答弁「税関での増員と国際郵便について

(平成18年3月8日衆議院財務金融委員会会議録より抜粋)


(前略)
○田村(謙)委員 民主党の田村謙治でございます。
(中略)
○田村(謙)委員 今いただいた御答弁で、確かに十八年度、この行革国会、一律五%削減という中で二百二十人の増員をかち取った。ただ、実際その五%の削減、いわゆる全体の一律の削減で百六十五人削減があるというお話を聞いておりますので、結局、二百二十マイナス百六十五で純増は五十五人だという話も聞いておりますけれども、その人数が十分ではないというのは、もう御担当の方が一番認識していらっしゃると思いますが、とにかく増員というのはなかなか非常に厳しい。これからますます人数を減らしていかなきゃいけないというような雰囲気の中で、先ほど申し上げたように、みずからの組織でのそういう要員の配置をいかにちゃんとしっかりしていくか。
  努力していらっしゃるという当たり前の答弁をいただきましたけれども、そもそも、その機構の見直しについても、今までは、監視部というところが入港から船おろしまでを見て、そして、調査保税部というところがいわゆる保税地域のところを見て、そして業務部が輸入申告を見る、大まかに言うとそういうふうに分かれていたのを、貨物の取り締まりを図る観点から取り締まり機能を集約なさったとおっしゃいましたが、それも、確かに近年、状況はいろいろ変わったんだ、だからそういうふうにスタンスを変えた。確かに、アメリカでテロがありました、各国それぞれが非常に取り締まりを厳しくしている、あるいは、知的財産侵害物品という、最近明らかに新しい話もあります。
  ただ、私が思うのは、別に、テロとか知的財産とかないもう昔から、それこそ私が関税局にいたときから、取り締まり機能は集約すべきだなと私は個人的に思っていましたよ。特に、テロがあったからとか、近年、この一、二年、この数年の状況が変わらないとそういう発想にならないというのは、私はやはり遅過ぎると思います。
  理由は、別に今回の機構の見直しの方向性はいいと思いますけれども、ただ、それを今さらやるんですねというのは私が今回お話を伺った感想ですし、何でも、今やったタイミングに対してきれいな理由は並べられますけれども、それは決して、だから今のタイミングが一番よかったなとは、今回の今お話しいただいた件についても私は思いません。
  そういった中で、引き続き税関さん、関税局さんでも、まさに組織の中で引き続きちゃんとしっかりと一番効率的な要員配置を求めてやっていただきたいと思いますけれども、さらに広げて霞が関あるいはそういう中央省庁全体を見た場合、いろいろな省庁にいろいろな部署がありますけれども、その業務の量というのは全然部署によって違いますよね。まだまだ、中央省庁全体、地方支分部局も含めて、効率的な要員配置にはほど遠い状況にあると私はいろいろなところを見て日々感じています。
  そこは財務省さんのお話ではなくなって、省庁全体ですので行管の話になると思いますので、総務省さんの方にお伺いをしたいんですけれども、まさに税関の取り締まりもその一環ですけれども、とにかく治安を守るんだ、日本もやはり徐々に治安がいろいろな意味で悪くなってきている。それを何とか、先ほど、世界一の治安がいい国だ、そういう地位を守るためにも取り締まりというのはさらに一層強化しなきゃいけない、その一つがまず税関だと思います。ですから、我々民主党も、ずっと警察について、とにかく要員をふやすべきだということはマニフェストにも書いて主張しているわけです。
  各省庁の一律削減というのは、先日の財務金融委員会の議論でもありました予算の一律削減と同じように、ある意味でもう単純な、要はめり張りをつけない一番単純なやりやすいやり方ですよ、確かに。
  ですけれども、先ほど申し上げましたように、税関についても二百二十人増員とか言いながら、結局その一律削減の分でマイナス百六十五、とりあえずは全体を一律削減した後で残りをふやしましょうという発想自体が、何か極めて機械的なんじゃないかな、そこはやはり、取り締まり機関というのは、よりさらにしっかりと認識を持って増員、人員をふやさなきゃいけないと思うのですけれども、その点に関してはいかがですか。
