答弁「特定独立行政法人の定義などについて

(平成18年3月30日参議院文教科学委員会会議録より抜粋)


(前略)
山下栄一 最初に総務省に、今、水岡さんができなかったところかどうか知らぬけれども、総務省の方にお話、山崎副大臣、お忙しい中済みません、ありがとうございます。
  まず、特定独立行政法人につきまして、通則法に、定義付けとか理念とかに戻りまして確認したいというふうに思います。
  通則法の第二条の二項に特定独立行政法人の定義が書いてあるわけですけど、一項が独立行政法人の定義であります。これ要約しますと、国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務事業だと。しかし、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもの、必要のないものなんですが、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれのあるもの、また一つの主体に独占して行わせることが必要な、それを効率的、効果的に行わせること、これが独立行政法人の、まあいろんな観点から書いてありますので、言葉としては分かりますけど。
  その独立行政法人のうちで、総合的に勘案して、修飾語はいろいろありますけど、その役員及び職員に国家公務員の身分を与えることが必要と認められるもの、これが特定独立行政法人なわけですけれども、国自ら主体となって直接に実施する必要のないものなんだけれども、国家公務員の身分を与えることが必要と。これは物すごく分かりにくい。国が直接やる必要ないんだけれども、国家公務員の身分は必要だと。これ定義そのものがちょっと矛盾しているのではないかと。だから、元々これは恒久的に考えられた組織形態じゃないんじゃないのかなと。先ほどの大臣のお話によると、暫定的というか、激変緩和的に置かれた。文科省の所管の二十七独立行政法人は、今回で全部特定という言葉がなくなって非公務員型になると。文科省の場合は直営というか、国立の直営の研究所等たくさんあったと思いますが、それは特定が付いた独立行政法人という形を取って、今回で全部特定がなくなるわけですけれどもね。
  ということで、山崎副大臣に、元々この特定独立行政法人というのは恒久的な組織として考えられなかったものなのではないかと、定義そのものに矛盾があるのではないかという考え方についての御見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(山崎力君) 基本的な考え方の問題だろうと思います。
  今委員、法律条文上の観点から御説明されましたものですからこちらの方から説明する必要はないと思いますが、考え方として、最初にやはり独立行政法人というのがどういうものかというものがあったんだろうというふうに解釈する方がよろしいのではないかなという感じがいたしております。
  そういった中で、独立行政法人というものの意義というものを考えて、そういうふうな組織にした方がいいというのが先にあって、さはさりながら、その中でもやはりいろいろな条件等から公務員という資格というものを持たせた方がいいというところを特定行政法人というふうにしているというふうにお考え願えればと私は思っております。
  そういった意味で、今現実に行われておりますが、見直し作業というのが独立行政法人を、中でこれをどうするかという見直し作業が逐次毎年行われているわけでございまして、御参考になるかどうか分かりませんが、その中での流れと申しますのは、これが、今国会で独立行政法人関連法案が成立した場合という条件付でございますけれども、再検討、いろいろ検討した結果、独立行政法人の中でも特定にしておいた方がいいというのが幾つか入っておりまして、例えば独立行政法人の国立公文書館であるとか駐留軍等労働者労務管理機構であると、こういったものは政治的中立性が求められると、こういう観点からやはり公務員的なものが必要であるということで特定に入っておりますし、それから独立行政法人の農林水産消費技術センターあるいは肥飼料検査所あるいは農薬検査所と、こういうものは統合予定でございますけれども、広範な立入検査を行っていると、こういったことで公的なバックが必要ではないかと。これは、製品評価技術基盤機構もそういうところがございます。
  そういった観点から検討の結果仕分けられて、特定というもので公務員資格を持たせた方がいいという結論が出たものを特定に仕分け直しているというところが現状ではないかというふうに思っております。

