして、民営化後も金融のサービスが、提供がしっかりと続くように、正に実効性のある仕組みをつくらせていただいたつもりでございます。
  具体的には、まずそのサービスの拠点を確保することが重要でございますから、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置することを法律上義務付ける、そしてしっかりと設置の基準を作る、これは委員御指摘のとおりでございます。
  その上で、設置された郵便局のサービスでございますけども、郵便貯金銀行と郵便保険会社に対しまして、銀行免許、保険業免許を法律によってみなし付与するわけでありますけども、その場合に、最低限移行期間をカバーするような長期安定的な代理店契約、保険募集委託契約があることを免許の条件として付する。したがって、その間、この条件によって間違いなく長期にわたってこの金融サービスが担保されるということになります。これが第二のポイントでございます。
  そして、その後どうなるかということでございますが、この郵便貯金銀行、郵便保険会社から見ますと、この郵便局ネットワークは極めて重要であります。新たに自前の店舗網や保険募集体制を整備するには当然膨大なコストが掛かることを踏まえますと、やはり全国一括の代理店契約が継続され、基本的には、これに基づいて各郵便局において引き続き貯金と保険のサービスが提供されるというふうにこれは考えられるわけでございますが、それに加えて、仮に過疎地などの一部の郵便局で貯金、保険のサービスの提供が困難になる場合には、社会・地域貢献基金を活用いたしまして、基金を活用して地域にとって必要性の高いサービスの確保を図ることとしているということでございます。
  さらには、移行期終了後の株式の持ち合いをこれは経営判断によって認めるんだと、そして一体的経営が必要であればそれを可能にする。
  これらによりまして、民営化後も郵便局における貯金、保険のサービスの提供がしっかり確保されるものというふうに考えているところでございます。こういう思い入れを持った制度設計をしておりますし、それをしっかりと実行してまいります。
○山崎力君 そういう立場で設計されたということは、この際前提として議論させていただきます。
  細かいというか、内部に入った議論というのは当然出てまいります。制度設計の信頼性というのの吟味は、やはりこの当参議院の委員会でも今後同僚議員を含めてやらせていただきたいと思いますが、問題は、今日の時点でお伺いしておきたいのは、国民の立場からすれば、今行われているサービス、金融に関してのサービス、例えばATMの手数料は一般の銀行にして取らないとか、無審査で簡易保険に入れるとか、あるいは先ほども出たような、速達、小包がずっと義務化されているとか、そういったほかの民間企業にないサービスがこれからも続けてくれるのかねという方がむしろ一番分かりやすいことでございまして、民間になったら、速達はなくなる、郵便料金は上がる、郵便局はなくなるではこれは困るわけで、当然そのことは考えていらっしゃらないと思うけれども、こういったサービスが出てくるのかと。このときに、今まで銀行が、一般銀行がやっているサービスということが、これは競争原理だけでこういうふうなことが続くんだろうかという疑問を持つ人たちが多いということなんですよ、競争に任せておいてこういうサービスが続けてくれるのかねと。そこのところの価値観の差といいますか、競争に対する、市場原理に対する考え方の差が出てきていると思います。そのことをはっきり説得できなければ、この郵政の問題というのは根本的な国民の理解を得られないというふうに私自身思っているわけです。
  ですから、今後とも、時間の関係もあって、これから、細かい議論は以下の議員に譲って、一つ一つ具体的なことについて、上っ面だけになりますけれども、問題意識の点をこれから申し上げていきたいと思いますが、一つは、まず第一、今回の問題で、郵政公社からそれぞれの、幾つと勘定するかの問題はありますけれども、どの会社にどのくらいの資産がどういう考え方で分配されるのかと、職員がどこへ行くのかと、このところも非常に難しい問題だと思っております。骨格経営試算というのが出されておりますけれども、この信頼性というのはどの程度あるんだろうかと。残念ながら、我々そっちの方の素人は判断の付けようがないというのが事実でございます。それをどのようにこの場で御説明なさっていくのか。
  そして、一番根幹的で分かりにくいところ、なかなか出てこないのは、我々、常識として、郵政の事業というのは三事業でたたき込まれているわけですね、たたき込まれているというと表現変ですけれども。いわゆる郵貯、簡保と郵便と。それが、その実務会社は今度四つになると。窓口、いわゆる窓口会社と郵便会社に分かれると。この理由は何なのかということが分かりません。そして、これは人事管理上、銀行と保険というのは、みんなちょっと違った仕事しているねというのは中にいる人たちも理解しているところがあろうかと思うんですが、いわゆる郵便関係の方々、その人たちがどうやって切り分けられるのかと、この辺のところは非常に難しいわけでございます。
