質問「『総務省命令放送見解への疑問』ほか

(平成18年12月5日参議院総務委員会会議録より抜粋)


(前略)
○山崎力君 山崎でございます。
  今回の法案の質疑に私自身の場合先立ちまして、先月三十日に命令放送についての見解というのが総務省から出されておりますので、その点を少し押さえておきたいというふうに思いますので、幾つか質問させていただきます。
  この見解を見たんですが、ちょっと私の方、私個人かもしれませんが、ずれているところがあるんではないのかなと思いまして、とにかく何のために国際放送の中に命令という放送をしなきゃいかぬのかと。ここには、見解の中にあるように、我が国の見解や政府を正しく外国に伝えることだと、こうなっているわけです。誤解があってはいけない。非常にシリアスな場面があったという記憶が私しております。
  といいますのは、キューバ危機のときのモスクワ放送です。あのモスクワ放送が、当時のソ連政府の見解、クーデター、いろいろアメリカの政権、ケネディ政権の中でありましたけれども、そういったのをちゃんとしたのだろうかどうかというので非常にシリアスなやり取りがあって、そしてその結果として生まれたのが、今どうなってるか分かりませんが、一時はもう生命線、ラストラインと言われた、ホットラインと言われた制度ができたのは、私はそのためだというふうに認識しております。
  そういったものをさせるための私は命令放送ではないのかと。ですから、NHKがそれを適当に報道番組としてやるというのは、ある意味でいえば命令放送にふさわしくない。だから、やる以上は政府が正しい見解というものをきちっとして、これは政府の見解である、これを外国にきちっと伝えなさいと、こういうふうな形であるから、ある意味で編集権というのは政府にある。いわゆる報道機関としての独自の編集権、最後の方には表現の自由、報道の自由、編集の自由となっている、それを超えたところにあるのが私は命令放送ではないのかなと。
  ですから、その形からいけば、これは政府からのお知らせですというふうな形である意味制限されるわけですが、これは現実に行われておりまして、NHKの場合の政見放送、これは明らかにそのたぐいで放送されていると、似たようなものではないのかなと思っているんですが、まずNHKさん、その点についてどのようにお考えですか。

○参考人(原田豊彦君) お答えいたします。
  命令放送は、放送効果の向上を図るために、NHKの本来業務として行っておりますラジオ国際放送と一体として行うというふうにされております。総務大臣からの命令書にもそのように記されてございます。
  言うまでもなく、ラジオの国際放送というのはこの五十年余りの歴史を持っておりまして、ラジオ・ジャパンという名称で、海外に住む多くの邦人の皆さん、あるいは世界各国の人々から信頼を得ておりますけれども、それもNHKが自主的な編集を貫いてきたからというふうに考えております。
  そういう中で、私どもといたしましては、これからも報道機関として自主、自立の立場を堅持して自主的な放送を行っていくという姿勢に変わりはございません。
○山崎力君 となれば、これは命令したから、しないから一緒にやりなさいと、どこまでが命令でどこまでがNHKの報道なのかというところが不明確になりますが、これは法定で定められているからNHKやっているんですか、それともいわゆる命令の中に書かれているからやっているんですか。いや、NHKさん。
○参考人(原田豊彦君) 命令放送につきましては、番組の編集の自由と命令放送、これが両立するのか、様々な問題提起が出されておりますし、そういう議論が出ているということ、私どもも十分認識をしております。
  編集権とのかかわりなども含めまして、国際放送の在り方、現状でよいのかということも含めて今後議論していただく必要もあると考えております。
○山崎力君 いや、質問の趣旨は、これはそれじゃ総務省さんの方からで結構ですが、一緒に混ぜて放送しているという部分については、これは法定、法律で定められた条文上のことなのか、総務省が混ぜてやりなさいと言っていることなのかと、そのことの確認です、まず第一は。
○政府参考人(鈴木康雄君) ただいまの御質問でございますが、政府からの命令の中で一体として行うということを定めているものでございます。
