答弁「『必要な弱い自治体への財政手当』他

(平成18年6月8日衆議院決算行政監視委員会会議録より抜粋)


(前略)
○筒井委員長 これより、各件に関し、国の財政等の概況について重点事項審査を行います。
  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土屋正忠君。
○土屋(正)委員 私は、主として三点について質問をいたします。
  第一点は、国民年金の現状と今後についてであります。二点目として、歳出削減のための職員数等の削減についてであります。三点目としては、所得にかかわる課税の見直しについてであります。前二点は、主として歳出と歳入の適正に関すること、三点目は今後の税制について、こういう点から質問させていただきます。
(中略)
  大きな二点目で、歳出削減のための職員数の削減についてでありますが、五月二十六日にいわゆる行政改革推進法が成立をしたわけであります。これに従って、平成十七年度末と比較をして、国家公務員の場合には、平成二十二年までの五年間の間に五%以上の純減、そして、法五十五条において、地方公務員の場合には四・六%の純減を期待しているわけであります。
  そこで、具体的にお尋ねしたいわけでありますが、国家公務員の場合には、当然雇用関係は国にあるわけですから、これは執行責任でいいわけであります。しかし、地方自治体の場合には、国との関係は上下主従の関係から対等協力の関係へ、こうなったわけでありますから、一律に命令するわけにはまいりません。助言という格好になるわけですが、しかし、助言といっても、なかなかやらないところもあるかもしれない。そうなった場合に、結局、地方交付税の基準財政需要額等でもって一定の削減を図っていくということになるんだろうと思います。具体的な方法、手順はどのようなことを考えていくべきなのか。また、自民党内では八%という意見も出ているわけでありまして、これらの見通し並びに手順についてお尋ねいたしたいと存じます。
  とりわけ、都道府県などは、教員とか警察官などは法令で定められている定数があるわけでありますから、こういうものを除いたところでやるというのは非常に大変だろうと思います。例えば、東京都なんかの場合には、七万人が教員、そして四万四千人が警視庁職員、その他の知事部局の職員というのはわずか五万五千ぐらいしかいないわけであります。
  こういう角度からすると非常に難しい問題があると思いますが、どのようにお考えか、お尋ねいたしたいと存じます。
○山崎副大臣 ただいま御質問の件でございますけれども、委員御案内のとおり、昨今の厳しい行財政状況にあって、地方公共団体も徹底した行政改革を進めていただきたい、進める必要があるというふうに認識しております。
  そして、昨平成十七年三月の新地方行政改革指針におきまして、総務省として、地方公務員の総数に関しまして、これも委員御指摘のとおりでございますが、今後五年間に、過去五年間、平成十一年から十六年の純減実績である四・六%を上回る純減の必要があるのではないかということで、各団体に、これは自主的な取り組みを要請したところでございます。もちろん、先ほども御案内のとおり、主従関係ではございませんので、あくまでも各自治体に自主的な取り組みを要請した。
  こういった中で、現時点で、集中改革プランにおいて定員管理の数値目標を公表している団体がかなりございます。そういった中で試算したところ、東京都など職員の多い団体でまだ未公表のところもございますものですから確たることは言えませんが、そういう変動の可能性があるという前提で、平成十七年四月一日から二十二年四月一日までの五年間の間の地方公共団体全体の純減率といいますか数字は六・二%という数字が出ておりまして、これはもう明らかに地方公共団体において真剣な取り組みをしていただいた、そういう積み上げの数字がこういう数字でございますので、真剣な取り組みをしていただいたものと考えております。
  今後、行政改革を進めなければいけませんが、やはり住民の理解を得ながら進めるということが大切でございまして、各団体で一定の定員管理の数値目標を掲げるということも重要であると思っております。しかしながら、個々の団体において画一的な取り組みをしろということはなくて、各団体において、住民ニーズを踏まえながら、あくまでも自主的に取り組んでいただくというふうに考えております。

