質問「『過疎地等への支援主体』ほか

(平成19年4月25日参議院少子高齢社会に関する調査会会議録より抜粋)


(前略)
写真「発言に耳を傾ける山崎力」○山崎力君 これは四参考人に共通する問題だろうと思いますので、順次お答え願えればと思うんですが、今のお話をずっと伺っていて、共通する問題点があります。
と申しますのは、一つは、助成というか、補助といいますか、支援、何でもいいんですが、この主体がどこがやるべきなんだろうということですね。まあ簡単に言えば、お金の出しどころがどこなのか、国なのか県なのか市町村なのか、それとも別の団体なのかという。それは、出すところには出すだけの理由といいますか、このお金は国が出すべきであるとか、このお金は県が出すべきであるとかという、そういう理由付けが必要になるわけですが、その辺のところが非常に見えてきにくいところがございます。その辺をどう考えたらいいのかなということが一点、四参考人からお伺いできたらというふうに思っております。
それで、特に保母参考人のお話の中だったと思いますが、過密過疎の話はもう昔からあったんだよという形で、そういった中で地方をどうするかというのがあの時点ですら手遅れだったんではないかというふうに発言されたように記憶しますが、これが、過密過疎が、それに少子高齢化というのがかぶさってきて今現状になっていると思います。
そういったときに、それでは行政がそこに何ができるんだと。要するに、過疎化しているところに、あなたそこから出ちゃ駄目ですよという住居移転の自由を奪う形のことは当然できないわけですし、それで取り残されているのが高齢者という現状を見れば、働き手というか生産年齢の人たちが、年老いた両親を田舎に置いて、食うために都市部に出て働いていると。そして、その残された地域の活性化が、子供が非常に少なくなっていくというこの現実は当然共通認識としてあるわけで、それに対して何をすべき、何をしたらいいんだろうかと。
それぞれの地域で一生懸命やっているところはあるわけです。第一次産業の活性化とか、かつては農村地域に工場を誘致して、働きながら農業をやって何とかそこで定着を図るとか。それでうまくいっているところは当然あるわけですが、それに乗り遅れたところに対してどうしたらいいのかということについてなかなか、何というのか、いい知恵が出てこない。金は出して頑張ってもらいたいんだけど、出す名目を、全国共通で出すとしたら、国が出すとしたら、全国共通でこういうものにはお金出しますという制度をつくらなきゃいけないんですが、それがなかなか難しいというところについてどのようにお考えかということをお伺いしたいと思います。
それから、大江、小谷部両参考人、これ、どちらがという、どちらでも結構ですしあれなんですが、今、佐々木参考人、保母参考人と違って、都市型の新しい形の、何というんでしょう、共同生活組織体みたいな形のいろいろなアイデアといいますか、そういうモデルをつくっていらっしゃるんですが、これが果たして日本の将来の都市型のモデルになるんだろうかと、広がりを持ってですね。あるグループというか、ある考え方の人たち、何割かはいらっしゃるかもしれませんが、そういった人たちを良くしてみんな生きがいを持ってやる。非常にこれはそれで成功すればいいんですが、これを広げていってこれを行政の施策として展開できるとすれば、ちょっと何か引っ掛かるといいますか、そういうところがありますもので、その辺についてのお考えを伺えたらと思います。

○会長(清水嘉与子君) それでは、四人の参考人の方々に財源の問題について共通の御質問でございました。そして、あと、保母参考人、大江参考人、小谷部参考人にそれぞれということでございますので。
それじゃ、佐々木参考人からでよろしいですか。はい、どうぞ。
写真「参考人として意見を述べる佐々木・青森市長」○参考人(佐々木誠造君) では、山崎先生の御質問ですが、助成とか補助とか、こういったようなものについてはどこからのものを期待するべきなのかというふうな趣旨だろうと思いました。
