答弁「地方交付税法の改正について

(平成18年3月16日参議院総務委員会会議録より抜粋)


(前略)
山本順三 自由民主党、山本順三でございます。質問の機会をいただきまして大変に光栄でございます。
  今回の地方税法あるいは地方交付税法の一部を改正する法案でありますけれども、これは三位一体改革に連動したものでございまして、まずはその辺りから解きほぐしていきたいと、このように思っておる次第であります。
  実は、私も地方議員という立場が長かったものでございまして、平成十六年ショックとでもいいましょうか、突如として地方交付税が大幅に削減をされた。その後の騒動というものはもう大変なことでございまして、その影響をいまだ引きずっているというのが地方の現状だろうと、こういうふうに思っております。
  そんな中で、私もこの国会に出てまいりまして、一番やらなければならないこと、それは何といっても地方分権に向けてどのようにして地方の自立を図っていくか、そのための方策たるや何があるか、そんな気持ちを込めて東京に来たわけでありますけれども。
  ちょうどその当時、一昨年の秋以降でありますけれども、三位一体の改革の議論というものが言わば佳境を第一弾迎えておった、こういうふうに思いまして、積極的にその議論に参加をさせていただきましたけれども、残念ながらそう簡単に地方分権はなし得ないぞ、こういうふうな、そういうことを再認識せざるを得なかった、そういう感想を私自身は持っています。
  と申しますのも、やはり官僚の皆さんの強さとでもいいましょうか、それぞれの各省益を守る力とでもいうんでしょうか、補助金の削減等々につきましても、そうそう簡単に地方六団体の話に対応した改革がなされるような様相はないし、またこれはこんな言葉使っていいのかどうか、まあ族議員といいましょうか、しっかりと官僚と連携プレー取る、そんな中で地方分権を模索するのは、これはこれはもう並大抵の話ではないなということをつくづくと感じたような次第であります。
  まあ、そういったことから始まって、今回国庫補助負担金が四兆七千億カットされた、そして税源移譲は三兆円強税源の移譲がされた、また地方交付税は五兆一千億削減をしたと、こういうふうな結果に相なったわけでございますけれども、午前、那谷屋さんがおっしゃっていましたけれども、地方交付税の削減というものが今回の三位一体改革の成果とは考えられないよ、あの部分は私も全く賛同するところでありまして、そういったことも踏まえた上ででありますけれども、基本方針二〇〇二において三位一体改革、スタートしたわけでございますけれども、その第一段階、この三位一体改革の成果、これをどのように評価をされておるのか、あるいはまた総括をしておられるのか、その基本的なことについて、重複するだろうと思いますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
○副大臣(山崎力君) 委員御指摘のとおり、今回の三位一体の改革でございますが、三年間にわたる改革の結果、四兆円を上回る国庫補助負担金の改革と同時に三兆円の国から地方への税源移譲というものが行われたところでございまして、その結果、地方にとりましては公立保育園の運営費、学校あるいは社会福祉施設の施設整備費等の一般財源化ということが相なりまして、そういった意味で地方自らの創意工夫で、あるいはまた責任で政策を行うという幅が広がったということは事実だろうというふうに認識しております。
  また、税源移譲による地方税収は、言うまでもなく国税と切り離された形でございますので、地方の自主財源として安定的に入ってくるということになりまして、そういうのが一つのインセンティブになれば、地方の経済成長あるいは地方の税源涵養努力というものによって、今後地方の増収が見込まれるという点もあろうかと思っております。
  また、今回の税源移譲の実現によりまして、自主財源の強化あるいは補助金改革による地方の自由度の拡大ということを合わせまして、全体として地方分権の推進に資するものあったというふうに考えております。また、現場の地方六団体の方からもそのような評価をいただいていると、まあまずまずの成果があったんではないかというふうに認識しているところでございます。

○山本順三君 隣で森元議員が甘いなというような話をしておるわけでございますけれども、実は私も、まあまずまずの成果とはいいながら、地方六団体を始めそれぞれの立場でこの程度の改革でいいんだろうかというような声がかなり出てきていることも事実だろうと思います。
