答弁「『一方的地方しわ寄せ論は不適切』他

(平成18年5月30日参議院総務委員会会議録より抜粋)


(前略)
木村仁 初めから主題から外れて申し訳ございませんが、どうしても気になりますので、財政問題について二、三、簡単な質問をさせていただきますので、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
  基礎的財政収支、平成十八年度で国がマイナス十一兆、地方がプラス四・四兆、それゆえ地方財政が国の財政について、非常に豊かである、ゆとりがあると、そういう認識が流布され、新聞論調等でもはっきり表明されておりますが、財政局長はこの数字についての基本的な認識、理論的、実務的に本当に正しいのかということについてどうお考えですか。
○政府参考人(瀧野欣彌君) プライマリーバランスの国、地方の状況についての御指摘でございます。
  プライマリーバランスといいますのは、結局全体として借金が積み上がらないようになるような、そういう財政状況を示している指標でございますが、これは結局、地方でいいますと、過去に非常に大きな借金残高がある、景気対策等で借金残高が積み増してきたわけでございますけれども、そういったことで地方財政がなかなか立ち行かないという中で、必死に行政改革をする中でこの積み上がりました借金を返している状況に今あるわけでございますけれども、これがプライマリーバランスの黒字という形で出てきているわけでございまして、それ自体が財政の状況そのものを示しているものではないと、単にある通過地点におきます借金の積み上がり状況と返済状況の差額という形で出てきているものだというふうに考えております。
  一つの指標ではありますけれども、それだけで財政状況を判断するべきものではないだろうというふうに考えているわけでございます。そうした目から、今日の地方財政を見てみますと、非常な行革努力にもかかわりませず、地方財政、現在でも八・七兆円もの大幅な財源不足を抱えておるわけでございます。
  さらに、債務残高は御案内のように二百兆円を超えるという状況にございますが、これをOECD諸国と比較してみますと、国と国との比較では、日本の政府も非常に大きな借金残高を抱えておりますけれども、OECD諸国の二倍強という状況でございます。
  一方、地方財政同士で比べてみますと、OECD諸国の地方財政に比べますと、日本の地方団体は約六倍というような借金残高を抱えておるわけでございまして、こういった借金残高にあえいでいるという中で必死に借金返済に努力しているということの中でプライマリーバランスが黒字になっている、こういう状況でございますので、財政状況を総体として見ますと、非常に地方財政苦しい状況にあり、国と地方それぞれ努力していかなければいけないわけでございますけれども、地方財政のみが非常になぜか財源が豊かだというような認識は、我々は誤りであるというふうに考えているところでございます。
○木村仁君 私も同じような考え方で、今地方自治体は比較的短期に償還しなければいけない借金返しに追われて、デフォルトを起こさないため必死になって歳出の方を抑えてお金を返していると。それがプライマリーバランスの黒字となって表れる原因になっておりますんで、あたかもこの数字一つで財政が、地方が豊かで国が厳しいというような宣伝がされ、それを一般的に信じられてきつつあることが非常に問題だと思いますので、是非そこ辺りのカウンター宣伝もよろしくお願いをしたいと思います。
  そのために地方交付税を大幅に削減しなければいけないと、こういうことが言われております。もうこの点については決意はしっかりしておられると思いますので財政局長には聞きませんが、それらを含め、もう補助金をカットした、税源の移譲をしたんだから、残るは三位一体の三つ目、地方交付税の総額削減しかないと、こういう形で、骨太の方針の目玉としていく歳入歳出一体改革の地方部分の中心になりそうな気配になってまいりましたが、このことについて総務省全体としてどのように取り組んでいかれるか、副大臣の御決意のほどをお伺いしたいと思います。
○副大臣(山崎力君) 今御指摘の点でございますけれども、地方としても、今財政局長の方から申し上げたとおり、プライマリーバランスを是正するために、良くする、プライマリーバランスを達成するために地方としてもいろいろなことをやらなくちゃいかぬと。そういう意味で、社会保障、公共事業、人件費、そういった最終支出を見直していくという作業はこれ必須でございますが、その際の交付税の、委員御指摘の交付税の問題でございますけれども、この交付税というのは最終支出ではございませんで、国と地方の中間支出であるということが言われるわけでございます。
  そういった中で、中間支出である交付税について削減を前提とした議論というのは、私どもは不適切であるというふうに考えております。そして、何よりこの場合、プライマリーバランスの問題を考えるときに、国と地方、両方が納得できる形で改革を行う必要が重要な視点だというふうに思っております。一方的に地方にしわ寄せになるような、そういった偏った議論にならないよう、当省といたしましてもしっかり対応していきたいと考えております。
  そういった中で、制度面の改革を更に進めていくことが必要だということで、国の関与、義務付けを抜本的に廃止、縮小していく新分権の一括法を提出するとか、税源移譲などの税源配分の見直しをするとか、新型交付税の導入であるとか、そういったことを先般の経済財政諮問会議にも提示したところでございます。
  いずれにいたしましても、こういった改革が、国、地方一体となってやっていくのが必要であり、その際、交付税の問題というのは、いささか今の議論というのは問題があるというふうに認識しております。

○木村仁君 正確な御認識であろうと思いますし、それに基づいてしっかり対応していただきたいと存じます。
  地方自治法の一部改正問題について御質問いたします。
  まず、基本的な姿勢でございますけれども、第二十八次地方制度調査会の答申、昨年の十二月九日の答申に基づいて今度の改正法案が成立したんだと思いますけれども、私どもの目からすれば、地方自治法の改正にしては非常に細かなことだけ幾つか並べただけになっちゃったなと、こういう気がいたします。