  そして、根本論の方でいけば、事業のやり方として、国営あるいは県営という、いわゆる官営と公社、今のある郵政公社。それから、今回の事例でいえば、郵便会社と窓口会社が相当する特殊会社。一〇〇%、持ち株会社がその株を持っていて、その持ち株会社のうちの三割以上は国が持っていると、こういう形の特殊会社。それから、いわゆる純粋民間会社。
  こういうふうに分かれて、民営化といっても、今回の事業は、将来的に郵貯、簡保は純粋民営だけれども、いわゆる郵便、窓口は特殊会社だと。こういうふうな違いが、当然普通の人には分かりませんし、我々も何か言われてみりゃそうなんだろうと思うけれども、じゃ、どこが具体的にどう違うかって説明しろと言われると分からない。その理由等も当然出てくると思うわけでございます。
  そこで、こういうふうな私の疑問を並べるのもなんですので、いわゆる国交省にお伺いしたいんですが、ポイントとして、国際物流に今度乗り出すという話が一つ、一つの大きな将来展望としてあるわけです。その点について、国際物流、公社のままでもやれるんじゃないのかねという議論が当然あるわけでございます。そして、もう一点、物流が今度の郵便会社の一つの主流になるんだったら、物流という考え方からいくんなら、担当はこれ国交省の担当になるんじゃないのという気持ちも出てまいります。その辺についての国交省のお考えを国交大臣に是非お伺いしたいと思います。

○国務大臣(北側一雄君) お答え申し上げます。
  まず、まず最初に公社の方のお話からさせていただきたいと思いますが、郵便事業会社が行う事業につきましては、これは貨物自動車運送事業法等の物流法制が適用されるところでございまして、当該法律に基づく規制については国土交通省の所管というふうになってまいります。
  ただ一方で、郵便物を配達いたします事業体に対する監督等や、また郵便物に対する規制については、これまでどおり総務省の所管というふうになるというふうに考えておるところでございまして、そういう観点から、本法案につきましては、郵便事業会社が行う事業につきまして、それぞれの法制度の所管関係が整理されているというふうに理解をしているところでございます。
  それと、最初の方の御質問でございますが、今この国際物流という面におきましては、非常に経済がグローバル化されている、特に東アジアの経済が急速に伸びていると。そういう中で、非常にこの物流、国際物流部門については成長をしている分野でございます。日本の企業も中国を中心といたしまして進出をしております。水平分業も進展をしておるという中で、日本とアジア地域との間で物の流れが非常に活発になっておるところでございます。小口急送貨物を扱う航空輸送につきましては、最近十年余りで輸送量が約二倍に急速に伸びているところでございまして、こうした国際物流分野というものは成長が著しく、将来性の見込まれる分野であるというふうに考えておるところでございます。
  郵政公社は現在約五千の集配拠点を持っております。こうした国内集配ネットワークというものを生かしてこうした国際小口物流分野に進出することは、私は大変意義が深いというふうに考えているところでございます。
  また、恐らく荷主側の立場に立ちましても、今、物流というのはロジスティックス分野でございまして、我が国の日本企業が、そういうロジを担っていただく企業が、外資系の企業だけではなくてやはり日本の有力な企業が、そうした自分の、荷主側の立場に立って考えますと、ロジとしての物流を担っていただくというふうな選択肢があるということは私は非常に意味があるというふうに思っているところでございまして、いずれにしましても、具体的な事業展開は経営者として適切に判断されるものと考えております。
○山崎力君 私の質問と超えたお話を伺いまして、時間のことを除けば非常に参考になりましたが。
  ちょっと飛び飛びになって恐縮ですが、時間のあれで。今回のあれで、質問一つ飛ばしちゃったところで是非聞いておかなくちゃいけないところですが、今回の修正の部分とあるんですが、先ほどの話のいわゆる郵便局の経営の中で、金融のバックアップがなければなかなか地方の郵便局は成り立たないだろうと、金融部門からの収入が。ということは、民営化された後は窓口会社に対する郵貯銀行会社からの手数料が大きな収入源にならざるを得ないと。それは、経営の側から見るとそういうことですが、利用者側からすると、あそこの郵便局に行けば、いわゆる銀行業務も保険業務もちゃんと窓口でやっているねということが一番大きな利便性だと私は思っているわけです。