  ただ幸い、今回の改革において初めて国と地方の協議の場というのが持たれました。ですからそれは一歩前進だろうというふうに思いますけれども、その中で地方の改革案というのが提示をされました。いろんな分野で補助金カットの項目等々について提言があったわけでございますけれども、これ実は義務教育の八千五百億を除いた数字なんですけれども、総額で二兆三千七百八十四億円のうち実質三千八百九十八億円、一二・一%しか実現されなかったよと、こういうふうな地方からの指摘があることも御案内のとおりだろうと、こういうふうに思っております。
  そこで、お伺いいたしますけれども、こういった地方の不満が残っている、地方の要望が十二分に反映されなかったその原因を今ほどどういうふうに総括されておるのかということと、もう一つは、先ほど申し上げましたけれども、まだまだ不十分だと、だからこれから新たな第二段階、第二期のいわゆる三位一体改革進めていかなければならない、そういうふうな声が地方からも沸き起こっておるわけでありますけれども、これどういう理念を持って、もしやるとするならば、進めていかれるのか、そういったことについての根本的な考え方をお示し願いたいと思います。
○副大臣(山崎力君) 今、委員御指摘になりましたとおり、個々、個別具体的な話になってまいりますと、この三位一体の改革の結論が出る、今回の結論が出る過程において、いろいろな御意見があり、また財源の在り方というところでも対立といっていい、まあ適当かどうか分かりませんが、対立といっていいような部分があったということも事実でございますし、また今回の補助金の改革案につきまして、地方の側から我々の主張したというか考えたことと違ったものが出てきたと、我々の反映の度合いが低いというようなおしかりといいますか、御批判をいただいていることもまた事実であるというふうに認識しております。
  その一方で、多少こちらの方の手前みそ的な言い方になるかもしれませんが、税源移譲に結び付く補助金改革の検討の中にありまして、地方から反対の強かった生活保護の国庫負担率の引下げということは行われなかったという点もございますし、地方からの要望が強かった施設費の補助金の税源移譲というものを対象にできたということを考えますと、やはり我々としては地方の意見を何とか反映させようという努力の結果も出てきたんではないかというふうに思っております。その結果が政府に、与党における協議あるいは地方との協議の結果、三兆円の税源移譲を実現するということで、ぎりぎりのボトムラインと申しますか、最低限度の仕事はしたという自負は持っておるところでございます。
  また、今後のことでございますけれども、もちろん、我々として今回で済むというふうな、終わりというふうなことは毛頭考えておりませんで、これは政府・与党合意にもありますように、改革に終わりはないという認識は共通しているところだろうと思います。十八年度までの改革の成果を踏まえつつ、今後も地方の意見を聞いて、尊重する姿勢を聞きながら、更に地方分権の推進、あるいはその一方での地方の自立と責任の確立というために努力する必要があるというふうに思っております。
  そのため、先般設置した地方分権の二十一世紀ビジョン懇談会におきまして、国と地方の役割分担の抜本的な見直しであるとか、あるいは自由度の拡大と、特に国と地方の関係の度合い、国の関与の、具体的に言えばどう縮小させていったらいいかと。それに伴いまして、地方の税財政制度の在り方、そういう広い立場、広い視野の下に、ちょっと長期的な部分を含めまして、国民に分かりやすい形で将来の地方分権あるいは地方自治体の在り方というものを、姿をちょっと広い視点で、まあビッグピクチャーと申しますか、そういったものを御検討いただいているところでございます。

○山本順三君 地方分権一括法というものが通って、国として正に地方分権に向かってみんなで走っていこうと、そういうふうな意思の疎通ができたというわけであります。そういった流れの中で、これからどういうふうにその分権を具体化していくかということで、第二期のまた三位一体改革が是非内容の濃いものになってもらいたいというふうに思いますけれども、あえて申し上げますならば、地方の視点に立った改革論というものを是非とも闘い合わせていただきたい。単なる机上の論理ではなくて、現場に即応したという声が午前中も出ておりましたけれども、そういった点、くれぐれもお願いをしておきたいと思います。