○土屋(正)委員 六・二%の削減が各地方自治体からの調査の結果見込まれているということについては、それはなかなか結構なことだろうと思います。
  なかなか地方公共団体も、国家公務員もそうでありますが、いわゆる分限で定数を削減するということは事実上不可能でありますから。分限の場合には、仕事そのものがなくなったとか、本人の身体的な状況などは別にしても、つまり、使用者側である市町村側が、あるいは都道府県側が分限でやるというのは、実際上、これは不可能であります。
  となると、結局どういう格好でリストラをやってきたかというと、定年でやめていく職員を補充しないで、不補充で全体としての数を減らしていくという手法をどこでもとっていくのだろうと思います。
  そういうことですと、これから三、四年というのは、いわゆる団塊の世代が退職年齢を迎えるわけでございますから、ある面では非常にいいチャンスであるということは我々もよく承知しております。現に、私も昨年の八月まではそういう職にいたわけでありますが、このチャンスを逃すなということで、いろいろな計画を立てていた最中であります。でありますから、六・二%削減というのは、そういうことを見越した上で頑張っていくという数字だろうと思いますので、タイミングとしては非常にいいタイミングだろうと思います。
  しかし、私は同時に申し上げておきたいのは、団塊の世代がやめて、経過措置があったとしても、やがてそれは定年退職した後の年金受給者になるわけですから、社会的コストというのはなかなか減らないわけですね。ですから、こういう人たちをどのように再雇用していくかとか、活用していくか、新しい行政需要に振り向けていくかという、やわらかな行政組織をつくっていかなきゃならないんだろうと思っております。
  そこで総務省に申し上げたいのは、恐らくこういうことになると、地方財政計画の中で、十万人規模を想定した標準財政規模の中から、当然のことながら、地方交付税の基準財政需要額を削減していく、こういうことをやるわけであります。その際、申し上げたいのは、やはり地域社会に与える影響、地域経済に与える影響というのは非常に大きいわけです。
  例えば、これはある有名な中核市でありますが、都道府県庁所在地ですけれども、ここの第一の産業構造はサービス業なんですね。サービス業はどこかというと、県の出先機関とか、国の出先機関とか、市町村の職員とか、何と驚くことにこれが第一位なわけですよ。こういうところというのはあちこちにあるんです。小さなところに行くと、もっと深刻なところがあります。
  私は、今から二十数年前に初めて、まだ他の市町村をよく知らなかったときに、ある小さな村に行って、ここに共働きはありますか、共働きの職員は何人いますかと言ったら、村長さんから怒られたんです。何を言っているんだ、共働きなんてとんでもないと。役場というのは一番安定職場なんだから、結婚したら一人やめてもらうんだ、一家に一人だと。つまり、役場がメーン産業になっているわけですよね。農業だめ、漁業だめ、最近は建設業もだめ、どうすればいいんだ、この際役場もだめか、こういうことになるんですよ。これは本当は竹中大臣にお尋ねしたかったんですけれども、破綻法制だとか、そういう発想だと私はちょっと問題があると思っております。
  では副大臣に、せっかくのあれなんですけれども、私は、地方自治体、地域社会は共同体である、こういう角度から、今、段階補正とかあるいは密度補正とかと補正に対して非常なバッシングがありますけれども、目配りをちゃんとしていただいて、総務省はやはり地方自治体の弱いところにしっかり目配りをして、ある程度きちっとした手当てをしないと、行政改革推進法に従って一直線で行ったら、これはかなりまたぼろぼろになりますよ。私は、自民党としても来年の参議院選挙が心配だ、こう思っているぐらいであります。まあ、それは余計なことですけれども。
  だから、地方の弱い団体をどう守るか、そういう角度でひとつ御答弁を。
○山崎副大臣 個人的なことになるかもしれませんが、大都市部の武蔵野市長経験者から、私、青森県の選出の参議院議員でございまして、まさにそういう立場の方から今のような御質問を受けて、本当に、地方に対する理解が都市部でも進んでいてくれればなという気持ちがいたしました。
  そういった中で、今の御質問でございますけれども、当然、我々としては、地方自治体が今後とも円滑な行政、財政執行ができるという立場を守らなければいけないという考え方で取り組んでまいることでございますし、具体的な例で言えば、先ほどの御質問の中にもありましたけれども、今の交付税というのは人口規模十万人の団体を標準にして算定して、そして、特に財政力が弱いことが多い小規模な市町村につきましては、一人当たりの行政経費というのがどうしても標準団体十万人規模に比べれば高くなる、こういう実態が現実としてございます。割高にならざるを得ません。
  そういう増加経費につきまして、その人口規模に応じた割り増し算定というのは今までやってきたところでもございますし、今後とも、具体的な形は今後のいろいろな額その他によって変わることはございますけれども、その考え方で、いわゆる地方自治体、地方の財政力等の弱い自治体に対しての手当てはしっかりやっていきたいというふうに考えております。

○土屋(正)委員 ありがとうございます。それでは、ぜひその方向でよろしくお願いをいたしたいと存じます。
(後略)