答弁「『三位一体のそもそも論』について

(平成18年3月30日参議院厚生労働委員会会議録より抜粋)


(前略)
森ゆうこ おはようございます。民主党・新緑風会の森ゆうこでございます。
(中略)
○森ゆうこ君 それでは、まず最初に、今般、この児童手当が三位一体改革のところに、昨日の参考人の言葉をおかりすれば、地方との協議もなく突然にというふうな表現があったわけでございますが、地方団体と十分な協議を行ったというふうに政府の方は答弁されておりますけれども、児童手当の国庫負担割合の見直しについて、まずどのような協議が行われたのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 何回か御答弁をさせていただいておりますけれども、約一年間にわたり、生活保護費、児童扶養手当の適正化について、地方六団体の代表の方、石川県知事さん始め、そして有識者の皆さん方、私ども厚生労働省、それから総務省、それから財務省、各、厚生労働省は大臣が出ておりますけれども、副大臣御出席いただいて、十数回にわたって議論をしてきたと思っております。私も尾辻さんから引き継いで、何回かその会合に出てまいりました。
  もう生活保護費の話をすると長くなりますからここで差し控えますけれども、生活保護の問題については、両者の結論に至りませんでした。就労支援、また住宅、医療という切り口で議論いたしてまいりましたけれども、お互いの結論を得られなかったという中で、児童扶養手当につきましては、就労支援という切り口の中で自治体の占めるウエートも高いという御判断もいただき、最終的にはこの問題についてまず合意に達したところでございます。
  その後、児童手当につきましても、児童扶養手当と児童手当の率の問題、これも議論で地方団体の方から提起された問題でございますので、それでは同じ率に合わせましょうということで最終的合意に達し、知事さん、市長さんを始め、六団体の方々にお示しをして了解に至ったと、このように考えております。
○森ゆうこ君 今ほど御説明があったわけですけれども、どなたがどこでどのように児童手当をこの国庫負担割合の見直しに入れると、入れた方がいいのではないかという御主張をされたのか、政府参考人に伺いたいと思います。
○政府参考人(北井久美子君) 生活保護と児童扶養手当に関する関係協議会の場におきましては、これは生活保護と児童扶養手当の議論でございますから、基本的に児童手当が中心となっているテーマではないのでございますが、その議論の中で、全国知事会の代表、全国市長会の代表の方から、児童手当、まあ児童扶養手当の国側の御提案が、要するに二分の一にしたらどうかという提案をしていたものですから、そうした議論の中で、児童手当は国が三分の二を負担しているんだけれども、そうしたこととの整合性が考慮されていないではないかというような、つまり同じ子供の手当であるのにその負担率が違っていいのかというような御意見があったというふうに承知をしております。それは十一月十日のことでございます。
○森ゆうこ君 そうしますと、十一月十日の生活保護費及び児童扶養手当に関する関係者協議会における谷本石川県知事の発言ということでよろしいんですか。
○政府参考人(北井久美子君) その関係協議会における発言はそういうことであったというふうに思っております。
○森ゆうこ君 ほかにはありますか。
○政府参考人(北井久美子君) 基本的にはそのときの発言だったと思います。
○森ゆうこ君 それだけですか。ここに議事録の私は抜粋を持っているんですけれども、皆様にもお考えいただきたいので、その部分の前後の文脈が分かるように少し読み上げさせていただきたいと思うんですけれども。
  第七回生活保護費及び児童扶養手当に関する関係者協議会議事録でございます。
   「(三)児童扶養手当の見直しについて」は、就業自立に向けた総合的な支援に関する実施自治体の役割・責任を拡大をして、実施自治体が二分の一負担をするということでありますけれども、児童扶養手当の認定基準は収入のみということであります。地方自治体の裁量の余地はなく、三位一体の改革に名を借りた単なる地方への負担転嫁であると考えるわけであります。
   また、児童手当では国が三分の二負担をしているということとの整合性が考慮もされておらず、単に二分の一負担ありきといわざるを得ない。このように考えたわけであります。以上で、私の方からの説明を終わらせていただきたいと思います。
というふうになっておりまして、発表されている議事録を見ますと、今の部分だけなんですね、児童手当についての何とかという話は。
  まず、確認なんですけど、これ、この部分だけのことを取り上げて先ほどからの御発言があるというふうに理解してよろしいですか、局長。ほかにあれば言ってください。
○政府参考人(北井久美子君) 表舞台といいますか、公開された協議会等の場での発言はそういうことであったと思っておりますが。そのほか、政府・与党の数々の協議を経て最終結論に至っておりますので、そうした場における議論については、私ども事務局としては承知をいたしておりません。