  それで、今回、修正で埋もれていた部分が法文の中に業務として入ってまいりました。そこのところに問題があるとすればということになるかもしれませんが、私は、そのときにできるという、その窓口会社がその郵便以外の印紙とか切手の売りさばきのほかにいわゆる銀行、保険業務ができるというふうに、可能だというふうに修正されておりますが、それを何で義務付けないのかなと。義務付けさしてこれをやりなさいということにすれば、一般の国民は、ああ、ちゃんとここは法律でやりなさいというんだからこれから続くんだろうなと非常な安心感を持つと思うんですが、そのときになぜ、してもいいけどもやらなくてもいいよというような表現になったのかどうか、その辺についてお伺いしておきたいと思います。

○衆議院議員(柳澤伯夫君) ユニバーサルサービスについては、これは一貫して我々、政府、与党との調整でも、どうやってこれを確保するんだということについて論議を積み重ねてまいりました。
  結論は、金融二社、銀行、保険会社に直接義務付けるということは、これは純粋民間会社であるからできない。
  しからばどうやってやろうかということで、我々いろんなことを考えたわけです。山崎先生にもこれに加わっていただいたわけです。そして、先ほど竹中大臣が言われたとおり、まず拠点の確保をしよう。それから、代理店契約で長期的に安定的な契約をしてもらおう。それから、これはまあちょっと、なかなか理解が我々の中でも混乱したところですけれども、こうした金融二社と窓口会社との一括契約の中でも、なかなか厳しい状況になってくると、今度は窓口会社の社内問題として、あそこのところは非効率だからちょっと削らなきゃいかぬなというようなことが起こるかもしれない。そのときに、今度は地域社会との関係で、そこに一定の手続を置いて、しっかりした論拠があるんだったら、これはあくまでも維持する。そのために必要な資金が生ずるということであればこれについても手当てをしよう。それから最後に、また、後でまたいろいろ問題になりますが、株の持ち合いということも、一般の企業同士で取引の安定のためにやっていること、その程度のことはやっていいじゃないかというようなことで、四つぐらいの道具立てで、事実上、実際できる、それが実現される、ユニバーサルサービスが実現されると、こういう制度設計をさせていただいたわけです。
  それを最終的に業務の中身としてどこに明示するか。これは非常に悩ましい問題であったわけですけれども、やっぱり、あくまでも事実上の実現可能性というか、そういうものを、我々、それでなくなるなんということは頭の片隅でも考えていないわけですが、そういった状況であるということであれば、やはり、今、ものとするこの規定とできる規定というものが二つあれば、やはりここはできる規定ということに一応しておこう、しかし、それはもう事実上それを欠くというような事態は我々としては想定してないということで、運用上そのことを確保していこう、このようになった次第であります。
○山崎力君 お考えは分かりましたけれども、もう一歩踏み込んで義務規定にしておけば、一般の方々、利用者側からすれば安心感が高まったというのは、これは絶対間違いないことでございます。その辺のところが、じゃ、それやった場合どうなるかという議論はまた別途しなければいけないところでございますけれども、そういう気持ちがやっぱり利用者側からあるんだということを是非今後の議論の中でやらせていただきたいと思っております。
  あと、随分質問通告しておきながら抜けているところがございますんですが、簡潔にお願いしたいと思います。
  一番今回の民営化で得するといいますか、あれは谷垣財務大臣のところだと。税金は入るわ所得税は入るわ、一説によると五千億。見えない国民負担というのがありましたけれども、そのときの一兆一千億よりは半分以下になっているんですが、黙っていても今度の改正でもうけますねという、ほかのところから見ると、雑音が相当入ってきておりますが。
  それはそれといたしまして、だったらば、先ほどの地方の問題の、基金を積み上げてその利子で地方の郵便局を面倒見ようやという話のときに、その積み上げの基金のところからいわゆる税引き後積み上げるんじゃなくて、その収入から損金で落としてそれで積み上げれば、一兆円早く積んでみんな安心するんだから、そのくらい財務省、面倒見たっていいじゃないかというのが、下世話な言い方で恐縮ですがあるんですが、その辺のところについての御見解を伺っておきたいと思います。