  地方制度調査会は、地方自治制度の弾力化を目指すと、そういうことの下に自主性、自律性の拡大を提案しているわけでございますけれども、この地方制度調査会の答申自身が非常に不徹底なものだったように私は思いますし、さらにそれに対応して作られた法案も輪を掛けて不徹底になったのではなかろうかなと、こう思っております。一番重要な問題を取り上げれば、行政委員会を、任意設置にする農業委員会及び教育委員会、それだけでなくてもいいと思うんですけれども、これを任意設置にしようとする部分がやっぱり一つの目玉だったんだろうと思いますけれども、それらについての何らの法改正もあっていないわけで、全体として今回の改正はどうも大地方自治法の改正としては非常に不徹底だなという気がいたしますけれども、副大臣、全体の、私どもの感じに対してどういうお考えでしょう。
○副大臣(山崎力君) 委員御指摘の点でございますけれども、確かにこの規定を見直して選択制を導入することが適当であるということが答申において行われているわけでございまして、私どもとしては、現時点において関係省に対し答申の内容をお伝えして検討を依頼していると、こういう段階でございます。
  特に、教育委員会については、首長さんと教育委員会との事務に関する選択制や中核市等における県費負担教職員の人事権の移譲、そういったことについても言及されておりますので、これらの点については政府内において答申と基本的には同じ方向で検討がこれから行われるものというふうに認識しております。
  いずれにいたしましても、総務省といたしましては、地方公共団体が主体的に判断するものは、可能な限りそういったものでやっていただきたいと、地方全体として地方分権の方向で一層推進していくべきという立場から結論が得られるように努力していきたいというふうに考えております。

○木村仁君 特に行政委員会の設置を任意制にするということについては各省庁の反発が非常に大きいでしょうし、またそれに呼応して各地域から出てくる意見も、その各省庁の意見を支持する意見の方がはるかに多いと思います。したがって、交渉は非常に難しいことであろうというふうに思いますけれども、この点は非常に長年の懸案でございますし、答申もはっきりと任意設置にすべきであると、選択制にするべきであると言っておるわけでありますから、引き続き努力をお願いいたしたいと存じます。
  そして、この次に地方自治法を改正するときには本当に抜本的な改正をお願いして、こういう大きな法律でありますから、余り枝葉末節だけちょこちょこ扱うような改正はしない方がいいと。私の感想でございます。
  具体的に一、二お聞きいたしたいと思いますけれども、副知事、副市町村長という名前になさいました。そして、副知事を複数にするときには条例で増員せよ、それから、しかし副知事を一人置くと、そういうような規定になっておりまして、実質的には今の現行の法律と少しも変わらないと。今、副知事は一人置くと、そして増員することもできるし置かないこともできると現に書いてあるわけでありますから。今度のものは名前が変わったことは、市町村の助役については分かりますが、大した改革になっていないなと、こういうふうに思います。
  で、その意図は、そういう形式的なことじゃなくて、ここにアメリカ風のシティーマネジャーであるとか、あるいはイギリス風のタウンクラークであるとか、安心してかなりな仕事を任せていいような、そういったスタッフをつくるという趣旨であるのか。そうだとすれば少し不徹底なような気もいたしますけど、その点を一つお聞きしたいと思いますし、それから、市町村において助役の方がまだいいというところがあれば、ちょうど以前、助役時代に京都市辺りで副市長としたと同じように、副村長とすべきであるけれども、まあ、うちは助役さんでいいというんであればそれでいいと、そういうふうに思いますが、それはいかがでございましょうか。
○政府参考人(高部正男君) お答え申し上げます。
  今回の改正、大した内容ではないというような御指摘いただいたところでございますが、私どもの理解といたしましては、よく地方公共団体の三役と言われたこの仕組みを全体として改正するという意味で、ある意味では大きなものではないかなというふうには思っているところでございます。
  地方公共団体の所管する行政分野でございますとか事務事業が大幅に拡大していると、また分権改革で責任、役割が広がっているというようなことから、組織運営面における自主性、自律性の一層の拡大を図りながら、そのマネジメント機能の強化を図るということで今回の改正を提案させていただいているというところでございます。
  お尋ねは二点ございまして、市支配人制でございますとかタウンクラーク的なものを目指しているのかという御指摘でございましたが、今回の改正は、御指摘ございましたように、実質的に今回の改正によって初めて例えば人数の問題あるいは副知事、助役の仕事が膨らむということではございませんで、前の規定ぶりにつきましては、副知事、助役は長を補佐しというようなことで、よく女房役と言われることがあったと思いますけれども、そういうような規定ぶりだったところでございますが、こういう責任が増大した中でトップマネジメントの在り方もいろんなものがあっていいだろうというような問題意識の中で、今回は補佐しというところは同じように残しておりますが、国家行政組織法の副大臣の規定ぶり等々も参考にしながら、長の命を受けて政策及び企画をつかさどりと、あるいは個別に事務の委任を受けて事務を執行するというようなことを入れさせていただいたところでございます。
  この改正の意図するところでございますけれども、一つは、首長さん方もいろんなお考えの方がおられると思います。やっぱり副知事、助役については相変わらず総合的な女房役のような役回りがいいというようなふうに思われる方もおられると思います。決してそのこと自身を否定するわけではございませんけれども、委員御指摘ございましたように、かなり専門性の高い、専門的な知識を持ったような形で例えば一定の行政分野を責任持って担うというような在り方もあるのではないかということで、多様なトップマネジメントの在り方を考えたらどうかというような趣旨を明らかにするような改正をさせていただいたということであります。