先ほど小林先生にもお話ししたんですが、少子高齢社会を支えるためには、やはり路線バスを始めとする公共交通機関が大変重要な役割を果たすということから、やっぱりこれについては公共交通機関の運営に関する国の支援というものが重要かつ必要であるというふうに考えております。県に期待するということもこれはなかなか無理があるんではないかというふうに思いますので、やはり国に期待せざるを得ないというふうに私ども思っております。
それからもう一つは、空き家等の住宅ストックをどう活用するかという、それについても、新たな公営住宅建設に対する支援、これは国の支援が充実しておるわけでございますけれども、今あるストックを有効に使おうという、空き家のストック活用なんということになると、これについては支援制度は不十分だと思っております。したがって、新設するよりはお金が安く付いて、リフォームすれば使えるというものは有効に使うべきではないかというふうに思いますんで、国の住宅政策の中でやはりこれはその部分を拡充していただくことが非常にトータルして得になるんじゃないかなというふうに思いますんで、これはやっぱり国のことを期待するべきではないかというふうに思っております。
なお、住宅局のもので地域住宅交付金制度というのがございます。これあるんで、例えば安全、安心の住まいづくりということで、例えば住宅の耐震診断とか改修とか、それから密集市街地の整備とか、こういったようなものはもちろん位置付けられておりますし、また住宅情報提供とか住宅相談とか、こういったようなものも制度としてあるわけですけれども、しかし、先ほど申し上げた私どものニーズからするとこれだけではちょっと不十分なんで、むしろそのせっかくある交付金の内容を少しく項目を増やしていただいて充実していただければ、それは使わせていただけるんではないかなというふうに実は思っておりますので、これはやっぱり国の制度の問題ということだと思います。
それからもう一つは、子育て世帯に対する支援の問題ですけれども、現行の公営住宅法では、子育て世帯に限定するという、公営住宅の入居をですね、子育て世帯だから優先入居という、そういう現行法、住宅法ではなってないと思うんですね。ですから、そこを我々の工夫でしていいのかどうかという問題もありますので、これはむしろ現行の公営住宅法の制約をもう少し緩めるというか、子育て世帯に関してはいいよとか、そういったようなことにしていただくとこれは非常に有効になるんではないかなと、こういう制度上の問題もございます。
以上です。
○会長(清水嘉与子君) それでは、保母参考人、どうぞ。
○参考人(保母武彦君) 地方分権の時代ですから、教科書的に言えば、地方のことは地方でと、地方が負担するというのが恐らく原理的な回答にはなると思うんですよね。ところが、地方には金がないと。
最近ある町へ行きまして、町長が憤慨していたのは、国の方は、国の方は財政赤字が大きいけれども地方の方は余りないじゃないかと、国と比べて、赤字が、という話を国の方はどうも、国というか財務省は考えているようだと。あるいは国会議員の先生という話は出てなかったですけれども。それはこういうことなんですよね。地方自治体、地方財政というのは赤字の起債はできないんですよね。したがって、赤字はないんですよ。これは、そのために、結果論から見ると、地方にはそういう赤字がなくて国の方にはあって、だから国が大変だから地方はもうちょっとお付き合いせよと、こういう話になっていて、それは話が違うというので怒っていましたので、念のため伝えておきます。
この地方の問題について、やはりそれぞれの課題についてどこが負担するのかということなんでしょうけれども、先ほどの私に対する質問との関係でいきますと、こういった点、過疎対策の問題、これちょっと言葉足らずだったんですけれども、過疎対策が始まる一九七〇年、昭和四十五年のときにはこういったことがあったんですね。地元では、先ほどの匹見町などが先頭に立って、そして国会でも島根県の知事と、それから議会も、県議会の議長、これが中心となって全国的な組織をつくって過疎法制定を要求したんですよね。
このときに、過疎法というのは、皆さん御存じのように議員立法で作られたんです、これは。ということは、その当時の国の行政の方は過疎対策については言ってみれば消極的であって、これは広域的な市町村圏計画が同時に出てきます、そのときに、これで処理しようと。要するに、地方の中心都市に周辺部の農村は任せるというような形の対策が国の行政の中心的な考え方だったわけですね。だから、政府の方から議案が出ずに議員立法でこれをやったんです。