○国務大臣(谷垣禎一君) 何か坊主丸もうけと言わんばかりの御質問でございましたけれども、基金に関する税制上の措置としましては、旧公社等の民営化の例も踏まえながら今回議論したわけでございますが、基金から地域貢献事業計画などに基づいて支出されます交付金については、これは全額損金算入としていこうという措置を講ずることとしているところでございますが、こういう措置、今委員のおっしゃったのは、こういう措置に加えて、さらに基金を積み立てる場合に損金算入を認める無税積立てといった税制上の措置を講ずるという御趣旨で御質問になったと思うんですが、これは通常の民間会社におきましても、本来、課税対象となるべき利益を何らかの基金として区分をして経理をしております場合、損金算入するということにはいたしておりません。
  更に申しますと、これは法律により義務化されているのじゃないかという御主張も多分今の御主張の裏側にはあるんだろうと思いますが、現在、租税特別措置の中でも、各種準備金制度等々、将来発生する費用あるいは支出に充てる目的で無税で積み立てている制度が確かにございます。ございますが、これは実際の費用又は支出が発生した時点でその積み立てた準備金の一部を取り崩すということで課税の繰延べを行う。したがって、そのような制度になっているということでありますが、今度の基金については、その運用益により所要の費用又は支出を賄って基金の積立額は取り崩されないという前提、基本がございますので、先ほど申しましたように、損金算入する準備金とは制度の立て方が若干違っているというふうに考えております。
  したがって、民間とのイコールフッティングということを前提といたしますと、先ほど申し上げたような、実際に取り崩して、取り崩すというか、実際に基金から支出する場合の損金算入ということができることということではないかと考えております。
○山崎力君 ここでこの議論をあと十五分、三十分は簡単にできる内容だと思っておりますので、これをやっているとまたもう持ち分なくなってしまいますが、一点だけ申し上げれば、今回のその基金を積むための目的は何のためにこういう制度をつくったのかということを考えますと、地方の郵便局を維持するという、公社を民営化するための一つの国民に対する約束として、担保措置としてやっているわけですよね。だから、そこのところで、そこからも税金取るのかねという話になるわけです。
  もし仮にですよ、考えていただければいいんだけれども、民営化した会社が余りもうけが出なくて、税金払ったら、損金、基金に積み立てる金、十分いかなくて、時間までに一兆円積み上がらなかったら、そしてその分の利子で窓口が、郵便窓口が減っていったら、これだれの責任なのという話にもなるわけです。ですから、その辺のところは後で、後刻させていただきます。
  それから、ほかの方で呼び出した関係もございますので、飛び飛びになって恐縮でございますが、今回の公社民営化に関して総務大臣にお伺いしておきたいんですが、今、地方でいろいろ、地方の行政改革といいますか、いろいろ市町村でも苦労しているというところがあって、出張所等の縮小に伴って、郵便局の職員が市町村の役場の職員に代わって代行できるというふうな行政事務をやっているところがあるんですが、それは、いわゆる郵政職員が公務員だから、同じ公務の仕事でも類似性があるから、安心してといいますか、信頼してやれるんだと、こういうような感じ、守秘義務もそこに出てくるだろうということでございますけれども、それが民間人になってできるのかと、民間人の資格になってできるのかと。
  もっと言えば、それができるのであれば、市町村の仕事も安い民間会社に委託してやってもらったっていいじゃないかと、こういう話になろうかと思うんですが、その辺についての総務大臣の見解を伺っておきたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 山崎先生よく御存じのとおりなんで、これは、戸籍謄本とか住民登録とかいろいろありますけれども、そういったものの写し等々の交付という行為自体、それ自体につきましては、これはもう明らかに証明行為ということになりますので、これは公務員じゃなきゃできないということになります。これは今でもそういうことになっております。
  問題は、交付したそのもの自体を渡すというのは、証明自体は役所でやる、それをどうやって、ファクスするかオンラインでやるかは別にいたしまして、そういったものをやるのは、いわゆる地方公務員ではなくて郵便局でもできるということにいたしております。したがって、今回これが、郵便局員が公務員だからできるということではなくて、証明自体は相変わらず公務員でなければできないということになっております。
  したがって、今回、窓口で、郵便局に限らず市役所の窓口においてもその種のことをやれるということだけなんであれば、別にそこの部分は公務員でなくてもいいではないかという御質問だと思いますが、そこの部分は、市役所の経営責任を、経営責任ということはどうか、適当かどうか知りませんが、行政責任の最高であります首長、首長さんがその部分は機械化します、オンライン化します、IT化しますということで、事実そういった機械はもう今でき上がりつつ、たくさんでき上がりつつ、新しいのができ上がってきておりますけれども、本人認証やら何やら含めてそういったことはできるようになろうと思いますんで、この証明すること自体と交付というのを別にして考えていただいた方がよろしいんだと存じます。