  それから、二点目にお尋ねございました名称でございますけれども、この名称につきましては、やはり法律上の名称でございますので、法律的な場面でお使いいただくときはこの副知事、副市町村長というお名前を使っていただく必要があろうかと思っておりますが、これまでも実際上、助役と言っているときに副市長といったような名称も使われていることがございまして、事実上使われることは差し支えないものだろうというふうに考えているところであります。
○木村仁君 助役という、今度は副市町村長、副知事というのはやっぱりどうしても長の女房役ですよね。そして、ですからいつでも何の理由もなく解任できるようになっているわけでございますから、そういうことも加味して考えると、今回の改正で総務省がお考えになっているような副知事、副市町村長というものの質的転換が行われるとは私には余り考えられないんです。
  したがって、この改正を機にそういったいろんな社会的あるいは学問的訓練を積んだ方々がそういうポストに登用されるように、そういうことについての法律以外の御努力も是非お願いをいたしたいと思います。
  次に、出納長、収入役を廃止してしまわれました。これは私は少し心配だなと思っております。
  私どもが若いころ地方に行きますと、収入役さんというのは大体地域の名望家、そして資産家。で、いざ何か事故があったときは自分の財産を売ってでも払ってやるというような気概の方がおられたわけです。もうそれはもう時代が違いますから、今はそういうことは言えませんけれども。
  しかし、そういう人が伝統でやって、それゆえ、おかしな支出が行われる場合には、長に対しても毅然としてこれは駄目ですということが言えたのが収入役であり、出納長であったんです。それが女房役になってしまったと言われるのはそのとおりです。そのとおりだ、それは運用の病理であったと私は思いますから、これをもう、すぐあきらめておやめになったことは少し問題ではないかなと思いますが、まあおやめになったわけでありますからよろしいですけれども、それに代えて一般職の会計管理者を置くと。一般職ならなお歯止めは利かないわけでありますから、それであれば事後監査みたいなものを強化しなければならないという、そういう理論であろうと思います。
  これはいわゆる、今日は大臣がおられないから言いますが、小泉・竹中流の勝手にやらして事後を締めりゃいいという頭の改正かなと思いますので、ちょっと余り私は心から賛同するような気持ちになれないんでありますけれども。
  そのところの改正の意図、そして今後の御指導の方針、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(高部正男君) 御指摘ございましたように、この収入役というのは明治の時代に市制、町村制のできたときからの仕組みでございます。
  特に、当時のことを想定いたしますと、今御指摘ございましたように金庫番と言われたように、現金を本当に管理するという仕事が大きくて、そういう事の重要性から、これも御指摘ございましたように、当時の市制の規定なんかを見ますと身元保証金を出すというような規定ぶりになっていたということだろうと思います。
  ただ、昨今の状況を見ますと、出納事務が電算化されるといったような状況の中で、これ地方制度調査会の中でも御議論いただいたところでございますけれども、特別職としての出納長あるいは収入役というものを置く必要まではないのではないかということで、今回この制度を廃止するということにさせていただいて、副知事、副市町村長という形での在り方に一本化してトップマネジメント機能を強化する方向で考えたらどうかというような答申をいただいたところでございます。
  ただ、そうは申しましても、会計事務の適正な管理執行を確保するといった必要性はこれは変更ないところでございまして、一般職の会計管理者を置くということでこのような会計事務の適正な執行を確保するという形にさせていただいているということでございます。
  それで、特別職じゃなくて大丈夫なのかということでございますけれども、一方でこの地方公務員法等々の適用を受ける形になるわけでございますし、また他方で、適正な事務の執行を確保するような仕組みも、例えば損害賠償責任でございますとか、監査委員あるいは議会のチェックといったことも働くわけでございますので、全体として適正なものが確保できるようになっていくのではないかというふうに思っているところでございます。
  ただ、委員御指摘のような御懸念もあることでございますので、私どもといたしますれば、この改正をお認めいただいた後につきましては、運用の面で十分この新しい制度の趣旨を徹底してまいりたいと、そういうふうに考えているところでございます。
○木村仁君 是非よろしく御指導をお願いをいたしたいと思います。
  で、地方自治法の全体的なことについて、若干大げさなことを申し上げますけれども、地方自治法は今全部で何条ぐらいございますか。
○政府参考人(高部正男君) 枝条文等ありまして数えにくいんですが、本則の部分だけでいいますと四百五十二条だということだと思っております。
○木村仁君 ずっと私は長年考えているんですけど、余りにも条文が多過ぎると。
  なぜ条文が多くなっているかというと、もう極めて多くのおせっかい規定があるというふうに思うんであります。もっと骨格だけきちっと決めてやって、あとはみんな条例とか規則、そういうものに任してしまえるんじゃないかと、そういうふうに思うんです。
  全体として、大胆に削減して、三百条から三百五十条ぐらいの法律に換骨奪胎するお気持ちはありませんか。
○政府参考人(高部正男君) お答えを申し上げます。
  地方自治法の内容を大変よく御案内の委員からの御指摘でございまして、私どもも重く受け止めなきゃいけないことだろうと思っておりますが、御案内のとおり、地方自治法は憲法九十二条を受けた地方公共団体の組織運営に関する法律ということで、基本的な事項を規定する仕組みになっているわけでございます。こういう位置付けの中でどこまで地方自治法に規定していくのかということについてはいろんな御意見があり得るのではないかと思いますし、また時代的な変化も踏まえて考えられていくような問題ではないかなと基本的には思っているところでございます。