  そこで、一点ちょっと答えにくい話かも分かりませんが、私もちょっと違和感がありますのであえて質問するわけでありますけれども、先ほど地方六団体というお話をしました。地方の案が出てまいりました。その地方六団体の意見の集約の方法なんですけれども、全国の知事会は四十七都道府県知事が集まって、まあ賛成だろうが反対だろうが激しく議論をする場があるわけでございますけれども、そうじゃないところがほとんどであります。例えば市長会にしても、大きい市からちっちゃな市から何百と集まって議論する場面は恐らくないだろうし、町村に至ってはもうとてもじゃないがそういうふうな状況にはない。そうなってくると、ある意味では、事務局を中心にいろんな具体的な案が集まってきて、それが地方六団体の意見に集約されていく、こういう流れなんだろうと思うんですね。
  ただ、今回の三位一体改革、補助金を削減するという流れの中で私どもがつくづくと感じましたのは、六団体、それぞれの団体の長の皆さん方が、今回の方針はこうだというふうな、そういうことをおっしゃる一方で、じゃ、ちっちゃなちっちゃな村の村長さんや町長さんが来て、同じような意見集約をしてそして議論するかというとそうではない、逆に全く反対の議論がたくさん出てくるんですね。ですから、我々も陳情を受ける際に、その辺りの整合性というものを非常に、まあ難しいんだろうなとは思うんですけれども、気にしているところであります。
  そこで、これ、総務省が指導するということにもならないんだろうと思うんですけれども、こういう意見集約は極めて困難である、こういったことに対してどのように考えていらっしゃるのか、その点をお伺いさせていただきたいと思います。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 地方六団体の総体的な意見というものと個別の団体の意見で温度差があるのではないかと、こういう御指摘かと思います。我々といたしましても、いろいろの団体にお会いする機会があるわけでございますけれども、いろんな御意見があるなということは我々も感じておるところでございます。
  ただ、地方団体全体といたしましては、それぞれ六団体が内部で機関決定の方式を決めておるわけでございます。確かに、知事会とあるいは団体構成員の多い市長会、町村会でやり方なかなか違いますし、難しい面もあろうかと思いますけれども、そういった中で団体の意思決定の方式を決めておるわけでございますから、我々としてはそういった機関決定を経て取りまとめられたものをやはり地方の統一案というふうに考えていくべきものだろうというふうに考えておるわけであります。
  もちろん、それぞれの団体で様々な意見があるということも十分踏まえながら、六団体の意見と、それを集約したものとして取り扱いまして、そういったものを尊重しながら改革に取り組んでいくというスタンスでございます。
○山本順三君 そういう返事以上のことはできないんだろうと思うんですけれども、現実に今ほど申し上げたような実態があるということを把握していただいて、そしていろいろな改革案作るときに、そんなものも十分しんしゃくしながらの対応を是非ともよろしくお願い申し上げたいと、これは要望をしておきたいと思います。
  それでは、三位一体改革の中のそれぞれの分野について何点か抽出してお伺いさせていただきたいと思います。
  まず、国庫補助負担金でありますけれども、このことにつきましては、特に中教審で激しい議論のやり取りがありましたけれども、義務教育の国庫補助負担金、この取扱い、もう大変もめにもめました。私自身もこの教育の関係については自分なりの考え方を持っているわけでございますが、それはそれとして、結果的に補助率二分の一のものを三分の一に削減した、たまたま八千五百億といういい数字が出てきた、こういうふうなことになったわけでございまして、一部には、これは数字合わせじゃないかというような、そんな批判すらあるような状態でございます。また、児童手当も、これ三分の二から三分の一に補助率をカットする、こういうふうなことで数字を積み上げていったというふうにも思えるわけでありますけれども、果たしてこのことで地方の自由度が高まって地方分権により近付いたのかどうかということになりますと、若干首をひねらざるを得ない分野もあるのかなというふうに私は個人的に思っています。
  そこで、議論を進める前に、今日は文科省、厚労省からお越しいただいておりますけれども、それぞれ現場の声として、一体全体、今回のこの国庫補助負担金の補助率カット、これをどういうふうに受け止めていらっしゃるのか、それぞれにお伺いできればというふうに思います。