○山崎力君 飛び飛びで申し訳ありません。今、公務員制の問題も若干出てきたんですが、私は、この今回の郵政事業の民営化の問題で隠れた最大のネックというのは、私は民営化されることによってストライキが発生するということだというふうに思っております。そのストライキで郵便物が滞った場合何が問題になるかといえば、私どもの社会の一つの大きな柱である司法に関する問題で、裁判における特別送達という制度が郵便を使って行われているのがほとんどでございます。
  これがストライキによって送達が不可能になれば、正に司法制度が停滞するというか、そういうふうな大きな影響を法的に残すことになると。もちろん違法行為とか事故、災害によってのそういったものというのは当然どの制度でもあるわけですけれども、制度的にストライキによって国家の仕組み、司法の大きな仕組みが滞るということは大変なことではないのかなと。その仕組みというものをつくるといったときにそれでいいのかという疑問を感じております。
  特別送達の簡単な説明を専門家含めて、裁判所というわけにいきませんので、法務省の方からこの問題に対する見解をお聞きしたいと思います。

○政府参考人(寺田逸郎君) 今御指摘ありましたとおり、裁判において判決書でございますとか、あるいはそもそも訴訟が開始される訴状、こういったものを送達に付するわけでございますけれども、この場合は相手方に対する手続保障という重要な意味がございますので、郵便の上では特別送達という形を取っていただいているわけでございます。
  この送達は、今申し上げましたように手続保障の意味があるわけでございますが、それぞれについて具体的に効果は訴訟法上規定されておりますけれども、例えば判決書でございますと、その送達を受けてから二週間というような期限が付されて控訴をすることができる、上訴をすることができるという効果がございますので、これは大変に送達がないと困るということにはなるわけでございます。
  ただ、個々のケースを取ってみますと、送達が行われませんとその間の期間が進行しないということになりますから、個々的にはその支障というものは大きなものではございません。しかし、トータルとして訴訟手続、裁判全体を考えてみますと、やはり、委員も御指摘になられましたように、この送達ということに支障が生じますと訴訟の遅延ということにつながるわけでございます。
  そこで、私どもも、従来も今御指摘がありましたように事故、災害等のリスクがあるわけでございますが、それに加えて民営化によるストライキ等の影響はどの程度かということは、この民営化の立案過程において立案の担当部局であられる準備室の方にも随分お伺いしたところでございます。御説明では、私どもが伺っているところでは、全体として職員の方の約八割強が組合、二つの組合に分かれておられるようですが、組合員でおられるようでございますけれども、このような仮に一部のストライキがありましても、その残りの方々で責任を持ってこの特別送達については優先的な配慮をしてくださって支障のないように努めるということでございましたので、私どもも全体といたしましてそのリスクというのは極めて低いんではないかなというように考えているところでございます。
○山崎力君 リスクが低くて済むものかどうかというのはこれは問題があるわけで、今のないリスクを新たな、新たにリスクを生じさせるという面からいけば非常に問題があろうかというところがございますので、私の時間も、持分もほとんどなくなってまいりましたので二点だけお伺いしますが、人事関係です。
  今度の民営化で非常に問題になるのは、具体的に最後の大きな問題、実務上の問題は人事だと思います。どこに、どの会社に行ってもらうのか、どの仕事をしてもらうのか、これは本人にとっても今までと、予想されていない、これはまあこういう改革には付き物でございますけれども、大変な、最後には固有名詞の一人一人の性格も含めた、生活も含めた問題になってまいります。その辺の希望をどうかなえていくのか。
  特に、今回の郵政の問題でいえば、一般会社とは違った形の特殊な職務を務めている方がおられる。これは言うまでもなく、我々分かる特定郵便局長でございます。自分の財産を局舎等に提供して、その賃貸料を持つ。随分、以前言われた世襲的なというのはもう最近では二割程度で、もうほとんど一般の方がなっているとは言いながらも、これは非常に地域の中核になっている部分もあって、不転勤、転勤しないというような形もあります。