○山崎力君 その一体としてやりなさいというのは、法律に書かれてるんですか、書かれてないんですか。
○政府参考人(鈴木康雄君) 一体として行えということを命ずべきということは書かれておりません。放送事項その他を指定して行うという、その指定の中に考えが入っているものと考えております。
○山崎力君 ということは、それを、従ってNHKが放送しているということは、これは自主的な判断でNHKが混ぜて一体として報道しているという建前になっているわけですね。NHKさん、確認させていただきます。
○参考人(原田豊彦君) 私どもの国際放送につきまして、今御答弁がありましたように一体として行うというふうにされておりますけれども、私ども、例えば今回の拉致問題に関しましても、もとよりこれは大変重要な問題であるということで、これまで私どもの放送の中でしっかりと伝えてきております。報道機関として自主的な判断、そういうものに基づいて私どもは、そういう大きな枠組みはございますけれども、その中で放送してきているということでございます。
○山崎力君 私が申し上げているのは、大きな枠組みというのは法律ではなくて総務省からのいわゆる命令放送の中の指示に、指示というか命令に当たる部分に従ってやっているということになれば、その命令に従うというところが編集権に対する侵害と受け止めないのがおかしいねということを言っているわけでございます。これは、いや、その中で我々が自主的に混ぜてやってるんですというのが答えになるとは思うんですが。
  ですから、その辺考えていきますと、国が二五%出している、それでなぜかその報道番組的なこういったものが時間的にも二五%ある。内容だけじゃないんですよ、編集権その他は。時間をどれだけどの問題に使うかということも、これはもう報道制作の中の最重要の課題ですわ、これは、考えてみれば。同じ報道しても、十五分なら十五分のうちに三十秒使うのか、五分、十分使うのか、これはもう編集権の中のある種中身以上に、外見的なことだけども重要なことだと思うわけですね。
  そこでお伺いしたいんですが、ここのところでこういったことに対しての問題について、電波監理審議会、まあ今日おいでになってないみたいですが、どういうふうな判断をされているんでしょうか。

○政府参考人(鈴木康雄君) 電波監理審議会の審議につきましては、十一月八日に開催されました審議会に先立ちまして委員が事前の相談を行ったと聞いておりますが、この事前の相談も含めまして、審議会におきまして、具体的な放送事項の追加の是非の観点、二番目はNHKの編集権への配慮の観点の二つから審議がなされたということでございます。
  具体的な放送事項の追加につきましては、適当であることに疑念はない、また、拉致問題は現在進行形の課題であるため早く答申することも大事である旨、羽鳥電波監理審議会会長が記者会見において述べられております。
  また、NHKの編集権への配慮につきましては、総務大臣がこれまで国会での答弁をいたしておりますが、それを踏まえて、問題がないものとして議論しつつも、趣旨をより明確にするというため、従来と同様に日本放送協会の編集の自由に配慮した制度の運用が行うことが適当であるという意見を付して答申を行った旨、同じく羽鳥電波監理審議会会長が記者会見において述べております。以上でございます。
○山崎力君 今私が申し上げていることである程度浮かび上がってきたと思うんですが、国際放送は我が国の見解や国情を正しく伝えること、その趣旨から国としての意思をNHKに命令する、そういうことが命令することができると、こうなっているわけです。ところが、報道の自由だ編集の自由だということを考えるとどうしたらいいのかというところがあって、今まで概括的な形でやってきた。
  これはある意味ではおかしいんですよ。本当に正しいということを伝えるということを、国がNHKに任せているということです、ある意味でいえば。それでいいんですか。本当に命令して、NHKが何と言おうと国益のためにこういう表現でこういう内容を放送してほしいと、そのための命令放送じゃないのかなと私は思っているわけです。