○政府参考人(山中伸一君) 先生御指摘ございました義務教育の国庫負担金制度でございますけれども、この制度は、地方公共団体、財政力の差にかかわらず、全国すべての地域で必要な優れた先生を確保するという意味におきまして、義務教育の機会均等、水準維持という意味で重要な制度だというふうに考えております。
  今回の措置は、昨年十月の中央教育審議会答申を踏まえつつ、また三位一体改革を進めるという政府の全体の方針、この中にあって国の負担割合を改めるというものでございました。これによりまして現行の負担割合二分の一から三分の一に変更ということでございますけれども、あくまでも義務教育国庫負担制度という国と地方の相互の負担によって義務教育の教職員給与費の全額を保障する仕組みというものは維持されたものというふうに考えております。
  今後、こういう義務教育国庫負担制度という安定した財源保障の中で、このほかにもいろいろな地方の特色ある教育への充実の取組というものを進めるための、促すための措置も講じているところでございまして、それと相まって、教育の構造改革という地方分権が進むということを考えております。
○政府参考人(東泰秀君) 今回の三位一体改革によりまして、児童扶養手当におきます国と地方の負担割合につきましては、政府、与党において調整された結果、国四分の三、地方四分の一から、国三分の一、地方三分の二に変更することになりました。
  児童手当につきましても、三位一体改革の御議論の過程の中で、児童扶養手当と趣旨、目的は異なるが、同じく子供に係る手当であるということで、地方団体より国、地方の負担割合の整合性について御指摘を受けました。両制度とも国と地方が協力し合って行うことが重要であるということから、児童扶養手当と同様に、国と地方の負担割合を国三分の一、地方三分の二に変更することになったものでございます。
  今回の児童手当に係る見直しそのものは直接的には地方の裁量拡大につながるものではございませんが、地方団体とも十分な協議を行った上で結論を得たものでありまして、改革の趣旨は、その他の補助金、負担の見直しも含めた税源移譲と一体で行われます改革全体の中で実現されるものと理解しております。
○山本順三君 今の答弁の中に、補助率カットが直接的に地方分権につながるものではないと思うというような御趣旨のお話もありました。私も実は同じような気持ちを持っています。
  こういったことに対して、今、文科省、厚労省からお話しいただきましたけれども、総務省としてどういう見解をお持ちか、御所見を承りたいと思います。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 義務教育国庫負担金制度、あるいは児童扶養手当制度等について分権の観点からどのような意義があるのかということで、それぞれ所管省からお話がありました。我々は、それぞれの制度につきまして見た場合に地方分権が大きく進展するかというと、それは当然限界があろうかという点は認識をしておるわけでございます。
  ただ、今回は三位一体改革ということで、税源移譲、それから補助金の見直し、交付税改革という全体の地方財政制度の見直しというものでございます。それぞれ国庫補助負担金につきまして、いろいろな国、地方の役割分担という面からそれぞれの所管省についていろいろな議論があり、我々は我々で地方分権の進展という立場から議論をさせていただきましたが、ぎりぎりの判断として負担割合の見直しということに相なったわけでございます。
  しかしながら、先ほど申し上げましたように、三位一体改革の中で三兆円の税源移譲ということによって地方の自主財源の確保ということはできたという面もあるわけでございまして、ほかの補助金改革の中でもいろいろな改革もしてはおるわけでございます。
  したがいまして、我々といたしましては、今回の改革を全体としてとらえる中で、やはり地方分権という面から見れば大きな一歩をしるしていくことはできたんじゃないかなと、もちろん個別に見ればいろいろ今後の課題も残っていると、こういう立場でございます。
○山本順三君 そういった課題を次の段階の改革の中に、言わばその理念的なものを入れていっていただくようにお願いをしておきたいと思います。
  時間の都合もありますので、何点か飛ばしながらいきたいと思いますので、御了承いただきます。
  次は、税源移譲ということについて何点かお伺いをさしていただきたいと思います。