で、その自治体の方が要求した過疎対策というのは、それは、それぞれそのときにある地域のところをこれをもう一度活性化させる、維持していこうと、こういう発想で組み立てられたんですけれども、それが十年ごとに更新されてきたということですね。
今何をしたらいいのかという点でいきますと、これは私は食料問題と国土問題と、この問題の中で高齢者の住生活環境問題を考えなきゃならないだろうと思ったんです。これは、食料問題、先ほども言いましたけれども、これは私、先ほどの質問との関係で、ちょっとずれるかもしれませんけれども、地方分権改革の中で、第一次の改革の中で、例えば農地の転用の問題ですね、この問題について全部これも地方に任せるというふうに国の方はしたんですよね。地方分権であればそれがいいような感じになりますけれども、私はそれに反対したんですよ、それは駄目だと。それはなぜかというと、国の食料自給に対する責任が、国が責任持たないことになります。それぞれの自治体が、いやここは住宅にすればいい、道路にすればいい、全部転用していったら、日本の農地にだれがその責任持つのか。国としてこれだけは絶対確保しなきゃいかぬということは、これは地方分権だから地方にというそういう無責任じゃなしに国が責任持てと、この問題は、ということを何度か書いたことあるんですけれども。
例えば、現在の農村問題の状況からすると、そこに人がおらなくなる、集落がなくなる、村がなくなっていく、こういう事態は、同時にそこにおける農地が、当面は通い農業、通勤農業やるとしても、そのうちに衰退していきます。この問題を、将来的にはそうなることを前提にした話になってきますので、これは何としてでも確保しなきゃいかぬと。
今、アジアの食料問題でいうと、アジア全体が輸入地域になっております、食料。中国が大量の輸入を今始めましたから。これは季節的じゃなしに、凶作だとか気候的な変動じゃないです。今の工業化の中でそうなってますから、これは戻らないです。そうなってきたときに、日本の食料問題、後から国際的な競合が出てきてどうしようもないという事態になったらちょっと間に合わないです。そうすると、今の段階で無理でもやはり農地を残さざるを得ないです、これは、日本の将来のために。そうすると、これは明確に今の農村問題の、そこに人が住む、高齢者の問題、子供の問題その他、それは福祉の問題かどうかとかそういう話ではなしに、日本の将来のためのこれは国が責任持つ問題だと、私はそういうふうに考えております。
○参考人(大江守之君) よろしいでしょうか。
○会長(清水嘉与子君) はい。それでは大江参考人、どうぞ。
○参考人(大江守之君) 支援の主体をどう考えるかということなんですが、私は今横浜市における様々な取組、あるいは藤沢市も含めてですけれども、神奈川県における取組を見る中から、やはり行政ではない、新しい公共という議論がありますけれども、あるいは社会関係資本というような議論もあって、要するに地域の人々から信頼されるある種の主体というものが高齢期の生活というものを支援していく中心になるべきであろうというふうに思います。
ただ、それをどういうふうに成立させるかという点でいいますと、横浜市でもパートナーシップの協働のモデル事業をいろいろやっておりますけれども、まだなかなかそういった主体をどう育てるかということに関して明確な答えは出ていないのではないかというふうに思います。
それは、つまり、これも非常に大ざっぱな言い方をしますと、地方公共団体、つまり自治体というのは住民が専門サービスをそこにゆだねるところなわけですね。その専門サービスの一部を行政が直接やることの非効率性とかいうことを別にしながら、今NPOや、あるいは特に社福であるとかそういった組織が担っている。そこに対して、住民が専門サービスを付託するために払っている税金をどういうふうにそこに入れていくのかということのルール作りが必要だろうと思います。そこが、多くの住民が納得しという形で実現されれば、そういった部分が具体的なその支援の主体として活躍できると思いますし、そういう意味では行政はそれを後方から支援するという、そういった形になるというふうに考えますので、僕はその部分を上手につくっていくということが必要であるというふうに考えます。