  現下の状況、昨今の状況を見たときにどういう方向で物を考えていくべきかということについていいますと、委員御指摘ございましたように、できるだけ地方公共団体の自主性、自律性を高めていく、拡大していくという視点は大事だろうと私どもも認識しているところでございまして、こういう観点での改正、例えば公の施設の指定管理者の制度の創設、あるいは都道府県の局部の法定制度の廃止といったような地方自治法の改正を順次行ってきたということだろうと思っておるところでございます。今次の地方制度調査会の答申も、地方の自主性、自律性を拡大するための答申でございまして、今回もそういう視点でお願いしているところでございます。
  なお、条文数でいいますと、新たなこういう仕組みを入れることに伴って、枝条文等々で結果として条文が増えちゃっているというようなところもないわけではないというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、全体としての自治法の規定は、今後の方向として、地方公共団体の自主性、自律性の拡大する方向というものを目指して、その規定の在り方を考えていく必要があるものというふうに考えているところでございます。
○木村仁君 意図はよく分かるんですけれども、実際の改正作業になるとちっともそういう意図が実現していないんですよ。
  例えば、平成十五年に地方公共団体の議会の議員の定数を条例で決めるようになされました。事務方は条例で一本で決めさせればいいという割り切り方をしたようでありますけれども、出てきた法律案を見ると、事細かに人口区分ごとに最高の数を示しているじゃないですか。今どき、条例に任せて、そして膨大な定数をつくるような地方公共団体が果たしてあるでしょうか。もっと地方団体を信頼して、地方公共団体の議会の定数は条例で定めると書けばそれで済むじゃありませんか。そういう形でいっていただきたいと思うのでございますが、もうコメントは求めませんけれども。
  それに関連して、私はずっと長年の持論でありますが、これ、マッカーサー憲法草案を言うとしかられるかもしれませんけれども、その中に、住民は国会が定める法律の範囲内で自らの憲章を定める権利を奪わるることなかるべしという規定がございます。これはちょうど、あの当時がアメリカのホームルールチャーターの最盛期であったろうと思います。したがって、そういう意図で書かれたものだと私は理解しているんです。
  ところが、それは、チャーターというようなものは日本ではまだ時期尚早であるということで法制局が実にクレバーに、これを落とすのでなくて条例の規定に変えて、法律の範囲内で条例を制定することができる、こんなことも明治憲法以来ずっと日本でやっていたことでありますから、殊更書く必要もないことであるのをそういう形でうまくごまかしてチャーターを外したという立法過程だと私は思います。
  しかし、これはよいことでありまして、是非、将来の日本の地方自治の在り方としてチャーターを決めると、チャーターというのは行政委員会を置くか置かないかとか、議員の定数をどうするかとか、あるいは憲法議論をしなければいけませんけれども、首長をやめてカウンシル制にするとか、あるいは少数の委員会制にしてシティーマネジャーあるいはタウンクラークに多くをゆだねるとか、そういう制度の根幹の規定を地方団体自身がやる、それが本当の地方分権だと思うんです。
  そして、そういう根幹を決めるのは、それなら首長や議会に任していればいいかというと、それはできません、政体そのものを決めるものでありますから。ですから、国の法律の範囲内で自由な選択を認めて、そしてそれを住民と地方自治体が一緒になって案を作って、住民投票に掛けて決めると。そうすると、私は、首長は二期までしか認めないとか、そういうことも住民投票に掛けて決めるんだからよいのではないかと、そういう気がするんです。現に、憲法とぎりぎりのところで町村総会というのがございますよね、今でも。これは、日本国憲法で代議制を決めているのに直接民主制です。しかし、直接民主制であれば認めてよいということで、だれもこれを違憲立法だとは言っておりません。
  そういう弾力性もあるんですから、是非、将来はチャーター制度を考えていただきたいと思いますが、副大臣の御所見をお伺いして、三十一分までですから、そこまでにやめていただきたいと思います。
○副大臣(山崎力君) おしりを切られた答弁になって恐縮なんですが、今委員御指摘の点、正に憲法九十三条の地方自治の、長と議員の直接、これが、住民がこれを選挙するですか、直接、ここのところとの絡みがございますので、非常に憲法改正まで行くのかどうかという議論もあろうかと思いますし、委員御指摘のとおり、議決機関と執行機関の分立を憲法上要請しているかということに関しては、学者というか学説間の対立もあるというふうに理解しております。
  非常に難しい問題であろうと思いますが、いずれにいたしましても、地方公共団体の組織の在り方あるいは制度といったものを可能な限り弾力的に考えまして、それで、その地域の人たちの代表、あるいは地域の人たちの意向に沿った形の制度に持っていくということは、これは重要なことだろうと考えております。
  もちろん、社会情勢の変化とか、あるいはそもそもの地方公共団体の御意見、住民の方々の考え方、そういった点がこれからも重要な要素だと思っておりますので、いずれにいたしましても、御指摘の点を十分踏まえて適切な対応を取っていきたいというふうに考えております。そういったことで御理解願えればと思っております。

○木村仁君 ありがとうございました。
  終わります。
二之湯智 自民党の二之湯智でございます。
  同僚の木村議員に続きまして、地方自治法の一部改正、私は特に議会の今回の改正のことについて主に質問をいたしたいと思います。
  御案内のとおり、地方自治体は、直接選挙で選ばれた長とそして議員との二元代表制を取っておるわけでございます。よく、執行部と議会は車の両輪だと、対等、平等の関係だと、このように言われておりますけれども、私は決してそうではないと。多くの自治体は、余りにも長、執行部の権限が強過ぎて議会とのバランスは非常に欠いておるのではないかと、このように常々思っているわけです。
