質問「『総理は設計ミスの是正にあたるか』他

(平成17年8月5日参議院郵政民営化特別委員会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 自由民主党の山崎力でございます。
  長いと思っておりました今回の特別委員会における審議、最終、事実上最終日だと私は思っておりますし、そうなるでございましょう。その中で、自由民主党の最後の質問者としてお伺いさせていただきたいと思います。時間の関係もありまして、総理はちょっと御休憩いただくというか、最後の方の詰めで、私なりに、ここのところで、一連の審議の中でちょっと詰めておかなくてはいけないなというところが残っておりますので、質問させていただきたいと思います。
  と申しますのは、この法律の中身の審議というのもこれ大事なことでございますけれども、現実の問題として私は最大の問題ではないのかなというふうに思っておりますのは、今現に郵政事業に従事されている職員の方々、特定局長あるいは一般職員の方含めて、非常に反対が強い。このことについてどう思うかと。本当に民営化するとしても、彼らの協力がなければこれはうまくいきっこないわけです。そのところをどういうふうに考えているか。彼らの反対の原因はどこにあるんだというふうに関係者の皆様方が思っているかというのを、この際、是非お聞かせ願いたいと思います。
  こちらから指定して恐縮でございますが、現場サイドから近いという意味で生田総裁、そして公社の担当である麻生総務大臣、そして民営化法案の担当である竹中大臣、三人この順でお答え願いたいと思います。

○参考人(生田正治君) お答えします。
  二〇〇三年、公社スタートとともに民間的な手法で経営させていただいているわけでありますけれども、我々はサービス業をやっているんだという現実認識に立ちまして、お客様本意の真っ向サービスということで全軍みんな努力してくれまして、業績も改善の途中にあると、こういう今真っ最中でありまして、そういった中で、一昨年の秋ごろから民営化の政府御方針が出された。
  率直に言って、職員全般については、もうちょっと先かなと、出るとしても先かなという気はあったと思います。実は私も、もう地方へ行ったり、あっちこっちでもうしょっちゅう話し合っているんですけれども、まあ職員の意見にも実はいろいろありまして、中には民営化に前向きの者もいるわけでありますけれども、全般的には民営化には反対、あるいは今のままでいたいなと、非常に端的な表現ですけれども、そういう者が多いことは事実でありまして、例えばJPUとか全郵政は、これは両組合は組織といたしまして絶対反対と、こういう立場を取っておりますし、全国特定郵便局長会、全特も強く反対しているということは、私は先刻承知という今段階でございます。
  その理由はという今先生のお尋ねだったんで、私なりに、聞いたわけじゃありませんけれども、私なりに分析してみると、一つは、公社、一期四年でせっかく努力中なんで、それも計画値を上回って今アクションプランを達成しているんだから、もう少し待ってよと、その四年の結果見てから考えてくれた方がいいんじゃないのという気が一つあると思う。
  また、公社職員というのは、もう本当に、伝統的に社会に奉仕する、地域と共生する、パブリックな仕事ということに使命感と誇りを持っていると、こういうことがあるんですが、そういった観点から、民営化された場合に郵便局ネットワークは壊れるんじゃないか、我々のそういう使命はどうなるんだろうと、ユニバーサルサービスは機能は維持されるのかな、こういう危惧があると思いますし、それから、まだ我々は深く話せる段階じゃありませんから、深く話していませんから、民営化すると事業は逆につぶれるんじゃないかという危惧を持っている者もかなりいるわけであります。
  それから、三つ目の理由としては、せっかく公務員として働いているのに、突然、突如何で公務員でなくなるのか、自分は公務員になるために就職したんだという人たちもおりますし、民営化するとすれば、雇用の維持と労働条件はどうなるのか、配置はどうなるのか、大変心配します。これはもう私は、真っ当な、もっともな心配だと思っております。
  それで、民営化するということになるのであれば、これらの心配の一つ一つに丁寧に対応していく必要があるというふうに私は思っておりまして、そういった思いも含めまして、その民営化の話が始まりました初期の段階から、公社の掲げている真っ向サービスと、事業の健全性と、働く職員に明るい将来展望と働きがいをと、という三つの公社ビジョンが、もし民営化するのであれば、公社のままでいるよりもこれらをより良く、より大きく達成できる制度設計にしてほしいということをお願いしてきたわけであります。