  そのためにはクレジット、これの中身がNHKではなくて国だと、政府の見解だと、重要なものだということを明示する必要が私はあると思うんです。そうじゃなければ必要ないですよ。国から二五%の金が出ているから、その分だけNHKはやらざるを得ませんねと。もちろん、国営放送持っていれば国はそういうことをする必要はない。ただ、NHKがそれに相当する機関である。だから、その分の費用は、応分の費用は国が持っておきましょう、それが二五%が適当かどうか分かりませんが、ということでやってきたんじゃないんでしょうか。
  私は、今回の問題で一番恐れていることがあります。ということは、国の意思として、北朝鮮の問題を、拉致問題を重要視しているということを外に出したわけです。ということはどういうことかといいますと、北朝鮮の核実験とかミサイル発射は拉致の問題よりも下かもしれないというメッセージを発したとも受け取れる。
  それから、もう一つ言えば、この命令を拉致問題が解決するまでずっと出し続けるんですか、大臣が替わっても、政権が替わっても。そのときに、もし取り下げれば、そのときに日本国政府は拉致問題のことをあきらめたと、重要視しなくなったというメッセージを対外的に発信することになる。ということを考えますと、やはり私はこの命令放送というのは、今までなあなあでやってきた、それを今、菅大臣の思いで、いろいろなことがあったとは思いますけれども、出てきたことによって、この全体の制度の矛盾点が表れてきたと私は思っております。
  そういう意味で、放送法全体の再検討を、是非内部的にも、役所的にも、対外的にも、NHKさんも含めてやっていただかなければならないと思っております。こんな税金の使い方だったら使わない方がましですよ。海外放送のメンテナンス、その分の費用だけ持ちましょうと言った方がいいかもしれないし、NHKだって痛くもない腹を探られるのは嫌だろうというふうな私は気がしておりますので、その点だけ申し上げておきたいと思います。私が総務省から出た命令放送についての見解についての考え方を述べさせていただきました。
  続きまして、この周辺の問題、本法律案の周辺の問題に関しまして、重要な問題があろうかと思っているんです。これは地方分権の推進大きな問題ですが、いわゆる公営企業金融公庫の廃止とその後継組織の問題です。
  最近の報道によりますと、この資産の、公庫の資産の引当金をどうするかということが問題になっていまして、国に返還が原則ではないかと。ところが、地方六団体は新組織に継承をさせろと言っていると。この引当金についての検討状況、簡単で結構です、教えていただけますか。

○政府参考人(岡本保君) 今委員御指摘は、債券の借換え損失の引当金であろうと存じますが、この引当金の取扱いにつきましては、さきに施行されています行革推進法並びに政策金融改革に係る制度設計におきまして、新たな仕組みのために必要な財政基盤を確保するための措置を講ずるということ、それから公営企業金融公庫が保有しております今の引当金などにつきまして適正な評価に基づいてこれを新しい仕組みに移管、管理をするということ、また、新しい仕組みが将来にわたり業務を円滑に遂行する上で必要がないと認められるという資産には引き継ぎますが、この認められないものについては、政府の出資に係るものについては、これを国庫に帰属させるというふうにされております。
  したがいまして、私どもといたしましては、この新しい組織が、地方団体が共同で設立されるということでございますので、この新しい組織が将来にわたって安定的な業務ができるようなその資産をきちんと引き継いでいくということが必要であるというふうに考えておりまして、どこまでの額の範囲がこの新しい組織にとって必要なのだということを現在関係省庁と検討を行っているという状況でございます。
○山崎力君 どこまでがその適当な金額かどうかという検討だというふうなお答えだと受け止めました。
  そこで、この一番の問題だと思うのは、行革本部がいわゆる制度設計を担当したわけでございますけれども、現在の公営企業金融公庫、このものがいわゆる業務を継承する機関なのかどうなのか、今度地方自治体がつくろうとしている機関が、何とか地方自治体金融公庫になるのか何か知りませんけれども、その機関がいわゆる行革推進法十三条一号における業務を承継する機関なのかどうかという判断がポイントになろうかと思うんですが、行革本部としては業務を継承する機関として認めているんでしょうか、認めてないんでしょうか。

○政府参考人(大藤俊行君) 行政改革推進法は、昨年十二月に閣議決定されました行政改革の重要方針を忠実に条文化して作成したところでございます。