  ただ、なぜ今、地方議会あるいは長がバランスが取れていると申しますと、やはり長は、四年に一回の選挙のときにどうしても与党の会派の議員の皆さん方の御支援を得なきゃならぬということで、非常に与党会派に気を遣う、そういうことで辛うじて会派の面目を保っておるというようなこと。さらにまた、職員にとっては議員の存在は非常にうるさい、議員ににらまれたらもう昇進にも影響すると、したがって議会の先生方を非常に大事にすると。こういうことで私は議会と長がうまくバランスが取れている、しかし法律上は、ほとんど議会と長の関係は長に非常に優先的な権限が与えられてバランスが取れていないと、このように思うわけでございますけれども、現在の地方の議会の在り方、これについて総務大臣はどのようにお考えになっておりますか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(山崎力君) 今御指摘のとおり、国政の場と違いまして、地方自治におきましては大統領制とも言われる首長制を取っておるわけでございまして、その首長の権限というものが非常に大きなものがあるというものは御指摘のとおりでございます。
  その一方で、住民の代表である議会側、議員さん側の方は、独自の立場で行政をチェックするというチェック機能として、チェック・アンド・バランスという形で制度的にはなっておるわけでございますが、御指摘のように、そのバランスがどうも首長さんの方に偏っているのではないかという御指摘があるところも理解しているところでございます。
  現実、この問題というのは、制度の問題なのか運用の問題なのかという非常に難しいところもございますし、首長さんの個性というものがどの程度尊重されるべきなのかという点もあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、今回の改正、議会制度における改正の考え方からいきますと、議会の自主性、自律性の拡大という観点を重視いたしまして、これは委員御指摘の線に沿ったものだと思いますが、議長への臨時会の招集請求権の付与、そういった形もされているところでございます。
  問題はいろいろあろうかと思いますが、何よりこの問題というのは、地方の方たちが、いわゆる議員を通して首長さんとの関係をどう、地方議会との関係を見るかというところがポイントになろうと思います。そういった点で、制度面でいろいろなことがあれば、我々としても真摯にその点について制度面の設計その他については対応させていただきたいというふうに考えております。

○二之湯智君 議会と長の関係で決定的に違うのは、やはり長には予算編成権がある、そして人事権があると、こういうことだと思うんですね。特に、どの議会でも、二月ごろになりますと、全国で一斉に予算、都道府県議会、市町村議会が行われるわけですが、そのとき、私は常々思っていることは、予算議会が始まりますと、もうきれいに製本された、装丁された本が、予算書が配られるわけですね。これでひとつ皆さん方、予算審議をしていただけませんかと、こうなりますと、もうどこをいらっても、一ついらったら全部狂ってまいりますから、先生、この案でひとつ是非とも通していただきたいと、これが理事者の最も大きな仕事になるわけでございまして、とても私は地方議会で、一部事業会計辺りで、予算辺りで多少修正がある自治体もあるかも分かりませんけれども、本予算、一般会計ではほとんど予算修正すらできないというのが実態ではないかと、このように思っているわけです。
  私は、かねがね、まあ予算編成権は仕方ないと、しかし議会事務局の予算の編成権、これぐらいせめて議会事務局、議長に私は編成権が与えられてしかるべきではないかと。こうなりますと、議会事務局の予算も人事も全部もう長に握られてしまって、全く議会が手も足も出ないと、こういうような思いがするわけで、ここに議会と長の非常に大きな力の差があるんではないかと、そういうところに原因性があるんじゃないかと、このように思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(高部正男君) 委員御指摘いただきました点は、私どもも地方公共団体で仕事をさせていただいたときの様子の中でいろいろ感じるところはあるところではございますが、ともかく、地方議会がその役割を果たす上で必要な予算が確保されるということは、これは必要なことだろうというふうには思います。
  ただ、御指摘ございました編成権そのものを議会が持つということについていいますと、やっぱり地方公共団体の予算の中で議会費だけ取り出して別に編成するということになるわけでございますので、その辺についてはなかなか慎重な議論が要るのではないかなと感じられるところでございます。
  ただ、これも実態の運用でいいますと、これも適否についていろいろ御議論はあろうかと思いますけれども、現実の運用の中では、予算編成に当たっては、まず議会費のみならず、ほかの予算につきましても、先生も御経験されたと思いますけれども、いろんな調整を経ながら予算編成作業が進んでいくという面もありまして、ある程度調整を経たものが提案されていくというような面もあろうかと思います。特に、議会費についていいますと、これも私どもも経験しておりますけれども、かなりいろんなお話合いをしながらやっていくというのが現状だろうと思います。形でいいますと、いざとなれば増額修正権というのも、これは提案の趣旨を侵してはいけないというような規定がございますけれども、あるわけでございます。
  いずれにいたしましても、車の両輪というような御指摘もございましたけれども、それぞれの立場で相互に牽制しながら、より良い行政、住民の福祉の向上に尽くすということが一番大事な点ではないかなと感じられるところでございます。
○二之湯智君 地方分権推進一括法及びここ数年言われております三位一体改革の中で、いろんな紆余曲折はありますけれども、地方分権というか、地方にシフトした日本の政治の流れというのは私はある程度着実に進んでいるのではないかと、このように思うわけでございます。
  したがって、当然、地方自治体、いわゆる長を頂点とする執行部の力が非常に強くなってくるわけでございますから、議会の果たす役割、与えられている役割、監視機能の強化と、あるいは政策立案能力の向上というのは地方議会にとって欠かすことのできないこれからの大きな問題であると、このように思うわけでございます。