  で、私はこのお願いが大きく今回の法案には、今回のいろいろな御答弁も併せて伺っておりますと取り入れられてきているというふうに考えておりまして、公社法下における制約を脱して経営の自由度が拡大することによりまして、努力次第で事業経営が、悪くなるんじゃなくて、それどころか逆に展望が開くんだと、良くなっていくんだと、利益率も良くなるんだと、健全になるんだというようなこと。それから、郵便局設置基準や国会御答弁等で郵便局ネットワークはきちっと維持されていくし、ユニバーサルサービス機能は守られるんだと、というふうなこと。こういったことを職員によく説明していって、納得してもらう作業がこれから、もし民営化が決まるのであれば必要であろうと、かように考えております。
○国務大臣(麻生太郎君) 一昨年の九月、全く青天のへきれきのごとく総務大臣というのを拝命することになりました。昭和五十四年に当選させていただいてこの方、私は多分、郵政省に行ったことは多分一回もなかったと思いますので、そういった意味では、正直、一緒におりました郵政族、谷垣さんの方が総務大臣なんだと、私は言われる直前まで固く信じてそう思ったんでございますが、郵政大臣となりました。場所も知りませんでしたので、少々どころか、かなり慌てました。
  その中で、郵政公社の民営化の話が入っておりましたので、決まってから最初に僕は役所の方以外でお目に掛かったのが生田総裁だったと記憶いたします。生田総裁とお目に掛からせていただいて、最初に、大変、今は公社ですので、公社の中で一番気になるのは組合と。御存じかと思う、私、元セメント屋のそのまた前、炭鉱屋ですから、炭鉱というのはもう組合が一番大事というところで、そういうところにずっとおりましたので、組合員に会わせてもらいたいと。
  ただ、越権行為ですから、明らかに、生田総裁の御了解をいただきたいと申し上げたら、おまえ、組合が分かるのかと言われましたので、はあ、元石炭屋と言ったら、ああそうだったなって、それから組合の話をさせていただいて、当時、全逓は石川、小倉出身の勇ましい方でした。たしか書記長は菰田さんという方、今が、今の方が菰田さんですかな。全郵政の方が同じく、二つ組合大きなのがありますので、そちらの方にも両方ともと言って、私は個別にお目に掛からにゃいかぬのかと思っておりましたら、両方一緒にというお話でしたので、両方一緒で。
  組合の大会に出るやら、酒飲むやら、何やらかにやら、ここがもう最大の問題と思っていましたので、私はいろんな形で大会にも行かせていただきましたけれども、炭労の組合大会に比べりゃ極めて品のいいきちんとした大会だったのがすごく印象的でした。だから、正直、その場でもそう言いました。
  それで、まず組合員さんと話をさせてもらいたいと、政治家としての話をさせてもらうんでと言って、それから個別に九州でも会いましたし、いろんな形でお目に掛からせていただいたんですが、不安は先ほど生田総裁の言われたところと同じだと思って、皆さん誇りがおありになるところがすごくいいところだと思いましたし、いろんな形で、きちんと地域をとかいろんな形でおれたちがやっているというすさまじいプライドがあったのがすごく印象に残りましたので、これはうまくいくなと正直そのときそう思いました。それまでは何となく、賃金さえ上がれば何でもいいのかという話とは全然違いましたものですから、それが非常に印象に残りました。
  そして、同様に、もう一点の問題は、やっぱりなぜ今というところがもう一つの問題だったと思いましたので、これは具合が悪くなってからするのか今するのかの違いなんだと思うという話もそのとき申し上げて、流れとしてはこれは間違いなく、Eメールとか、私どもほかの、私どもの役所はほかのEメールだiモードをやっていますんで、そちらの実態の伸び率、それからIP、IPというのはいわゆるIP電話のことですけれども、そういったようなものを含めて、インターネットというものは物すごい勢いでもう爆発的に伸びますので、その意味では、この郵便の事業というものは、信書便等々は間違いなくこれは落ちますと。そういうことを考えていったときに、今のうち、きちんと他の分野で進出できるように郵便の部分でもやっていくということが大切なのではないか等々、率直に随分、向こうもすごく真剣に話をされましたし、私どもも真剣に話をさせていただいたと存じます。
  そういった意味で、少しずつ御理解いただいて、後半には何となくお互いさまの話が通じるようになったと思いますが、その裏には、やっぱり生田といういい人を総裁に選んだというところが一番大きいんで、今後最大の問題は、生田さんの後をだれが総裁、社長をなさるか、これが最大の問題と思っています。
○国務大臣(竹中平蔵君) 重複を避けまして、手短に是非申し上げたいと思います。
  郵政の民営化に対しまして、労働組合など職員の方々から反対の御意見が出されているということは承知をしております。その背景、もう生田総裁がおっしゃったとおりなんですけれども、やはり、要約いたしますと、四分社化するというその提案をさせていただいているわけでございますけれども、今まで三事業一体でやってきたと、それによる経営の相乗効果が根本的に失われてしまうのではないかという点、そういう御不安があるということだと思います。また、郵便局ネットワークがその結果崩れてしまうのではないか、やっぱりこれはネットワークが大事なんだと。そして、郵便局で提供されているユニバーサルなサービスの提供が困難になってしまうのではないのかと。そういうところにやはりその不安の御懸念が集約されているのではないかというふうに思っております。