  行政改革推進法十三条一号におきましては、「現行政策金融機関の資産及び負債を厳正かつ詳細に評価し、新政策金融機関その他現行政策金融機関の業務を承継する機関が将来にわたり業務を円滑に遂行する上で必要がないと認められる資産で政府の出資に係るものについては、これを国庫に帰属させること。」と規定されているところでございます。
  すなわち、新組織が実施する業務全般に対し、既往の資産が無条件に引き継がれるというものではなくて、新組織が承継するとされる業務の範囲で、それを、既存の資産を活用して実施することが合理的であると決定した場合に、適正な評価の下で、そのために必要な限りにおいて資産を移管することができるとするものであると考えております。
  公営公庫に関連いたしましては、新組織が実施する業務等につきまして、現在、先ほど総務省から答弁ありましたように、政府内で鋭意検討を進めているところでございまして、具体的には、新組織がどのような業務をどのような考え方に基づき、どこに財源を求めて充実するか等を決定した上で、行政改革推進法にのっとって適切に対応することになるものと考えております。
○山崎力君 肝心な質問に答えてませんよ。要するに、今度の新しく、公営企業金融公庫というものを廃止すると。そこの事業についてはどうするかということを行革本部はどのように考えているのか。すなわち、そのやってきたことの、業務の全体を引き受けるかどうかは別ですよ、だから、そのやってきた総体としての考え方として、これから地方自治体がつくろうとしている団体、恐らく何とか公庫になると思うんですが、そのものがここの公営企業金融公庫の業務を、多くの業務、業務の内容はともかく、総体としてのこれが後継の組織だというものを、機関だというものを認めてから掛かるのか、そうでないのかということは行革本部しかこれ判断のしようがないわけで、それはどちらなのかと聞いているわけです。
○政府参考人(大藤俊行君) 新しい組織は、現在の公営公庫の業務を承継し得る機関だとは考えておりますが、正にどの業務について承継するということとするのかは、正にこれから政府で決定していくことになるものと考えております。
○山崎力君 ということは、まだ認めてないということですか。ということは、公営企業金融公庫のやってきたことをこれからもやっていく必要がないからやめたということなんですか。今まで公営企業金融公庫がやってきたことは無駄だとは思わないけれども、もう役割は終わったからもうなくしていいというのが行革本部の考え方なんですか。
○政府参考人(大藤俊行君) その点につきましては、正に制度設計におきまして、公営企業金融公庫は平成二十年度において廃止し、廃止後の地方公共団体のための資金調達を行う仕組みとするとともに、地方公共団体は共同して資金調達のための新組織を自ら設立することとされているわけでございまして、正に地方公共団体のための資金調達というところの中でどのような業務を行うかということにつきましては、これから正に政府で決めていくべきものと考えております。
○山崎力君 その政府に中核になるのは行革本部じゃないんですか。そのときにそこのところどこまでどうやるかというのは今検討しているだけでいいんですか。
○政府参考人(大藤俊行君) 正にここにつきましては、総務省を始めといたしまして関係省庁と一体として正に決定していくことになるもの、議論をして検討を進めていくことになるものと考えております。
○山崎力君 だから、自分で決めておいて、後のことについてはいろんなところでやっているからいいんじゃないのと聞こえるんですよ。だから、やめるんなら、やめたら最後までそこのところを、次の機関はこういうことに受け継ぐんだということの、立場上お答えしづらいのは分かるんですが、そこのところのめどを見せなければ、非常に問題が多いと。