  今、現在、委員会審議の中でも、運営の中でも、国と同じように、参考人制度とか公聴会、こういうことが認められて、広く市民の声を聞くという制度はあるわけでございますけれども、今回、特に専門的な知見を活用すると、こういうことが、制度が導入されまして、専門家に調査を依頼し、報告を求めて、そして委員会審議を更に高めて政策立案能力をまた更に一層向上していこうという、こういうことは大変私はいいことではないかと、このように評価をしておるところでございます。
  しかし、冒頭、私も先ほど申しましたように、この議会活動、あるいは委員会活動を、あるいは政策立案機能を支えるのはやはり議会事務局の諸君だと思うんですね。やはり、ここの議会事務局を充実しないことには、幾ら法律を改正したところでそれは有名無実になってしまうのではないかと、このように思っておるところでございます。
  ところで、地方自治法が、話がありましたけれども、地方自治法では、都道府県には議会事務局は必置義務となっておりますけれども、市町村には置くことができると、こういうことなんですね。それで、政令指定都市のような人口何百万人というそういう市でも、これ議会事務局は必置義務ではないんですね。つまり、小さな市町村であったら他の部局との併任ということも可能であるわけです。随分前から、この議会事務局の機能の強化、強化と、このように言われておりますけれども、やはりこの辺はひとつ改めるべきではないかと、このように思うわけでございます。
  さらに、今回、非常に細かい改正でございますけれども、百三十八条の七項で、かつて「事務局長及び書記長は、議長の命を受け議会の庶務を掌理する。」ということになっていましたけれども、今回「議会に関する事務に従事する。」と、こういうことに変更されましたですね。これでどれほど議会事務局の機能が強化するのか、ちょっと私もこの条文を読んだだけでは分からないんですが、具体的にこの辺を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(高部正男君) お答えを申し上げます。
  庶務を事務に今回変えさせていただきました。これも先生よく御案内のとおり、かねてから庶務という用語方法につきまして、どうも使い方の語感が違う面もあるのではないかなという感じを私はしているんですが。かつては庶務というと、財政なんかやるのを全体的に庶務課といったような時期もございましたけれども、今、庶務というと、どうも語感として雑多なことをやっているということで、どうもいかがかというような声をよく聞いたところでございまして、ある意味では、そういう議会関係者の方々から寄せられた声を今回規定上改めさせていただいたということでございます。
  御指摘ございましたように、この規定を改めたことによって直ちにものが変わるというような性格ではございませんで、ただ、変えたことによって、この、何といいますか、意味合いというのもおのずから伝わる面もあるのではないかなというふうに思うわけでございます。
  その他にもいろいろ御指摘いただきましたけれども、議会事務局の機能の強化という意味では、議会活動の活性化という観点からすると非常に大事な課題だというふうには思っているところでございます。
  ただ一方で、全体として定数削減、地方行政改革ということを一方で我々は求めている中で、どこまでできるかということになりますと、方向性と現実に対応というと、なかなかそう簡単でない部分があるのかなと思っておるところでございます。ですから、私どもとしては、いろんなやり方の工夫もしていただきながら現実的な対応をしていただいて、全体として議会の機能が十分、これまで以上に果たされるような努力を一つ一つ積み重ねていただく必要があるのかなというふうに考えているところでございます。
○二之湯智君 これは質問通告にないんですが、都道府県には今私申しましたように必置義務があると。それで、少なくとも横浜なんかは、まあ言ってはあれですけれども、鳥取県、島根県のもう数倍の人口を擁している、そういう都市に、置くことができるという規定では私はおかしいんではないかと、こういうことを思ったりするんですが、私もこれ、地方団体の長をしながらこの運動はちょっとできなかったんですが、まだ地方自治法にはそういう規定になっているらしいんですが、これについてどう思われますか。
○政府参考人(高部正男君) この辺は多分に規定ぶりの沿革によるものも多いのではないかなと思うわけでございまして、規定ぶりをとらえて必ずしも軽視ということではないと私は思っておるんですが。
  ちょっと経緯を申し上げますと、昭和二十五年の自治法改正時に、都道府県においてはすべて事務局を置かれていたというような状況を踏まえて法律上置くと書かれたということのようでございます。一方で、市につきましては条例により議会事務局を置くことができるという規定ぶりになり、町村におきましては昭和三十三年の改正で置くことができると、そういう形の中でこれまで来ていて、特段このことで、私は、今委員御指摘いただいた、これでどうこうということは余り私個人としては聞いたことないように思いますが。こういう規定ぶりの中で、現実に市議会についてはすべて、それから町村の議会については九九・二%、ほとんどの団体が事務局を設置しているという状況が現実にあるものですから、この規定ぶり自身をどうこうというのはこれまで余りそう議論されたことはないし、市町村がこの中で条例で定めていただければいいものではないかなと現時点では思っているところでございます。
○二之湯智君 確かに、今局長がおっしゃいましたように、実際の運用面ではもうそれぞれ議会事務局もあり、政令都市としては非常に機能の高い事務局を有しておりますから、私はあえてあれこれと言うわけではないんでございますけれども、いつも都道府県と市町村が上下の関係のような、そういうような思いがしますので、やはり都道府県と同じようなものが、この政令市、あるいは中核市、あるいは特例市にもそういうものを設けるということが対等、平等の関係ではないかと。