○山崎副大臣 今お尋ねの件でございますけれども、今政府全体の方向として、やはり行政改革というものの重要方針の中で、定員の合理化計画というのを着実に実施していくんだという考え方でございまして、今御指摘のように、めり張りはつけるんだけれども増員は厳しく限定していくという考え方が、先ほども数字に出ておりましたけれどもあるわけでございます。
  その中で、いろいろな協議を通じまして、平成十八年度においては政府全体として千四百五十五人の大幅な純減をする、しかしながら、御指摘の税関を含めた、安全、安心のために、治安、徴税の関係などは、政府としては、重要な施策で重点的に定員を配分していくという考え方で、一応めり張りはつけた定員配置ができたというふうに考えております。
  ちなみに申し上げれば、政府全体で、先ほど申し上げました千四百五十五人の純減の中で、治安、徴税関係については八百七人の純増、そして、うち税関に関しては、先ほども委員申されておられましたけれども、五十五人の純増というふうになっている次第でございます。

○田村(謙)委員 もうちょっと具体的に申し上げますと、結局、一律削減で全体をマイナス、それぞれ削っていながら、ふやすところは後でふやして、足し算するとちょっとだけふえるとか、そういうところは確かに税関を初め幾つかあるんだと思いますよ。でも、そんな、結局、単に数をそれこそ何人減らしましたという数字、もう最初から純減の数字をおっしゃっていただいたので、今回は出ませんでしたけれども、まさに定員合理化計画で、ちょっと数字は忘れましたが、何人という数字は、実際に減らす数字ではなくて、それからまた別の枠で増員をするので純減というのはこれだけだ、単に定員合理化計画の水準を水増しするだけのような気がするんですよね。
  税関とか警察のように、例えば取り締まり、例えばですよ、明らかにもうふやすべきだというところは合理化計画の一律削減から外したっていいんじゃないですか。
○山崎副大臣 ただ足すのか、それとも減らしてから足して、足した分が少しふえるのかという御議論になろうかと思いますが、私どもの考え方としては、すべての行政機関の定員について合理化計画をまずやるんだ、こういう姿勢でとにかくそれぞれの各役所で検討してもらう。その中で、減らすところは減らしていただいた上で、やはり新たな、あるいは今まで従来以上の定員を必要とするというところをふやすという考え方でめり張りをつけていきたいという基本的な考え方でやっておりますので、先ほど申し上げたような形になっているというふうに御理解願えればと思います。
○田村(謙)委員 私もこの関係はそんなに詳しくは勉強しておりませんけれども、普通に考えると、減らすところは減らして、でも、例えば新しい部署ができるとか、割によく言われますよね、新しい機関ができないとやはり人員はなかなかとれないとか、新しい仕事ができないとそういう増員の分はとれないとか、よくそういう話はあります。
  関税局、税関の中で、百六十五人分は減らせる部署があって、その一方で取り締まりで二百二十人、単純にそういう話じゃないんですよね、別に。一つ一つ細かくそこまで議論をチェックしているんだったらともかく、結局もう数合わせなんじゃないかなという思いはぬぐえません。
  そこはとにかく、行管にお任せじゃなくて、行管の担当者も役人ですから、ほかの省庁のめり張りなんて明確につけられるはずはありませんので、そこはぜひとももっと政治の方で、政権の方で認識を持っていただきたいなというのが私の願いであります。
  さて、先ほど申し上げたように、基本的には、とにかく私は輸入の取り締まりに集中すべきだ、まずそれを第一、それが日本の国益だという観点ではあるんですけれども、輸出について、ただ一つだけ、私は例外として認識しているものがあります。それが北朝鮮に対する輸出についての取り締まりであります。
(中略)
  さて、牛肉の話はそれぐらいにいたしまして、ひとつ、今回の改正には関係ありませんけれども、国際郵便物の件についてお伺いします。