それから、過疎は私に対する質問ではないんですが、私、学生時代から過疎問題に関しても関心がありまして、ちょっと不十分な知識を基にして若干コメントさせていただきますと、私、元々背景が地理学とか都市計画でありましたので、割と現実的にどう問題を解決するかというふうに考えがちでございまして、過疎対策の十年時限立法で今四つ目の法律になっているんでしょうか、ここで実際にその要件で指定されている市町村の人口を全部合計しますと、多分五百万人ぐらいだと思うんですね。つまり、日本の人口の五%に満たないぐらいではないかと思います。
その部分の中で更に一番限界的な状況に陥っているところは更に少なくなると思うんで、そこの部分を果たしてどうするのかというときに、私は、やっぱり集落移転というか、あるいは個々に住んでいらっしゃる方を、特に高齢者であれば、里に下りてきていただいて、そして必要なときに元住んでいたところに通えるような条件を付けながら、医療とか福祉とかというサービスを受けやすくする、また同時に、そのサービスを提供する側としても効率的に提供できるようにするというような考え方というのは、僕はもう取られていいんじゃないかというふうに思います。
今住んでいらっしゃる方のお気持ちがどうだからということだけではなくて、さっき事例に出ましたように、一戸だけ残っているために一億円で道路を整備するというようなことではなくて、その一億円が将来にわたって生きるという形の投資の仕方、それを考えるべきだというふうに考えます。そのことは本来自治体が決めていいことですし、いろんな形で住民の声を聞きながらそういった方針をしっかり出して進めていくということが必要だろうと思います。
それから、私に直接御質問いただきました、例えば高齢者グループリビングといったものは、共同居住組織体というふうにおっしゃいましたけれども、そういったことがどれぐらい普遍性を持つのかということに関しては、私もこういったものが全国津々浦々にできていくというふうに考えているわけではありません、今のところですね。
といいますのは、これは全く制度に乗っていない自主的な取組であって、そして全部入居者が自分のお金で回しているわけですね。こういった支払は、国民年金だけでは難しいですけれども、厚生年金をもらった方とかあるいは国民年金プラス御主人の遺族年金をもらっている方とかいうぐらいの方であれば支払可能な水準なんですね。そういった言わば日本の高度成長を支えてきた中間層というのは非常に大きな層として存在しているわけであって、その人たちがこれから高齢化していくわけですから、そういう人たちが自分の力で共同しながら暮らしていくというモデルをきちっとつくることが本当に人々の、市民の力を生かすという意味で非常に大事だというふうに思います。自分たちでできるところはやっていくと。そういうものがいい取組だとすれば、それをまた支援するような団体、あるいはそれを更に後方から行政が支援するという仕組みはもっとつくっていいと思いますけれども、それがどういう場所にどういうふうにお金を入れて、どういうふうに活動団体の活性化をしていくかという点についてはまだこれからだというふうに思います。
認知症高齢者グループホームが介護保険制度の中で予想した以上に爆発的に増えてしまったということは、もちろん何らかの制度的な介入をすればグループリビングも爆発的に増える可能性もありますけれども、そういう形で増えることが果たしていいかどうかというのはよくよく考えてみる必要がありますし、またグループリビングはその建物の中に十人が住まなきゃいけないということじゃなくて、ある小さな地域の中に個別に住んでいても、それをある種のコミュニティーリビングという言い方も私はしているんですけれども、その小さいコミュニティーの中で個々別々に住んでいる高齢者たちがつながり合いながら支援を受けて暮らすという、そういうモデルへの発展も可能なわけですね。