○森ゆうこ君 裏で何かあったということなんでしょうかね。地方に対して、生活保護を取るのか児童手当を取るのか、児童手当をのまないんだったら生活保護の方を入れるぞというようなやり取りがあったっていうふうに聞こえましたけど、そういうことなんでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君) そういうことは申し上げておりません。表舞台での発言というのはこの協議会の場での発言、議事録のとおりということでございます。
○森ゆうこ君 先ほど読み上げました議事録は、つまり、地方団体の主張は、国が児童扶養手当を四分の三から二分の一へ引き下げることを主張したのに対して、児童手当では国が三分の二負担していることとの整合性が考慮されておらず、単に二分の一負担ありきであるという旨を述べているにすぎません。そうじゃないというんであれば根拠を教えていただきたいんですが、これをもって地方と協議を行ったと果たして言えるんでしょうか。見渡す限り議事録は、ここにしか見当たりませんし、局長も今そのようにおっしゃいました。これだけで果たして地方との協議があった、行ったと言えるんですか。
○政府参考人(北井久美子君) この三位一体改革の最終的な合意というのは、十一月三十日に政府・与党の合意がなされ、そしてその翌日の十二月一日に地方団体と政府・与党との協議の場がセットされ、そこで最終的合意に至っております。したがいまして、この提案、全体的な提案について十二月一日の地方との協議の場で最終的に了承が得られたということでございます。
○森ゆうこ君 今の御説明では、つまり、地方と協議さえしていない児童手当国庫負担の見直しを政府・与党で合意をして、そして後日、地方に報告するということでございますよね。児童手当について議事録に記載されているものは先ほど申し上げたものだけだということは、今皆さんも御確認になったと思います。で、十七年十一月三十日に政府・与党合意をまとめ、そして十二月一日の国と地方の協議の場で政府・与党合意の結果が報告をされている。
  地方と協議さえしてないものを一方的に政府・与党で合意したといって、後日、地方に報告するというこの三位一体改革の進め方は、何度も出てきております、地方の意見を聞きつつ議論を進めるとする骨太の方針、そしてまた地方の意見を真摯に受け止めるとする小泉総理の発言に反するのではないでしょうか。大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(川崎二郎君) 生活保護と児童扶養手当をめぐる公式な協議会というんですか、そういう場は、もちろんマスコミも入り、全体にオープンな形でやらしていただいてまいりました。一方で、私と知事会の代表者、それから市長会の代表者の皆さん方が、例えば知事さん自ら私のところへ足を運ばれたり、また官邸に六団体の代表者が来られて大臣と話合いをすると。そうした場、幾つのものを経ながら最終的な結論に至ると。舞台の設営としては生活保護と児童扶養手当を一年間にわたって長い間議論してきたと、議論してきた中で児童扶養手当と児童手当の率の整合性というものについて意見が合ったということだけは事実でございます。
○森ゆうこ君 今の御説明では、その児童手当について十分な協議が行われた、地方の意見を尊重したということにはならないのではないかと思うんですが、そもそも伺いますが、そもそも。
  三位一体改革を推進することによって地方にどのようなメリットがあるのでしたでしょうか。大臣、お願いいたします。これ、総務副大臣がいいですか。それとも川崎大臣、どうぞ。どちらでも。
○副大臣(山崎力君) 三位一体のそもそも論ということでよろしいかと思うんですが、これは簡単に申せば、地方にできることは地方にということで、地方への権限を移譲していくと、国の関与を縮小していくという中で、全体として国、地方の行政のスリム化を推進すると、こういうことでございまして、そこのところで問題となるのは当然お金の問題があるわけですが、そういうことを改革の中の金銭面でいけば三兆円の税源移譲と、それに四兆七千億円の補助金改革と、こういうことで今までさせていただいているわけでございます。
  そういった意味で、今いろいろな御指摘あるわけでございますけれども、一応そういった意味で、地方に移譲された、移譲という言葉が適当かどうか分かりませんが、移された予算面において、地方自らが創意工夫と責任でいろいろなことをやっていけると、そういうふうなことができるというふうなことを考えますときに、いい方向でこの三位一体の改革は進んでいるのではないかというふうに認識しております。

○森ゆうこ君 地方が自らの責任で自主的、効率的に選択できる幅を拡大すると、地方の自由度を高める、で、本当に地域の実情に合った政策が進められるということに本来の目的があったと思うんですけれども。
  それでは、伺いたいんですが、今回のこの児童手当の国庫負担見直しが地方の自主性、そして裁量性にどう寄与するのか伺いたいと思います。児童手当ですから厚生労働、局長。
(後略)