  これまでもそういったお話、直接私も組合の方とさせていただいたことございますし、生田総裁からいろんな御要望、お話も聞きまして、職員の皆様方が将来に希望を持って安心して仕事に臨んでいただけるような環境をつくらなければいけない、そういった観点からしっかりと制度設計をさせていただいているつもりでございます。
  郵便局ネットワークを国民の資産としてしっかりと守っていくと。そして、金融サービスについても、民営化後の過疎地等の郵便局においてもしっかりと提供できるような仕組みをつくっている。そして、株式の持ち合いでありますとか新会社間の人事交流などによって一体的経営もしっかりと可能になっていると。そうした点につきまして、この委員会におきましても、小泉総理、さらに私も答弁で明確にさせていただいているところでございます。
  いずれにしても、山崎委員御指摘のとおり、この公社の職員の皆様の御理解と御協力がなくしては、これ民営化は、これはできないわけでございます。その意味でも、今朝の委員会でも私申し上げさせていただきましたけれども、この法案、可決成立させていただけるならば、政府としても直接その御説明の機会を持っていきたいと思っておりますし、また、生田総裁に引き続きいろんな御対応をいただけるように、政府としても改めてお願いをしていこうというふうに考えております。
○山崎力君 今、制度設計しているというふうにおっしゃったんですけれども、この問題を一つ取っても、これを具体的にどうするかという、制度設計の中にあるものを使ってやるということで、それが使わなければこれどうなるんだというのが分かっていないところがまだあるわけです。
  それはもう典型的な、承継計画の中に含まれているんですが、承継計画自体が、これ、いつだれが作って、そのときにどういう人が携わるかというのはまだほとんど明らかになっていないわけですね。そこのところはちょっと同時に頭に入れておいて、これは無理ないところ、職員の方から見ると無理ないところがあるんですよ。
  例えば、集配の特定局、ここでいろんな仕事をやっているわけです。郵便事業もあれば貯金、簡保もあると。それで人員の融通をしておると。その一方で普通局というのもあるわけですね。当然みんなやっている。その小規模なところと、いわゆる特定局の大規模な、集配特定局の規模というのはほとんど変わらない、オーバーラップしているところがあるわけです。恐らく経過的な、大きな普通局がだんだん規模が小さくなってくる。あるいは、集配局の小さい特定局が大きくなっていく、オーバーラップしていると。その人たちが一緒の全部いろいろやっているときに、どこに私は区分けするんだろうと、区分けされるんだろうと、配属されるんだろうと。やっていることは同じだと。特定局も一般局もないと。無集配の特定局ならこれは話は別ですけれども。そういうようなところがあるわけですね。まだそれはっきりしてないわけですよ。
  それから、もう一点言わせていただければ、これはちょっと余りにも功利的なことかもしれないですけれども、将来この中で、よしやってやろうという人も、私が今までの議論の中であったんですが、当然郵便局には今でもあるATMのシステムというのはあるわけですね。それのホストコンピューターというのもどこかにある。これ、どこの所属になるんですか。窓口になるんですか、銀行になるんですか。事業のことをちょっとかじった人間からすれば、コンピューター持っているところの方がこれは絶対働きがいがあり、やりやすいと思ったら、窓口に所属したら私は窓口に行きたい、銀行に所属したら銀行に行きたいと、希望そうなるわけですよ。それがまだ決まってないんです、これ。
  その辺のところ、どういうふうにお考えですか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 今、山崎委員は、本当に働いておられる立場から見て、その承継の具体的な中身が決まるまでは本当に不安じゃないかということで幾つかの事例をお出しくださったと思います。これはもう誠によく理解できるところだと私も思います。
  今これは、我々は法案の御審議をいただいております。これ、これだけ大きな組織を民営化するわけでありますから、順次ステップを踏んでやっていかざるを得ないと。これは御理解を賜れると思うんですが、今その法律の枠組みをつくって、その法律の枠組みに基づいて、さあ今度は基本計画を作って、そして具体的な承継の計画を作る。ここまで行きますと、それぞれの職員の皆さんからすると、自分はどこの所属になるんだなと、そして、この会社はこういうことをやるんだなということがじっくり見えてくるわけですが、今は民営化の枠組みの議論をして、民営化されるかもしれないと。しかし、その承継計画ができるまでは、その意味ではその中身はなかなか分からない。そういう点に関しては大変御不安があるということ、これはもう大変よく理解できるところだと思っております。