○山下栄一君 独法制度ができまして、中期目標、三年とか四年とか五年とかありますが、一つの見直しの時期に来て、それを踏まえて第二期という段階に入っていきますし、第二期を迎える独法もこれから幾つか出てくるというふうに思いますが、いずれにしても、通則法の特定独立行政法人の定義は物すごい分かりにくいと。したがって、今おっしゃった特定にどうしても残すべきものの中には、場合によったら元へ戻して直営にするとか、そういうことをされた独法もたしかあったと思いますけれども、例外的に。
  こういうことの、物すごい分かりにくい定義の仕方で始まった、いろんな妥協でそうなったんだろうと思いますけれども、物すごい無理があるなというようなことも感じておりまして、特定独立行政法人制度については通則法の規定に戻って見直すことを総務省又は行革本部等で考えた方がいいんじゃないのかなということも感じるんですけれども、ちょっと考え方が違うかも分からぬけれども、山崎副大臣、どうでしょう。
○副大臣(山崎力君) これは、今独立行政法人見直しの最中でありまして、まだ結論の出ていないところもあるわけでございますので、その辺のところを踏まえた上での議論になろうかと思いますが、現時点においては、一つのこの法律、独法化の法律ができて、それに伴って作業が進められている段階でございますので、それこそ広い議論がその際は必要であろうというふうなことは感じますけれども、当方として、今直ちにこれがどうのというふうな考え方は今のところ持っていないというのも事実でございます。
○山下栄一君 今回、昨年と今年と二年掛けてこの中期目標終了を迎える多くの、独立行政法人たくさんあったと思いますので、見直しされてきたというふうに思います。統合ないし、廃止はなかったんでしたか、廃止もありますね、非公務員化と。
  その際、非常に現場的に方向付けをしたのは、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会よりは、行革本部の、たしかあれは法律に基づかない組織だと思いますけど、独立行政法人に関する有識者会議、こちらの方がえらい発言権も方向性もリードしたというふうに思うわけです。有識者会議の方は法律に基づかない、総務省の評価委員会は法律に基づくものと、こういうふうに考えますと、政策評価・独立行政法人評価委員会の本来期待されていたものよりも有識者会議の方がえらい目立っておりまして、存在意義が、影が薄いなというふうに感じますが。また、この有識者会議は、あれは総人件費改革ですか、行革推進法でも法律上は位置付けられておりませんけど、その組織が各横断的に省庁に流れをつくっていく役割を果たしているわけでございまして、そういうふうに考えましたときに、この総務省の評価委員会の役割が、ちょっとこの見直し、役割分担も含めて考える必要があるということが一点。
  もう一点は、非公務員化しなさいという、そういう意見を総務省の評価委員会が勧告の方向性ということで出しているわけですが、本来、この通則法における評価委員会、総務省の評価委員会ですね、の仕事は、公務員を非公務員化にするというふうな仕事はないんじゃないのかなと、そういうことを言う仕事を与えられていないんではないかなと思うんですね。要するに、中期目標の終了時において、これは法律ですが、三十五条、通則法、当該独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関して主務大臣に勧告することができるというふうに書いてあって、事務事業を存続するのか、改編するのかやめるのかということについて本来勧告する役割を与えられているので、公務員とか非公務員の身分の話はちょっと法律に書いてない仕事じゃないかなというふうに思うんですが。
  この二点、確認させていただきたい。
○副大臣(山崎力君) お尋ねの、まず独立行政法人に関する有識者会議でございますが、これは平成十六年六月十七日の行政改革推進本部長決定という形でこの役割というものが定められているわけでございまして、そういった意味で、どういうふうなことが行われているかということになれば、そこのところで、当該法人の主要な事務事業の改廃に関して主務大臣に対して勧告することができると、こういうふうになっているわけでございます。これは三十五条、独立行政法人通則法の三十五条になっているわけでございまして、そういった中で、当方の方の政策評価・独立行政法人評価委員会ということになるわけでございますけれども、同委員会の方でこの事務事業を見直し審議を行うに当たっては、今言った有識者会議と連携して、その会議の指摘事項を十分踏まえつつ議論を進めると、こういう役割分担といいますか、そういうふうになっておりまして、こう言ってはなんですが、具体的な話とすれば、有識者会議からいわゆる大所高所からの御議論をしていただいて、そういった中で各省の見直し、当初案になかった法人の統合であるとか非公務員化等の大きな方向性を示していただいたと。そういった上で、政策評価・独立行政法人評価委員会においてその指摘を深めて個別の法人ごとに見直し内容を検討すると、そして具体的な事務事業について廃止であるとか重点化等の合理化を指摘してというふうな形でございますので、こう言っていいのかどうか分かりませんけど、両者の活動が相まって、両輪として一つの成果を上げていこうと、こういうふうな考え方で運用されているというふうに当方としては理解しているところでございます。
  権限の点ですが、先ほどちょっと簡単に言い過ぎて申し訳ございませんが、三十五条になりまして、三項ですか、「審議会は、独立行政法人の中期目標の期間の終了時において、当該独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関し、主務大臣に勧告することができる。」と、こういうふうになっておりますので、あるというふうに理解しております。

○山下栄一君 その条文の中で公務員の身分に関することも含まれているというふうにおっしゃっているわけですね。ちょっと分かりにくい御答弁ですけど。
  いずれにしましても、独立行政法人制度という鳴り物入りで始まったけれども、いろいろ課題が、私は課題の方が大きくなってきているのではないかと。特殊法人の時代と比べて透明性が高まったという話もありますけど、天下りがまた増えているみたいなこともあって、ちょっと国民のためになっているのかどうかという、行革の観点からは独立行政法人制度はどうなんだということは今また大きく問われている時期じゃないのかなと思いまして、会計検査院の横断的なそれこそ大所高所からの御指摘も、昨年の決算委員会の、国会の国会法に基づく要請に基づいて、国会の要請に基づいて、立法府の要請に基づいて調べていただいた、その指摘にもありますように、憲法機関からの御意見もございますので、ちょっとこれは総務省としても、所管の総務省としても、この通則法のやはり独立行政法人制度、特に特定独立行政法人制度も含めまして、先ほど副大臣もおっしゃっていただきましたけれども、見直しを続けるにしろ、やっぱり分かりやすい形で議論をしていただきたいなと御要望いたしまして、副大臣への質問はこれで、結構でございます。ありがとうございました。済みません。
(後略)