ですから、そのモデルを基にしながらどういうふうに、その地域地域の実情に合わせながら、あるいは個々の高齢者の生活実態に合わせながらそれをより暮らしやすい自立した高齢期として実現していくかということはいろんな考え方の余地がある、そういうモデルになるものとしてもう少し普及してもいいんじゃないかというふうに考えているところです。
以上でございます。
○会長(清水嘉与子君) それでは、最後になりました、小谷部参考人、どうぞ。
○参考人(小谷部育子君) 御質問の中で、こういう私のプレゼンテーションのコレクティブハウジングですが、だれがどうやるべきなのか、あるいは行政の展開としてどうこれは位置付けられるのかという、その二つの御質問に答えたいと思うんですが、今日、住生活環境デザインと特に私最初のタイトルのところに付けたのは、こうあるべきだということではなくて、やっぱりだれがどうつくり育てるのかという、その辺が課題ということで、あえてデザインということを付けさせていただいたんですが。
高度情報社会のこういう環境の中で、時間、空間関係なく、本当に私たちはいろんなネットワークづくりができるわけですね。それと、いろいろな商品経済の発達、食べることから、あるいは家事サービスも含めて大変そういう商品経済の発達の中で、それがやはり個人の生活の個人化あるいは孤立化、それを大変促進しているというのが現状だと思うんですね。それが、少子化、それから子供のいろいろ犯罪の問題だとかいじめの問題だとか、それから高齢期の不安な環境、そういうものをつくっているというふうに思います。したがって、そういう子育て、それから高齢者を福祉としてどうそのサポートするかということで、福祉財政がどんどんどんどん膨らんでいくという、そういうことになるわけですね。生活がどんどん個人化し、地域からの孤立化が進む。
そういう中で、今大江先生もおっしゃっていましたけれども、コレクティブハウジングというのが、住民、居住者による内発的な人と人との関係、あるいは人と地域の関係を居住者自身がつくっていく、そういうライフスタイルであり、ハウジングであるわけですね。
ですから、一番重要なのは、そういう集まって住むことによって、本当に孤立しているんじゃなくて、隣の人を知らないのではなくて、少しずつ手を結び合っていく、そういう住環境をつくっていこう、ここで言っているコレクティブ人みたいなそういう人たちをたくさん育てていこうという、それは行政の問題ではないと思います。やっぱりそれはNPOなり、そういうともにつくっていくことの価値、生きがい、そういうもの。ただ、こういうものの情報発信とか、あるいは専門家の派遣、そういうものの後方支援はできるかと思います。
それから、そういうグループホームだとか、あるいはコレクティブ住宅だとか、そういう物そのものは例えば公営住宅ということで供給できるかも、形としてはできるかもしれませんが、それは違う。そういう支援ではない。物をつくる、物づくりではないということですね。あくまでもコレクティブハウジングというのは本当に生きている集住態を言うわけですから、そういう人を育てていく。
しかしながら、やっぱりこういうのは私は賃貸住宅であるべきだと思うんですが、実は大変面倒な、やはりつくるプロセスあるいは運営にしても結構面倒なことで、なかなか事業主体が現れない。かんかん森なんというのは年間すごい見学者があるんですね。テレビでも新聞でもとてもいい暮らしと言う。なんですが、実は第二号が巣鴨に小さなスケールで建物のコンバージョンという形でできましたが、次々とできていかない。ということは、事業者がいないということですね。やっぱりなかなか事業にならない。やはりマーケットベースでできていく住宅ではない。
ということは、例えば、それに行政が何ができるかというと、こういう社会的な意味があると、あるいは世帯の一%かもしれませんが、それは大変大きな数になるわけで、それのコミュニティーとしてのスタッフ、高齢者の限りない自立ですね。むしろ福祉財政を節約できるわけですね。コレクティブハウジングの高齢者を見ますと、小さな子供を、ほかの家族のですね、抱くことによって本当に生き生きとする。あるいは面倒を見る、あるいは自分一人ではとても自分の食事なんてやってられないけれども、やっぱりほかの人が喜んでくれる、そういう、高齢者にとっては自立生活をやっぱり限りなく伸ばせるとか、それから、そういうコミュニティーがいざというときに大変地域にとって力になる。