  特に、引当金について、どれだけの要するに仕事をするか、地方自治体の財政から見て、仕事の量に決まってくる、この引当金が決まってくるわけです。特に自治体の関係者は、この引当金というのは激変緩和措置、いわゆる市場の金利が変わったときに長期金利のところをならすために我々が積み上げてきたんだという意識が非常に強いわけです。その辺のところを国が全部召し上げということになれば、これは地方の反乱が起きると私は思っておりますが、その辺のところ、少なくても業務を円滑に遂行できるための必要な資産の継承というところは、これはもう絶対的な要件だと思います。そのときに、もしそういったことになれば、逆にこういったことで業務が遂行、その資産を継承できなかったということにもなりかねない。そのときの責任、判断はどこにあるかということになれば、この制度をつくった行革本部の責任になってきます。その辺について一言だけ、もう一言だけお願いします。

○政府参考人(大藤俊行君) この制度、六月に決定されました制度設計につきましては、行革本部が各省庁と正に議論をいたしましてまとめた上で、政府の行政改革推進本部で決定したものでございますので、正に行政改革推進本部が決めたということには必ずしもならないのではないかと考えております。
○山崎力君 そういうふうに論点すり替えないでくださいよ。政府が決めたんでしょう。担当のところは行革本部がそこの中核になっているわけでしょう、まとめ役として。そうしたら、総務省が決めたっていうのは政府が決めたということですよ。政府が決めたことであって総務省が決めたことじゃない、そういうふうなことを言っているにすぎないんだ、今の言葉は。だから、論点はすり替えないで答えていただきたい。
  時間の関係で次に行きますが、新型交付税、先ほども出ていました。私も地方に行って、役場からずっと会計やって、収入役から町長になった人の話聞きました。この新型交付税、よくできていると言うんですよ。確かに複雑だと、単純なものをだった、人口と面積を基本に置いてやってきたことを、いろいろな地方の行政需要を考えて出し入れしてきて今の制度になった。確かに形は複雑だと。総額を求めるのも単純ではない、知っている人なら分かるけれども。だけど、今回の人口と面積を基にというと、先祖返りというか元に戻ることだと。逆に言えば、複雑な形だから、積分で面積求めなくちゃいかぬ、これが複雑で分かりにくいから、直線で全部引いて三角形の面積で面積計算した方が楽だと。分かりやすい。小学生でも分かる。高校生でも、ちょっと引っ掛かるのは、積分分かんないのに。だけど、正確な地方の需要をつくるのはそこじゃないんですか、という気がします。
  ということは、この問題で一番の問題は、地方自治体からこうしてくれという要望があったんですか。もしないとしたら、自治体の意向を踏まえないで新型交付税を導入するとしたら、これは地方自治を守るべき総務省の問題だと思うんですが、大臣、御見解いかがでしょうか。

○国務大臣(菅義偉君) 私は、副大臣、大臣のときも、非常に分かりにくいという話はそれぞれの自治体から言われていることもそれは事実であります。算定項目、今九十数項目あるわけでありますから、その中で変動の少ない約三割について新型交付税に導入をしようという形で、それと、骨太二〇〇六の中でも簡素で効率的なものにすべきであると、そういう指摘も受けていることも事実であります。
  そういう中で、今回、この導入を私どもは決意をさせていただいたと、そういうことでありますし、それと同時に、地方自治体の皆さんがよく言われるのは、予見可能性のある予算編成ができるような、そういう仕組みを是非つくってほしいという、このことも私は地方に行くと必ず実は言われることであります。それにできるだけ近づけるということもその一つであります。
○山崎力君 予見可能性にどうつなげるかというのは今回の中のこの問題には余り出てこないし、予見可能性からいったら、税収がどうなるかということでも交付税の額変動してきますからね、そこのところは無い物ねだりだと私は思っております。
  むしろ予見可能性でいえば、この項目がこういうふうなことになるということからいけば、人口と面積というのは地方の弱い自治体にとっては非常に嫌な状況なんですよ。というのは、人口が減っていくからです。もう明らかに交付税減る。そこを何とかしてくれといって、予見可能性ができました、来年はもっと厳しくなりますということで地方がもつかどうか。まあここはよた話と聞いていただいて結構でございますが。
  もう一つ、いわゆる頑張る地方応援プログラムに交付税措置というのを大臣おっしゃっていますが、交付税のこれは補助金につながるんじゃないのかと。客観的に算定された行政基準を確保する地財計画になじまないんじゃないのかという気がしておりますが、地方交付税の本来の趣旨からずれていると。やるなら別枠でやるべきだと。