  実は、私どもも、先ほど申し上げたとおり、地方の議員をしておりました。そういったときに、地方分権、分権と言うけれど、しっかりとした税源移譲をしてくれないと何も地方分権にならないじゃないか、こういう議論ばっかりをしておったことを思い出します。
  ただ、いざ税源移譲というふうになってまいりますと、そのことによっていろいろな問題点が出てくる。例えばよく言われる税収の偏在と、こういうものがもう現に出てきておるわけでございまして、言わば富める者は更に富み、そしてまた貧しき者は更に貧しくとまでは言わないにしても、それに近いような状態が特に田舎の方では出てきているんではないだろうかと、こういうふうに思っています。
  そうなってくると、正に中央と地方の大きな格差、あるいは地方間での格差がどんどん広がっていく、こういう結果にならざるを得ない。そして、それをじゃどう埋めるんだとなってくると、もうこれは地方交付税で埋めるしかない。地方交付税で何とかしてください、地方交付税の言わば、何というんでしょうか、存在感がますますこれ実は高まってくるような気がするんですね。地方分権を目指して税源移譲して、一生懸命頑張ってみて、気が付いたらまたぞろ地方交付税に頼らざるを得ない。金額の総額は別にいたしまして、精神論として果たしてこれが地方分権に進む姿なのだろうかどうなんだろうかと、こんなことを実は私どもは個人的に感じておるところであります。
  そういたしますと、やはり我々は地方の議員といろいろ議論をするんですけれども、皆さん、ただ単に目の前の税源移譲、税源移譲と騒ぐだけではなくて、税源移譲になったらこういう問題起きるよと、だから将来余り地方交付税に頼らなくとも地方が自立できるような道筋、これをしっかりと、お国にだけ任すのではなくて、あなたたちも自分たちで国に対して提案できるような、そういう力を付けなさいよということを実は私は地元に帰りましたら元同僚の議員たちに話をしておるところでございまして、そういった流れができなければ本当の意味での地方分権というものは語れないんだろう、こういうふうに思っています。
  非常にこれは雑駁な、漠然とした話なんですけれども、それに対してのコメントをいただければ有り難いというふうに思います。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 税源移譲をした場合に地方団体間の財政力格差が拡大し、むしろ交付税に頼らざるを得なくなるのではないかという御指摘でございます。
  結局、この問題は税源移譲する場合にどういう形の地方税体系を構築していくかということに尽きるのではないかというふうに我々は考えておりまして、そういう面では、今回、三位一体改革の中で個人住民税を比例税率化するというのは一つの考え方かなというふうに考えておるわけでございまして、今後ともやはり地方税の体系ができるだけ偏在の少ないものにしていくということがまずもって大事であるというふうに考えております。
  しかし、そういった税制についての配慮をいたしましても、ある程度の偏在というものは不可避でございますので、地域間の財政力格差を調整して、一定水準の行政を確保するという意味での財政調整制度というのはその場合でも残らざるを得ないというふうに我々考えておるわけでございます。
  どういうようなものがいいのか、国の方だけではなくて地方団体の方も考える、正に我々もそうだと思います。地方団体の方も、今回の三位一体改革を受けまして、今後どういうふうにしていくのかという観点から、新地方分権構想委員会というのを六団体の方で設置されたというふうにも聞いておるわけでございまして、我々も、そういったところからもいろいろな御提案を受けまして、お互いに議論を深めていきたいというふうに考えております。
○山本順三君 是非、将来的に地方分権という方向に向けての抜本改正、これについてのいろいろな意見を闘い合わすような、そういう場面をたくさん持っていただきたいというふうに要望いたします。
  今ほどお話のあったその税収の偏在の是正ということでありますけれども、今回提案されておりますけれども、所得税から個人住民税へ三兆円の税源移譲、これは地方分権に向けての大きな一歩だというふうに私どもも思っておりまして、このことについては大いに評価をするところであります。