そういう社会的な価値があるということがやはり認められれば、例えば具体的には公有地、空き小学校がたくさん出てくる、あるいは公有地売っ払うんじゃなくて、優先的に例えば定期借地権でこういう事業をやろうと、あるいは、こういうグループがこういう暮らしを何とかしたいという、そういうグループや事業主体に何か公有地を優先的、そうですね、譲渡というのはなかなか難しいでしょうけど、定期借地ぐらいはするとか、例えばそんなような支援、それから専門家を送る、そういうような支援、そんなことはできるのではないかということで、是非政策的な一つのテーマに取り上げていただきたいというふうに思います。
○会長(清水嘉与子君) ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
じゃ、岡田さん、どうぞ。
○岡田広君 自由民主党の岡田広です。
今日は、参考人の皆さん、本当にありがとうございました。
青森市長の佐々木参考人にお尋ねをしたいと思います。
よく、山崎先生からこのコンパクトシティーのすばらしさは私も常々お伺いをさせていただいております。三つのエリアをつくりまして、雪がキーワードになったということもお話伺いましたけれども、また、青森は日本女性会議も大成功させまして、男女共同参画行政も進んでいると伺っております。
そういう中で、高齢者の街なか居住の促進にいろんな政策を考えていらっしゃるということで、大変私は学ぶべきところが多いんだろうと思うんですけれども、環境が整備をされた後に、その後に、高齢者の生きがい対策というのか健康づくりというのか、高齢者が集まる場所、例えば青森ではこのアウガ図書館をつくりましたら、これは複合商業施設という、公共と複合商業施設ということで、これを建設ができてから例えば図書館をつくって、今、一か月当たりの来館者数ももう四倍強に増えてきたということで、やはり公共施設、高齢者の方々を中心に集まる場所というのは大変重要だと思います。
そういう中で、コンパクトシティーの青森市の中で、私は、こういう一小学校区、一公民館とか一市民センターとかそういうことで、ここでみんなで集まっていろんな話をして、地域の問題は地域で解決すると、地域でできないものを行政にお願いをするというのが住民自治の在り方だと基本的に考えているんですけれども、青森では、高齢者を中心に集まる場所としての公民館とか市民センターとか、こういう対応、対策はどうなっているのかが一点です。
それから二点目は、特に青森県は有効求人倍率も低い、雇用が雪というのもあって大変だろうと思うんですが、高齢者に対応した雇用政策というのは、シルバー人材センターなんかもその一つなのかもしれませんけれども、どういうふうに政策としてやっているのか、この二点をお尋ねしたいと思います。
そして、保母参考人にお尋ねしたいことは、農村地域の位置付けというのは非常に私も大事なことだろうと思いますし、今情報化時代で、都市も農村ももう瞬時に情報が入る時代になりました。そういう中で、国の予算でも社会保障費はどんどん伸びてきて、公共事業どんどん減らされていますけれども、やっぱり農村では公共事業の必要性、地域経済活性化のために私は必要だろうと思うんですけれども、この公共事業、さっき百億という大きな公共事業の話ありましたけれども、小さい生活環境整備の公共事業になってしまうと市町村がやるということになって、市町村もなかなか、国からお金もらっても自分のところの負担分がないという、なかなかできないというそういう現象もあるわけですけれども、この公共事業、農業も駄目になっちゃっている現状の中でどういう政策を展開したらいいのか、もし考え方ありましたらお聞かせいただければと思います。
以上です。
○会長(清水嘉与子君) それでは、佐々木参考人、どうぞ。
○参考人(佐々木誠造君) 岡田先生からの、生きがい対策ですね、高齢者の。