  我々、法律の中で、これはもう速やかにしっかりとやっていきたいんですと、そのためのしかし手順をきっちりと踏みますということをこれ法律で決めております。中身まではその後にならないとなかなか行けないわけでございますけれども、その手順としては、まず総理大臣と総務大臣がこの郵政民営化推進本部の決定を経てこの基本計画を決めます。
  基本計画の中には、承継計画としてはこういうことが必要だ、ああいうことが必要だ、それをしっかりやりなさいということを基本計画で決める。それを受けまして、この日本郵政株式会社、つまり準備企画のためにつくられる会社、これを、この会社の下で承継計画が作られる。そしてその中で、それぞれの職員のいろんな帰属というもの、そしてさらには、ATMも確かに大事です。ATMがどこに帰属するのかというのは大事です。資産をどのように分けるかによってそれぞれの会社の営業の姿もまた業績も決まってくるわけでございますから、それを責任持ってその郵政、この準備企画会社に作ってもらって、それは重要だからこそ内閣総理大臣と総務大臣が認可をするという、そういうことを今の法律の中で作っているわけでございます。
  その先のことになりますと、正に我々としては、その意味でも、一刻も早くこの法律の枠組みに御賛同いただいて、そしてそのプロセスに入って、皆さんの御不安をなくすためにも、承継計画をしっかりと明らかにできるようなプロセスに持っていきたいと、そのように考えているところでございます。
  それでも一応のめどは要りますので、骨格経営試算という形で、ある程度の前提の下で資産の切り分け等々して、それで、四分社化で成り立つということを確認させていただいているわけでございますが、要は、やはりそういうプロセスを責任持って進めていくということかと思っております。
○山崎力君 そういった御答弁であれば、なおさらのことこの承継計画の中身が、この郵政民営化成った場合の、うまくいくかどうかを決める大きな私は計画になるというふうに思えるわけですね。
  そうすると、先ほどの関連で言えば、その承継計画を作るところ、具体的に作る作業の中にいわゆる郵政の職員、特定局長あるいは郵政の職員、あるいは何というんでしょうか、そういった人たちの現場の声を反映させる人をしっかり組み込まないと、私はこれやっていけないと思うんですが、その辺のお考えはいかがでございましょうか。

○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど申し上げましたように、今の法律というのは、そういう手続を非常にきっちりと決めているわけでございますが、どういうふうに手続を決めているかと申し上げますと、今委員おっしゃった大切な承継計画、その承継計画の基となります実施計画は、日本郵政株式会社が作成をします。そして、その作成に関する権限は経営委員会が有するということをこの法律で決めております。
  この経営委員会とは何かということですが、経営委員会の委員というのは、日本郵政株式会社の取締役の互選、取締役の決議によりまして、その代表取締役を含むところの取締役、七人以上、七人以内で組織されるということを決めております。そして、この選任に当たっては、内閣総理大臣そして総務大臣が認可を行うということで、責任ある人選をするという仕組みをつくっているわけでございます。
  委員のお尋ねは、そのときに特定局長さんや一般職員の方は入るのかということでございますので、これは今申し上げたように委員会は取締役の互選ということになるわけでございますが、そのときに、承継計画の中で一番重要なのはそれぞれの待遇、条件ということだと思いますけれども、その雇用の条件についてはしっかりと配慮しなさいということを義務付けをしております。
  また、こうしたことを進めるに当たって、今の郵政公社に対してもしっかりと協力してこの承継計画を作るという、その協力の義務がございます。そういうことを通じまして、非常にきめ細かく職員の意見、立場というものが反映されるように是非運営をしていきたいと思っております。
○山崎力君 それから、ちょっとくだらないというか、外れちゃうのかもしれませんけれども、この問題のついでに、将来のこれ話になると思うんですが、これはどちらかというと麻生大臣が適当かと思うんですが。
  これ、会社、民営化されて分かれるわけですよね。そうすると、その会社によって業績が良かったり悪かったりするということも十分考えられると。そうすると、今の公社でいれば同じようにこう行けたのが、まあ自分の意思もあるのかあるいはどうかは別として、その割り振られた会社で余り業績が変化してきて、給料が大分おかしくなってくると。おかしくなってくるというか差が付いてくると、具体的に言えば。これは民間会社になればあって当然の話なんですが、そういった場合、社員のモラールというのは当然変化してくる。まあ、これは何年先になるか分かりません。実績がどうなるかでも相当やってきますが、それは長い目で見れば必ずその問題は出てくると思うんですが、その辺は簡単に割り切れるもんですかね。やっぱり民間会社というのはそうなんだから、悪い方に選んだおまえの方が運が悪かったんだでいいのかなという気もあるんですが、その辺、実際の事業を経験もされている大臣からちょっと一言、御感想になると思うんですが、お願いできませんか。