  ただ、この問題というのは、税収増やして、それが確定して、よくやったねというところに輪を掛けてお金上げるという、そういう性格があり、もう一つ言わせていただければ、交付税全体枠で、そういういいところにやればその分全体から減らされるわけですから、そうすると、うまくいかなかったところはますます交付税減らされると、こういうことにもなりかねないんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(菅義偉君) 私も地方の行政の長の皆さんからいろんな実は御意見を伺います。どんなに財政力指数が低い地方自治体でも私はやれることというのは実はあるというふうに思っています。そういう中で、頑張ったところに応援するというのは、私はあるべき姿であるというふうに思いますし、例えば、交付税の算定は、義務教育、福祉、保健医療等の法令によって義務付けられた行政水準を確保するために必要な義務的なそして基礎的な経費に加えて、条件不利地域の特別な財政需要や行政改革、これについてもインセンティブを実は与えております。そういう意味で、合併等の全国共通の政策課題に係る経費を対象としているということも委員御理解をいただいておることであるというふうに思います。
  今回のこの頑張る地方応援プログラムによる交付税の算定は、正にその魅力ある地方を目指して取組が全国的に求められる政策課題である、そういうことを踏まえまして、財政需要を成果指標を用いて補足をして交付税の算定に反映させる、そういう趣旨であります。
  なお、この交付税は使途を特定されていない一般これ財源でありますので、こうした観点から考えても補助金化するということはないと、こう思います。
○山崎力君 時間がなくなりまして、ここのところで一応終わりたいといいますか、やりたいと思うんですが、最後のところの繰り返しになりますけど、これ算定するというか、どう客観的に頑張ったということをだれが判定するかというのは、これ実務上も極めて難しい。おたくのところはこれやったから褒めてあげるよということですよね。頑張ったから、よくやった、インセンティブを与えるよということですよね。
  そうすると、例えば、市役所の職員の数を減らしたとか、あるいは企業誘致で税収が上がったとか、これを事前に公表して、これを、このくらいのことをやればこのくらいの交付税措置に回しますよということを明らかにしなければ、これはフェアではないわけですね、やる方としては。
  それで、事前に、ある意味そういった点からいけば、その算定する人というのは総務省になるわけですね。ですから、その辺のところの実務上の問題も極めて難しい問題だと思います、まさか大臣のさじ加減ということもないんでしょうが。
  これ、事前にその、こういったものを頑張った自治体だとみなすということの計画はあるんでしょうか。

○国務大臣(菅義偉君) これについては年内に制度設計をし発表をするわけでありますけれども、今日までもいわゆるこの地方自治体の長の皆さんあるいは学識経験者の皆さんから様々なその頑張る地方に何が必要であるかという、そういうことで意見を実は伺っています。
  今言っていますのは、例えば人口交流なんかもそうじゃないかと、あるいは出生率を上げることだとか、いろいろなメニューがこれ出てくると思いますし、こういうメニューについてというものを私ども出して、地方が自主的にこうしたものをやりたいというものを地方から上げるものについて考えていきたいというふうに思います。
  いずれにしろ、今の地方自治体というのは私は余りにも元気がなさ過ぎるというように思っています。そういう中で、それぞれ地方には地方の魅力がありますし特徴があります。そうしたものを生かして頑張る地方を何としても引き出したい、そういう思いであります。
  例えば、この間、六人の市町村長さんに来ていただきましたけれども、宮古市の市長はお医者さんでありまして、全国一の子供を育てる市、子育ての市にしたいということで努力をして、例えば出生率を一・七以上にしている、そういう努力をしている。
  様々な私は地方にそういう努力が広がりますことをこの頑張る地方で期待をしたい、そういう思いであります。
○山崎力君 終わります。
(後略)