先ほど配付させていただいている資料の五ページのところに書いてあるんですけど、それぞれの地域にそれぞれの生涯学習センター的な市民センター、これを大体ブロック別に配置しておりますのと、青森市役所の支所を配置している。大体二キロ圏内でカバーしているという状況でありまして、そこを拠点にして、老若男女、日常的に生涯学習センターとして非常ににぎわっているという状況が一つございます。
一方では、中心市街地に街なか暮らしということで、九百十数戸のマンションのお話ししましたけれども、そこのいわゆる入居者の状況を調べた結果では、すべて高齢者が移り住んだわけではないと、年代的に非常にバランスよく収まっているということで、三十代から七十代以上まで収まっているという状況がございます。
そういう中で、そこに移り住んだ方々の今度は高齢者に対して、それから住んでいる方に実は中心市街地の連中がアンケート調査をした結果も出ております。そうしたら、やっぱり移ってこられた方が、さて移った、安住の地と思って来たが一体どうなるんだろうと、いわゆる自分の知り合いもいないとか、そういうことで相当不安がっているんではないだろうかと、こういうことも調査したわけですけれども、やってみたら意外に、地域や同じマンションの人にお世話になりたいとか、同時に自分も何かの役に立ちたいとか、地域の人たちとのつながりが欲しいとか、こういうことが回答として一杯出てきたんですね。つまり、そういうことで、新しいいわゆる街なか暮らしを促進した場合には、やっぱりコミュニティーの再構築というものが求められているんではなかろうかなというふうに思っております。
ですから、それを町衆が一緒になって今調査をし、そしてこれからそれにやっていこうということで、それでどんどん参加を呼び掛けていくという、その拠点とも言えるものがアウガが拠点になるというふうに思っておりますし、それから子育て世帯の方々にはアウガの中にさんぽぽという、散歩とタンポポをくっ付けて、これはネーミングを募集したらさんぽぽということで、これは子育ての方々がそこに、図書館のすぐ下に広場が、部屋があって保母さんもいるんです。そこに日常的におじいちゃん、おばあちゃんでも孫でも連れていけると、こういうところをつくりましたら、これが大変な人気でございまして、したがってそこにはしょっちゅう子供さんがいるんです。それから、親御さん若しくはおばあちゃんがいて遊んだり遊ばせたり友達になったり、そういう状況もございます。ですから、そういう形でちょっとした工夫をしてやることによってやっぱり新しいいわゆるコミュニティー、これをつくっていけるんじゃないかなと、これからの仕事はそこかなというふうに思っております。
それから、郊外に住み替えしたときにそこが、子育て世帯の方にリフォームしたところに住んでいただくとすると、新しく行った人は新住民なんですね。ですから、それもやっぱりそこの再構築、コミュニティーの再構築も必要になってくるだろうというふうに思っていまして、そのときにはそこに設置してある、ブロックに設置してある生涯学習センター、つまり市民センターですね、こういったものが拠点になるんじゃないかなというふうに思っております。そういう形で、いずれにしてもやっぱり再構築、これが大変大事じゃないかというふうに思っております。
それから、もう一つ何かございましたか。
○岡田広君 高齢者。
○参考人(佐々木誠造君) 高齢者は、これについてはいろんな方法があるんですが、シルバー人材センターが非常に伸びておりまして、利用は非常に利用されておりますし、高齢者にとっても大変これは生きがいになっているという状況も出ております。
○会長(清水嘉与子君) それでは、保母参考人、どうぞ。
○参考人(保母武彦君) 保母でございます。
質問があった件についてですけれども、その前に、今青森市長さんが言われたコミュニティーの再構築、これがだから、都市は都市としての再構築がありますし農村は農村としての再構築があると、都市と農村と、コミュニティーの再構築といえば同じですけれども、もう一つ言えば、都市と農村というのは原理的に違うシステムで動いていますので、この辺りの検討、研究が必要だろうとは思います。