○国務大臣(麻生太郎君) 差は付くと思います。
  基本的にやっております職業が、金融それからいわゆる物流、それと簡易は保険か、保険、三業種は基本的にやっている業種が違いますので、その業界におけます平均年収を見てみましても、貨物業者は約四百八十万円、銀行六百七十万、保険五百四十万と、これは今の現状であります。ただ、これちょっと平均年齢が少し取り方がちょっと業界によって違いますので、信託、貨物の場合は四十歳で取ってありますし、保険の場合は四十三で取ってありますから、少し差し引いて計算しないといかぬところだと存じますし。
  また、官が分かれたところでNTTとNTTドコモを見ましても、これは三十六歳と四十三歳で平均年齢が違うせいもありますが、四百五十八万、約四百五十九、済みません、四十五万九千円と四十六万六千円ということになっておりまして、数千円の差が出ている。これは分かれたばっかりとはいえこれぐらいの差が付いてきておりますが、考えてみますと、分かれたときは、ドコモに行った方が明らかにこれは先行き余り見えなかったんだと思いますが、行ってみたらドコモの方が良かったという話ですから、これは正直言って、この商売をやっておりますと、十年先のことは正直言って分からぬもんなんだと、私どもも正直長いこと商売しているとそう思いますので。
  銀行でいえば一九八五年、世界の銀行ベストテンのうち九行日本が入っておりますが、十年後の一九九五年、世界の銀行トップテンの中に日本の銀行はゼロです。それぐらい激しい業界でもありますので、私どもはこの中でどの業種を選ぶというのを、これはなかなか、これは先は堅いとかいうものも含めてなかなか難しいだろうと、正直にそう思っております。
○山崎力君 今までいろいろこの問題ずっとやらせていただいて御答弁願ったように、これはやっぱり不安を持つのは当たり前だと、それをどうやって民営化で働かせるかと。その、麻生大臣も言われたように、キーパーソンは生田総裁だというふうになるわけです。これは御本人いろいろ思いあるでしょう。絶対もうこれで引退させていただくという報道も接しておるわけでございますけれども、今の現在の総裁の部下なわけですよね、職員なわけ、全員。その人の一生をどうするかというようなことを今度の民営化である短期間の間に決めなきゃいかぬ。
  それで、まだ具体的に、先ほど来の承継計画作る経営委員会等の人選はまだ決まってない、これが極めて重要だと。こういう中で、どういうふうな立場でこれからこの新会社発足に至るまで、総裁として、公社の総裁として部下の身の振り方をやるのかと。ある意味じゃ、新しいところへ行けと言っておいて、本人だけ、まあ引退といいますか、引くのかと。やっぱり最後まで一緒に行った方が指揮官としてはこれ当然じゃないかという意見もあるわけですが、その辺のところを含めて生田総裁の今のお考えを伺いたいと思います。

○参考人(生田正治君) 大変難しい質問をいただきましてありがとうございます。
  まず、立場とおっしゃったので立場からお話しいたしますけれども、承継計画を作り、本当に七年四月に橋を渡って民営化になっていく、これは新しくできる日本郵政株式会社の経営陣、経営委員会の仕事でございまして、彼らが法的にその立場にあると。実は、法的なことだけ言えば、私どもはそういう先のことを話をする法的な立場はないんですけれども、さっき竹中大臣言われたように、それにつながるように努力をしていく義務は負うと、こういうのが私の立場だと思います。
  したがいまして、民営化問題については、政府からきちっと始めの説明責任を果たしていただいた後、具体的なところは、政府からの御要請がもしあれば私どもが、一緒にここまで苦労しているわけだし、これからも一緒に苦労するわけですから、もう本当に誠心誠意話合いをして不安を除き、むしろ逆に士気高く、もし民営化に向かうんであれば旧大陸から新大陸に移るように、最善の努力をしていきたいと思っております。
  それで、それは私が七年の三月末を超えて四月一日につながるかつながらないかには関係なしに、関係なしに、私は最後の瞬間まで努力を同じように尽くす覚悟でおります。私の責務は、小泉総理ここにいらっしゃいますけれども、いただいた責務は、任期の四年間、健全で良い公社をつくれという御指示をいただいているわけでございまして、その中に民営化という問題が起こり、それに対して最善の努力をするということを申し上げたわけでありますが、その後の人事に、私の個人の人事にかかわることは、私はコメントを差し控えさせていただいた方が妥当じゃないかと思うわけでございますが、考え方としては、常に改革というものには若いダイナミックな知力、体力、気力、こういうものが大切な不可欠な要件であるというふうに考えております。