  まさに昨年、郵政民営化法案が通過をして、それが税関にも関係するという話でありまして、まさに郵便局が扱っている国際郵便物、今までは当然郵政公社、公的機関でありますから、税関の方でもさまざまな優遇をする、ほかのいわゆる貨物と違ってですね。一般貨物では輸入申告というものが必要なわけですけれども、現在、国際郵便物についてその輸入申告というのは要らない、保税地域に置くことも必要ない、あるいは臨時開庁の対象外、すなわち、臨時開庁に本来民間の企業というのは手数料を払いますけれども、その手数料も要らないと。
  さまざまな、民間の企業のいわゆる貨物と比べて優遇された部分があるわけですけれども、当然、民営化されるわけですから、もうほかの、それこそ一般貨物と同様の扱いになるというのが、民間の中でですね、民間のほかの企業と郵便とのイコールフッティングだと思うんですけれども、その点について、関税局さんとしてどのような御対応を考えていらっしゃいますでしょうか。
○竹本副大臣 先生おっしゃったように、今まで国際郵便物と通常の郵便物とは確かに扱いが変わっておりました。しかしながら、現行の国際郵便物の通関手続につきましては、本来、納税額は納税義務者の申告により確定することが原則であると考えられること、また、国際郵便物と民間の貨物運送業者が扱う貨物との間に内容物やサービスの面での差異がなくなってきていること、それから、先進国においては課税価格が一定以上である国際郵便物に申告納税方式を適用している国が大宗であることなどから見直しが必要になってきている、そういう認識をしております。
  こういったことから、財務省といたしましては、民営化後の国際郵便物を取り巻く状況や国際郵便物を含めた国際物流の動向等を踏まえながら、今後見直しを行いたい、そう考えております。現在、総務省と相談をしておるところであります。
○田村(謙)委員 では、同じ質問を、総務省さんの方のスタンスをお伺いします。
○山崎副大臣 今、財務省さんと、この問題について相談中といいますか、ともに検討中であるということは、そのとおりでございます。
  今我々の方として考えておりますというか、立場として言わせていただいていることでございますけれども、総務省としては、郵政の民営化後も、郵便をめぐる事情といいますか国際間の約束、いわゆる万国郵便条約、そしてそれに基づく国際郵便制度、そういったものの全体として変更はないというふうに、今度の民営化に関してでございますけれども、考えておりまして、郵政の民営化が国際郵便に係る通関制度に直ちに結びつくものではないという考え方でございます。
  ですから、私どもとすれば、財務省における検討も、この民営化を理由としてではなくて、通関手続を取り巻く情勢に応じた見直しということで検討させていただいているというふうに理解しておるところでございます。
  ちなみに、今回のことで言えば、当然、郵便物としてのある種のものというものと、それから、そちらの方のいわゆる貨物というものと、そこの間をどういうふうに区分けするかという問題にも絡んでくる事情がございます。
  郵便物の中でも、信書に関しては別扱いというのは当然の前提でございますので、その辺のところを含めまして、当方のところでは、考え方として一般論的に言えば、郵便物の一般的な性質、性格というものは、普通、通関手続にふなれな個人の利用者が非常に多いということで、また、差出人から一方的に送られまして、郵便物を受け取るまでその方が、中身が何であるかというのがわからないケースも少なくない。
  あるいは、国際郵便上のシステムの特性として、先ほど申し上げた万国郵便条約のもとの連合加盟国、そういったものが共同で行う国際事業だということがありまして、民間のように引き受けから配達まで、代理通関の委任を含めて、同じ事業者が一貫して行うサービスということができない、こういった特徴がありますものですから、そういった点を考慮してこの問題に対して検討していきたいというふうに考えております。

○田村(謙)委員 いろいろなポイントがあると思いますけれども、例えば、まさに民間の貨物、貨物運送業者が扱う貨物だと、先ほど話がありましたように、申告納税方式なわけですね。当然申告しなきゃいけない。当然運送業者がそういう手間をかけているわけですけれども、それが国際郵便物であれば、賦課課税方式になっていてそういう申告の必要がないと。それ自体も万国郵便条約で規定されていることなんですか。
     〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕
○山崎副大臣 万国郵便条約では、通関に関しましては規定はございません。
○田村(謙)委員 だったら、先ほどの答弁で別におっしゃる必要ないじゃないですか。何か万国郵便条約とおっしゃると、いかにも何か、今私はあくまで通関の話をしているんですから。それで、規定もない条約を取り上げて、何かいかにももっともらしく、国際郵便というのは万国郵便条約も適用されるからほかの一般の貨物とは違うんだなんというのは、単なる言いがかりというか、もうほとんど理由になっていないですよね。
  結局、先ほどほかにもいろいろ幾つかおっしゃっていましたけれども、郵政公社も民間になるわけですから、それを目指しているわけですよね。一般の貨物よりも優遇されるというのは、それは民営化の過程としてもおかしいと思いませんか。
  それに、あと私は別に税関の回し者じゃないですけれども、まさに先ほど申し上げた、国益として、国内の治安を守らなきゃいけない。今取り締まりの人員が足りないわけですよ。人員はできる限り取り締まりに集中すべきだと私は申し上げています。そういう中で、もちろん今まで郵政公社というか公的機関がやっているのであれば、税関がある程度大目に見よう、ある程度税関が業務を負担しようというのはあったと思いますよ。ですけれども、それが民間になる企業にそんなに人員を割くような余裕はないわけですよ。それが国益だと私は思います。
  そういった中で、何か先ほどいろいろおっしゃっていましたけれども、もう一度、いかがですか。
○山崎副大臣 私が先ほど申し上げたことが、誤りがなければといいますか、言い間違いがなければ、いわゆる国際郵便物の検討に際して、郵便物の一般的な性質として、個人利用者が多い等のことがある。それから、国際郵便システムの特性として、条約下において一緒に共同してやる国際事業であるということですね。
  ですから、ということはどういうことかといいますと、我が国だけの制度なのか、それだけで考えていいのか。ほかのところの、いろいろな通関のやり方ということも考えた上でやらなければいけない、そういう意味で申し上げているわけで、その中の一つの特徴として、引き受けから配達まで、代理通関の委任を含めて、同じ事業者が一貫したサービスを行うことができない。
  要するに、これ以上説明する必要はないと思いますが、外国の郵便の取り扱い、公的な機関であれ何であれ、そういうところから来て日本の方に来る、こういう特性がありますから、同じ業者が最初外国で受けとめて、それを通関して日本の方へ持っていくというサービスを行うことができないという特性があるということを申し上げたわけでございます。

○田村(謙)委員 別に全体の特性なんて聞いてないんですよ。私は、通関のときどうかと。
  それは例えば、一番わかりやすいのが申告納税か賦課課税かですよ。先ほど財務省側から説明がありました。ほかの国でも、一定の金額とかありますけれども、申告納税が基本だというような御説明をいただいたと思いますけれども、とにかくそこは民間業者ですから、郵便物の性格とかというのはもちろんあるんでしょうけれども、かつ、ほかの民間業者でもさまざまな特性があるような貨物を扱っているわけですので、いろいろおっしゃっていましたし、そこに書いていらっしゃる答弁以外のことは多分御存じないから繰り返していらっしゃるんだと思いますけれども。
  何か全体、とにかく郵便物の特性がいろいろあるからある意味で特別待遇するのは当然だのような、あるいは、ほかの国を見て、ほかの国と対応をできるだけ、そういう扱いを一緒にしなきゃいけない、それはわかりますよ。先ほど財務省さんから説明があったじゃないですか。ほかの国は申告納税が基本なんだというような説明が既にあるわけですよ。そういう説明を全く聞いてないかのような、理解していらっしゃらないと思いますけれども、そういう通り一遍の答弁はやめていただいて、とにかく民間業者になるんだ、郵政公社だから特別待遇が当然だというような感覚はぜひやめていただきたい。今後、まさにこれから検討なさるんだと思いますけれども、強く認識していただきたいと思います。国際郵便についてはこれぐらいにいたします。
(後略)