  先ほどの、副知事やって、昔は、かつて市町村には助役だと。この助役の響きが私は大変嫌やったんです。今回それが副市長、副町長、副村長、こういうことになりまして、たかが名前、されど名前でございまして、その何か地方のローカルの助役さんのような者が大都市の助役でございますと出てきますと、一般の市民は、ああ助役かと、こういうようなことがございますので、私は今回そういう面の呼称の変更は大変良かったなと。それと同時に、やはり都道府県にあるものは少なくとも政令市にもあると、こういうことになった方がいいんじゃないかという私の思いを今述べさしていただきました。
  次に、今回、議会の招集権、臨時議会の招集権が、地方の議会の議会運営委員会の議を経て議長が請求することができると。招集することができるんじゃなくて、それを長に請求することができると、こういう規定に変わったんですね。私は、かねてから、三議長会、都道府県議長会、あるいは市議会議長会、町村議長会が、自らの議会をどうして長が、議長が招集できないんだと、こういうことが、常に大変な運動があったわけでございます。地方の自治体は二元代表制だとか車の両輪だとか言いながら、これもなかなか実現しなかった。
  しかしまた、恐らく局長は、今の年四回の定例会は、長と議会がよく話し合ってそれはうまく運用しておりますから格段問題はないんでございましょうと、このような答弁になるかと思いますけど、何か長から招集をされますと、何か議会そのものが長の附属機関のような、そんな感じがしてならないわけでございますから、私は、年四回の定例会も臨時議会も招集することができると、もちろん十二分の一の議員の賛同を得ればできるわけでございますけれども、もう少し私は地方議会に、あるいは地方の議長に権限を与えた方がいいんじゃないかと。
  それで、よく年四回の定例会には、専決処分というのが出てまいりますですね。そのときの理由が、議会を開催するいとまがなかったというのが大体大方の理由です。専決処分のいろいろな項目にはいろいろあるようでございますけれども、大体地方議会が開かれますと、長はそういうところの規定を持ち出して、いとまがなかったと。いとまがないほど忙しいかなと。今日、あした、三日ぐらい前に通告して、ちょっと議会を招集したいと。それが、全国に散らばった議員がおるんじゃなくて、小さな町の議会が招集できないというようなことは私はないと思うんですが。
  私はこの辺をもう少し、専決処分が乱発されないような、そういうことが、これは今回、専決処分の明確化と、こうなりましたけれども、できるだけそういうことは少なくしていく方がやっぱり議会と長との関係で非常に重要なことだと、このように思いますけれども、これについていかがお考えでしょうか。
○副大臣(山崎力君) 議会招集の件について私の方から答弁させていただきます。
  委員御指摘のような意見というのはこの間の二十八次の地方制度調査会でもございまして、その一方で、いろいろな議論が、反対側といいますか、あったわけでございます。いわゆる何というんでしょう、長と議会との関係にかかわる重大な問題だからもう少し慎重にしなさいというような議論もございました。
  そういった中で、一番のポイントは、議会が招集されるということが一番の問題、課題であろうと。そこが担保できればいいんではないかというような観点から、答申におきましては、長と議会の関係や、長が事実上議案の大半を提案している実態があることを踏まえれば、議長に臨時会招集請求権を付与して、長が一定期間内に招集しなければならないものとすべきと、こういう答申が出たわけでございます。
  こういったことで、議会が、長が余り好まなくても、議会側の要請でそういった時点において議会が開かれるんであれば、まあその辺のところは担保されているであろうというのが今回の改正の趣旨でございまして、議員の考え方ということが否定されたわけでもないし、むしろそちらの方に近付いたというふうな形で御理解願えればと思う次第でございます。

○政府参考人(高部正男君) 専決処分についてお尋ねをいただきました。
  御案内のとおり、専決処分というのは議会の権限に属する事項を長が決定するという仕組みでございますので、この制度の趣旨を踏まえて行われるということが必要だというふうに思っております。
  御指摘ございましたように、専決処分、百七十九条と百八十条の委任専決と二つありますけれども、委任専決はともかくとして、百七十九条の専決処分につきましては、議会が成立しないときとか議決すべき件を議決しないときとかっていうのがありますけれども、いとまがないときという形で行われているケースが多いように思うわけでございます。
  先ほど委員から先にお答えを指摘されてしまいましたので大変答えにくい部分あるんですが、現実に地方団体、これも委員もよく御案内だと思うんですが、いろんな専決処分、いろんなタイプのものがあると思いますけれども、現実的にはいろんな議会と長との意思疎通をしながらやられている部分でもございます。また、仕組み上、百七十九条の専決処分について言いますと、後で議会に報告して承認を求めるという仕組みになっておりまして、その過程の中でいろいろチェックが働くということもございますので、全体として見ると、すべてとは申し上げませんけれども、全体として見ると、そう私どもとして見ると乱発されている状況だというふうには認識しませんし、また現実的には議会と円滑にやっているというふうに感じているところでございます。
  ただし、今の規定ぶりは余りにも、いとまがないときということで、余りにもふわっとし過ぎているじゃないかというような御議論も議長会等からございまして、今回は地方制度調査会の御意見等も踏まえまして、この規定の趣旨がもう少し規定ぶりに出るようにという形で改正をさせていただいたものでございますので、御理解をいただけたらと思います。
○二之湯智君 今回の改正で、かねてから地方議会から要望ありました議員の複数の常任委員会への所属、これが実現することになったわけでございます。
  御案内のとおり、地方の財政が厳しいということで各議会とも減数条例を設けまして、非常にもう議員の数を減らしてきておりますですね。もう上限一杯というような、そんな議会はもうとてもとても今、市民の理解を得られない。そういうことで、非常にもう極端なことを言ったら二分の一ぐらいの議員の数になっているところもあるわけでございます。