○山崎力君 今の生田総裁のお立場からすると、そういう答弁があるというのは当然予想されることではございますけれども、何というんでしょうかね、もうこの法案通って、なくなる公社のためにこんなに最後まで努力いたしましたというのははやらないんですよ。やっぱりなくなるものはなくなるんですから。次のことの新会社のために、つながるために全力を尽くすと。今公社の経営四年目、幾ら良くしたって、その次の新会社の経営ががたがたになったんじゃこれどうしようもないわけですので、その辺のところを是非踏まえて今後も御活躍願いたいと思います。
  それで、最後、総理の方に質問をさせていただきたいんですが、これ先ほどの市川先生の質問からいくとちょっと、まずつかぬことなんでございますけれども、個人的、総理の個人的なことで、総理の御地元、横須賀市だと思うんですが、かなり市会議員の定数多いと思うんです。その中で、総理、だれに投票するかというのを迷われたことございませんか。どう決められていますか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 市会議員の選挙のときには実に迷います、率直に言って。というのは、一人を選ぶ選挙じゃないんです。何十人の枠の中で、数十人の枠の中でだれを選ぶかという場合に、私の衆議院選挙のときに応援してくれる方はたくさんおられます。そして私自身も、その市会議員の選挙のときにはその候補者のために何人か、一人ではなくかなりの私を応援してくれた方々に対して応援回ります。そして、いざ自分が投票する際には一票しかないわけです、一人しかない。実に迷いますね。
  これは、本当に私を一番熱心に応援してくれた方、一番信頼できる方に投票すべきだという考えもありますが、同時に、その候補者はもう絶対当選確実だという場合は、私を応援してくれている方でも、まあできるだけ多く私を応援してくれている方に当選していただきたいですから、必ずしも私を熱心に応援してくれていなくても、応援してくれていることに変わりないから何とか当選させたいという気持ちがあれば、そういう場合、そういう人に投票した方がいいということがあります。
  ですから、私は市会議員の選挙のときには皆さんに言っているんです、私の一票はだれに入れるか、家族にも絶対言いませんと。今まで絶対言っていません。家族からよく聞かれますよ、本当のところを教えてくれと、だれに。私は今まで、市会議員の選挙においても県会議員の選挙においても複数、複数私が応援した場合の選挙においては、私は迷います。しかし、一人しか入れないものですから、一人確実に投票しますけれども、今まで、だれに投票したかということは言ったことがありません。
○山崎力君 全く私と同じ感覚で、私の場合は青森市で定数は少ないんですけれども、全く同じ感覚で、迷っているということを聞いてほっとした部分もございます。私の場合はどっちかというと、家族と相談して、向こうの話聞いて、じゃ、こっちがこうなのなら僕はこうやろうという、その違いはございますけれども。
  それはともかくとして、何を言いたいかといいますと、先ほどの組合の、あるいは職員の方の話ですね、非常に迷われる状況。今この法案の制度設計できたとしても、あったとしても、分かったとしても迷われる、まだ決まっていないところも多いんです、先ほど言ったように。それがそのまま私は何か同僚議員の中にもこの問題に対してあるんじゃないかと。言葉を言えば、あちら立てればこちらが立たず、総理を立てれば何々が立たず、何々を立てれば総理が立たずと。その中で今日の最終日、委員会、本会議の投票は来週でございますけれどもあるということを言いたかったわけでございます。
  それで、私自身の話になりますけれども、この郵政の問題、ほとんど議員になるまでは関心ありませんでしたし、前半はほとんどノータッチで来ました。偶然の機会で総務委員長をさせていただいたときからはまって、かなりその後は党内の政調の勉強会とか研究会とか、あるいは政府との検討委員会にも参加させていただきまして、門前の小僧という意味での知恵は、知識は、お経を読むくらいのことはできるかなと思うようになってきたわけですけれども、その後、今国会で衆議院の議論、あるいは冒頭私も質問させていただきましたけれども、今国会での議論、ずっと聞かせていただきました。
  そして、いわゆる最終日と言われる今日を、今日を迎えたわけでございますが、冒頭の質問で、当委員会の私冒頭で質問させていただきました、御記憶あるかと思いますが。その中でいろいろ問題点も指摘させていただいたし、そこのところは、きつい言葉で言えば、もうちょっと言葉じりのことをもう少しきれいにしておけばもっと納得しやすいようなことが残っているな、そういう意味での丁寧さが足りなかったなという部分、そういう印象はもちろん残っておりますけれども、一番私が通して感じていることは、どうしても法案作るというのは、作る側の気持ちの方が前面にどうしても出てしまいますからやむを得ないとは思うんですが、今回の民営化の問題で、経営者側の視点というものが色濃く出て、これを多くの国民がそうである利用者側、郵便、郵政制度を利用する利用者側、あるいは従事している職員の方々の視点というのはちょっと薄かったんじゃないのかなという気がしております。別の言い方をしますと、やはり民営化なんだから、新しい民間会社の経営の自由度をどんどん発揮してもらおうと、こういう発想で法案作成取り掛かられたと。
