答弁「消防団活動の充実・強化について

(平成18年3月29日参議院災害対策特別委員会会議録より抜粋)


(前略)
野村哲郎 自由民主党の野村哲郎でございます。
  質問に先立ちまして、常日ごろより災害対策に大変御尽力をいただいております大臣を始め政府関係者の皆様方に心から感謝を申し上げる次第でございます。
  災害は忘れたころにやってくる、そういう言葉がございますが、裏を返せば、我々が災害を忘れ、これを非常に軽んじてしまうんじゃないかという戒めをしているのではないか、こういうふうに実は思うわけであります。
  昨今の災害を少し振り返ってみますと、大変、ここ二年余りの間にいろんな災害がございました。平成十六年には、六月から十月にかけまして十個の台風が日本にやってまいりました、襲来いたしました。そして、その台風の影響で、全国で二百十一名の尊い命が亡くなっております。さらに、七月には新潟を始め、福井、福島等々で豪雨災害がありまして、二十一名のこれも死者を出しているところであります。また、十六年の十月、新潟中越地震もございました。死者五十九名、そして重軽傷者四千八百名という大変痛ましい地震でありました。当時、この災害対策特別委員会に、知事に就任されたばかりの新潟県の泉田知事がお見えになりまして、涙ながらに訴えられたのを本当に脳裏に刻んで離れません。こういう痛ましい事故、災害が非常に十六年には起こったわけであります。
  しかし、十七年になりますと、三月に福岡の西方沖地震がございました。私も現地に飛ばさしていただきましたけれども、玄界島のあの住宅あるいは学校等々、大変破壊された状況を見ましたときに、死者こそ少なかったわけですが、島民の皆さん方、大変な苦い、苦しい思いをされているのを目の当たりにしたところであります。また、九月には台風十四号が上陸いたしました。これは西日本を中心でありますけれども、二十九名のこれも死者が出ている。
  こういうふうに、大変私は、台風もそうですけれども、地震も、そして豪雨も、いろんな形でこの十六年、十七年がございましたが、去年から今年にかけましては北陸なり東北を中心とする豪雪、こういう形で考えていきますと、この二年余りの間に豪雨、台風、そして地震、豪雪、ありとあらゆる災害が集中したのではないか、こういうふうに思うわけであります。
  このように、災害列島日本、まさしく五百名近い方々が亡くなったこのことを私どもは決して忘れてはいけない、こういうふうに思うわけであります。このような災害の現実を風化させてはならないし、また、時間の経過とともに社会の関心もやはり徐々に薄れていくのではないのかと。したがいまして、いまだ被災者の皆さん方のいろんな傷はいえていない、こういうふうに思います。
  したがいまして、そういう意味におきまして、先般、大臣の方から所信の表明がございました。これに関連して、質問をただいまから申し上げたいと存じます。
  さきに大臣は所信表明におきまして、災害による被害を減少するためには、各個人や地域コミュニティーによる自助、共助の取組を一層推進していくことが不可欠であると述べられております。そして、平成十八年度の防災対策の重点ポイントにも、災害への備えを実践する国民運動の展開が挙げられているところであります。私も、災害の被害減少を図るために自助、共助の取組を強化し、備えを実践することが肝要なことと認識をいたしております。
  そこで、この備えという視点から、災害に備えるという視点から三つほど、三点ほど質問を申し上げたいと思います。
  まず第一点でありますが、自らの備え、そして地域コミュニティーによる備えについて質問申し上げたいと思います。
  今年の豪雪被害地域におきましても、高齢者の方々の雪下ろし作業中の事故が多発しまして、やはり自らの備えに限界が出てきているのではないのか、こういうふうに思います。こういったことにおきまして、各自治体は地域における支援体制に大変苦慮しておられると聞いております。
  一方、我が国では消防団組織が地域の共助組織の核として私は大きな機能を果たしてきているし、今後もその機能を果たしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。しかし、高齢あるいは過疎の進んだ地域におきましては、災害発生時の共助組織の核となるべき消防団につきましても、その存在そのものが危惧される、こういう状況にあるというふうに思います。その理由を申し上げますと、ここ七、八年の間に全国の消防団員の数は十万人程度減少いたしております。さらに、消防団員の高齢化の問題もございます。私の地元鹿児島では高齢化が進みまして、五十歳以上の割合が団員の中が二五%、三十歳未満はわずか一割しかいない、こういう状況になってございます。このように、消防団員の数も減少し、なおかつ高齢化も進んでおります。こうした地域では共助の取組を行おうにも行えないような状況が早晩訪れるのではないかと、こういうふうに私は危惧いたしております。
  そこで、過疎化、高齢化の進んだ地域における国民運動の展開、特に災害時の共助の在り方について、自治体への指導を含め国としてどのような対策を講じるのか、御所見をお伺いいたしたいと思います。
○副大臣(山崎力君) 今委員御指摘のとおりでございまして、この消防団制度というか、消防団は、地域防災の中核的な組織としてこれまでいろいろな活動をしてきたところでございますが、御指摘のような状況、特に地域における若年人口の減少、それからサラリーマン人口の率の、サラリーマン化率というんでしょうか、そういった方々の増加によりまして、人員の確保に非常に各地とも苦労しているという実態がございます。
  そういった中でもどうしたらいいかと、これはそれぞれのところで非常に苦労していろいろな施策をやっているところでございますけれども、考え方をひとつ切り替えるといいますか、一つには女性消防団の、女性の方の消防団員になっていただくという方向も今各地でやられているところでございますけれども、それも含めて幅広い地域の方々にこの消防団活動に参加していただきたいという考え方で、何とか人を確保したいということでやっておりまして、その中では、公務員であるとか郵便局の職員であるとか、あるいは農協の職員、あるいは住んでいる大学生の方、そういった方々の入団促進をとにかくやっていこうではないかということでございます。
  そういったことと同時に、全部が全部消防団の活動にというわけにはいかないけれども、ある特定のことだったら参加してもいいと、参加できるというような方々に対して、特定の活動ということで、機能別の団員とか、あるいは機能別の分団を導入していこうというその促進を進めているところでございまして、その機能別というのは、例えば大規模な災害時には出ていただくと、日常的な、まあ小さなところはともかくとして、大きなときはとにかく参加していただくと。あるいは、予防広報活動、こういったところは日時がある程度、何というか、突発事態というわけではないことができますので、そういった時間的な余裕のあるところでその予防とか広報活動をやっていただくと。そういったことがこの特定の活動というふうな考え方の中でございます。
  具体的な例としては、愛媛県の松山市において郵便局員による機能別団員をつくるであるとか、あるいは福岡県の立花町の女性による予防広報分団というものをお願いしたり、あるいは退職団員の再任というような例もございます、まあOB団員という形でございますが。こういった点は、瀬戸市でも行われております。
  こういった団体が幾つかはございまして、そういったところで何とか大事なこの消防団の活動をしっかりしたものに今後ともやっていくように努力していきたいというふうに思っておりますし、今後のそういった意味での充実強化といった面について取り組んでいきたいというふうに思っております。

○野村哲郎君 山崎副大臣から大変この示唆に富んだ御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
  昔から、村八分という言葉がございます。その二分は、葬式と火災には必ず、村八分にしてても加勢をするという、これが言わば集落機能の私は共助の原点だと、こういうふうに思います。しかし、集落機能が今低下した中では、今おっしゃいましたようなやはりこの共助の在り方、これも消防団をやはり中心としたそういう共助の在り方というのをしっかりと御指導をしていただきたい、こういうふうに思います。
(後略)