今日はその話じゃなしに、次の話で、公共事業の問題ですけれども、これについては、今現実の問題としては、大幅にやはり公共事業が減ってまいりまして、それが農業の方の、先ほど言ったような米三十キロが一万五千円から六千円ぐらいになりまして、それを、先祖伝来の土地だから作らなきゃいかぬけれども作ったら作っただけ赤字になるというような、それを埋め合わせる上で、それは年間何十日かの公共事業というのは極めて重要だったんですけれども、そこが縮小したために、これ、そこの村、町におってもなかなか生活が成り立っていかないとちょっと出掛けていこうかということにつながってきますよね。ですから、これは公共事業でいくのがいいか、そのほかでもいいけれども、いずれにしろ、その地域での金回りの問題としてしっかりと考えなきゃならないと。
公共事業の今の問題で言えば、ちょっと先ほどから思い出してなかなか出てこないんですけれども、私、公共事業を、無駄が多かったからそれは転換せよということをその瞬間では言ったんですよ、もう十年ぐらい前か、もうちょっと前ですか。そのときに、転換するに際して三つぐらいのその転換方法をちょっと考えておったんですけれども、ちょっと思い出さないので、大分前の話で。いずれにしろ、そういった点では、地域経済の中で重要な役割を果たしている問題を考えていかなきゃいけないと。
これで、一か月ほど前に私調査に行きまして、また行こうと思いますけれども、岩手県で非常にいい事例があるんですね。岩手県の一番南、一関から太平洋側の方に入った、気仙沼の山の裏側と言ったらいいでしょうか、そこの藤沢町というところですけれども、ここが、あれは長い間町長をやった方がおられるんですね、七期。六期、七期ですね。六期じゃない、五期か。違いますね、全部で三十二年ぐらいやった方なんですね、助役二期に町長を何期かね。佐藤守さんという方がおられて、その方のときにいろいろ造ってくるんですけれども、ここは福祉施設も一通り全部町内に置いたんですよ。やっぱり地元でそれがないといかぬというんで造っていくんですよね。役場の上のところの見晴らしのいいところに病院もあり、高齢者の施設が置かれているんですよ。そこは一番見晴らしのいいところだと。今まで地域のために奮闘したお年寄りのためにと、こういう話で、一番いいところにあるんですよね。
その福祉施設を造るときに、その町長がこういう話を知事のところへ持っていったと。その地域で働いて、そして高齢期を迎えて、それで、その地域で死ねない状況がある、こんなのは自治ではないと。それで、その町長は何をしたかというと、死亡票を持っていって、町民のね、みんな外で死んでおるじゃないかと。これ、住民の希望じゃないと。だから、そこで最期を迎えれるような福祉施設があり、そして最後はそこで亡くなっていける、そういう地域をつくらなきゃいかぬと。
こういうのでその病院からずっとやってきて、病院も、岩手県の中では公立病院で、そこは黒字になっておると言っていましたね。土日もやっておるんですよ。そうすると、一関の辺りは大きな病院も民間も全部土日閉めていますから、夜もね、そこまで来るわけですよ、一時間ぐらい掛けてね。というので黒字になっていますけれども、いずれにしろ、そういう施設を造っているんですよね。これはすごいと思いましたね。
それで、その周辺の町役場、村役場、どちらだったかな、そこの収入役さんがこの藤沢町の高齢者のその施設に入りまして、その収入役までやった人が、私の地方自治のつくり方は間違っておったと、隣の町の世話にならなきゃいかぬと、最後、言ったというふうに言っていましたけれども、それを考えてみると、これ、経済的な合理性だけというか効率だけでこういう問題を割り切っていいのかね。やはりそこで愛着を持てるような地域をどうつくるのかという辺りの、ちょっと、心の通う政治をどうするかと。
そのために、先ほどの公共事業の問題に戻りますと、やはりそういうために、いや、外から見たら無駄かもしれぬけれども、その地域にとっては絶対必要だという、この辺りの要するに選択権というか、それをだれが決めるのかと。十分な情報を行政も出して、そして最終的に、選んで失敗する自由も自治もあると、住民にはね、これが住民自治ですよ。それが必要じゃないかと。
ちょっと脱線しましたけれども、そんなことを考えております。
○会長(清水嘉与子君) 岡田さん、よろしいですか。
○岡田広君 はい、ありがとうございました。

(後略)