  ところが、その後の党内含めた議論の中で、利用者の利便性、すなわち郵便局ネットワークの維持であるとか金融も含めたユニバーサルサービスの必要性であるとか、そういったものの指摘が強く出まして、それはもうもっともだということで、修正、あるいはこれからの政省令も含めて運用の改正で対応していきたいと、こういうふうなことが今までの議論だったんじゃないのかなと思っております。
  利用者の側からいきますと、具体的に、何回も出ています、郵便局がなくなるんじゃないかとか、あるいは今のような郵貯や簡保のサービスが受け続けられるんだろうかとか、あるいは今までどおり郵貯の口座維持手数料、そういったものは取られないまま、あるいは振り込み手数料安いまま、それでやってくれるんだろうかとか、あるいは簡保が簡便な加入とか支払の今の仕組みを続けてくれるんだろうとか、そして全国の一律のサービスが続けてくれるんだろうかとか、こういう不安、懸念というものはどうしてもまだ残っていることは事実だと思うんですよ。
  まあ、地方に行けば、それがトータルとして、地方の切捨てと、おれたちは切り捨てられるんじゃないだろうかと、そういったこともあるわけです。あるいは、この際、金融のことは余り言いませんけれども、イコールフッティングの問題も含めて、民業圧迫になるんじゃないかというおそれ、賛成の方もそれ、声が聞かれます。そして、ある程度事情を知った方からは、金融、すなわち郵貯、簡保を民間に切り離して、三事業という今まで一体なのを切り離して現行の郵便局が維持できるんだろうかと、こういう疑問というものも強く出ておりまして、それは受け止めさせていただいたところでございます。
  そういった中で、もちろん総理は、政府側の方は、そういった疑問に対して、その心配のないような制度設計はしてきたんだと答弁されてきましたし、先ほども話ありましたけれども、私ども参議院の自民党片山幹事長との総理のやり取りの中でも、ここに書いてあることであると、郵便局ネットワークを守り、金融を含めてユニバーサルサービスを守ると、それは国民の大切な財産、資産であるというふうに総理自ら明言されておりましたですね。
  そういったやり取りの中で、ちょっとこういった形で続けさせていただくのは、くどくなるのは承知の上なんですが、先ほどの職員の話でもございましたけれども、この法案でまだ確定してない、これから作っていかなくちゃいけない、具体的な、それが非常に大きな影響を与えて、そして運用次第によってはという部分がどうしても残っているというふうに思うんです。今後の制度設計、運用にゆだねられている部分かなりある。うまくいけばうまくいくような確かに制度設計にはなっているけれども、まずくいくんじゃないかという不安はまだぬぐい切れてないわけでございます。
  そして同時に、国民に対して、よく問題になりました株の連続的保有、連続的ですね、保有、これ聞いて分かる人が、一般の国民にどういう意味か分かる人、ほとんどいないんじゃないかと思うわけです。だけれども、これがキーワードになっている部分が今回の郵政ではあるわけですね、郵政問題では。
  ということもあった上で、しかもなおかつ、すべてこのことが良かったか悪かったか、うまくいったかどうかが分かるのは、もう十年以上先の話なんですね、完全な形で分かるのは。だから、特定局の局長さんと話していて、僕もああ、そうだなと思ったのは、これがスタートする、いわゆる完全スタートするときには、私は、もうほとんどの特定局の局長は定年で辞めているんですよと、もう十数年先だとすれば、だから私自身の話ではないんだという話もお聞きしているわけです。そして、なおかつ言えば、先ほど前島密ございましたけれども、もう明治、百年以上たった制度設計、抜本改革でございますね、不安、懸念というのはどうしても残ると。
  そうすると、結局問題は、この問題を最後に詰めていきますと、現在の政府のこの案、そして予測とか説明、そういったものが説明どおりうまく、予想どおりいかなくなったと、こういったときにどういうことを時の政府とかあるいは国会が取って、その対応策を取ってそういった問題を解決していくかと、このことが私は現時点では一番重要な課題ではないかというふうに思い至ったわけでございます。
  そこで、総理に最後の質問という形でお伺いしたいんでございますけれども、こういった形の問題で、つづめて言わせていただきます。