  そういった人たちの人事をどうするのかということは、これ最終的に一番大きなネックになりかねない問題、組合の問題も含めてですが、その辺についての、これから議論あると思いますけれども、希望をどうかなえていくか、その辺のいわゆる基本方針についてお伺いしておきたいと思います。

○国務大臣(竹中平蔵君) 大切な問題でございますので、手順も含めまして少し丁寧に御説明させていただきたいんですが。
  各新会社への具体的な職員の帰属をどうするか。これ主務大臣、これは内閣総理大臣及び総務大臣でございますけれども、主務大臣が作成します基本計画に従いまして、準備企画会社でありますところの日本郵政株式会社が、いろんなビジネスの在り方、業務の内容を勘案しながら承継計画において定めると。これは手続がそういうことに相なるわけでございます。
  この日本郵政株式会社が承継計画を作成するに当たっては、職員に対して事前に希望する配属先の聴取を行うかどうか等を含めて具体的なその進め方を決めなければなりませんが、これ、日本郵政株式会社にゆだねられているわけでございます。しかしながら、同社が承継職員の労働条件を定めるに当たっては、これは公社での勤務条件に配慮をするということがこれは法律上担保されております。郵政民営化法の第百七十一条にそのことを規定をしております。したがって、職員の帰属先がどうなるかについては公社における就業場所や従事場所などの勤務条件に配慮して定められることになりますので、これによって職員が安心して意欲的に働いていただける、そのような仕組みにしているつもりでございます。
  特にお尋ねの特定局長さんの件、特定局は地域に密着した存在でありまして、特定郵便局の運営というのは、これやはり特定局長さんに対するその地域の住民の信頼の上に成り立っているというふうに思います。このため、公社においては現在、特定局長さんは、これは原則として不転勤にするということによって、特定局長の方々に当該地域に溶け込んで長い期間にわたって郵政事業を推進していただいて地域社会に貢献していただくと、そのような仕組みをつくっているというふうに承知をしております。
  民営化後におきましても、この特定局の設置については、これはあまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置することを法律上義務付ける、そして国民の利便に支障が生じることのないように設置することとしておりまして、これまで特定局長の方々が郵便事業、郵政の事業、ひいては地域社会において果たしてこられた役割、貢献等を考えれば、特定局長の役割や位置付けは、これは基本的には変わらないというふうに考えております。
○山崎力君 今日、はしょらせていただいて質問通告していながら質問できなかった点、担当の方にはおわび申し上げますが、最後に、質問通告していない点で一点、総理にお伺いしたい。
  非常に個人的なことなんですが、御存じかどうか、日本の切手、今から五十年前、私が御多分に漏れず収集してた、もう数年間でしたけれども、そのときから覚えてることなんですが、最小限の一円切手というのがございます。非常に地味な、最小単位の一円切手、これは前島密の肖像なんですね。それと、それから今の、何というんですか、郵政公社の前からの、Tの字というか、テの字の、いわゆる、何というか、社旗といいますか、シンボルマーク、これは、逓信省時代の片仮名のテからデザインされたというふうに言われております。非常にポストに合うマークで、なじみのあるものでございます。
  私は、これを、もし民営化されたときに変えるか変えないかということが一つの大きな判断基準になると思っております。もし総理がその辺について、非常にシンボリックな点からいくと、今までの仕事を続けるのであればこの二つは残す、一切変えてしまうというのであればやめさせる。この辺のところのお考えを伺って、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) テの字というんですか、Tの字というんですか、あれは愛着がありますよね。これは変えなくてもいいんです。
  と同時に、私も子供のころから切手収集してたんです。国会議員になってから収集はやめましたね。不思議なもので、なかなか手に入らないと収集したくなるんですね。国会議員になると、比較的容易に手に入るようになっちゃってから、もうやめました。不思議なもので、私が切手収集しているというのが分かると、いろんな珍しい切手を持ってきてくれるんですね、有り難いなと思いましたけれども。余り多くなり過ぎて置く場所に困ったものですから、国会議員になってからもうやめようかなと。子供のころは本当に集めるのが楽しみでした。様々な大きさ、形、図柄、それを眺めてよく楽しんだものであります。
○山崎力君 同僚議員に替わります。
(後略)