  しかし、前の地方自治法改正で常任委員会の数は地方議会に任せますと、設置は五つのところが十でもいいですよというようなことになりましたけれども、現実には議員の数がいませんので実際はできないわけですね。したがって、一人の議員が二つぐらい所属できたらいいなというのがかねてからの地方議会の強い要望でございました。これが今回実現するわけでございます。ただ、地方議会の場合は、その所属の委員会は、それぞれ希望を取って議会運営委員会で諮ってそれで本会議で選任すると、こういうことになっておりますですね。
  私、国会来て、国会は随分と自由にやっているなと。採決のときにぽいと行って、はい採決でございますといって起立したらこれで成立すると。地方議会もこれを導入すると私はいいなと、非常に一つの知恵を与えていただきました。
  したがいまして、私は、今度補欠で上がってきた人は議長が所属の委員会を選任することというか、所属の委員会を指名することができると、こうなりましたですね、閉会中でも。これも、ひとつ、複数の常任委員会が認められましたけれども、どうしてもその委員会が採決しなきゃならぬときに、あるいはまた質問したいときに、自分の今所属していない委員会でも議長の許しを得れば、許可を得れば他の委員会で発言したり採決に加わると、こういうことも私いいんじゃないかと。
  もっと弾力的な、先ほど木村先生が、地方自治法はもう少し緩やかな規定にしておいて、あとは条例に定め、決めたらいいんじゃないですかと、このようにおっしゃいましたけれども、非常にいい考え方だなと思いますけれども、これについてどうでしょうか。
○政府参考人(高部正男君) 今回、このような改正をさせていただきました。
  それで、ちょっと御説明させていただきますと、今の地方自治法の規定ぶりは、委員御指摘いただきましたのは、百九条の中で、「常任委員は、会期の始めに議会において選任し、」というような規定のしぶりだと思うんですが、この辺規定したのは、国会法、必ずしも私、十分承知していない部分ありますが、国会法の規定ぶりも同じようになっておりまして、その辺を見ていることだと思います。
  それで、実はこれに関連する行政実例がございまして、大分古いんですけれども、昭和二十八年の行政実例の中で、今委員おっしゃいましたような、例えば議長が決めることができないかという問いに対しまして、当時の行政課の回答として、法律上は可能であるけれども適当でないという答えをした経緯があったように思います。閉会中は元々、特別権能がないと同じことはできないと思いますけれども、今回の規定ぶりは市議長会等の御意見なんかも踏まえながらこういう規定ぶりにさせていただいて、閉会中の手当てができるような格好になったわけでございます。
  こういう形で規定しますと、委員御指摘いただきましたことの関連でいいますと、昭和二十八年の行政実例がこういう法律改正後にも適切なのかどうかという問題もあろうかと思いますので、これもよく関係のところの意見も聞きながらちょっと検討してみたいというふうに考えておるところでございます。
○二之湯智君 先ほどから私は長と議会との関係をいろいろとお話ししてまいりましたけれども、私も、この地方議会にも地方の議会の権能強化、あるいは力を付けようということについても大いに責任があるんじゃないかと、このように思います。
  それで、よく陳情書が、地方議会の権能強化をというようなことをよく自民党の地方部会にもいろいろ来るわけですね。しかし、地方制度調査会でも恐らく出たと思いますけれども、こういう地方の議会の専門家の皆さんでも、もう少し地方自治体は、地方議会は地方自治法九十六条の二項を活用して、議決案件が十五項目で少なければ二項を使って条例で議決案件を増やしなさいと、こういうことをよく言われておりますね。よく指摘されております。しかし、これをなかなか使って議決案件を増やしている自治体というのは非常に少ないんですね。私は、そこにやはり地方議会の怠慢もあると思うんです。それは長に対する遠慮もあるかも分かりません。もう長はこれ以上議会の議決案件を増やしてもらったら困ると。それは今、先ほどから局長おっしゃいますように、あうんの呼吸で長と議会うまくやっていきましょうと、一々条例とかそんなことに、しかつめらしい規約を作らなくてもいいんじゃないですかと、こういうことが地方議会の運用の妙であると思うわけでございます。
  しかし、地方の方も機関委任事務が廃止されてほとんどが自治事務になったと、こういうことになりますと、やはり地方議会の自主性とか自律性を高めるためにも、地方議会が自らもっと努力をしていかなければならないんではないかと。特に、私は前から言っているんですが、この地方のまちづくりの根幹を成す基本計画、これぐらいは地方議会の議決案件にしなきゃ駄目じゃないかと、このように申しておったわけでございます。ちょっと自慢たらしになりますけれども、京都市はそれを九十六条二項に追加をいたしました。そして、正に長が一年ごとに振興計画と予算を報告するということに規定をいたしましたけれども。
  やはり、もっと地方も私は努力しないと、長と議会との権力のバランスあるいはその地方議会の強化というものは図られないんではないかと、このように思いますけれども、最後に副大臣の所感をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○副大臣(山崎力君) 今委員御指摘の点でございますけれども、やはり地方議会における長と議会の関係というのが、これが一番具体的な問題でいえば問題になろうかと思います。
  そういった中で、地制調の、この間の二十八次の地方制度調査会の答申におきましても、議会の権限と長との関係という、この根本的な、基本的な事項につきましては法律で定めなきゃいかぬと。これは当然なことなんですが、その実際運営に当たる組織であるとか運営の方法というのはできるだけその議会の自主性、自律性にゆだねるべきであると。もっと言えば、地方の実態に応じて、それぞれの地域に応じていろいろな形態のやり方の議会があってもいいんではないかという考え方が出されておりまして、その点での見直しが必要だというふうに言われているところでございます。
  そういった中での一つの改革案が今回の改正案だと御理解願いたいと思いますが、その点につきまして、今回いろいろ検討、引き続き検討ということもございますので、その辺については総務省といたしましても今後とも真摯に検討を続けていきたいというふうに思っております。

○二之湯智君 終わります。
(後略)