  ただ、その税収の偏在というものを、これ極力これから回避をしていくというふうなことになると、その税源移譲の対象税目、これについてももう少し頭をひねっていかなければならないのではないだろうかと。やはり、消費税というものがこのときに上がってくるだろうと。森元先生のこの間のお話にもございましたけれども、消費税というものを考えて、そして地方消費税の税率アップ等々もこれ視野に入れていく、このことが税収の偏在の解消に少しでもつながっていくんではないだろうか、このように思っております。
  ただ、地方消費税を税率アップせよ、アップせよというのは、我々もこれからも言い続けたいとは思っていますけれども、さてさて自主財源ということになりますと当然徴収コストが掛かってくるわけでありまして、そうなってくると、どういう形を取るか分かりませんけれども、地方自身もやはりそのことに対しては自覚なりあるいは覚悟なり、こういったものがなければならない、こういうふうに思っておるところでございますけれども、いずれにしても、税収の偏在というものを是正する一つの案としてこれから地方消費税の税率アップ、ずっと皆さん言われておりますけれども、どういうふうに考えていくおつもりなのか、御所見をお聞かせいただきます。
○副大臣(山崎力君) 今、瀧野局長からもございましたけれども、地方の税制を考えるときに、税収の偏在性というのは避けて通れない問題でございまして、それで、その中で御指摘の地方消費税というものは基幹税と言われるものの中で非常に地域間の税収の偏在性が少ないと、最も少ないんではないかと言われ、認識しているところでございますし、その一方で、税収が安定的であるという特徴もございますので、その地方消費税という重要性は今後とも極めて大きなものであるというふうに認識しております。そして、やはりこの問題というのは、どうしても税率アップという問題が、増税という問題も絡んできますけれども、これは今後大きな議論の中の話でございますが、やはりその一方で国と地方の役割分担、どうやっていくかと見直していく中で、当然その仕事に伴うお金、そこの裏付けとなる税源という部分の見直しというものの作業というのは視野に入れなければいけないということで検討を進めていきたいというふうに思っております。
  そういった中で、大きな、今のところ、具体的な形で地方消費税の問題というものを議論するところまで行っておりませんけれども、当然その真剣な議論の中ではこの問題というものが十分議論されなければならないということの認識で取り組んでいきたいというふうに思っている次第であります。

○山本順三君 それからもう一点ですね、今回の地方税法の中で定率減税の廃止の提案がなされております。これ、平成十一年、小渕内閣のときに景気対策ということで恒久減税の一環として実施されたものでございますけれども、このことについて、実は与党の税制改正大綱の中に、なお、今後の景気動向を注視し、必要があれば、政府・与党の決断により、その見通しを含め、その時々の経済状況に機動的、弾力的に対応すると、こういうふうな方針も併せて出されておるところでございまして、今回廃止をするということでございますけれども、たまたま日銀も量的緩和の解除をいたしました。恐らくや、景気がそうそう落ち込まないだろうという前提の下にこういうふうな決定をなされたんだろうと思いますけれども。
  この定率減税ですね、今後景気の見込みをどう立てて、そしてこの定率減税の廃止が景気にどういう影響を与えるかと、その見込み等々についての見解をお述べいただければと思います。
○副大臣(山崎力君) 景気動向を専門に見るというのはうちの役所の責務ではないということを前提にお話しさせていただきたいと思いますが、そういった中での動向でございますけれども、少なくても定率減税の導入時に比べて景気が大幅に改善されているということは事実だろうと思いますし、先行きにつきましても、企業部門の好調さ、あるいは雇用・所得環境の改善ということが家計部門に波及していると、そういったことで国内の民間需要に支えられて景気回復が続くというふうに見込んでもよいのではないかというふうに思っております。
  そして、平成十八年度の、先ほどお話にもございましたが、政府経済見通しにおきましても、制度改正による負担や給付の増減を織り込んだ上で、平成十八年度においても消費及び設備投資は引き続き増加し、我が国の経済は民間需要を中心に緩やかな回復を続けるというふうに見込んでいるところでございますので、私どもとしても、こういったことを踏まえれば、定率減税の廃止による負担増というものにつきましては十分吸収できるものではないかというふうに考えております。

○山本順三君 分かりました。
(後略)