  一番多くの方が懸念されている、不安に思っていることは、現行の郵政事業のサービス、三事業で行われているサービスが、このサービス水準を下げるということ、あるいは下がることを容認するということは、この政府案、すなわち総理のお考えですが、本意では全くないと。もし、万一そういったことが起こったと明らかになった場合、可能な限り、いかなる手段を取っても、これもちろん合法的という意味ですけれども、まあそのとき総理が現職であられるか、あるいは議員であられるかは別として、総理自らがこのことに対して先頭に立って対処すると。そのことをお約束できますですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、十二年後でしょう、完全民営化するの、移行期間を設けて。十年以上後、私が総理でないということは確かだ、議員であるかどうか、それは分からないけれども。
  そういうことについて予測はどうかと聞かれて、先ほど麻生大臣が極めて具体的に言われました。民間におきましても、将来これは発展しないだろうと思われるのが、数年たつと、発展すると思われたところよりも逆に発展しているところもあると。過去の例を取っても、現在の一番いい企業が十年後にはいい企業であるかというのは限らない。これは、どの国でも、国の機関でも民間の機関でも言えると思います。要するに、国の機関だから大丈夫だ、民間の機関だから大丈夫だとは言えない。要は、経営者、トップの判断とその従業員の意欲によって随分変わってきます。
  そういう点から、今の御不安の、郵便局のサービスが維持されるかどうかという不安を、あるいは懸念を払拭するためにいろいろな措置を講じていますから、今よりもより良いサービスが提供されると。同時に、国民負担が軽減されると。ということは、民間になれば税収も上がってきますから、今まで税、納めていなかった税が。
  さらには、今まで皆さんが、できるだけ国の関与を減らしていこうよ、民間にできるところは民間にやってもらおうよ、公務員も減らしていこうという趣旨に沿っている改革案ですから、私は、こういう中で不安を、あるいは懸念を払拭するための措置はいろいろ、三年ごとにいろいろ見直していこう、国民のより良い、していきたいという声をどういう反映していくかというのは、正にそれは政治の責任であります。民間の企業でも、これが倒産した場合には、国民に混乱を来すという場合には国が関与しなきゃならないことだってあるわけです。それはどの企業でも私は同じだと思います。
  そういう点は十分注意しながら、この郵便局というのは国民の資産である、民営化することによって経済活性化に役立つ、より良い経済の繁栄のために必要だという観点からこういう制度設計をしているわけでありますので、是非とも御理解をいただきたいと思います。
○山崎力君 総理、総理がそういうお気持ちで制度設計したということは認めているわけです。ただ、万一それがうまくいきそうにないなと思ったときに、大体そういうことをつくった方というのは逃げる方が多いんですよ。それを、総理自体、おれはこれが正しいと思ったと言われてやったことだとしても、これ、そのときの総理の立場、その問題になったときの総理の立場は分かりませんけれども、それは本当に、少なくても郵政のサービス水準を下げない、下がらない制度設計したんだと、もしこれが現実に下がるというデータが出てきたら、それを是正するために私は全力を尽くすというお約束ができないかということですので、イエス、ノーになりますけれども、約束できるかできないか、そこの点だけよろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在の郵便局のサービスを向上させるための民営化であるということを御理解いただきたいと思います。
○山崎力君 まあ、そういうことは分かります。まあ、そのときの総理がどうなっているかということでございますけれども、イエス、ノーと言っておっしゃっていただいたことで、私は多くの人たちが、単に総理の思いでやっているわけではないんだと、この民営化はやはり国民のため考えているんだと。不安を持っている方は多いわけですから、そのときの総理として、万が一という表現を私、使わせていただきました。恐らく、大勢の方がこの制度設計の中にかかわって、善かれという制度設計したということは疑いません。しかし、それでもなおかつ不安が残ると、まだ先の話ですから。そのときの対処方針をどうするんだと。単に、ああ、やっぱりうまくいかなかったのかなで、それで地方が切捨てになると困ると思っている方がいるわけですよ。
  その人たちの不安を解消するという意味で、総理自らが、私の本意はそういうところではないんだと、もちろん良くするためなんだと、今お答え願いましたけれども、それと同時に、総理自身政治生命を懸けていらっしゃると思いますが、そのことを懸けたのと同じように、サービスの低下を防ぐもし必要、万一そうなったらそのときは先頭に立ってやるから安心してこれを認めてくれと、そういう御答弁を私は期待しているんですが、いかがでございましょうか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そのとおりでございます。
○山崎力君 今のお答えで安心した方もいらっしゃるんではないかと思っております。それは国民がこれから判断していくと思いますので、多少時間が余っておりますが、これ以上質問、終わらせていただきます。
  ありがとうございました。

(後略)